JP5798195B2 - ホウ素フリー汎用ガラス - Google Patents

ホウ素フリー汎用ガラス Download PDF

Info

Publication number
JP5798195B2
JP5798195B2 JP2013542438A JP2013542438A JP5798195B2 JP 5798195 B2 JP5798195 B2 JP 5798195B2 JP 2013542438 A JP2013542438 A JP 2013542438A JP 2013542438 A JP2013542438 A JP 2013542438A JP 5798195 B2 JP5798195 B2 JP 5798195B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
general
purpose glass
weight
glass according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013542438A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014500848A (ja
Inventor
ブリックス,ペーター
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Schott AG
Original Assignee
Schott AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Schott AG filed Critical Schott AG
Publication of JP2014500848A publication Critical patent/JP2014500848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5798195B2 publication Critical patent/JP5798195B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/20Compositions for glass with special properties for chemical resistant glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/083Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
    • C03C3/085Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal
    • C03C3/087Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal containing calcium oxide, e.g. common sheet or container glass

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Description

本発明は、ホウ素含有原料を添加せずに溶融することのできる化学的に安定な汎用ガラス(ホウ素フリー汎用ガラス)に関する。
「汎用ガラス」という用語は、非常に良好な耐化学性及び低い熱膨張率を有し、広範な工業用途及び商業用途に好適なガラスを包含する。
既知の汎用ガラスとしては、とりわけSchott AG(Mainz,DE)製のDuran(商標)及びCorning Inc.(USA)製のPyrex(商標)が挙げられる。合成における約13重量%のBを含むホウケイ酸塩ガラスが以前から知られている。これらのガラスは、低い熱膨張率のために高い耐温度変化性(TCR:temperature change resistance)を有し、したがってガラス使用時の温度変化に安定である。
さらに、これらのガラスは、その中に含まれるガラス構成要素を殆ど溶液中に放出しないという点で「中性」である。したがって、これらは中性ガラスの群にも属し、医薬業界における、特に注射液用の一次包装材料として使用することができる。
工業用ガラスの化学的構成要素の測定及び分類は、表1のように標準化された測定法に従って行われる。
Figure 0005798195
表1:工業用ガラスの耐化学性のクラス
中性ガラスは、加水分解クラス1かつ酸クラス1かつ少なくともアルカリクラス2である。したがって、中性ガラスは本明細書中で「1−1−2ガラス」と称される。
ホウ素フリーガラスは当然ながら、理化学用ガラス、すなわち装置構築用の化学的及び熱的に安定なガラスが満たす必要があるDIN ISO 3585規格(「ホウケイ酸塩ガラス3.3−特性」)の要件を満たすことができない。これは、ここで問題となるガラスが明確にホウケイ酸塩ガラスであり、規格に規定される全体としての特性値が同様にホウケイ酸塩ガラスによってしか満たされ得ないためである。しかしながら、ホウ素フリーガラスは非常に良好な耐化学性(1−1−2ガラス)だけでなく、非常に低い熱膨張率も有し得るため、原理上は理化学用ガラスとしての使用にも好適である。
