JP4092600B2 - 水性複合樹脂分散体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂とエチレン性不飽和単量体の共重合体からなり、水分散性ポリウレタン樹脂がシェルであり、エチレン性不飽和単量体の共重合体がコアである、コア/シェル構造を有することを特徴とする水性複合樹脂分散体およびその製造方法、およびパーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂とエチレン性不飽和単量体の共重合体からなり、水分散性ポリウレタン樹脂がシェルであり、エチレン性不飽和単量体の共重合体がコアである、コア/シェル構造を有する水性複合樹脂分散体とパーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする水性樹脂分散体の混合物に関する。さらに本発明は水性複合樹脂分散体、または水性樹脂分散体の混合物、および水に溶解あるいは分散可能な架橋剤、および水に溶解あるいは分散可能なレベリング剤を含有することを特徴とする水性剥離剤および水性離型剤、ならびに水性剥離剤および水性離型剤を塗工し表面に剥離性ならびに離型性を有する塗工物とを提供するというものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、粘着剤用の離型剤やテープ用の背面剥離剤としてはシリコーン系の離型剤や剥離剤が多く使用されている。これらシリコーン系の離型剤や剥離剤は、紫外線硬化やEB硬化、加熱硬化により基材表面で縮合反応や付加反応により硬化する縮合型や付加型のものと、反応性官能基含有シリコーンを構成成分とする共重合体に大きく分類される。これらのうち、反応性官能基含有シリコーンを構成成分とする共重合体は溶剤系の材料と水系の材料に大別することができる。溶剤系の材料として、ラジカル開始剤の存在下に、ポリフルオロアルキルビニル単量体、シリコーン系ビニル単量体、共重合可能なビニル単量体の共重合体を主剤としてなる組成物(特開昭61−228078号公報)などが使用されいる。また水系の材料としては、ポリウレタン及びポリウレア系の材料としてパーフルオロアルキル基含有エチレン性不飽和単量体、および/またはポリジメチルシロキサン基含有エチレン性不飽和単量体、およびこれらの単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体の共重合体が、シリコーンおよびカルボキシレート等の親水基含有の水分散性ポリウレタンにより水分散されたコアシェル構造を有する水性樹脂水分散体(特開平9−316288号公報)、ポリシロキサンセグメント、ペンダントフルオロケミカルセグメント、ペンダント高級アルキルセグメントなどの疎水性セグメントを有するスルホ基含有の水分散性ポリウレタンまたは水分散性ポリウレア(特開平8−239439号公報)、ポリシロキサンジオール、酸ジオール及びその他のポリオールとポリイソシアネートを構成成分とする水性ポリウレタン(特開平5−25239号公報)、ペルフルオル脂肪族基を含有する変性水性ポリウレタン(特開平1−225618号公報)などが知られている。また、ビニル共重合体としてシリコーン系マクロモノマーを構成成分とするエマルジョンが知られている(特開平1−318027号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
粘着剤用の離型剤やテープ用の背面剥離剤は、適度な剥離力を提供しかつ粘着剤の粘着力に影響を及ぼさないことが必要とされる。また、これらの製品が製造後長期保管される場合が多々あるため、長期保存後も剥離力の変化が小さく粘着剤の粘着力も影響を受けないことが必要とされる。溶剤系の離型剤や剥離剤はこれらの機能に優れるものの大気汚染、現場作業環境の改善、安全性等の観点から、有機溶剤型樹脂から水性型樹脂への変更が求められてきている。そこで、シリコーン系の材料についても水性型樹脂の開発を目的として上掲したようなシリコーン系エマルジョン(特開平1−318027号公報)、あるいは水分散性ポリウレタン(特開平8−239439号公報)、(特開平5−25239号公報)、あるいは水性複合樹脂分散体(特開平9−316288号公報)が提案されている。しかしながら、これらの方法では離型剤や剥離剤の基材密着力が充分得られないために、粘着剤により基材より剥がれこれが粘着剤の残留接着力が低下するという問題があった。また、反応性共重合体の原料として用いられる反応性シリコーンの反応性が充分でないためや、反応基を持たないシリコーンオイルの含有により残留接着力低下するという問題があった。さらに、長期保存後の剥離力も大きく変化するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上述したような従来技術における種々の欠点の存在に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定の官能基を有する水分散性ポリウレタン樹脂とエチレン性不飽和単量体の共重合体からなり、水分散性ポリウレタン樹脂がシェルであり、エチレン性不飽和単量体の共重合体がコアである、コア/シェル構造を有する水性樹脂複合分散体、またこの水性複合樹脂分散体と特定の官能基を有する水分散性ポリウレタン樹脂からなる水性樹脂分散体の混合物が剥離機能ならびに離型機能、すなわち適度な剥離力を提供しかつ粘着剤の粘着力に影響を及ぼさないことや、長期保存後も剥離力の変化が小さく粘着剤の粘着力も影響を受けないことを見出すに及んで、ここに本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、[I]本発明は、シェルとなるパーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂(A1)とコアとなるエチレン性不飽和単量体の共重合体からなり、コア/シェル構造を有することからなる水性複合樹脂分散体ならびにその製造方法を提供しようとするものであり、また[II]本発明は、水分散性ポリウレタン樹脂のパーフルオロアルキル基含有セグメントが次のような一般式
