JP5790538B2 - 車両 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機を備えた車両に関する。
特開2010−112397号公報(特許文献1)には、実際のアクセル開度(実アクセル開度)に応じて変速制御用アクセル開度を設定し、変速制御用アクセル開度を用いて無段変速機の変速を制御する車両において、実アクセル開度と変速制御用アクセル開度との間に不感帯(ヒステリシス)を設け、実アクセル開度がヒステリシス分増加するまでは変速制御用アクセル開度を増加させずに固定し、実アクセル開度がヒステリシス分増加した後は実アクセル開度の増加に応じて変速制御用アクセル開度をリニアに増加させる技術が開示されている。
特開2010−112397号公報 特開2004−125072号公報
ユーザがアクセルペダルを踏み増していく場合、特許文献1の技術では、実アクセル開度がヒステリシス分増加した時のみ変速制御用アクセル開度がステップ状に増加されるが、その後は実アクセル開度の増加に応じて変速制御用アクセル開度がリニアに増加される。すなわち、変速制御用アクセル開度は、初回のみステップ状に増加され、その後はステップ状には増加されない。これでは、アクセルペダル踏込時のダイレクトな加速感をユーザに与えることができない。
一方、変速制御用アクセル開度に対する実アクセル開度の増加量が更新用しきい値を超える毎に変速制御用アクセル開度を実アクセル開度に対応する値に更新するようにすると、無段変速機の目標入力軸回転速度を目標量づつステップ状に増加させることができる。そのため、ステップ的な変速感をユーザに与えることができる。しかしながら、ハード上の制約などによって無段変速機の実入力軸回転速度が目標入力軸回転速度よりも高くなっている場合には、変速制御用アクセル開度を更新して目標入力軸回転速度を目標量だけ増加させたとしても、実入力軸回転速度の増加量が目標量未満となってしまう。これでは、ステップ的な変速感をユーザに与えることができない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、無段変速機を備えた車両において、無段変速機の実入力軸回転速度が目標入力軸回転速度よりも高くなっている場合であっても、ステップ的な変速感をユーザに与えることである。
この発明に係る車両は、エンジンと、駆動輪と、エンジンおよび駆動輪の間に設けられた無段変速機と、実アクセル開度を用いて変速制御用アクセル開度を設定し、変速制御用アクセル開度に応じて無段変速機の目標入力軸回転速度を設定し、無段変速機の実入力軸回転速度が目標入力軸回転速度になるように無段変速機を制御する制御装置とを備える。制御装置は、変速制御用アクセル開度に対する実アクセル開度の増加量が更新用しきい値を超える毎に変速制御用アクセル開度を実アクセル開度に対応する値に更新することで目標入力軸回転速度をステップ状に増加させる。制御装置は、実入力軸回転速度が目標入力軸回転速度よりも高い第1状態である場合、実入力軸回転速度が目標入力軸回転速度である第2状態である場合よりも、更新用しきい値を大きい値にする。
好ましくは、制御装置は、第2状態である場合は更新用しきい値を予め定められた値に設定し、第1状態である場合は更新用しきい値を予め定められた値よりも大きい値にする。
好ましくは、制御装置は、第1状態である場合、実入力軸回転速度と目標入力軸回転速度との速度差が大きいほど、更新用しきい値を大きい値にする。
好ましくは、制御装置は、第1状態である場合、更新用しきい値を予め定められた値と速度差に応じた値との合計値に設定する。
好ましくは、制御装置は、第1状態である場合と第2状態である場合とで変速制御用アクセル開度の更新時の実入力軸回転速度の増加量が同じになるように、変速制御用アクセル開度および車速に基づいて更新用しきい値を設定する。
好ましくは、無段変速機は、下限変速比以上の変速比を形成可能に構成される。実入力軸回転速度は、下限変速比と無段変速機の実出力軸回転速度との積である下限回転速度以上に制限される。第1状態は、目標入力軸回転速度が下限回転速度未満の変速不可領域に含まれる状態であり、第2状態は、目標入力軸回転速度が下限回転速度以上の変速可能領域に含まれる状態である。
