JP5798497B2 - 移動量検出装置、移動体検出装置及び移動量検出方法 - Google Patents
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Description
ビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置を用いて移動する物体(移動体)を撮影する場合、撮影者は移動体を追跡しながら撮像装置を動かす。このような場合に、上述した任意の物体を抽出する技術を用いることにより、撮像装置は撮影した画像から移動体を抽出することできる。加えて、撮像装置自体を速く動かして、速く動く移動体を撮像する場合、速く動かすことによる撮像後のブレが無く、一方、移動体に関しては、通常通りに物体追跡を実現できる現象が望ましい。
上述したように、移動体の移動量を検出する処理が煩雑であったり、撮像装置を瞬時にフレームの幅以上に大きく動かした場合、撮像装置の動きの制限や取り込んだ画像の処理方法により、移動体の検出が不可能な場合が生じるという課題があった。
制御部は、測定部が出力する動き量、言い換えると撮像装置の動いた大きさを示す値を用いて、複数の画像中に存在する任意の物体のフレーム内の位置が、撮像装置の動き量に応じて移動した移動量を取得するものである。制御部は、フレームを複数の領域に分割し、当該位置が移動した大きさ(移動量)を、領域の数として取得する。これにより、移動量の絶対値は整数として取り扱うことが可能となる。その結果、任意の物体の移動量に関する計算を、整数を用いて演算することが可能になり、簡易な計算によって移動量の取得を実現する。
バッファは、第1画像、前記第1画像に続く第2画像、及び、前記第2画像に続く第3画像を格納する。
測定部は、撮像装置が二つの画像を撮像する間に前記撮像装置が動いた動き量を測定する。
制御部は、前記画像のフレームを複数の領域に分割する個数を指定する分割個数、及び、前記動き量と、一つの画像に対して前記一つの画像に続く画像が移動した領域の数を示す移動量とを対応づける移動量取得情報を保持し、前記動き量を測定部から受け、前記移動量取得情報を用いて前記動き量に応じた前記移動量を出力する。
第1差分処理部は、前記制御部から前記移動量として、前記第1画像と前記第2画像との間の第1の移動量を受け、前記第1の移動量に応じて前記第1画像から前記第2画像へ移動したときに喪失する領域を、前記第1画像から除いた第1共通画像、及び、前記第1画像から前記第2画像へ移動したときに追加される領域を前記第2画像から除いた第2共通画像を取得し、前記第1共通画像と前記第2共通画像との差分を抽出した第1差分画像を生成する。
第2差分処理部は、前記制御部から前記移動量として、前記第2画像と前記第3画像との間の第2の移動量を受け、前記第2の移動量に応じて前記第2画像から前記第3画像へ移動したときに喪失する領域を、前記第2画像から除いた第3共通画像、及び、前記第2画像から前記第3画像へ移動したときに追加される領域を前記第3画像から除いた第4共通画像を取得し、前記第3共通画像と前記第4共通画像との差分を抽出した第2差分画像を生成する。
検出部は、前記第1差分画像と前記第2差分画像との重複部分を、前記第2画像に含まれる移動体として検出し、前記移動体の近傍範囲を前記移動体の追跡範囲として設定する。
移動体検出装置では、移動量として領域の数を取得するため、移動量を用いて移動体の検出を実現する場合に、移動量を用いる演算処理の負荷を大幅に軽減することができる。言い換えると、移動量として、実際に動いた距離ではなく上述した領域の数を用いて表すため、移動量を実数値ではなく整数値として保持する。このため、移動量を保持するレジスタの数および計算量を削減することができる。その結果、移動体検出における消費電力も削減することが可能になる。
以降の説明において、撮像装置には、動画を撮像するビデオカメラ、静止画を撮像するデジタルカメラなどが含まれる。
実施形態1では、まず、本発明に係る移動量検出装置の説明をし、実施形態2では、実施形態1の移動量検出装置を搭載した移動体検出装置について説明する。
* 実施形態1の構成