【0006】
【化5】
【0007】
(但し、Rfは炭素原子数4〜20のパーフルオロアルキル基を表し、R1は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
で示されるパーフルオロアルキル基含有セグメントであることと、シリコーン含有セグメントが次のような一般式
【0008】
【化6】
【0009】
(但し、R2は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)で示されるシリコーン含有セグメントである上記[I]記載の水性複合樹脂分散体(A)を提供するものであり、さらに[III]本発明は、エチレン性不飽和単量体の共重合体(A2)のガラス転移温度が40℃以上である上記[I]記載の水性複合樹脂分散体(A)を提供するものであり、[IV]本発明は、水分散性ポリウレタン樹脂(A1)とエチレン性不飽和単量体の共重合体(A2)のシェル/コア比が重量比で3/7〜8/2である上記[I]記載の水性複合樹脂分散体(A)を提供するものであり、また[V]本発明は、パーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂(A1)の存在下、エチレン性不飽和単量体を滴下重合せしめることを特徴とする水性複合樹脂分散体(A)の樹脂製造方法を提供しようとするものであり、さらに[VI]本発明は、シェルとなるパーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂(A1)とコアとなるエチレン性不飽和単量体の共重合体(A2)からなり、パーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂(B)からなることを特徴とする水性樹脂分散体の混合物(C)を提供しようとするものであり、[VII]本発明は、水分散性ポリウレタン樹脂(B)のパーフルオロアルキル基含有セグメントが次のような一般式
【0010】
【化7】
【0011】
(但し、Rfは炭素原子数4〜20のパーフルオロアルキル基を表し、R1は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
を示すパーフルオロアルキル基含有セグメントであり、シリコーン含有セグメントが次のような一般式
【0012】
【化8】
【0013】
(但し、R2、R3、R4は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)
で表される1個の活性水素を有するポリシロキサンの反応により得られるものであり、
[VIII]本発明は、水性複合樹脂分散体(A)と水分散性ポリウレタン樹脂(B)の混合比が50/50〜100/0である水性樹脂分散体の混合物(C)を提供しようとするものであり、または水性複合樹脂分散体(A)、または水性樹脂分散体の混合物(C)を提供しようとするものであり、
また[IX]本発明は、上記[I]〜[IV]記載の水性複合樹脂分散体(A)、または上記[VI]〜[VII]記載の水性樹脂分散体の混合物(C)、および水に溶解あるいは分散可能な架橋剤、および水に溶解あるいは分散可能なレベリング剤を含有することを特徴とする水性剥離剤および水性離型剤を提供するものであり、
また[X]本発明は、上記[I]〜[IV]記載の水性複合樹脂分散体(A)または上記[VI]〜[VII]記載のる水性樹脂分散体の混合物(C)、および水に溶解あるいは分散可能な架橋剤、および水に溶解あるいは分散可能なレベリング剤を含有することからなる水性剥離剤および水性離型剤を塗工した塗工物を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の水性複合樹脂分散体(A)のシェルとなる水分散性ポリウレタン樹脂(A1)は分子中にパーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを有し、カルボキシル基を親水基とする形の水分散性ポリウレタン樹脂であれば、特に限定するものではなく、たとえば分子中にイソシアネート基と反応し得る1個以上の活性水素を有するパーフルオロアルキル基含有の化合物、活性水素を有するシリコーン含有の化合物、活性水素を有するカルボキシル基含有の化合物、およびその他の活性水素含有化合物を使用することにより得ることができる。
【0015】
こうした、活性水素を有するパーフルオロアルキル基含有の化合物として特に代表的なものを例示するならば下記次のような一般式で示される化合物である。
F−1:
【0016】
【化9】
【0017】
(但し、Rfは炭素原子数4〜20のパーフルオロアルキル基を表し、R1は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。)
次いで、上記した活性水素を有するシリコーン含有の化合物としては、次のような一般式
【0018】
【化10】
【0019】
(但し、R2は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)
で示されるような構造を有する、いわゆる活性水素を有するオルガノシロキサンである。ここにおいて、斯かる活性水素を有するオルガノシロキサンとして次のような化合物などが例示される。
S−1:
【0020】
【化11】
【0021】
