JP5768725B2 - 無端状発熱体、発熱ベルト及び定着装置 - Google Patents

無端状発熱体、発熱ベルト及び定着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5768725B2
JP5768725B2 JP2012003846A JP2012003846A JP5768725B2 JP 5768725 B2 JP5768725 B2 JP 5768725B2 JP 2012003846 A JP2012003846 A JP 2012003846A JP 2012003846 A JP2012003846 A JP 2012003846A JP 5768725 B2 JP5768725 B2 JP 5768725B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
endless
endless heating
heat generating
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012003846A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013142847A (ja
Inventor
泉 向山
泉 向山
吉田 英一
英一 吉田
進 寿藤
進 寿藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2012003846A priority Critical patent/JP5768725B2/ja
Publication of JP2013142847A publication Critical patent/JP2013142847A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5768725B2 publication Critical patent/JP5768725B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、無端状発熱体、発熱ベルト及び定着装置に関する。
電子写真方式のプリンターやコピー機等においては、用紙上にトナー画像が形成された後、当該用紙が定着装置によって熱と圧力で定着処理されることが一般的である。定着装置は、内部に熱源を持つ1対の定着ローラーを備え、この1対の定着ローラーが互いに圧接してニップを形成する。ニップによって用紙を挟持しながら、定着ローラーが回転し、用紙を加熱及び加圧する。
従来は、定着ローラー内にヒーター等の熱源を内蔵して加熱していたが、これに代えて、通電によって発熱する無端状発熱体が発熱層として形成された発熱ベルトが、利用されている。発熱ベルトが設けられた定着装置は、定着ローラーが熱源を内蔵する場合に比べて、定着温度までの加熱に要する時間や熱エネルギーが小さく、熱効率が良い。
上記無端状発熱体の導電材としては、熱伝導率に優れたカーボンブラックが用いられることが多い。カーボンブラックをポリイミド樹脂等の基材中に分散させて無端状発熱体を作製するが、カーボンは分散性が低い。無端状発熱体と同様に、ポリイミド樹脂中にカーボンブラックを分散させて作製される中間転写体等では、ポリビニルピロリドン等の分散剤が用いられることがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2005−181750号公報 特開2009−133969号公報
しかしながら、従来の無端状発熱体は、通電により発熱させると、電圧の印加時間に対して無端状発熱体の抵抗が変化するという問題があった。抵抗の変化によって、無端状発熱体が発熱したときの発熱ベルトの表面温度が不安定になり、定着処理の仕上がりにムラが生じて画質が低下する。一定の表面温度を維持するためには、無端状発熱体に印加する電圧を制御しなければならず、常に不規則に変化する抵抗に合わせて電圧を制御することは困難であった。
本発明の課題は、無端状発熱体の抵抗の変化を抑制することである。
請求項1に記載の発明によれば、
ポリイミド樹脂中に繊維状導電材を分散させ、通電によって発熱する無端状発熱体であって、
ポリビニルピロリドンを、前記無端状発熱体の全構成成分に対し、0.1〜10.0質量%の範囲内で含有する無端状発熱体が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、
前記無端状発熱体の体積抵抗率が、0.08×10−4〜10.00×10−4(Ω・m)の範囲内にある請求項1に記載の無端状発熱体が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、
請求項1又は2に記載の無端状発熱体が、発熱層として形成された発熱ベルトが提供される。
請求項4に記載の発明によれば、
請求項3に記載の発熱ベルトが具備されている定着装置が提供される。
