JPH11283147A - ガス警報器 - Google Patents

ガス警報器

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JPH11283147A
JPH11283147A JP8558798A JP8558798A JPH11283147A JP H11283147 A JPH11283147 A JP H11283147A JP 8558798 A JP8558798 A JP 8558798A JP 8558798 A JP8558798 A JP 8558798A JP H11283147 A JPH11283147 A JP H11283147A
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JP
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gas
sensor
temperature
gas sensor
alarm
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Application number
JP8558798A
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English (en)
Inventor
Kikuo Kawasaki
紀久雄 川崎
Shinichi Ochiwa
眞一 小知和
Koichi Tsuda
孝一 津田
Katsumi Onodera
克己 小野寺
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス漏れ警報器において、ガスセンサの経年
変化特性や季節変動特性に応じて判定レベルを補正し、
長期にわたって安定した検出精度を維持する。 【解決手段】 ガスを検出して電気的特性が変化するガ
スセンサと、このガスセンサを所定温度に加熱するヒー
タと、ガスセンサの温度を測定する温度センサと、この
温度センサにより測定したガスセンサの温度に基づき前
記ヒータの加熱を制御すると共に、ガスセンサの出力信
号を処理しその出力信号が判定レベルを超えた時に警報
動作を行わせる制御手段と、を備えたガス警報器に関す
る。警報器としての動作開始時点からの累積動作時間や
季節変動に応じてガスセンサの検出感度を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス漏れや火災等
の環境状態にとって危険な状況をガスセンサにより検出
し、安全のために周囲にいる人々に警報を発したり、外
部や遠方への通信信号を発生して危険状態の発生を通知
するガス警報器に関する。特に本発明は、電池電源によ
って動作可能なガス警報器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、家庭内やビル等に設置される火災
警報器やガス漏れ警報器としては、商用電源や充電式電
池を用いたものが一般的である。また、他の警報器とし
て、トンネル内の空気の汚染を検出するための携帯型警
報器も知られている。これらの警報器は、検出対象の現
象を検出するセンサを持ち、その危険性に応じてガス濃
度等の測定値と比較される判定レベル(検出レベル)が
予め決められており、両者の比較により異常状態を検出
して警報動作を行うのが一般的である。そして、温度、
湿度、圧力等によってセンサの検出感度が影響を受ける
場合には、判定レベル等を補正して性能を改善すること
が通常行われている。
【0003】また、センサは表面の汚れ等によって性能
が影響されるので、汚れ成分を除去するためにヒートク
リーニング等の機能を持たせる場合もある。更に、経年
使用に伴って特性が変化するセンサでは、一定期間毎に
交換や判定レベルの補正を行っているが、その場合に
は、単に累積動作時間等に応じた対策が採られているに
過ぎない。特に、電源が切られると同時に累積動作時間
情報もリセットされてしまい、その場合には交換や補正
の目安となる情報が消失してしまう問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】各種の警報器のうち、
一般家庭に普及しているガス漏れ警報器としては、半導
体式のガスセンサを使用したものが広く知られている。
この半導体ガスセンサは、検出対象ガスの吸着によりセ
ンサの抵抗値が低下することを電子回路により検出する
タイプのものが多い。この種の半導体ガスセンサは、経
年使用や季節変動によって検出感度が変動することが知
