JP5787778B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、高圧ポンプに関する。
従来、燃料タンクから低圧ポンプで汲み上げた燃料を加圧し、内燃機関へ供給する高圧ポンプが知られている。高圧ポンプは、燃料入口から燃料室に供給された燃料を、プランジャの動作によって加圧室に吸入し、その加圧室で加圧した燃料を燃料出口から吐出する。
特許文献1に記載の高圧ポンプは、燃料室と加圧室とを連通する筒状の吸入弁ハウジングを備えている。吸入弁ハウジングの加圧室側には、吸入弁が着座および離座する吸入弁シート部が設けられている。プランジャが下降するとき、吸入弁ハウジングの吸入弁シート部から吸入弁が離座し、燃料室から吸入弁ハウジングの内側の流路を通り加圧室に燃料が吸入される。プランジャが上昇するとき、吸入弁シート部に吸入弁が着座し、燃料室と加圧室との燃料の流通が遮断され、加圧室の燃料が加圧される。
特許文献1では、吸入弁ハウジングの径外側に筒状の燃料フィルタが設けられている。この燃料フィルタにより、燃料室から吸入弁ハウジングの内側へ流れる燃料に含まれる異物が捕獲される。
特開平11−82225号公報
ところで、特許文献1の高圧ポンプは、製造工程において、吸入弁ハウジングに燃料フィルタを取り付けた後、その吸入弁ハウジングをシリンダに取り付けるものと考えられる。そうすると、吸入弁ハウジングをシリンダに取り付ける際、燃料フィルタがシリンダの内壁と接触し、破損することが懸念される。燃料フィルタが破損し、燃料室の燃料に含まれる異物が吸入弁シート部に侵入すると、吸入弁の着座安定性が悪化するおそれがある。この場合、加圧室の液密が確保されず、高圧ポンプの吐出効率が悪化することが懸念される。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、燃料に含まれる異物が吸入弁ハウジングに侵入することを抑制可能な高圧ポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の高圧ポンプは、プランジャ、シリンダ、燃料吐出部、ポンプケース、吸入弁ハウジング、吸入弁および燃料フィルタを備える。
プランジャを収容するシリンダは、プランジャの移動方向の一方に加圧室を有する。燃料吐出部は、加圧室で加圧された燃料を吐出する。ポンプケースは、燃料入口から燃料が供給される燃料室を有する。筒状の吸入弁ハウジングは、燃料室と加圧室とを連通する吸入通路を有する。吸入弁ハウジングに設けられた吸入弁シート部に吸入弁が着座または離座し、吸入通路を閉塞または開放する。燃料フィルタは、吸入弁ハウジングの内側の吸入通路に設けられ、燃料室と吸入弁シート部との間を流れる燃料に含まれる異物を捕集する。
また、吸入弁ハウジングとポンプケースとは溶接によって接合される。燃料フィルタは、吸入弁ハウジングとポンプケースとが接合された接合部よりも吸入弁シート部側に設けられる。接合部は、燃料室から加圧室へ向かう燃料が流れる流路に面し、燃料フィルタよりも上流側に位置する。
これにより、燃料フィルタは、燃料室の燃料に含まれる異物が吸入弁ハウジングに侵入することを抑制する。このため、吸入弁が吸入弁シート部に確実に着座し、加圧室の液密が確保される。したがって、高圧ポンプの吐出効率を向上することができる。
さらに、燃料フィルタは、吸入弁ハウジングの内側に設けられるので、吸入弁ハウジングを高圧ポンプに組み付けるとき、燃料フィルタの破損が防がれる。したがって、燃料フィルタは、燃料室の燃料に含まれる異物を確実に捕集する。
本発明の第1実施形態による高圧ポンプの断面図である。 図1のII−II線の断面図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの要部断面図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの燃料フィルタの断面図である。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの不良率と従来の高圧ポンプの不良率とを比較したグラフである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプを図1〜図5に示す。高圧ポンプ1は、燃料タンクから汲み上げた燃料を加圧し、内燃機関に供給するものである。以下、図1の上側を「上」、図1の下側を「下」として説明する。ただし、高圧ポンプ1の設置される方向を制限するものではない。