本発明によれば、通電によって発熱し、温度変化が生じた場合でも、無端状発熱体の抵抗の変化を抑制することができる。
ポリイミド樹脂中に分散する繊維状黒鉛のイメージ図である。 無端状発熱体塗布液の塗布装置の概略図である。 無端状発熱体が発熱層として用いられた発熱ベルトを具備する定着装置の概略図である。 図3の定着装置の断面図である。 発熱ベルトの断面図である。 無端状発熱体の抵抗の測定方法を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の無端状発熱体、発熱ベルト及び定着装置の実施の形態について説明する。
なお、数値範囲を示す「〜」の記載は、下限値及び上限値をその数値範囲に含むことを表す。
<無端状発熱体>
本発明に係る無端状発熱体は、ポリイミド樹脂を基材として、当該ポリイミド樹脂中に繊維状導電材を分散させてなる発熱体が、無端状に形成され、通電によって発熱する。
ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を、略等モル量で混合、加熱し、重縮合反応させて調製したポリアミド酸溶液を前駆体として、これをイミド化させることにより、作製することができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’ −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8 −ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。または、これらの誘導体を用いることもできる。
ジアミン化合物としては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−6−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2、4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等が挙げられる。
上記テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物は、何れも単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物は、有機極性溶媒中で混合される。
有機極性溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド等のN,N−ジアルキルアミド類の他、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらのうち、何れかを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアミド酸を200〜450℃程度に加熱することによって、イミド化反応が進行し、ポリアミド酸はポリイミドに転化するが、触媒や脱水剤を用いることにより、より低温でイミド化反応を進行させることもできる。触媒としては、イミド化反応を促進するのであれば特に限定されないが、例えばイミダゾール類、第2級アミン、第3級アミン等が挙げられる。また、脱水剤としては、有機カルボン酸無水物、N、N’−ジアルキルカルボジイミド類、低級脂肪酸ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物等が挙げられる。
繊維状導電材としては、金、銀、鉄、アルミニウム等からなる純金属繊維、ステンレスニクロム等からなる合金繊維、炭素(カーボンとも呼ばれる)、黒鉛(グラファイトとも呼ばれる)等からなる非金属繊維等が挙げられる。黒鉛は、無定形炭素(いわゆるカーボンブラック)を2000度以上の高温で黒鉛化した人工黒鉛をいう。これらのなかでも、熱伝導率が良好であることから、繊維状黒鉛が好ましい。
繊維状導電材は、無端状発熱体における含有体積比が、60体積%以下であることが好ましい。繊維状導電材は、無端状発熱体における含有質量比が多いほど、繊維状導電材同士の接触面積が増えるため、無端状発熱体が低抵抗となる。
図1は、ポリイミド樹脂中に分散する繊維状導電材のイメージ図である。
図1に示すように、ポリイミド樹脂231中に、繊維状導電材232同士が重なり合って存在する。無端状発熱体に電圧が印加されると、自由電子がこの繊維状導電材232間を移動する。図1において矢印は自由電子の動きを例示している。移動中に、自由電子が無端状発熱体内に存在する分子に衝突することによって、分子が振動し、熱が発生する。
ポリイミド樹脂は、耐熱性に優れるが、温度によって膨張、収縮する。ポリイミド樹脂の膨張、収縮により、繊維状導電材の位置が変化し、繊維状導電材間の接触面積が変化すると、無端状発熱体の抵抗が変化する。
この抵抗の変化を抑制するため、本発明に係る無端状発熱体は、ポリビニルピロリドンを含有する。
