JP5770619B2 - 脱インキパルプの製造方法 - Google Patents

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本発明は、脱インキパルプの製造方法に関する。
古紙の再生は古紙原料からインキを剥離し、剥離したインキを除去するいわゆる脱インキ処理を施すことで、再生パルプを得て再生紙を製造することにより行われる。近年、美しく見栄えのよい印刷に対する需要の増大とそれに伴う印刷技術の進展により、紙とインキの結合が強固になってきている。また、夏場には熱や紫外線の影響で紙からインキが剥離しにくくなる現象(難剥離化)がより顕著になる。
これら印刷技術の進展や夏場の古紙原料の難剥離化に関わらず、安定した品質が得られる脱インキパルプの製造方法への期待が増大している。
一般的に脱インキパルプは、インキ剥離工程、インキ除去工程、パルプ洗浄工程を実施できる装置を備えた脱インキ設備にて製造される。脱インキパルプの製造工程は、具体的には、パルパー、ニーダー、ケミカルミキサー、ディスパーザー等によるインキ剥離工程、フローテーター等によるインキ除去工程、シックナー、ウオッシャー、エキスト等による洗浄工程により構成され、所望の脱インキパルプ品質を得るために各製紙会社は、様々に各設備の配列、導入を実施している。
とりわけ、インキ剥離工程では、機械力だけでは満足のいく性能が得られ難く、アルカリ剤(NaOH)の使用が必要であるが、それによる繊維の脆化や微細化、黄変等の弊害も問題となっている。特許文献1には、インキ剥離処理を弱アルカリ性から中性領域の条件で行うことにより、異物の微細化を防ぎ、排水のCODを低下させ、残留インキ量の少ない脱墨パルプを製造することを目的として、脱インキ工程において結晶性層状珪酸塩の無水物を添加し、pH7.0〜9.9でパルプからインキを剥離し、かつ、インキ除去工程において脱墨剤を添加し、インキを除去することを特徴とする脱墨パルプの製造方法が開示されている。
一方、離解工程で無機粉体を添加する技術として、特許文献2には、原料古紙に混在する粘着異物を、古紙のパルプ化の過程で系外に除去する目的で、原料古紙を機械的に離解するに際して、吸水量が0.4ml/0.5g以下であり、平均粒子径が8〜20μmの範囲にあるタルクを、原料古紙に対して0.1〜5重量%、さらにタルクと共に酸化亜鉛を古紙原料に対して0.01〜1重量%の範囲で添加することを特徴とする古紙のパルプ化方法が開示されている。
特開2010−100985号公報 特開2003−293276号公報
離解工程でアルカリ剤を用いると得られた脱インキパルプが黄変等の変色をすることがあり、また、特許文献1に挙げられているように排水のCODの低減等を達成するために、中性付近で離解工程を行うことが望まれる。
本発明の課題は、離解工程で水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を用いることなく、インキ剥離性が良好な脱インキパルプの製造方法を提供することである。
本発明は、原料古紙を水中で離解する離解工程を有する脱インキパルプの製造方法であって、離解工程で、原料古紙100重量部に対して、平均粒子径が1.0〜5.0μmの酸化亜鉛を0.3〜6.0重量部の範囲で添加して離解し、離解工程を水のpH6〜10の範囲で行う、脱インキパルプの製造方法に関する。
本発明によれば、離解工程で水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を用いることなく、インキ剥離性が良好な脱インキパルプの製造方法が提供される。
本発明での効果を発現する機構は定かでないが、以下の様に推定される。水へ溶解した酸化亜鉛は、水酸イオンを生じてセルロース同士の水素結合を弱める効果を発現し、繊維の膨潤を促しインキを剥離しやすくさせていると考えられる。また、水へ溶解していない酸化亜鉛粒子は研磨剤のように働き、さらにインキの剥離を向上させていると考えている。
