JP5791488B2 - 熱伝導性シート用樹脂組成物、熱伝導性シート及びパワーモジュール - Google Patents

熱伝導性シート用樹脂組成物、熱伝導性シート及びパワーモジュール Download PDF

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Description

本発明は、熱伝導性シート用樹脂組成物、熱伝導性シート及びパワーモジュールに関し、特に、パワーモジュール等の電気・電子機器の発熱部材から放熱部材へ熱を伝達させる熱伝導性シートの製造に用いられる熱伝導性シート用樹脂組成物、並びにこの熱伝導性シート用樹脂組成物を用いて製造される熱伝導性シート及びパワーモジュールに関する。
電気・電子機器の発熱部から生じた熱を放熱部材に伝達させる部材には、熱伝導性及び電気絶縁性に優れていることが要求される。このような要求を満たす部材として、無機充填材を熱硬化性樹脂の硬化物中に分散させた熱伝導性シートが広く用いられている。この熱伝導性シートに用いられる無機充填材としては様々なものが知られているが、その中でも六方晶窒化ホウ素(h−BN)は、熱伝導性及び電気絶縁性に加えて化学的安定性にも優れており、しかも無毒性且つ比較的安価でもあるため、熱伝導性シートに用いるのに最適である。
六方晶窒化ホウ素は、黒鉛と同様の分子構造を有している。また、一般に市販されている六方晶窒化ホウ素は、図4に示すように鱗片状の結晶構造を有しているため、鱗片状窒化ホウ素とも称される。図4において、矢印の方向は熱伝導の方向、矢印の太さは熱伝導の大きさを表す。この鱗片状窒化ホウ素は、長径方向(結晶方向)の熱伝導率が高く、短径方向(層方向)の熱伝導率が低いという熱的異方性を有しており、結晶のa軸方向(面方向)の熱伝導率は、c軸方向(厚み方向)の数倍から数十倍と言われている。そのため、熱硬化性樹脂の硬化物中に分散させる鱗片状窒化ホウ素をシート内で直立させた状態、すなわち、鱗片状窒化ホウ素の長径方向をシート厚み方向と平行に配向させることにより、シート厚み方向の熱伝導性を飛躍的に向上させた熱伝導性シートの開発が行われている。
一般に、熱伝導性シートは、鱗片状窒化ホウ素及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物をプレス成形法、射出成形法、押出成形法、カレンダー成形法、ロール成形法、ドクターブレード成形法などの公知の成形方法によってシート状に成形した後、硬化させることによって製造される。しかしながら、このような方法では、シート状に成形する際の圧力や流動によって、鱗片状窒化ホウ素がシート内で倒れた状態、すなわち、図5に示すように、熱硬化性樹脂の硬化物4中で鱗片状窒化ホウ素2の長径方向がシート面方向と平行に配向され易い。このような熱伝導性シートは、シート面方向の熱伝導性に優れているため、シート厚み方向が熱伝導経路となる使用形態においては熱伝導性が十分でない。
そこで、シート厚み方向の熱伝導性を高めるために様々な方法が提案されている。例えば、鱗片状窒化ホウ素を凝集させた二次粒子を作製し、この二次粒子を含む樹脂組成物を用いて熱伝導性シートを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。このような二次粒子を用いることにより、鱗片状窒化ホウ素が熱伝導性シート内で倒れた状態になることを抑制することができる。
特許第3654743号公報 国際公開第2009/041300号公報
鱗片状窒化ホウ素を凝集させた二次粒子を用いる従来の熱伝導性シートは、鱗片状窒化ホウ素の配向を制御することにより、シート厚み方向の熱伝導性を向上させているが、その効果は十分でない。特に、パワーモジュールでは、近年、大容量化及び小型化に伴って発熱量が増大しており、放熱性を改善する観点から、熱伝導性シートの厚み方向の熱伝導性を向上させることが依然として求められている。
他方、鱗片状窒化ホウ素を凝集させた二次粒子の代わりに、球状の窒化アルミニウム(AlN)を配合する方法もあるが、窒化アルミニウムの比誘電率(約9)は、窒化ホウ素の比誘電率(約4)に比べて高く、熱硬化性樹脂の比誘電率(約4)と大きく異なるため、電気絶縁性が大幅に低下してしまう。