JP5798966B2 - バルブ構造 - Google Patents

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Description

この発明は、バルブ構造に関し、特に、車両のサスペンションに組み込まれる緩衝器における減衰部への具現化に向くバルブ構造の改良に関する。
車両のサスペンションに組み込まれる緩衝器のバルブ構造としては、たとえば、ピストンと、このピストンの一端に積層される環状に形成のリーフバルブとを有するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
そして、ピストンは、このピストンが隔成する一方室および他方室を連通させるポートと、一端の内周側に環状に形成のボス部と、一端の外周側に環状に形成の弁座とを有している。
対して、リーフバルブは、内周端部がボス部に定着して外周端部が弁座に離着座することでポートの下流側端を開放可能に閉塞すると共に、外周端部に弁座の内周側と外周側との連通を許容するオリフィスを有している。
また、上記の特許文献1に開示するところでは、ピストンの一端にあって、ボス部と弁座とが同一円錐面上にあるようにして、弁座がボス部より高くなる高低差を有している。
それゆえ、ピストンの一端に積層するリーフバルブにあっては、ボス部と弁座とに高低差があるため、リーフバルブにおける内周端部のボス部への定着の際にリーフバルブにおける外周端部が弁座の上端に押し付けられ、イニシャル荷重が付与されることになる。
したがって、このバルブ構造にあっては、ピストン速度が低速領域にあるときには、高圧側からの作動流体がリーフバルブの外周端部にあるオリフィスを通過して低圧側に流出するから、オリフィスを通過することによる圧力損失があり、二乗特性となるオリフィス特性の積極的に立ち上がる減衰力の発生を可能にし得ることになる。
そして、ピストン速度が高速領域に移行するときには、高圧側からの作動流体がリーフバルブの外周端部を撓ませて弁座との間に生じる隙間を通過して低圧側に流出するから、隙間を通過することによる圧力損失があり、比例特性となるバルブ特性の減衰力の発生が可能とされ、減衰力の急な立ち上りを抑えることが可能になる。
特開2004−176775号公報
上記のバルブ構造にあっては、このバルブ構造を具現化する減衰部を備える緩衝器が車両のサスペンションに組み込まれる場合に、車両における乗車フィーリングを悪くすると指摘される可能性がある。
上記のバルブ構造における減衰特性を見ると、作動流体がオリフィスを通過することによるオリフィス特性からリーフバルブの外周端部を撓ませて弁座との間に出現する隙間を通過することによるバルブ特性に急激に変化する。
つまり、リーフバルブにあっては、作動流体がオリフィスを通過しているときには、オリフィスを有する外周端部の動きが抑えられているが、オリフィスを通過する作動流体の流量が増えてくると、オリフィスだけでは対処できなくなって、リーフバルブが外周端部を撓ませて弁座との間に隙間を出現させ、作動流体を流出させる。
そして、リーフバルブが外周端部を撓ませて弁座との間に隙間を出現させる際には、リーフバルブの外周端部の全周が弁座から一挙に離れることになって、リーフバルブの開弁動作が言わば急激になり、オリフィス特性からバルブ特性へ減衰特性が急変することになる。
そのため、たとえば、車両が低速でロールしているときにオリフィス特性からバルブ特性に変化すると、言わば減衰力が抜けたような感覚を搭乗者に知覚させてしまい、乗車フィーリングが悪くなって、車両における乗り心地が悪化し、また、急な内圧の変動で異音が発生する危惧もある。