(n=1〜150)
S−2
【0022】
【化12】
【0023】
(n=1〜150)
S−3:
【0024】
【化13】
(n=1〜150)
S−4:
【0025】
【化14】
【0026】
S−5:
【0027】
【化15】
【0028】
(n=1〜150)
S−6:
【0029】
【化16】
【0030】
(n=1〜150)
次いで、活性水素を有するカルボキシル基含有の化合物としては、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸等のカルボン酸含有化合物及びこれらの誘導体又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオール等が挙げられ、これらは単独で、もしくはこれらを組み合わせて使用される。カルボキシル基の含有量は、最終的に得られる水分散性ポリウレタン100重量部当たり0.5〜5%であり、これより少ない場合は安定な水分散性ポリウレタンの水分散体が得られず、またこれより多い場合は水分散体の粘度が極端に大きくなり取り扱うことが不可能になる。
【0031】
その他の活性水素含有化合物としては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール等が挙げられる。
【0032】
ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量300〜6,000)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキシド付加体等のグリコール成分と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのヒジロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の酸成分とから脱水縮合反応によって得られるポリエステルが挙げられる。その他にε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル及びこれらの共重合ポリエステルも使用することができる。
【0033】
ポリエーテルとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、しょ糖、アコニット糖、トリメリット酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プロパントリチオール等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマーの1種または2種以上を常法により付加重合したものが挙げられる。
【0034】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のグリコールとジフェニルカーボネート、ホスゲンとの反応によって得られる化合物が挙げられる。
【0035】
上記した活性水素を有する化合物と反応せしめるために用いられる、ポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フエニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフエニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられ、これらを1種又は2種以上混合して用いられる。
【0036】
本発明に係る水分散性ポリウレタン樹脂(A1)は、上記原料を用いて従来公知の方法で製造される。例えば、前記ポリイソシアネートと活性水素含有化合物を、イソシアネート基と活性水素基の当量比を、0.8/1〜1.2/1、好ましくは0.9/1〜1.1/1の比率で、温度を20〜120℃、好ましくは30〜100℃にて反応させる。これらの反応は有機溶剤にておこなうことが可能であり、かかる有機溶剤はとくに限定されないが、メチルエチルケトンが特に好ましい。
【0037】
次いで、ポリウレタンを水分散性にするに充分な量、すなわち従来技術で良く知られているように親水基を実質的に中和する量の中和剤を混合物に加える。すなわち、中和剤を親水基1当量当たり65〜100%ので添加する。親水基が80%以上中和するまで中和剤を添加するのが好ましい。
【0038】
親水基を中和する際の中和剤としては、例えばアンモニア等の揮発性塩基、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類、または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の不揮発性塩基が挙げられる。このなかで、アンモニアが特に好ましい。
【0039】
ポリウレタンを水分散化する方法としては、従来技術のよく知られた方法を用いて水に分散させることが可能である。そのうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、(1)ポリウレタンをかきまぜながら、水を滴下する方法、(2)ポリウレタンをかきまぜながら、水を分割添加する方法、(3)もしくは、水を激しく撹拌しながら、ポリウレタン溶液を少量ずつ添加する方法などである。
【0040】
これらの方法のうちでも、高度な安定性を有する水分散体を得るためには上記(2)なる分割添加が好ましい。このとき、1回に添加する水の量はポリウレタンに対し、1/30〜1/5が好ましく、添加した水がポリウレタンと均一に混合された後水を添加せしめることが好ましい。
【0041】