酸化ホウ素はSCHOTT Duran(商標)8412中に僅か約13%の量しか存在しないが、ホウ素原料が全原料コストの大半を生じる。酸化ナトリウムを含まないホウケイ酸塩ガラス、例えばLCDディスプレイ画面用のアルカリ金属フリーガラスの原料状況は、この場合、初めにホウ砂から工業的に得る必要がある、はるかに高価なホウ酸原料を使用する必要があるため、更に好ましくない。酸化ホウ素原料からのガラス成分Bのコストは、四ホウ酸二ナトリウム五水和物原料からのBのコストよりも約7倍高い。
EU(欧州連合)は近年、ホウ酸、三酸化二ホウ素、無水四ホウ酸二ナトリウム、四ホウ酸二ナトリウム十水和物及び四ホウ酸二ナトリウム五水和物を、生殖毒性を有するとして分類している。結果として、かかる原料を用いた生産の際に特定の境界条件を守る必要があり、特定の予防措置を講じる必要がある。
ホウ素含有原料の比較的高いコスト、好適な品質の予期し得る欠如、及びホウ素化合物の新たな毒性分類に関する現在の議論のために、ホウ素フリーガラスはホウケイ酸塩ガラスの代替として関心を呼んでいる。
基板ガラス、例えばソーラーガラス、タッチパネルガラスとしての使用については、これらの基板ガラスが大抵の生産プロセスで水溶液及び酸を用いた洗浄に供され、ガラス表面はその後いかなる変化も示してはならないため、ホウ素フリーガラスの良好な耐化学性は有利である。良好な耐化学性は良好な耐候性にも同様に有利である。
非常に良好な耐化学性とは別に、汎用ガラス又は中性ガラスは更なる要件を満たす必要がある。
このため、ガラスは従来の溶融装置内で生産することが可能である必要がある。すなわち、融液の粘度が過度に高いのはいけない。加工温度(粘度が10dPasとなる温度、VA又はT4とも称される)は、いかなる場合も1320℃という最大値を超えるべきではない。省エネルギー生産のためには、T4を可能な限り低くすべきである。
生産性の更なるパラメーターは十分な失透安定性である。すなわち、生産時に融液から結晶が形成される傾向は非常に低くすべきである。
多くの酸化ホウ素フリーガラスは、文献上では材料除去値等についての情報が与えられることなく「化学的に安定」であると記載されており、すなわち化学的安定性についての情報を表1の規格に単に適用することはできない。
一連のホウ素フリーガラスが従来技術から既知であるが、これらは本質的には現在の定義による汎用ガラスには不適当である。
特許文献1は、66〜72mol%のSiO、10〜14mol%のAl、0〜1.5mol%のB、0〜10mol%のMgO、0〜10mol%のCaO、0〜10mol%のSrO、及び0〜1mol%未満のBaOという組成を有し、20〜300℃の範囲内での熱膨張率αが4ppm/K以下、加工温度T4が1300℃超であるガラスを開示している。この加工温度T4は経済的生産には高すぎる。耐酸性も低い。
特開10−045422号公報
本発明の目的は、低い熱膨張率(好ましくはα20/300≦4・10−6/K)を有し、従来の溶融プラントにおいて生産することができる酸化ホウ素フリー中性ガラスを開示することである。
本目的は、少なくとも以下の構成要素(酸化物ベースの重量%単位):
SiO 65〜75、
Al 11〜18、
MgO 5〜10、
CaO 5〜10、
を含有する汎用ガラスであって、
不可避不純物を除いてB、SrO、BaO、CeO及びPbOが存在せず、DIN ISO 719に準拠する耐加水分解性が加水分解クラス1であり、DIN 12116に準拠する耐酸性が少なくとも酸クラス2であり、DIN ISO 695に準拠する耐アルカリ性が少なくともアルカリクラス2である、汎用ガラスによって達成される。
本特許出願において「不可避不純物(unavoidable impurities)」に言及する場合、これは、個々の場合で特定の値が指定されない限り、基本的には使用される原料の純度は、それぞれの不純物の含有量が1重量%以下、特に0.5重量%以下、又は更には0.1重量%以下のようなものであることを意味する。
酸化セリウムの場合、酸化セリウムの意図的な添加は行わない。結果として、酸化セリウムは0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下の量でしか存在しない。酸化セリウムは、その蛍光特性のために、ガラスを汎用ガラスとして使用する場合に不利益である。加えて、酸化セリウムは非常に高価な原料である。
65重量%というSiOの最小含有量は、これらのホウ素フリーガラスの場合、クラス1の耐酸性の基本的な必要条件である。75%という最大含有量を超えると、加工温度が1320℃を超える値まで上昇するため、融液は従来の溶融装置内での経済的な生産には粘度が高すぎるものとなる。
SiOの含有量は好ましくは少なくとも68重量%、より好ましくは71重量%以下である。
アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンがガラス構造により強力に結合することから、Alは失透に対する安定化をもたらし、耐化学性を増大させる。Alは、ガラス中に少なくとも11重量%の量で存在する。Alの含有量は好ましくは12重量%超、より好ましくは少なくとも12.5重量%である。
Alの最大含有量は18重量%、好ましくは17重量%、特に14重量%である。
より低い含有量では、結晶化傾向が相応に増大し得る。過度に高い含有量はガラスの耐酸性を損なう場合がある。
アルカリ金属酸化物の添加は、より高い熱膨張係数をもたらすため、比較的少量、すなわち5%未満のNaOしか使用されない。原理上は、NaOの代わりに他の2つのアルカリ金属酸化物LiO及びKOを使用することも可能であるが、コストの理由からNaOが好ましい。KO含有融液はタンクのレンガの腐食を増大させることも多い。加えて、天然のカリウム含有原料は全て放射性同位体40Kを含有するが、これは一部の電気的用途には望ましくない。
低膨張ガラスの場合、アルカリ金属酸化物の添加を完全に省くことが好ましい。本発明において、アルカリ金属フリーとは、ガラスがアルカリ金属酸化物を、原料又はるつぼ材料によって導入される不可避な微量でしか含有しないことを意味する。これらの不可避不純物の含有量は、完成したガラス中で概して1重量%未満、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.05重量%以下、又は0.01重量%以下である。
融液の粘度を低下させるために、ガラスは2つのアルカリ土類金属酸化物MgO及びCaOをフラックスとして含有する。MgOは、T4を低下させる上でCaOよりもはるかに効果的である。実際には、重量ベースでのCaO対MgO比が1.4〜1.8の範囲内(又は濃度をmol%で表した場合、1.0〜1.6の範囲内)であるのが有利であり得る。この比率で、高価なMgCO原料又は更にはより高価なMg原料を付加的に使用する必要なしに、安価な原料であるドロマイト及び石灰を使用することも可能である。残念なことに、T4値が1320℃未満の低膨張ガラスは言及した比率では可能ではない。
MgO及びCaOの総含有量は好ましくは少なくとも14重量%、より好ましくは18重量%以下である。
さらに、MgO及びCaOの含有量は好ましくはそれぞれ7〜10重量%、より好ましくは7〜9重量%である
アルカリ土類金属酸化物SrO及びBaOの添加は、これらの成分が毒性の点で問題がないわけではないため行われず、特に医薬品一次包装材としての用途において、一部の特定の活性化合物、通常は硫黄含有活性化合物の溶液と接触すると濁った沈殿物が生じる可能性がある。ガラスの密度も重いアルカリ土類金属酸化物の使用によって増大し得るが、構成部品(components)の重量の低下をもたらす低いガラス密度は、ユーザーの利益にかなっている。酸化鉛PbOの使用は、毒性の理由から避けられる。
酸化亜鉛ZnOはここで、アルカリ土類金属酸化物と同様にフラックスとして作用し、ガラス中に最大10重量%の量で存在することができる。この成分の使用の欠点は、蒸発し、その後蒸発生成物が凝縮する傾向であり、これにより特にフロートガラスプロセスの場合に、ガラス物品の表面に望ましくない欠陥が生じ得る。この理由から、酸化亜鉛は不可避不純物を除いてガラス中に存在しないことが好ましい。
酸化チタンTiOは、ガラスの耐加水分解性を改善することができ、常に紫外線の吸収を増大させる。しかしながら、TiOは混合費の増加ももたらし、一部の用途においてはガラス成分として望ましくない。加えて、褐変がしばしば観察され、一部の用途を妨げている。この着色は、より多くの酸化鉄が原料又は破砕ガラスの再利用によってガラス中に導入されるほど一層顕著となる。
したがって、ガラスは不可避不純物を除いて酸化チタンを含まず、酸化鉄も含まない。
酸化ジルコニウムはガラスの耐アルカリ性を大幅に増大させるが、このことは大抵の用途に特に適しているというわけではない。酸化ジルコニウムは、最大10重量%の量で存在することができる。
しかしながら、酸化ジルコニウムは、その使用が混合コストを増加させ、特に低アルカリ金属組成の場合に混合物の融解挙動を損ない、融液の粘度を増大させるため、使用しないことが好ましく、一部の用途では重金属として望ましくない。したがって、ガラスは不可避不純物を除いて酸化ジルコニウムを含有しないことが好ましい。
ガラスは、従来の清澄剤を最大2重量%、好ましくは最大1.5重量%、より好ましくは最大1重量%、又は更には多くとも0.5重量%までの常用量で含有することができる。
このため、合計で最大1.5重量%のAs、Sb、SnO、MnO、Fe、Cl(例えばNaCl又はZnCl)、F(例えばCaF又はMgF)、及び/又は硫酸塩(例えばNaSO又はZnSO)が存在していてもよく、CeOは多くとも0.1重量%という最大限度までの量でしか存在しない。フッ化物の添加は融液の粘度を低下させ、清澄を加速する。環境保全の理由から、As又はSbの添加は可能であれば省略されるものとする。