ポリビニルピロリドンを含有することにより、発熱によって温度変化が生じた場合にも、無端状発熱体の抵抗の変化を抑制できる効果の発現機構は明確ではないが、無端状発熱体において、ポリビニルピロリドンが繊維状導電材の周囲を覆うことによると推察される。繊維状導電材同士が、その周囲を覆うポリビニルピロリドンによって結着され、温度変化によりポリイミド樹脂の膨張、収縮が生じても、繊維状導電材の位置関係に変化が無いか、又は変化が生じても小さな変化で済む。結果として、無端状発熱体の抵抗の変化を抑制することができると推察される。
無端状発熱体は、ポリビニルピロリドンの含有質量比が、無端状発熱体の全構成成分に対して0.1〜10.0質量%の範囲内にある。含有質量比が0.1質量%未満である場合、ポリビニルピロリドンの結着剤としての機能が発揮されず、無端状発熱体の抵抗変化率が大きくなる。一方、含有質量比が10.0質量%を超える場合、ポリビニルピロリドンを添加したポリアミド酸溶液の粘度が上昇し、ポリビニルピロリドンの分散性が著しく低下する。その結果、ポリビニルピロリドンの結着剤としての機能が発揮されない。
上記含有質量比の範囲内であれば、ポリビニルピロリドンは、重量平均分子量が10000〜100000の範囲内にあることが好ましい。
無端状発熱体は体積抵抗率(Ω・m)が、0.08×10−4〜10.00×10−4(Ω・m)の範囲内にあることが、無端状発熱体の発熱性の点で好ましい。
(無端状発熱体の製造方法)
本発明に係る無端状発熱体の製造方法の一実施の形態として、以下の工程を含む製造方法が挙げられる。
(1)ポリアミド酸溶液を調製する工程
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを等モル量ずつ有機極性溶媒に溶解させる。溶解物を混合、加熱し、重縮合反応させてポリアミド酸溶液を調製する。
(2)繊維状導電材の分散液を調製する工程
(1)工程で調製されたポリアミド酸溶液に、繊維状導電材を分散させ、繊維状導電材の分散液を調製する。分散方法は特に限定されず、例えばナノマイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、バスケットミル、ホモジナイザー等を用いて分散することができる。
ポリアミド酸溶液中の繊維状導電材の含有量(体積%)は、無端状発熱体の強度の観点から、15〜60体積%の範囲内にあることが好ましい。
また、得られた分散液の粘度は、1〜100Pa・sの範囲が、一般的に塗工上最適な範囲である。粘度は、測定器TVB10形(東機産業社製)を用いて、温度25℃の下、測定された値である。
(3)無端状発熱体塗布液を調製する工程
(2)工程で調製された分散液に、ポリビニルピロリドンを添加し、分散させて、無端状発熱体塗布液を得る。分散方法は、特に限定されず、上記繊維状導電材の分散方法として例示された方法を用いることができる。
上述のように、ポリビニルピロリドンの添加量は、無端状発熱体に対する含有質量比が0.1〜10.0質量%の範囲内となる添加量であることが好ましい。
(4)無端状発熱体の作製工程
(3)工程で調製された無端状発熱体塗布液の塗膜を無端状に形成する。無端状発熱体塗布液の塗布方法としては特に限定されないが、膜厚の均一性、制御のしやすさ等の観点から、円筒状の金型を回転させながら金型の表面上に塗布するスパイラル塗布方法が好ましい。例えば、図2に示すように、塗布装置に円筒状の金型a1をセットし、金型a1を一定の回転速度で回転させながら、塗布装置のノズルa2から無端状発熱体を吐出して均一に塗布する。これを乾燥して有機極性溶媒を除去後、イミド化反応を進行させて、無端状発熱体を作製する。イミド化反応は、300〜450℃程度の高温で焼成することによって進行させてもよいし、触媒と脱水剤を用いて低温加熱で進行させてもよい。
本発明に係る無端状発熱体は、定着装置等に具備される発熱ベルトの発熱層として、好適に用いられ得る。
以下、本発明に係る無端状発熱体が、発熱層として用いられた発熱ベルト及び当該発熱ベルトが具備された定着装置の一実施の形態を示す。
<定着装置>
図3は、本実施の形態に係る定着装置の概略図である。図4は、図3のX−X線における定着装置の断面図である。
図3及び図4に示すように、定着装置は、一対の定着ローラー1A、1Bと、発熱ベルト2とを備えて構成されている。定着ローラー1Aは発熱ベルト2の内部に配置され、定着ローラー1A、1Bは発熱ベルト2を介して接する。定着ローラー1A、1Bに搬送された用紙Pは、定着ローラー1A、1Bの圧接により形成されたニップNに挟持され、発熱ベルト2による加熱と、定着ローラー1A、1Bによる加圧とによって、定着処理される。
定着ローラー1A、1Bは略同一に構成され、図4に示すように、芯金11、弾性層12等から構成されている。
芯金11としては熱伝導性の良好なアルミニウムが主に用いられるが、他にも非磁性ステンレス鋼材、耐熱性ガラス等も用いることができる。
弾性層12は、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴムが用いられている。