図1に、本発明の実施形態1に係る移動量検出装置の構成例を示す。移動量検出装置100は、撮像装置が画像を撮像中に動いた動き量に応じて、撮像した二つの画像の間で、画像がフレーム内で移動した移動量を検出する。ここで、フレームは、画像領域を特定する枠である。撮像した二つの画像は、撮像装置が異なるタイミング(時刻)で撮像した、第1画像と、第1画像に続いて撮像された第2画像とを一例として用いて説明する。移動量検出装置100は、移動量として、撮像装置の動き量に応じて、第1画像と第2画像との間で、画像がフレーム内で移動した距離に替えて、フレームを複数の領域に分割し、フレーム内の複数の領域の数を示す移動量を用いる。言い換えると、撮像装置の動きに伴って、第1画像のうち、第2画像では撮像されなくなった画像の領域の数を移動量として示す、ともいえる。以下、図1を参照して具体的な構成例を説明する。
測定部110は、撮像装置が画像を撮像中に動いた動き量を測定する。測定部110は、例えば、加速度センサ111を備える。ここでは、加速度センサ111として、2軸の加速度センサを用い、撮像装置の動きに対して、横方向(水平方向、x軸方向)の振動周波数fxと、縦方向(垂直方向、y軸方向)の振動周波数fyとを測定する。加速度センサ111は、振動周波数fx、fyを用いて、任意の処理により、電圧ΔVx、ΔVyを算出する。電圧ΔVx,ΔVyは、撮像装置の動き量を示す。加速度センサ111は、例えば、図2A、2Bに示すような関係式を用いて振動周波数fx、fyから電圧ΔVx、ΔVyを算出し、出力する。ここでは、加速度センサ111は、電圧ΔVx、ΔVyとしてデジタルの数値を出力することを前提として説明する。
なお、図1では、説明を容易にするため、測定部110が加速度センサ111を備える構成例を示しているが、これに限られるわけではなく、加速度センサ111に加え、増幅器・A/D変換器等を備える構成であってもよい。これについては後述する。
移動量は、第1画像のフレームを複数の領域に分割した場合、第2画像が分割個数の何個分移動したかを示している。従って、移動量は、撮像装置の動きに応じて、1フレームに対する移動の割合を示すともいえる。例えば、分割個数が256であり、1フレームを256個の領域に分割し、第2画像が、第1画像のフレームのうち128個の領域が右に移動したものとする。この場合には、移動量は128となり、分割個数256に対して、移動量の128は、50%であることが算出できる。従って、第2画像は、第1画像のフレームに対して、50%右に移動したということができる。別の言い方をすれば、分割個数と移動量とは、移動した後の画像が、移動する前の1フレームの画像に対して、どの程度の割合で移動したかを示すことを可能とする。
図1では、制御部120は、情報保持部(メモリ)121へ分割個数及び移動量取得情報を格納する構成例を示しているが、これに限られるわけではない。分割個数及び移動量取得情報は、制御部120が参照可能な記録領域に保持されていればよい。
まず、測定部110から動き量△Vを受けると、その動き量ΔVに対して移動量Pvを取得できる関数βを作成する。制御部120が、移動量取得情報として、関係式Pv=β(ΔV)を保持する。関数βの種類は、図3Aに示すような一次関数でも良いし、図3Bに示すような二次関数でも良い。
図3A、3Bでは、横方向と縦方向と区別しないで示しているが、実際には多くの場合、制御部120は、横方向及び縦方向それぞれに対応する、横方向移動量取得情報と縦方向移動量取得情報とを保持する。横方向移動量取得情報は、横方向動き量と、分割個数(または横方向分割個数)でフレームを分割した複数の領域のうち、第1画像に対して第2画像が移動した領域数を示す横方向移動量Pv_xとを対応づける。縦方向移動量取得情報は、縦方向動き量と、分割個数(または縦方向分割個数)でフレームを分割した複数の領域のうち、第1画像に対して第2画像が移動した領域数を示す縦方向移動量とを対応づける。
移動量は、図3A、3Bに示すように、正の値、ゼロ、負の値を採るように対応づけてもよい。または、移動量がゼロ、または正の値のみとなるように対応づけ、移動の方向を示す情報を別に保持してもよい。
加えて制御部120は、分割個数Nを保持する場合、移動量の絶対値として、ゼロから分割個数N未満の範囲の値を取得するように構成される。言い換えると、移動量取得情報は、移動量の絶対値として、ゼロからN未満の範囲の数値を対応づけるように生成される。例えば、移動量の絶対値は、ゼロから(N−1)までの範囲の整数を取り得る。
次に、上述した図面を参照して移動量検出装置100の動作例を説明する。ここでは、横方向の動き量と縦方向の動き量とは、同じ処理によって算出する。説明を容易にするため、横方向または縦方向とのいずれかの振動周波数、電圧、及び移動量を、振動周波数f、電圧ΔV、及び移動量Pvとして説明する。