高圧ポンプ1は、図1および図2に示すように、プランジャ10、シリンダ本体11、上ボディ20および下ボディ21、ポンプケース60、燃料供給部30、燃料吐出部50および燃料フィルタ80などを備えている。
本実施形態におけるシリンダ本体11、上ボディ20および下ボディ21が、特許請求の範囲に記載の「シリンダ」に相当する。
プランジャ10は、中実円筒状に形成され、シリンダ本体11の内側に軸方向に往復移動可能に設けられている。プランジャ10は、大径部12と、この大径部12よりも外径が小さい小径部13とが一体に形成されている。大径部12は、シリンダ本体11の内壁を摺動する。小径部13は、大径部12の下側に形成される。
シリンダ本体11は、有底筒状に形成されている。シリンダ本体11の底側の内壁とプランジャ10の大径部12の外壁により加圧室110が形成される。シリンダ本体11は、加圧室110と燃料供給部30とを通じる吸入孔111、および加圧室110と燃料吐出部50とを通じる吐出孔112を有する。
下ボディ21は、シリンダ本体11の径方向外側に設けられ、シリンダ保持部211、エンジン取付部212、および嵌合部213を有する。
シリンダ保持部211は、筒状に形成され、シリンダ本体11の径外方向の外壁に当接している。エンジン取付部212は、シリンダ保持部211の下部から径外方向へ環状に延びている。このエンジン取付部212には、エンジンヘッドに高圧ポンプ1を取り付け可能な取付孔214が設けられている。嵌合部213は、エンジン取付部212から下方へ筒状に延びている。嵌合部213は、図示しないエンジンヘッドの高圧ポンプ取付穴に嵌合可能である。
嵌合部213の内側には、オイルシールホルダ14が設けられている。オイルシールホルダ14は、略筒状に形成され、嵌合部213の内壁に圧入される圧入部141、および小径部13の外周に位置する基部142を有する。
オイルシールホルダ14と小径部13との間にリング状のシール15が設けられている。シール15は、径内側のテフロンリング151(テフロンは登録商標)と、径外側のOリング152とから構成される。シール15により、プランジャ10の小径部周囲の燃料油膜の厚さが調整され、エンジンへの燃料のリークが抑制される。
また、オイルシールホルダ14は、先端にオイルシール153を有する。オイルシール153によって、プランジャ10の小径部周囲のオイル油膜の厚さが規制され、エンジンから高圧ポンプ内へのオイルのリークが抑制される。
プランジャストッパ16は、円盤状に形成され、シリンダ本体11の端部とシール15との間に設けられている。プランジャストッパ16は、中央の孔にプランジャ10の小径部13が挿通している。プランジャストッパ16は、中央の孔から径外方向に延びる複数の溝路161を有する。プランジャ10の大径部12と小径部13との段差面、小径部13の内壁、シリンダ本体11の内壁およびプランジャストッパ16に囲まれる円筒状の空間により、可変容積室が形成される。
プランジャスプリング17は、一端がプランジャ10の端部に設けられたスプリングシート18に係止され、他端がオイルシールホルダ14の圧入部141に係止されている。プランジャスプリング17は、プランジャ10の端部を図示しないタペットを介して図示しないカムシャフトに付勢する。これにより、カムシャフトのプロファイルに応じてプランジャ10は軸方向に往復移動する。プランジャ10の往復移動によって加圧室110の容積および可変容積室の容積が変化する。
上ボディ20は、略直方体状に形成され、下ボディ21の上側に設けられる。上ボディ20は、上下方向に通じるシリンダ挿入孔22を有する。上ボディ20は、シリンダ挿入孔22の内壁がシリンダ本体11の径外方向の外壁に圧入されている。
上ボディ20には、後述する燃料供給部30および燃料吐出部50が設けられる。
図3に示すように、燃料供給部30は、吸入弁ハウジング31、吸入弁33、第1スプリングホルダ34、第1スプリング35、ニードル49、第2スプリング38および電磁駆動部40などから構成される。
