JP5791353B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
このような例として、下記特許文献1のように、軸筒の先端部にアダプターを挿入し、それによりリフィールの先端を密着させ、それによってガタつきを防ぐ技術が開示されている。
そこで、本発明は、軸筒そのものでリフィールを保持しない筆記具において、軸筒に装着されるリフィール保持部材による外界との空気の流通を確保し、筆記を速くした場合でも描線の掠れを防止することを課題とする。
前記軸筒15の先端に合成樹脂製の先軸40が嵌合される筆記具10であって、
前記先軸40の内周面の複数箇所に放射状に等配された厚肉部42を設け、該厚肉部42が前記リフィール60に装着された前記ボールペンチップ62の外周と接触してこれを保持するとともに、該厚肉部42間の間隙43及び前記先軸40の側面部に空気置換孔45が形成されていることで、外界と前記軸筒15の内部とで空気の流通が可能となり、
前記先軸40の内周面であって前記厚肉部42の後方の複数箇所に放射状に等配された前後方向に延びる先端側リブ48を設け、該先端側リブ48が前記リフィール60のうち前記ボールペンチップ62が装着される部分を保持しているとともに、
前記軸筒15の後端に尾栓50が固定され、該尾栓50の小径部分51の外側を大径部分52が取り囲んでおり、これらが後端面53で連結し、該小径部分51と該大径部分52との間に空間部55が形成されていることを特徴とする。
なお、本発明においては、筆記具10において、筆記先端の位置する方向を「先端」と定義し、その反対方向を「後端」と定義する。
軸筒15は円筒状に形成された木製の部材で、その内部空間にリフィール60を収容する。本発明においては、軸筒15は直接リフィール60と接触してこれを保持することはない。軸筒15は、リフィール60への保持に直接関与することはないので、製造後に多少の変形が生じ得る木材で形成することが可能となっている。
先軸40はその後端部分で軸筒15の先端部分と接続される。先軸40は、軸筒15と直接接続されることとしてもよいし、あるいは、軸筒15の先端に継手部材を装着して、この継手部材に先軸40を装着することとしてもよい。一方、先軸40の先端からは、軸筒15内部に収容されたリフィール60の筆記先端であるボールペンチップ62が突出することとなっている。
先軸40の内周面の複数箇所には、上述のように、厚肉部42が放射状に等配されている。この厚肉部42とは、リフィール60の先端部分に装着されたボールペンチップ62と接触してこれを保持する部分である。
以上の構成により、筆記によりリフィール60内のインクが消費されても、その分の体積に相当する空気が速やかにその間隙43から軸筒15内部へ導入される。これにより、速書時でも描線の掠れが防止できるようになっている。
なお、前記軸筒15の後端に尾栓50が固定されている。前記リフィール60の後端は、該尾栓50に当接して保持されていることが望ましい。この尾栓50も、前記先軸40と同様、合成樹脂の射出成形にて形成することが可能である。また、前記先軸40と同様の厚肉部42を形成し、これによってリフィール60の後端を保持することが望ましい。
(1)第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態に係る筆記具10は、図1に示すように、ボールペンとして形成されている。図1(A)では、軸筒15の先端にキャップ20が装着された状態が示されている。軸筒15の後端には尾栓50が装着されている(図1(A)及び(C))。キャップ20にはクリップ21が形成されているとともに、その底面には誤飲時に気道を確保するための通気孔22が設けられている(図1(B))。キャップ20は、非筆記時には図1(A)及び(D)に示すように軸筒15の先端に装着されるとともに、筆記時には図1(E)に示すように軸筒15の後端に装着可能である。キャップ20は、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネート等の硬質プラスチックの射出成形にて形成される。
さらに軸筒15の先端にはまた、軸筒15の外径とほぼ同一な後半部分46と、先端にかけてテーパー状に縮径する前半部分41とを有する先軸40が装着されている。先軸40の先端及び後端はいずれも開放している。そのうち後端部分の内周面には雌ネジ47が形成され(図3(C)及び(D)参照)、前記軸継手30の雄ネジ33と螺合することとなっている。また先端部分からは、リフィール60先端のボールペンチップ62が突出している(図1(D)及び(E))。先軸40は、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネート等の硬質プラスチックの射出成形にて形成される。