加速度センサ111は、撮像装置の動きを測定し、振動周波数fを取得する。加速度センサ111は、測定した振動周波数fを用いて、例えば、図2Aまたは図2Bのような関数に従って電圧ΔVを算出し、出力する。加速度センサ111に2軸の加速度センサを用いると、横方向の動きに対して、例えば、撮像装置(フレーム)を右に動かしたとき、ゼロ(動き量がゼロ)または正の値(ΔV≧0)になり、フレームを左に動かしたとき、負の値(ΔV<0)となる。加速度センサ11は、左右の動きに加え、上下の動きにも対応できる。従って、図2A、2Bにおいて、例えば、撮像装置が右または上に動くと、電圧ΔVがゼロまたは正の値(ΔV≧0)、左または下に動くと、電圧ΔVが負の値(ΔV<0)を採る。
測定部110は、動き量として電圧ΔVを制御部120へ出力する。
例えば、図4Aにおいて、横方向分割個数Nxを、例えば256とするならば、横方向の座標軸(横軸)、言い換えると端部X_LからX_Rまでの間は256個に分割され、Pv_xは0から255までの整数値をとる。
図5A、5Bを参照して、画像の移動を具体的に説明する。図5Aでは、撮像装置が横方向に左から右に動いた場合の、図5Bでは、横方向に右から左に動いた場合のフレームの画像の移動を示す。例えば、撮影した画像I(t)が画像I(t+1)に変化するとき、画像I(t)ではこの変化により消えた領域(右下がり斜線部分の領域)が削除され、画像I(t+1)ではこの変化により新規に撮像された領域(右上がり斜線部分の領域)が存在する。tは任意の時刻を表し、(t+1)は、時刻tから時間間隔Tを経過した時刻、(t−1)は、時刻tより時間間隔Tの期間前の時刻を表す。加えて、図5A、5Bでは、分割個数を256(2の8乗)とし、移動量Pv_xがゼロから255の範囲の値を採る場合を一例として示す。
図5A、5Bに示すように、画像I(t)と画像I(t+1)との間の移動量を用いて計算されるので、実数を用いた複雑な演算は行わない。具体的には、整数の値である移動量及び分割個数を用いて、移動後の画像について、移動前の1フレームの画像に対する移動した割合を取得し、演算を実施することを可能にする。ゆえに、実距離ではなく、複数の領域の数を用いて、後述する動画像の物体追跡の処理を実現することができる。このため、計算量が削減され、その計算量を削減することにより消費電力の削減の効果にも期待できる。
撮像装置の移動距離を、実距離ではなく、フレームを複数の領域に分割し、どの領域の範囲が移動しているかという、領域の数で表現する。このため、撮像装置を動かしたときの距離を表わす具体的な実数値を用いて演算処理する必要がなくなる。このため、精度の高い処理をするための高度なプロセッサを必要とせず、簡素なハードウェアおよびファームウェアで実現可能である。加えて、特許文献2及び特許文献3で示したような、分割されたブロック毎にベクトル演算するというに多大な計算を必要としない。その結果、実行時の消費電力を抑制するという効果を奏することができる。
さらに、加速度センサを用いるとき、特許文献5では積分回路を合わせて用いるが、本発明では、本実施形態では積分回路を用いないので、撮像装置の動きの修正距離に関して、誤差の緩和を行わなくて済む。さらに加えて、特許文献2、3では、ベクトル演算を用いる場合、撮像装置の動き量の範囲に制限があったが、本実施形態では、撮像装置の動き量の範囲に制限が設けられることはない。ゆえに、ユーザは撮像装置の動く距離の制限を気にすることなく利用することが可能となる。
実施形態2では、実施形態1の移動量検出装置100を搭載した移動体検出装置200に関して説明する。移動体検出装置200は、異なる時間に撮像された複数の画像(例えば、時系列に撮像された複数の画像)から移動体を検出する装置である。
* 実施形態2の構成
図6に、実施形態1の移動量検出装置を適用した移動体検出装置の構成例を示す。移動体検出装置200は、移動量検出装置100、バッファメモリ220、差分画像生成部230、検出部240を備える。カメラ11から撮像された画像データは、キャプチャ用バッファ12に格納され、画像変換器13などを用いて、バッファメモリ220に画像データが保存される。
