JP5771961B2 - 微粒子含有シートの製造方法 - Google Patents
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Description
また、物品に微粒子を確実に使用するために、接着剤を用いて微粒子を物品に直接固着させる方法も考えられるが、微粒子が固着している部分は***し凹凸が生じてしまい、微粒子が使用されていることが容易に分かってしまうという課題がある。
また本発明においては、上述のように、物品に使用する前に微粒子含有シート自体を予め検査することができるので、物品に微粒子が確実に使用されていることを保証することが可能である。また、従来の微粒子を含有するインクを用い、基材上に微粒子および透明樹脂組成物を含有するインクを塗布して微粒子含有層を形成する場合、微粒子含有層中の微粒子の含有量を把握することが困難であり、特にインク中の微粒子の含有量が少なく、インクの使用量が少ない場合には、微粒子含有層が微粒子を確実に含有することを保証するのは困難である。一方、本発明によれば、基材上に微粒子を散布した後、透明樹脂組成物を配置する、あるいは、基材上に透明樹脂組成物を配置した後、微粒子を散布するので、微粒子含有層中の微粒子の含有量を容易に把握することが可能であり、微粒子含有層に微粒子を確実に含有させることが可能となる。したがって、確実に偽造防止効果を達成することが可能となる。さらには、微粒子含有シートについて微粒子の個数および位置についてマッピングが可能であり、微粒子の個数や位置を予め決めた状態で、物品に使用することができるので、高度な偽造防止を実現することが可能である。
本発明の微粒子含有シートの製造方法は、微粒子散布工程および透明樹脂組成物配置工程を行う順序により、2つの実施態様に分けることができる。
以下、各実施態様に分けて説明する。
本実施態様の微粒子含有シートの製造方法は、拡大して観察することで識別可能な情報を有する微粒子が透明樹脂中に分散された微粒子含有層を形成する微粒子含有層形成工程を有する微粒子含有シートの製造方法であって、上記微粒子含有層形成工程が、基材上に、上記微粒子を散布する微粒子散布工程と、上記微粒子が散布された上記基材上に、透明樹脂組成物を配置する透明樹脂組成物配置工程と、上記透明樹脂組成物を固化する固化工程とを含むことを特徴とする。
図1(a)〜(f)は本実施態様の微粒子含有シートの製造方法の一例を示す工程図である。まず、図1(a)に示すように、スペーサ11が形成された基材2上に、所定の微粒子3を散布する(微粒子散布工程)。次いで、図1(b)に示すように、微粒子3が散布された基材2上に、透明樹脂組成物4aを注入する(透明樹脂組成物配置工程)。続いて、図1(c)に示すように、透明樹脂組成物4aをカバーガラス等の平坦基板12で覆い、平面化する。次に、この状態で、透明樹脂組成物4aを固化する(固化工程)。これにより、図1(d)に示すように、透明樹脂4b中に微粒子3が分散された微粒子含有層5が得られる(微粒子含有層形成工程)。次いで、図1(e)に示すように、微粒子含有層5から平坦基板12およびスペーサ11を剥離し、さらに、図1(f)に示すように、基材2から微粒子含有層5を剥離する(基材剥離工程)。このようにして、微粒子含有シート1を得ることができる。
さらに本実施態様により製造される微粒子含有シートにおいては、微粒子の個数や位置についてマッピングを行うことが可能であり、微粒子の個数や位置を予め決めた状態で、物品に使用することができるので、高度な偽造防止を実現することが可能である。
本実施態様における微粒子含有層形成工程は、拡大して観察することで識別可能な情報を有する微粒子が透明樹脂中に分散された微粒子含有層を形成する工程であって、基材上に、上記微粒子を散布する微粒子散布工程と、上記微粒子が散布された上記基材上に、透明樹脂組成物を配置する透明樹脂組成物配置工程と、上記透明樹脂組成物を固化する固化工程とを有する。
以下、微粒子含有層形成工程における各工程について説明する。
本実施態様における微粒子散布工程は、基材上に、拡大して観察することで識別可能な情報を有する微粒子を散布する工程である。
以下、微粒子の散布方法、微粒子、および基材について説明する。
本実施態様における微粒子の散布方法としては、基材上に所定の微粒子を均一に散布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、乾式散布法および湿式散布法のいずれも用いることができる。
乾式散布法としては、例えば、微粒子をそのまま撒く方法や、微粒子をガスとともに噴射する方法等を挙げることができる。ガスとしては、特に限定されるものではなく、例えば、空気、不活性ガス等が挙げられる。不活性ガスは、例えばヘリウム、ネオン、アルゴンなどの希ガス類元素や、窒素などが挙げられるが、中でも取り扱いが容易な窒素を用いることが好ましい。