本発明によれば、無段変速機を備えた車両において、ハード上の制約などによって無段変速機の実入力軸回転速度が目標入力軸回転速度よりも高くなっている場合であっても、ステップ的な変速感をユーザに与えることができる。
車両の概略構成を示す図である。 ECUおよびECUに接続される機器類を示す制御ブロック図である。 ECUの機能ブロック図である。 実アクセル開度A、変速制御用アクセル開度Asft、目標入力軸回転数NINtagの波形を例示した図である。 更新用しきい値αを固定した場合(本発明を適用しない場合)の実NIN増加量を例示した図である。 更新用しきい値αを変動させる場合(本発明を適用した場合)の実NIN増加量を例示した図である。 ECUが更新用しきい値αを設定する際に用いるマップを示す図である。 ECUの処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態に係る車両1の概略構成を示す図である。この車両1は、エンジン200の動力を駆動輪800に伝達することによって走行する。エンジン200から駆動輪800までの動力伝達経路上には、ロックアップクラッチ308付のトルクコンバータ300、前後進クラッチ400、ベルト式の無段変速機500、減速歯車600、差動歯車装置700が備えられる。
エンジン200の出力は、トルクコンバータ300および前後進クラッチ400を介して無段変速機500に入力される。無段変速機500の出力は、減速歯車600および差動歯車装置700に伝達され、左右の駆動輪800へ分配される。なお、ベルト式の無段変速機500の代わりに、チェーン式やトロイダル式の無段変速機を用いてもよい。
トルクコンバータ300は、エンジン200のクランク軸に連結されたポンプ翼車302と、タービン軸304を介して前後進クラッチ400に連結されたタービン翼車306と、ポンプ翼車302およびタービン翼車306の間に設けられたロックアップクラッチ308とを含む。
ロックアップクラッチ308は、外部から供給される油圧に応じて係合または解放されるようになっている。ロックアップクラッチ308が係合されることにより、ポンプ翼車302およびタービン翼車306は一体的に回転する。ポンプ翼車302には、油圧を発生する機械式のオイルポンプ310が設けられている。
前後進クラッチ400は、トルクコンバータ300と無段変速機500との間に設けられた動力伝達用クラッチである。前後進クラッチ400は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。トルクコンバータ300のタービン軸304はサンギヤ402に連結されている。無段変速機500の入力軸502はキャリア404に連結されている。キャリア404とサンギヤ402とはフォワードクラッチ406を介して連結されている。リングギヤ408は、リバースブレーキ410を介してハウジングに固定される。フォワードクラッチ406およびリバースブレーキ410は外部から供給される油圧によって係合または解放される。
フォワードクラッチ406が係合されかつリバースブレーキ410が解放されると、前後進クラッチ400は、前進方向の駆動力を無段変速機500に伝達する前進動力伝達状態となる。フォワードクラッチ406が解放されかつリバースブレーキ410が係合されると、前後進クラッチ400は、後進方向の駆動力を無段変速機500に伝達する後進動力伝達状態となる。フォワードクラッチ406が解放されると、前後進クラッチ400は動力伝達を遮断するニュートラル状態になる。
無段変速機500は、入力軸502に設けられたプライマリプーリ504と、出力軸506に設けられたセカンダリプーリ508と、これらのプーリに巻き掛けられた伝動ベルト510とから構成される。各プーリと伝動ベルト510との間の摩擦力を利用して、動力伝達が行われる。
プライマリプーリ504の油圧シリンダの油圧が制御されることにより、各プーリの溝幅が変化する。これにより、伝動ベルト510の掛かり径が変更され、変速比γ(=入力軸回転数NIN/出力軸回転数NOUT)が連続的に変化させられる。