第1差分処理部231は、第1画像と第2画像とについて、移動量を制御部120から受け、移動量に応じて第1画像から第2画像へ移動したときに喪失する画像の領域(削除される領域、削除領域)を、第1画像から除いた第1共通画像、及び、第1画像から第2画像へ移動したときに追加される画像の領域(新たに加わる領域、追加領域)を第2画像から除いた第2共通画像を取得し、第1共通画像と第2共通画像との差分を抽出した第1差分画像を生成し、バッファ234へ格納する。
遅延素子233は、制御部120から出力される移動量が、第2差分処理部で処理する画像データに対応するように時間調整を行う。
バッファ234は、第1差分処理部231が生成した第1差分画像を保持し、バッファ235は、第2差分処理部232が生成した第2差分画像を保持する。バッファ234、235が保持する画像は、後述する処理において、検出部240によって読み出される。
設定部241は、論理積回路を用いて第1差分画像と第2差分画像との重複部分を検出する。そして、論理積回路が検出した重複部分に基づいて、移動体の追跡範囲を設定し、バッファ242へ格納する。
図7に、実施形態2に係る移動体検出装置の処理の流れを示す。図7を参照して動作例を説明する。図7では、撮像装置が横方向に移動する場合について説明する。加えて、図8に、図7に示す各Stepを含む、移動体検出装置200の動作をフローチャートに示す。差分画像生成部230において、第1差分処理部231は、バッファ221、222に第1画像及び第2画像が格納され、制御部120から移動量を取得すると(S21)、第1差分画像生成処理S22、S23を実施する。第2差分処理部232は、バッファ222、223に第2画像及び第3画像が格納され、制御部120から移動量を取得すると(S24)、第2差分画像生成処理S22、S23を実施する。その後、検出部240が検出処理(S27〜S28)によって、移動体を検出し(S27)、検出された情報が出力される(S28)。以下、図7、8を参照して差分画像生成処理及び検出処理について詳細に説明する。
移動量検出装置100は、バッファ221とバッファ222とに保存された画像I(t−1)及び画像I(t)から、測定部110によってカメラ11の動き量を測定するとともに、制御部120によって移動量を取得する。移動量検出装置100から出力される移動量は、1時刻早いので、時間間隔Tを合わせるために遅延素子33を用い、バッファ221に画像I(t−1)、バッファ222に画像I(t)が保存されたタイミングで処理を実施するように構成する。図7では、Step1で測定部110が取得した移動量を画像I(t)の下に矢印で示す。制御部120は、取得した移動量を第1の差分処理部231へ出力する。
カメラ11が動いたことによって、移動量に基づいて画像の移動が生じ、バッファ221の画像I(t−1)には含まれるものの、バッファ222の画像I(t)からは喪失する画像の領域(削除された領域)及びバッファ221の画像I(t−1)には撮像されていないが、バッファ222の画像t(t)に新たに加わる画像の領域(追加された領域)が生じる。そこで、第1差分処理部231は、制御部120から移動量を受け、画像I(t−1)から、削除された領域(右側の右下がり斜線部分の領域)を削除し、第1共通画像を生成する。また、バッファ222の画像I(t)から追加された領域(左側の右上がり斜線部分の領域)を削除し、第2共通画像を生成する。
Step3:第1画像と第2画像との差分画像生成(S23)
Step2で求めた2つの画像の差分をとる。具体的には、第1差分処理部231は、第1共通画像と第2共通画像の差分を抽出した第1差分画像を生成し、バッファ234へ格納する。第1共通画像と第2共通画像とは、背景は同じとなるので、動体の軌跡のみが残る。
移動量検出装置100は、バッファ222とバッファ223とに保存された画像I(t)及び画像I(t+1)から、測定部110によってカメラ11の動き量を測定するとともに、制御部120によって移動量を取得する。図7では、Step4で測定部110が取得した移動量を画像I(t+1)の下に矢印で示す。制御部120は、取得した移動量を第2の差分処理部232へ出力する。
Step5:第2画像と第3画像との共通画像生成(S25)
