JP2018184350A - 毛髪処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】縮れ毛を緩和することができ、緩和した縮れ毛の毛流れが揃い、まとまりがよく、繰り返しシャンプーをしても毛髪処理後の毛髪形状をほぼ維持することができ、また、湿潤時の毛髪を柔らかくし、乾燥後の毛髪に自然な軽さと絡まりにくさを付与し、更には乾燥後の毛髪に対する形付け性を高めることができる毛髪処理方法の提供。【解決手段】以下の工程(i)〜(iii)を含む毛髪処理方法。工程(i):成分(A)を含有する第一の組成物を毛髪に適用する工程(A) 分子量が350以下であり、かつフェノール性水酸基を1以上4以下有する芳香族化合物又はその塩工程(ii):工程(i)の後、毛髪を15℃以上100℃以下で15秒以上60分以下放置する工程工程(iii):工程(ii)の後、成分(B)を含有する第二の組成物を毛髪に適用する工程(B) 分子量が300以下の芳香族スルホン酸又はその塩【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪処理方法に関する。
従来、縮れ毛を緩和したい場合、あるいは直毛化したい場合には、ストレートパーマ処理やリラクサー処理と呼ばれる処理を行うのが一般的である。ストレートパーマ処理では、毛髪内部のケラチンタンパク質が有するジスルフィド結合を、チオグリコール酸等の還元剤によって切断し、必要に応じて高温のヘアアイロン等も用いながら縮れ毛を強制的にストレート形状に変形した後、過酸化水素、臭素酸カリウム等の酸化剤で処理してジスルフィド結合を再度結合させている。また、リラクサー処理では、pH12〜14の強アルカリの毛髪処理剤によって、毛髪タンパク質のジスルフィド結合を切断しランチオニン結合に置換することで、強制的にストレート形状に変形・固定している。
しかし、これらの方法は強い化学反応や高温の熱を用いるため、毛髪に深刻なダメージを与える場合があることが知られている。このため、ストレートパーマ処理やリラクサー処理を行うことなく、非加熱で縮れ毛を矯正したり、毛髪のまとまりを与える方法が種々検討されている。
特許文献1では、ベンゼン環上にヒドロキシ基及びアミノ基から選ばれる2個の基を有するベンゼン誘導体と、没食子酸系配糖体を含有する毛髪変形組成物をくせ毛に塗布し、4時間放置すると、くせ毛を損傷させることなく矯正することができ、耐湿性にも優れることが開示されている。
特許文献2では、特定のカルボン酸、特定のスルホン酸及び有機溶剤を含有し、酸性を呈する組成物をくせ毛に塗布し、40℃で1時間加温することで、くせ毛を損傷させることなく簡便に直毛化することができ、湿度や洗髪によっても変形効果が失われることが無いことが開示されている。
一方、望ましいヘアスタイルに仕上げるためには、ヘアスタイリング剤(ワックス、ミスト、フォーム等)等の使用、つまり、毛髪内部の水素結合を切断・再結合させたり、毛髪同士を接着させたりすることが一般的である。しかし、この操作は煩雑である上に、形付けしやすくするという観点からは十分なものではなかった。このため、簡便な方法で毛髪の形付け性を高め、髪にまとまりと滑らかさを同時に与える方法が種々検討されており、例えば、特許文献3〜5には、ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸を含有する毛髪処理剤により毛髪の形づけ性を高める技術が記載されている。
特開2005-154348号公報 特開平8-92043号公報 特開2010-65022号公報 特開平6-305942号公報 特開平6-298625号公報
しかし、特許文献1及び2の方法では、縮れ毛が十分に緩和されない場合や、繰り返し洗髪することで縮れ毛が処理前の状態に戻ってしまう場合があり、特に、室温で短時間に処理するという簡便な方法を採用しようとした場合に効果が得られないという問題があった。
また、特許文献3〜5の技術での形付け性は、毛髪を水で濡れた状態で形付けし、乾燥後の形付けの持続性を観察することで評価されている。このことから、これらの技術における形付け性は、毛髪が水で濡れた状態から乾燥する際に起こる毛髪内部の水素結合の切断・再結合、すなわち、いわゆるウォーターセットによるものといえる。したがって、これらの技術は、毛髪処理剤によって処理した後、「乾燥後」の毛髪に対する形付け性を向上させるものではなかった。特に特許文献3に記載の技術は、寝癖がつきにくくする効果も有することから、乾燥後の毛髪に対する形付け性を下げる技術ということもできる。
また、ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸は、毛髪にハリやコシを与える化合物であることも知られている(例えば特開平05-229919号公報、特開平8-198732号公報等)。実際、特許文献2〜5の方法で毛髪を処理した場合、処理後の毛髪の柔らかさという点で不十分なものであった。また、特許文献1の方法で毛髪を処理した場合も、処理後の毛髪の柔らかさという点で不十分なものであった。更に、コーカシアン毛等の細い毛髪に特許文献1〜5に記載の処理を行った場合、毛髪が絡まりやすく、髪が取り扱いにくいという問題があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、縮れ毛を緩和することができ、緩和した縮れ毛の毛流れが揃い、まとまりがよく、繰り返しシャンプーをしても毛髪処理後の毛髪形状をほぼ維持することができる毛髪処理方法に関する。また、本発明の毛髪処理方法は、湿潤時の毛髪を柔らかくし、乾燥後の毛髪に自然な軽さと絡まりにくさを付与し、更には乾燥後の毛髪に対する形付け性を高めることができる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のフェノール性化合物と芳香族スルホン酸によって毛髪を所定の順番で処理することで、毛髪処理時間が短い場合であっても縮れ毛緩和効果が劇的に改善し、毛流れが揃い、かつ繰り返し洗髪しても緩和効果がほとんど変わらないことを見いだした。更に驚くべきことに、所定の順番で毛髪を処理すると、手触りが軽いだけでなく、処理後の毛髪が絡まりにくく、かつ、湿潤時の毛髪の感触が柔らかくなり、その結果乾燥過程における整髪が容易になり、更には乾燥した状態の毛髪にも形付け性を付与することができることを見いだし、発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の工程(i)〜(iii)を含む毛髪処理方法を提供するものである。
工程(i):以下の成分(A)を含有する第一の組成物を毛髪に適用する工程
(A) 分子量が350以下であり、かつフェノール性水酸基を1以上4以下有する芳香族化合物又はその塩
工程(ii):工程(i)の後、毛髪を15℃以上100℃以下で15秒以上60分以下放置する工程
工程(iii):工程(ii)の後、以下の成分(B)を含有する第二の組成物を毛髪に適用する工程
(B) 分子量が300以下の芳香族スルホン酸又はその塩
本発明の毛髪処理方法は、縮れ毛を緩和することができ、緩和した縮れ毛の毛流れが揃い、まとまりがよく、繰り返しシャンプーをしても毛髪処理後の毛髪形状をほぼ維持することができる。更に、処理後の湿潤時の毛髪を柔らかくし、乾燥時においても自然な軽さがあり、絡まりにくく、更には乾燥後の毛髪に対する形付け性を高めることができる。
●第一の組成物
〔成分(A):フェノール性水酸基を有する芳香族化合物又はその塩〕
工程(i)で使用する第一の組成物は、成分(A)として分子量が350以下であり、かつフェノール性水酸基を1以上4以下有する芳香族化合物又はその塩を含有する。
このような芳香族化合物としては、無機性値が100以上500以下でかつ有機性値が120以上300以下であるものが好ましい。なお、成分(A)における無機性値及び有機性値とは、塩でない芳香族化合物についての無機性値及び有機性値をいう。すなわち、成分(A)が芳香族化合物の塩の場合には、塩を形成していない芳香族化合物についての無機性値及び有機性値を意味する。縮れ毛の緩和効果の強さ、処理後の毛髪の柔らかさ、毛髪の絡まりにくさ及び形付けしやすさの観点から、無機性値は、好ましくは115以上、より好ましくは135以上、更に好ましくは165以上であり、かつ、好ましくは495以下、より好ましくは315以下、更に好ましくは230以下である。また、同様の観点から、有機性値は、好ましくは140以上であって、かつ、好ましくは280以下、より好ましくは270以下、更に好ましくは230以下、更に好ましくは200以下である。