られている。従って、この経年変化特性や季節変動の影
響を考慮して検出用の設定値を補正すれば、検出精度を
向上でき、より高精度な警報器を実現することができ
る。よって、ガスセンサの経年変化特性や季節変動特性
に応じて検出感度を適切に補正し、特性の安定したガス
警報器を実現することが一つの課題となっている。
【0005】また、一般の警報器は交流電源を使用して
いるが、近くにコンセントがないとか、あっても電源線
が目立つ等の理由により、電源線をなくすことが警報器
の普及にとって大きな課題となっている。すなわち、ガ
ス警報器を電池電源により使用可能にすることが課題で
ある。
【0006】そこで本発明は、経年変化や季節変動に応
じて検出感度を適切に補正することにより検出精度の維
持、向上を図り、更に電池電源により駆動可能としたガ
ス警報器を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、ガスを検出して電気的特性
が変化するガスセンサと、このガスセンサを所定温度に
加熱するヒータと、ガスセンサの温度を測定する温度セ
ンサと、この温度センサにより測定したガスセンサの温
度に基づき前記ヒータの加熱を制御すると共に、ガスセ
ンサの出力信号が判定レベルを超えた時に警報動作を行
わせる制御手段と、を備えたガス警報器において、警報
器としての動作開始時点からの累積動作時間に応じてガ
スセンサの検出感度を補正する手段を備えたものであ
る。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載のガ
ス警報器において、前記温度センサまたは他の温度セン
サを用いて使用環境温度を測定し、この使用環境温度か
ら推定した季節の関数であるガスセンサの季節変動特性
と、前記累積動作時間の関数であるガスセンサの経年変
化特性とに応じてガスセンサの検出感度を補正する手段
を備えたものである。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載のガ
ス警報器において、季節を推定するための要素として、
温度センサにより測定した使用環境の最低温度を用いる
ものである。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1,2また
は3記載のガス警報器において、ガスセンサの温度を測
定する温度センサを、使用環境温度の測定に共用するも
のである。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1,2,3
または4記載のガス警報器において、前記制御手段は、
EEPROM等の不揮発性の記憶手段を備え、この記憶
手段に記憶された情報を用いてガスセンサの検出感度を
補正するものである。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項1,2,
3,4または5記載のガス警報器において、電源供給に
電池を使用し、かつ、ヒータを断続的に加熱する手段を
備えたものである。
【0013】なお、上記各請求項記載の発明において、
ガスセンサの検出感度を補正する具体的な内容として
は、請求項7に記載するように、制御手段が、ガスセン
サの出力信号と比較される判定レベルを補正することが
考えられる。
【0014】以上のような本発明を更に具体化すると、
例えばシリコン微細加工技術を利用してガスセンサを小
型化することによりセンサ自身の熱容量を下げ、ヒータ
によりガスセンサを断続的に加熱してその動作に必要な
エネルギーを大幅に減少させるようにした。また、ガス
警報器を構成する制御回路に不揮発性メモリを内蔵し、
製造時からの経過時間情報(カレンダー情報)や累積動
作時間情報、季節情報等を記憶しておくことでCPUに
確実な制御データを供給するものである。
【0015】更に、ガスセンサの近傍に加熱用のヒータ
及び温度センサを設け、電池から供給するエネルギーに
よってガスセンサが所定の温度に加熱されるように一定
の加熱条件の下でヒータを断続的に加熱制御することが
望ましい。上記温度センサは、本来的には、センサ温度
が所定範囲内に収まるようにその加熱状況を監視するた
めに使用する。同時に、この温度センサは、ガスセンサ
の非加熱時には、ガスセンサの使用環境温度を測定する
ための環境温度センサとしても使用する。また、必要に
応じて、使用環境の状況、特に温度を始めとして湿度、
圧力等の各種センサを別個に設ければ、これらのセンサ
からの情報をガスセンサの検出感度の補正に利用するこ
とができる。
【0016】このように本発明は、製造時からの時間情
報や使用環境の温度情報等から累積動作時間情報や季節
