JP5791381B2 - 目標追尾装置 - Google Patents
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Description
このクラッタを使用して、目標の追尾処理を実施すると、誤った運動諸元の推定値が算出されるため、目標の推定精度を高めるにはクラッタを除去する必要がある。
このクラッタを除去する方式として、レーダの送信信号であるパルスを高頻度に発生させることで、追尾処理の前段の信号処理である周波数解析処理で、目標とクラッタを区別するパルスドップラ方式が知られている。
ただし、高頻度でパルスを送信する場合、各受信波が、何れの送信波に対応する反射波であるのかを特定することができず、距離情報であるPRI内距離に複数の候補が発生する。
これはアンビギュイティと呼ばれるが、このアンビギュイティのために、信号処理の後段にある追尾処理では距離情報を観測値として利用することができない。
パルスドップラ処理でドップラ周波数が得られ、FM変調処理でビート周波数fbkが得られる。
ビート周波数fbkは、下記の式(1)に示すように、目標の距離と距離変化利率の一次結合であるため、ドップラ周波数から決まる距離変化率を代入することで目標の距離が得られる。
また、BはFM変調の帯域幅、cは光速、Tは観測時間、f0は送信周波数である。
そこで、図14に示すように、全観測時間で、FM変調処理を行い、複数スキャンのビート周波数から距離と距離変化率を算出することを考える。
このビート周波数の観測値を用いて、カルマンフィルタによって、目標までの距離と距離変化率を推定する方式が以下の特許文献1に開示されている。
この方式は、図15に示す装置構成によって、本出願で前提とするパルス繰り返し周波数が高いレーダに適用することができる。
式(2)において、Δtはサンプリング間隔である。
ここでは、サンプリング間隔Δtの時間内での目標の距離変化率の変化が極めて小さいと仮定している。
カルマンフィルタの状態変数は以下の通りである。
初期推定値x1ハット(+)の各成分(下記の式(5)を参照)は、式(2)(3)に示す連立方程式の解とするため、初期の2サンプリング時刻のビート周波数fb0,fb1の線形結合となる。
このため、以降のカルマンフィルタに基づく処理で必要となる推定誤差共分散行列の初期値P1(+)の各成分は、ビート周波数の観測誤差標準偏差より算出することができる。
カルマンフィルタでは、以下の状態遷移モデルを仮定して、予測処理を行う。
ここで、Φkは状態遷移行列であり、以下の式(7)で定義される。
また、wkは運動に加わる外乱であり、以下の共分散を持つガウス分布に従うとする。
ここでQkは事前に設定されるパラメータである。
ここでは、以下の観測モデルを仮定する。
式(11)において、Hbeatは観測行列であり、下記の式(12)で定義される。
また、efbはビート周波数の観測誤差であり、その分散Rfbがパラメータとして事前に与えられる。
図1はこの発明の実施の形態1による目標追尾装置を示す構成図である。
図1において、レーダ1は繰り返し周波数が高いパルスを空間に放射する一方、空間に存在している目標に反射して戻ってきているパルスを受信することで、目標のビート周波数及びPRI内距離を観測し、その観測値であるビート周波数及びPRI内距離を目標追尾装置2に出力する装置である。
目標追尾装置2はレーダ1により観測されたビート周波数及びPRI内距離を用いて、目標の追尾処理を実施する装置である。
ただし、初期値算出部11は最初のサンプリング時刻におけるビート周波数と、次のサンプリング時刻におけるビート周波数との差が、目標の最大速度から算出されるビート周波数の差の最大変化より小さい場合に限り、目標の観測値であるビート周波数を用いて、運動諸元の推定値の初期値を算出する。
なお、初期値算出部11は初期値算出手段を構成している。