まず、尾栓50の小径部分51の外側に接着剤を塗布し、この状態で軸筒15の後端に挿入し、接着する。また、軸継手30の小径部分30の外側にも接着剤を塗布し、この状態で軸筒15の先端に挿入し、接着する。そして、軸筒15の先端から露出している軸継手30の先端から、リフィール60の後端を挿入し、尾栓50の後端受け部56へ当接させる。この状態で、リフィール60の後端は、6箇所の後端側リブ57で囲まれた空間に圧入され、そしてこれらの後端側リブ57により保持される。そして、先軸40の内面の雌ネジ47を、軸継手30の大径部分32の雄ネジ33に螺合させて、先軸40を軸継手30に螺着させる。この状態で、先軸40の4箇所の先端側リブ48がチップ継手61を保持し、さらに、先端付近の厚肉部42がボールペンチップ62を保持する。そして、キャップ20を装着すれば、図1に示す筆記具10が完成することとなる。
(2)第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態においては、先軸40が図5に示すような形状を呈する他は、第1の実施の形態と同様である。
先軸40は、軸筒15の外径とほぼ同一の外径を有する後半部分46と、先端にかけてテーパー状に縮径する前半部分41とから成る。後半部分46と前半部分41との境界部分には、キャップ20の前記先端側係止部23が係止する周状の突条である先端側係止突条44が設けられている(図4(A)〜(D))。後半部分46の内周には雌ネジ47が形成され(図4(C))、軸筒15に接着されている軸継手30の雄ネジ33(図1(D)及び(E)参照)と螺合するようになっている。また、前半部分41内周の、先端付近には放射状に6箇所、アンダーカットとして形成された厚肉部42が等配されている(図3(B)、(C)及び(D))。この厚肉部42は、前記第1の実施の形態のものに比べ、辺縁が明りょうな突起状に形成されており、その間隙43もより明りょうである。この間隙43が、第1の実施の形態における空気置換孔45の役割を十分果たすこととなっている。この厚肉部42により、リフィール60のボールペンチップ62の外周(図1(D)及び(E)参照)が6点で保持されることになる。また、前半部分41内周にはさらに、前後方向に延びる先端側リブ48が4箇所、放射状に等配されている(図3(C))。この先端側リブ48にはリフィール60のチップ継手61の部分(図1(D)及び(E)参照)が圧入される。よって、この先端側リブ48の部分でもリフィール60が保持されている。
20 キャップ 21 クリップ 22 通気孔
23 先端側係止部 24 後端側係止部
30 軸継手 31 軸継手の小径部分 32 軸継手の大径部分
33 雄ネジ
40 先軸 41 先軸の前半部分 42 厚肉部
43 間隙 44 先端側係止突条 45 空気置換孔
46 先軸の後半部分 47 雌ネジ 48 先端側リブ
50 尾栓 51 尾栓の小径部分 52 尾栓の大径部分
53 後端面 54 後端側係止突条 55 空間部
56 後端受け部 57 後端側リブ
60 リフィール 61 チップ継手 62 ボールペンチップ
70 割り型
80 コアピン 81 前方コアピン 82 後方コアピン
83 厚肉部形成部
90 キャビティ
Claims (2)
- 木製の軸筒内に、先端にボールペンチップが装着されたリフィールが収容され、
前記軸筒の先端に合成樹脂製の先軸が嵌合される筆記具であって、
前記先軸の内周面の複数箇所に放射状に等配された厚肉部を設け、該厚肉部が前記リフィールに装着された前記ボールペンチップの外周と接触してこれを保持するとともに、該厚肉部間の間隙及び前記先軸の側面部に空気置換孔が形成されていることで、外界と前記軸筒の内部とで空気の流通が可能となり、
前記先軸の内周面であって前記厚肉部の後方の複数箇所に放射状に等配された前後方向に延びる先端側リブを設け、該先端側リブが前記リフィールのうち前記ボールペンチップが装着される部分を保持しているとともに、
前記軸筒の後端に尾栓が固定され、該尾栓の小径部分の外側を大径部分が取り囲んでおり、これらが後端面で連結し、該小径部分と該大径部分との間に空間部が形成されていることを特徴とする筆記具。
- 前記リフィールの後端は、該尾栓に当接して保持されていることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
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