その他、弾性層12の表面をPFA等のフッ素樹脂で被覆する被覆層を設けてもよい。
定着処理時、定着ローラー1Bの芯金11の両端が、図示しない付勢手段により付勢され、定着ローラー1Bが、発熱ベルト2を介して定着ローラー1Aに圧接する。
また、定着ローラー1A、1Bは、図示しない駆動部による回転駆動を受けて、芯金11を回転軸として回転する。定着ローラー1A、1Bの回転により、用紙は定着処理されながら搬送される。
<発熱ベルト>
図5は、図3のX−X線における発熱ベルト2の断面図である。
発熱ベルト2は、図5に示すように、定着ローラー1Bに接する側から順に、補強層21、発熱層22、弾性層23、離型層24が形成されている。
補強層21は、強度保持のために設けられている。補強層21としては、発熱層22に用いられる基材と同じ材料、つまりポリイミド樹脂が用いられることが好ましい。
補強層21は、層厚が20〜80μmの範囲内にあることが好ましい。
発熱層22としては、上述した無端状発熱体が用いられ、発熱層22は、基材であるポリイミド樹脂中に、繊維状導電材が分散されてなる。
発熱層22は、層厚が50〜200μmであることが好ましい。
発熱層22は、通電によって発熱する。図5に示すように、発熱ベルト2の両端では、弾性層23、離型層24に代えて、受電部25が設けられている。受電部25は、電極、導電体等である。受電部25に隣接して給電部3が設けられ、定着処理時、給電部3は付勢部4によって付勢されて、受電部25に接触する。受電部25は、給電部3を介して電源6から供給された電流を発熱層22に供給する。図5中の実線の矢印は、発熱層22に供給される電流の流れを示している。
弾性層23としては、耐熱性を有する弾性体が用いられる。そのような弾性体としては、例えばシリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられ、具体的にはシリコーンゴムKE1379(信越化学社製)、シリコーンゴムDY356013(東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
弾性層23の層厚は、発熱層22による発熱の熱伝導性を向上させるため、20〜200μm程度が望ましい。
離型層24は、発熱ベルト2に接した用紙P上のトナーTが、発熱ベルト2から離反しやすいように設けられている。離型層24としては、例えばフッ素樹脂が用いられ、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン等が挙げられる。離型層24の層厚は、5〜30μm程度が好ましい。
(発熱ベルトの製造方法)
発熱ベルト2は、次のような方法によって製造することができるが、製造方法はこれに限定されない
(補強層、発熱層の形成)
上述した無端状発熱体の製造方法と同様にして、ポリアミド酸溶液、無端状発熱体塗布液を調製する。
図2に示すように、塗布装置に円筒状の金型a1をセットし、金型a1を一定の回転速度で回転させながら、塗布装置のノズルa2からポリアミド酸溶液を吐出して均一に塗布する。その後、120℃に加熱し、40分間乾燥する。
乾燥させたポリアミド酸溶液の塗膜上に、無端状発熱体塗布液を均一に塗布する。塗布方法は、ポリアミド酸溶液と同じである。これを120℃に加熱し、40分間乾燥させる。その後、400℃で20分間焼成して、補強層21と発熱層22を形成する。
(弾性層、離型層の形成)
発熱層22上に、予め調製した弾性層塗布液を塗布する。次に、150℃で30分間加熱して一次加硫させた後、200℃で4時間加熱して二次加硫させ、弾性層23を形成する。
弾性層23上に離型層塗布液を塗布し、離型層24を形成する。最後に、室温まで冷却した後、金型a1から離型させて発熱ベルト2を得る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〔実施例1〕
<無端状発熱体11の作製>
容器に、溶媒であるN-メチル−2−ピロリドン680質量部を投入する。そこへ、下記ポリアミド酸組成物を投入し、溶媒に溶解させた後、混合、加熱して重縮合反応させ、ポリアミド酸溶液を調製した。
(ポリアミド酸組成物)
テトラカルボン酸二無水物(3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;三菱化成社製) 0.42モル
ジアミン化合物(p−フェニレンジアミン;東京化成工業社製) 0.42モル
調製されたポリアミド酸溶液100質量部に、繊維の平均長さが18(μm)の繊維状黒鉛(ミルドファイバーXN−100、日本グラファイト社製)90質量部を加え、ロボミックス(PRIMIX社製)で分散させ、無端状発熱体塗布液s1を調製した。無端状発熱体塗布液s1における繊維状黒鉛の含有体積比は、25質量%であった。