推定結果格納部13は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、最新の推定値(初期値算出部11により算出された初期推定値、あるいは、ビート周波数フィルタ処理部12又はPRI内距離フィルタ処理部16により更新された最も新しい推定値)を格納している。
PRI内距離フィルタ処理部16は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、推定値仮説生成部15により採択された仮説に係るPRI内距離を用いて、推定結果格納部13により格納されている現時点での運動諸元の推定値を更新する処理を実施する。なお、PRI内距離フィルタ処理部16は第2の推定値更新手段を構成している。
目標追尾装置がコンピュータで構成されている場合、初期値算出部11、ビート周波数フィルタ処理部12、PRI内距離ゲート内外判定部14、推定値仮説生成部15及びPRI内距離フィルタ処理部16の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2〜図5はこの発明の実施の形態1による目標追尾装置の処理内容を示すフローチャートである。
最初に、目標追尾装置2における追尾処理の開始当初(最初の数サンプリング時刻)の処理内容を説明する。
目標追尾装置2でのカルマンフィルタの状態変数は、下記の式(17)に示す通りであり、従来技術と同様とする。
例えば、カルマンフィルタの状態変数を3つの諸元(距離、距離変化率、距離変化率の変化率)で構成する場合、最初の3サンプリング時刻の観測値で処理する。同様に、カルマンフィルタの状態変数をJ個の諸元で構成する場合、最初のJサンプリング時刻の観測値で処理する。
以下では、式(17)の2つの諸元からなる状態変数を前提とする例を説明する。
ここで、Φkは状態遷移行列であり、下記の式(19)で定義される。
また、wkは運動に加わる外乱であり、以下の共分散を持つガウス分布に従うとする。
ここで、Qkは事前に設定されるパラメータである。
この初期値の算出方法は、従来技術における初期値の算出方法と同等である。
なお、初期値算出部11により算出された推定値の初期値x1ハット(+)’及び推定誤差共分散の初期値P1(+)’は推定結果格納部13に格納される。
目標の観測値であるPRI内距離は、下記の式(22)で表される。
ここで、rpri1はPRI内距離の候補の中で最短の距離、ΔRpriはパルス間隔によって定まる折り返し幅である。
式(23)において、dは事前に設定されるゲートサイズパラメータであり、SRはPRI内距離に関する残差共分散行列であり、下記の式(24)で算出される。
ここで、HRpriはPRI内距離の観測行列、RRpriはPRI内距離の観測誤差共分散行列であり、下記の式(25)に示す観測モデルを前提とする。
また、eRpriは無限個のPRI内距離の候補の中から、PRI内距離が折り返し回数の誤りなく選択された場合のPRI内距離の観測誤差であり、その共分散RRpriがパラメータとして事前に与えられる。
この段階では、PRI内距離ゲート内外判定部14によりゲート内にあると判定されたPRI内距離の数だけ仮説が生成され、各仮説の信頼度γ1,iは、下記の式(28)で算出される。
式(28)式では、i番目の仮説がPRI内距離の観測値としてRpri1 nを選択していることを前提としている。
例えば、信頼度γ1,iが高い上位N個の仮説を残して、それ以外の仮説を破棄する方法や、信頼度γ1,iが所定の閾値より高い仮説を残して、それ以外の仮説を破棄する方法などが考えられる。
ここで、Iは単位行列、K1はカルマンゲインであり、下記の式(31)で算出される。
この処理においては、追尾対象の目標の速度の最大値が既知であれば、図3に示す手順を実施することにより、不要信号を目標と見做す誤相関の確率を低減することができる。
図3では、初期値算出部11が推定値の初期値x1ハット(+)’等を算出する前に、「ビート周波数の概略ゲート内外判定」を実施している(ステップST0)点で、図2に示す手順と異なっている。