良好なガラス品質は、実験室規模では清澄剤を添加しなくとも得ることができるが、清澄剤の添加は、工業生産における気泡品質の改善に必要であることが分かっている。酸化ナトリウムを含有する変型の場合、NaOの一部は清澄剤である塩化ナトリウム(NaCl)によって導入され得る。しかしながら、耐酸性が塩化物の添加によって損なわれる場合がある。中性ガラスにおける塩化物の使用は、再加熱時の塩化物の蒸発及びその後のガラス物品への凝縮が起こる場合があることから問題となり得る。この現象は、例えばランプ製造前に管の長さを切り揃える際の「ランプリング(lamp rings)」という用語で知られている。塩化物の添加は可能な限り少量に抑えるべきである。既知の代替的な清澄法、例えば硫酸塩清澄又は高温ブースティングを用いることも可能である。
揮発性フッ化物は塩化物と同様、溶融及び熱間加工時に蒸発及び凝縮の現象を示す。このことは、状況によっては使用される成形材料の寿命をより短くし得る。水溶液又は他の溶液がガラスに作用する場合、フッ化物が同様にガラスから液体中へと移動し、そこで構成要素との望ましくない反応を引き起こす可能性がある。したがって、フッ化物の割合は可能な限り少量に抑えるべきであり、1.5%という上限値を超えないものとする。
実施例及び比較例
LASガラスセラミック群の多数の例を、セラミゼーションの前後にそれらの耐酸性に関してDIN 12116に準拠して試験したが、いずれの場合も酸クラス1に達しなかった。
さらに、多数のアルミノシリケートガラスを溶融し、それらの特性を測定した。
ガラスセラミックの出発ガラス(「グリーンガラス」)として使用した酸化ホウ素フリーアルミノシリケートガラスは、概して良好な耐加水分解性を有するが、耐酸性は満足のいくものではない。例えば、組成C1(Salama S.N., Salman S.M. and Gharib S., J. Non-Cryst. Solids, 1987, vol. 93, No. 1, p. 203)及び組成C2(Zdaniewski W., J. Am. Ceram. Soc., 1975, vol. 58, No. 5-6, p. 163)を参照されたい。C3及びC4(米国特許第5,508,237号からの例)は、フラットスクリーン用のホウ素フリー基板ガラスである。
Figure 0005798195
表2:従来技術による比較例(濃度は酸化物ベースの重量%で表す)
指定の組成(重量%単位)を有するガラスを、1650℃に誘導加熱したPt/Rhるつぼ(Pt20Rh)内で従来の原料を溶融することによって作製した。このガラスは、これらの貴金属の僅かな含有量のために赤褐色である場合もあるが、通常はここで測定される特性に影響を与えない。貴金属に起因する着色を回避するために、フューズドシリカ製の内張りるつぼを使用することも可能である。溶融時間は3〜4時間とした。続いて、融液を1600℃で1時間撹拌することによって均質化した後、存在する気泡を全て表面に浮上させるために、この温度で撹拌せずに2時間静置した。融液を30K/時間という規定の冷却速度で冷却した。
C1及びC2は水による攻撃に非常に安定であるが、酸クラス1の対象(0.7mg/dmまでの重量損失)とは懸け離れている。C3の融液は非常に粘稠であり、したがって好適なガラスブロックを成型することは可能ではなかった。C4は実際には酸化ホウ素フリー1−1−2ガラスであるが、加工温度T4は1320℃超であり、したがって工業用の溶融装置内での経済的生産には高すぎる。加えて、SrO及びBaOの高い含有量は、硫黄含有薬剤(スルホン、硫酸塩等)と接触した場合の沈殿物のリスクがあることから、概して望ましくない。成分SrO及びBaOは、かかる懸念があるために全く存在しないことが好ましい。
一連の比較例(C5〜C10)を上述の方法で溶融した。酸化物ベースの重量パーセントでのそれぞれの組成、20℃〜300℃の範囲内での熱膨張係数α20/300[10−6−1]、ガラス転移温度Tg[℃]、冷却温度上限T13[℃]、軟化温度T7.6[℃]、DIN 52312に準拠する加工温度T4[℃]、耐加水分解性H(μg(NaO)/g(粉末ガラス)としての酸消費に相当する塩基)、酸攻撃後の材料除去値Ac[mg/dm]及びアルカリ攻撃後の材料除去値Al[mg/dm]、更には弾性係数(E係数)[GPa]を下記表3に挙げる。
加水分解に安定なガラスを、比較的大きな割合の成分TiO及びZrOを使用して、特に成分TiOが比較的大きな割合で存在する場合に作製することができることが明らかである。耐アルカリ性がクラス1のガラスも、特に成分ZrOが比較的大きな割合で存在する場合に得ることができる。しかしながら、これらの成分を含有するガラスは、それらが個々に存在するか、又は一緒に存在するかにかかわらず、好ましい酸クラス1に達することはない。
Figure 0005798195
表3:ホウ素フリーアルミノシリケートガラス(比較例)、濃度は酸化物ベースの重量%で表す
Figure 0005798195
表4:ホウ素フリーアルミノシリケートガラス(比較例及び本発明のガラス)、濃度は酸化物ベースの重量%で表す