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、車両における乗り心地の悪化や異音発生を危惧させないバルブ構造を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、この発明の構成を、環状に形成のバルブシート部材と、このバルブシート部材の一端に積層される環状に形成のリーフバルブとを有し、上記バルブシート部材が上記一端に上記リーフバルブの内周端部を定着させる環状に形成のボス部と、上記リーフバルブの外周端部を離着座させる環状に形成の弁座とを有し、上記ボス部と上記弁座との間に上記ボス部の上端より上記弁座の上端を高くする高低差を有するバルブ構造において、上記弁座の上端における内側縁を上記一端に平行する平坦面上に位置決めると共に、上記ボス部の上端面を上記一端に対して傾斜する傾斜面にし、上記平坦面と上記ボス部の上端面を含む仮想平面とが交わってできる仮想交線が上記平坦面上で上記弁座の内側縁外に配されるとする。
それゆえ、バルブ構造にあっては、内周端部がボス部に定着して外周端部が弁座に離着座するリーフバルブにあって、弁座の上端がボス部の上端より高くなるから、内周端部のボス部への定着の際に外周端部が弁座の上端に押し付けられ、イニシャル荷重が付与される。
一方、このバルブ構造にあっては、弁座の上端における内側縁をバルブシート部材の一端に平行する平坦面上に位置決めると共に、ボス部の上端面をバルブシート部材の一端に対して一方向に傾斜する傾斜面とし、上記の平坦面とボス部の上端面を含む仮想平面とが交わってできる仮想交線が上記の平坦面上で弁座の内側縁外に配されるから、ボス部にあって最も高くなる部位の径方向の延長線上に位置する弁座の上端の内側縁に着座するリーフバルブの外周端部が、イニシャル荷重が付与されながらも、リーフバルブの外周端部の周方向における他部に比較してイニシャル荷重が少ない分撓み易くなり、他部に先んじて開弁動作し易くなる。
つまり、上端が一方向に傾斜するボス部の最も低くなる部位の径方向の延長線上に位置する部位とその上方の弁座における上端の内側縁との間には、上記の言わば反対側に比較して、大きい高低差があり、その分、リーフバルブの外周端部にあっては、大きいイニシャル荷重が付与されることになり、したがって、撓み難くなり、開弁動作し難くなる。
このことから、バルブ構造にあっては、ピストン速度が低速領域にあるとき、たとえば、弁座がオリフィスを有する場合、作動流体がこのオリフィスを通過して流出することになり、その際にオリフィス特性の減衰作用がなされる。
一方、作動流体の流量が増え、作動流体が弁座に設けられたオリフィスを通過するだけでは流出し得なくなるときには、作動流体の流体力で他部に比較してイニシャル荷重が少ない分撓み易くなっている部分が他部に先んじて開弁動作し、弁座との間に部分的に隙間を出現させ、この部分的な隙間を通じて作動流体が流出することになり、その際にバルブ特性の減衰作用がなされる。
そして、作動流体の流量がさらに増えると、リーフバルブにおける外周端部が撓み易い部位から撓み難くなる部位に向かって徐々に撓み作動し、最終的に弁座との間に環状の隙間を出現させ、この環状の隙間を通じて作動流体が流出することになり、その際にバルブ特性の減衰作用がなされる。
つまり、この発明のバルブ構造にあっては、オリフィス特性の減衰作用からバルブ特性の減衰作用に切り換る際に、バルブ特性の減衰作用に言わば全面的にいきなり切り換るのではなく、徐々にバルブ特性の減衰作用に切り換ることになる。
その結果、この発明のバルブ構造によれば、オリフィス特性からバルブ特性に切り換る際に、オリフィス特性を緩やかにバルブ特性に連続でき、車両における乗り心地の悪化や急な内圧の変動による異音発生を危惧させないことが可能になる。
この発明の一の実施形態による緩衝器を示す部分縦断面図である。 図1中のX−X線位置で示すピストンの横断面図である。 図2中のY−Y線位置で示すピストンの拡大部分縦断面である。 オリフィス特性とバルブ特性の連続状態を示す図である。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明する。この発明によるバルブ構造は、たとえば、車両のサスペンションに組み込まれる緩衝器における減衰部に具現化される。
そして、緩衝器は、図1に示すところでは、作動流体、たとえば、作動油を収容するシリンダ1と、このシリンダ1内に出入自在に挿通するピストンロッド2と、このピストンロッド2の図1中で下端部となる先端部2aに保持されてシリンダ1内に摺動自在に挿入しシリンダ1内に一方室R1と他方室R2とを隔成するバルブシート部材たるピストン3とを有している。なお、作動流体については、作動油以外の液体とされても良い。