この判定は、ビート周波数fb0とビート周波数fb1の差が、目標の最大速度Vmaxから算出されるビート周波数の差の最大変化より小さい場合に対応付けが可能であると判定するものであり、具体的には、下記の式(32)が成立すれば、対応付けが可能であると判定し、不成立ならば、対応付け不可能であると判定する。
初期値算出部11は、対応付けが可能であると判定すれば、ステップST1に移行するが、対応付けが不可能であると判定すれば、ステップST1に移行せずに、目標の観測値であるビート周波数fb1を破棄する。
式(32)において、lは係数であり、事前に設定されるパラメータである。
ビート周波数フィルタ処理部12は、初期値算出部11により初期値が算出された後、レーダ1により観測されたビート周波数fbkを受ける毎に、そのビート周波数fbkを用いて、推定結果格納部13により格納されている現時点での運動諸元の推定値を更新し、更新後の推定値を推定結果格納部13に格納する。
ここで、H(j)は仮説の番号、xk H(j)ハット(−)は仮説H(j)における予測値であり、下記の式(34)で算出される。
また、Sfbは残差共分散行列であり、下記の式(35)で算出される。
ここで、Pk(−)は予測誤差共分散行列であり、下記の式(36)で算出される。
一方、式(33)が成立していれば、そのビート周波数fbkはゲート内にあると判定し、下記の式(37)(38)に示すように、そのビート周波数fbkを用いて、推定結果格納部13により格納されている各仮説の推定値であるxk H(j)ハット(−),Pk(−)を更新し、更新後の推定値xk H(j)ハット(+)’,Pk(+)’を推定結果格納部13に格納する(ステップST12)。
ここで、Iは単位行列、Kk’はカルマンゲインであり、下記の式(39)で算出される。
ゲート内外判定は下記の式(40)の成否により決定され、式(40)が成立するPRI内距離はゲート内にあると判定されて、推定値仮説生成部15に出力されるが、式(40)が成立しないPRI内距離はゲート外にあると判定されて破棄される。
ここで、SRはPRI内距離に関する残差共分散行列であり、下記の式(41)で算出される。
式(41)において、Pk(+)’はビート周波数フィルタ処理部12により更新された推定値xk H(j)ハット(+)’の平滑誤差共分散行列である。
また、HRpriはPRI内距離の観測行列、RRpriはPRI内距離の観測誤差共分散行列であり、下記の式(42)に示す観測モデルにより算出される。
また、eRpriはPRI内距離の候補の中から、PRI内距離が折り返し回数の誤りなく選択された場合のPRI内距離の観測誤差であり、その共分散RRpriがパラメータとして事前に与えられる。
PRI内距離ゲート内外判定部14は、目標の角度情報が観測値として得られる場合、サンプリング時刻kのPRI内距離の候補Rprik nと、同時刻の角度観測値(仰角Elk 0,方位角Azk 0)とから、このサンプリング時刻kの目標の3次元の位置を算出する。
また、サンプリング時刻k−1の推定値xk-1 H(j)(+)の距離成分Rk-1ハット(下記の式(45)を参照)と、同時刻の角度観測値(仰角Elk-1 0,方位角Azk-1 0)とから、このサンプリング時刻k−1の目標の3次元の位置を算出する。
以下に示すように、PRI内距離ゲート内外判定部14は、この距離変化率と、サンプリング時刻kの推定値xk H(j)ハット(+)’の距離変化率の成分Rk 0ハットドット’とを照合する。
評価関数は、下記の式(47)のように定義される。
この段階では、PRI内距離ゲート内外判定部14によりゲート内にあると判定されたPRI内距離の数だけ仮説が生成され、各仮説の信頼度γk,iは、下記の式(51)で算出される。
ここでは、現サンプリング時刻kのi番目の仮説H(i)におけるサンプリング時刻k−1の親仮説をH(j)としている。つまり、この時刻の仮説の信頼度は、親仮説の信頼度に現サンプリング時刻のPRI内距離に関する尤度を積算することにより得られる。
例えば、信頼度γk,iが高い上位N個の仮説を残して、それ以外の仮説を破棄する方法や、信頼度γk,iが所定の閾値より高い仮説を残して、それ以外の仮説を破棄する方法などが考えられる。