TiO及び場合によってはZrOを添加せず、場合によってはより高いSiO含有量を有する更なるガラスについて表4にまとめる。表は、本発明によるガラスE1〜E3及び比較例C11〜C13を含む。本発明によるガラスは、酸化ジルコニウム及び酸化チタンを含まず、E3を除いてアルカリ金属酸化物も含まない。本発明によるガラスは耐加水分解性がクラス1であり、耐酸性がクラス2であり、耐アルカリ性がクラス2(E3はクラス1)である。しかしながら、加工温度は依然として非常に高い場合がある。
Figure 0005798195
表5:ホウ素フリーアルミノシリケートガラス(比較例及び本発明のガラス)、濃度は酸化物ベースの重量%で表す
最後に、比較例C14〜C17による更なるガラス並びに本発明によるガラスE4及びE5について表5に示す。本発明によるガラスの場合、加工温度T4は1300℃未満である。
ガラスE4は依然として酸クラス2であるが、ガラスE5は、クラス1−1−1という優れた耐化学性を有する特に好ましいガラスである。ガラスE5はアルカリ金属フリーでもある。同様に、熱膨張率は3.82・10−6/Kであり、したがって4・10−6/K未満である。さらに、酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化亜鉛は存在しない。最後に、高価な又は環境を破壊する原料は使用されない。
ガラスE5は低膨張汎用ガラスについての上述の要件を全て満たす。ストリーク(streaking)品質及び気泡品質は非常に良好であった。
ガラスC14及びC15は成型後に強い濁りを示し、したがって、これらに対する更なる測定は行わなかった。濁りの原因は、12%という過度に高いMgO含有量による融液の冷却時の相分離である。
失透安定性を評価するために、l5のガラスサンプルを、1500℃で30分間溶融し、勾配型加熱装置(gradient furnace)内で5時間熱処理した。規定の失透は、1150〜1423℃の温度範囲で観察することができなかった。中性ガラスの特性も満たす、このホウ素フリー汎用ガラスの失透安定性は、したがって非常に良好であるとみなすことができる。
高価な原料であるホウ砂、ホウ酸及び炭酸マグネシウムを省くことによって、好ましいガラスl5の混合コストは、既知の汎用ガラスの混合コストを大幅に下回る。

Claims (21)

  1. 少なくとも以下の構成要素(酸化物ベースの重量%単位):
    SiO 65〜75、
    Al 11〜18、
    MgO 5〜10、
    CaO 5〜10、
    を含有する汎用ガラスであって、
    不可避不純物を除いてB、SrO、BaO、CeO及びPbOが存在せず、DIN ISO 719に準拠する耐加水分解性が加水分解クラス1であり、DIN 12116に準拠する耐酸性が少なくとも酸クラス2であり、DIN ISO 695に準拠する耐アルカリ性が少なくともアルカリクラス2である、汎用ガラス。
  2. 不可避不純物を除いてZnOを含まない、請求項1に記載の汎用ガラス。
  3. 不可避不純物を除いてTiOを含まない、請求項1又は2に記載の汎用ガラス。
  4. 不可避不純物を除いてFeを含まない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  5. 不可避不純物を除いてアルカリ金属酸化物を含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  6. SiOの含有量が少なくとも68重量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  7. Alの含有量が少なくとも11重量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  8. Alの含有量が17.5重量%以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  9. MgO及びCaOの総含有量が少なくとも14重量%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  10. MgO及びCaOの総含有量が18重量%以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  11. MgOの含有量が7〜10重量%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  12. CaOの含有量が7〜10重量%である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  13. 0〜10重量%のZrOを含有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  14. 不可避不純物を除いてZrO を含まない、請求項13に記載の汎用ガラス。