情報を推測し、ガスセンサの持つ経年変化特性や季節変
動特性に合わせて検出感度を補正することにより、長期
にわたって安定した検出感度を維持しようとするもので
ある。また、商用電源の停電や電池交換など、電源の中
断事由が発生しても、不揮発性の記憶手段に既に記憶さ
れた各種の情報等を引き続き保持して検出感度の補正等
に利用可能としたガス警報器を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。図1は、本発明を電池式ガス漏れ警報器
に適用した実施形態の回路構成図を示している。このガ
ス漏れ警報器は、家庭内に設置され、燃料ガスのガス漏
れや不完全燃焼時に発生するメタンガスやCOガスを検
出し、ブザーや音声によって危険な状況にあることを通
報する機能を持っている。従来のガス漏れ警報器には、
前述のように商用電源や外部から供給される直流電源に
よって動作するものがあるが、本実施形態では電池電源
を使用している。
【0018】図1において、このガス漏れ警報器は、C
PU(マイクロコンピュータ)1によって集中的に制御
される。100は燃料ガスの主成分であるメタンガスを
検出するメタンセンサ回路、200はCOセンサ回路で
あり、ここではメタンセンサ回路100を中心に説明す
る。メタンセンサ回路100内のガスセンサ2は、シリ
コンの微細加工技術である成膜技術を用いて製造され
た、極めて小型で熱容量の小さいセンサである。このガ
スセンサ2は、シリコン上にタングステン等の抵抗体を
薄膜技術により形成し、その付近または絶縁した上層部
にSnO2の薄膜を形成する。ガスに反応しやすくするた
めの触媒技術も利用される。
【0019】図2はガスセンサ(SnO2薄膜ガスセン
サ)2と、このセンサ2に一体的かつ近接して配置され
たヒータ3及び温度センサ(白金温度センサ)4の構成
を示しており、gs1,gs2はガスセンサ2の端子、
1,h2はヒータ3の端子、t1,t 2は温度センサ4の端
子である。
【0020】ガスを検知する時に、ヒータ3に数十ms
の期間通電すれば、ガスセンサ2は所定温度だけ加熱さ
れる。ガス漏れは通常20秒以内に検出できればよいの
で、10数秒に1回の割合でヒータ3により数十msだ
け加熱すればよい。このため、通常の期間はヒータ3に
通電しなくてよいので、実際のエネルギー消費量は極め
て少なく、電池駆動に適した構成となっている。
【0021】ガスセンサ2は、検出対象であるガスの種
類に応じて反応しやすい温度が存在する。このため、ガ
スセンサ2の近くに、薄膜状の温度センサ4が配置され
ている。この温度センサ4は白金を素材にして形成され
ているので、安定した温度測定が可能である。ヒータ3
は、図1に示すCPU1の制御により、ダイオードD1
を介して一定時間、電流を流すことにより加熱される。
ヒータ3により加熱されるガスセンサ2の温度は、温度
センサ4と抵抗R2〜R4とからなるブリッジ回路により
抵抗値の変化として検出され、アンプAmp1により増
幅されて比較器CP1の一方の入力端子に入力される。
比較器CP1の他方の入力端子にはCPU1から出力さ
れるアナログの判定レベルが入力されており、前記アン
プAmp1の出力信号レベルをこの判定レベルと比較し
てその結果をCPU1によりA/D変換して信号処理
し、ガスセンサ2が所定の温度に達したかどうかが判定
される。このようなレベル検出機能は周知であるため、
ここでは詳述を省略する。
【0022】ガスセンサ2には、抵抗R1を介して定電
圧回路5により1Vの電圧が供給されており、温度セン
サ4は抵抗R2、Rsを介して定電圧回路5に接続されて
いる。なお、上記定電圧回路5は電池7に接続されてい
る。ガス濃度が低いときは、ガスセンサ2の抵抗値は高
い値を保持しているが、ガス濃度が高くなるにつれてそ
の抵抗値は次第に減少する。ガスセンサ2の端子電圧は
ガス濃度を検出する比較器CP2の一方の入力端子に入
力されており、その他方の入力端子にはCPU1からの
アナログの判定レベルが入力されている。そして、比較
器CP2の出力信号はCPU1に入力され、A/D変換
後に信号処理して後述の警報動作等が行われる。
【0023】ここではメタンセンサ回路100について
説明したが、COガスを検出するCOセンサ回路200
もほぼ同様の構成であるため、説明を省略する。図1で
は、COセンサ回路200にガスセンサのバラツキ吸収
用の制御信号が入力されている。この信号は、図示され
ていないがメタンセンサ回路100にも入力されてい
る。すなわち、ガスセンサ2の製造上のバラツキに起因
してガスへの反応能力に大きな違いがある場合には、C