カメラ11が動いたことによって、移動量に基づいて画像の移動が生じ、バッファ222の画像I(t)には含まれるものの、バッファ223の画像t(t+1)からは削除される画像の領域(削除された領域)及びバッファ222の画像I(t)には撮像されていないが、バッファ223の画像t(t+1)に新たに加わる画像の領域(追加された領域)が生じる。そこで、第2差分処理部232は、制御部120から移動量を受け、画像I(t)から、消去された領域(右側)を削除し、第3共通画像を生成する。また、バッファ223の画像I(t+1)から追加された領域(左側)を削除し、第4共通画像を生成する。
Step6:第2画像と第3画像との差分画像生成(S26)
Step5で求めた2つの画像の差分をとる。具体的には、第2差分処理部232は、第3共通画像と第4共通画像の差分を抽出した第2差分画像を生成し、バッファ235へ格納する。第3共通画像と第4共通画像とは、背景は同じとなるので、動体の軌跡のみが残る。なお、図6の例にあるバッファ242では、動体の重なった箇所が差分によって消去されている。
検出部240の設定部241は、論理積の計算を用いて、バッファ234の第1差分画像とバッファ235の第2差分画像との重複部分を抽出する。言い換えると、第1差分画像と第2差分画像との交わりをとる。そして、抽出した重複部分の近傍を物体追跡の範囲と設定し、設定した範囲を示す情報をバッファ242に格納する。
Step8:移動体情報の出力(S28)
Step7によって得られた物体の近傍を物体追跡の領域を示す図形(例えば、長方形、矩形、あるいは円形等で、移動体追跡の範囲を示すマーク)がキャプチャ用バッファ12に保存されている画像と共にディスプレイ71に表示される。
加えて、第1差分処理部231は、ステップS21で取得した移動量がゼロである場合、第1及び第2共通画像生成処理(S22)を実施することなく、第1画像と第2画像から第1差分画像を生成するように構成することができる。同様に、第2差分処理部232は、ステップS24で取得した移動量がゼロである場合、第3及び第3共通画像生成処理(S25)を実施することなく、第3画像と第4画像から第2差分画像を生成するように構成することができる。
この適用例は、ユーザが対象となる物体を指定せずに、動く背景の中で動く物体を抽出できる。この技術を用いてAF(AutoFocus)にも適用できる。その他のメカニズム及び効果は、実施形態1と同じである。AFに適用する場合、カメラは、撮像対象とする物体に焦点を合わせた後、任意の時間経過後に撮像対象とする物体が移動している場合に焦点を再度合わせることになる。このとき、カメラは移動体を撮像対象と判断し、移動体を検出する。移動体を検出するときに本発明を適用することができる。
実施形態2の図7では、撮像装置が横方向に動く場合を一例として説明した。本実施形態では、移動体検出装置200が、横方向及び縦方向に動く撮像装置の画像から移動体を検出する場合を説明する。例えば、差分画像生成部230は、制御部120が取得した移動量として、横方向移動量Pv_x及び縦方向移動量Pv_yを受け、横方向の共通画像(第1〜第4共通画像)を生成し、続いて生成された横方向の共通画像を用いて、縦方向の移動量を加味した共通画像を調整し、共通画像から差分画像(第1差分画像及び第2差分画像)を生成するように構成する。図6の移動体検出装置200を以下に示す動作例を実現するように構成することによって実現できる。
第1差分画像及び第2差分画像が生成されると、図8と同様に、検出部240によって移動体検出処理が実施される。
なお、ステップS32〜S34、S36〜S38において、横方向と縦方向との処理は順番を逆にしてもよいことは言うまでもない。
図1では、測定部110が加速度センサ111を備える例を説明したが、さらに増幅器・A/D(Analog/Digital)変換器112を備える場合であってもよい。図10に構成例を示す。例えば、加速度センサ111が移動量をアナログデータとして出力する場合には、増幅器・A/D変換器112により移動量の増幅、アナログデータからデジタルデータへの変換が実施される。
加えて、図1及び図10では、加速度センサ111を用いて測定部110を構成する場合を示しているが、例えば、ジャイロセンサなどその他の測定機器を用いて測定部110を構成することも可能である。撮像装置の動き量を測定できる機器であれば他の機器を用いて実現する場合であってもよい。