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、シート厚み方向の熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性シートを与える熱伝導性シート用樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、シート厚み方向の熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性シートを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、放熱性及び電気絶縁性に優れたパワーモジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意研究した結果、鱗片状窒化ホウ素を凝集させた二次粒子の結晶化度が、二次粒子の凝集力及び熱伝導性と密接に関係しているという知見に基づき、所定の範囲の結晶化度を有する二次粒子を用いることで、鱗片状窒化ホウ素の配向を制御するだけでなく、二次粒子それ自体の熱伝導性も向上させ得ることを見出した。
すなわち、本発明は、エポキシ樹脂と充填材とを含む熱伝導性シート用樹脂組成物であって、前記充填材が、鱗片状窒化ホウ素の二次粒子のみからなり、前記二次粒子が、3以上7以下の結晶化度を有する二次粒子を60質量%以上含むことを特徴とする熱伝導性シート用樹脂組成物である。
また、本発明は、エポキシ樹脂の硬化物中に充填材を含む熱伝導性シートであって、前記充填材が、鱗片状窒化ホウ素の二次粒子のみからなり、前記二次粒子が、3以上7以下の結晶化度を有する二次粒子を60質量%以上含むことを特徴とする熱伝導性シートである。
さらに、本発明は、一方の放熱部材に搭載された電力半導体素子と、前記電力半導体素子で発生する熱を外部に放熱する他方の放熱部材と、前記電力半導体素子で発生する熱を前記一方の放熱部材から前記他方の放熱部材に伝達する、前記熱伝導性シートとを備えることを特徴とするパワーモジュールである。
本発明によれば、シート厚み方向の熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性シートを与える熱伝導性シート用樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、シート厚み方向の熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性シートを提供することができる。さらに、本発明によれば、放熱性及び電気絶縁性に優れたパワーモジュールを提供することができる。
実施の形態2における熱伝導性シートの断面図である。 実施の形態3におけるパワーモジュールの断面図である。 実施例1〜5及び比較例1〜4における二次粒子の結晶化度とシート厚み方向の熱伝導率との関係を表すグラフである。 鱗片状窒化ホウ素の結晶構造を示す図である。 鱗片状窒化ホウ素を含む従来の熱伝導性シートの断面図である。 二次粒子を含む従来の熱伝導性シートの断面図である。
実施の形態1.
本実施の形態の熱伝導性シート用樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と略す。)は、熱硬化性樹脂と鱗片状窒化ホウ素の二次粒子とを含む。ここで、本明細書において「鱗片状窒化ホウ素の二次粒子」とは、鱗片状窒化ホウ素(以下、「一次粒子」と言うこともある。)を等方的に凝集させ、焼結することによって鱗片状窒化ホウ素同士を結着させたものを意味する。
二次粒子は、熱伝導性シートの製造の際に崩壊して一次粒子がシート内で倒れた状態になることを抑制するため、凝集力が大きいことが望ましい。また、熱伝導性シートの厚み方向の熱伝導性を向上させるため、二次粒子それ自体の熱伝導率が高いことも望ましい。
本発明者らは、二次粒子の凝集力及び熱伝導性について詳細な研究を行った結果、二次粒子の凝集力及び熱伝導性が、二次粒子の結晶化度と密接に関係していることを見出した。このような知見に基づき、本実施の形態の樹脂組成物では、二次粒子の凝集力及び熱伝導性の両方を高めるため、二次粒子の結晶化度を3以上7以下に規定する必要がある。二次粒子の結晶化度が3未満であると、一次粒子同士の結合力が弱くなり、二次粒子の凝集力が低下する。その結果、熱伝導性シートの製造の際に二次粒子が崩壊し、一次粒子がシート内で倒れた状態になり易くなる。一方、二次粒子の結晶化度が7を超えると、鱗片状窒化ホウ素のフォノンによって熱の伝導が阻害されるため、二次粒子の熱伝導率が低下する。その結果、熱伝導性シートの厚み方向の熱伝導性が十分に向上しない。
また、二次粒子は、全てが3以上7以下の結晶化度を有していてもよいが、全ての二次粒子のうちの60質量%以上が3以上7以下の結晶化度を有していれば、熱伝導性シートを製造した場合にシート厚み方向の熱伝導性の向上効果が十分に得られる。3以上7以下の結晶化度を有する二次粒子が60質量%未満であると、シート厚み方向の熱伝導性の向上効果が十分に得られない。