吸入弁ハウジング31は、略筒状に形成され、上ボディ20に形成された通路23の内壁にねじ231により取り付けられている。吸入弁ハウジング31は、内側に吸入通路311を有し、かつ、内壁と外壁とを径方向に通じる複数の燃料流通孔312を有する。吸入通路311は、吸入弁ハウジング31の燃料流通孔312を通じ、ポンプケース60の内側の燃料室63と連通している。
吸入弁ハウジング31は加圧室側に筒状のシート部材32を有している。シート部材32には、加圧室側に吸入弁シート部36が形成されている。
吸入弁33は、吸入弁シート部36の加圧室側に設けられ、シート部材32の吸入弁シート部36に着座および離座可能である。
第1スプリング35は、一端が吸入弁33の加圧室側に設けられた第1スプリングホルダ34に当接し、他端が吸入弁33に当接し、吸入弁33を閉弁方向(図1の左方向)へ付勢している。
吸入弁ハウジング31は、内側に筒状の第2スプリングホルダ37を有している。ニードル49は、その第2スプリングホルダ37の径内側の内壁と摺接し、第2スプリングホルダ37に往復移動可能に支持されている。ニードル49は、加圧室側の端部が吸入弁33に当接可能である。第2スプリングホルダ37の内側に設けられた第2スプリング38は、第1スプリング35が吸入弁33を閉弁方向に付勢する力よりも強い力で、ニードル49を開弁方向(図3の右方向)へ付勢している。
なお、本実施形態における吸入弁ハウジング31、シート部材32および第2スプリングホルダ37は特許請求の範囲に記載の「吸入弁ハウジング」に相当する。また、本実施形態における第2スプリングホルダ37が特許請求の範囲に記載の「ホルダ」に相当する。
燃料フィルタ80は、筒状に形成され、吸入弁ハウジング31の吸入通路311に設けられている。燃料フィルタ80は、燃料室63から吸入通路311へ流れる燃料に含まれる異物を捕集する。
図3および図4に示すように、燃料フィルタ80は、圧入部81、当接部82、支柱83、フィルタエレメント84を有する。
圧入部81は、筒状に形成され、金属から形成された環状部811と、その環状部811をモールドする樹脂部812から構成されている。環状部811は、吸入弁ハウジング31の内壁に液密に圧入されている。
当接部82は、筒状に形成され、圧入部81の軸方向の一方に設けられている。当接部82は、吸入弁ハウジング31の内側に設けられた第2スプリングホルダ37に液密に当接している。当接部82は、径内方向に環状に突出する凸部821を有する。当接部82は、凸部821によって径方向の剛性が高くなるので、フィルタエレメント84を流れる燃料の動圧によって第2スプリングホルダ37と当接部82との間に隙間が生じることが防がれる。
圧入部81と当接部82とを複数の支柱83が接続している。圧入部81の樹脂部812、当接部82および支柱83は、樹脂から一体で形成されている。フィルタエレメント84は、金属から形成された目の細かな網であり、圧入部81の樹脂部812、当接部82および支柱83によってモールドされている。
複数の支柱83およびフィルタエレメント84は、圧入部81の外周面よりも径内側に位置している。このため、複数の支柱83およびフィルタエレメント84と、吸入弁ハウジング31の内壁との間に環状の空間85が形成される。燃料流通孔312を通過した燃料は、吸入弁ハウジング31の内壁との間の空間85から、フィルタエレメント84を通り、吸入通路311へ流れる。
図1および図2に示すように、電磁駆動部40は、固定コア41、コイル42および可動コア43などを有する。
吸入弁ハウジング31の加圧室110と反対側に固定コア41が設けられている。固定コア41と吸入弁ハウジング31との間には、非磁性材料から形成された筒部材44が設けられている。筒部材44は、固定コア41と吸入弁ハウジング31との間の磁束の短絡を抑制する。
固定コア41の径方向外側に設けられたボビン45にコイル42が巻回されている。コイル42の外側を筒状のケース46およびフランジ47が覆っている。ケース46の径外方向にコネクタ48が延出している。コネクタ48の端子481を通じてコイル42に通電されると、コイル42は磁界を生じる。
固定コア41の加圧室側で、吸入弁ハウジング31の内側に略円筒状の可動コア43が往復移動可能に設けられている。可動コア43はニードル49に固定されている。
