JP5798508B2 - ガス検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体式ガス検知素子を備えたガス検知装置に関する。
一般に、半導体式ガス検知素子は、例えば清浄空気中等、検知対象となるガス(以下、「被検知ガス」と称する場合がある)が存在しない雰囲気下では、表面に酸素が吸着した状態となり、この吸着酸素によって生じる空間電荷層が粒子内部に向かって広がるため、自由電子の伝導パスが狭くなって電気抵抗が高くなる。一方、被検知ガスが存在する雰囲気下では、半導体式ガス検知素子は、被検知ガスとの酸化還元反応によってその表面から吸着酸素が脱離するため、電気抵抗が低くなる。このような性質を利用して、半導体式ガス検知素子を備えたガス検知装置は、電気抵抗に応じた電流値を出力値とし、当該出力値の変化を捉えることによって被検知ガスを検知している。その際、被検知ガスの濃度に応じて出力値の大きさが変化する。
尚、本発明における従来技術となる半導体式ガス検知素子を備えたガス検知装置は、一般的な技術であるため、特許文献等の先行技術文献は記載しない。
ところで、ガス検知装置に備えられる半導体式ガス検知素子は、長いスパンにおいてその出力特性が変化することが判明している。すなわち、被検知ガスの濃度を一定とした場合であっても、使用開始後の比較的早期の期間は高い出力値を示し(以下、「高感度化特性変化」と称する場合がある)、一方、使用開始後に長期間が経過した後は時間の経過と共に出力値が徐々に低下する(以下、「低感度化特性変化」と称する場合がある)。そのため、ガス検知装置において仮に同じ出力値が得られたとしても、被検知ガスの実際の濃度は測定時毎に異なる可能性がある。よって、従来のガス検知装置では、被検知ガスの濃度を長期間に亘って精度良く検知できない可能性があった。また、上記のような影響を極力排除して被検知ガスの濃度を精度良く検知できるようにするためには、例えば標準ガス等を用いて半導体式ガス検知素子の出力特性を頻繁に較正する必要があり、利用者に対して煩雑な印象を与える可能性があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被検知ガスを長期間に亘って簡易にかつ精度良く検知できるガス検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るガス検知装置の第1特徴構成は、半導体式ガス検知素子と、当該半導体式ガス検知素子の出力値を下記(I)式に基づいて補正する補正手段とを備えた点にある。
[数1]
Vc=Vs+a・t−(Bt−B0)・b (I)
(式中、Vcは補正後の出力値、Vsは補正前の出力値、tは経過時間、B0は初期ベース値、Btはt時間単位後のベース値、a及びbは定数を示す。)
本構成によれば、実測により得られる第一項の出力値Vsに対して、低感度化特性変化に起因する出力変化相当分を第二項において経過時間に比例して加算すると共に、高感度化特性変化に起因する出力変化相当分を第三項においてベース値の変化量に比例して減算することで、半導体式ガス検知素子の出力特性の経時変化による影響を打ち消すように出力値を補正することができる。よって、被検知ガスの濃度を一定とした場合における出力値の経時変化量を長期間に亘って小さく抑えることができる。これにより、出力特性の較正の頻度を低減し、場合によってはそのような較正工程を不要とすることができる。従って、被検知ガスを長期間に亘って簡易にかつ精度良く検知できるガス検知装置を提供することができる。
本発明に係るガス検知装置の第2特徴構成は、前記補正後の出力値が所定のしきい値を超えたときに警報を報知する警報手段をさらに備える点にある。
出力値の補正を行うための定数であるa及びbを適宜調整することで、特定濃度範囲の被検知ガスについての出力値の経時変化量を極力小さく抑えることができる。そのため、本発明は、上記のように補正後の出力値が所定のしきい値を超えたときに警報を報知する警報手段をさらに備える構成に好適に適用することができ、定数a及びbを適切に設定することで長期間に亘って警報手段の動作状態を良好に維持できる。すなわち、被検知ガスの実際の濃度がしきい値以下の状態で警報手段が作動する誤報知や、被検知ガスの実際の濃度がしきい値を超えても警報手段が作動しない報知遅れ等が生じるのを、長期間に亘って良好に抑制することができる。