ここで、二次粒子の結晶化度は、二次粒子のX線回折パターンを測定することによって求めることができる。具体的には、X線回折における(100)面、(101)面及び(102)面の各回折ピーク面積を求め、下記の(式1)に代入することによって算出することができる。
結晶化度=[(100)+(101)]/(102) (式1)
上記の式1において、(100)、(101)及び(102)は、各面の回折ピーク面積を表す。一般に、二次粒子の結晶化度は、結晶性が低くなると大きな値となり、結晶性が高くなると小さな値となる。完全な結晶性では、二次粒子の結晶化度は1.6程度の値となる。
二次粒子の結晶化度の算出は、数点(好ましくは10点)のサンプリングを行い、各サンプルから得られた結晶化度の平均値を求めることが好ましい。
樹脂組成物中の二次粒子の結晶化度を算出する場合、原料の二次粒子をサンプルとして用いればよい。また、熱伝導性シート中の二次粒子の結晶化度を算出する場合、熱伝導性シートを、電気炉を用い、空気雰囲気中、500℃〜800℃の温度で5〜10時間程度熱処理して灰化することによって得られた二次粒子をサンプルとして用いればよい。
二次粒子を構成する鱗片状窒化ホウ素(一次粒子)の平均長径は、好ましくは15μm以下、より好ましくは0.1μm以上10μm以下である。ここで、樹脂組成物中の二次粒子を構成する鱗片状窒化ホウ素の平均長径を測定する場合、原料の二次粒子をサンプルとし、電子顕微鏡で数千倍に拡大した写真を数枚撮影した後、鱗片状窒化ホウ素の長径を実際に測定し、その測定値を平均することによって求めることができる。また、熱伝導性シート中の二次粒子を構成する鱗片状窒化ホウ素の平均長径を測定する場合、熱伝導性シートの断面を研磨して電子顕微鏡で数千倍に拡大した写真を数枚撮影した後、鱗片状窒化ホウ素の長径を実際に測定し、その測定値を平均することによって求めることができる。上記のような範囲の平均長径であれば、鱗片状窒化ホウ素があらゆる方向を向いて凝集するため、等方的な熱伝導性を有する二次粒子となる。一方、鱗片状窒化ホウ素の平均長径が15μmよりも大きいと、鱗片状窒化ホウ素が等方的に凝集しないため、二次粒子の熱伝導性に異方性が現れることがある(すなわち、特定方向の熱伝導性だけが高くなることがある)。その結果、シート厚み方向の熱伝導性を十分に向上させることができない場合がある。
二次粒子の形状は、特に限定されないが、球状であることが好ましい。二次粒子が球状であれば、二次粒子の配合量を多くしても樹脂組成物の流動性を確保することができる。
二次粒子の平均粒径は、好ましくは20μm以上180μm以下、より好ましくは40μm以上130μm以下である。ここで、樹脂組成物中の二次粒子の平均粒径を測定する場合、原料の二次粒子をサンプルとし、このサンプルについてレーザー回折・散乱法による粒度分布測定を行うによって求めることができる。また、熱伝導性シート中の二次粒子の平均粒径を測定する場合、熱伝導性シートを、電気炉を用いて500℃〜800℃の温度で空気雰囲気中にて5〜10時間程度熱処理して灰化することによって得た二次粒子をサンプルとし、このサンプルについてレーザー回折・散乱法による粒度分布測定を行うによって求めることができる。二次粒子の平均粒径が20μm未満であると、所望の熱伝導性を有する熱伝導性シートが得られないことがある。一方、二次粒子の平均粒径が180μmを超えると、二次粒子を樹脂組成物中に混合分散させることが困難となり、作業性や成形性に支障を生じることがある。
また、製造する熱伝導性シートの厚さに対する二次粒子の最大粒径が大きすぎる場合、界面を伝って電気絶縁性が低下するおそれがある。そのため、二次粒子の最大粒径は、製造する熱伝導性シートの厚さの約9割以下であることが好ましい。
二次粒子は、鱗片状窒化ホウ素を含むスラリーをスプレードライ法等の公知の方法によって凝集させた後、焼結することによって製造することができる。ここで、焼結温度は、特に限定されることはないが、一般に約2,000℃である。また、この方法における条件は、使用する原料等の種類によって異なるため、一義的に定義することが難しい。そのため、使用する原料等に応じて、二次粒子が上記特性を有するように適宜調整する必要がある。