図2は、車両1の各機器を制御するECU(Electronic Control Unit)8000およびECU8000に接続される機器類を示す制御ブロック図である。
図2に示すように、ECU8000には、エンジン回転数センサ902、タービン回転数センサ904、車速センサ906、スロットル開度センサ908、冷却水温センサ910、油温センサ912、アクセル開度センサ914、フットブレーキスイッチ916、ポジションセンサ918、プライマリプーリ回転数センサ922およびセカンダリプーリ回転数センサ924が接続されている。
エンジン回転数センサ902は、エンジン200の回転速度(以下「エンジン回転数NE」という)を検出する。タービン回転数センサ904は、タービン軸304の回転速度(以下「タービン回転数NT」という)を検出する。車速センサ906は、車速Vを検出する。スロットル開度センサ908は、電子スロットルバルブの開度θ(TH)を検出する。冷却水温センサ910は、エンジン200の冷却水温T(W)を検出する。油温センサ912は、無段変速機500などの油温T(C)を検出する。アクセル開度センサ914は、アクセル開度(ユーザによるアクセルペダルの操作量)Aを検出する。フットブレーキスイッチ916は、フットブレーキの操作の有無を検出する。ポジションセンサ918は、ユーザによって操作されるシフトレバー920のポジションP(SH)を検出する。プライマリプーリ回転数センサ922は、プライマリプーリ504の回転速度(以下「入力軸回転数NIN」という)を検出する。セカンダリプーリ回転数センサ924は、セカンダリプーリ508の回転速度(以下「出力軸回転数NOUT」という)を検出する。前後進クラッチ400が前進動力伝達状態である場合、タービン回転数NTは入力軸回転数NINと一致する。車速Vは、出力軸回転数NOUTと対応した値になる。したがって、車両が停車状態にあり、かつフォワードクラッチ406が係合された状態では、タービン回転数NTは0となる。各センサは、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、電子スロットルバルブ1000、燃料噴射装置1100、点火装置1200などを制御することによって、エンジン200の出力を制御する。また、ECU8000は、油圧制御回路2000を制御することによってロックアップクラッチ308および前後進クラッチ400の係合制御、無段変速機500の変速制御などを実行する。
図3は、スロットル制御および変速制御に関する部分のECU8000の機能ブロック図である。図3に示した各機能ブロックは、ハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
ECU8000は、設定部8010と、スロットル制御部8011と、設定部8020,8021と、変速制御部8022とを含む。
設定部8010は、アクセル開度センサ914が検出したアクセル開度A(以下「実アクセル開度A」という)を用いて、スロットル制御に用いられるアクセル開度(以下「スロットル制御用アクセル開度Ath」という)を設定する。設定部8010は、実アクセル開度Aをそのままスロットル制御用アクセル開度Athに設定する。したがって、スロットル制御用アクセル開度Athは実アクセル開度Aと同じように変化する。
スロットル制御部8011は、電子スロットルバルブ1000の開度(以下「スロットル開度θ」という)がスロットル制御用アクセル開度Athに応じた開度になるように、電子スロットルバルブ1000を制御する。これにより、スロットル開度θは、ユーザによるアクセルペダル踏込量に応じて増加されることになる。