具体的には、3,4-メチレンジオキシフェノール(慣用名:セサモール、無機性値:165、有機性値:140)、レゾルシン(無機性値:215、有機性値:120)、4-n-ブチルレゾルシノール(慣用名:ルシノール、無機性値:215、有機性値:200)、4-(1-フェニルエチル)レゾルシン(慣用名:シムホワイト377、無機性値:230、有機性値:270)、o-ヒドロキシベンジルアルコール(無機性値:215、有機性値:140)、アセトアミノフェン(無機性値:315、有機性値:160)、2-ナフトール(無機性値:160、有機性値:200)、o-メトキシフェノール(無機性値:135、有機性値:140)、オキシベンゾン-3(無機性値:215、有機性値:280)、オキシベンゾン-1(無機性値:295、有機性値:260)、フロログルシノール(無機性値:315、有機性値:120)、p-ヒドロキシ安息香酸(無機性値:265、有機性値:140)、イソプロピルメチルフェノール(無機性値:115、有機性値:190)、オキシベンゾン-6(無機性値:335、有機性値:300)、没食子酸(無機性値:465、有機性値:140)、オキシベンゾン-2(無機性値:495、有機性値:260)、フェノール(無機性値:115、有機性値:120)が挙げられる。これらのなかでも3,4-メチレンジオキシフェノール、レゾルシン、4-n-ブチルレゾルシノール、4-(1-フェニルエチル)レゾルシン、o-ヒドロキシベンジルアルコール、アセトアミノフェン、2-ナフトール、o-メトキシフェノール、オキシベンゾン-3、オキシベンゾン-1、フロログルシノール、p-ヒドロキシ安息香酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、3,4-メチレンジオキシフェノール、レゾルシン、4-n-ブチルレゾルシノール、4-(1-フェニルエチル)レゾルシン、o-ヒドロキシベンジルアルコールから選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
第一の組成物中における成分(A)の含有量は、くせ緩和効果、耐洗髪性、処理後の毛髪の絡まりにくさ、形付けしやすさの観点より、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、また、くせ緩和効果と毛髪処理後の柔らかさの両立の観点から、好ましくは12質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。
〔成分(C):増粘剤〕
工程(i)で用いる第一の組成物は、縮れ毛をより強く緩和する観点及び毛髪の柔らかさ、絡まりにくさを向上させる観点から、更に成分(C)として増粘剤を含有することが好ましい。増粘剤としては、アニオン性増粘剤、カチオン性増粘剤、ノニオン性増粘剤等が挙げられる。
アニオン性増粘剤の具体例としては、ポリアクリル酸(例えば、Noveon社:カーボポール941、同981)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(例えば、Noveon社:カーボポールETD2020)、低級アルキルビニルエ―テル/無水マレイン酸共重合体の末端不飽和ジエン化合物による部分架橋ポリマーの加水分解物又はそのモノアルキルエステル(ASHLAND社:スタビリーゼ06、同QM)、カラギーナン(例えば、三菱レーヨン社:ソアギーナLX22、同ML210)、キサンタンガム(例えば、大日本住友製薬社:エコーガムT)、ウェランガム(例えば、三晶社:K1C376、K1A96)、ヒドロキシプロピルキサンタンガム(例えば、大日本住友製薬社:ラボールガムEX)、テアロキシPGヒドロキシエチルセルローススルホン酸ナトリウム、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(例えば、セピック社:シマルゲルNS,セピノブEMT10)等が挙げられる。
カチオン性増粘剤としては、天然又は半合成のカチオン性多糖類、ポリマー鎖の側鎖にアミノ基若しくはアンモニウム基を含むか、又はジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む合成系ポリマー等が挙げられる。
カチオン性多糖類の具体例としては、カチオン化セルロース誘導体(例えば、ライオン社:レオガードG、同GP,ダウケミカル社:ユーケア ポリマーJR-125、同JR-400、同JR-30M、同LR-400、同LR-30M,アクゾノーベル社:セルコートH-100、同L-200)、カチオン化グアーガム誘導体(例えば、ソルベイ社:ジャガーC-13S、同C-17,DSP五協フード&ケミカル社:ラボールガムCG-M、同CG-M7、同CG-M8M)、ヒドロキシプロピルキトサン(例えば、一丸ファルコス社:キトフィルマーHV-10)、キトサン・dl-ピロリドンカルボン酸塩(例えば、ユニオン・カーバイド社:カイトマーPC)等が挙げられる。
ポリマー鎖の側鎖にアミノ基又はアンモニウム基を含む合成系カチオン性ポリマーとしては、トリアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、トリアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、ビニルアミン等を構成単位として含む合成系カチオン性ポリマーが挙げられ、具体例としては、メタクリロイルオキシエチレントリモニウムクロリドの重合体(INCI名:ポリクオタニウム-37、例えばBASF社:コスメディア ウルトラジェル300、SALCARE SC95、Sigma 3V社:Synthalen CR)、(アクリル酸/アクリル酸メチル/3-メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-47、例えばルーブリゾール社:マーコート2201)、(アクリル酸/アクリルアミド/メチルメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-53、例えばルーブリゾール社:マーコート2003)、(ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸エチルトリモニウムクロリド)コポリマー(例えば、BASF社:Tinobis CD)、(ビニルアミン/ビニルアルコール)コポリマー(例えば、積水スペシャリティケミカル社:SEVOL ULTALUX AD、三菱化学社:Diafix C-601)等が挙げられる。
ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む合成系カチオン性ポリマーの具体例としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの重合体(INCI名:ポリクオタニウム-6、例えばルーブリゾール社:マーコート100)、(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド/アクリルアミド)コポリマー(INCIポリクオタニウム-7、例えばルーブリゾール社:マーコート550、同740)、(アクリル酸/ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-22、例えばルーブリゾール社:マーコート280、同295)、(アクリルアミド/アクリル酸/ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)コポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-39、例えばルーブリゾール社:マーコートプラス3330、同3331)等が挙げられる。
ノニオン性の増粘ポリマーとしては、天然又は半合成のノニオン性多糖類、ビニルアルコール又はオキシアルキレンを構成単位として含む合成系ノニオン性ポリマー等が挙げられる。
天然又は半合成のノニオン性多糖類の具体例としては、デンプン、グアーガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン等の水溶性天然多糖類、及びセルロース、デンプン、グアーガム、ローカストビーンガム等にアルキレンオキサイドを反応させてなる水溶性ヒドロキシアルキル化多糖類等が挙げられる。具体例としては、グアーガム(例えば、DSP五協フード&ケミカル:ファイバロンS)、プルラン(例えば、林原社:プルランPI-20)等が挙げられる。ヒドロキシエチルセルロース(例えば、ダイセルファインケム社:SE-850,ダウケミカル社:セロサイズHEC QP-52000-H)、メチルヒドロキシエチルセルロース(アクゾノーベル社:STRUCTURE CELL 12000M)、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、日本曹達社:HPC-H、同HPC-M、同HPC-L)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、信越化学工業社:メトローズ60SH-10000)等が挙げられる。