図示する緩衝器は、倒立型に設定され、シリンダ1が上端側部材として車両における車体側に連結され、ピストンロッド2が下端側部材として車両における車輪側に連結されるが、この発明のバルブ構造を具現化するのにあって、緩衝器が倒立型に設定されるのに代えて、図示しないが、正立型に設定されても良い。
緩衝器が以上のように形成される一方で、この発明によるバルブ構造は、図示するところでは、緩衝器における減衰部、すなわち、シリンダ1内に摺動自在に挿入のピストン3の図1中での上端側となる他方室R2に対向する一端側に設けられた伸側のバルブ4部分に具現化される。
以上の前提の下に、以下に、この発明におけるバルブ構造について説明する。ピストン3は、環状に形成されて、シリンダ1内に隔成する一方室R1の他方室R2への連通を許容する伸側のポート3aを有し、伸側のポート3aの図1中で下端となる上流側端は、一方室R1に対向するピストン3の下端に形成の環状溝3bに開口し、伸側のポート3aの図1中で上端となる下流側端は、他方室R2に対向するピストン3の上端側に形成の環状溝3cに開口する(図2参照)。なお、環状溝3bは、圧側のバルブ5に形成の孔5aを通じて一方室R1に連通する。
また、ピストン3は、図2にも示すように、図1中での上端側となる一端側に伸側のバルブ4の内周端部(符示せず)が定着する環状に形成のボス部Bと、ボス部Bの外に形成されてボス部Bとの間に環状溝3cを区画し伸側のバルブ4の外周端部(符示せず)が離着座する環状に形成の弁座Sとを有している。なお、図2中にあって、一点鎖線で示す円は、伸側のバルブ4の輪郭を表し、ピストン3の外周に設けたピストンリング(符示せず)の図示を省略する。
そして、この発明のバルブ構造にあっては、図3に示すように、ボス部Bと弁座Sとの間にボス部Bの上端より弁座Sの上端を高くする高低差を有し、これによって、ボス部Bに定着して弁座Sに離着座する伸側のバルブ4にイニシャル荷重を付与するとしている。
ちなみに、ピストン3は、伸側のポート3aおよび環状溝3c、また、ボス部Bおよび弁座Sの形成を可能にする限りには、任意に構成して良く、たとえば、金属材で形成するとき、焼結形成しても良く、また、鍛造して良く、さらには、硬質な合成樹脂材で形成しても良い。
戻って、図示するところにあって、ピストン3は、弁座Sに打刻からなるオリフィスS1を有し、このオリフィスS1は、弁座Sの周方向の任意個所に形成され(図2参照)、弁座Sの内側たる環状溝3cの弁座Sの外側たる一方室R1への連通を許容し、作動油が通過する際の圧力損失でオリフィス特性の減衰作用をなす。
一方、伸側のバルブ4は、ピストン3の上端側に積層される複数枚の環状に形成のリーフバルブ、つまり、図1に示すところでは、同径に形成される二枚のリーフバルブ41,42と、このリーフバルブ41,42より小径に形成されて異径とされる複数枚のリーフバルブ43,44,45とを有している。
そして、伸側のバルブ4にあっては、内周端部がピストン3のボス部Bに定着し、外周端部がピストン3の弁座Sに離着座してピストン3の環状溝3cを開放可能に閉塞する。
リーフバルブ41は、ピストン3の上端側に積層して内周端部(符示せず)がボス部Bに定着し、外周端部(符示せず)が弁座Sに離着座して環状溝3c、つまり、伸側のポート3aの下流側端を開放可能に閉塞する。
リーフバルブ42は、リーフバルブ41の背面に積層して、リーフバルブ41をバックアップするもので、リーフバルブ41における外周端部が撓んで弁座Sから離座するときに併せて外周端部が撓み、リーフバルブ41の作動に追従する。それゆえ、リーフバルブ41の撓み剛性の如何によってリーフバルブ42の積層を省略しても良い。
リーフバルブ43は、リーフバルブ42の背面に積層して、リーフバルブ42における外周端部の撓み作動、すなわち、リーフバルブ41における外周端部の撓み作動を抑制するように機能する。なお、リーフバルブ44,45も、それぞれ下方のリーフバルブ43,44の背面に積層して、リーフバルブ43,44における外周端部の撓み作動を抑制するように機能する。