湿式散布法としては、微粒子を溶媒と混合して散布した後、溶媒を揮発させる方法を挙げることができる。溶媒としては、揮発性を有しており、微粒子が分散し、微粒子が溶解しないものであれば特に限定されるものではないが、特に揮発時の環境への影響等を配慮し、エタノール、メタノール、2−プロパノール等の極性揮発性溶媒と水の混合液を用いることが好ましい。
微粒子を散布する際には、微粒子を帯電させてもよい。
本実施態様に用いられる微粒子は、拡大して観察することで識別可能な情報を有するものである。
図2(a)、(b)は微粒子の一例を示す模式図であり、図2(a)は上面図、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。図2(a)、(b)に示す微粒子3は、その表面に凹部がパターン状に形成されたものであり、拡大して観察することで識別可能な情報32(星の記号)を有している。
図3(a)、(b)は微粒子の他の例を示す模式図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は図3(a)のB−B線断面図である。図3(a)、(b)に示す微粒子3は、その表面に立体形状を有するものであり、拡大して観察することで識別可能な情報32(ティーポットの立体形状)を有している。
図4(a)、(b)は微粒子の他の例を示す模式図であり、図4(a)は上面図、図4(b)は図4(a)のC−C線断面図である。図4(a)、(b)に示す微粒子3は、その表面に立体形状を有するとともに凹部がパターン状に形成されたものであり、拡大して観察することで識別可能な情報32a(ティーポットの立体形状)および32b(TEAの文字)を有している。
図5(a)〜(c)は微粒子の他の例を示す模式図であり、図5(a)、(b)は斜視図、図5(c)は側面図である。図5(a)〜(c)に示す微粒子3A〜3Cはそれぞれ、その表面に立体形状を有するものであり、観察することで識別可能な情報32(D・N・Pの文字の立体形状)を有している。
金属層の形成方法としては、蒸着法を挙げることができる。
金属層の厚みとしては、微粒子が有する情報の視認性を向上させることができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば1nm〜100nm程度とすることができ、10nm〜250nmの範囲内であることが好ましい。金属層が厚すぎると、微粒子が有する情報が損なわれてしまうおそれがあり、金属層が薄すぎると、金属層の形成が困難であったり、微粒子が有する情報の視認性を高める効果が十分に得られなかったりする可能性があるからである。
以下、各機能性材料に分けて説明する。
本実施態様に用いられる紫外線発光材料としては、紫外線の吸収により蛍光発光する材料を用いることができる。紫外線発光材料は、短波長域(約200nm〜300nm)の吸収により発光するもの、および、長波長域(約300nm〜400nm)の吸収により発光するもののいずれも使用することができる。この紫外線発光材料は、紫外線により励起され、これよりも低いエネルギー準位に戻るときに発するスペクトルのピークが青、緑、赤等の波長域にあるものであり、目的に応じて適宜選択することができる。具体例としては、Ca2B5O9Cl:Eu2+、CaWO4、ZnO:Zn、Zn2SiO4:Mn、Y2O2S:Eu、ZnS:Ag、YVO4:Eu、Y2O3:Eu、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、Y3Al5O12:Ce、Sr5(PO4)3Cl:Eu、3(Ba,Mg)O・8Al2O3:Eu、Zn2GeO4:Mn、Y(P,V)O4:Eu、0.5MgF2・3.5MgO・GeO2:Mn、ZnS:Cu、ZnS:Mn等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。なお、上記紫外線発光材料は、その組成を、主成分と付活剤または発光中心とを「:」で繋いで表記している。
本実施態様に用いられる赤外線発光材料としては、赤外線の吸収により蛍光発光する材料を用いることができる。赤外線発光材料は、赤外線(約800nm〜1200nm)で励起され、可視光(約400nm〜800nm)を発光するものであり、目的に応じて適宜選択することができる。具体例としてはYF3:Yb+Er、YF3:Yb+Tm、BaFCl:Yb+Er等が挙げられる。なお、上記赤外線発光材料は、その組成を、主成分と付活剤または発光中心とを「:」で繋いで表記している。
本実施態様に用いられる赤外線反射材料としては、赤外線に対して波長選択反射性を有する材料を用いることができ、例えば、多層構造材料、赤外線反射顔料、コレステリック構造を有する液晶材料等を挙げることができる。赤外線反射材料が反射する赤外線の波長は特に限定されないが、通常、800nm〜2500nmである。