二次粒子の含有量は、樹脂組成物の固形分(熱伝導性シート)中で20体積%以上80体積%以下となることが好ましい。特に、樹脂組成物の固形分中の二次粒子の含有量が30体積%以上65体積%以下の場合には、二次粒子を樹脂組成物中に混合分散させ易く、作業性や成形性が良好であると共に、熱伝導性シートの熱伝導性がより一層向上する。二次粒子の含有量が20体積%未満であると、所望の熱伝導性を有する熱伝導性シートが得られないことがある。一方、二次粒子の含有量が80体積%を超えると、二次粒子を樹脂組成物中に混合分散させることが困難となり、作業性や成形性に支障を生じることがある。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂は、耐熱性や接着性等の特性に優れているので好ましい。エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環脂肪族エポキシ樹脂、及びグリシジル−アミノフェノール系エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、硬化剤の例としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸及び無水ハイミック酸等の脂環式酸無水物;ドデセニル無水コハク酸等の脂肪族酸無水物;無水フタル酸及び無水トリメリット酸等の芳香族酸無水物;ジシアンジアミド及びアジピン酸ジヒドラジド等の有機ジヒドラジド;トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;ジメチルベンジルアミン;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン及びその誘導体;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化剤の配合量は、使用する熱硬化性樹脂や硬化剤の種類等に応じて適宜設定する必要があるが、一般的に100質量部の熱硬化性樹脂に対して0.1質量部以上200質量部以下である。
本実施の形態の樹脂組成物は、二次粒子と熱硬化性樹脂の硬化物との界面の接着力を向上させる観点から、カップリング剤を含むことができる。カップリング剤の例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのカップリング剤は、単独又は組み合わせて用いることができる。
カップリング剤の配合量は、使用する熱硬化性樹脂やカップリング剤の種類等に応じて適宜設定する必要があるが、一般的に100質量部の熱硬化性樹脂に対して0.01質量部以上1質量部以下である。
本実施の形態の樹脂組成物は、熱伝導性や電気絶縁性の向上や、熱伝導性と電気絶縁性とのバランスの改善を目的として、上記の二次粒子とは異なる様々な充填材を含むことができる。充填材の例としては、溶融シリカ(SiO)、結晶シリカ(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)等が挙げられる。これらは、単独又は組み合わせて用いることができる。
上記の充填材の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されず、使用する充填材の種類に応じて適宜設定すればよい。
本実施の形態の樹脂組成物は、当該組成物の粘度を調整する観点から、溶剤を含むことができる。溶剤としては特に限定されず、使用する熱硬化性樹脂の種類や各成分の配合量等に応じて適宜選択すればよい。かかる溶剤としては、例えば、トルエンやメチルエチルケトン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶剤の配合量は、混練が可能な量であれば特に限定されないが、一般的に、熱硬化性樹脂、二次粒子及び任意の充填材の合計100質量部に対して40質量部以上85質量部以下である。
上記のような構成成分を含有する本実施の形態の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法に従って行うことができる。例えば、樹脂組成物は、以下のようにして製造することができる。
まず、所定量の熱硬化性樹脂と、この熱硬化性樹脂を硬化させるために必要な量の硬化剤とを混合する。次に、この混合物に溶剤を加えた後、二次粒子及び任意の充填材を加えて予備混合する。なお、樹脂組成物の粘度が低い場合には、溶剤を加えなくてもよい。次に、この予備混合物を3本ロールやニーダなどを用いて混練することによって樹脂組成物を得ることができる。なお、樹脂組成物にカップリング剤を配合する場合、カップリング剤は混練工程前までに加えればよい。
上記のようにして製造される本実施の形態の樹脂組成物は、所定の結晶化度を有する二次粒子を特定の割合で配合することにより、熱伝導性シートの製造の際に二次粒子が崩壊して一次粒子がシート内で倒れた状態になることを抑制すると共に、二次粒子それ自体の熱伝導性を向上させることができるため、シート厚み方向の熱伝導性に優れた熱伝導性シートを与えることができる。また、この樹脂組成物は、二次粒子が鱗片状窒化ホウ素から形成されているため、電気絶縁性に優れた熱伝導性シートを与えることができる。
実施の形態2.
