図1には、ガイドレール26に沿って周知のように移動するエレベータかご24を備えたエレベータシステム20が示されている。
1つの例では、マシンルームレスエレベータシステムによって、かご24が、昇降路の下端部28(即ち、ピット)と上端部29との間における昇降路の長さ全体に実質的に沿って移動することができる。モータおよびブレーキを備えた駆動システム(図示せず)が、図2に部分的に見られるとともにケーブルもしくはベルト25およびリーブプーリ27を有するトラクションシステムによって昇降路に沿ったかご24の垂直方向の移動を制御するように通常使用される。
さらに、ガバナ装置30は、かご24が選択された最大速度を超えて移動することを防止することによって、かご24の移動を制御する。例示のガバナ装置30は、かごがガイドレール26に沿って動くときにかご24と共に移動するガバナロープ32を備える。ガバナシーブ34および引張シーブ36が、ガバナロープ32からなるループの両端部に配置されている。
図示されているガバナ装置30は、周知のように動作する。かご24の移動が速すぎる場合には、ガバナ装置30は、ガバナシーブ34に対して制動力を作用させる。これにより、ガバナロープ32は、機械的リンケージを引っ張り、図1に概略的に示される安全ブレーキ42を作動させる。この例では、安全ブレーキは、ガイドレール26に対して制動力を作用させ、エレベータかご24のこれ以上の移動を防止する。この用途のための様々な安全ブレーキ42が知られている。接続ロッドが、かごの屋上の上および/またはかごの床の下に周知のように配置されてもよく、これにより、かごの両側に配置されたガイドレールの各々と協同する安全ブレーキの作動に同時性が得られる。
図2には、安全ブレーキ42の可能な構成が示されている。安全ギヤ50がガイドレール26に沿ってスライドするようにかご構造体に固定されている。ギヤ50がトリガされることによってレール26に沿った摩擦が発生し、ギヤは、かごが停止されるまでくさび作用によって摩擦を増大させるように通常配置される。図2に示されている例示の安全ブレーキは、二部作用を備える。安全ブレーキは、かご24の上方への移動を阻止するように上部レバー52によってトリガされるか、またはかご24の下方への移動を阻止するように下部レバー54によってトリガされる。トリガレバー52,54の各々は、各ピボット軸53,55を中心としてかご構造体に関節式に繋がれる。ガバナロープ32は、リンケージ44に取り付けられた2つの端部を備える。リンケージ44は、実質的に垂直に延びるとともにレバーの中央部において2つのトリガレバー52,54に関節式に繋がれる。したがって、かご24が下方へ(上方へ)移動している最中における過速度状態のためにガバナロープ32が保持されているときに、下部レバー54(上部レバー52)は、ロープ32によって引かれ、安全ギヤ50をトリガしてかご24を停止させる。
さらに、図2に示されるトリガレバー52,54は、安全ギヤ50と引張ロッド44の関節部との間に横方向拡張部56,58を備える。横方向拡張部56,58は、以下に説明される安全装置と相互作用するように外側に突出している。
図1の構成は、昇降路内の選択された高さに位置決めされた2つの安全装置60,80を備える。安全装置60,80は、選択された条件で少なくとも1つの安全ブレーキ42と相互作用し、かごアッセンブリ24が移動して、昇降路の上端部29に接近しすぎることと、昇降路の下端部28に接近しすぎることと、をそれぞれ防止する。必要であれば、他のこのような装置が昇降路内に計画的に配置されてもよい。この説明を考慮すれば、当業者は、このような装置がいくつ必要かを理解し、特定の状況における要求を満たすためにこれらの装置の適切な配置を選択することができるであろう。
ガバナ装置30は、エレベータかごの移動速度に基づいて動作し、安全装置60,80は、エレベータかご24の垂直方向の位置に基づいて作動する。
図3には、例示の下部安全装置80が示されている。この例は、ガイドレール26またはこのガイドレール26付近にある昇降路壁に選択された高さで固定されるべきブラケット81を備える。ブラケット81は、垂直ガイドロッド82を備えており、この垂直ガイドロッド82は、図4に構成要素が示されている可動アッセンブリもしくはキャリッジをスライド可能に受ける。この可動アッセンブリは、垂直な長手方向スロット85をブロックの中央に備えて形成された支持ブロック84を有する。スロット85の両側にある2つの円筒貫通孔86が、ガイドロッド82を受ける。
格納式停止エレメント88が、中央のスロット85内に水平のピボット軸89を中心に回転可能に取り付けられている。停止エレメント88は、掴み部90を備えており、この掴み部90は、図3に示された停止位置に展開されているときには、支持ブロック84の前面91から突出している。格納式停止エレメント88の重心がピボット軸89を受ける円筒ボア92より前方にあるので、エレメント88は、自然に停止位置となる。この位置では、停止エレメント88の下側面94が、スロット85にわたって延びる接触部上にある。この例では、接触部は、水平ピン95によってスロット内に保持されるスリーブ93から構成される。