つまり、図示する伸側のバルブ4にあっては、リーフバルブ43以下における径を大小選択することで、リーフバルブ42における外周端部の撓み量、延いては、リーフバルブ41における外周端部の撓み量を調整し得ることになる。なお、この発明のバルブ構造の具現化にあっては、リーフバルブ41を有してなることで足り、リーフバルブ42以下を有することが必須とされない。
以上のように形成されたバルブ構造を有する緩衝器にあっては、ピストン3がシリンダ1内を下降する伸長作動に、高圧側となる一方室R1からの作動油が伸側のポート3aを通じて低圧側となる他方室R2に流出する。
そして、バルブ構造にあっては、シリンダ1内におけるピストン速度が低速領域にあるときに、一方室R1から伸側のポート3aに流入した作動油が環状溝3cおよびオリフィスS1を経て他方室R2に流出し、作動油がオリフィスS1を通過することによる圧力損失でオリフィス特性の減衰作用をなすことになる。
また、バルブ構造にあっては、シリンダ1内におけるピストン速度が中高速領域になると、伸側のポート3aを経て環状溝3bにある作動油が伸側のバルブ4におけるリーフバルブ41,42の外周端部を撓ませて、弁座Sとの間に出現する隙間を通じて下方室R2に流出し、作動油がリーフバルブ41と弁座Sとの間に出現する隙間を通過することによる圧力損失でバルブ特性の減衰作用をなすことになる。
ところで、この発明のバルブ構造にあっては、ピストン3の一端にあって、高くなる弁座Sの上端が言わば水平となるのに対して、低くなるボス部Bの上端が傾斜してなり、これによって、ピストン3の一端に積層する伸側のバルブ4に周方向で異なった大きさのイニシャル荷重を付与することが可能になる。
詳しく説明すると、先ず、仮に、弁座Sの上端位置とボス部Bの上端位置とが同じになる場合には、両者間に高低差がないから、伸側のバルブ4がピストン3の一端に積層されるときには、伸側のバルブ4の内周端部がボス部Bの上端面の全面に当接されると共に、伸側のバルブ4の外周端部も弁座Sの上端面の全面に当接される。
それに対して、弁座Sの上端位置の方がボス部Bの上端位置より高くなる場合には、伸側のバルブ4の内周端部がボス部Bの上端面の全面に当接されても、伸側バルブ4の外周端部は、弁座Sの上端面の全面には当接されないで、弁座Sの上端における内側縁Saにだけ当接される。
このことを踏まえて、図3に示すところにあって、弁座Sは、上端における内側縁Saを図3中に線aで示すピストン3の一端に平行する平坦面上に位置決める。また、ボス部Bは、上端面をピストン3の一端に対して一方向に傾斜する傾斜面にする。
そして、弁座Sの内側縁Saが位置決められた平坦面と、ボス部Bの上端面を含む仮想平面とが交わってできる仮想交線が上記の平坦面上で弁座Sの内側縁Saおよびこの内側縁Sa外に配されるとする。
上記のことを、図2および図3に示すところに基づいた具体的な一例として説明すると、ボス部Bの傾斜面における軸線の方向は、図示するところでは、図2中のY−Y線に沿う方向としており、それゆえ、たとえば、図2に示すところにあって、ボス部Bは、図2中に符号Hで示す左側部分を周方向上で最も高い部分にし、図2中に符号Lで示す右側部分を周方向上で最も低い部分にすることになる。
上記の状態を図3で見ると、弁座Sの上端がピストン3の一端に平行する平坦面上にあって同じ高さ位置にあるとき、ボス部Bの高さを見ると、左側のボス部Bの方が、右側のボス部Bより高くなる。なお、図3中にあって、符号3dは、ピストン3の軸芯部に形成されてピストンロッド2が貫通する孔を示す。
また、図3に示すように、傾斜面における軸線の延長線は、たとえば、図3中の線bに沿うことになり、したがって、図3中の線aに沿う弁座Sの上端を含む平坦面の延長線との交点は、弁座Sの内側縁Saとなり、あるいは、図3中で弁座Sの左側となる位置となる。