本実施の形態の熱伝導性シートは、上記の樹脂組成物をシート状に成形した後、硬化してなるものである。すなわち、本実施の形態の熱伝導性シートは、熱硬化性樹脂の硬化物中に鱗片状窒化ホウ素の二次粒子を含む。ここで、二次粒子は、3以上7以下の結晶化度を有する二次粒子を60質量%以上含む。
以下、図面を参照して本実施の形態の熱伝導性シートについて説明する。
図1は、本実施の形態における熱伝導性シートの断面図である。図1において、熱伝導性シート1は、熱硬化性樹脂の硬化物2と、この熱硬化性樹脂の硬化物2中に分散された二次粒子3とから構成されている。そして、二次粒子3は、鱗片状窒化ホウ素(一次粒子)4から構成されている。
本実施の形態の熱伝導性シート1は、上記の樹脂組成物を基材に塗布して乾燥した後、塗布乾燥物を加熱して硬化させることによって製造することができる。また、必要であれば塗布乾燥物を所定のプレス圧で加圧しながら加熱して硬化させてもよい。
ここで、基材としては、特に限定されず、例えば、離型処理された樹脂シートやフィルムなどの公知の離型性基材が挙げられる。また、熱伝導性シート1を放熱部材上に直接形成する場合には、放熱部材を基材として用いてもよい。ここで、放熱部材としては特に限定されないが、例えば、リードフレーム、ヒートシンク、ヒートスプレッダなどが挙げられる。
樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されず、ドクターブレード法等の公知の方法を用いることができる。
塗布した樹脂組成物の乾燥は、周囲温度で行ってよいが、溶剤の揮発を促進させる観点から、必要に応じて80℃以上150℃以下に加熱してもよい。
塗布乾燥物を加圧する場合、プレス圧は、特に限定されないが、好ましくは0.5MPa以上50MPa以下、より好ましくは1.9MPa以上30MPa以下である。また、プレス時間は、特に限定されないが、一般的に5分以上60分以下である。
塗布乾燥物の硬化温度は、使用する熱硬化性樹脂の種類にあわせて適宜設定すればよいが、一般的に150℃以上250℃以下である。また、硬化時間は、特に限定されないが、一般的に2分以上24時間以下である。
上記のようにして製造される本実施の形態の熱伝導性シートは、所定の結晶化度を有する二次粒子を特定の割合で配合することにより、熱伝導性シートの製造の際に二次粒子が崩壊して一次粒子がシート内で倒れた状態になることを抑制すると共に、二次粒子それ自体の熱伝導性を向上させることができるため、シート厚み方向の熱伝導性に優れている。また、この熱伝導性シートは、二次粒子が鱗片状窒化ホウ素から形成されているため、電気絶縁性にも優れている。
実施の形態3.