コイル42に通電していないとき、可動コア43と固定コア41とは、第2スプリング38の付勢力により互いに離れている。これにより、可動コア43と一体のニードル49が加圧室側へ移動し、ニードル49の端面が吸入弁33を押圧することで吸入弁33が開弁する。
コイル42に通電されると、固定コア41、可動コア43、フランジ47およびケース46によって形成される磁気回路に磁束が流れ、可動コア43が第2スプリング38の付勢力に抗し、固定コア41側に磁気吸引される。これにより、ニードル49は、吸入弁33に対する押圧力を解除する。
燃料吐出部50は、吐出弁ハウジング51、吐出弁ボディ52、吐出弁53、リリーフ弁54などから構成される。
吐出弁ハウジング51は、略筒状に形成され、上ボディ20に形成された通路25の内壁にねじ251により取り付けられている。吐出弁ハウジング51の内側に吐出弁ボディ52が設けられている。吐出弁ボディ52は、燃料出口55側に吐出弁シート部56を有している。
吐出弁53は、吐出弁ボディ52の燃料出口55側に設けられ、吐出弁シート部56に着座および離座可能である。吐出弁スプリング57は、吐出弁53を吐出弁シート部56に付勢している。
吐出弁ボディ52は、加圧室側にリリーフ弁シート部58を有する。リリーフ弁54は、リリーフ弁シート部58の加圧室側に設けられ、リリーフ弁シート部58に着座および離座可能である。リリーフ弁スプリング59は、リリーフ弁54をリリーフ弁シート部58に付勢している。リリーフ弁シート部58の内側に形成されたリリーフ通路521は燃料出口55と連通している。
ポンプケース60は、有底筒状に形成され、底部61およびこの底部61の外縁から一方に延びる筒部62を有する。筒部62は、下ボディ21に設けられた取付溝215に嵌め込まれ、レーザー溶接により液密に接合されている。ポンプケース60は、上ボディ20と下ボディ21を覆い、内側に燃料室63を形成する。燃料室63は、吸入弁ハウジング31の燃料流通孔312および吸入通路311を通じ、加圧室110に連通している。
図2に示すように、ポンプケース60は、筒部62の横断面が略八角形に形成され、吸入弁ハウジング31が挿通する第1挿通孔64、吐出弁ハウジング51が挿通する第2挿通孔65、および、燃料インレット66が挿通する第3挿通孔67を有する。燃料インレット66には、図示しない燃料タンクから図示しない低圧ポンプによって汲みあげられた燃料が供給される。燃料インレット66から燃料室63に燃料が供給される。
ポンプケース60の第1挿通孔64と吸入弁ハウジング31との接合部91、第2挿通孔65と吐出弁ハウジング51との接合部92、第3挿通孔67と燃料インレット66との接合部93は、レーザー溶接により液密に接合されている。
図1に示すように、パルセーションダンパ70は、上支持部材72および下支持部材73により、ポンプケース60の内側に設けられている。パルセーションダンパ70は、2枚のダイアフラムの周縁部が接合され、内側の密閉空間76に所定圧の気体が密封されている。パルセーションダンパ70は、2枚のダイアフラムが燃料室63の燃圧の変化に応じて弾性変形することで、燃料室63の燃圧脈動を低減する。
高圧ポンプ1の製造方法について説明する。
まず、シリンダ本体に下ボディ21、上ボディ20の順に圧入する。次にパルセーションダンパ70を上支持部材72および下支持部材73により、ポンプケース60の内側に設置する。
続いてポンプケース60を上ボディ20の上から被せ、下ボディ21の取付溝215に嵌め込む。
次に、吸入弁ハウジング31に第2スプリングホルダ37、ニードル49などを組み付ける。そして、燃料フィルタ80の圧入部81を吸入弁ハウジング31の内壁に圧入し、燃料フィルタ80の当接部82と第2スプリングホルダ37とを当接させる。
上ボディ20の通路23に、第1スプリングホルダ34、吸入弁33及びシート部材32を取り付けた状態で、ポンプケース60の外側から、上ボディ20のねじ231に吸入弁ハウジング31を螺合する。
続いて、ポンプケース60の外側から、上ボディ20に吐出弁ハウジング51、燃料インレット66を取り付ける。その後、吸入弁ハウジング31に電磁駆動部40を組み付け、シリンダ本体11にプランジャ10を組み付ける。