本発明に係るガス検知装置の第3特徴構成は、前記(Bt−B0)の絶対値が、所定の値より大きくなったときに異常を報知する異常報知手段をさらに備える点にある。
半導体式ガス検知素子が正常に動作している状態では、初期ベース値を基準とするベース値の変化量は所定範囲内に収まることが予定される。この点に鑑み、本構成によれば、(Bt−B0)の絶対値に基づいて半導体式ガス検知素子に異常が生じていることを予測し、異常が予測される場合には当該異常を利用者に対して迅速に通知することができる。
本発明に係るガス検知装置の第4特徴構成は、所定の時間単位t毎のBtを記憶する記憶手段をさらに備える点にある。
本構成によれば、記憶手段に記憶された各時点におけるベース値の履歴に基づいて、式(I)におけるt時間単位後のベース値Btを容易に取得することができる。また、ベース値の履歴に基づいて半導体式ガス検知素子の設置環境に由来する特性変化に関する情報を得ることができる。そして、その情報を、その後の開発やメンテナンス等に活用することができる。
被検知ガスをエタノールとした場合における経過時間と補正前のセンサ出力との関係を示すグラフである。 エタノール濃度と補正前のセンサ出力との関係を示すグラフである。 半導体式ガス検知素子の出力特性変化のメカニズムを示す模式図である。 被検知ガスをエタノールとした場合における経過時間と補正後のセンサ出力との関係を示すグラフである。 エタノール濃度と補正後のセンサ出力との関係を示すグラフである。 被検知ガスをメチルエチルケトンとした場合における経過時間と補正前のセンサ出力との関係を示すグラフである。 被検知ガスをメチルエチルケトンとした場合における経過時間と補正後のセンサ出力との関係を示すグラフである。
本発明に係るガス検知装置は、半導体式ガス検知素子を備え、被検知ガスの存在によって生じる半導体式ガス検知素子の電気抵抗変化に伴う電流値変化を捉えることにより、被検知ガスを検知するものである。このようなガス検知装置は、半導体式ガス検知素子を、例えば既知のガス検知回路等に組み込むことにより構成することができる。
本発明において使用する半導体式ガス検知素子の形態は特に限定されず、例えば熱線型半導体式ガス検知素子や基板型半導体式ガス検知素子等を用いることができる。また、半導体式ガス検知素子の種類(材料、組成等)も特に限定されず、被検知ガスの種類(ガス種)に応じて適宜選択することができる。本発明に係るガス検知装置によって検知できるガス種としては、特に制限はなく、例えば可燃性ガス、毒性ガス、不活性ガス、VOC等が挙げられる。本発明に係るガス検知装置は、例えば可燃性ガスセンサ、ガス漏れセンサ、ニオイセンサ等として用いることができる。
このような半導体式ガス検知素子を備えるガス検知装置において、本発明は、半導体式ガス検知素子の出力値を下記(I)式に基づいて補正する補正手段を備えたことを特徴とする。
[数2]
Vc=Vs+a・t−(Bt−B0)・b (I)
(式中、Vcは補正後の出力値、Vsは補正前の出力値、tは経過時間、B0は初期ベース値、Btはt時間単位後のベース値、a及びbは定数を示す。)
本発明者らは、後述する実施例に示すように、半導体式ガス検知素子における長いスパンでの出力特性変化(高感度化特性変化と低感度化特性変化とを含む)による影響を実験的に確認した。本発明者らは、これらの高感度化特性変化と低感度化特性変化とをそれぞれ定量的に評価することで、その出力特性変化による影響を打ち消すことができる点に着目し、上記(I)式を導き出した。
上記(I)式において、a及びbは定数であり、半導体式ガス検知素子を構成する材料及び被検知ガスの種類に応じて異なる値を取り得る。また、B0は初期状態におけるベース値(定数として取り扱うことが可能)であり、半導体式ガス検知素子を構成する材料及び被検知ガスの種類に応じて異なる値を取り得る。これらの定数a及びb、並びに初期ベース値B0は、各種実験に基づく経験値として適宜設定することができる。
上記(I)式において、tは経過時間である。この場合における経過時間の単位としては、〔時間〕、〔日〕、〔週〕、〔月〕等を採用することができ、特に限定されない。また、Btは、経過時間tに応じたt時間単位後のベース値であり、例えば経過時間tの単位が〔週〕である場合には、Btはt週後のベース値を表す。各時間単位におけるBtは、当該時間単位よりも1つ前の時間単位におけるベース値(実測値)の最低値として設定することができる。