本実施の形態のパワーモジュールは、上記の樹脂組成物から得られる熱伝導性シートを具備する。すなわち、本実施の形態のパワーモジュールは、一方の放熱部材に搭載された電力半導体素子と、電力半導体素子で発生する熱を外部に放熱する他方の放熱部材と、半導体素子で発生する熱を一方の放熱部材から他方の放熱部材に伝達する、上記の熱伝導性シートとを備えることを特徴とする。
以下、本実施の形態のパワーモジュールについて図面を用いて説明する。
図2は、本実施の形態のパワーモジュールの断面図である。図2において、パワーモジュール10は、一方の放熱部材であるリードフレーム12と、他方の放熱部材であるヒートシンク14と、リードフレーム12とヒートシンク14との間に配置された熱伝導性シート11と、リードフレーム12に搭載された電力半導体素子13及び制御用半導体素子15とを備えている。そして、電力半導体素子13と制御用半導体素子15との間、及び電力半導体素子13とリードフレーム12との間は、金属線16によってワイヤボンディングされている。また、リードフレーム12の外部接続部、及びヒートシンク14の外部放熱部以外は封止樹脂17で封止されている。
このパワーモジュールにおいて、熱伝導性シート11以外の部材は特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。例えば、電力半導体素子13としては、ケイ素によって形成されたものを用いることができるが、ケイ素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体によって形成されたものを用いることが好ましい。ワイドバンドギャップ半導体としては、例えば、炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドが挙げられる。
ワイドバンドギャップ半導体によって形成された電力半導体素子13は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、電力半導体素子13の小型化が可能となる。そして、このように小型化された電力半導体素子13を用いることにより、電力半導体素子13を組み込んだパワーモジュールの小型化も可能になる。
また、ワイドバンドギャップ半導体により形成された電力半導体素子13は、耐熱性も高いため、リードフレーム12やヒートシンク14などの放熱部材などの小型化にもつながり、パワーモジュールの一層の小型化が可能になる。
さらに、ワイドバンドギャップ半導体により形成された電力半導体素子13は、電力損失も低いため、素子としての高効率化も可能となる。
パワーモジュールに熱伝導性シート11を組み込む方法としては、特に限定されることはなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、熱伝導性シート11を別個に作製した場合、電力半導体素子13などの各種部品を搭載したリードフレーム12と、ヒートシンク14との間に熱伝導性シート11を挟み込んだ後、これをトランスファーモールド成型用金型に配置し、トランスファーモールド成型装置を用いて封止樹脂17を金型に流し込み、加圧及び加熱して封止すればよい。
また、ヒートシンク14に熱伝導性シート11を直接形成した場合、電力半導体素子13などの各種部品を搭載したリードフレーム12を熱伝導性シート11上に配置した後、これをトランスファーモールド成型用金型に配置し、トランスファーモールド成型装置を用いて封止樹脂17を金型に流し込み、加圧及び加熱して封止すればよい。
なお、上記では、トランスファーモールド法による封止方法を説明したが、それ以外の公知の方法(例えば、プレス成形法、射出成形法、押出成形法)などを用いてもよい。
特に、パワーモジュールに熱伝導性シート11を組み込む場合、熱硬化性樹脂がBステージ状態(半硬化状態)にある熱伝導性シート11を予め作製しておき、これをリードフレーム12とヒートシンク14との間に挟みこんだ後、所定のプレス圧で加圧しながら150℃以上250℃以下に加熱することで熱伝導性シート11を作製することが好ましい。この方法によれば、熱伝導性シート11に対するリードフレーム12及びヒートシンク14の接着性を高めることができる。
上記のようにして製造される本実施の形態のパワーモジュールは、シート厚み方向の熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性シートを有しているので、放熱性及び電気絶縁性が高い。
以下、実施例及び比較例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例で用いた二次粒子は、鱗片状窒化ホウ素(一次粒子)を含むスラリーをスプレードライ法等の公知の方法によって凝集させた後、約2,000℃で焼結することによって製造した。原料や製造条件等を変えて作製した様々な二次粒子について、X線回折パターンを測定し、結晶化度を算出した。なお、一次粒子の平均長径及び二次粒子の平均粒径は上記の方法によって求めた。作製した二次粒子の特徴を表1に示す。
Figure 0005791488
(実施例1)
液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂(熱硬化性樹脂、ジャパンエポキシレジン株式会社製エピコート828)100質量部と、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(硬化剤、四国化成工業株式会社製キュアゾール2PN−CN)1質量部とを混合した後、メチルエチルケトン(溶剤)166質量部をさらに加えて混合攪拌した。次に、この混合物に、二次粒子No.Cを287質量部加えて混合した。次に、この混合物を三本ロールにて混練し、二次粒子No.Cが均一に分散された樹脂組成物を得た。
次に、この樹脂組成物を厚さ105μmの銅箔(放熱部材)上にドクターブレード法にて塗布した後、110℃で15分間加熱乾燥させることによって、厚さが100μmでBステージ状態の熱伝導性シートを得た。