一方、設定部8020は、実アクセル開度Aを用いて、変速制御に用いられるアクセル開度(以下「変速制御用アクセル開度Asft」という)を設定する。すなわち、本実施の形態では、スロットル制御用アクセル開度Athと変速制御用アクセル開度Asftとが別々に設定される。そして、設定部8020は、実アクセル開度Aをそのまま変速制御用アクセル開度Asftに設定するのではなく、変速制御用アクセル開度Asftが更新される毎に不感帯(ヒステリシス)を持たせることで変速制御用アクセル開度Asftをステップ状に変化させる。より具体的には、設定部8020は、実アクセル開度Aと変速制御用アクセル開度Asftとの差分が更新用しきい値を超える毎に変速制御用アクセル開度Asftを実アクセル開度Aに対応する値に更新し、差分が更新用しきい値を超えていないときはたとえ実アクセル開度Aが増減しても変速制御用アクセル開度Asftを前回更新時の値に維持する。
設定部8021は、変速制御用アクセル開度Asftおよび出力軸回転数NOUTを用いて、入力軸回転数NINの目標値(以下「目標入力軸回転数NINtag」という)を設定する。設定部8021は、変速制御用アクセル開度Asftが大きいほど、目標入力軸回転数NINtagを大きい値に設定する。
図4は、実アクセル開度A、変速制御用アクセル開度Asft、目標入力軸回転数NINtagの波形を例示した図である。なお、図4には、車速V(出力軸回転数NOUT)が一定である場合が示されている。
図4を参照して、設定部8020による変速制御用アクセル開度Asftの設定手法を説明する。
時刻t0にて、変速制御用アクセル開度Asftが更新された場合を想定する。時刻t0以後、実アクセル開度Aは増加しているが、変速制御用アクセル開度Asftに対する実アクセル開度Aの増加量(=A−Asft)が増加時の更新用しきい値α(α>0)未満である間は変速制御用アクセル開度Asftが前回更時(時刻t0)の値に維持される。そして、実アクセル開度Aの増加量(=A−Asft)が増加時の更新用しきい値αに達した時刻t1にて、変速制御用アクセル開度Asftは更新用しきい値αだけステップ状に増加されて実アクセル開度Aに対応する値に更新される。変速制御用アクセル開度Asftが更新用しきい値αだけステップ状に増加されたことに応じて、目標入力軸回転数NINtagも更新用しきい値αに対応する量(以下「目標量Nα」という)だけステップ状に増加される。
時刻t1以降も同様に、変速制御用アクセル開度Asftは、実アクセル開度Aの増加量(=A−Asft)が更新用しきい値α未満である間は更新されず、実アクセル開度Aの増加量(=A−Asft)が更新用しきい値αに達した時刻t2にて更新用しきい値αだけステップ状に増加される。これに伴い、目標入力軸回転数NINtagも目標量Nαだけステップ状に増加される。
また、実アクセル開度Aが減少する場合も、基本的に同様の手法で変速制御用アクセル開度Asftはステップ状に減少される。具体的には、変速制御用アクセル開度Asftに対する実アクセル開度Aの減少量(=Asft−A)が減少時の更新用しきい値β(β>0)未満である間は変速制御用アクセル開度Asftが前回更時の値に維持され、実アクセル開度Aの減少量(=Asft−A)が更新用しきい値βに達すると変速制御用アクセル開度Asftが更新用しきい値βだけステップ状に減少される。図4に示す例では、時刻t2からしばらくの間は実アクセル開度Aが減少しているが、変速制御用アクセル開度Asftに対する実アクセル開度Aの減少量(=Asft−A)が減少時の更新用しきい値β未満であるため、変速制御用アクセル開度Asftは更新されていない。
このように、本実施の形態では、実アクセル開度Aの変化に対して、変速制御用アクセル開度Asftはステップ状に変化される。そのため、目標入力軸回転数NINtagもステップ状に変化される。その結果、実入力軸回転数NINおよび変速比γ(=NIN/NOUT)もステップ状に変化することになる。以下、このような変速制御を「ステップ変速制御」ともいい、ステップ変速制御によって目標入力軸回転数NINtagをステップ状に増加させるダウン変速を「ステップダウン変速」ともいう。ステップダウン変速を行なうことによって、無段変速機500を搭載する車両1においても、有段変速機のようなステップ的な変速感をユーザに与えることができる。