このようなt時間単位後のベース値Btを簡易に得るためには、一例として、随時取得されて記憶手段に格納される情報を利用する手法を採用することができる。より具体的には、RAM等の記憶手段をさらに備えると共に、当該記憶手段には所定時間毎のベース値Btを順次記憶して格納する構成とし、直近となる(t−1)時間単位におけるベース値を、t時間単位後のベース値とすることができる。なお、このような記憶手段を備える場合には、ベース値の履歴に基づいて半導体式ガス検知素子の設置環境に由来する特性変化に関する情報を取得し、当該取得した情報をその後の開発やメンテナンス等に活用することができるという利点もある。
本発明に係るガス検知装置では、補正手段が半導体式ガス検知素子の出力値を(I)式に基づいて補正するので、被検知ガスの濃度を一定とした場合における出力値の経時変化量を長期間に亘って小さく抑えることができる。この点を考慮すれば、本発明に係るガス検知装置は、所定濃度を超える被検知ガスの存在を検知した場合にその旨を利用者に報知するガス警報装置として好ましく適用できる。この場合、本発明に係るガス検知装置は、補正後の出力値が所定の(予め定められた)しきい値を超えたときに警報を報知する警報手段をさらに備える構成とすると良い。
本発明に係るガス検知装置は、(Bt−B0)の絶対値が、所定の値より大きくなったときに異常を報知する異常報知手段をさらに備えることが好ましい。半導体式ガス検知素子が正常に動作している状態では、初期ベース値を基準とするベース値の変化量は所定範囲(例えば、5〜10mA)内に収まることが予定される。そこで、上記のように(Bt−B0)の絶対値が所定値より大きくなったときに異常を報知する異常報知手段を備える構成を採用することで、半導体式ガス検知素子に異常が生じていると予測される場合には、当該異常を利用者に対して迅速に通知することができる。
本発明に係るガス検知装置は、使用開始時からの経過時間が予め定められた所定時間を超えたときに点検時期の到来を通知する通知手段をさらに備えることが好ましい。この場合における予め定められた所定時間は特に限定されないが、低感度化特性変化が十分に進行する程度の長時間であることが好ましく、一例としては50〜100時間単位に相当する時間を挙げることができる。また、通知方法についても特に限定されず、LED等による点灯又は点滅表示、音声案内、モニタ等への画像表示等によるものとすることができる。このような通知手段を備える構成を採用することで、利用者に対してガス検知装置の点検時期の到来を適切に通知することができる。
以下に、本発明に係るガス検知装置による実施例を示し、本発明をより詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
半導体式ガス検知素子として、酸化スズを感応材料に用いた熱線型半導体式センサを用い、(1)実験室内の空気、(2)被検知ガスとしてエタノールを20ppm含む実験室内の空気、(3)被検知ガスとしてエタノールを50ppm含む実験室内の空気、(4)被検知ガスとしてエタノールを100ppm含む実験室内の空気、のそれぞれの雰囲気下における半導体式ガス検知素子の出力特性変化を調べた。その結果を図1及び図2に示している。
なお、図1及び図2に示す実験結果は、5ppmのヘキサメチルジシロキサンと、20ppmのイソプロパノールと、3ppmのフタル酸ジエチルとが共存する環境中にガス検知装置を放置し、経過時間に対する実験室内の空気中の出力値(ベース値)とエタノールに対する感度を追跡した結果である。この試験条件は、実際にガス検知装置を設置する環境中に共存し得るガスを選定し、その濃度を実際の環境中での濃度よりも高く設定したものである。この実験は、ガス検知装置を実環境に設置する場合の加速試験と見なすことができる。また、図1においては、使用開始後の経過時間に対して半導体式ガス検知素子によるセンサ出力としての電流値(出力値)をプロットしている。図2においては、エタノールの対数表示での濃度に対して半導体式ガス検知素子による出力値をプロットしている。