本発明の水性複合樹脂分散体(A)のコアとなるエチレン性不飽和単量体の共重合体(A2)を構成するエチレン性単量体と特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、例えばエチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、3−クロロ−2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート等の単量体が挙げられる。
【0042】
更に、架橋性のエチレン性不飽和単量体を使用することができる。架橋性のエチレン性不飽和単量体としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、あるいはアセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルクロトナート、アセトアセトキシプロピルアクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルクロトナート、2−シアノアセトアセトキシエチルメタクリレート、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)メタクリルアミド、アセト酢酸アリル、アセト酢酸ビニルなどのアセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられる。また、ポリウレタンの主鎖を有するポリウレタンアクリレート、エポキシ樹脂を骨格とするエポキシアクリレートなどが挙げられる。
【0043】
これらのエチレン性不飽和単量体はエチレン性不飽和単量体の共重合体(A2)のガラス転移温度が40℃以上になるように組み合わせて反応せしめることが好ましい。このとき、ガラス転移温度は、それぞれのエチレン性不飽和単量体のホモポリマーのガラス転移温度を用いて計算される計算値を、ガラス転移温度として用いる。ガラス転移温度が40℃未満では剥離力が重剥離となり、また長期保存後の剥離力の経時変化も大きくなる原因となるため好ましくない。
【0044】
水性複合樹脂分散体(A)のシェル/コア比は重量比で3/7〜8/2であることが好ましい。水分散性ポリウレタン樹脂の使用量が8/2を超える場合には、エチレン性不飽和単量体の共重合体が機能を十分発揮しないので、好ましくない。また、水分散性ポリウレタンの使用量が3/7未満の場合には安定な水性複合樹脂分散体を得ることが困難であるため好ましくない。
【0045】
次に、本発明の水分散体の製造方法としては、特に制限されないが、それらのうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、(1)エチレン性不飽和単量体混合物の全量を、予め、水分散性ポリウレタン樹脂(A1)の存在する水性媒体中に混合し、重合開始剤によって重合せしめるというような方法であるとか、(2)エチレン性不飽和単量体混合物の全量を、予め、水分散性ポリウレタン樹脂(A1)の存在する水性媒体中に混合し、混合物を、たとえば、ホモジナイザーまたはマイクロフルイダイザーあるいはナノマイザーなどのような高剪断力を有する撹拌機や混合機などにより、水に分散せしめ、重合開始剤によって重合せしめるというような方法であるとか、(3)エチレン性不飽和単量体混合物の一部を、パーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂(A1)の水分散体に添加混合した後、重合開始剤により重合を開始し、残りのエチレン性不飽和単量体混合物を滴下重合せしめる方法などである。
これらの方法のうちでも、エチレン性不飽和単量体混合物の一部を、パーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂(A1)の水分散体に添加混合した後、重合開始源により重合を開始し、残りのエチレン性不飽和単量体混合物を滴下重合せしめるという(3)なる方法によるのが、特に好ましい。
【0046】
重合開始剤は、特に制限されないが、例えばアゾ化合物、有機過酸化物の如き各種重合開始剤、更には、紫外線あるいはγ−線などの電離性放射線などが採用され得る。
【0047】
反応温度は、ポリウレタン/単量体混合物のラジカル重合は遊離基ラジカルを解離するのに充分な温度で行われる。好適な温度範囲は、50℃〜80℃であり、60℃〜75℃がより好ましい。
【0048】
水性複合樹脂分散体(A)と混合して用いる水分散性ポリウレタン樹脂(B)は、分子中にパーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを有し、カルボキシル基を親水基とする形の水分散性ポリウレタン樹脂であり、シリコーン含有セグメントが、下式で表される1個の活性水素を有するポリシロキサンの反応により得られる水分散性ポリウレタン樹脂である。
【0049】
【化17】
【0050】
(但し、R2、R3、R4は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)
ここにおいて、斯かる活性水素を有するオルガノシロキサンとして、上掲した化合物S−1が好ましい。
【0051】
前記水分散性ポリウレタン樹脂(B)は、水性複合樹脂分散体(A)のシェルとなる水分散性ポリウレタン樹脂(A1)と同様、イソシアネート基と反応し得る1個以上の活性水素を有するパーフルオロアルキル基含有の化合物、上記活性水素を有するシリコーン含有の化合物、活性水素を有するカルボキシル基含有の化合物、およびその他の活性水素含有化合物を使用することにより得ることができ、シリコーン含有の化合物が制限されることを除けば水性複合樹脂分散体(A)のシェルとなる水分散性ポリウレタン樹脂(A1)を得るための化合物として上掲例示した化合物をそのまま用いることができる。さらに前記水分散性ポリウレタン樹脂(B)は、上掲例示した水性複合樹脂分散体のシェルとなる水分散性ポリウレタン樹脂(A1)の製造方法をそのまま用いることにより得ることができる。