ビニルアルコール又はオキシアルキレンを構成単位として含む合成系ノニオン性増粘ポリマーの具体例としては、ポリビニルアルコール(例えば、日本合成化学社:ゴーセノールEG-40、同GH-05、同KH-20、同NH-26)、高重合度ポリエチレングリコール(例えばダウケミカル社:ポリオックスWSR N-60K、同WSR301、WSR303)、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー(例えば、ADEKA社:アデカノールGT-700)等が挙げられる。
これらの増粘剤のうち、塗布後の水分揮散速度を抑制し、毛髪内への成分(A)の浸透を促進して縮れ毛の緩和効果を十分に発揮する観点、並びに毛髪の柔らかさ及び形付けしやすさを向上させる観点から、天然又は半合成の多糖類が好ましく、キサンタンガム、ヒドロキシキサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロースから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、キサンタンガム、ヒドロキシキサンタンガムから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
増粘剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第一の組成物中における成分(C)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上であり、かつ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であり、更に好ましくは2質量%以下である。
〔成分(D):有機溶剤〕
第一の組成物には、更に成分(D)として、以下の一般式(D-1)で表される有機溶剤を含有してもよい。
2−(OCH2CH2)q−R3 (D-1)
〔式中、R2は水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R3は水素原子又は水酸基を示し、qは0以上5以下の整数を示す。ただし、qが0である場合にはR2及びR3は同時に水素原子とはならず、qが0でない場合において、R2が水素原子である場合R3は水素原子、R2がアルキル基である場合R3は水酸基である。〕
このような成分(D)としては、炭素数1以上4以下の1価のアルコール、R2が炭素数1以上5以下の直鎖又は分岐のアルキルでqが1以上5以下の整数であるエチレングリコールモノアルキルエーテルが挙げられる。具体的にはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。これらのうち、組成物の均一性及び安定性にとって望ましい親疎水性を獲得し、かつ組成物中に含まれる成分(A)の毛髪内への浸透を促進する観点から、エタノール、プロパノール、イソプロパノールから選ばれる少なくとも1種が好ましく、エタノールがより好ましい。
これらの有機溶剤は、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第一の組成物中における成分(D)の含有量は、組成物の均一性及び安定性にとって望ましい親疎水性を獲得し、かつ組成物中に含まれる成分(A)の毛髪内への浸透を促進する観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
〔成分(E):芳香族アルコール〕
第一の組成物は、縮れ毛の緩和効果の強さと、毛髪の絡まりにくさを両立する観点から、更に成分(E)として芳香族アルコールを含有することができる。このような芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p-アニシルアルコール、p-メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール等が挙げられる。これらのうち、芳香族スルホン酸との相溶性の観点から、ベンジルアルコール、2-ベンジルオキシエタノールから選ばれる少なくとも1種が好ましく、ベンジルアルコールがより好ましい。
これらの芳香族アルコールは、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第一の組成物中における成分(E)の含有量は、毛髪のくせ緩和効果及び毛髪の絡まりにくさを向上する観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、かつ、同様の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
〔溶媒〕
第一の組成物は、成分(A)を十分に毛髪内部に浸透させる観点から、水を溶媒とすることが好ましい。
〔第一の組成物における条件〕
第一の組成物には、後述の工程(iii)で用いる第二の組成物に含まれる成分(B)の芳香族スルホン酸又はその塩を含まないこと、すなわち含有量が0質量%であることが好ましい。また前記組成物に成分(B)を含む場合(例えば組成物中の0.0001質量%以上)であっても、前記組成物中における成分(B)の含有量は、好ましくは3質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満である。
また、第一の組成物には、更に界面活性剤を含有させることもできる。しかし、縮れ毛の緩和効果を十分に発揮することと上記組成物が均一な製剤であることを両立する観点から、上記組成物中における界面活性剤の含有量は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下であり、更に好ましくは0.01質量%以下、更に好ましくは0質量%である。
第一の組成物のpHは、工程(iii)で毛髪に適用される成分(B)の芳香族スルホン酸又はその塩の毛髪内への浸透を促進する観点、及び縮れ毛をより一層緩和する観点、並びに毛髪の柔らかさ及び形付けしやすさを向上させる観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上であり、また好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは7以下である。縮れ毛の緩和効果を十分に発揮しつつ、毛髪や頭皮へのダメージをより一層低減する観点、及び上記組成物を毛髪に塗布する際の感触を良好にし、組成物を毛髪に塗りやすくする観点からは、上記組成物のpHは前記範囲の中でも、5超がより好ましく、6以上が更に好ましい。一方、縮れ毛をより一層緩和する観点からは、上記組成物は酸性が好ましい。この縮れ毛の緩和効果を優先的に考慮した場合には、上記組成物のpHは、好ましくは7以下、より好ましくは5以下であり、また、好ましくは2以上、より好ましくは3以上である。なお、第一の組成物のpHは、イオン交換水で10倍希釈したものを、25℃の温度条件下においてpHメーターで測定した値とする。
●第二の組成物
〔成分(B):分子量300以下の芳香族スルホン酸又はその塩〕
工程(iii)で使用する第二の組成物は、成分(B)として分子量300以下の芳香族スルホン酸又はその塩を含有する。成分(B)の芳香族スルホン酸又はその塩としては、例えばナフタレンスルホン酸類、アズレンスルホン酸類、ベンゾフェノンスルホン酸類、ベンゼンスルホン酸類等が挙げられる。
ナフタレンスルホン酸類としては、例えば下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018184350
〔式中、A1〜A8のうち1以上はスルホ基又はその塩を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アルキル基、アルケニル基、低級アルコキシ基、ホルミル基、アシル基、置換基を有していてもよいフェニルアゾ基又は−N(R')(R'')(R'及びR''は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基、フェニル基、ベンジル基又はアシル基)を示す。〕