具体的には、コレステリック液晶の架橋体のような固定化されたコレステリック構造を有する多層液晶材料を用いて、赤外線反射層を形成することができる。
本実施態様に用いられる赤外線吸収材料としては、赤外線(800nm〜1100nm)を吸収できる材料であれば特に限定されるものではない。中でも、800nm〜1100nmの波長域を吸収し、かつ可視光域、すなわち380nm〜780nmの波長域では吸収が少なく十分な光線透過率を有する赤外線吸収材料が好ましい。
量子ドット(Quantum dot)材料は、半導体のナノメートルサイズの微粒子で、電子や励起子がナノメートルサイズの小さな結晶内に閉じ込められる量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)により、特異的な光学的、電気的性質を示し、半導体ナノ粒子(Semiconductor Nanoparticle)とか、半導体ナノ結晶(Semiconductor Nanocrystal)とも呼ばれるものである。
本実施態様に用いられる量子ドット材料としては、半導体のナノメートルサイズの微粒子であり、量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)を生じる材料であれば特に限定されない。例えば、自らの粒径によって発光色が規制される半導体微粒子と、ドーパントを有する半導体微粒子がある。
本実施態様に用いられる磁性材料としては、核磁気共鳴(NMR)、核四極子共鳴(NQR)、電子スピン共鳴(ESR)、強磁性共鳴、反強磁性共鳴、フェリ磁性共鳴、磁壁共鳴、スピン波共鳴、スピンエコー共鳴等の磁気共鳴を示すものを用いることができる。
例えば、磁性材料を含有する微粒子と、磁性材料を含有しない微粒子とに、磁性材料が核磁気共鳴を示す周波数の電磁波を照射すると、磁性材料を含有する微粒子では共鳴吸収が起こり、磁性材料を含有しない微粒子では共鳴吸収が起こらないため、この共鳴吸収を観測することにより微粒子の存在を認識することができ、真贋判定を行うことが可能となる。また、得られるNMRスペクトルでは、物質の構造やエネルギー状態等によりシグナルの位置、強度、半値幅、形状等が異なるため、使用する磁性材料の種類により識別することも可能である。
本実施態様に用いられる着色材料としては、顔料、染料を挙げることができる。
着色材料は、微粒子に含有させることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な顔料、染料を用いることができる。
2つ以上の情報を有する微粒子を形成する場合には、これらの方法を組み合わせたり、同じ方法を繰り返し行ったりすればよい。
本実施態様に用いられる基材は、上記微粒子を散布することができ、また後述の透明樹脂組成物を配置することができるものであれば特に限定されるものではないが、本実施態様において後述する基材剥離工程を行うか否かや、基材の形成位置に応じて適宜選択されることが好ましい。
透明基材の光透過性としては、微粒子含有層中の微粒子が観察可能であれば特に限定されないが、可視領域における全光線透過率が10%以上であることが好ましい。
中でも、プライマー剤を用いた化学的処理であることが好ましい。プライマー剤は、基材製造時に処理されるものと、製造後の基材表面に処理されるものと、いずれの場合も好適である。プライマー剤で処理した基材としては、市販されているものを用いることができる。また、製造後の基材表面を処理するプライマー剤としては、樹脂組成物と密着するものであればよい。
スペーサは、基材と同様に、微粒子含有層形成工程後に剥離してもよく剥離しなくてもよい。
スペーサの材料としては、通常、樹脂が用いられる。
スペーサの形成方法としては、例えば、樹脂フィルムを貼付する方法、インクジェット法、印刷法、フォトリソグラフィー法を挙げることができる。
本実施態様における透明樹脂組成物配置工程は、上記微粒子が散布された上記基材上に、透明樹脂組成物を配置する工程である。
以下、透明樹脂組成物の配置方法、および透明樹脂組成物について説明する。
本実施態様における透明樹脂組成物の配置方法としては、基材上に散布された微粒子の分散状態を維持したまま、基材上に透明樹脂組成物を配置できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、透明樹脂組成物を注入する方法、ディスペンサー法やインクジェット法等の吐出方法にて透明樹脂組成物を吐出する方法等を挙げることができる。具体的には、ディスペンサーを用い、ディスペンサノズルから必要な量の透明樹脂組成物を吐出し、後述の固化工程にてこれを硬化することが好ましい。
具体的に、上記膜の厚みは、1μm〜800μm程度とすることができ、10μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