  15. 清澄剤を最大2重量%の常用量で含有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  16. As、Sb、SnO、Cl、F、SO 2−からなる群から選択される少なくとも1つの清澄剤を含有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  17. DIN ISO 719に準拠する耐加水分解性が加水分解クラス1であり、DIN 12116に準拠する耐酸性が酸クラス1である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  18. DIN ISO 695に準拠する耐アルカリ性がアルカリクラス1である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  19. ラス融液の粘度が10dPasとなる加工温度T4が1400℃以下である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  20. 熱膨張率が4・10−6−1以下である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の汎用ガラス。
  21. 医薬品一次包装材
    験室用途及び化学プラント建設のための装置用ガラス、
    基板、上板又はカバー、TFT、PDP、OLEDのディスプレイ画面用、太陽電池用の基板、上板又はカバー、

    ンプ、ハロゲンランプ若しくは蛍光灯用、又は太陽熱利用用の管、
    リフレクター
    築用ガラス、
    ベーキングオーブン、冷蔵庫又は料理用レンジの部品、
    としての請求項1〜20のいずれか一項に記載の汎用ガラスの使用。
JP2013542438A 2010-12-08 2011-11-14 ホウ素フリー汎用ガラス Active JP5798195B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102010054967.3 2010-12-08
DE201010054967 DE102010054967B4 (de) 2010-12-08 2010-12-08 Borfreies Universalglas und dessen Verwendung
PCT/EP2011/070004 WO2012076289A2 (de) 2010-12-08 2011-11-14 Borfreies universalglas

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014500848A JP2014500848A (ja) 2014-01-16
JP5798195B2 true JP5798195B2 (ja) 2015-10-21

Family

ID=45033942

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013542438A Active JP5798195B2 (ja) 2010-12-08 2011-11-14 ホウ素フリー汎用ガラス

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9096461B2 (ja)
EP (1) EP2649019B1 (ja)
JP (1) JP5798195B2 (ja)
CN (1) CN103249688B (ja)
DE (1) DE102010054967B4 (ja)
WO (1) WO2012076289A2 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2966451C (en) 2011-10-25 2020-06-02 Corning Incorporated Glass compositions with improved chemical and mechanical durability
EP2771293B1 (en) 2011-10-25 2019-01-16 Corning Incorporated Alkaline earth alumino-silicate glass compositions with improved chemical and mechanical durability
FR2988465B1 (fr) * 2012-03-20 2014-03-14 Eurokera Porte de four
EP2858959B1 (en) 2012-06-07 2021-07-14 Corning Incorporated Delamination resistant glass containers
US10273048B2 (en) 2012-06-07 2019-04-30 Corning Incorporated Delamination resistant glass containers with heat-tolerant coatings
US9034442B2 (en) 2012-11-30 2015-05-19 Corning Incorporated Strengthened borosilicate glass containers with improved damage tolerance