【0052】
水性複合樹脂分散体(A)と水分散性ポリウレタン樹脂(B)を混合し水性樹脂分散体の混合物(C)として用いる場合、水性複合樹脂分散体(A)と水分散性ポリウレタン樹脂(B)の混合比は50/50〜100/0であることが望ましい。水分散性ポリウレタン樹脂(B)の使用量が50/50を超える場合には、水性複合樹脂分散体(A)が機能を十分発揮しないので、好ましくない。
【0053】
以上のようにして得られる水性複合樹脂分散体(A)、または水性樹脂分散体の混合物(C)は水に溶解あるいは分散可能な架橋剤、および水に溶解あるいは分散可能なレベリング剤を混合することにより水性剥離剤および水性離型剤として利用し適用することができる。
【0054】
本発明に係る水性複合樹脂分散体(A)、または水性樹脂分散体の混合物(B)を水に溶解あるいは分散可能な架橋剤、および水に溶解あるいは分散可能なレベリング剤と混合することにより水性剥離剤および水性離型剤として使用するに際して用いられる水に溶解あるいは分散可能な架橋剤としては、特に限定されるものではないけれども、それらのうちでも特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、2,2−ビスヒドキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピネ−ト]、ジフェニルメタン−ビス−4,4−N,N’−エチレンウレア、ヘキサメチレン−ビス−ω,ω−N,N’−エチレンウレア、テトラメチレン−ビス−N,N’−エチレンウレア、トリフェニルメタン−4,4’,4”−テトラメチレン−ビス−N,N’−エチレンウレア、p−フェニレンビスエチレンウレア、m−トルイレン−ビス−N,N’−エチレンウレア、カルボニルビスアジリジンおよびこれらのメチル誘導体、2−(1−アジリジニル)エチル−メタクリレートおよびその共重合体などのアジリジン化合物。乳化剤によって、ポリイソシアネート化合物を水分散化せしめるという形の乳化剤分散型のポリイソシアネート、ポリオキシエチレン基などで代表されるような、いわゆる非イオン性親水性基を有するか、あるいは該非イオン性親水性基と疎水性基とを併せ有するという形の自己水分散性型のポリイソシアネート、ならびに、ポリオキシエチレン基などで代表されるような、いわゆる非イオン性親水性化合物と;炭素数が8以上なる高級アルコールなどで代表されるような、いわゆる疎水性化合物と、ポリイソシアネート化合物との反応生成物と;ポリイソシアネート化合物との混合物であるポリイソシアネート類縁体混合分散型などの水分散性ポリイソシアネート。さらには、ジシクロヘキシルカルボジミド、ジフェニルカルボジミドまたはジ−(ジイソプロピル)フェニルカルボジミドなどをはじめ、さらには、次の一般式で示されるような、いわゆるイソシアネート基含有のカルボジミド化合物(A)
【0055】
【化18】
【0056】
(ただし、式中のR5は芳香族または脂肪族の2価連結基を表わす。)
あるいは此等の化合物(A)より誘導される、いわゆるイソシアネート基不含の、次の一般式
【0057】
【化19】
【0058】
(ただし、式中のR5は芳香族または脂肪族の2価連結基を、また、R6はアルキル基、アラルキル基またはオキシアルキレン基を表わす。)
で示されるような、親水性基不含または親水性基含有カルボジミド化合物(B)などのカルボジミド化合物。さらには、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのシランカップリング剤。さらにはオキサゾリン基をペンダントとして有する水溶性ポリマー、あるいは乳化剤によって、オキサゾリン基を有するポリマーを水分散化せしめた形の乳化剤分散型オキサゾリン基含有ポリマーなどに代表されるオキサゾリン基含有化合物などを架橋剤として使用することができる。
【0059】
本発明に係る水性複合樹脂分散体(A)、または水性樹脂分散体の混合物(B)を水に溶解あるいは分散可能な架橋剤、および水に溶解あるいは分散可能なレベリング剤と混合することにより水性剥離剤および水性離型剤として使用するに際して用いられる水に溶解あるいは分散可能なレベリング剤としては、特にアセチレングリコール、および/またはポリアルキレンオキシド基とパーフルオロアルキル基とを併用するフッ素系界面活性剤を用いるのが好ましい。
【0060】
前記アセチレングリコールは次の一般式、
【0061】
【化20】
【0062】
(但し、R7は炭素数1〜8のアルキル基を表す。)
で示され、特に代表的なもののみを例示すれば、
AS−1:
【0063】
【化21】
【0064】
AS−2:
【0065】
【化22】
【0066】
AS−3:
【0067】
【化23】
【0068】
AS−4:
【0069】
【化24】
【0070】
などである。
さらにポリアルキレンオキシド基とパーフルオロアルキル基とを併用するフッ素系界面活性剤としては、一般式
【0071】
【化25】
【0072】
[但し、Rfは炭素原子数4〜20のパーフルオロアルキル基を表し、Aは−Q−、−CON(R1)−Q−、−SO2 N(R1)−Q−、(但し、−Q−は炭素原子数1〜10のアルキレン基、R1 は炭素原子数1〜4のアルキル基である。)を表し、nは5〜40の整数である]で示されるパーフルオロアルキル基含有ノニオン性界面活性剤または、一般式
【0073】
【化26】
【0074】
[但し、Rfは炭素原子数4〜20のパーフルオロアルキル基を表し、R8 は−Hあるいは−CH3 、Aは−Q−、−CON(R9)−Q−、−SO2 N(R9)−Q−、(但し、−Q−は炭素原子数1〜10のアルキレン基、R9 は炭素原子数1〜4のアルキル基である。)を表す]で示されるパーフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレートと一般式