このナフタレンスルホン酸類の具体例としては、1-又は2-ナフタレンスルホン酸(α-又はβ-ナフタレンスルホン酸)、2,7-ナフタレンジスルホン酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸、2,6-ナフタレンジスルホン酸、1-ナフトール-2-スルホン酸、1-ナフトール-4-スルホン酸、2-ナフトール-6-スルホン酸、2-ナフトール-7-スルホン酸、、2,3-ジヒドロキシナフタレン-6-スルホン酸、1,7-ジヒドロキシナフタレン-3-スルホン酸、クロモトロープ酸(4,5-ジヒドロキシナフタレン-2,7-ジスルホン酸)、3,6-ジヒドロキシナフタレン-2,7-ジスルホン酸、S酸(1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸)、ガンマ酸(2-アミノ-8-ナフトール-6-スルホン酸)、J酸(2-アミノ-5-ナフトール-7-スルホン酸)、、1-アミノ-2-ナフトール-4-スルホン酸、1-ナフチルアミン-4-スルホン酸、ブロエナーズ酸(2-ナフチルアミン-6-スルホン酸)、クレーブズ酸(1-ナフチルアミン-7-スルホン酸)、2-ナフチルアミン-1-スルホン酸、1-ナフチルアミン-6-スルホン酸、1-ナフチルアミン-8-スルホン酸、、2,7-ジアミノ-1-ナフトール-3-スルホン酸、7,8-ジアミノ-1-ナフトール-3-スルホン酸、分子量300以下のナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、6-メチル-2-ナフタレンスルホン酸、4-エチル-1-ナフタレンスルホン酸、5-イソプロピル-1-ナフタレンスルホン酸、5-ブチル-2-ナフタレンスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
アズレンスルホン酸類の具体例としては、例えばグアイアズレンスルホン酸、1-アズレンスルホン酸、3-アセチル-7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、3-(2-ヒドロキシエチル)-7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、3-メチル-7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、7-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、3-フェニル-6-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、1,4-ジメチル-7-イソプロピル-2-アズレンスルホン酸、4-エトキシ-3-エチル-6-イソプロピル-1-アズレンスルホン酸、1,3-アズレンジスルホン酸、4,6,8-トリメチル-1,3-アズレンジスルホン酸、3-ホルミル-4,6,8-トリメチル-1-アズレンスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
ベンゾフェノンスルホン酸類としては、例えば下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018184350
〔式中、A11〜A20のうち1以上はスルホ基又はその塩を示し、残余は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基又はアシル基を示す。〕
このベンゾフェノンスルホン酸類の具体例としては、オキシベンゼンスルホン酸、、o-クロロベンゾフェノンスルホン酸、p-クロロベンゾフェノンスルホン酸、2-ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、4-ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、2-アミノベンゾフェノンスルホン酸、4-アミノベンゾフェノンスルホン酸、2-メチルベンゾフェノンスルホン酸、4-メトキシベンゾフェノンスルホン酸、4,4'-ジメチルベンゾフェノンスルホン酸、4,4'-ジメトキシベンゾフェノンスルホン酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
ベンゼンスルホン酸類としては、例えば下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018184350
〔式中、A21〜A26のうち1以上はスルホ基又はその塩を示し、残余は水素原子、低級アルキル基を示す。〕
ベンゼンスルホン酸類の具体例としては、ベンゼンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
以上の芳香族スルホン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩(NH4+)、有機アンモニウム塩等が挙げられる。
成分(B)の芳香族スルホン酸又はその塩としては、縮れ毛を一層強く緩和し、かつ柔らかい感触を与え、毛髪を絡まりにくくする観点から、一般式(1)で表されるナフタレンスルホン酸類、一般式(2)で表されるベンゾフェノンスルホン酸類、一般式(3)で表されるベンゼンスルホン酸類から選ばれる少なくとも1種が好ましく、更には2-ナフタレンスルホン酸(β-ナフタレンスルホン酸)、1-ナフタレンスルホン酸(α-ナフタレンスルホン酸)、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸(オキシベンゾン-5)及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。なかでも、上記観点から、1-又は2-ナフタレンスルホン酸(α-又はβ-ナフタレンスルホン酸)又はその塩が更に好ましい。
これらの芳香族スルホン酸又はその塩は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第二の組成物中における成分(B)の含有量は、縮れ毛緩和効果、縮れ毛緩和効果の耐洗髪性及び毛髪処理後の手触りの軽さを向上させる観点から、好ましくは質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、更に好ましくは6質量%以上であり、かつ、毛髪処理後の手触りの軽さ及び毛髪の絡まりにくさを向上させる観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
〔成分(C):増粘剤〕
第二の組成物は、縮れ毛をより強く緩和する観点、並びに毛髪の柔らかさ及び形付けしやすさを向上させる観点から、更に前述の成分(C)の増粘剤を含有することが好ましい。増粘剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第二の組成物中における成分(C)の含有量は、毛髪内への成分(B)の浸透を促進して縮れ毛の緩和効果を十分に発揮する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、かつ、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
〔成分(E):芳香族アルコール〕
第二の組成物は、縮れ毛の緩和効果の強さと、毛髪の絡まりにくさを両立する観点から、更に前述の成分(E)の芳香族アルコールを含有することができる。芳香族アルコールは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第二の組成物中における成分(E)の含有量は、毛髪のくせ緩和効果及び毛髪の絡まりにくさを向上好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、かつ、同様の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
第二の組成物において、成分(E)に対する成分(B)の質量比(B)/(E)は、縮れ毛緩和効果を顕著にする観点から、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.30以上、更に好ましくは0.35以上、更に好ましくは0.5以上であり、かつ、同様の観点から、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.3以下、更に好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.8以下である。
〔成分(D):有機溶剤〕
第二の組成物には、更に成分(D)として、前述の一般式(D-1)で表される有機溶剤を含有してもよいが、縮れ毛の緩和効果を十分に発揮する観点から、第二の組成物中の成分(D)の含有量は少ない方が好ましく、1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、成分(D)を含有しないこと、すなわち含有量が0質量%であることが更に好ましい。成分(D)が系中に多く共存すると、成分(B)芳香族スルホン酸と成分(E)芳香族アルコールとの相互作用により向上した縮れ毛の緩和効果を損なう場合があるので、これを阻害しない濃度範囲に抑制することが好ましい。具体的には、成分(D)は、成分(B)と成分(E)の合計に対する成分(D)の質量比(D)/[(B)+(E)]が好ましくは0.3以下となる範囲で含有することができる。質量比(D)/[(B)+(E)]は、より好ましくは0.2以下、更に好ましくは0.1以下である。更には、質量比(D)/[(B)+(E)]が0であること、すなわち成分(D)を含まないことが好ましい。