ここで、Iは単位行列、Kkはカルマンゲインであり、下記の式(55)で算出される。
なお、図4では、ステップST11でビート周波数のゲート内外判定を実施し、ステップST13でPRI内距離のゲート内外判定を実施するものを示したが、図5に示すように、ステップST10で、ビート周波数のゲート内外判定とPRI内距離のゲート内外判定とを一括して実施するようにしてもよい。
即ち、ステップST10は「観測値のゲート内外判定」であり、ビート周波数fbk及びPRI内距離Rprik nのゲート内外判定を行っている。
対応付けが可能であると判定すれば、ステップST12に移行するが、対応付けが不可能であると判定すれば、ステップST12に移行せずに、目標の観測値を破棄する。
ここで、zk nは下記の式(57)に示される観測ベクトルである。
Hzは観測行列であり、その要素は下記の式(58)で表される。
Szは残差共分散行列であり、下記の式(59)で得られる。
Pk(−)は予測誤差共分散行列であり、上記の式(36)で得られる。
また、Rzは観測行列であり、その要素は下記の式(60)で表される。
図7はこの発明の実施の形態2による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
推定値収束判定部17は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、推定結果格納部13により格納されている現時点での運動諸元の推定値が収束しているか否かを判定し、その推定値が収束していれば、PRI内距離ゲート内外判定部14によりゲート内にあると判定されたPRI内距離を推定値仮説生成部15に与える処理を実施する。なお、推定値収束判定部17は推定値収束判定手段を構成している。
目標追尾装置がコンピュータで構成されている場合、初期値算出部11、ビート周波数フィルタ処理部12、PRI内距離ゲート内外判定部14、推定値仮説生成部15、PRI内距離フィルタ処理部16及び推定値収束判定部17の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図8〜図11はこの発明の実施の形態2による目標追尾装置の処理内容を示すフローチャートである。
最初に、目標追尾装置2における追尾処理の開始当初(最初の数サンプリング時刻)の処理内容を説明する。
以下、この実施の形態2では、上記実施の形態1と同様に、カルマンフィルタの状態変数が距離と距離変化率の2つの諸元から成る例を説明する。状態遷移モデル及び観測モデルも上記実施の形態1と同様であるとする。
この初期値の算出方法は、従来技術における初期値の算出方法と同等である。
なお、初期値算出部11により算出された推定値の初期値x1ハット(+)’及び推定誤差共分散の初期値P1(+)’は推定結果格納部13に格納される。
目標の観測値であるPRI内距離は、下記の式(62)で表される。
ここで、rpri1はPRI内距離の候補の中で最短の距離、ΔRpriはパルス間隔によって定まる折り返し幅である。
式(63)において、SRはPRI内距離に関する残差共分散行列であり、下記の式(64)で算出される。
ここで、HRpriはPRI内距離の観測行列、RRpriはPRI内距離の観測誤差共分散行列であり、下記の式(65)に示す観測モデルを前提とする。
また、eRpriは無限個のPRI内距離の候補の中から、PRI内距離が折り返し回数の誤りなく選択された場合のPRI内距離の観測誤差であり、その共分散RRpriがパラメータとして事前に与えられる。
この推定値が十分に収束していれば、レーダ1の観測値であるPRI内距離の候補の絞込みが十分であるが、収束が不十分であれば、PRI内距離の候補が十分に絞り込められておらず、そのPRI内距離の候補を使用して追尾処理を実施すると、後段の準最適化処理で正しい仮説を棄却してしまう危険性が高くなる。
(1)PRI内距離ゲート内外判定部14によりゲート内にあると判定されたPRI内距離の個数が閾値Mpriより少なければ、推定値が十分に収束していると判定する。