アクチュエータ100が、支持ブロック84の下端部においてスクリュ101によって固定されている。アクチュエータ100は、ブロック84の下部99を貫通してスロット85へ延びるアーム102を備える。接続ロッド103が、アクチュエータアーム102の先端部と格納式エレメント88の下端部との間に関節式に繋がれている。コイルばね104が、ブロック84の下部99と、アクチュエータアーム102に接続ロッド103を保持するピンと、の間においてアクチュエータアーム102の周囲に配置される。ばね104は、圧縮されてエレメント88を停止位置へ移行させる。アクチュエータ100は、選択された環境においてエレベータ制御回路によって励磁される電磁石を備える。電磁石は、励磁されているときには、アクチュエータアーム102を引いてエレメント88を格納位置に移行させる。この格納位置では、停止エレメント88の前面105が、支持ブロック84の前面91とほぼ同一平面上にある。この格納位置では、エレメント88は、安全ブレーキのトリガレバー52,54を妨害しない。
格納式エレメント88の停止位置では、掴み部90は、安全ブレーキの下側トリガレバー54における横方向拡張部58の線上にある。下方へ移動するかご24が、格納式エレメントの停止位置における下部安全装置80の高さに達したときには、接触部93にもたれ掛かるエレメント88の掴み部90が、トリガレバー54を持ち上げてかごを停止させる。
かご24がピットの底部から上方に移動するときには、安全ブレーキトリガレバーの横方向拡張部56,58は、格納式停止エレメント88の前面105と係合する。エレメント88の重量およびばね104の強度が、安全ブレーキ42を引くために必要とされる力より小さいので、停止エレメント88は格納位置へ押され、かごは上方へ移動し続けることができる。重力とばね104の作用とが、エレメント88を停止位置に迅速に戻す。
安全装置80のブラケット81に支持ブロック84を取り付けるように、ばね構成が与えられる。この構成は、安全装置80が安全ブレーキ42を引いたときの支持ブロック84の垂直方向のスライド移動に適応し、これは、かごを完全に停止させるために安全ブレーキに必要とされる距離に相当する。
図示された実施例では、ばね構成は、円筒形ロッド111の周りに取り付けられたコイルばね110を備える。ロッド111は、ねじ付き端部を備えており、該ねじ付き端部は、支持ブロック84の上端部に設けられた穴およびブラケット81の上端部に設けられた対応する穴を貫通して延びる。ボルト112は、ロッド111を支持ブロック84に取り付けるようにスロット85内のねじ付き端部にねじ留めされる。また、ロッド111の反対側の端部は、もう一方のボルト113および座金114を受けるようにねじが付けられている。コイルばね110は、ブラケット81の上部と座金114との間で圧縮されており、これにより、支持ブロックを図3に示されている上部位置に維持する。これは、格納式エレメント88が安全ブレーキトリガレバーと接触しない場合に限られる。ばね110は、エレメント88がレバー54を受け止めるときのばね強度が安全ブレーキを引くのに十分であり、ばねのストロークが安全ブレーキによってかごを停止させるために必要とされる最大距離に少なくとも等しくなるように設計される。このようなストロークの一般的な要求は、約200mmである。
また、安全装置80は、図3および図4の例示的な実施例に示されている位置検出器115を備える。この実施例では、位置検出器115は、スクリュ117によってスロット85内において支持ブロック84に取り付けられたハウジング116を備える。ハウジング116内に配置されたスイッチは、ローラ119が端部に取り付けられた格納式アーム118の位置によって制御される状態を有する。アーム118は、その拡張位置に向かって付勢されており、ローラ119は、格納式停止エレメント88の後側に設けられたカム面120に追従する。したがって、検出器スイッチは、格納式エレメント88が停止位置で完全に展開されたときに閉じられ、それ以外のときには開かれる。
ピットの底部付近における位置(浅いピット構成)に対応するとともにかごの下方への移動を停止する上述の安全装置80は、低いオーバヘッド構成においてかごの上方への移動を停止するように昇降路の頂部付近で対称的に使用されてもよい。これは、上述してきたこと(図1に概略的に示されている装置60の位置を参照)と比べて、装置を上下反対に取り付けるだけで十分である。
安全ブレーキ42は、一旦作動されると容易に解放されないので、検査運転が故障や異常事態無しに実行されるときには、安全装置60,80の一方を介して安全ブレーキ42を作動させることは望ましくない。上部および下部のリミットスイッチ66,86(図1)が、検査移動の端部においてかごを停止させるために主に使用されるように安全装置60,80付近に取り付けられることが好ましく、安全装置60,80は、異常が生じた場合に付加的な安全レベルを与えるバックアップとして使用される。