【0075】
【化27】
【0076】
(但し、R10は−Hあるいは−CH3、R11は−Hあるいは炭素数1〜4までのアルキル基、アクリロイル基、またはメタクロイル基を表し、nは1〜100の整数である)で示されるポリオキシエチレンモノまたはジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンモノまたはジ(メタ)アクリレートまたはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノまたはジ(メタ)アクリレートを主構成単位とする共重合体より成るパーフルオロアルキル基含有ノニオン性界面活性剤である。特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
FS−1:
【0077】
【化28】
【0078】
FS−2:
【0079】
【化29】
【0080】
FS−3:
【0081】
【化30】
【0082】
FS−4:
【0083】
【化31】
【0084】
と
【0085】
【化32】
【0086】
(ただし、n+o=30、m=30である)との重量比20/80の共重合体などである。これらは、必要に応じて水溶性溶剤に溶解あるいは水分散体として使用することができるが、当該化合物としては、それ自体が水溶解性ないしは水分散性を有するものであるということが望ましい。
【0087】
本発明に係る水性複合樹脂分散体(A)、または水性樹脂分散体の混合物(B)を水に溶解あるいは分散可能な架橋剤、および水に溶解あるいは分散可能なレベリング剤と混合することにより水性剥離剤および水性離型剤として使用するに際して用いられる被塗物基材として特に代表的なるもののみを例示するにとどめるならば、ポリエチレンテレフタレート・フィルム、ポリエチレンナフタレート・フィルムなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレン・フィルム、ポリエチレン・フィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレン・フィルム、ポリ塩化ビニル・フィルム、ポリ塩化ビニリデン・フィルム、またはポバール・フィルムなどで代表されるような種々の合成フィルム類;アルミニウムなどの金属類;一般紙または情報記録紙などで代表されるような紙類;
またはそれら合成フィルム、金属、紙を基材とした粘着テープ類などである。
【0088】
また、本発明に係る水系剥離剤および水系離型剤の塗工方法としては、基材の種類に応じて、任意の方法が適用可能であるが、そうした塗工方法として特に代表的な方法を例示するにとどめれば、浸漬塗布法、ロールコータ、グラビアコータまたは刷毛塗りなどである。
【0089】
本発明に係る水系剥離剤および水系離型剤が処理された基材は、通常の場合、当該水系剥離剤および水系離型剤を硬化させて皮膜を形成せしめることによって、容易に得られる。こうした硬化の条件は、基材の耐熱性や水性複合樹脂分散体(A)、または水性樹脂分散体の混合物(B)の皮膜形成温度に応じて、適宜、変更され得る。
【0090】
通常の場合、水性複合樹脂分散体(A)、または水性樹脂分散体の混合物(B)の皮膜形成温度から、基材の耐熱温度までの範囲内で、硬化を実施することが望ましい。具体的には、室温より180℃程度の温度が適切であり、より好ましくは100〜180℃なる範囲内であり、また、硬化時間の方は、皮膜の膜厚に応じて変更され得るが、具体的には、数秒間から1時間程度が適切である。
【0091】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、部および%は特に断わりのない限りはすべて重量基準であるものとする。また、用いた単量体は、上記発明の詳細な説明に示した呼称をそのまま使用した。
【0092】
合成例1
温度計、撹拌装置、還流冷却管を備えた4ツ口フラスコに、先ずエチレングリコール/ネオペンチルグリコール/テレフタール酸/イソフタール酸/アジピン酸を反応させて得られたポリエステル(OH価91)(58.3g)、シリコーンS−3(25.0g)、およびパーフルオロアルキル基含有有機ジオールF−1(88.6g)をメチルエチルケトン(204g)に加え充分攪拌した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート(60.4g)を加え、75℃に加温し、この温度で3時間反応させた。次いで、この溶液を55℃以下に冷却した後、ジメチロールプロピオン酸(18.6g)を投入し15時間反応させて水分散性を有するポリウレタン溶液が得られた。5%アンモニア水溶液(47.2g)を添加し0.5時間、55℃で保った後、水(703g)を50gずつ分割し1時間かけて添加し、均一な水分散液を得た。得られた水分散液をナスフラスコに移し、ロータリエバポレータを用い、55℃、360mmHgの条件で脱溶剤し、固形分25%の安定な水分散液(a)を1000g得た。
【0093】
合成例2〜4
例1の方法に従って、表1に示す配合表に示す原料を用い、固形分25%の安定な水分散液(b)〜(d)を1000g得た。
【0094】
実施例1