(2)初期値算出部11により算出された推定誤差共分散の初期値P1(+)’の固有値の最大値が閾値eigthより小さければ、推定値が十分に収束していると判定する。
ただし、閾値Mpri,閾値eigthは事前に設定されるパラメータである。
なお、上記の(2)による判定は、ステップST21における「ビート周波数による初期値の算出処理」の直後に実施することができるため、処理の実施手順は、図9のようになる。
なお、この時点では、PRI内距離の観測値が推定処理に使用されていないため、仮説の数は唯一つである。
この段階では、PRI内距離ゲート内外判定部14によりゲート内にあると判定されたPRI内距離の数だけ仮説が生成され、各仮説の信頼度γ1,iは、下記の式(70)で算出される。
式(70)式では、i番目の仮説がPRI内距離の観測値としてRpri1 nを選択していることを前提としている。
例えば、信頼度γ1,iが高い上位N個の仮説を残して、それ以外の仮説を破棄する方法や、信頼度γ1,iが所定の閾値より高い仮説を残して、それ以外の仮説を破棄する方法などが考えられる。
ここで、Iは単位行列、K1はカルマンゲインであり、下記の式(73)で算出される。
以降のサンプリング時刻では、1サンプリング時刻の観測値毎に処理する。
ビート周波数フィルタ処理部12は、初期値算出部11により初期値が算出された後、レーダ1により観測されたビート周波数fbkを受ける毎に、そのビート周波数fbkを用いて、推定結果格納部13により格納されている現時点での運動諸元の推定値を更新し、更新後の推定値を推定結果格納部13に格納する。
ここで、H(j)は仮説の番号、xk H(j)ハット(−)は仮説H(j)における予測値であり、下記の式(75)で算出される。
また、Sfbは残差共分散行列であり、下記の式(76)で算出される。
ここで、Pk(−)は予測誤差共分散行列であり、下記の式(77)で算出される。
一方、式(74)が成立していれば、そのビート周波数fbkはゲート内にあると判定し、下記の式(78)(79)に示すように、そのビート周波数fbkを用いて、推定結果格納部13により格納されている各仮説の推定値であるxk H(j)ハット(−),Pk(−)を更新し、更新後の推定値xk H(j)ハット(+)’,Pk(+)’を推定結果格納部13に格納する(ステップST32)。
ここで、Iは単位行列、Kk’はカルマンゲインであり、下記の式(80)で算出される。
ゲート内外判定は下記の式(81)の成否により決定され、式(81)が成立するPRI内距離はゲート内にあると判定されて、推定値仮説生成部15に出力されるが、式(81)が成立しないPRI内距離はゲート外にあると判定されて破棄される。
ここで、SRはPRI内距離に関する残差共分散行列であり、下記の式(82)で算出される。
式(82)において、Pk(+)’はビート周波数フィルタ処理部12により更新された推定値xk H(j)ハット(+)’の平滑誤差共分散行列である。
また、HRpriはPRI内距離の観測行列、RRpriはPRI内距離の観測誤差共分散行列であり、下記の式(83)に示す観測モデルにより算出される。
また、eRpriはPRI内距離の候補の中から、PRI内距離が折り返し回数の誤りなく選択された場合のPRI内距離の観測誤差であり、その共分散RRpriがパラメータとして事前に与えられる。
この推定値が十分に収束していれば、レーダ1の観測値であるPRI内距離の候補の絞込みが十分であるが、収束が不十分であれば、PRI内距離の候補が十分に絞り込められておらず、そのPRI内距離の候補を使用して追尾処理を実施すると、後段の準最適化処理で正しい仮説を棄却してしまう危険性が高くなる。
(1)PRI内距離ゲート内外判定部14によりゲート内にあると判定されたPRI内距離の個数が閾値Mpriより少なければ、推定値が十分に収束していると判定する。
(2)ビート周波数フィルタ処理部12により算出された誤差共分散行列Pk(+)’の固有値の最大値が閾値eigthより小さければ、推定値が十分に収束していると判定する。