この状態を図3中で見ると、傾斜面における軸線の延長線(b)が弁座Sの内側縁Saの下方を通過することになり、リーフバルブ41の内周端部をボス部Bに定着させる際にリーフバルブ41の外周端部を弁座Sに着座させることが可能になり、イニシャル荷重を付与することが可能になる。
このことから、図3に示すところにあって、内周端部がボス部Bに定着して外周端部が弁座Sに着座するリーフバルブ41にあっては、内周端部が左側のボス部B(H)に定着して外周端部が左側の弁座Sに着座する場合の方が、反対の内周端部が右側のボス部B(L)に定着して外周端部が右側の弁座Sに着座する場合により、外周端部の撓み量が小さくなり、イニシャル荷重が小さくなる。
つまり、上記と反対に、内周端部が右側のボス部B(L)に定着して外周端部が右側の弁座Sに着座する場合は、反対の内周端部が左側のボス部B(H)に定着して外周端部が左側の弁座Sに着座する場合に比較して、外周端部の撓み量が大きくなり、イニシャル荷重が大きくなる。
したがって、リーフバルブ41にあっては、イニシャル荷重が最も小さい部位が最も撓み易くなり、イニシャル荷重が最も大きいところが最も撓み難くなり、このことから、リーフバルブ41における外周端部の撓み作動は、周方向に連続して発現することになり、したがって、リーフバルブ41の全周に及ぶ開弁動作が一挙になされることを回避し得ることになる。
以上のように、この発明のバルブ構造にあっては、リーフバルブ41の全周に及ぶ開弁動作が一挙になされることを回避し得るから、シリンダ1内をピストン3が下降する緩衝器の伸長作動時には、以下のように作動することになる。
たとえば、ピストン速度が低速領域にあるときには、作動油は、弁座Sに形成のオリフィスS1を通過して弁座Sの外、つまり、他方室R2に流出し、その際の圧力損失によるオリフィス特性の減衰作用をなす。
そして、ピストン速度が低速領域を超えて高速領域に移行する際には、オリフィスS1を通過する作動油の流量が増え、したがって、作動油は、オリフィスS1を通過するだけでは流出し得なくなり、リーフバルブ41における外周端部を流体力で撓ませて弁座Sとの間に部分的に隙間を出現させ、弁座Sの外に流出することになる。
その際、この発明のバルブ構造にあっては、リーフバルブ41の外周端部が撓み作動し易い部分を有するので、リーフバルブ41の外周端部は、先ずは、撓み作動し易い部分から撓み始め、弁座Sとの間に隙間を形成し、他方室R2に流出し、その際に、バルブ特性の減衰作用をなす。
そしてまた、作動油の流量がさらに増える場合には、作動油の流体圧力でリーフバルブ41の外周端部における周方向に撓み量および撓み範囲が大きくなり、最終的には、弁座Sとの間に環状の隙間を出現させ、作動油が他方室R2に流出することを許容し、その際に、バルブ特性の減衰作用をなす。
つまり、この発明のバルブ構造にあっては、リーフバルブ41における外周端部の一部が他部に比較してイニシャル荷重を小さくして撓み易くするから、他部に比較して撓み作動し易くなり、他部に先んじて弁座Sから離座する開弁動作をすることになる。
そして、リーフバルブ41における外周端部の撓み動作は、周方向に連続して発生し、最終的には、リーフバルブの外周端部が全周に亙って撓み作動し、全周で開弁する。
その結果、リーフバルブ41は、オリフィス特性の減衰作用からバルブ特性の減衰作用に移行するときに、いきなり外周端部の全周を一挙に撓ませて開弁作動することがなく、徐々に外周端部を撓ませて全開状態になり、オリフィス特性からバルブ特性への移行を緩やかに実現させることになる。
以上のことを、図4に基づいて説明すると、この発明のバルブ構造にあって、仮に、リーフバルブ41が他部に比較してイニシャル荷重を小さくする部位を有しないとすると、リーフバルブ41において外周端部の全周が一挙に開弁動作することになるから、減衰特性にあって、オリフィス特性Oからバルブ特性Vに移行するのに際して、図4中に破線図で示すように、急激な変化が見られることになる。
それに対して、この発明のバルブ構造にあっては、リーフバルブ41が他部に比較してイニシャル荷重を小さくする部位を有して、リーフバルブ41における外周端部の一部を優先して開弁動作させるから、オリフィス特性Oからバルブ特性Vに移行するのに際して、図4中に実線図で示すように、緩やかな切り換え線で変化することになる。