最終工程で、ポンプケース60の第1挿通孔64と吸入弁ハウジング31との接合部91、第2挿通孔65と吐出弁ハウジング51との接合部92、第3挿通孔67と燃料インレット66との接合部93、及び、ポンプケース60と下ボディ21の取付溝215とを、それぞれポンプケース60の外側からレーザー溶接によって液密に接合する。その後、ポンプ内部を洗浄して圧入バリおよび溶接スパッタを取り除き、高圧ポンプ1が完成する。
次に、高圧ポンプ1の作動について説明する。
(I)吸入行程
カムシャフトの回転によりプランジャ10が上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室110の容積が増加し、燃料が減圧される。燃料吐出部50の吐出弁53は、吐出弁シート部56に着座し燃料出口55を閉塞する。このとき、コイル42への通電は停止されているので、可動コア43およびニードル49は第2スプリング38の付勢力により加圧室側に移動する。その結果、ニードル49が吸入弁33を押圧し、吸入弁33が第1スプリングホルダ34に当接した状態で開弁状態が維持される。これにより、燃料室63から燃料流通孔312、吸入通路311および吸入孔111を経由して加圧室110に燃料が吸入される。
このとき、燃料室63の燃料に含まれる異物は、燃料フィルタ80によって捕集されるので、吸入通路311に異物が侵入することが抑制される。
なお、吸入工程では、プランジャ10の下降により、可変容積室の容積が減少する。したがって、可変容積室の燃料は、燃料室63へ送り出される。
(II)調量行程
カムシャフトの回転によりプランジャ10が下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室110の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル42への通電が停止され、吸入弁33は開弁状態となっている。このため、一度加圧室110に吸入された低圧燃料が吸入通路311および燃料流通孔312などを経由して燃料室63へ戻される。
調量行程では、プランジャ10の上昇により、可変容積室の容積が増加する。したがって、燃料室63の燃料は、可変容積室へ吸入される。
プランジャ10が上昇する途中の所定の時刻にコイル42への通電を開始することにより、固定コア41と可動コア43との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が第2スプリング38の付勢力から第1スプリング35の付勢力を引いた力より大きくなると、可動コア43およびニードル49が固定コア41側に移動し、吸入弁33に対するニードル49の押圧力が解除される。これにより、第1スプリング35の付勢力によって吸入弁33は吸入弁シート部36に着座し、開弁状態となる。
このとき、吸入通路311の燃料は燃料フィルタ80によって異物が除去されているので、吸入弁33は吸入弁シート部36に確実に着座する。
(III)加圧行程
吸入弁33が閉弁した後、加圧室110の燃圧は、プランジャ10の上昇と共に高くなる。加圧室側の燃圧が吐出弁53に作用する力が、燃料出口55側の燃圧が吐出弁53に作用する力と吐出弁スプリング57の付勢力との合力よりも大きくなると、吐出弁53は開弁する。これにより、加圧室110で加圧された燃料は燃料出口55から吐出される。
なお、加圧行程の途中でコイル42への通電が停止される。加圧室110の燃圧が吸入弁33に作用する力は、第2スプリング38の付勢力より大きいので、吸入弁33は閉弁状態を維持する。
このように、高圧ポンプ1は、吸入行程、調量行程および加圧行程を繰り返し、内燃機関に必要な量の燃料を加圧して吐出する。
本実施形態の高圧ポンプ1の不良率と従来の高圧ポンプの不良率とを図5に示す。
従来の高圧ポンプは、吸入弁ハウジング31の内側に燃料フィルタ80を備えていないものである。
従来の高圧ポンプを所定の個数製造した場合、ポンプ内部の異物が原因で吐出効率が一定の品質を満たさない製品の割合をAに示す。
一方、本実施形態の高圧ポンプ1を従来の高圧ポンプと同じ個数製造した場合、ポンプ内部の異物が原因で吐出効率が一定の品質を満たさない製品の割合をBに示す。本実施形態の高圧ポンプ1は、従来の高圧ポンプと比較して、不良率が小さくなっている。