平坦基板としては、平滑性を有するものであれば特に限定されるものではないが、平坦基板を剥離するか否かに応じて適宜選択されることが好ましい。
また、平坦基板を剥離しない場合、平坦基板は、フレキシブル性を有することが好ましい。本実施態様により製造される微粒子含有シートを種々の形状の偽造防止媒体に適用することが可能となるからである。
このような平坦基板としては、上記基材に用いられる樹脂基材を使用することができる。
本実施態様に用いられ透明樹脂組成物の光透過性としては、得られた微粒子含有層中の微粒子が観察可能であれば特に限定されないが、透明樹脂組成物を微粒子含有層と同じ厚みで成膜したときに、可視領域における全光線透過率が10%以上であることが好ましく、中でも50%以上であることが好ましく、特に80%以上であることが好ましい。
なお、上記全光線透過率は、JIS K 7105に準拠して測定した値である。
中でも、光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物等の硬化性樹脂組成物が好ましい。硬化性樹脂組成物は、粘度の調整が比較的容易であり、粘度を低くすることができるからである。透明樹脂組成物の粘度が低い場合には、基材上に散布された微粒子の分散状態を維持したまま、基材上に透明樹脂組成物を配置することが容易となる。
特に、光硬化性樹脂組成物が好ましい。光硬化性樹脂組成物を用いることにより、耐熱性の低い基材も用いることが可能となり、本実施態様により製造される微粒子含有シートの用途の選択肢が広がるからである。また、生産効率を向上させることができるからである。
具体的には、変性アクリレート系のアクリル樹脂組成物、ウレタン樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物等、いずれの透明樹脂組成物も使用することができる。
本実施態様における固化工程は、上記透明樹脂組成物を固化する工程である。
透明樹脂組成物の固化方法としては、透明樹脂組成物の種類に応じて適宜選択される。硬化性樹脂組成物の場合には、光や熱による硬化方法が用いられる。熱可塑性樹脂組成物の場合には、冷却する方法が用いられる。
透明樹脂組成物が平坦基板で覆われている場合には、透明樹脂組成物が平坦基板で覆われている状態で、透明樹脂組成物を固化することで、平滑性の良好な微粒子含有層を得ることができる。
本実施態様において、微粒子含有層中の微粒子の含有量としては、本実施態様により製造される微粒子含有シートを偽造防止媒体に用いた場合に、微粒子による真贋判定が可能であれば特に限定されるものではないが、微粒子含有層1cm2当たりに少なくとも1個以上の微粒子が含有されていることが好ましい。
基材上に微粒子含有層をパターン状に形成する場合には、基材上にスペーサを形成し、スペーサにより微粒子含有層のパターン形状を画定してもよく、微粒子含有層の形成後に微粒子含有層のみを打ち抜いてもよい。
具体的に、微粒子含有層の膜厚は、0.1μm〜500μm程度とすることができ、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
本実施態様においては、上記微粒子含有層形成工程後に、上記基材を剥離する基材剥離工程を行ってもよい。微粒子含有層は他の層との積層も容易であり、付加価値の高い微粒子含有シートを得ることができる。また、基材を剥離することで、微粒子含有シートの薄膜化が可能である。
本実施態様においては、上記の微粒子含有層形成工程および基材剥離工程の他に、任意の工程を有していてもよい。
本実施態様においては、上記微粒子含有層形成工程後に、図7および図8に例示するように、微粒子含有層5上に、粘着層24が形成された剥離基材23を、粘着層24を介して積層する粘着層・剥離基材積層工程を行ってもよい。本実施態様により製造される微粒子含有シートを偽造防止媒体に適用する際に、剥離基材を剥がし、粘着層を介して、微粒子含有シートを容易に貼付することができるからである。また、粘着層上に剥離基材が積層されていることにより、微粒子含有シートの取り扱いが容易になるからである。
粘着層の形成方法は、公知の方法を用いることができる。
本実施態様においては、上記微粒子含有層形成工程後に、図9に例示するように、微粒子含有層5上にハードコート層26を形成するハードコート層形成工程を行ってもよい。ハードコート層により微粒子含有層を保護することができるからである。
ハードコート層は、本実施態様により製造される微粒子含有シートを偽造防止媒体に適用した際に、ハードコート層が微粒子含有層よりも表面側となるように、微粒子含有層上に形成される。
ハードコート層の形成方法は、公知の方法を用いることができる。