以上のような構成を有する車両1において、上述のステップダウン変速時には、変速制御用アクセル開度Asftが更新用しきい値αだけ増加されて目標入力軸回転数NINtagが目標量Nαだけ増加されるため、実入力軸回転数NINも目標量Nαだけ増加されることになる。しかしながら、仮に更新用しきい値αを固定値とすると、ハード上の制約によって、ステップダウン変速時の実入力軸回転数NINの増加量(以下、単に「実NIN増加量」ともいう)が目標量Nα未満となってしまう領域が生じる。
図5は、仮に更新用しきい値αを予め定められた値α1に固定した場合(本発明を適用しない場合)の実NIN増加量を例示した図である。図5において、横軸は出力軸回転数NOUT、縦軸は入力軸回転数NINである。したがって、変速比γ(=NIN/NOUT)は、原点を通る直線の傾きに相当する。また、実線矢印の長さが実NIN増加量に相当し、一点鎖線矢印の長さが変速制御用アクセル開度Asftの増加量(目標入力軸回転数NINtagの増加量)に相当する。
変速可能領域(変速比γの変動可能範囲)は、無段変速機500などのハード上の制約によって、下限変速比γminから上限変速比γmaxまでの範囲に制限される。そのため、実入力軸回転数NINは、下限変速比γminと出力軸回転数NOUTとの積(以下「下限入力軸回転数NINmin」ともいう)から、上限変速比γmaxと出力軸回転数NOUTとの積(以下「上限入力軸回転数NINmax」ともいう)までの範囲に制限される。したがって、下限入力軸回転数NINmin未満の領域(以下「ダウン変速不可領域」という)に目標入力軸回転数NINtagが含まれる場合は、実入力軸回転数NINは目標入力軸回転数NINtagにはならず下限入力軸回転数NINminとなる。なお、NINmin=γmin×NOUTであるため、NOUTが大きいほど(すなわち車速Vが高いほど)NINminは大きい値となる。
図5に示す例では、NINtag=N1かつNOUT=V1のときにステップダウン変速を行なう場合と、NINtag=N1かつNOUT=V3のときにステップダウン変速を行なう場合とが示されている。なお、図5において、N1、N2、N3(N1<N2<N3)は、それぞれ変速制御用アクセル開度AsftがA1、A2、A3(A1<A2<A3)のときの目標入力軸回転数NINtagに相当する値である。
NOUT=V1のときは、下限入力軸回転数NINminが低く、目標入力軸回転数NINtag(=N1)が変速可能領域に含まれているため、NIN=NINtagとなる。このような状態でステップダウン変速によって変速制御用アクセル開度AsftをA1からα1だけ増加させてA3にすると、目標入力軸回転数NINtagはN1からα1に対応する目標量Nα1だけ増加されてN3となる。これに伴い、実入力軸回転数NINもN1から目標量Nα1だけ増加されてN3となる。したがって、実NIN増加量を目標量Nα1とすることができる。
一方、NOUT=V3のときは、NINminがN2(>N1)となり、目標入力軸回転数NINtag(=N1)がダウン変速不可領域に含まれる。そのため、実入力軸回転数NINは下限入力軸回転数NINmin(=N2)となり、目標入力軸回転数NINtag(=N1)よりも高い値となる。このような状態でステップダウン変速によって変速制御用アクセル開度AsftをA1からα1だけ増加させてA3とすると、目標入力軸回転数NINtagはN1から目標量Nα1だけ増加されてN3(>NINmin)となる。これに伴い、実入力軸回転数NINもN3に増加されるが、ステップダウン変速前の実入力軸回転数NINがN1よりも高いN2であったため、実NIN増加量そのものは目標量Nα1未満(=N3−N2)となってしまう。すなわち、更新用しきい値αを予め定められた値α1に固定すると、ダウン変速不可領域において、実NIN増加量が目標量Nα1未満となり、ステップ的な変速感をユーザに与えることができなくなってしまう。
そこで、本実施の形態によるECU8000(設定部8020)は、実入力軸回転数NINが目標入力軸回転数NINtagである状態である場合(NINtagが変速可能領域に含まれる場合)は、更新用しきい値αを予め定められた値α1とし、実入力軸回転数NINが目標入力軸回転数NINtagよりも高い状態である場合(NINtagがダウン変速不可領域に含まれる場合)、更新用しきい値αを予め定められた値α1よりも大きい値にする機能を有する。この点が本実施の形態の最も特徴的な点である。