上記各実施形態で説明した移動量検出装置における制御部120の処理は、プログラムで実現することも可能である。プログラムは、コンピュータに例えば図11の各処理を実行させる。まず、予め分割個数と移動量取得情報とを、プログラムが参照可能な記録領域(メモリ)に格納する情報格納処理を実施する(S41)。次に、測定部110から測定された動き量が受け渡されるのを待ち受ける(S42)。動き量を受け取ると(S42でYes)、移動量取得情報を格納した記録領域から読み出し、動き量に応じた移動量を取得する(S43)。移動量取得情報を関数で実現する場合、プログラムは、動き量を用いた演算処理を実施することによって移動量を取得するように作成される。移動量取得情報をテーブルによって実現する場合、プログラムは、当該テーブルを検索して動き量に対応する移動量を取得するように作成される。
バッファ221、222に画像I(t−1)(第1画像)と、画像I(t)(第1画像に続く第2画像)とが格納されると、図11に示す各処理に従って、画像I(t−1)と画像I(t)との移動量(以降、第1の移動量とする)が取得される。
第1の移動量を受け取ると、第1の移動量に応じて画像I(t−1)から画像I(t)へ移動したときに喪失する領域を、画像I(t−1)から除いた第1共通画像、及び、画像I(t−1)から画像I(t)へ移動したときに追加される領域を画像I(t)から除いた第2共通画像を取得する(第1及び第2共通画像生成処理)。次に、第1共通画像と第2共通画像との差分を抽出した第1差分画像を生成し、バッファ234へ格納する(第1差分画像生成処理)。
第2の移動量を受け取ると、第2の移動量に応じて画像I(t)から画像I(t+1)へ移動したときに喪失する領域を、画像I(t)から除いた第3共通画像、及び、画像I(t)から画像I(t+1)へ移動したときに追加される領域を画像I(t+1)から除いた第4共通画像を取得する(第3及び第4共通画像生成処理)。次に、第3共通画像と第4共通画像との差分を抽出した第2差分画像を生成し、バッファ235へ格納する(第2差分画像生成処理)。
第1差分画像と第2差分画像とが各バッファに格納されると、第1差分画像と第2差分画像との重複部分を、画像I(t)に含まれる移動体として検出し、移動体の近傍範囲を移動体の追跡範囲として設定する(移動体領域検出処理)。
12 キャプチャ用バッファ
13 画像変換器
71 ディスプレイ
100 移動量検出装置
110 測定部
111 加速度センサ
112 増幅器・A/D変換器
120 制御部
121 情報保持部
200 移動体検出装置
220 バッファメモリ
230 差分画像生成部
221〜223、234〜235、242 バッファ
231 第1差分処理部
232 第2差分処理部
233 遅延素子
240 検出部
241 設定部
Claims (11)
- 撮像装置が第1画像と第2画像とを撮像する間に前記撮像装置が動いた動き量を測定する測定部と、
前記第1画像及び前記第2画像それぞれのフレームを複数の領域に分割する個数を指定する分割個数、及び、前記動き量と、前記第1画像に対して前記第2画像が移動した領域の数を示す移動量とを対応づける移動量取得情報を保持し、前記動き量を測定部から受け、前記移動量取得情報を用いて前記動き量に応じた前記移動量を出力する制御部と、を備える移動量検出装置。 - 前記制御部は、前記分割個数として2のべき乗の値を保持することを特徴とする請求項1記載の移動量検出装置。
- 前記制御部は、前記移動量取得情報として、前記移動量の絶対値が、ゼロから前記分割個数未満の範囲の整数となる情報を保持することを特徴とする請求項2記載の移動量検出装置。
- 前記制御部は、前記移動量取得情報に基づいて、前記フレームの対向する二つの端部のうち、一方の端部を基点とし、他方の端部を前記分割個数から1を差し引いた数値を設定する座標をしたときに、前記基点から移動した位置までの座標上の整数値を移動量として対応づけるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の移動量検出装置。
- 前記測定部は、加速度センサにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の移動量検出装置。
- 第1画像、前記第1画像に続く第2画像、及び、前記第2画像に続く第3画像を格納するバッファと、
撮像装置が二つの画像を撮像する間に前記撮像装置が動いた動き量を測定する測定部と、
前記画像のフレームを複数の領域に分割する個数を指定する分割個数、及び、前記動き量と、一つの画像に対して前記一つの画像に続く画像が移動した領域の数を示す移動量とを対応づける移動量取得情報を保持し、前記動き量を測定部から受け、前記移動量取得情報を用いて前記動き量に応じた前記移動量を出力する制御部と、