本実施態様においては、図10および図11に例示するように、微粒子含有層5およびホログラム層27を積層するホログラム層形成工程を行ってもよい。ホログラム層により偽造防止効果を高めることができるからである。また、微粒子含有層によりホログラム層を保護することができるからである。
ホログラム層は、本実施態様により製造される微粒子含有シートを偽造防止媒体に適用した際に、ホログラム層が微粒子含有層よりも裏面側になるように、微粒子含有層と積層される。
ホログラム層としては公知のものを使用することができる。
本実施態様により製造される微粒子含有シートは、枚葉であってもよく長尺であってもよい。
微粒子含有シートの検査装置では、微粒子の位置をマッピングし、データベースに保存し、照合が可能である。
微粒子含有シートは、ホログラム層を有する場合には、ホログラムラベルやホログラム転写箔として使用することもできる。また、微粒子含有シートは、偽造防止媒体へのラミネートフィルムとして使用することもできる。
微粒子含有シートは、偽造防止用途に好適であり、例えば、金券、ギフトカード、クレジットカード、IDカード、パスポート、運転免許証、ブランド品、自動車部品、精密機器部品、家電、化粧品、医薬品、食品、OAサプライ品、スポーツ用品、CD、DVD、ソフトウェア、たばこ、お酒等に用いることができる。
一方、第2樹脂層は、光透過性を有するものである。第2樹脂層の光透過性としては、微粒子含有シートを構成する基材が透明基材である場合の光透過性と同様とすることができる。第2樹脂層としては、例えば一般的な樹脂基材を用いることができる。
支持体と第1樹脂層と微粒子含有シートと第2樹脂層との積層方法としては、例えば、各層を接着層を介して積層する方法、各層を熱圧着により積層する方法等を挙げることができる。
本実施態様の微粒子含有シートの製造方法は、拡大して観察することで識別可能な情報を有する微粒子が透明樹脂中に分散された微粒子含有層を形成する微粒子含有層形成工程を有する微粒子含有シートの製造方法であって、上記微粒子含有層形成工程が、基材上に、透明樹脂組成物を配置する透明樹脂組成物配置工程と、上記透明樹脂組成物が配置された上記基材上に、上記微粒子を散布する微粒子散布工程と、上記透明樹脂組成物を固化する固化工程とを含むことを特徴とする。
図15(a)〜(f)は本実施態様の微粒子含有シートの製造方法の一例を示す工程図である。まず、図15(a)に示すように、スペーサ11が形成された基材2上に、透明樹脂組成物4aを注入する(透明樹脂組成物配置工程)。次いで、図15(b)に示すように、透明樹脂組成物4aが配置された基材2上に、所定の微粒子3を散布する(微粒子散布工程)。続いて、図15(c)に示すように、透明樹脂組成物4aをカバーガラス等の平坦基板12で覆い、平面化する。次に、この状態で、透明樹脂組成物4aを固化する(固化工程)。これにより、図15(d)に示すように、透明樹脂4b中に微粒子3が分散された微粒子含有層5が得られる(微粒子含有層形成工程)。次いで、図15(e)に示すように、微粒子含有層5から平坦基板12およびスペーサ11を剥離し、さらに、図15(f)に示すように、基材2から微粒子含有層5を剥離する(基材剥離工程)。このようにして、微粒子含有シート1を得ることができる。
さらに本実施態様により製造される微粒子含有シートにおいては、微粒子含有シートにおける微粒子の個数や位置についてマッピングを行うことが可能であり、微粒子の個数や位置を予め決めた状態で、物品に使用することができるので、高度な偽造防止を実現することが可能である。
本実施態様における微粒子含有層形成工程は、拡大して観察することで識別可能な情報を有する微粒子が透明樹脂中に分散された微粒子含有層を形成する工程であって、基材上に、透明樹脂組成物を配置する透明樹脂組成物配置工程と、上記透明樹脂組成物が配置された上記基材上に、上記微粒子を散布する微粒子散布工程と、上記透明樹脂組成物を固化する固化工程とを有する。
なお、固化工程および微粒子含有層については、上記第1実施態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、微粒子含有層形成工程における他の工程について説明する。
本実施態様における透明樹脂組成物配置工程は、基材上に、透明樹脂組成物を配置する工程である。
なお、透明樹脂組成物および基材については、上記第1実施態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、透明樹脂組成物の配置方法について説明する。
本実施態様における微粒子散布工程は、上記透明樹脂組成物が配置された上記基材上に、拡大して観察することで識別可能な情報を有する微粒子を散布する工程である。
なお、微粒子については、上記第1実施態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、微粒子の散布方法について説明する。