一般に、脱インキパルプは、(1)原料古紙をスラリー状にする離解工程(パルパー)、(2)離解工程で剥離したインクをパルプスラリーから排出する脱水工程、(3)強い剪断力を与えてインクを剥離させるニーディング工程、(4)漂白工程、(5)剥離したインクを効率よく系外に排出するフローテーション工程及び(6)洗浄工程等を適宜組み合わせて製造される。本発明の製造方法は、少なくとも離解工程を含む、原料古紙からの脱インキパルプの製造方法に関する。
離解工程は、機械力等で印刷古紙等の原料古紙を繊維状に解きほぐすと共にパルプ繊維からインキを剥離する工程である。本発明では、所定平均粒子径の酸化亜鉛を所定量離解工程で添加する。すなわち、本発明では、原料古紙等の原料とは別に酸化亜鉛を用いて、水−パルプスラリー(以下、パルプスラリーという)中に存在させるものである。本発明では、特定の酸化亜鉛を別途存在させて原料古紙を離解するため、酸化亜鉛は、離解する以前又は離解する途中で添加することができる。具体的には、原料古紙を離解する前又は途中で、酸化亜鉛をパルプスラリーに添加する、水に酸化亜鉛を添加してから原料古紙を添加する、原料古紙と酸化亜鉛が共存したものに水を添加する、等により離解工程で用いるパルプスラリーを調製することができる。なお、酸化亜鉛をパルプスラリーに添加する場合、一括、連続、間欠など、種々の態様を採用することができる。
離解工程での酸化亜鉛の添加量は、原料古紙100重量部に対して、0.3〜6.0重量部であり、インキ剥離性の観点から好ましくは、0.5〜5.5重量部、より好ましくは1.0〜5.5重量部であり、更に好ましくは2.0〜5.5重量部であり、更に好ましくは4.0〜5.5重量部である。
酸化亜鉛の平均粒子径は1.0〜5.0μmであり、インキ剥離性の観点から、好ましくは1.0〜4.0μm、より好ましくは1.0〜3.0μm、更に好ましくは1.5〜2.5μmである。酸化亜鉛についての平均粒子径は、後述の実施例の粒子径の測定に示したレーザ回折により測定されたものである。
また、本発明では、離解工程で水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を使用しないことが好ましく、中性付近で離解工程を行うことができる。パルプスラリーのpHは原料パルプの組成等によって変動するが、アルカリ剤を用いない場合は、酸化亜鉛添加後のパルプスラリー中の水のpHは、通常pH6〜10の範囲となる。本発明では、CODの低減等の観点から、このpH範囲のまま、つまりpH6〜10の範囲で離解工程を行う。得られるパルプの黄変等の変色を抑制する観点から離解工程のパルプスラリー中の水のpHは6〜9が好ましい。離解工程の全ての期間中、pHはこれらの範囲内であることが好ましい。なお、アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び珪酸ナトリウム等が挙げられ、本発明では、離解工程でこれらアルカリ剤の添加を行わないことが好ましい。
このように、本発明は、離解工程で、原料古紙と、原料古紙100重量部に対して0.3〜6.0重量部の平均粒子径が1.0〜5.0μmの酸化亜鉛と、水とから調製したpH6〜10のパルプスラリーを用いるものである。
離解工程におけるパルプスラリー中のパルプ濃度は、好ましくは3.0〜18重量%であり、より好ましくは3.0〜10重量%、更に好ましくは3.0〜5.0重量%である。離解手段(離解機)としては、高濃度パルピングシステム(アイ・エイチ・アイフォイトペーパーテクノロジー社)、高濃度パルパー(相川鉄工社製)、デルタパルパー(低中濃度パルパー)(相川鉄工社製)、ファイバーフロー(アンドリッツ社製)、低濃度パルパー(熊谷理機工業(株)製)等が用いられる。パルプ繊維への浸透性及びインキ剥離性の観点から、アルコール系非イオン性界面活性剤をパルプ100重量部に対して0.01〜1重量部添加してもよい。離解時間は好ましくは5〜60分、より好ましくは5〜30分、更に好ましくは5〜15分であり、離解温度は、好ましくは5〜60℃、より好ましくは20〜60℃、更に好ましくは40〜55℃である。