図1及び図2から良く理解できるように、エタノールの濃度が一定であっても、ガス検知装置の使用開始後の比較的早期の期間(図示の例では、少なくとも0〜25時間単位の期間)は、ベース値の上昇に対してより大きな変化幅で出力値が上昇することが分かる。本発明者らの検討によれば、このような早期段階における出力特性変化は、主に環境中の雑ガス成分との反応(触媒被毒)の進行に伴って半導体式ガス検知素子の表面が短期間のうちに適度に劣化し、その結果として被検知ガスが半導体式ガス検知素子の内部に拡散し易くなることに起因しているものと考えられる。なお、環境中の雑ガス成分としては、例えば、シロキサンや硫黄化合物、或いは難酸化性の有機化合物ガス等を例示することができる。このような出力特性変化は、「高感度化特性変化」と称することができる。
一方、使用開始後にある程度の時間が経過した後(図示の例では、少なくとも25〜60時間単位の期間)は、ベース値が略一定に保たれたままで、各被検知ガスの濃度が一定であっても時間の経過と共に出力値が徐々に低下することが分かる。本発明者らの検討によれば、このような所定時間経過後における出力特性変化は、主に感応材料粒子の熱ストレスの累積に伴う焼結(シンタリング)の進行、及び、環境中の雑ガス成分等との反応に伴って半導体式ガス検知素子の自然劣化が進行し、十分な応答性が得られなくなることに起因しているものと考えられる。このような出力特性変化は、「低感度化特性変化」と称することができる。
以上の現象を総合的に考慮すると、半導体式ガス検知素子においては、時間の経過に伴って高感度化特性変化と低感度化特性変化とが同時並行的に起こり、いわゆる動的平衡状態が形成されていると解釈できることが分かった。早期段階における出力値の上昇は、低感度化特性変化に対して高感度化特性変化が優位となっているためであり、やがて高感度化特性変化に対して低感度化特性変化が優位となった後は、時間の経過と共に出力値が徐々に低下するのである。図3には、出力特性変化を生じさせる2つの要因である高感度化特性変化と低感度化特性変化とを、概念的に分割して模式的に示している。
なお、上記の実験とは別に、通常の室内環境下に設置したガス検知装置を用いて、同様にエタノールに対する感度を追跡した。この性能追跡結果により、図1に示すような現象が長い時間をかけて現れることが確認された。これらの事実は、半導体式ガス検知素子が設置環境から受ける影響の違いを、時間を変数とする関数で表せることを意味している。
本発明者らは、高感度化特性変化及び低感度化特性変化のそれぞれによる影響を打ち消すべく、出力値を補正することを試みた。そして、低感度化特性変化に起因する出力変化相当分を、低感度化用比例係数aを用いて経過時間に比例して加算することで、低感度化特性変化による影響を打ち消し得ることを見出した。同様に、高感度化特性変化に起因する出力変化相当分を、高感度化用比例係数bを用いて初期ベース値を基準とするベース値の変化量に比例して減算することで、高感度化特性変化による影響を打ち消し得ることを見出した。ここで、低感度化用比例係数aは、半導体式ガス検知素子を清浄空気中に設置したときの感度の追跡データに基づいて算出することができ、高感度化用比例係数bは、苛酷環境中での加速試験の結果に基づいて算出することができる。
この考え方に基づき、半導体式ガス検知素子の出力特性変化による影響を打ち消すように補正した後の出力値を数式で表すと、以下の関係式で表せることが分かった。
[数3]
Vc=Vs+a・t−(Bt−B0)・b (I)
(式中、Vcは補正後の出力値、Vsは補正前の出力値、tは経過時間、B0は初期ベース値、Btはt時間単位後のベース値、a及びbは定数を示す。)
次に、加速試験等により上記の式(I)における各比例係数a,bを実験的に算出し、低感度化用比例係数a=0.15、高感度化用比例係数b=20とした。そして、これらと実測による初期ベース値B0とを用い、上記の式(I)に基づいて、先に図1及び図2に示した実測による出力値を補正した。その結果を図4及び図5に示している。なお、図1及び図2と同様、図4では使用開始後の経過時間に対して補正後のセンサ出力としての電流値(出力値)をプロットしており、図5ではエタノールの対数表示での濃度に対して補正後の出力値をプロットしている。