図6は、本実施の形態によるECU8000によって更新用しきい値αを変動させる場合(本発明を適用した場合)の実NIN増加量を例示した図である。図6においても、図5と同様、横軸は出力軸回転数NOUT、縦軸は入力軸回転数NINである。また、実線矢印の長さが実NIN増加量に相当し、一点鎖線矢印の長さが変速制御用アクセル開度Asftの増加量(目標入力軸回転数NINtagの増加量)に相当する。
NOUT=V1のときは、図5で説明した場合と同様、NINtag(=N1)が変速可能領域に含まれる。この場合、ECU8000は、更新用しきい値αを予め定められた値α1に設定する。これにより、実NIN増加量は目標量Nα1となる。
一方、NOUT=V3のときは、NINtag(=N1)がダウン変速不可領域に含まれる。ECU8000は、このような状態においても実NIN増加量が目標量Nα1相当となるように、更新用しきい値αを調整する。具体的には、ECU8000は、更新用しきい値αを予め定められた値α1よりも大きい値にする。より具体的には、ECU8000は、実入力軸回転数NINと目標入力軸回転数NINtagとの速度差ΔNが大きいほど、更新用しきい値αを大きい値にする。すなわち、ECU8000は、更新用しきい値αを、予め定められた値α1と速度差ΔNに対応する補正値Δαとの合計値に設定する。これにより、目標入力軸回転数NINtagはN1からNα1+ΔNだけ増加されてN4(>NINmin)となる。これに伴い、実入力軸回転数NINは、N2からNα1だけ増加されてN4となる。そのため、実NIN増加量を変速可能領域と同じ目標量Nα1とすることができる。その結果、目標入力軸回転数NINtagがダウン変速不可領域に含まれる場合であっても、ステップ的な変速感をユーザに与えることができる。
図7は、ECU8000が更新用しきい値αを設定する際に用いるマップを示す図である。ECU8000は、図7に示すようなマップを予め記憶している。このマップは、変速制御用アクセル開度Asft(目標入力軸回転数NINtagに対応する値)および車速V(出力軸回転数NOUTに対応する値)をパラメータとして更新用しきい値αをマップ化したものである。このマップに記憶される更新用しきい値αは、目標入力軸回転数NINtagが変速可能領域に含まれる場合もダウン変速不可領域に含まれる場合も実NIN増加量が同じ目標量Nα1となるように予め調整されている。ECU8000は、このマップを用いて、実際の変速制御用アクセル開度Asftおよび車速Vに対応する更新用しきい値αを設定する。なお、図7に例示したA1〜A4およびV1〜V3は、図6に示す値と対応している。したがって、図7に例示したA3−A1、A4−A2はいずれも「α1」に相当し、A4−A1は「α1+Δα」に相当する。
図8は、上述の機能を実現するためのECU8000の処理手順を示すフローチャートである。
S10にて、ECU8000は、図7に示すマップを用いて、実際の変速制御用アクセル開度Asftおよび車速Vに対応する更新用しきい値αを設定する。
S20にて、ECU8000は、S20にて、S10の処理で設定された更新用しきい値αを用いてステップダウン変速制御を行なう。すなわち、ECU8000は、変速制御用アクセル開度Asftに対する実アクセル開度Aの増加量が更新用しきい値αを超える毎に変速制御用アクセル開度Asftを実アクセル開度Aに対応する値に更新し、変速制御用アクセル開度Asftに対する実アクセル開度Aの増加量が更新用しきい値αを超えていないときはたとえ実アクセル開度Aが増加しても変速制御用アクセル開度Asftを前回更新時の値に維持する。