その結果、この発明のバルブ構造によれば、ピストン速度が低速領域にあるときに最適となるオリフィス特性の減衰特性と、ピストン速度が高速領域にあるときに最適となるバルブ特性の減衰特性とが急激な変化点を有することなく緩やかに切り換り、ピストン加速度の急変が発現されず、急な内圧の変動によるコトコト音等の異音の発生を抑制し得ることになる。
ちなみに、上記したリーフバルブ41の外周端部の撓み作動時には、リーフバルブ41の背面に積層するリーフバルブ42の外周端部も併せて撓み作動するが、説明の際の煩雑さを回避する上で、その都度説明しなかっただけで、リーフバルブ42の外周端部が撓み作動しないとするものではない。
以上で、この発明のバルブ構造についての説明を終了するが、図1に示す緩衝器にあっては、ピストン3の図1中での下端となる一方室R1に対向する他端に圧側のバルブ5を有しており、圧側のバルブ5は、伸側のバルブ4と共にピストン3を上下端側から挟むように、また、ピストンロッド2の先端螺条部2bに螺着されるピストンナット21とピストンロッド2に形成の段差部2cとの間に挟持されて内周端部固定で外周端部自由の態勢に設けられる。
そして、ピストン3に開穿されて伸側のポート3aに並列する圧側のポート3eは、上流側端がピストン3の上端側に開口し、下流側端がピストン3の下端に形成の環状溝3fに開口する。
それゆえ、シリンダ1内をピストン3が上昇する緩衝器の収縮作動時には、他方室R2からの作動油が圧側のポート3eおよび環状溝3fを通じて圧側のバルブ5の外周端部を撓ませ、一方室R1に流入する。このことからすると、この発明によるバルブ構造が圧側のバルブ5部分に具現化されるとしても良い。
前記したところでは、弁座Sがシリンダ1内に挿入されるバルブシート部材たるピストン3に形成されるとして説明したが、これに代えて、図示しないが、弁座Sが正立型に設定の緩衝器におけるシリンダ1の下端部内に設けられるベースバルブを構成するバルブシート部材たるバルブディスクに形成されるとしても良い。
バルブシート部材がベースバルブにおけるバルブディスクとされるとき、緩衝器は、たとえば、複筒型に形成され、バルブディスクで区画される一方室は、シリンダ1内にピストン3で区画される下方側室となり、他方室は、シリンダ1の外のリザーバとなる。
そして、前記したところでは、弁座Sが打刻からなるオリフィスS1を有してなるとしたが、これに代えて、図示しないが、伸側のバルブ4を構成するリーフバルブ41が外周端部に切欠からなるオリフィスを有するとしても良い。
1 シリンダ
2 ピストンロッド
2a 先端部
2b 先端螺条部
2c 段差部
3 ピストン(バルブシート部材)
3a 伸側のポート
3b,3c,3f 環状溝
3d,5a 孔
3e 圧側のポート
4 伸側のバルブ
5 圧側のバルブ
21 ピストンナット
B ボス部
O オリフィス特性
R1 一方室
R2 他方室
S 弁座
S1 オリフィス
Sa 内側縁
V バルブ特性

Claims (2)

  1. 環状に形成のバルブシート部材と、このバルブシート部材の一端に積層される環状に形成のリーフバルブとを有し、上記バルブシート部材が上記一端に上記リーフバルブの内周端部を定着させる環状に形成のボス部と、上記リーフバルブの外周端部を離着座させる環状に形成の弁座とを有し、上記ボス部と上記弁座との間に上記ボス部の上端より上記弁座の上端を高くする高低差を有するバルブ構造において、
    上記弁座の上端における内側縁を上記一端に平行する平坦面上に位置決めると共に、
    上記ボス部の上端面を上記一端に対して傾斜する傾斜面にし、
    上記平坦面と上記ボス部の上端面を含む仮想平面とが交わってできる仮想交線が上記平坦面上で上記弁座の内側縁外に配されることを特徴とするバルブ構造。
  2. 上記弁座または上記リーフバルブがオリフィスを有する請求項1に記載のバルブ構造。
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