また、第二の組成物中における成分(D)の含有量は、上記と同様の観点より、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0質量%である。
〔成分(F):多価アルコール〕
第二の組成物には、更に成分(F)として多価アルコールを含有させることができる。多価アルコールとしては、炭素数2〜20のもの、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール類;グリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類;キシリット、マンニット、ガラクチット、ソルビット等の糖アルコール類;その他トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらの中でも、縮れ毛緩和効果及び毛髪処理後の毛髪の感触向上の観点、並びに毛髪の柔らかさ、絡まりにくさ及び形付けしやすさを向上させる観点から、アルキレングリコール類が好ましく、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの多価アルコールは、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。第二の組成物中における成分(F)の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは22質量%以下である。
〔その他の成分〕
第二の組成物は、縮れ毛緩和効果をより顕著にする観点から、更にグリシルグリシン誘導体、高分子界面活性剤を含有することもできる。グリシルグリシン誘導体としては、グリシルグリシン、グリシルグリシルグリシン等又はその塩が好ましく、高分子界面活性剤としては、ポリシリコーン-9のようなオキサゾリン変性シリコーンや、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン型界面活性剤が好ましい。
〔溶媒〕
第二の組成物も、成分(B)を毛髪内部に十分に浸透させる観点から、水を溶媒とすることが好ましい。
〔pH〕
第二の組成物のpHは、毛髪化粧料として一般的に使用できる範囲であればどのような範囲でもよいが、毛髪や頭皮へのダメージを与えない観点から、pH3以上10以下であることが好ましく、3.5以上8以下であることがより好ましい。縮れ毛の緩和効果を十分に発揮しつつ、第二の組成物を毛髪に塗布する際の感触を良好にし、組成物を毛髪に塗りやすくする観点からは、第二の組成物のpHは3以上8以下がより好ましい。なお、第二の組成物のpHは、イオン交換水で10倍希釈したものを、25℃の温度条件下においてpHメーターで測定した値とする。
第一及び第二の組成物のいずれも、毛髪への化学的ダメージを抑制する観点から、更に毛髪還元剤を実質的に含有しないことが好ましい。本発明は、毛髪内の蛋白質のS−S結合の切断によらず毛髪の変形を可能とした点に特徴があり、還元剤を用いて毛髪内の蛋白質のS−S結合を切断することで毛髪を変形させるパーマ剤とは全く異なる技術である。毛髪還元剤としては、チオグリコール酸、ジチオグリコール酸、システイン、アセチルシステイン等のチオール、亜硫酸水素及びその塩が挙げられる。
なお、本発明において、「実質的に含有しない」とは、組成物中における対象化合物の含有量が、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満であることをいい、更に好ましくは、組成物中に対象化合物を含有しないことをいう。
●毛髪処理方法
本発明の毛髪処理は、以下の工程(i)〜(iii)を含む毛髪処理方法により行うことができる。
工程(i):成分(A)を含有する第一の組成物を毛髪に適用する工程
工程(ii):工程(i)の後、毛髪を15℃以上100℃以下で15秒以上60分以下放置する工程
工程(iii):工程(ii)の後、成分(B)を含有する第二の組成物を毛髪に適用する工程
工程(i)の前に、毛髪損傷を防止する観点から、手や、くし、ブラシ等の道具を用いて毛髪の絡まりを解くことが好ましい。また、工程(i)の前に、毛髪を洗浄しても、洗浄しなくてもよいが、毛髪を洗浄する工程を含む場合、洗浄には市販のシャンプー等を使用することができる。
〔工程(i):成分(A)を含有する第一の組成物を毛髪に適用する工程〕
工程(i)は成分(A)を含有する第一の組成物を毛髪に適用する工程であり、この組成物が成分(A)を含有することにより、くせ緩和効果を十分に発揮し、繰り返しシャンプーをしてもくせが緩和された毛髪の形状をより維持することができ、更に、処理後の毛髪をより柔らかく、より自然な軽さがあり、より絡まりにくく、形付けしやすいものとすることができる。
第一の組成物は乾燥した毛髪に対して適用しても、濡れた毛髪に対して適用してもよいが、乾燥した毛髪に適用することが好ましい。処理の対象となる毛髪は、頭髪の全部でも、その一部でも構わない。
工程(i)において毛髪に適用する第一の組成物の量は、毛髪の質量に対する浴比(第一の組成物の質量/毛髪の質量)で、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.25以上であり、かつ、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.25以下、更に好ましくは1.0以下である。
第一の組成物を毛髪に適用後、頭髪全体になじませるには、毛髪に組成物を揉み込む、毛髪に手グシを通す等の手を用いる方法、刷毛、くし、ブラシ等の道具を用いる方法、及びその両者の組み合わせ等によればよい。
〔工程(ii):工程(i)の後、毛髪を15℃以上100℃以下で15秒以上60分以下放置する工程〕
工程(ii)で放置する際の温度は、15℃以上であって、かつ、100℃以下であって、好ましくは60℃以下、より好ましくは30℃以下である。毛髪処理の際に特別な装置を必要とせず、簡便に処理する点からは、15℃以上30℃未満、すなわち室温であることが好ましい。一方、放置時間をより短くする観点からは、ヒーター等で加温しながら放置することもでき、この場合の温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上であり、かつ、100℃以下、より好ましくは60℃以下である。
工程(ii)で放置する時間は、縮れ毛を緩和しつつ毛髪により一層柔らかな感触を与え、処理後の毛髪を絡まりにくくする観点から、15秒以上であって、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上であり、かつ、60分以下であって、好ましくは45分以下、より好ましくは30分以下である。前述のようにヒーター等で加熱しながら放置する場合には、放置時間をより一層短くすることができ、この場合の放置時間は、15秒以上であって、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上であり、かつ、好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下、更に好ましくは10分以下である。
一般的に、毛髪内への成分の浸透は加熱条件下で長時間放置した方が有利であるところ、本発明は室温下で短時間の放置であっても発明の効果が得られる点で優れている。
工程(ii)は、水分の蒸発が抑制される環境下で行われることが好ましい。水分の蒸発を抑制する具体的手段としては、工程(i)で第一の組成物が適用された毛髪を、プラスチックフィルム、キャップ等で覆う方法、過熱水蒸気等の水蒸気を毛髪に継続的に噴霧する方法等が挙げられる。
工程(ii)の後、工程(iii)の前に毛髪から第一の組成物をすすぎ流してもよく、すすぎ流さなくてもよい。また、工程(ii)の後、工程(iii)の前に毛髪から第一の組成物をすすぎ流す場合は、すすぎ流した後、工程(iii)を行う前に毛髪を乾燥させてもよく、乾燥させなくてもよい。また、すすぎ流す前に洗浄する工程を有していてもよい。更に、すすぎ流した後、工程(iii)を行う前に、手や、くし、ブラシ等の道具を用いて毛髪の絡まりを解いても、解かなくてもよい。
〔工程(iii):工程(ii)の後、成分(B)を含有する第二の組成物を毛髪に適用する工程〕
工程(iii)において、毛髪に適用する第二の組成物の量は、毛髪処理後のくせ緩和効果を向上させる観点から、毛髪の質量に対する浴比(第二の組成物の質量/毛髪の質量)で、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上であり、かつ、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.25以下、更に好ましくは1.0以下である。処理の対象となる毛髪は、頭髪の全部でも、その一部でも構わないが、工程(i)で第一の組成物を適用した部分に、第二の組成物を適用することが好ましい。