PU1が例えば抵抗R1の値を等価的に変更制御してガ
スセンサ2の端子電圧を補正するようになっている。
【0024】これらのメタンセンサ回路100やCOセ
ンサ回路200が設定濃度以上のガスを検出すると、C
PU1から音声LSI13に音声の発生を指示する。こ
の音声LSI13は市販のLSIであり、多くの電子装
置に使用されているので、その機能の詳細な説明は省略
する。なお、12は音声用電源回路、14はアンプ、1
5はスピーカである。音声LSI13では、メタンセン
サ回路100またはCOセンサ回路200のどちらがガ
スを検出したかによって発生する音声内容が異なってい
る。その理由は、発生ガスの種類に応じて対応処置が異
なるためである。
【0025】また、ガスの検出レベルが警報レベルには
達していなくても、プレアラームとして、できれば音声
を発生せずに初期の措置をとりたい場合には、図示され
ていないが、例えばLED等を点灯表示しても良い。こ
の場合、LEDへの通電電流は2〜10mA程度でよ
く、通常、100mA程度が必要な音声警報の電流の一
部を上記プレアラームに使用しても電池寿命の大勢には
影響がない。
【0026】前記音声用電源回路12は、電池7の電圧
変動を吸収するために電圧安定機能を備えている。ま
た、CPU1には電池電圧検出回路8が接続されてお
り、電池7の電圧を検出している。この機能は、電池電
圧が所定値よりも低下すると、ガスセンサ2の検出能力
が不足したり、発生する音声警報のレベルが低下する心
配があるためである。
【0027】更に、電池7の両端にはCO用及びメタン
用に電磁ラッチ9,11とトランジスタT2,T1の直列
回路が接続されており、トランジスタT2,T1はCPU
1からの制御信号によりオンするようになっている。R
10はトランジスタT2の入力側の抵抗である。電磁ラッ
チ9,11は、ガス漏れを検出した際に表示板10を駆
動するためのものである。なお、図では電磁ラッチ11
によって駆動される表示板の図示を便宜上、省略してあ
る。この表示に関して、例えばガス漏れのない状態では
緑色や青色を表示し、ガス漏れ検出時には危険のイメー
ジに近い赤色や橙色を表示するように、周知の手段によ
って表示板10を構成すればよい。
【0028】また、CPU1には不揮発性メモリ(EE
PROM)16が接続されている。このメモリ16は電
気的に書き換え可能なメモリであり、ガスセンサ2を加
熱するヒータ3の加熱制御条件やガス漏れを検出する判
定レベル等が記憶されている。これらの情報はCPU1
が読みだしてセンサ回路100,200の制御に使用さ
れる。この不揮発性メモリ16には、後述するようにセ
ンサの累積動作時間情報や季節変動情報等の諸情報も記
憶されている。
【0029】ここでは、不揮発性メモリ16をCPU1
とは別個に示してあるが、電池式ガス漏れ警報器では電
池7を一旦入れれば電池7の寿命が切れるまではCPU
1内のメモリも不揮発性であるので、この種の警報器で
は不揮発性メモリ16を省略することも可能である。但
し、電池寿命が切れたときには不揮発性メモリ16と異
なった動作をするので、機能上の制約が存在する。ま
た、CPU1内のRAMを使用する場合には、後述の外
部設定手段を用いて通信によりデータをセットする必要
がある。
【0030】なお、図1において、LED1は点検タイ
ミングを表示するための発光ダイオード、SW1は音声
切り換え用のスイッチ、T3は外部出力用のトランジス
タ、R 11はその入力側の抵抗である。
【0031】図3は、この実施形態におけるガスセンサ
2の経年変化特性を示す図であり、使用年数に対するセ
ンサ抵抗の関係を示している。使用開始から数ヶ月はガ
スを検出する状態のセンサ抵抗が上昇する傾向にあり、
その期間を過ぎるとセンサ抵抗は徐々に低下し、2年を
過ぎる頃からその変化が少なくなる。この特性は個々の
センサによって若干の相違があるが、概略的には図示す
るような経年変化特性を有することが良く知られてい
る。
【0032】図4は、この実施形態におけるガスセンサ
2の季節変動特性を示す図であり、月の経過に対するセ
ンサ抵抗の変化分の関係を示している。ガスセンサ2は
半導体式であるから、周囲温度の影響を受ける。このた
め、一般に温度補償回路を持ち、温度補正機能によって
周囲温度による影響を軽減している。しかし、そのよう
な補正機能を持ったセンサであっても、年間を通したガ
スセンサの抵抗値は図4のように変動することが知られ
ている。また、実際のガスセンサの抵抗値の経年変動
は、図3、図4の合成値として測定されることになる。
季節変動の値は経年変化の幅よりも小さいので、図4で