温度計、撹拌装置、還流冷却管、滴下装置、窒素置換された4ツ口フラスコに例1で得られた水分散液(a)(1000g)、および水(250g)を添加した。次いでこれとは別の2つのビーカー内においてメチルメタクリレート(29.4g)、イソブチルアクリレート(17.0g)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3.6g)、アセトン166gの混合溶液(I液)、およびメチルメタクリレート(117.4g)、イソブチルアクリレート(68.0g)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(14.0g)の混合溶液(II液)を調節した。I液を四つ口フラスコに移し充分攪拌した後、65℃まで昇温させた。過硫酸アンモニウム(0.76g)を添加し重合反応を開始した後、II液を2時間かけて滴下した。II液の滴下終了1時間後過硫酸アンモニウム(0.50g)添加し、さらに重合反応を5時間継続させた。得られた水分散液をナスフラスコに移し、ロータリエバポレータを用い、55℃、50kPaの条件で脱溶剤し、固形分25%の安定な水分散液(e)を2000g得た。メチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体の計算ガラス転移温度は約50℃であった。また、透過型電子顕微鏡(TEM)(JEM−200CX、日本電子(株))観察により得られた水分散体がコア/シェル構造になっていることを確認した。
【0095】
実施例2〜9
4つ口フラスコに添加する水分散液を(b)〜(d)に変えたことを除き例3の方法に従って、表1に示す配合表に示す原料を用い、固形分25%の安定な水分散液(f)〜(m)を2000g得た。
【0096】
比較例1
温度計、撹拌装置、還流冷却管を備えた4ツ口フラスコに、先ずエチレングリコール/ネオペンチルグリコール/テレフタール酸/イソフタール酸/アジピン酸を反応させて得られたポリエステル(OH価91)(79.2g)、およびシリコーンS−1(12.5g)をメチルエチルケトン(102g)に加え充分攪拌した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート(26.7g)を加え、75℃に加温し、この温度で3時間反応させた。次いで、この溶液を55℃以下に冷却した後、ジメチロールプロピオン酸(9.31g)を投入し15時間反応させて水分散性を有するポリウレタン溶液が得られた。下記化学式で示されるパーフルオロアルキル基含有エチレン性不飽和単量体FM−1(87.5g)、メチルメタクリレート(18.8g)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(3.8g)、下記化学式で示されるポリジメチルシロキサン基含有エチレン性不飽和単量体S−7(12.5g)、N−メチロールアクリルアマイド(2.5g)、ラウリルメルカプタン(1.3g)の単量体混合物をメチルエチルケトン(100g)に溶解させポリウレタン溶液に添加し溶解させた。5%アンモニア水溶液(23.6g)を添加し0.5時間、55℃で保った後、水(703g)を50gずつ分割し1時間かけて添加し、均一な水分散液を得た。水分散液を70℃まで昇温して攪拌しながら過硫酸アンモニウム(0.63g)を加えて6時間重合反応を行った。得られた水分散液をナスフラスコに移し、ロータリエバポレータを用い、55℃、50kPaの条件で脱溶剤し、固形分25%の安定な水分散液(n)を1000g得た。
FM−1
【0097】
【化33】
【0098】
S−6
【0099】
【化34】
【0100】
比較例2
温度計、撹拌装置、還流冷却管を備えた4ツ口フラスコに、先ずジメチル−5−スルホイソフタル酸ナトリウム/ネオペンチルグリコールから調製したラクトン化スルホ有機ジオール(190.2g)をメチルエチルケトン(204g)に加え充分攪拌した。次いでヘキサメチレンジイソシアネート(33.6g)を加え、75℃に加温し、この温度で3時間反応させた。次いで、この溶液を65℃以下に冷却した後、シリコーンS−2(26.1g)を投入し15時間反応させて水分散性を有するポリウレタン溶液が得られた。水(750g)を50gずつ分割し1時間かけて添加し、均一な水分散液を得た。得られた水分散液をナスフラスコに移し、ロータリエバポレータを用い、55℃、360mmHgの条件で脱溶剤し、固形分25%の安定な水分散液(o)を1000g得た。
上記で得られた水分散液(e)〜(o)について、剥離特性、残留接着性能、レベリング性の試験を行った。
[試験方法]
[剥離性能試験法]
二軸延伸ポリプロピレン(以後、OPPともいう。)製フィルムのコロナ放電処理面の上に形成された離型性コート剤塗布面に、25mm巾のゴム系粘着テープ[日東電工(株)製のNO.31Eを使用]を、2kgのゴムローラーで貼り合わせた。本粘着テープ/離型性コート剤塗布フィルム試験片を、25℃で、24時間のあいだ保存したのち、離型性コート剤塗布フィルムから粘着テープを180度の角度で300mm/minの速度で剥離するのに要する力を常態剥離力としてN/mの単位で記録した。また、本粘着テープ/離型性コート剤塗布フィルム試験片を70℃、95%RHという条件下に、2日間のあいだ保存したのち離型性コート剤塗布フィルムから粘着テープを180度の角度で300mm/minの速度で剥離するのに要する力をエージング処理後剥離力としてN/mの単位で記録した。
【0101】
【表1】
【0102】
[残留接着試験法]
離型性コート剤塗布フィルムから剥がした粘着テープを2kgのローラーで清浄なSUS板表面に貼り合せ。20分〜40分後粘着テープをSUS板表面から180度の角度で300mm/minの速度で剥離するのに要する力を残留接着力としてN/mの単位で記録した。
[レベリング性試験]
OPPフィルムのコロナ放電処理面の上に離型性コート剤、架橋剤、レベリング剤からなる配合液をバーコータを用い塗布し、110℃で3分間乾燥せしめた後、目視によりフィルム上における離型剤の塗れを観察した。
【0103】
実施例10