第二の組成物を毛髪に適用後、頭髪全体になじませるには、毛髪と剤をもみ込む、手グシを通す等の手を用いる方法、刷毛、くし、ブラシ等の道具を用いる方法、及びその両者の組み合わせ等によればよい。
本発明の毛髪処理方法においては、前記工程(i)、工程(ii)、工程(iii)を順に行う方法のみならず、工程(i)、工程(ii)、工程(iii)の2つ又は3つの工程を同時に行う態様をも含むものである。
すなわち、工程(i)を毛髪の一部に行い、この箇所に工程(ii)の放置を行いつつ、工程(i)を行っていない毛髪の箇所に工程(i)を行ってもよい。その後更に、工程(i)を行っていない毛髪の箇所に工程(i)を行う場合には、工程(ii)を終えた毛髪の箇所には工程(iii)が行われ、工程(i)を終えた毛髪の箇所には工程(ii)が行われる。この場合は、工程(i)、工程(ii)、工程(iii)が同時に行われることになる。要は、各工程が、処理される毛髪の部位ごとに、工程(i)→工程(ii)→工程(iii)の順で行われればよい。
〔工程(iv):工程(iii)の後、毛髪を放置する工程〕
工程(iii)の後に、毛髪をすすぎ流しても、すすぎ流さなくてもよいが、処理後の毛髪の手触りの軽さ、絡まりにくさを良好にする観点から、すすぎ流した方が好ましい。また、本発明は工程(iii)の後に、毛髪を洗浄する工程を有していてもよい。
工程(iii)の後に、毛髪をすすぎ流す場合には、本発明の効果を十分に得る観点から工程(iii)と、毛髪をすすぎ流す工程の間に、更に工程(iv)として、工程(iii)で第二の組成物を適用した毛髪を15℃以上100℃以下で1分以上60分以下放置する工程を含むことが好ましい。
工程(iv)で放置する際の温度は15℃以上であって、かつ、100℃以下であって、好ましくは60℃以下、より好ましくは30℃以下である。毛髪処理の際に特別な装置を必要とせず、簡便に処理する点からは、15℃以上30℃未満、すなわち室温であることが好ましい。一方、放置時間をより短くする観点からは、ヒーター等で加温しながら放置することもでき、この場合の温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上であり、かつ、100℃以下、より好ましくは60℃以下である。
工程(iii)で第二の組成物を塗布した後、工程(iv)において放置する時間は、くせ毛を緩和しつつ毛髪に柔らかな感触を与え、毛髪の毛流れをそろえ、まとまりを与える観点から、1分以上であって、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上であり、かつ、60分以下であって、好ましくは45分以下、より好ましくは30分以下である。前述のようにヒーター等で加熱しながら放置する場合には、放置時間をより一層短くすることができ、この場合の放置時間は、1分以上であって、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上であり、かつ、好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下、更に好ましくは10分以下である。
本発明において、工程(iv)における放置時間は、工程(iii)で第二の組成物を毛髪に塗布した後、工程(iv)の放置する工程以外の工程を開始するまでの時間を意味する。
一般的に、毛髪内への成分の浸透は加熱条件下で長時間放置した方が有利であるところ、本発明は室温下で短時間の放置であっても発明の効果が得られる点で優れている。本発明の毛髪処理方法では、工程(i)で成分(A)を含有する第一の組成物をあらかじめ毛髪に適用することで、毛髪の特性が変化すること、及び成分(B)の毛髪内部への浸透が促進されることにより、このような効果が得られるものと推測する。
工程(iv)は、水分の蒸発が抑制される環境下で行われることが好ましい。水分の蒸発を抑制する具体的手段としては、第二の組成物が適用された毛髪を、プラスチックフィルム、キャップ等で覆う方法、過熱水蒸気等の水蒸気を毛髪に継続的に噴霧する方法等が挙げられる。
また、工程(iv)の後に毛髪をすすぎ流す工程を行う場合、その後に毛髪を洗浄する工程を含むことができる。毛髪を洗浄する工程を含む場合、洗浄には市販のシャンプー等を使用することができる。また、毛髪の洗浄後には市販のコンディショナー、トリートメント等で処理する工程を含むことができる。
毛髪をすすぎ流す工程の後に毛髪を乾燥させても、乾燥させなくてもどちらでもよいが、毛髪へのダメージを防ぐ観点から、乾燥させることがより好ましい。乾燥は、自然乾燥、ドライヤー等による加熱乾燥等により行うことができるが、施術時間の短縮の観点から、加熱乾燥が好ましい。また、まとまり性をより向上し、毛髪損傷を防止する観点から、乾燥工程前乾燥工程中及び/又は乾燥工程後に、適宜毛髪を手や、くし、ブラシ等の道具を用いて絡まりを解くことが好ましい。
〔工程(v):加熱工程〕
毛髪の根元から毛先までほとんど広がりの無い、まっすぐなヘアスタイルにしたい場合には、工程(iv)の後、更に工程(v)として毛髪を加熱する工程を行うことが好ましい。加熱温度は、好ましくは140℃以上、より好ましくは160℃以上であり、かつ、好ましくは230℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは180℃以下である。なお、加熱温度とは、加熱処理に用いる機器又は加熱処理を行う環境の温度を意味する。加温方法としては、ヘアアイロン、電熱ロッド、ホットカーラー等を用いる方法が挙げられ、ヘアアイロンを用いて毛髪の根元から毛先に向かってスライドさせて直毛化する方法がより好ましい。
また、工程(iv)と工程(v)の間に、毛髪をすすぎ流しても、すすぎ流さなくてもよいが、縮れ毛の矯正効果、施術時間の短縮の観点からは、すすぎ流さないことが好ましい。また、工程(iv)と工程(v)の間に、毛髪を乾かしても乾かさなくてもよいが、毛髪のダメージを抑制する観点からは、ドライヤー等で水分を低減し、その後工程(v)を行うことが好ましい。また、毛髪損傷を防止する観点から、工程(v)を行う前に、毛髪を手や、くし、ブラシ等の道具を用いて毛髪の絡まりを解くことが好ましい。工程(i)から工程(iv)までの処理を行った後、工程(v)で形付けを行った場合には、繰り返し洗髪しても毛髪の形状はほぼ工程(v)で行った形付けの状態を維持することができる。
工程(iv)と工程(v)の間に、毛髪をすすぎ流す工程を有さない場合、工程(v)の後に毛髪をすすぎ流す工程を有することが好ましい。
一方、毛髪へのダメージをより一層低減し、特別な装置が無くても簡便に縮れ毛を緩和し、毛髪の毛流れが揃った、自然なまとまりのあるヘアスタイルにする観点からは、工程(v)を含まないことが好ましい。工程(iv)の後、工程(v)を含まない場合であっても、その後の洗髪による毛髪形状の変化はほとんど無く、繰り返し洗浄しても縮れ毛が緩和され、毛髪の毛流れの揃った自然でまとまりのある柔らかな毛髪のままである点で有利である。
本発明の毛髪処理方法は、工程(i)で第一の組成物を毛髪に適用した後、又は工程(iii)で第二の組成物を毛髪に適用した後、これらの組成物を毛髪上から除去するまでの間に、くし、ブラシ等、外力によって毛髪にテンションを与えなくても十分な縮れ毛緩和効果を得ることができる。
このように加熱したり、外力により毛髪形状を強制的に変形することなく、すなわち毛髪を変形させるために有利な操作を行わなくとも、自発的に縮れ毛が緩和し、本発明の効果が得られる点で本発明の毛髪処理方法は優れている。
一方、工程(i)で第一の組成物を毛髪に適用した後、又は工程(iii)で第二の組成物を毛髪に適用した後、これらの組成物を毛髪上から除去するまでの間に、くし、ブラシ等、外力によって毛髪にテンションを与えることで、より一層毛髪の縮れ毛を緩和することもできる。
本発明の毛髪処理方法は、還元剤を用いたパーマ処理や、強アルカリ性の毛髪処理剤を用いたいわゆるリラクサー処理とは全く異なる原理によって毛髪を縮れ毛の形状を緩和することを可能とする技術であるので、還元剤を含む毛髪処理剤やpH12〜14の毛髪処理剤を髪に適用するステップは含まない。このため、本発明の毛髪処理方法は、髪を傷めることなく毛髪を変形させることができる。
[評価用毛束]
化学的処理履歴の無いコーカシアン人のカーリー毛を用いて、毛髪をまっすぐに伸ばした際の長さが24cm、重さが0.5gの毛束を作製した。この毛束を、以下に処方を示すモデルシャンプーで洗浄した後、以下に処方を示すモデルリンスを塗布した。次いで、すすぎ流した後に、タオルで余分な水分を拭き取り、実験室条件下で2時間自然乾燥した後の毛束を評価に用いた。
(モデルシャンプーの組成)
成分 (質量%)
ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15.5
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.28
エデト酸二ナトリウム 0.1