塗布装置にステンレス製の円筒状の金型を装着し、塗布装置によって、上記調製された無端状発熱体塗布液s1を金型の表面に均一に塗布した。塗布装置は、図2に示すように、金型a1を回転させながら、ノズルa2から塗布液を吐出して、塗布液を金型a1の周面に塗布する。ノズルa2は塗布液を吐出しながら、金型a1の回転軸方向に移動する。
上記塗布装置による塗布条件は、下記の通りである。
ポリアミド酸溶液の温度:25℃
ノズルの吐出口の形状:円錐状
ノズルの吐出口の口径:2mm
ノズルの吐出口から金型の周面までの距離:5mm
ノズルからの塗布液の吐出量:5ml/min
ノズルの金型の回転軸方向への移動速度:1mm/sec
金型の回転速度:40rpm
なお、金型の回転速度は、HT−4200(小野測器社製)で測定した。
塗布後、回転速度40rpmで金型a1を回転させながら、温度120度で40分間加熱し、乾燥させて、溶媒を除去した。その後、温度400℃で20分間焼成し、室温まで冷却させると金型a1を外し、無端状発熱体1を得た。
<無端状発熱体21、31、41、51、61の作製>
無端状発熱体11の作製において、繊維状黒鉛の添加量を変え、繊維状黒鉛の含有量(体積%)を、表1及び表2に示すように含有量とした以外は、無端状発熱体11と同様にして、無端状発熱体21、31、41、51、61を作製した。
<無端状発熱体12の作製>
無端状発熱体1と同様にして、ポリアミド酸溶液と繊維状黒鉛の分散液を調製した。この分散液に、重量平均分子量630000のポリビニルピロリドン(ポリビニルピロリドンK90、東京化成工業社製)を0.1質量部加え、ロボミックス(PRIMIX社製)で分散させ、無端状発熱体塗布液s2を得た。
ステンレス製の円筒状の金型を塗布装置に装着し、塗布装置によって、上記調製された無端状発熱体塗布液s2を、均一に塗布した。塗布方法及び塗布条件は、無端状発熱体11における塗布方法及び塗布条件と同じである。
塗布後、回転速度40rpmで金型を回転させながら、温度120度で40分間加熱し、乾燥させて、溶媒を除去した。その後、温度400℃で20分間焼成し、無端状発熱体12を形成した。無端状発熱体12におけるポリイミド樹脂の固形分は20質量部であった。
<無端状発熱体13〜16の作製>
無端状発熱体12の作製において、ポリビニルピロリドンの含有量(質量%)を、表1に示すように変えた以外は、無端状発熱体12と同様にして、無端状発熱体13〜16を作製した。
<無端状発熱体22〜26、32〜36、42〜46、52〜56、62〜66の作製>
無端状発熱体12の作製において、繊維状黒鉛の含有量(体積%)及びポリビニルピロリドンの含有量(質量%)を、表1及び表2に示すように変えた以外は、無端状発熱体12と同様にして、無端状発熱体22〜26、32〜36、42〜46、52〜56、62〜66を作製した。
<評価>
作製した無端状発熱体11〜16、21〜26、31〜36、41〜46、51〜56、61〜66について、下記項目の評価を行った。
(1)体積抵抗率(Ω・m)
図6に示すように、無端状発熱体b1の両端に、銅テープb2(CU−35C、住友スリーエム社製)を貼り、電極とした。
電極間に電源b3(PCR2000L、菊水電子工業社製)と、LCRメーターb4(3532−80、日置電機社製)を接続した。電源b3により交流電圧を印加し、LCRメーターb4により電極間の抵抗(Ω)を測定した。印加する電圧は、無端状発熱体b1の表面温度が180℃となるように設定した。表面温度は、デジタル放射温度センサーFT−H20(キーエンス社製)による測定値である。
測定された抵抗(Ω)、電極間の距離z(mm)、無端状発熱体b1の厚さ(μm)から、体積抵抗率(Ω・m)を算出した。
(2)抵抗変化率(%)
体積抵抗率と同様にして、交流電圧を印加して0時間と300時間のときに、抵抗(Ω)を測定した。交流電圧の印加時間が0時間のときの測定値と、300時間のときの測定値とから、下記式により抵抗変化率を求めた。
抵抗変化率(%)=(300時間のときの測定値−0時間のときの測定値)/0時間のときの測定値
(3)画質レベル
無端状発熱体11〜16、21〜26、31〜36、41〜46、51〜56、61〜66をそれぞれ発熱層とする発熱ベルトを作製し、各発熱ベルトを具備する定着装置によって定着処理したときのトナー画像の画質レベルを評価した。
(発熱ベルトの作製)
無端状発熱体11の作製と同様にして、ポリアミド酸溶液、無端状発熱体塗布液s1を調製した。
図2に示すように、塗布装置により、ポリアミド酸溶液を吐出して円筒状の金型の周囲に均一に塗布した。その後、120℃に加熱し、40分間乾燥した。塗布装置により、乾燥させたポリアミド酸溶液の塗膜上に、調製した無端状発熱体塗布液s1を均一に塗布し、120℃で40分間乾燥した。その後、400℃で20分間焼成した。
冷却後、シリコーンゴムKE1379(信越化学社製)とシリコーンゴムDY356013(東レダウコーニング社製)を2:1の含有質量比で混合した混合液を、塗布装置により吐出して塗布した。次に、150℃で30分間加熱して一次加硫させた後、200℃で4時間加熱して二次加硫させた。