整備士が昇降路の頂部に取り付けられた機械装置にアクセスする便利な作業空間をかごの頂部に確保するために、かごの屋上と昇降路の天井との間に約1,800〜2,000mmの距離が必要とされる。上部リミットスイッチ66は、昇降路の対応する高さに(最高乗り場高さに隣接して)配置されており、かごがこのような距離に対応する垂直高さに達したときに、かご構造体に取り付けられたカム面70によって開かれる。上方への検査移動においてスイッチ66が開かれると、かごは、駆動システムの電気的に制御されたブレーキによって停止される。同様に、下部リミットスイッチ86は、かごが最低乗り場高さに隣接した垂直高さに達したときに、かご構造体に取り付けられたカム面70(または他のカム)によって開かれるように配置され、ピット床部の上方に約1,800〜2,000mmの高さの作業空間を残す。下方への検査移動においてスイッチ86が開かれると、かごは電気的に制御されたブレーキによって停止される。
何らかの理由で、検査運転中に上方へ(下方へ)移動するかごが不意に、上限(下限)リミットスイッチ66(86)の高さを、電気的に制御されたブレーキを用いたかごの最大停止距離よりも大きく超過する場合は、リミットスイッチの直後に配置された安全装置60(80)が、安全ブレーキ42によってかご24を安全に停止させるように作用し始める。
所定の方向に移動するかごを停止させるために、互いに比較的接近した2つの安全高さを提供することが有効なことがある。これは、低いオーバヘッド構成において昇降路の頂部付近で一般的に生じる(浅いピット構成では、当業者が以下の説明から理解できるように、トーガードによってこの特徴が不要になる)。上述された第1の安全装置が、上部リミットスイッチ66に対応したかごの高さの直ぐ上方において、停止エレメント88に衝突することなく電磁ブレーキによってかごが一般に停止されるのに十分な距離に設けられる場合は、かごがこの第1の安全装置上において停止されるときに、かごの屋上と昇降路の天井との間に約1,400〜1,700mmの距離が残される。
かごの屋上へのアクセスは、特定のキーを用いて乗り場ドアを手動で開けることによって一般に行われる。このキーは、スイッチを開いて安全チェーンを壊すとともに駆動システムによってかごを停止させる。この後、整備士は、かごの頂部によじ登り、要求された保守や修理の作業を実行できる。かごが第1の安全装置に対応する垂直位置の直ぐ上方に配置されている、例えば、かごの屋上と昇降路の天井との間に約1,600mmの距離がある状態で、人が最高乗り場高さのドアを手動で開けることが生じ得る。低いオーバヘッドのエレベータ構成では、これは、我々の例では、乗り場のドアが開かれ、かごがスイッチおよび安全装置の両方の位置より上方で停止されているときに、昇降路の天井と最高乗り場ドアにおける上部のまぐさとの間の距離は、例えば、約500〜700mmであり、我々の例では約1,000mm以上の距離が、かご屋上の上方において残っている。これは、整備士がかごの頂部に登ったり、人が入るのに十分である。この状況では、このような人は、エレベータかごのさらなる上方への移動に対してこれ以上機械的に保護されない。
したがって、かごの上方への移動を停止するように共に配向された2つの直列の安全装置を取り付けることによって第2の安全高さを設けることが有効となり得る。最上部の装置によって、EN−81のような関連の標準で指定される最低限の安全空間に適合した最大の安全空間が確保される。上部トリガレバー52が上部安全装置の格納式エレメントに接触しているときのかごの屋上と昇降路の天井との間の距離は、例えば、約1,000mmであり、安全ブレーキがかごを停止させた後は、かごの屋上と最高乗り場ドアの上部まぐさとの間の隙間は約300mmであり、これは、人が昇降路に入るのには不十分である。
かごの上方における作業用および最大の安全空間を維持するように、最高乗り場高さに隣接して配置された2つの格納式停止エレメントが、これらのエレメントの間における約800mmの固定した距離で垂直方向にオフセットされる。このような距離が小さすぎるために図3および図4において説明されている2つの安全装置を直列に配置できない可能性があるという問題が生じる。ばね110は、(安全ブレーキ42を効果的に引く)強いばねであるとともに約200mmの長いストロークを備えているので、ばね110の寸法は、かなり長い。また、構造が強固である必要がある支持ブロック84およびブラケット81の寸法を考慮すると、我々は、望ましい停止高さを与えるように2つの安全装置を直列に配置することが妨害され得ることが分かる。
この問題を回避するために、図5の例に示される安全装置60の配置が使用されてもよい。
この実施例では、安全装置60は、ブラケットに取り付けられた2つのスライド支持ブロック63,64を有した1つのブラケット61を備える。2つの支持ブロック63,64は、側部ストリンガ67によって互いに接続されており、2つの格納式停止エレメント68を支持する強固なキャリッジを形成する。ここで、2つの格納式停止エレメント68は、各支持ブロック63,64の垂直方向スロット65内でそれぞれ受けられている。前述された実施例のように、支持ブロックの各々は、電磁アクチュエータ100と、スロット65内に取り付けられた位置検出器と、を備える。キャリッジを形成するようにストリンガによって互いに接続された2つの支持ブロック63,64の代わりに、2つの格納式停止エレメント68を保持する1つのブロックのような支持キャリッジを設けることが可能であることが理解されるであろう。