本発明では、離解工程の後に脱水工程を行うことが好ましい。脱水工程は、離解工程で剥離したインクをパルプスラリーから排出する工程であり、ワイヤーで濾過する方法が挙げられる。脱水工程により、離解工程で用いた酸化亜鉛の少なくとも一部をパルプスラリーから排出させることができる。
本発明では、さらに、脱水工程の後に洗浄工程を行うことが好ましい。洗浄工程は、パルプを洗浄する工程であり、パルプを水で希釈攪拌した後に、ワイヤーで濾過する方法が挙げられる。洗浄工程により、離解工程で用いた酸化亜鉛をパルプスラリーから排出することができる。
本発明の製造方法では、これらの工程の他に、必要に応じて、ニーディング工程、フローテーション工程、漂白工程、除塵するスクリーニング工程、希釈工程等を組み合わせることができる。
ニーディング工程は、離解工程で得られた離解古紙に、より強い剪断力を与えて、パルプ繊維からインキを剥離する工程である。ニーディング工程は、通常、パルプスラリーを脱水してパルプ濃度を高めたスラリーに対して行われる。ニーディング工程において、パルプスラリー中のパルプ濃度は、好ましくは18重量%以上50重量%以下であり、機械的負荷によるインキ剥離性向上の観点から、より好ましくは20重量%以上、更に好ましくは22重量%以上であり、機械的剪断力の低下防止、搾水容易性の向上及び添加薬剤の反応性向上の観点から、好ましくは40重量%以下、より好ましくは35重量%以下である。したがって、インキ剥離性と機械的剪断力の低下防止、搾水容易性の向上及び添加薬剤の反応性向上の観点から、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは22〜35重量%である。
ニーディング工程でニーダー処理する手段としては、ニーダー(山本百馬製作所社製)、マイカプロセッサー(アイ・エイチ・アイフォイトペーパーテクノロジー社製)、ディスパーザー(相川鉄工社製)、ホットディスパーザー(ファイバーテック社製)、コニディスク(相川鉄工社製)等が用いられる。
フローテーション工程は、剥離したインキを系外に除去する工程であり、特に限定されないが、好ましくは、パルプ濃度は0.1〜3重量%、処理温度は5〜65℃である。フローテーション工程を行う手段として、OKフローテーター(王子エンジニアリング社製)、MTフローテータ、EcoCellフローテーター(何れもアイ・エイチ・アイフォイトペーパーテクノロジー社製)、MAC CELLフローテーター(相川鉄工社製)、バーチカルフローテーター(アゼッタ社製)等の装置が一般的に用いられている。
漂白工程は、漂白剤添加後にソーキング処理する工程を意味する工程である。ソーキング処理は、漂白剤添加後のパルプスラリーを、40〜90℃で30〜360分保持することにより行うのが好ましい。漂白工程ではパルプスラリーには剪断力をかけてもかけなくても良い。漂白剤としては過酸化水素、ハイドロサルファイド、二酸化チオ尿素、ハイポ等が使用されるが、過酸化水素が好ましい。漂白工程におけるパルプスラリー中のパルプ濃度は、通常、18〜50重量%であるが、漂白性向上及びインキ剥離性向上の観点から、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは22〜35重量%である。漂白工程は、インキ剥離性向上の観点から、離解工程より後でフローテーション工程より前に行うことが好ましい。
本発明において原料古紙として用いられる印刷古紙は、新聞古紙(新聞紙とチラシの混合物)、雑誌古紙、模造色上古紙など、一般的に用いられている原料古紙が使用できる。