さらに、離型層塗布液(テフロン(登録商標)350-J:三井・ディポンフロロケミカル社製)を塗布し、室温まで冷却させると、金型から離型させて無端状発熱体11が発熱層として形成された発熱ベルトを得た。
無端状発熱体11と同様にして、各無端状発熱体12〜16、21〜26、31〜36、41〜46、51〜56、61〜66が発熱層として形成された発熱ベルトを作製した。
作製した発熱ベルトをそれぞれbizhubC550(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に搭載し、印刷テストを印字率5%で、初期印刷後と90万枚の印刷後のトナー画像濃度を濃度センサーによりそれぞれ測定し、その差から画質レベルを下記のように評価した。
A:濃度差が無いか、ほとんど無く、濃度ムラが確認されない。
B:濃度差があり、濃度ムラが確認できるが、許容範囲である。
C:大きな濃度差があり、濃度ムラが明確に確認できる。
A〜Cのうち、A、Bを合格レベルとする。
下記表1及び表2は、各項目の評価結果を示す。
Figure 0005768725
Figure 0005768725
表1及び表2に示すように、実施例に係る無端状発熱体は、抵抗変化率が5.0%以下を示し、画質も全て合格レベルである。ポリビニルピロリドンの含有量に比例して、抵抗変化率は小さくなるが、0.1〜10質量%の範囲外では抵抗変化率が上昇し、画質が低下することが分かる。
一方、比較例に係る無端状発熱体は、何れも抵抗変化率が6%以上であり、画質が低下している。
また、比較例によれば、体積抵抗率が0.08×10−4〜10.00×10−4(Ω・m)の範囲外に至ると、抵抗変化率が10%以上に上昇し、画質が著しく低下することが分かる。
〔実施例2〕
<無端状発熱体71の作製>
実施例1の無端状発熱体53の作製において、繊維状黒鉛ではなく、粒状黒鉛(UP−5;日本黒鉛社製)を用いた以外は、無端状発熱体53と同様にして無端状発熱体71を作製した。
<無端状発熱体72の作製>
無端状発熱体71の作製において、ポリビニルピロリドンを無添加とした無端状発熱体塗布液を用いた以外は、無端状発熱体71と同様にして無端状発熱体72を作製した。
<評価>
実施例1で作製された無端状発熱体53、実施例2で作製された無端状発熱体71、72について、抵抗変化率(%)を求め、評価した。
抵抗変化率(%)は、実施例1の抵抗変化率と同じ方法で求めた。
下記表3は、無端状発熱体53、71、72の抵抗変化率(%)を示す。
Figure 0005768725
表3に示すように、繊維状黒鉛が用いられ、ポリビニルピロリドンが添加された無端状発熱体53は、抵抗変化率が2.0%にとどまっている。この数値は、実質的にほとんど抵抗に変化が無いことを示している。これに対し、粒状黒鉛が用いられた無端状発熱体71、72は、抵抗変化率が10%に近い。また、粒状黒鉛が用いられた無端状発熱体71、72は、ポリビニルピロリドンの添加の有無によって、抵抗変化率の差がほとんど見られない。
1A、1B 定着ローラー
2 発熱ベルト
21 補強層
22 発熱層
23 弾性層
24 離型層
25 受電部
3 給電部
P 用紙
T トナー

Claims (4)

  1. ポリイミド樹脂中に繊維状導電材を分散させ、通電によって発熱する無端状発熱体であって、
    ポリビニルピロリドンを、前記無端状発熱体の全構成成分に対し、0.1〜10.0質量%の範囲内で含有する無端状発熱体。
  2. 前記無端状発熱体の体積抵抗率が、0.08×10−4〜10.00×10−4(Ω・m)の範囲内にある請求項1に記載の無端状発熱体。
  3. 請求項1又は2に記載の無端状発熱体が、発熱層として形成された発熱ベルト。
  4. 請求項3に記載の発熱ベルトが具備されている定着装置。
JP2012003846A 2012-01-12 2012-01-12 無端状発熱体、発熱ベルト及び定着装置 Active JP5768725B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012003846A JP5768725B2 (ja) 2012-01-12 2012-01-12 無端状発熱体、発熱ベルト及び定着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012003846A JP5768725B2 (ja) 2012-01-12 2012-01-12 無端状発熱体、発熱ベルト及び定着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013142847A JP2013142847A (ja) 2013-07-22
JP5768725B2 true JP5768725B2 (ja) 2015-08-26

Family