はセンサ抵抗の変化分として示してある。図4に示した
ような季節変動は、温度特性と湿度特性との累積結果に
左右されると言われており、気温変化ばかりでなく時間
的な遅れ要素を持ったものと考えられる。
【0033】実際の警報器の取付け場所の状況を考える
と、都市ガス用のガス漏れ警報器では、ガス機器を使用
する場所の天井近くに設置されることが多い。例えば、
台所の天井付近に取付けられる場合が最も多いことにな
る。このような取付け環境では、調理にガス機器を使用
し始めると、天井付近の温度は急激に上昇し始める。ま
た、実際の住居の環境を考えると、空調の使用状況も大
きく影響する。空調を使用すると、一般的には湿度が減
少すると考えられる。また、空調によって低温や高温状
態が改善されるが、空調を常時作動させている住宅は一
般に少なく、通常、夜間は空調を停止したり、昼間も必
要な時間だけ使うというように1日24時間で考える
と、空調の影響はかなり軽減される。
【0034】これらの関係を、図5に、月の経過に対す
る最低気温の関係として示す。空調を使用しない場合
(特性線a)には、月間の平均最低気温は年間を通じて
安定に変化している。また、空調を使用していても深夜
などでは空調を停止させる場合が多いため、最低温度に
着目すれば季節変動の影響を明確に示すはずである。し
かし、年間を通して常時空調をする場合(特性線c)に
は、例えば最低気温を15度に維持することも可能であ
る。
【0035】一方、夏期と冬期に限って空調を使用する
場合(特性線b)もある。この場合には、季節に限って
空調の影響により最低気温が変化する。しかし、先に述
べたように空調は深夜等の最低気温を記録する時間帯で
は機能していない場合が多いため、最低気温の平均値を
移動平均によって作成すれば、多くの場合に空調の影響
をほぼ無くしてガス漏れ等を検出することが可能にな
る。このようにして最低気温を測定する目的は、図4に
示した季節変動特性に応じて検出感度を補正するためで
ある。この最低気温は、ガスセンサ2の温度を検出して
いない状態での温度センサ4を利用して測定することが
できる。
【0036】上述したように最低気温を測定すればある
程度の季節情報を得ることができるが、更に直接的に季
節情報を獲得する方法としては、図1に示した不揮発性
メモリ16に製造年月日情報を書き込む方法があり、こ
の情報を読み出してその後の累積動作時間を加算するこ
とにより、季節情報を簡単に獲得することができる。こ
の方法は、不揮発性メモリ16への製造年月日情報の書
き込み時期と、警報器の電源を入れて実際に使用を開始
する時期との期間差はおおむね無視できるという仮定に
基づいた方法である。
【0037】交流電源を使用する警報器では、使用場所
に設置してから初めて電源を入れるため、上記期間差が
発生しやすい。この場合には、最低気温を用いて季節変
動特性に応じた感度補正を行うことができる。しかし、
本実施形態のような電池式の警報器では、電池のセット
時が電源供給開始時つまり使用開始時となるので、例え
ば工場で電池をセットした時点で使用開始と見ることが
でき、その時期に不揮発性メモリ16へ製造年月日情報
を書き込めば、上記期間差をほぼなくすことが可能であ
る。この点、電池式の警報器では不揮発性メモリへの季
節情報の書き込みが特に有効である。
【0038】また、ガスセンサの使用開始からの累積動
作時間は、一定の時間間隔ごとにCPU1が時間を積算
することによって容易に求められる。この累積動作時間
や季節情報のいずれも、電源供給が断たれるとCPU1
は計算、記憶が不可能になる。しかし、一定時間間隔で
累積情報を不揮発性メモリ16に書き込むか、または電
源を切られた時に書き込むことにより、電源を再び使用
できるようになった場合に不揮発性メモリ16の内容を
読みだし、累積動作時間等の計算を再開することができ
る。勿論、中断期間は積算できないことは言うまでもな
い。警報器の動作から考えると、この中断期間の影響は
それほどないと考えられる。もし、季節情報に誤差が発
生すれば、図5の最低気温情報から季節変動を類推する
ことも可能である。
【0039】実際の警報器の使用環境区分として、空調
の影響の方が大きい場合、つまり、季節的な影響よりも
空調による影響を多く受けるような用途では、図5に示
したごとく、例えば30日を単位とした移動平均の最低
気温の状況により判定レベルを補正すれば、一層正確な
ガス漏れ検出が可能になる。
【0040】図6は、CPU1の動作を示すフローチャ
ートである。電源が入り、CPU1が動作を開始すると
ソフトウェアが起動される。ステップS1では、イニシ
ャルセットとして、不揮発性メモリ16に予め書き込ま