ただし、閾値Mpri,閾値eigthは事前に設定されるパラメータである。
なお、上記の(2)による判定は、ステップST32における「ビート周波数の平滑処理」の直後に実施することができるため、処理の実施手順は、図11のようになる。
この段階では、PRI内距離ゲート内外判定部14によりゲート内にあると判定されたPRI内距離の数だけ仮説が生成され、各仮説の信頼度γk,iは、下記の式(88)で算出される。
ここでは、現サンプリング時刻kのi番目の仮説H(i)におけるサンプリング時刻k−1の親仮説をH(j)としている。つまり、この時刻の仮説の信頼度は、親仮説の信頼度に現サンプリング時刻のPRI内距離に関する尤度を積算することにより得られる。
例えば、信頼度γk,iが高い上位N個の仮説を残して、それ以外の仮説を破棄する方法や、信頼度γk,iが所定の閾値より高い仮説を残して、それ以外の仮説を破棄する方法などが考えられる。
ここで、Iは単位行列、Kkはカルマンゲインであり、下記の式(91)で算出される。
Claims (7)
- FM変調が施された送信波を放射したのち、目標に反射されて戻ってきた前記送信波の反射波を受信して、前記送信波と前記反射波の周波数差であるビート周波数を観測するとともに、前記送信波の送信時刻と前記反射波の受信時刻との時刻差から前記目標までの距離であるPRI内距離を観測するレーダから、前記ビート周波数及び前記PRI内距離を取得して、前記目標の運動諸元である前記目標の位置及び速度を推定する目標追尾装置において、
前記レーダにより観測された複数のサンプリング時刻のビート周波数を構成する変数である前記目標までの距離及び前記目標の速度を前記運動諸元の初期の推定値として解く初期値算出手段と、
前記初期値算出手段により解かれた運動諸元の推定値を格納する推定値格納手段と、
ビート周波数から運動諸元を推定するカルマンフィルタを有しており、前記初期値算出手段により運動諸元の推定値が解かれたのち、前記レーダから1つのサンプリング時刻のビート周波数を受ける毎に、当該ビート周波数を前記カルマンフィルタに入力することで、前記推定値格納手段により格納されている運動諸元の推定値を更新する第1の推定値更新手段と、
PRI内距離と、PRI内距離の観測行列が乗算された運動諸元の推定値との差分とその共分散行列の式で定義されている判定式であって、前記PRI内距離がゲート内にあれば、事前に設定されたゲートサイズパラメータ以下になるゲート内外判定用の判定式に対して、前記レーダにより観測されたPRI内距離と前記推定値格納手段により格納されている運動諸元の推定値を代入したとき、前記判定式が前記ゲートサイズパラメータ以下になれば、前記レーダにより観測されたPRI内距離がゲート内にあると判定する一方、前記判定式が前記ゲートサイズパラメータ以下にならなければ、当該PRI内距離がゲート外であると判定して、当該PRI内距離を破棄するゲート内外判定手段と、
前記ゲート内外判定手段によりゲート内にあると判定されたPRI内距離毎に、当該PRI内距離を用いて、前記推定値格納手段により格納されている運動諸元の推定値を更新するという仮説を立てるとともに、前記共分散行列に基づく式に対して−1/2が乗算されている式で指数の部分が定義されている指数関数に対して、前記運動諸元の推定値及び当該PRI内距離を代入することで、前記仮説の信頼度を算出し、立てた1以上の仮説の中で、信頼度が高い上位規定数個の仮説又は閾値より高い仮説を採択する推定値仮説生成手段と、
PRI内距離から運動諸元を推定するカルマンフィルタを有しており、前記推定値仮説生成手段により採択された仮説に係るPRI内距離を当該カルマンフィルタに入力することで、前記推定値格納手段により格納されている運動諸元の推定値を更新する第2の推定値更新手段と