本実施形態では、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、燃料フィルタ80が、吸入弁ハウジング31の内側の吸入通路311に設けられる。これにより、燃料室63の燃料に含まれる異物が吸入通路311に侵入することが抑制される。このため、吸入弁が吸入弁シート部36に確実に着座し、加圧室110の液密が確保される。また、ニードル49が第2スプリングホルダ37の内壁と摺接し、電磁駆動部40の通電に対する応答性が確保される。したがって、高圧ポンプ1の吐出効率を向上することができる。
また、燃料フィルタ80は、吸入弁ハウジング31の内側に設けられるので、吸入弁ハウジング31を高圧ポンプ1に組み付けるとき、燃料フィルタ80の破損が防がれる。したがって、燃料フィルタ80は、燃料室63の燃料に含まれる異物を確実に捕集する。
(2)本実施形態では、燃料フィルタ80は、吸入弁ハウジング31とポンプケース60とが溶接された接合部91よりも吸入弁シート部36側に設けられる。これにより、燃料フィルタ80は、接合部をレーザー溶接するときに生じるスパッター等の異物を捕集し、吸入弁シート部36に異物が侵入することを抑制することができる。
(3)本実施形態では、燃料フィルタ80は、金属製の環状部811によって吸入弁ハウジング31の内壁に確実に圧入される。これにより、燃料に含まれる異物が吸入弁ハウジング31の内壁と燃料フィルタ80との隙間を通り吸入弁シート部36に侵入することを抑制することができる。
(4)ところで、吸入弁ハウジング31の複数の燃料流通孔312に対応して複数個のフィルタエレメントを個別に設けると、取り付けのコストが増大することが懸念される。これに対して、本実施形態では、燃料フィルタ80は、フィルタエレメント84が複数の支柱83とともに筒状に形成される。このため、本実施形態の燃料フィルタ80は、吸入弁ハウジング31に容易に取り付けることができる。
(5)本実施形態では、燃料フィルタ80の複数の支柱83およびフィルタエレメント84と、吸入弁ハウジング31の内壁との間に環状の空間85が形成される。これにより、吸入弁ハウジング31と上ボディ20とを、ねじ231によって組み付けたとき、吸入弁ハウジング31がねじの回転方向のどこの位置で停止しても、燃料フィルタ80の支柱83によって燃料流通孔312が塞がれることがない。このため、燃料流通孔312とフィルタエレメント84との間を流れる燃料の圧力損失が低減される。したがって、高圧ポンプ1は燃料室63から加圧室110への燃料の吸入効率を高めることができる。
(6)燃料フィルタ80の圧入部は、金属から形成された環状部811、およびこの環状部の径内側で環状部811をモールドする樹脂部812から構成される。このため、燃料フィルタ80を吸入弁ハウジング31の内側に設けることで、樹脂部812が膨潤した場合にも、吸入弁ハウジング31の内壁と燃料フィルタ80の環状部811との間に隙間が生じることを防ぐことができる。したがって、燃料に含まれる異物が吸入弁ハウジング31の内壁と燃料フィルタ80の環状部811との間を通り吸入弁シート部36に侵入することが防がれる。
(7)本実施形態では、燃料フィルタ80は、当接部82が第2スプリングホルダ37に液密に当接する。これにより、燃料に含まれる異物が第2スプリングホルダ37と燃料フィルタ80の当接部82との間を通り吸入弁シート部36に侵入することが防がれる。
(8)さらに、当接部82は、径内方向に環状に突出する凸部821により剛性を高めている。このため、フィルタエレメント84を流れる燃料の動圧によって当接部82と第2スプリングホルダ37との間に隙間が生じることを防ぐことができる。
(9)本実施形態では、燃料フィルタ80の圧入部81を吸入弁ハウジング31の内壁に圧入するときに圧入バリが生じた場合、その圧入バリは、フィルタエレメントの径外側の空間85に位置する。このため、圧入バリが吸入通路311に侵入することを防ぐことができる。
(他の実施形態)
上述した実施形態では、シリンダ本体11と上ボディ20と下ボディ21とを別体で構成した。これに対し、本発明は、シリンダ本体と上ボディと下ボディとを一体で形成してもよい。