次に、銅箔上に形成したBステージ状態の熱伝導性シートを、熱伝導性シート側が内側になるように2枚重ねた後、120℃で1時間加熱し、さらに160℃で3時間加熱することで、熱硬化性樹脂を完全に硬化させ、2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(実施例2)
二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(実施例3)
二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Eを用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(実施例4)
二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Fを用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(実施例5)
二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Gを用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(比較例1)
二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Aを用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(比較例2)
二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(比較例3)
二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Hを用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(比較例4)
二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Iを用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
上記の実施例及び比較例で得られた熱伝導性シートについて、シート厚み方向の熱伝導率をレーザーフラッシュ法にて測定した。この熱伝導率の測定結果は、比較例1の熱伝導性シートで得られた熱伝導率を基準とし、各実施例又は各比較例の熱伝導性シートで得られた熱伝導率の相対値([各実施例又は各比較例の熱伝導性シートで得られた熱伝導率]/[比較例1の熱伝導性シートで得られた熱伝導率]の値)として表2に示す。
また、上記の熱伝導性シートについて、絶縁破壊電界(BDE)を評価した。熱伝導性シートの絶縁破壊電界(BDE)は、油中で、銅箔に挟まれた熱伝導性シートに1kV/秒の一定昇圧にて電圧を印加することにより測定された絶縁破壊電圧(BDV)を熱伝導性シートの厚さで割ることにより算出した。この絶縁破壊電界(BDE)の結果は、実施例1の熱伝導性シートで得られたBDEを基準とし、各実施例又は比較例の熱伝導性シートで得られたBDEの相対値([各実施例又は比較例の熱伝導性シートで得られたBDE]/[実施例1の熱伝導性シートで得られたBDE]の値)として表2に示す。
なお、表2では、上記の各実施例及び比較例で使用した構成成分の配合量等についてもまとめた。また、配合量については質量部を用いて表した。
Figure 0005791488
表2に示されているように、3以上7以下の結晶化度を有する二次粒子を用いた実施例1〜5の熱伝導性シートは、シート厚み方向の熱伝導率が高かったのに対し、3未満又は7超過の結晶化度を有する二次粒子を用いた比較例1〜4の熱伝導性シートは、シート厚み方向の熱伝導率が低かった。これは、二次粒子の結晶化度が3未満となると、二次粒子の凝集力が著しく低下し、熱伝導性シートの製造の際に二次粒子が崩壊する結果、一次粒子がシート厚み方向に垂直に配向してしまうことが原因と考えられる(図6参照)。一方、二次粒子の結晶化度が7を超えると、二次粒子それの熱伝導率が低下してしまうことが原因と考えられる。
上記の実施例1〜5及び比較例1〜4の結果を基に、二次粒子の結晶化度とシート厚み方向の熱伝導率との関係を表すグラフを図3に示す。図3に示すように、二次粒子の結晶化度とシート厚み方向の熱伝導性には密接な関係があることがわかる。
(実施例6)
二次粒子No.Cの代わりに、二次粒子No.Bを114.8質量部及び二次粒子No.Dを172.8質量部用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(実施例7)
二次粒子No.Cの代わりに、二次粒子No.Bを57.4質量部及び二次粒子No.Dを229.6質量部用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(実施例8)
二次粒子No.Cの代わりに、二次粒子No.Bを28.7質量部及び二次粒子No.Dを258.3質量部用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(実施例9)
メチルエチルケトン(溶剤)の量を78質量部にすると共に、二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Dを用い、その量を82質量部にしたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(実施例10)
メチルエチルケトン(溶剤)の量を102質量部にすると共に、二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Dを用い、その量を127質量部にしたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(実施例11)