れた季節情報を読みだし、使用開始月をRAMにセット
する。この他の方法として、図1に示されていない外部
回路から使用開始月情報をCPU1に送ってもよい。C
PU1のI/Oポートを専用に準備することも可能であ
り、種々の方法によって使用開始月情報をCPU1に伝
達することができる。
【0041】ガスセンサ2は、使用開始に先立ち、表面
に付着した異物や埃などをクリーニングすることが望ま
しく、このクリーニングによってセンサ動作を安定化さ
せることができる。このほか、CPU1の動作に必要な
メモリセットや機能セットが必要であるが、これらの処
理は個々のCPUの設計条件に従って実行する。
【0042】イニシャルセットが終了すると、ステップ
S2において、ガスセンサ2の警報モニタを行う。具体
的には、ガスの状態をガスセンサ2の状況から測定し、
異常があれば警報動作を行い、ガスが検出されない場合
には特別に何も行わない。このステップは一定間隔毎、
例えば10秒毎に実行されるので(S4No,S5Ye
s)、その時間単位で累積動作時間カウントを行う。
【0043】ステップS2が終了すると、例えば10秒
毎にステップS3を実行する。このステップでは、周囲
温度を温度センサ4により測定し、季節変動補正計算や
経年変化補正計算を行う。これらの計算方法や使用方法
は後述する。また、計算結果や重要な情報(累積動作時
間情報や年月日情報等)を計算パラメータとして不揮発
性メモリ16にセットし、電源が切れた場合に備えるこ
ととする。
【0044】このステップS3が終了すると、例えば1
0秒毎にステップS2が実行されるように時間調整が行
われる(ステップS5)。その一例として、割り込み処
理を利用すれば、CPU1が自動的に10秒後にステッ
プS2以降の処理を実行することができる。これらのソ
フトウェアは種々実現されているので、システムに適し
た方法を選択すればよい。
【0045】図7は、経年変化補正の計算例を示してい
る。経年変化特性は、使用開始からの年月を係数として
計算式を作り、演算によって補正量を求める方式もある
が、センサのバラツキもあるので、図7では累積動作時
間を区分し、それぞれに応じた一定の係数を判定レベル
に乗じる方式を採っている。補正計算は種々の方法が考
えられるので、センサの経年変化特性とCPU1の処理
機能を勘案して実行可能な計算方式を選択すればよい。
【0046】図8は、季節変動補正の計算例を示してい
る。季節の区分方法は、四季によって区分する方法もあ
り、月単位で区分する方法もある。図8では、(a)に
示すように、季節の年間変動として月単位で区分してい
る。月の区分は、電源の投入時にセットした季節情報に
基づき、CPU1が経過時間を加える方法でカレンダー
を作ることにより、現時点が何月であるかの決定が可能
である。その際の補正数n1〜n12は、センサの季節変
動特性、例えば図4のような特性変化に合わせて決定す
ればよい。
【0047】月単位すなわち季節毎に補正数を設定する
以外に、図8(b)に示すように最低気温の移動平均を
とって補正数を設定することも考えられる。移動平均に
は、過去の15日、30日、60日というように少し長
い期間を対象として計算することが、センサの長期的な
変動特性に合致する。この移動平均期間は、センサ自身
の構成、構造、その他で決まる特性に合わせて選択すれ
ば、より実態に合った補正数の選択を行うことができ
る。なお、周囲温度変化に対するガス検出感度の短期的
な変動を補正することは従来から行われているが、本発
明ではガス検出感度の長期的な変動を吸収する目的の補
正数であることが特徴となっている。
【0048】図9は、ガス検出感度の長期的な補正要素
の選定方法を示している。既に、移動平均により時間的
な遅れ要素を組み込んでいるが、実際のソフトウェアの
機能としては、遅れ要素ばかりでなく時間的早まり要素
も別個に取り込み、実際のセンサ特性に合わせた方がソ
フトウェア機能の実現が容易であったり、計算式の作成
が簡単になる場合がある。このため、基準となる条件を
決定した上で、時間的な遅れ要素と早まり要素とを別個
に付加する方法も考えられる。このように、種々の手段
を使用して、実際の特性にマッチしたガス漏れの判定レ
ベルを自動的に調整して設定する。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ガスセン
サの制御回路にセンサの累積動作時間や使用環境温度を
測定する機能を持たせ、経年変化特性や季節変動特性に
応じてガスセンサの検出感度を補正するようにしたた
め、長期的な使用や季節に関わらず常に検出感度を高く