支持キャリッジ63,64,67は、垂直なガイドロッド62にスライド可能に取り付けられており、このガイドロッドの中央部は、ブラケット61に固定されたプレート69によって所定の位置に維持され得る。支持キャリッジの下部は、コイルばね110を案内するロッド111に接続されている。ばね110は、2つの停止エレメント68にかかる安全ブレーキトリガレバーの衝撃に耐えられる強さであるとともにエレベータシステムの他の構成要素を妨害せずにかご24の少なくとも最大停止距離だけ安全ブレーキ42を用いて収縮されるのに要する長さを有する。ばね110は、2つのエレメントの一方における掴み部が安全ブレーキのトリガ部材と係合したときに、支持キャリッジおよび2つの格納式エレメント68の垂直方向のスライド移動に適応する。ばねのストロークは、2つの格納式エレメントの間の固定した距離の10分の1より大きいことが好ましい。例えば、距離が800mmの場合には、ストロークは、少なくとも80mmである。一般的な値は、約200mmである。
図6には、n個の乗り場高さと、最低乗り場高さ付近にある図3に示されているような1つの高さの安全装置80と、最高乗り場高さ付近にある図5に示されているような2つの高さの安全装置60と、を備えたエレベータで使用可能な電気回路の実施例が示されている。駆動システムのモータおよびブレーキへの電力供給は、多くの直列に接続されたスイッチからなる安全チェーンを介して本線のような交流供給源から実施される。ブレーキが給電されていないときには、ブレーキは、かごを停止するようにモータ軸をブロックする状態にある。直列に接続されたスイッチ全てが閉じられているときには、エレベータは安全状態とみなされる。この安全状態とは、即ち、モータに給電し、ブレーキを解放できる状態である。安全チェーンは、エレベータの通常運転を制御する分岐部および検査運転を制御する分岐部を備える。これらの2つの分岐部は、共通の多くのスイッチを備えており、該スイッチは、限定される訳ではないが、
危険な場合には、作業者が手動で開けてもよい1つまたは複数の緊急スイッチ130と、
n個の乗り場ドアにおける上部まぐさに取り付けられた安全ロックに接続されたn個の二重安定キースイッチKS1〜KSnと、
高さiにある乗り場ドアが完全に閉じられた状態ではスイッチDSiが閉じられる、n個の乗り場ドアにそれぞれ対応したn個のスイッチDS1〜DSnと、
安全ブレーキ42が引かれると開かれるスイッチ131と、
を含む。
人がエレベータ昇降路にアクセスすることが必要なときには、安全ロックの各々は、三角キーのような特定のキーを用いて機能する。高さiにある乗り場ドアを特定のキーを用いて手動で開けると対応するキースイッチKSiが開くが、このキースイッチKSiは、高さiにあるドアが閉じられ、キーによって安全ロックがロック位置に戻された後に閉じられるのみである。
二重安定スイッチを備えたこのような安全ロックの例が、国際特許出願PCT/IB05/000276号明細書において説明されているとともに図7に示されている。安全ロックは、乗り場ドア用のラッチ機構を備えており、このラッチ機構は、ドアフレームに固定された支持部201に、水平方向軸を中心に回転可能に取り付けられたラッチ200を備える。カウンタウエイト202の動きによって、ラッチ200は、ロック位置へ移行される。ラッチ200は、ドアのまぐさに固定されたフック204と協同するスリット203を備える。フック204の前側部分は、ドアが他のカウンタウエイト(図示せず)の動きによって閉じられるときにラッチ200の傾斜部206と係合するランプ部205の形態をとる。ドアが完全に閉じられているときには、フック204は、閉じられたドアをロックするようにスリット203内にある。傾斜部206よりも先にあるラッチ200の端部が、一対の導体パッド208を備えた分路を保持する。この分路は、乗り場ドアのドアスイッチDSiに含まれており、一対の接触部209がまぐさに取り付けられている。ドアが閉じられてロックされているときには、パッド208は、接触部209に接触しており、スイッチDSiを閉じている。
エレベータの通常運転では、必要な場合には、ドアは、カウンタウエイト202に対してラッチ200を傾けることによってロックされていない。また、ドアは、昇降路の外部からアクセス可能であるとともに一般に乗り場ドアの上部まぐさ上にあるドア解放入力部210に挿入される三角キーによって手動で開けられてもよい。解放方向へ三角キーを動かすことによって、スピンドル211の端部に取り付けられたばね214に対してスピンドル211を反時計回りに回転させる。スピンドル211の端部は、ラッチ200上に設けられたランプ部213と協同するベーン212を備えており、スピンドル211が反時計回りに回転されるときにラッチ機構を解放する。これにより、作業者は乗り場ドアを手動でスライドさせて昇降路へアクセスできる。ドア解放入力部210付近に取り付けられたブロック装置215によって、ドアが完全に閉じられていないときにスピンドル211が時計回りに回転されることが防止される。ドアが完全に閉じられているときには、ブロック装置215は、ドアフレームに取り付けられたバンパ216の係合によって解放されており、スピンドル211は、ドア解放入力部210においてロック方向に三角キーを動かすことによって時計回りに回転される。