本発明の製造方法では、必要に応じて、従来から一般に用いられている公知の脱インキ剤、例えばアルコール系非イオン性界面活性剤、高級アルコール硫酸塩、ポリオキシアルキレン高級アルコール硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸あるいはその塩等を、脱インキ剤として使用することも可能である。脱インキ剤を用いる場合、例えば、離解工程で添加することができる。
アルコール系非イオン性界面活性剤としては、例えば、総炭素数8〜24の飽和もしくは不飽和の第1級もしくは第2級アルコールのアルキレンオキサイド付加物又は総炭素数8〜12のアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。構成アルコールとしては、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。また、アルコールに付加するAOは、エチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイドが挙げられ、特にEOを必須とするのが望ましい。AOの付加モル数は、アルコール又はアルキルフェノール1モルに対し3〜200モル、特に10〜80モルが好ましく、この範囲において特にインキ剥離性が良好で液状化が容易な非イオン性界面活性剤が得られる。付加形態はランダム付加又はブロック付加どちらでも良い。
更に本発明の製造方法では、過酸化水素、次亜塩素酸塩、次亜硫酸塩等の漂白剤、スケール防止剤等、ピッチコントロール剤、消泡剤、スライムコントロール剤等の公知のパルプ製造薬品を併用することもできる。また、得られる脱インキパルプの黄変を抑制する観点から、水酸化ナトリウムや珪酸ナトリウム等のアルカリ剤を使用しないことが好ましい。また、本発明の脱インキパルプの製造方法は、少なくとも離解工程を含むものであるが、離解工程以外のいずれの工程でもアルカリ剤を使用しないことが好ましい。
本発明の製造方法で得られる脱インキパルプは、黄変等の変色が抑制され白色度が向上しており、該パルプを用いた再生紙の好適に用いることができる。
実施例1及び比較例1
下記の原料古紙に対して、表1に示す化合物を添加して離解工程及び抄紙を行い、得られたパルプシートの残インキ量と変色を測定した。すなわち、関東化学(株)製の酸化亜鉛(平均粒子径2.3μm、関東化学(株)社製)又は水酸化ナトリウムを添加剤として用いて、乾燥シートを作成し、残インキ量と変色の度合いを測定した。結果を表1に示した。比較例1−5は、添加剤として酸化亜鉛と水酸化ナトリウムとを併用しpHを本発明の範囲外としたものである。なお、酸化亜鉛の平均粒子径は(株)堀場製作所社製のレーザ回折/散乱式 粒度分布測定装置LA−920にて測定して得られた、メジアン径を示した(他の実施例、比較例でも同様)。
(原料古紙)
評価用の原料古紙は、新聞古紙60重量%とコート系チラシ40重量%を使用した。新聞古紙は発刊1ヶ月未満のものを80℃の恒温槽で5時間保持し、強制熱劣化させたものを使用した。強制熱劣化は、夏場の劣化古紙を想定したものである。離解に際し、前記原料古紙を約5cm角に裁断した。
(脱インキ処理方法)
下記の各工程を順に行い脱インキ処理を行った。
(1)離解工程(パルパー工程)
低濃度パルパー(熊谷理機工業(株)製)に45℃の温水1930mLおよび表中の添加剤を表中の量入れた後、70gの原料古紙を入れた(パルプ濃度3.5重量%)。これを攪拌羽根(羽根3本、長さ各35mm、回転数3000rpm)で7分間攪拌した。
(2)脱水工程
離解後のパルプスラリー85.7g(絶乾重量3g)を5Lの容器に入れ、それを4Lの水で希釈攪拌し80メッシュのワイヤー(目開き180μm)で濾過した。
(3)洗浄工程
脱水工程で用いたメッシュ上のパルプを集め、再度5Lの容器へ入れ4Lの水で希釈した。これを(希釈→濾過)全4回繰り返し、剥離したインキを除去したパルプスラリーを得た。