実施例1で得られた水分散液(e)の8gに対して、0.8gのシランカップリング剤(信越化学(株)製KBM−403)と0.12gのパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤[メガファックF−177(大日本インキ化学工業(株)製)]を配合し、配合液を92gのイオン交換水で希釈することによって、目的とする離型性コート剤を調整した。この配合液をバーコーターNo.8を用いてOPPフィルムのコロナ放電処理面に塗布せしめ、しかるのち、110℃で、3分間のあいだ乾燥した。レベリング性の測定、剥離性能試験および残留接着試験を行い結果を表2にまとめた。表2には、25mm巾のゴム系粘着テープ[日東電工(株)製のNO.31Eを使用]を未塗工のOPPフィルムのコロナ放電処理面に圧着し、剥離力および残留接着力を測定したときの結果をブランク値としてまとめた。
【0104】
【表2】
【0105】
実施例11〜18
実施例1と同様にして、実施例2〜9で得られた、水分散液(e)〜(m)の8gに対して、0.8gのシランカップリング剤と0.12gのパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤を配合し、配合液を92gのイオン交換水で希釈することによって、目的とする離型性コート剤を調整した。レベリング性の測定、剥離性能試験および残留接着試験を行い結果を表2にまとめた。
【0106】
実施例19〜23
実施例10と同様にして、実施例1、6〜9で得られた、水分散液(e)、(j)〜(m)の4.8gに対して、合成例2で得られた水分散液(b)の3.2gを配合し全体で8gの配合液を得た。0.8gのシランカップリング剤と0.12gのパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤を配合し、配合液を92gのイオン交換水で希釈することによって、目的とする離型性コート剤を調整した。レベリング性の測定、剥離性能試験および残留接着試験を行い結果を表2にまとめた。
【0107】
比較例3〜4
実施例10と同様にして、合成例1、3で得られた、水分散液(a)、(c)の8gに対して、0.8gのシランカップリング剤と0.12gのパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤を配合し、配合液を92gのイオン交換水で希釈することによって、目的とする離型性コート剤を調整した。レベリング性の測定、剥離性能試験および残留接着試験を行い結果を表3にまとめた。
【0108】
【表3】
【0109】
比較例5〜6
実施例10と同様にして、比較例1、2で得られた、水分散液(n)、(o)の8gに対して、0.8gのシランカップリング剤と0.12gのパーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤を配合せしめることによって、目的とする離型性コート剤を調製した。レベリング性の測定、剥離性能試験および残留接着試験を行い結果を表3にまとめた。
【0110】
【発明の効果】
本発明の水性複合樹脂分散体、および水性複合樹脂分散体と水分散性ポリウレタン樹脂の水分散体の混合物を、水性剥離剤および水性離型剤として塗工した場合、適度な剥離力をもちかつ粘着剤の粘着力に影響を及ぼさず、長期保存後も剥離力の変化が小さく粘着剤の粘着力の影響を受けにくい塗工物が得られる。
Claims (10)
- シェルとなるパーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂(A1)とコアとなるエチレン性不飽和単量体の共重合体(A2)からなり、コア/シェル構造を有することを特徴とする水性複合樹脂分散体(A)。
- エチレン性不飽和単量体の共重合体(A2)のガラス転移温度が40℃以上である請求項1記載の水性複合樹脂分散体(A)。
- 水分散性ポリウレタン樹脂(A1)とエチレン性不飽和単量体の共重合体(A2)のシェル/コア比が重量比で3/7〜8/2である請求項1記載の水性複合樹脂分散体(A)。
- パーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂(A1)の存在下、エチレン性不飽和単量体を滴下重合せしめることを特徴とする水性複合樹脂分散体(A)の樹脂製造方法。
- シェルとなるパーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂(A1)とコアとなるエチレン性不飽和単量体の共重合体(A2)からなり、コア/シェル構造を有する水性複合樹脂分散体(A)とパーフルオロアルキル基含有セグメント、シリコーン含有セグメントを含有し、カルボキシル基を親水基とする水分散性ポリウレタン樹脂(B)からなることを特徴とする水性樹脂分散体の混合物(C)。
- 水性複合樹脂分散体(A)と水分散性ポリウレタン樹脂(B)の混合比が50/50〜100/0である請求項6記載の水性樹脂分散体の混合物(C)。
- 請求項1〜4の何れかに記載の水性複合樹脂分散体(A)、または請求項6〜8の何れかに記載の水性樹脂分散体の混合物(C)、および水に溶解あるいは分散可能な架橋剤、および水に溶解あるいは分散可能なレベリング剤を含有することを特徴とする水性剥離剤および水性離型剤。
- 請求項1〜4の何れかに記載の水性複合樹脂分散体(A)、または請求項6〜8の何れかに記載の水性樹脂分散体の混合物(C)、および水に溶解あるいは分散可能な架橋剤、および水に溶解あるいは分散可能なレベリング剤を含有することを特徴とする水性剥離剤および水性離型剤を塗工した塗工物。
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