ばね214は、半径方向拡張部220を備えており、この半径方向拡張部220は、スピンドル211が解放方向へ三角キーを動かすことによって反時計回りに回転されるときに二重安定スイッチKSiの制御レバー221と係合する。これにより、二重安定スイッチKSiは開く。二重安定スイッチKSiは、ベーン212の裏側に配置され得るパッド222によって閉じられる。パッド222は、ドアが閉じられた後にロック方向へ三角キーを動かしてスピンドル211が時計回りに回転されるときにレバーの元の位置へ制御レバー221を押し戻す。
運転の通常モードから検査モードへの切り換えは、ここで考えられる例では、かごの屋上に配置されているモードボタン135を押すことによって実施される。モードボタン135は、運転の検査モードが選択されているときには、スイッチ136が閉じられ、スイッチ137が開かれるように2つの検査運転スイッチ136,137の位置を制御する。検査運転スイッチ136は、最低乗り場ドア以外の乗り場ドア全ての安全ロックに対応した直列に接続されたn−1個のキースイッチKS2〜KSnに並列に接続される。これらのn−1個の乗り場ドアは、かごの屋上へのアクセスが可能なものである。最低乗り場高さの二重安定スイッチKS1は、検査運転スイッチ136を備えた分岐部および他のn−1個の二重安定スイッチKS2〜KSnと直列に接続されている。
キースイッチKS2〜KSnは、かごの屋上における人の存在を確認する検出器として使用される。乗り場ドアが特定のキーによって開かれているときには、人がかごの頂部に登り、通常運転は防止されていると見なされる。検査運転は実施されるが、整備士がかごの頂部にあるモードボタン135を作動させた後で初めて実施される。どんな場合でも、通常モードにおけるかごの移動は、整備士が昇降路へ入ったときに使用したドアの安全ロックを三角キーを用いて機能させることによって整備士が確認した後に可能となるだけである。
通常運転の分岐部は、以下で説明されるスイッチ240,242,245,310,320をさらに備える。通常運転の分岐部は、図6のブロック132によって概略的に示されているような安全チェーンの他のスイッチを備えてもよい。検査運転の分岐部は、2つの安全装置60,80に含まれる3つの位置検出器115の直列に接続されたスイッチ140,141,142と、以下で説明される他のスイッチと、を備える。したがって、検査モードにおけるかごの移動は、安全装置における3つの格納式停止エレメントの全てが、各停止位置にある場合に可能であり、それ以外は防止される。
3つの格納式停止エレメントの電磁アクチュエータ100におけるコイル150,151,152には、安全チェーンと同じ供給源である交流供給源または他の供給源から電力が供給される。下部安全装置80のコイル150は、昇降路内に配置されたスイッチ148と直列に接続され、スイッチ148は、かご構造体に取り付けられたカム面70または他のカムと協同する。スイッチ148は、かご24が最低乗り場高さの近傍やこれより上方より下側に位置するとき以外は開いている。スイッチ148は、例えば、下部リミットスイッチ86と共に配置されており、該スイッチ148は、スイッチ86が閉じられているときには開いており、スイッチ86が開かれているときには閉じている。また、スイッチ148は、スイッチ86の僅かに上方に配置されてもよい。スイッチ148によって、安全装置80の停止エレメント88は、かごがピットの近傍に来ない限り収縮せず、これにより、かごが通常運転において最低乗り場高さに到達することが可能となる。
同様に、上部安全装置60の下部停止エレメント68を作動させるコイル151は、昇降路内に配置されたスイッチ149と直列に接続されており、この停止エレメント68は、かごが昇降路の天井の比較的近くに来ない限り収縮されない。スイッチ149は、かご24が最高乗り場高さの近傍やこれより下方より上側に位置するとき以外は開いている。スイッチ149は、例えば、上部リミットスイッチ66と共に配置されており、スイッチ149は、スイッチ66が閉じられているときには開いており、スイッチ66が開かれているときには閉じている。また、スイッチ149は、スイッチ66の僅かに下方に配置されてもよい。スイッチ149によって、かご24が通常運転において最高乗り場高さに到達することが可能となる。また、上部安全装置60の上部停止部材を作動させるコイル152は、他のスイッチ154が手動救助運転(Manual rescue operation)(MRO)において開いていない限りスイッチ149と直列に接続されている。