上述した実施形態では、燃料フィルタ80の圧入部81の樹脂部812、当接部82および支柱83を樹脂から形成した。これに対し、本発明は、燃料フィルタを金属から形成してもよい。
上述した実施形態では、燃料フィルタ80のフィルタエレメント84を金属の網から形成した。これに対し、本発明は、フィルタエレメントを不織布または樹脂などから形成してもよい。
このように本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10・・・プランジャ
11・・・シリンダ本体(シリンダ)
20・・・上ボディ(シリンダ)
21・・・下ボディ(シリンダ)
23・・・吸入通路
31・・・吸入弁ハウジング
33・・・吸入弁
36・・・吸入弁シート部
63・・・燃料室
80・・・燃料フィルタ

Claims (7)

  1. 往復移動可能なプランジャ(10)と、
    前記プランジャを収容し、前記プランジャの移動方向の一方に加圧室(110)を有するシリンダ(11、20、21)と、
    前記加圧室で加圧された燃料を吐出する燃料吐出部(50)と、
    燃料入口(2)から燃料が供給される燃料室(63)を有するポンプケース(60)と、
    前記燃料室と前記加圧室とを連通する吸入通路(311)を有する筒状の吸入弁ハウジング(31、32、37)と、
    前記吸入弁ハウジングに設けられた吸入弁シート部(36)に着座または離座し、前記吸入通路を閉塞または開放する吸入弁(33)と、
    前記吸入弁ハウジングの内側の前記吸入通路に設けられ、前記燃料室と前記吸入弁シート部との間を流れる燃料に含まれる異物を捕集する燃料フィルタ(80)と、を備え、
    前記吸入弁ハウジングと前記ポンプケースとは溶接によって接合され、
    前記燃料フィルタは、前記吸入弁ハウジングと前記ポンプケースとが接合された接合部(91)よりも前記吸入弁シート部側に設けられ、
    前記接合部は、前記燃料室から前記加圧室へ向かう燃料が流れる流路に面し、前記燃料フィルタよりも上流側に位置することを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記燃料フィルタは、
    前記吸入弁ハウジングの内壁に液密に圧入される筒状の圧入部(81)と、
    前記圧入部の軸方向の一方に設けられる筒状の当接部(82)と、
    前記圧入部と前記当接部とを接続する複数の支柱(83)と、
    前記圧入部と前記当接部との間に設けられたフィルタエレメント(84)とを有することを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記吸入弁ハウジングは、その内壁と外壁とを径方向に通じる燃料流通孔(312)を有し、
    前記フィルタエレメントは、前記燃料流通孔の径内側で、複数の前記支柱とともに筒状に形成されることを特徴とする請求項に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記圧入部は、複数の前記支柱および前記フィルタエレメントよりも径外方向に位置しており、
    複数の前記支柱および前記フィルタエレメントと前記吸入弁ハウジングの内壁との間に環状の空間(85)が形成されることを特徴とする請求項またはに記載の高圧ポンプ。
  5. 前記圧入部は、金属から形成された環状部(811)、およびこの環状部の径内側で環状部をモールドする樹脂部(812)を有することを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記吸入弁ハウジングは、内壁の径内側に設けられた環状のホルダ(37)を有し、
    前記燃料フィルタは、前記当接部が前記ホルダに液密に当接することを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  7. 前記当接部は、径内方向に環状に突出する凸部(821)を有することを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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