JP6075600B2 (ja) * 2012-07-11 2017-02-08 日本電気硝子株式会社 医薬品容器用ガラス及びこれを用いたガラス管
US10117806B2 (en) 2012-11-30 2018-11-06 Corning Incorporated Strengthened glass containers resistant to delamination and damage
CA2959666C (en) 2014-09-05 2021-03-16 Corning Incorporated Glass articles and methods for improving the reliability of glass articles
EP3206998B1 (en) 2014-11-26 2021-09-08 Corning Incorporated Methods for producing strengthened and durable glass containers
CN106160802B (zh) * 2015-03-25 2021-09-07 索尼公司 无线通信设备、无线通信方法、计算机可读存储介质
DE102015116097B4 (de) * 2015-09-23 2017-09-21 Schott Ag Chemisch beständiges Glas und dessen Verwendung
JP6729596B2 (ja) * 2015-10-02 2020-07-22 Agc株式会社 ガラス基板、積層基板、および積層体
CN109641782B (zh) * 2016-08-23 2022-10-28 Agc株式会社 无碱玻璃
US11153594B2 (en) * 2016-08-29 2021-10-19 Apple Inc. Multidimensional quantization techniques for video coding/decoding systems
CN106495494A (zh) * 2016-10-20 2017-03-15 广西大学 一种手机屏幕及其制备方法
CN107044735A (zh) * 2016-12-14 2017-08-15 池州市小康人家科技有限公司 一种太阳能热水器用真空集热管
DE102018133413A1 (de) * 2018-12-21 2020-06-25 Schott Ag Chemisch beständige, Bor- und Alkali-freie Gläser
CN112250306B (zh) * 2020-10-22 2022-07-19 淄博宝特化工科技有限公司 一种高温高压耐酸碱瓷釉及其制备方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3540893A (en) * 1964-11-09 1970-11-17 Owens Illinois Inc Glass yielding glass ceramic of moderately low expansion,and method
LU48911A1 (ja) * 1965-06-25 1966-12-28
FR2648805B1 (fr) * 1989-06-21 1992-11-13 Ceramiques Composites Materiaux composites a matrice vitreuse renforcee et leur procede de preparation
US5508237A (en) * 1994-03-14 1996-04-16 Corning Incorporated Flat panel display
JP3804112B2 (ja) * 1996-07-29 2006-08-02 旭硝子株式会社 無アルカリガラス、無アルカリガラスの製造方法およびフラットディスプレイパネル
US6313052B1 (en) * 1998-02-27 2001-11-06 Asahi Glass Company Ltd. Glass for a substrate
JPH11240735A (ja) * 1998-02-27 1999-09-07 Asahi Glass Co Ltd 基板として用いるためのガラス組成物
JP4320823B2 (ja) * 1998-02-27 2009-08-26 旭硝子株式会社 基板用ガラス組成物
DE19906240A1 (de) * 1999-02-15 2000-08-17 Schott Glas Hochzirkoniumoxidhaltiges Glas und dessen Verwendungen
DE50003541D1 (de) * 2000-07-04 2003-10-09 Schott Glas Transluzente Glaskeramik, Verfahren zur Herstellung einer transluzenten Glaskeramik sowie deren Verwendung