以上のように、本実施の形態によるECU8000は、実入力軸回転数NINが目標入力軸回転数NINtagよりも高い状態である場合、実入力軸回転数NINが目標入力軸回転数NINtagである状態である場合よりも、変速制御用アクセル開度Asftの更新用しきい値αを大きい値にする。そのため、ハード上の制約などによって実入力軸回転数NINが目標入力軸回転数NINtagよりも高くなっている場合(目標入力軸回転数NINtagがダウン変速不可領域に含まれる場合)であっても、実NIN増加量を確保してステップ的な変速感をユーザに与えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、200 エンジン、300 トルクコンバータ、302 ポンプ翼車、304 タービン軸、306 タービン翼車、308 ロックアップクラッチ、310 オイルポンプ、400 前後進クラッチ、402 サンギヤ、404 キャリア、406 フォワードクラッチ、408 リングギヤ、410 リバースブレーキ、500 無段変速機、502 入力軸、504 プライマリプーリ、506 出力軸、508 セカンダリプーリ、510 伝動ベルト、600 減速歯車、700 差動歯車装置、800 駆動輪、902 エンジン回転数センサ、904 タービン回転数センサ、906 車速センサ、908 スロットル開度センサ、910 冷却水温センサ、912 センサ、914 アクセル開度センサ、916 フットブレーキスイッチ、918 ポジションセンサ、920 シフトレバー、922 プライマリプーリ回転数センサ、924 セカンダリプーリ回転数センサ、1000 電子スロットルバルブ、1100 燃料噴射装置、1200 点火装置、2000 油圧制御回路、8000 ECU、8010,8020,8021 設定部、8011 スロットル制御部、8022 変速制御部。

Claims (6)

  1. エンジンと、
    駆動輪と、
    前記エンジンおよび前記駆動輪の間に設けられた無段変速機と、
    実アクセル開度を用いて変速制御用アクセル開度を設定し、前記変速制御用アクセル開度に応じて前記無段変速機の目標入力軸回転速度を設定し、前記無段変速機の実入力軸回転速度が前記目標入力軸回転速度になるように前記無段変速機を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記変速制御用アクセル開度が大きいほど前記目標入力軸回転速度を大きい値に設定し、
    前記制御装置は、前記変速制御用アクセル開度に対する前記実アクセル開度の増加量が更新用しきい値を超える毎に前記変速制御用アクセル開度を前記実アクセル開度に対応する値に更新することで前記目標入力軸回転速度をステップ状に増加させ、
    前記制御装置は、前記実入力軸回転速度が前記目標入力軸回転速度よりも高い第1状態である場合、前記実入力軸回転速度が前記目標入力軸回転速度である第2状態である場合よりも、前記更新用しきい値を大きい値にする、車両。
  2. 前記制御装置は、前記第2状態である場合は前記更新用しきい値を予め定められた値に設定し、前記第1状態である場合は前記更新用しきい値を前記予め定められた値よりも大きい値にする、請求項1に記載の車両。
  3. 前記制御装置は、前記第1状態である場合、前記実入力軸回転速度と前記目標入力軸回転速度との速度差が大きいほど、前記更新用しきい値を大きい値にする、請求項2に記載の車両。
  4. 前記制御装置は、前記第1状態である場合、前記更新用しきい値を前記予め定められた値と前記速度差に応じた値との合計値に設定する、請求項3に記載の車両。
  5. 前記制御装置は、前記第1状態である場合と前記第2状態である場合とで前記変速制御用アクセル開度の更新時の前記実入力軸回転速度の増加量が同じになるように、前記変速制御用アクセル開度および車速に基づいて前記更新用しきい値を設定する、請求項1に記載の車両。
  6. 前記無段変速機は、下限変速比以上の変速比を形成可能に構成され、
    前記実入力軸回転速度は、前記下限変速比と前記無段変速機の実出力軸回転速度との積である下限回転速度以上に制限され、
    前記第1状態は、前記目標入力軸回転速度が前記下限回転速度未満の変速不可領域に含まれる状態であり、
    前記第2状態は、前記目標入力軸回転速度が前記下限回転速度以上の変速可能領域に含まれる状態である、請求項1に記載の車両。
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