維持することができる。特に、不揮発性メモリに製造年
月日情報等をセットすることによって累積動作時間の測
定が容易になり、季節変動特性に応じた補正も容易にな
る。更に、不意の停電等によって累積動作時間等のデー
タが消失する恐れを無くし、常に安定した高精度のガス
検出を行うことができる。なお、本発明はガス漏れ警報
器ばかりでなく、長期的なセンサ特性の変動要因が分か
っている種々のガス警報器や火災報知器等に適用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における電池式ガス漏れ警報器の回路
構成図である。
【図2】実施形態におけるガスセンサ、ヒータ、温度セ
ンサの構成図である。
【図3】実施形態におけるガスセンサの経年変化特性を
示す図である。
【図4】実施形態におけるガスセンサの季節変動特性を
示す図である。
【図5】月の経過に対する最低気温の関係を示す図であ
る。
【図6】実施形態におけるCPUの動作を示すフローチ
ャートである。
【図7】実施形態における経年変化補正の計算例を示す
図である。
【図8】実施形態における季節変動補正の計算例を示す
図である。
【図9】実施形態におけるガス検出感度の補正要素の選
定方法を示す図である。
【符号の説明】 1 CPU 2 ガスセンサ 3 ヒータ 4 温度センサ 5 定電圧回路 7 電池 8 電池電圧検出回路 9,11 電磁ラッチ 10 表示板 12 音声用電源回路 13 音声LSI 14 アンプ 15 スピーカ 16 不揮発性メモリ(EEPROM) 100 メタンセンサ回路 200 COセンサ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野寺 克己 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスを検出して電気的特性が変化するガ
    スセンサと、このガスセンサを所定温度に加熱するヒー
    タと、ガスセンサの温度を測定する温度センサと、この
    温度センサにより測定したガスセンサの温度に基づき前
    記ヒータの加熱を制御すると共に、ガスセンサの出力信
    号を処理しその出力信号が判定レベルを超えた時に警報
    動作を行わせる制御手段と、を備えたガス警報器におい
    て、 警報器としての動作開始時点からの累積動作時間に応じ
    てガスセンサの検出感度を補正する手段を備えたことを
    特徴とするガス警報器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガス警報器において、 前記温度センサまたは他の温度センサを用いて使用環境
    温度を測定し、この環境温度から推定した季節の関数で
    あるガスセンサの季節変動特性と、前記累積動作時間の
    関数であるガスセンサの経年変化特性とに応じてガスセ
    ンサの検出感度を補正する手段を備えたことを特徴とす
    るガス警報器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のガス警報器において、 季節を推定するための要素として、温度センサにより測
    定した使用環境の最低温度を用いることを特徴とするガ
    ス警報器。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載のガス警報器
    において、 ガスセンサの温度を測定する温度センサを、使用環境温
    度の測定に共用することを特徴とするガス警報器。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載のガス警
    報器において、 前記制御手段は、不揮発性の記憶手段を備え、 この記憶手段に記憶された情報を用いてガスセンサの検
    出感度を補正することを特徴とするガス警報器。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5記載のガ
    ス警報器において、 電源供給に電池を使用し、かつ、ヒータを断続的に加熱
    する手段を備えたことを特徴とするガス警報器。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5または6記載
    のガス警報器において、 制御手段が、ガスセンサの出力信号と比較される判定レ
    ベルを補正することにより、ガスセンサの検出感度を補
    正することを特徴とするガス警報器。
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