安息香酸ナトリウム 0.5
オキシベンゾン 0.03
リン酸 0.075
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
塩化ナトリウム 0.8
赤色106号 0.00012
香料 0.26
精製水 バランス
合計 100
(モデルリンスの組成)
成分 (質量%)
セテアリルアルコール 2.0
ステアルトリモニウムクロリド 0.76
ジステアリルジモニウムクロリド 2.7
プロピレングリコール 5.0
イソプロパノール 0.6
エチルパラベン 0.1
イオン交換水 バランス
合計 100
[実施例1、比較例1〜2]
以下の表1に示す工程(i)用毛髪処理剤(第一の組成物)及び工程(iii)用毛髪処理剤(第二の組成物)を調製した。これらの毛髪処理剤を用いて評価用毛束を以下に示す手順で毛髪処理を行い、それぞれの手順での「くせ緩和効果」、「くせ緩和効果の耐洗髪性(3回)」、「処理後の乾燥毛の手触りの軽さ」、「処理後の毛髪の湿潤時における柔らかさ」、「処理後の乾燥毛の絡まりにくさ」「処理後の乾燥毛に応力をかけたときの形付け性」を評価した結果を表2に示す。
なお、各毛髪処理剤のpHは、室温(25℃)において、イオン交換水で10倍希釈したものをpHメーター(堀場製作所社製、pHメーター F-21)で測定した。なお、以下、本実施例、比較例で室温とは25℃を意味する。
Figure 2018184350
(処理手順)
実施例1
乾燥した評価用毛束に工程(i)用毛髪処理剤を0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、毛束を濯がずに更に工程(iii)用毛髪処理剤を0.5g塗布しなじませた後に、再度毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。
次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流した後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた。その後、30秒すすぎ流し、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませ、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでこの毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
比較例1
乾燥した評価用毛髪に工程(i)用毛髪処理剤を0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流した後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた。その後、30秒すすぎ流し、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませ、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでこの毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
比較例2
乾燥した評価用毛髪に工程(iii)用毛髪処理剤を0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流した後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた。その後、30秒すすぎ流し、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませ、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでこの毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
(評価項目)
<くせ緩和効果>
上記毛髪処理前の毛髪をまっすぐに伸ばした際の毛束の長さ(24cm)をL、自然乾燥後の処理前の評価用毛束の長さをL0、処理後に自然乾燥した後の毛束の長さをL1とし、くせ緩和度(%)を下記式1に従って求めた。なお、L0とL1は、毛束を上から吊り下げ、引っ張ることなく測定した長さである。数値が大きいほど、くせ緩和効果に優れることを意味する。
(式1) くせ緩和度=(L1−L0)/(L−L0)×100
<くせ緩和効果の耐洗髪性(3回洗髪後)>
処理後の毛髪を40℃の水道水で30秒濡らした後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた後に、30秒すすぎ流した。次いで、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませ、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでタオルドライ後、ドライヤー(National、EH646)を用いて2分間乾燥させた。この処理フローを洗髪1回分とする。
この処理を3回繰り返した処理後の毛髪を水に3分浸漬させ、タオルドライをし、室温で2時間自然乾燥した。
洗髪処理後に自然乾燥した後の毛束の長さをL2とし、くせ緩和持続度(%)を下記式2に従って求めた。なお、L2は、毛束を上から吊り下げ、引っ張ることなく測定した長さである。数値が大きいほど、くせ緩和持続効果に優れることを意味する。
(式2) くせ緩和持続度=(L2−L0)/(L1−L0)×100
<処理後の乾燥毛の手触りの軽さ>
処理後の乾燥毛の手触りの軽さについて、以下に示すモデルトリートメント処理毛を基準毛として、7名のパネラーに「基準毛より軽い」/「どちらともいえない」/「基準毛より重い」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「基準毛より軽い」/「どちらともいえない」/「基準毛より重い」と答えたパネラーの人数を順に示す。
基準となるモデルトリートメント処理毛髪は、評価毛束をモデルシャンプーで洗浄した後、以下に処方を示すモデルトリートメントを1g塗布した。30分静置後、40℃の水道水で30秒すすぎ流した後に、タオルで余分な水分を拭き取り、室温で2時間自然乾燥した後の毛束を評価に用いた。
(モデルトリートメントの組成)
成分 (質量%)
ステアリルアルコール 6.9
ステアロキシプロピルジメチルアミン(*1) 2.0
ヒマワリ種子油 1.5
ヒドロキシステアリン酸水添ヒマシ油(*2) 0.1
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)
ジペンタエリスリチル(*3) 0.4
ラノリン脂肪酸 0.18
ジメチコン 3.2
アモジメチコン 0.3
ビスイソブチルPEG-15/アモジメチコン)コポリマー 0.08
乳酸 1.3
ジプロピレングリコール 3.5
ベンジルアルコール 0.4
香料 0.45
イオン交換水 バランス
合計 100
*1:ファーミンDM E-80(花王社製)
*2:テクノールMH(横関油脂工業社製)
*3:コスモール168ARV(日清オイリオ社製)
<処理後毛髪の湿潤時の柔らかさ>
処理後の毛髪を40℃の水道水に1分間濡らした状態を「湿潤時」とし、処理後毛髪の湿潤時の柔らかさについて、7名のパネラーに「処理前の毛髪より柔らかい」/「どちらともいえない」/「処理前の毛髪より硬い」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「処理前の毛髪より柔らかい」/「どちらともいえない」/「処理前の毛髪より硬い」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<処理後の乾燥毛の絡まりにくさ>
処理後の乾燥毛の絡まりにくさについて、7名のパネラーに「処理前より絡まりにくい」/「どちらともいえない」/「処理前より絡まりやすい」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「処理前より絡まりにくい」/「どちらともいえない」/「処理前より絡まりやすい」と答えたパネラーの人数を順に示す。
<処理後の乾燥毛に応力をかけたときの形付け性>
自然乾燥させた未処理毛及び処理後の毛束を指で挟んで600g重の荷重をかけながら根元から毛先方向に3cm/秒でスライドさせた後、毛先部分で止めて1分間静置した後、指を離した。その時の毛束の長さをL3とし、乾燥毛の形付け性を下記式3に従って求めた。数値が大きいほど、乾燥毛の形付け性に優れることを意味する。
(式3) 乾燥毛の形付け性=(L3−L1)/(L−L1)×100
Figure 2018184350
[比較例3]