メチルエチルケトン(溶剤)の量を234質量部にすると共に、二次粒子No.Cの代わりに二次粒子No.Dを用い、その量を446質量部にしたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
(比較例5)
二次粒子No.Cの代わりに、二次粒子No.Bを129.2質量部及び二次粒子No.Dを157.9質量部用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂組成物及び2つの銅箔に挟まれた熱伝導性シートを得た。
上記の実施例及び比較例で得られた熱伝導性シートについて、シート厚み方向の熱伝導率及び絶縁破壊電界(BDE)を評価した。これらの評価は、上記と同様の基準を用い、相対値として表3に示す。
なお、表3では、上記の各実施例及び比較例で使用した構成成分の配合量等についてもまとめた。また、配合量については質量部を用いて表した。
Figure 0005791488
表3に示されているように、二次粒子全体に占める3以上7以下の結晶化度を有する二次粒子の割合が60質量%以上である熱伝導性シートは、シート厚み方向の熱伝導率が高かったのに対し、この割合が55質量%である熱伝導性シートは、シート厚み方向のシート厚み方向の熱伝導率が低かった(実施例6〜8と比較例5との比較)。また、二次粒子の含有量が30〜70体積%である熱伝導性シートは、シート厚み方向の熱伝導率が高かった(実施例9〜11)。
次に、実施例1〜11の熱伝導性シートを用い、トランスファーモールド法により封止樹脂で封止して、パワーモジュールを作製した。
このパワーモジュールにおいて、リードフレームと銅のヒートシンクの中央部とに熱電対を取り付けた後、パワーモジュールを稼動させ、リードフレームとヒートシンクとの温度をそれぞれ測定した。その結果、実施例1〜11の熱伝導性シートを用いたパワーモジュールはいずれも、リードフレームとヒートシンクとの温度差が小さく、放熱性に優れていた。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、シート厚み方向の熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性シートを与える熱伝導性シート用樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、シート厚み方向の熱伝導性及び電気絶縁性に優れた熱伝導性シートを提供することができる。さらに、本発明によれば、放熱性及び電気絶縁性に優れたパワーモジュールを提供することができる。
1 熱伝導性シート、2 熱硬化性樹脂の硬化物、3 二次粒子、4 鱗片状窒化ホウ素、10 パワーモジュール、11 熱伝導性シート、12 リードフレーム、13 電力半導体素子、14 ヒートシンク、15 制御用半導体素子、16 金属線、17 封止樹脂。

Claims (11)

  1. エポキシ樹脂と充填材とを含む熱伝導性シート用樹脂組成物であって、
    前記充填材が、鱗片状窒化ホウ素の二次粒子のみからなり、
    前記二次粒子が、3以上7以下の結晶化度を有する二次粒子を60質量%以上含むことを特徴とする熱伝導性シート用樹脂組成物。
  2. 前記二次粒子が、20μm以上180μm以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シート用樹脂組成物。
  3. 前記熱伝導性シート用樹脂組成物の固形分における前記二次粒子の含有量が20体積%以上80体積%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱伝導性シート用樹脂組成物。
  4. 前記二次粒子を構成する前記鱗片状窒化ホウ素の平均長径が15μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱伝導性シート用樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂の硬化物中に充填材を含む熱伝導性シートであって、
    前記充填材が、鱗片状窒化ホウ素の二次粒子のみからなり、
    前記二次粒子が、3以上7以下の結晶化度を有する二次粒子を60質量%以上含むことを特徴とする熱伝導性シート。
  6. 前記二次粒子が、20μm以上180μm以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項5に記載の熱伝導性シート。
  7. 前記熱伝導性シートにおける前記二次粒子の含有量が20体積%以上80体積%以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載の熱伝導性シート。
  8. 前記二次粒子を構成する前記鱗片状窒化ホウ素の平均長径が15μm以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の熱伝導性シート。
  9. 一方の放熱部材に搭載された電力半導体素子と、前記電力半導体素子で発生する熱を外部に放熱する他方の放熱部材と、前記電力半導体素子で発生する熱を前記一方の放熱部材から前記他方の放熱部材に伝達する、請求項5〜8のいずれか一項に記載の熱伝導性シートとを備えることを特徴とするパワーモジュール。
  10. 前記電力半導体素子は、ワイドバンドギャップ半導体によって形成されていることを特徴とする請求項9に記載のパワーモジュール。
  11. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化ケイ素、窒化ガリウム系材料又はダイヤモンドであることを特徴とする請求項10に記載のパワーモジュール。
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