図4及び図5から良く理解できるように、各濃度における補正後の出力値の経時変化量は、長期間に亘って小さく抑えられていることが分かる。特に図5を参照すれば、エタノールの濃度範囲を10ppm〜100ppmとした場合には、補正後の出力値自体はエタノールの濃度に応じて異なっているものの、その変動量は60時間単位以上もの期間に亘って2.5mA〜3mAの範囲内に抑えられていることが分かる。図2を参照して、補正前の状態では10〜24時間単位の期間に出力値が増大してその変動量が6mA〜6.5mAの範囲にまで拡大していることを考慮すれば、本発明による出力値補正が、経時変化量を抑制する上で優れた効果を発揮していることが理解できる。
このように、低感度化用比例係数a及び高感度化用比例係数bをそれぞれ適切な値に設定することで、少なくとも10ppm〜100ppmの濃度範囲内では補正後の出力値の経時変化量が長期間に亘って小さく抑えられている。そのため、本実施例に係るガス検知装置は、エタノールを被検知ガスとする場合におけるガス警報装置の用途に、格別な有用性を有する。すなわち、10ppm〜100ppmの範囲内の所定値をしきい値とし、当該しきい値を超える濃度のエタノールガスを検知した場合にその旨を利用者に報知するガス警報装置において、長期間に亘って警報濃度を安定させることが可能となる。
なお、図4及び図5では、被検知ガスをエタノールとした場合について示したが、被検知ガスのガス種はエタノールに限定されるものではない。エタノール以外のガスを被検知ガスとした場合であっても、ガス種に応じて低感度化用比例係数a,高感度化用比例係数bをそれぞれ適切な値に設定することで、各ガス種の出力値の経時変化量を長期間に亘って小さく抑えることができる。
但し、本実施形態に係る補正手段によって上記のような補正を行った場合には、空気中でのセンサ出力値(ベース値)は、図4に示すように時間の経過に伴って初期値から次第に上昇することになる。そこで、ベース値(Bt;本例では1つ前の一定期間中でのセンサ出力値の最低値)を監視しておき、このベース値が所定値(例えば、10mA)を超えたときに異常を報知する構成とすることができる。すなわち、ベース値が所定値を超えたことに基づいてセンサ異常又はセンサ寿命を判定し、利用者に対してセンサの交換時期を通知するように構成すれば、ガス検知装置の健全性の維持を図ることが容易となる。
別実施例において、半導体式ガス検知素子として、酸化亜鉛を感応材料に用いた熱線型半導体式センサを用い、被検知ガスをメチルエチルケトンとして、上記の実施例と同一の条件で加速試験を実施した。この場合における式(I)による補正の効果を確認した結果
を、図6及び図7に示す。ここで、図6は出力値の実測データによる結果を示しており、図7は出力値を式(I)に基づいて補正した場合の結果を示している。なお、式(I)に
おいては、各係数a,bをそれぞれa=0.17,b=20とした。この結果からも明らかなように、式(I)により、環境中の外乱物質に起因する半導体式ガス検知素子の高感
度化特性変化と、長期間の使用に伴う感応材料自体の劣化に起因する低感度化特性変化とを、同時に補正できることが分かる。これにより、本例では、メチルエチルケトンを被検知ガスとする場合におけるガス警報装置の用途に、格別の有用性が確認された。すなわち、20ppm付近(例えば、15ppm〜25ppm)の所定値をしきい値とし、当該しきい値を超える濃度のメチルエチルケトンを検知した場合にその旨を利用者に報知するガス警報装置において、長期間に亘って警報濃度を安定化できることが確認された。

Claims (4)

  1. 半導体式ガス検知素子と、当該半導体式ガス検知素子の出力値を下記(I)式に基づいて補正する補正手段とを備えるガス検知装置。
    [数1]
    Vc=Vs+a・t−(Bt−B0)・b (I)
    (式中、Vcは補正後の出力値、Vsは補正前の出力値、tは経過時間、B0は初期ベース値、Btはt時間単位後のベース値、a及びbは定数を示す。)
  2. 前記補正後の出力値が所定のしきい値を超えたときに警報を報知する警報手段をさらに備える請求項1に記載のガス検知装置。
  3. 前記(Bt−B0)の絶対値が、所定の値より大きくなったときに異常を報知する異常報知手段をさらに備える請求項1または2に記載のガス検知装置。
  4. 所定の時間単位t毎のBtを記憶する記憶手段をさらに備える請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス検知装置。
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