JP2002053341A (ja) * 2000-08-10 2002-02-19 Nippon Electric Glass Co Ltd 無機elディスプレイガラス基板
DE102004022629B9 (de) * 2004-05-07 2008-09-04 Schott Ag Gefloatetes Lithium-Aluminosilikat-Flachglas mit hoher Temperaturbeständigkeit, das chemisch und thermisch vorspannbar ist und dessen Verwendung
US7189671B1 (en) * 2005-10-27 2007-03-13 Glass Incorporated Glass compositions
KR101282952B1 (ko) * 2006-01-12 2013-07-08 니폰 덴키 가라스 가부시키가이샤 무 알칼리 유리기판
JP5467490B2 (ja) * 2007-08-03 2014-04-09 日本電気硝子株式会社 強化ガラス基板の製造方法及び強化ガラス基板
JP5233998B2 (ja) * 2007-08-31 2013-07-10 旭硝子株式会社 ガラス板およびその製造方法ならびにtftパネルの製造方法
CN101622205B (zh) * 2008-01-28 2012-09-26 旭硝子株式会社 数据存储介质基板用玻璃、数据存储介质用玻璃基板及磁盘
DE102009051852B4 (de) * 2009-10-28 2013-03-21 Schott Ag Borfreies Glas und dessen Verwendung
WO2011158841A1 (ja) * 2010-06-18 2011-12-22 旭硝子株式会社 Cigs型の太陽電池およびそのための電極付きガラス基板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014500848A (ja) 2014-01-16
WO2012076289A2 (de) 2012-06-14
EP2649019B1 (de) 2016-04-13
US9096461B2 (en) 2015-08-04
DE102010054967A1 (de) 2012-07-05
WO2012076289A3 (de) 2012-10-11
CN103249688B (zh) 2016-11-23
DE102010054967B4 (de) 2014-08-28
US20140005027A1 (en) 2014-01-02
CN103249688A (zh) 2013-08-14
EP2649019A2 (de) 2013-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5798195B2 (ja) ホウ素フリー汎用ガラス
KR101343767B1 (ko) 붕소 무함유 유리
JP6877113B2 (ja) 化学的に安定なガラス及びその使用
JP5977841B2 (ja) ガラス組成物、化学強化用ガラス組成物、強化ガラス物品、およびディスプレイ用カバーガラス
JP6130503B2 (ja) 3D成形のためのイオン交換可能なLi含有ガラス組成物
JP4454266B2 (ja) ホウケイ酸ガラスおよびその使用
TWI377181B (ja)
JP5764084B2 (ja) ガラス組成物、化学強化用ガラス組成物、強化ガラス物品、ディスプレイ用のカバーガラスおよび強化ガラス物品の製造方法
JPWO2015162845A1 (ja) ガラス組成物、化学強化用ガラス板、強化ガラス板およびディスプレイ用強化ガラス基板
KR20130025379A (ko) 고 탄성 계수를 지닌 리튬 알루미노실리케이트 유리 및 이의 제조 방법
PL201403B1 (pl) Sposób wytwarzania szkieł borokrzemianowych
TW201829335A (zh) 混成式鹼石灰矽酸鹽及鋁矽酸鹽玻璃物件
JP5964370B2 (ja) 表面損傷に対して優れた耐性を有するガラスおよびその製造方法
KR20170038799A (ko) 고투과 유리
JP2008308376A (ja) ディスプレイ装置用基板ガラス
JP5092564B2 (ja) ディスプレイ装置用基板ガラス
EP0683758B1 (en) Unleaded transparent vitreous glass composition and articles
JP2012106897A (ja) 化学強化用ガラス組成物
TWI609849B (zh) 觸控保護玻璃之組成
CN117550799A (zh) 一种玻璃用组合物、无碱铝硅酸盐玻璃及其制备方法和应用
JPH0672030B2 (ja) 無アルカリガラス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5798195

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250