2つのスイッチ148,149は、検査運転スイッチ137に接続されており、検査モードにおける停止エレメント68,88の収縮を防止している。必要な場合に作業者が手動で開けてもよい1つまたは複数の緊急スイッチ130’が検査運転スイッチ137と直列に接続されることが可能であり、危険な状態が送信されたときも格納式停止エレメントが展開されたままであることが保証される。
また、図6には、手動救助運転モードにおいてコイル150,151を励磁するように使用されるバッテリ160が示されている。このモードは、エレベータから避難することが必要な場合に、ボタンまたは他の制御部材によって選択される。手動救助運転ボタン158の起動によって、上述されたスイッチ154および第2のスイッチ155が開かれ、第3のスイッチ156は閉じられる。バッテリ160は、コイル150〜152に接続された一方の端子と、手動救助運転モードが選択されたときにのみ閉じられるスイッチ156を介して緊急スイッチ130’に接続される他方の端子と、を備える。したがって、手動救助運転モードでは、コイル152が作動されていないので最大の安全空間が昇降路の頂部において常に保たれている。これは、人がかごから避難することを防止するのではなく、手動救助運転モードを選択したときに偶然かごの屋上にいる人の危険を回避している。手動救助運転モードでは、コイル150は、コイル150に対応したスイッチ148が閉じられているときに励磁される。これは、かご24が移動して、スイッチ148に対応した垂直位置またはこれより下方にあるピットに接近したからである。同様に、コイル151は、コイル151に対応したスイッチ149が閉じられているときに励磁される。これは、かご24が移動して、スイッチ149に対応した垂直位置またはこれより上方にある昇降路の天井に接近したからである。したがって、コイル150,151を用いて制御された停止エレメントによって画定された作業空間は、最低乗り場高さまたは最高乗り場高さにおいてエレベータから避難するのに役立つ手動救助運転モードにおいて必ずしも保たれていない。
手動救助運転モードが選択されていないときには、スイッチ155は閉じられており、交流電力が、通常運転制御モジュール132に対応したリレーに含まれる付加的なスイッチ159を介してコイル150〜152へ供給される。リレースイッチ159は、通常運転がオンのときには閉じられており、エレベータの状態が安全として検知される。これにより、エレベータの通常運転において、かごが格納式停止エレメント68,88の近傍にくるときに収縮されるのみである格納式停止エレメント68,88の通常の動作が制御される。
図8〜図11には、かごの屋上における可能なレイアウトが示されており、このレイアウトは、折りたたみ可能な手すり230A,230Bと、特にモードボタン135を有する検査制御インタフェース231と、を備える。この実施例では、手すりは、乗り場ドアが手動で開かれた後に前(乗り場)側232から整備士によって最初に開かれる右側部230Aと、前側から次に開かれる左側部230Bと、を備える。各手すり部230A,230Bは、例えば、溶接された金属チューブから形成されており、前方および後方の垂直チューブ233,234が、かごの屋上の横側に蝶番式に取り付けられた基部を備える。
示された例では、完全な格納位置に折りたたまれた手すりの高さの合計は、非常に低く、例えば、約8cmである。左側手すり部230Bは、折りたたまれた位置においてかごの屋上に直接横たわる(図8,図9)。右側手すり部230Aは、折りたたまれた位置において左側手すり部230Bを覆うように横たわる。
図8には、開かれている最中の右側手すり部230Aが示されている。手すりの垂直チューブ233,234における基部は、かごの屋上に軸235を中心に蝶番式に取り付けられている。各軸235は、コイルばねを備えており、このコイルばねは、図9の矢印によって示されるように手すり部230Aが完全に展開されたときに、垂直部分を垂直チャネル237へ押し込む。手すり部230Aは、整備士が手すり部を前側232へ引くまで、完全に展開された位置においてチャネルによってロックされる。この引く動作によって、垂直チューブ233,234をばねに対抗しながらチャネル237から引き出し、これにより、手すり部230Aを再び折りたたむことが可能となる。
左側手すり部230Bの類似の取付が提供される。図10および図11には、左側手すり部230Bの開かれる様子が示されている。
各手すり部230A,230Bでは、垂直チューブ233,234における2つの関節部の一方が、手すり部の完全に開かれた状態を検知する位置検出器238を備える。この実施例では、検出器238は、支持部に取り付けられており、この支持部では、かごの屋上の前側にある垂直チューブ233が関節式に繋がれている。右側手すり部230Aでは、位置検出器238は、図6の電気図に示される2つの安全スイッチ239,240を備える。スイッチ239は、位置検出器238を備えた支持部のチャネル237内に右側垂直チューブ233があるときには閉じており、チャネル237外に右側垂直チューブ233があるときには開いている。これとは逆に、スイッチ240は、垂直チューブ233がチャネル237内にあるときには開いており、垂直チューブ233がチャネル237外にあるときには閉じている。また、左側手すり部230Bに対応した位置検出器238は、図6に示されている2つのスイッチ241,242を備える。左側垂直チューブ233がチャネル237内にあるときには、スイッチ241は閉じられ、スイッチ242は開かれており、左側垂直チューブ233がチャネル237外にあるときには、スイッチ241は開かれ、スイッチ242は閉じられている。