(抄紙方法)
洗浄工程後のパルプスラリーを用いて、丸型タッピーシートマシン(熊谷理機工業(株)製)にて抄紙し、2分間のプレス処理後、ドラム式回転ドライヤー(熊谷理機工業(株)製)にて乾燥し(105℃、2分間)乾燥シートを得た。
(残インキ量の測定方法)
前記抄紙方法で得られたシートを用い、Technidyne(株)社製のColor Touch PCにてERIC numberを測定し、未剥離残インキ量とした。測定はシートの表裏を各2視野ずつ測定しそれを平均した。同じ添加剤を用いた条件でも、用いた原料古紙によって残インキ量が異なるため、添加剤を用いない場合を基準として、残インキ率(%)〔(添加剤を用いた場合のERIC number)/(添加剤を用いない場合のERIC number)×100〕を求めた。同じ基準に対して残インキ率が小さいほど残インキ量の低減効果が高いといえる。
(変色の測定方法)
前記抄紙方法で得られた手すきシートを用い、Technidyne社製Color Touch PC(分光光度計型測色計)を用い、b値を測定した。原料の古紙の種類やロットの種類等により、得られる脱インキパルプのb値が異なるが、同じ評価条件での相対比較でb値が1%(1ポイント)違うと大きく差が認められるものである。添加剤を用いない場合のb値を基準として、その差を求めた。同じ基準に対して添加剤を用いない場合のb値から差が小さいほど、黄変等の変色が少ないといえる。
Figure 0005770619
酸化亜鉛の添加量を多くするにつれて、残インキ量が低減することがわかる。b値は、酸化亜鉛を用いた場合が水酸化ナトリウムを用いた場合よりも、添加剤を用いない場合との差が小さく、変色がより少ないことがわかる。また、酸化亜鉛を使用してもpHが高いとb値の差が大きくなり、変色を十分に低減できないことがわかる。
実施例2及び比較例2
平均粒子径の違う酸化亜鉛(平均粒子径0.73μm[カタログ値0.68μm]、堺化学工業(株)製、平均粒子径0.18μm[カタログ値0.07μm]、和光純薬工業(株)製の酸化亜鉛分散溶液)及び酸化亜鉛とは異なる無機塩の酸化マグネシウム(平均粒子径18.5μm、関東化学(株)製)を用いて、実施例1と同様に残インキ量及び変色を評価した。また、酸化亜鉛の添加量が0.1重量部の場合及び前記酸化亜鉛に代えて水酸化ナトリウムを用いた場合についても同様に評価した。結果を表2に示した。
Figure 0005770619
平均粒子径が0.73μm及び0.18μmの酸化亜鉛、並びに酸化マグネシウムでは、残インキ量は低減しなかった。
実施例3及び比較例3
平均粒子径2.3μmの酸化亜鉛を分級して得られた平均粒子径1.2μmの酸化亜鉛を用いて、実施例1と同様に残インキ量及び変色を評価した。また、前記酸化亜鉛に代えて水酸化ナトリウム又は平均粒子径0.73μmの酸化亜鉛を用いた場合についても同様に評価した。結果を表3に示した。
Figure 0005770619
平均粒子径1.2μmの酸化亜鉛を所定pHで用いることにより、平均粒子径2.3μmの酸化亜鉛と同様に、残インキ量を低減させ、変色を抑制することができる。

Claims (3)

  1. 原料古紙を水中で離解する離解工程を有する脱インキパルプの製造方法であって、離解工程で、原料古紙100重量部に対して、平均粒子径が1.0〜5.0μmの酸化亜鉛を0.3〜6.0重量部の範囲で添加して離解し、離解工程を水のpH6〜10の範囲で行う、脱インキパルプの製造方法。
  2. 離解工程でアルカリ剤の添加を行わない請求項1記載の脱インキパルプの製造方法。
  3. 離解工程での水中でのパルプ濃度が3〜18重量%である請求項1又は2記載の脱インキパルプの製造方法。
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