ID=49039424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012003846A Active JP5768725B2 (ja) 2012-01-12 2012-01-12 無端状発熱体、発熱ベルト及び定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5768725B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5983644B2 (ja) * 2014-01-27 2016-09-06 コニカミノルタ株式会社 抵抗発熱体、定着装置および画像形成装置
JP6375943B2 (ja) * 2014-12-26 2018-08-22 コニカミノルタ株式会社 抵抗発熱体、定着装置および画像形成装置
JP7407501B2 (ja) * 2017-03-17 2024-01-04 三菱ケミカル株式会社 ポリイミド積層体
JP2021096301A (ja) 2019-12-13 2021-06-24 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. 無端ベルトを備えた電熱加熱装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023149A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 導電性が制御されたカーボンナノチューブ分散ポリイミド
JP5109168B2 (ja) * 2006-03-10 2012-12-26 株式会社アイ.エス.テイ 発熱定着ベルト及びその製造方法並びに画像定着装置
JP2009109998A (ja) * 2007-10-12 2009-05-21 Ist Corp 発熱定着ロールおよび画像定着装置
JP2009133969A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Nitto Denko Corp 半導電性ポリイミドベルト
JP5521780B2 (ja) * 2010-05-27 2014-06-18 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013142847A (ja) 2013-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5109168B2 (ja) 発熱定着ベルト及びその製造方法並びに画像定着装置
JP5200278B2 (ja) 発熱定着ベルト及び画像定着装置
WO2009081630A1 (ja) ポリイミドチューブ、その製造方法、及び定着ベルト
JP2009109997A (ja) 画像定着装置
CN101943878B (zh) 用于成像装置的部件、成像装置以及用于成像装置的单元
US20080149211A1 (en) Tubing and Process for Production Thereof
JP2009092785A5 (ja)
JP5768725B2 (ja) 無端状発熱体、発熱ベルト及び定着装置
JP2009109998A (ja) 発熱定着ロールおよび画像定着装置
JP5533818B2 (ja) 定着装置用発熱ベルトと画像形成装置
JP2006256323A (ja) 管状物体及びその製造方法
JP2006259248A (ja) 転写定着ベルト
JP2007001262A (ja) 面方向に等方性の誘電率を持ったポリイミド系樹脂ベルト
JP5129059B2 (ja) ポリイミド管状体及びその製造方法
JP3069041B2 (ja) 定着フィルム及びその製造方法、定着装置並びに画像形成装置
JP2011209578A (ja) 管状体およびその製造方法
JP2014044378A (ja) 可撓性発熱体
JP5983644B2 (ja) 抵抗発熱体、定着装置および画像形成装置
JP2006301196A (ja) シームレスベルト
JP4222909B2 (ja) 複合管状体
JP2983484B2 (ja) 定着用フィルム
JP2003280406A (ja) 転写定着ベルト
JP2005264047A (ja) シート状フィルムおよびその製造方法
JP2001215821A (ja) 定着ベルト及びその製造方法
JP2010208803A (ja) 搬送用ベルト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150526

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150608

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5768725

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150