前記制御部から前記移動量として、前記第1画像と前記第2画像との間の第1の移動量を受け、前記第1の移動量に応じて前記第1画像から前記第2画像へ移動したときに喪失する領域を、前記第1画像から除いた第1共通画像、及び、前記第1画像から前記第2画像へ移動したときに追加される領域を前記第2画像から除いた第2共通画像を取得し、前記第1共通画像と前記第2共通画像との差分を抽出した第1差分画像を生成する第1差分処理部と、
前記制御部から前記移動量として、前記第2画像と前記第3画像との間の第2の移動量を受け、前記第2の移動量に応じて前記第2画像から前記第3画像へ移動したときに喪失する領域を、前記第2画像から除いた第3共通画像、及び、前記第2画像から前記第3画像へ移動したときに追加される領域を前記第3画像から除いた第4共通画像を取得し、前記第3共通画像と前記第4共通画像との差分を抽出した第2差分画像を生成する第2差分処理部と、
前記第1差分画像と前記第2差分画像との重複部分を、前記第2画像に含まれる移動体として検出し、前記移動体の近傍範囲を前記移動体の追跡範囲として設定する検出部と、を備える移動体検出装置。 - 前記制御部は、前記分割個数として2のべき乗の値を保持し、
前記制御部は、前記移動量取得情報として、前記移動量の絶対値が、ゼロから前記分割個数未満の範囲の整数である情報を保持することを特徴とする請求項6記載の移動体検出装置。 - 前記第1差分処理部は、前記分割個数と同じビット数のレジスタに前記第1の移動量を保持し、前記第1の移動量の絶対値の数の領域を前記第1画像から削除して前記第1共通画像を取得し、前記移動量の絶対値の数の領域を前記第2画像から削除して前記第2共通画像を取得し、
前記第2差分処理部は、前記分割個数と同じビット数のレジスタに前記移動量を保持し、前記第2の移動量の絶対値の数の領域を前記第2画像から削除して前記第3共通画像を取得し、前記第2の移動量の絶対値の数の領域を前記第3画像から削除して前記第4共通画像を取得することを特徴とする請求項7記載の移動体検出装置。 - 前記第1差分処理部は、前記第1画像と前記第2画像それぞれの基点を前記第1の移動量に基づいて決定し、前記第1の移動量を座標上の値として取り扱い、前記第1画像について、前記基点から前記第1の移動量が示す値の領域を削除して前記第1共通画像を取得し、前記第2画像について、前記基点から前記第1の移動量を反転させた値が示す値の領域を削除して前記第2共通画像を取得し、
前記第2差分処理部は、前記第2画像と前記第3画像それぞれの基点を前記第2の移動量に基づいて決定し、前記第2の移動量を座標上の値として取り扱い、前記第2画像について、前記基点から前記第2の移動量が示す値の領域を削除して前記第3共通画像を取得し、前記第3画像について、前記基点から前記第2の移動量を反転させた値が示す値の領域を削除して前記第4共通画像を取得することを特徴とする請求項8記載の移動体検出装置。 - 複数の画像に存在する任意の物体のフレーム内の位置が、撮像装置が動いた動き量に応じて移動する移動量を検出する移動量検出方法であって、
第1画像及び第2画像それぞれのフレームを複数の領域に分割する個数を指定する分割個数、及び、前記動き量と、前記第1画像に対して前記第2画像が移動した領域の数を示す移動量とを対応づける移動量取得情報を記録領域に保持し、
測定手段を用いて、前記撮像装置が前記第1画像と前記第2画像とを撮像する間の前記動き量を測定し、
前記測定手段が測定した結果を受けると、前記移動量取得情報を用いて前記動き量に応じた前記移動量を出力する移動量検出方法。 - 複数の画像に存在する任意の物体のフレーム内の位置が、撮像装置が動いた動き量に応じて移動する移動量を検出する移動量検出方法を実現するプログラムであって、
コンピュータに、
第1画像及び第2画像それぞれのフレームを複数の領域に分割する個数を指定する分割個数、及び、前記動き量と、前記第1画像に対して前記第2画像が移動した領域の数を示す移動量とを対応づける移動量取得情報を記録領域に保持する処理と、
前記撮像装置が前記第1画像と前記第2画像とを撮像する間の前記動き量を測定した結果を受ける処理と、
前記移動量取得情報を用いて前記動き量に応じた前記移動量を出力する処理と、を実行させるプログラム。
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