表3に示した一剤式毛髪処理剤を調製した。この毛髪処理剤を用いて評価用毛束を以下に示す手順で処理した。これらの処理を経た後の「くせ緩和効果」、「くせ緩和効果の耐洗髪性(3回)」、「処理後の乾燥毛の手触りの軽さ」、「処理後の毛髪の湿潤時における柔らかさ」、「処理後の乾燥毛の絡まりにくさ」「処理後の乾燥毛に応力をかけたときの形付け性」について、前述の方法及び基準に従って評価した。評価結果を表3に示す。
(処理手順)
乾燥した評価用毛髪に一剤式毛髪処理剤を0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流し、モデルシャンプーを1g塗布した後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた。その後、30秒すすぎ流し、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませ、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでこの毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
Figure 2018184350
[実施例2〜14]
以下の表4に示す工程(i)用毛髪処理剤及び工程(iii)用毛髪処理剤を調製した。これらの毛髪処理剤を用いて評価用毛束を以下に示す手順で処理し、「くせ緩和効果」、「くせ緩和効果の耐洗髪性(3回)」、「処理後の乾燥毛の手触りの軽さ」、「処理後の毛髪の湿潤時における柔らかさ」、「処理後の乾燥毛の絡まりにくさ」「処理後の乾燥毛に応力をかけたときの形付け性」について、前述の方法及び基準に従って評価した。評価結果を表4に示す。
(処理手順)
乾燥した評価用毛束に工程(i)用毛髪処理剤を0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、毛束を濯がずに更に工程(iii)用毛髪処理剤を0.5g塗布しなじませた後に、再度毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。
次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流した後、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた。その後、30秒すすぎ流し、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませ、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでこの毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
Figure 2018184350
[実施例15及び16]
表1に示した工程(i)用毛髪処理剤及び工程(iii)用毛髪処理剤を用いて評価用毛束を以下に示す手順で処理した。これらの処理を経た後の「くせ緩和効果」、「くせ緩和効果の耐洗髪性(3回)」、「処理後の乾燥毛の手触りの軽さ」、「処理後の毛髪の湿潤時における柔らかさ」、「処理後の乾燥毛の絡まりにくさ」「処理後の乾燥毛に応力をかけたときの形付け性」について、前述の方法及び基準に従って評価した。評価結果を表5に示す。
(処理手順)
実施例15
乾燥した評価用毛束に表1に示した工程(i)用毛髪処理剤を0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、毛束を濯がずに更に表1に示した工程(iii)用毛髪処理剤を0.5g塗布しなじませた後に、再度毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。
次いで、ラップを外し、毛束上の毛髪処理剤をくしでそぎ落とし、200℃に加熱したストレートアイロン(Taiff社製、型番TITANIUM450)を用いて毛束を加熱した。
次いで、40℃の水道水で30秒すすぎ流し、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた。その後、30秒すすぎ流した後に、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませ、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでこの毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
(処理手順)
実施例16
乾燥した評価用毛束に表1に示した工程(i)用毛髪処理剤を0.5g塗布し毛髪上に均一になじませた後に、毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流し、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた。その後、30秒すすぎ流したのちに、この毛髪をタオルドライした。
次いで、更に表1に示した工程(iii)用毛髪処理剤を0.5g塗布しなじませた後に、再度毛束全体をラップで覆って密封し、室温で15分静置した。
次いで、ラップを外し、40℃の水道水で30秒すすぎ流し、モデルシャンプーを1g塗布し、30秒泡立てた。その後、30秒すすぎ流した後に、モデルリンスを1g塗布し、30秒なじませ、40℃の水道水で30秒すすぎ流した。次いでこの毛束をタオルドライして、室温で2時間自然乾燥した。
Figure 2018184350

Claims (12)

  1. 以下の工程(i)〜(iii)を含む毛髪処理方法。
    工程(i):以下の成分(A)を含有する第一の組成物を毛髪に適用する工程
    (A) 分子量が300以下であり、かつフェノール性水酸基を1以上4以下有する芳香族化合物又はその塩
    工程(ii):工程(i)の後、毛髪を15℃以上100℃以下で15秒以上60分以下放置する工程
    工程(iii):工程(ii)の後、以下の成分(B)を含有する第二の組成物を毛髪に適用する工程
    (B) 分子量が350以下の芳香族スルホン酸又はその塩
  2. 工程(iii)の後、毛髪をすすぎ流す工程を含み、工程(iii)と毛髪をすすぎ流す工程の間に、更に工程(iv)を含む、請求項1に記載の毛髪処理方法。
    工程(iv):第二の組成物を塗布した毛髪を15℃以上100℃以下で1分以上60分以下放置する工程
  3. 成分(A)の芳香族化合物の無機性値が100以上500以下かつ有機性値が120以上300以下である請求項1又は2に記載の毛髪処理方法。
  4. 第一の組成物中における(D)以下の一般式(D-1)で表される有機溶剤の含有量が10質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
    2−(OCH2CH2)q−R3 (D-1)
    〔式中、R2は水素原子又は炭素数1以上5以下のアルキル基を示し、R3は水素原子又は水酸基を示し、qは0以上5以下の整数を示す。ただし、qが0である場合にはR2及びR3は同時に水素原子とはならず、qが0でない場合において、R2が水素原子である場合R3は水素原子、R2がアルキル基である場合R3は水酸基である。〕
  5. 第一の組成物中に、更に成分(C)として増粘剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  6. 第一の組成物の25℃におけるpHが、2以上10以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  7. 第一の組成物の25℃におけるpHが、5以上8以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  8. 第二の組成物中に、更に成分(C)として増粘剤を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  9. 第二の組成物中に、更に成分(E)として芳香族アルコールを含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  10. 工程(iv)において毛髪を放置する際の温度が15℃以上30℃未満である請求項2〜9のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  11. 工程(iv)において毛髪を放置する際の温度が30℃以上100℃以下であり、かつ放置時間が1分以上30分以下である請求項2〜9のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
  12. 還元剤を含む毛髪処理剤及びpH12〜14の毛髪処理剤のいずれを髪に塗布する工程も含まない1〜11のいずれか1項に記載の毛髪処理方法。
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