なお、乾式散布法および湿式散布法については、上記第1実施態様に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、平坦基板については、上記第1実施態様に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
[実施例1]
まず、基材(易接着PET/東洋紡績株式会社製A4300、厚さ38μm)上に、スペーサ(PET/東レ株式会社製ルミラー50T60、厚さ50μm)を配置し、スペーサで囲まれた領域内に、粒径100μmの星型形状の微粒子を基材へそのまま撒いた。続いて、上記微粒子を撒いた基材上に、下記組成のUV硬化性樹脂組成物を注入した。
<UV硬化性樹脂組成物の組成>
・ポリエステルアクリレート(アロニックスM−7100:東亞合成(株)製)
30質量%
・トリプレングリコールジアクリレート(アロニックスM−220:東亞合成(株)製)
35質量%
・トリメチロールプロパントリアクリレート(アロニックスM−309:東亞合成(株)製) 30質量%
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irg184:チバスペシャリティケミカルズ社製) 5質量%
注入されたUV硬化性樹脂組成物の上にカバーガラスとして白板ガラス(コーニング社製、型番7059、厚さ1.1mmt)を置き、平面化した。この状態で、紫外線を30mJ/cm2照射し、UV硬化性樹脂組成物を半分硬化させた後、カバーガラス及びスペーサを剥離した。さらに紫外線を2000mJ/cm2照射し、完全にUV硬化性樹脂組成物を固めた。
これらの工程によって、基材上に微粒子含有層を形成し、微粒子含有シートを作製した。基材は透明であるため、基材は剥離せずにそのまま微粒子含有シートとして使用した。
実施例1で作製した微粒子含有シートを用いて、カードを作製した。
まず、基材(PET−G/ポリカーボネートアロイ樹脂、住友ベークライト株式会社製G7260、厚さ610μm)上に、レーザー発色層(PET−G/ポリカーボネートアロイ樹脂、三菱樹脂株式会社製PG−CLE−HL、厚さ50μm)と、第1樹脂層(三菱樹脂株式会社製PA−C、厚さ50μm)と、微粒子含有シートと、第2樹脂層(三菱樹脂株式会社製PA−C、厚さ50μm)とを積層した。各層間は、接着層や熱圧着により接合した。
次に、カード表面(第2樹脂層側)からレーザー光を照射して、レーザー発色層に印刷画像を印刷した。この際、レーザー光は、第2樹脂層を通過し、微粒子含有シートが存在する領域では微粒子含有シートを通過し、さらに第1樹脂層を通過して、レーザー発色層に到達して、レーザー発色層を発色させる。
このようにして、微粒子含有シートが埋め込まれたカードを製造した。
2 … 基材
3、3A、3B、3C … 微粒子
4a … 透明樹脂組成物
4b … 透明樹脂
5 … 微粒子含有層
11 … スペーサ
23 … 剥離基材
24 … 粘着層
26 … ハードコート層
27 … ホログラム層
32、32a、32b … 拡大して観察することで識別可能な情報
60 … 偽造防止媒体
Claims (6)
- 拡大して観察することで識別可能な情報を有する微粒子が透明樹脂中に分散された微粒子含有層を形成する微粒子含有層形成工程を有する微粒子含有シートの製造方法であって、
前記微粒子含有層形成工程が、
基材上に、前記微粒子を散布する微粒子散布工程と、
前記微粒子が散布された前記基材上に、透明樹脂組成物を配置する透明樹脂組成物配置工程と、
前記透明樹脂組成物を固化する固化工程と
を含むことを特徴とする微粒子含有シートの製造方法。 - 前記基材の表面に易接着処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の微粒子含有シートの製造方法。
- 前記基材が、透明樹脂基材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微粒子含有シートの製造方法。
- 前記微粒子含有層形成工程後に、前記基材を剥離する基材剥離工程を有することを特徴とする請求項1に記載の微粒子含有シートの製造方法。
- 前記透明樹脂組成物が、硬化性樹脂組成物であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の微粒子含有シートの製造方法。
- 前記透明樹脂組成物が、紫外線発光材料、赤外線発光材料、赤外線反射材料、赤外線吸収材料および量子ドット材料からなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の微粒子含有シートの製造方法。
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