を備えた目標追尾装置。 - 前記初期値算出手段は、前記レーダにより観測された最初のサンプリング時刻におけるビート周波数と、次のサンプリング時刻におけるビート周波数との差が、予め前記目標の速度から算出されているビート周波数の差の変化より小さい場合に、前記最初のサンプリング時刻及び次のサンプリング時刻のビート周波数を構成する変数である前記目標までの距離及び前記目標の速度を前記運動諸元の初期の推定値として解くことを特徴とする請求項1記載の目標追尾装置。
- 前記ゲート内外判定手段は、
前記レーダにより前記目標の角度情報が観測される場合、前記角度情報と前記レーダにより観測されたPRI内距離から前記目標の位置をサンプリング時刻毎に算出して、各サンプリング時刻の間の前記目標の位置の差分を前記サンプリング時刻間隔で除算することで速度ベクトルを算出するとともに、前記速度ベクトルを前記目標の距離方向に射影することで前記目標の距離変化率を算出し、
誤差共分散行列が、角度情報の観測誤差の分散と、前記第1の推定値更新手段により更新された推定値の平滑誤差共分散行列における対角項の距離変化率の成分と、前記推定値の平滑誤差共分散行列に係るサンプリング時刻より1つ前のサンプリング時刻の平滑誤差共分散行列における対角項の距離の成分と、前記PRI内距離の観測誤差共分散行列とで定義されている評価関数であって、前記目標の距離変化率と、前記推定値格納手段により格納されている運動諸元の推定値である前記目標の速度とを照合する評価関数の関数値を、前記評価関数の引数による偏微分から得られる行列、当該行列の転置及び前記評価関数の誤差共分散行列で除算した値が、事前に設定された照合パラメータ以下であれば、前記目標の距離変化率と前記目標の速度との対応関係が有ると判定する一方、前記照合パラメータより大きければ、前記目標の距離変化率と前記目標の速度との対応関係が無いと判定し、前記対応関係が無ければ、前記PRI内距離がゲート内にあると判定しても、前記PRI内距離を破棄することを特徴とする請求項1記載の目標追尾装置。 - 前記推定値仮説生成手段は、前サンプリング時刻における仮説の信頼度に対して、前記照合の尤度を積算することで、現サンプリング時刻における仮説の信頼度を算出することを特徴とする請求項3記載の目標追尾装置。
- 前記第1の推定値更新手段は、ビート周波数と、ビート周波数の観測行列及びカルマンフィルタの状態遷移行列が乗算された運動諸元の推定値との差分とその共分散行列で定義されている相関判定式であって、前記ビート周波数と前記運動諸元の推定値との間に相関があれば、事前に設定されたゲートサイズパラメータ以下になる相関判定式に対して、前記レーダにより観測されたビート周波数と前記推定値格納手段により格納されている運動諸元の推定値を代入したとき、前記相関判定式が前記ゲートサイズパラメータ以下にならなければ、当該ビート周波数を破棄することを特徴とする請求項1記載の目標追尾装置。
- 前記推定値格納手段により格納されている運動諸元の推定値が収束しているか否かを判定し、上記推定値が収束していれば、前記ゲート内外判定手段によりゲート内にあると判定されたPRI内距離を前記推定値仮説生成手段に与える推定値収束判定手段を設け、
前記推定値収束判定手段は、前記ゲート内外判定手段によりゲート内にあると判定されたPRI内距離の個数が予め設定されている閾値より少なければ、前記推定値が収束していると判定することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の目標追尾装置。 - 前記推定値格納手段により格納されている運動諸元の推定値が収束しているか否かを判定し、上記推定値が収束していれば、前記ゲート内外判定手段によりゲート内にあると判定されたPRI内距離を前記推定値仮説生成手段に与える推定値収束判定手段を設け、
前記推定値収束判定手段は、前記第1の推定値更新手段により推定値が更新される際に算出される誤差共分散行列の固有値の最大値が予め設定されている閾値より小さければ、前記推定値が収束していると判定することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の目標追尾装置。
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