2つの安全スイッチ239,241は、安全チェーンの検査運転分岐部にある上述されたスイッチ140〜142に直列に接続される。したがって、検査モードにおけるかごの移動は、2つの手すり部230A,230Bが完全に展開された位置にあるときに許可されるのみであり、これにより、かごの屋上に立っている整備士の安全状態が保証される。
2つの安全スイッチ240,242は、安全チェーンの通常運転分岐部において直列に接続されており、これにより、整備士が手すり部230A,230Bの一方または両方を再び折りたたむことを忘れた場合に、通常運転におけるかごの移動が防止される。
必要であれば、折りたたみ可能な手すりの代替の実施例が、かごの屋上の後側を保護する第3の手すり部(図示せず)を備える。このような第3の手すり部は、かごの屋上に蝶番式に取り付けられるか、または、好ましくは、左側手すり部230Aまたは右側手すり部230Bの一方が垂直位置に開かれた後に手すり部の後側における垂直方向軸を中心に回転することによって開かれるようにその一方の手すり部に蝶番式に取り付けられる。このような第3の手すり部が設けられる場合には、第3の手すり部は、この第3の手すり部がかごの屋上の後側に沿って直立する完全に開かれた位置にあるかどうかを確認する位置検出器を備えている。この位置検出器のスイッチは、後側の手すり部が完全に展開されているときには閉じられているとともに検査運転分岐部のスイッチ239,241と直列に接続され、これにより、手すり部全てが完全に展開されてからかごの検査移動が許可されることを保証する。
また、図8〜図11に示されているように、折りたたみ可能な手すりは、他のスイッチ245を備えており、このスイッチの機能は、手すりがかごの屋上において再び完全に折りたたまれたかを検知することである。このスイッチ245は、一方の手すり部230Bに取り付けられることが好ましい。スイッチ245は、このスイッチ245を開いた状態であるデフォルト状態に付勢するばねを備える。他方の手すり部230Aを構成するチューブの1つは、拡張部246を備えており、この拡張部246は、2つの手すり部が完全に折りたたまれたときにスイッチのばね作用に対抗してスイッチ245を押し、このスイッチ245を閉じる。このスイッチ245は、安全チェーンの通常運転分岐部において、上述されたスイッチ240,242と直列に接続される。したがって、通常モードにおけるかごの移動は、手すりが完全に格納されるときに可能となるだけであり、これにより、低いオーバヘッド構成における構造体への損傷が防止される。
図12には、図8〜図11の実施例におけるかごの屋上に配置された検査制御インタフェース231の正面図が示されている。制御インタフェース231は、モードボタン135を備えており、このモードボタン135の機能は、図6を参照して前述されている。図12では、このボタン135は、運転の通常モードまたは検査モードを選択する回転ノブの形態をとる。代替的には、モードボタンは、キーを用いて作動される。
また、検査制御インタフェース231は、検査モードにおけるかごの移動を制御する3つの制御部材250〜252、即ち共通ボタン250、上昇ボタン251、下降ボタン252を備える。かごの上方(または下方)への検査移動を制御するために、整備士は、共通ボタン250および上昇ボタン251(もしくは共通ボタン250および下降ボタン252)を同時に押すために、原則として両手を使用しなければならない。
図6に示されているように、共通ボタン250を作動させる(押す)と安全チェーンの検査運転分岐部において直列に接続された共通スイッチ254が閉じられ、これにより、共通ボタンが押されない限り、検査モードにおいてかごは移動しない。共通スイッチ254の先では、検査運転分岐部は、2つの並列な副分岐部260,270に分割されており、これらの副分岐部260,270は、検査モードにおけるかごの上方移動および下方移動をそれぞれ制御する電力ラインを形成する。
上昇副分岐部260は、上述された上部リミットスイッチ66を備える。したがって、かごが昇降路の頂部付近にあるために上部リミットスイッチ66が開いているときには、検査モードにおけるかごの上方への移動は防止される。しかし、上部リミットスイッチ66が下降副分岐部270に含まれていないので下方への移動は防止されない。同様に、下降副分岐部270は、前述された下部リミットスイッチ86を備える。したがって、下部リミットスイッチ86によって、ピット付近において、検査モードにおけるかごの下方への移動は防止されるが、上方への移動は防止されない。
上昇副分岐部260は、制御インタフェース231のハウジング内に配置されるとともに上部リミットスイッチ66と直列に接続された他の2つのスイッチ261,262を備える。スイッチ261は、上昇ボタン251が作動されている(完全に押されている)ときにのみ閉じており、スイッチ262は、下降ボタン252が作動されていない(完全に押されていない)ときに閉じている。一方、下降副分岐部270は、制御インタフェース231のハウジング内に配置されるとともに下部リミットスイッチ86と直列に接続された2つのスイッチ271,272を備える。スイッチ272は、下降ボタン252が作動されているときにのみ閉じており、スイッチ271は、上昇ボタン251が作動されていないときに閉じている。
本発明のエレベータに有利に設けられた他の安全特徴部は、かごの下部前敷居の下側に取り付けられたトーガードに対応する。本発明の実施例におけるトーガード300の構成が、図13に示されている。トーガード300は、垂直面内に延びるトーガードプレート301を備えており、このトーガードプレート301は、下部ドア敷居ブラケット303の後側に固定された2つの垂直に延びるブラケット302に取り付けられる。トーガードプレート301は、最高位置と図13に示されている最低位置との間において垂直方向にスライドできる。
示された実施例では、トーガードプレート301は、6つのリベット付きスタッド305,306を備える。4つのスタッド305は、ブラケット302に設けられた4つの対応するスリット307内に受けられるように配置されており、トーガードプレート301の垂直方向の移動を案内する。他の2つのスタッド306は、下部ドア敷居ブラケット303に設けられた2つの対応する垂直方向スリット308内にスライド可能に受けられるように配置される。
図13に示されているトーガードシステム300は、受動的である。ピット底部付近を除いて、トーガードシステムにおける通常の状態は、自重のために採用された図13に示された最低位置にある。エレベータの通常運転では、トーガードプレート301の基部がピット床部に突き当たり、これにより、トーガードプレートは上方にスライドする。プレート301における垂直方向のストロークは、ピットの深さに基づいて選択される。かごが最低高さを離れた後にトーガードプレート301が最低位置に戻ってこない場合には危険な状況が生じ得る。このようなトーガードの異常な位置は、スイッチ310によって有利に検知される。
安全スイッチ310は、弾性的に付勢された作動アーム311によって作動される。作動アームは、カム従動部として機能するホイール312をこの作動アームの先端部において保持する。スイッチ310の本体部は、垂直方向ブラケット302の一方の側部に取り付けられる。対応するカム面部材313が、トーガードプレート301の後方に取り付けられる。
エレベータにおける通常の使用では、トーガードプレート301は、図13に示されている完全に展開された位置において垂れ下がっている。この位置では、カム従動部であるホイール312は、カム面313の中央部に対抗しながら静止しており、これにより、安全スイッチ310は閉じられた状態に維持される。かご24が最低乗り場高さに接近したときにトーガードプレート301がピット床部によって完全に展開された位置から持ち上げられた直後に、カム面313によって作動アーム311が曲がり安全スイッチ310を開く。
一般に、かごが最低乗り場高さから上方へ移動するときには、トーガードプレート301は、安全スイッチ310が閉じられる最低位置に再び下げられる。しかし、トーガードが完全に展開されていない位置に押し込まれていること、あるいは、かごが下方へ移動する際に昇降路内における何らかの障害物がトーガードプレート301の下端部と干渉することがある。このような状況では、安全スイッチ310は開いており、エレベータの通常運転におけるかごのこれ以上の移動は防止される。
この機能は、図6に示されているように安全チェーンの通常運転分岐部においてトーガード安全スイッチ310を直列に接続することによって得られる。トーガードが適切に機能するときのピット付近におけるかご24の通常移動を許容するために、昇降路底部スイッチ320が安全スイッチ310と並列に接続される。昇降路底部スイッチ320は、かごがピット床部近傍の選択された距離範囲にあるときには閉じられて安全スイッチ310をバイパスし、かごが選択された範囲より上方にあるときには開かれている。
図1に示されているように、昇降路底部スイッチ320は、下部リミットスイッチ86とピット床部との間に配置されており、カム面70またはかごの本体部に設けられた他のカム面と協同する。
本発明は、例示的な実施例を参照して説明されてきたが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱しない限り、多くの変更がなされ、本発明の要素の代わりに同等のものが用いられ得ること理解するであろう。さらに、特定の状況や材料に適応するために、本発明の本質的な範囲を逸脱しない限り、多くの修正が本発明の教示になされ得る。したがって、本発明は開示された特定の実施例に限定されず、添付の請求項の範囲に属する実施例全てを含むことが意図される。