JP2011209578A - 管状体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、熱伝導性無機フィラーや繊維状フィラーを所定量含有するポリイミド樹脂層を少なくとも含む管状体が、前記管状体の端部の内径と中央部の内径の径差を、所定の割合に調製することにより、管状体の端部の内径と中央部の内径に差がある場合であっても、脱型を容易に行うことができる管状体を提供する。
【解決手段】ポリイミド樹脂、熱伝導性無機フィラー、及び、繊維状フィラーを含有するポリイミド樹脂層を少なくとも含む管状体であって、前記ポリイミド樹脂100重量部に対して、前記熱伝導性無機フィラーを30〜150重量部、前記繊維状フィラーを1〜10重量部含有し、前記管状体の端部の内径(R1)及び中央部の内径(R2)のいずれか大きな内径に対する、前記内径(R1)及び内径(R2)の径差の絶対値(ΔR)の割合が、0.01〜0.45%であることを特徴とする管状体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真装置等の複写紙等の搬送、定着ベルトに用いられる管状体およびその製造方法に関する。
従来から、電子写真方式で像を形成記録する電子写真記録装置としては、複写機やレーザービームプリンタ、ファクシミリやこれらの複合機が知られている。この種の装置では、画像形成の高速化や省エネルギー化を目的として、エンドレスベルトを用いた定着方式が採用されている。上述のようなベルト定着方式等に用いるエンドレスベルトとしては、耐熱性や機械強度に優れたポリイミド内層とフッ素樹脂外層とからなる複合管状体(特許文献1参照)が公知である。このようなベルト定着方式に用いられるエンドレスベルトについては、耐熱性や機械的強度に優れていることが要求される。
特許文献2には、ベルト(管状体)の熱的な不足を補うため、熱伝導性を有する絶縁無機物充填材を含有したベルトが開示されている。
また、蛇行しにくく、例え、蛇行が発生した場合であっても、容易に元に戻すことができるように、管状物中央部と両端部に周長差を持つベルトが開示されている(特許文献3参照)。
また、電子写真記録装置は、高速化の要求が著しく、その対応幅もA4サイズから、A3サイズ、そして更にはA3ノビサイズへと大きく広げていく傾向にあるが、その高速化のためには、トナーの定着をより早く行う必要があり、これを実現するために、ベルト自体の熱伝導率を上げることが要求されている。なお、前記対応幅を大きく広げることにより、被着体の紙シワを発生させることにつながるため、その対策として、ベルトを逆クラウン形状にすることにより、対策が採用されている。
また、ベルト(管状体)を高速回転させる場合に、ベルトに大きな負荷をかけないようにするため、ベルトの摺動性を向上させる必要があり、その対策として、ベルト内面基材にフッ素樹脂フィラーを含有させることが考えられる。
特開平3−130145号公報 特許第2746213号公報 特許第2625021号公報
上記対策を組み合わせることは容易ではあるが、熱伝導性を向上させるために多量の熱伝導性フィラーを添加する必要がある。ただし、多量の熱伝導性フィラーを添加することにより、管状体(ベルト)自体の柔軟性の低下を抑える必要があり、このため、柔軟性に優れたポリイミド樹脂等を含有する必要がある。
しかし、柔軟性に優れたポリイミド樹脂等を含有し、熱伝導性フィラーを多量に添加すると、前記樹脂自体がシンター(焼成)時に膨張収縮し、最終的に得られる管状体の内径が小さくなる傾向にある。
また、管状体を調製する際に、ポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に展開・加熱して管状体として保持できるまで硬化させた管状体(前駆体管状体)を得た後、前記管状体を剥離し、この管状体を支持体に挿入して、シンターすることによりイミド転化し、管状体(ベルト)を得るような場合に、ベルト形状がストレートであれば、脱型時にそれほど大きな問題とはならないが、管状体の中央部と両端部の内径が異なる場合などでは、支持体から脱型する際に、管状体の内径が小さく収縮していると、脱型ができないという問題も生じている。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、熱伝導性無機フィラーや繊維状フィラーを所定量含有するポリイミド樹脂層を少なくとも含む管状体が、前記管状体の端部の内径と中央部の内径の径差を、所定の割合に調製することにより、管状体の端部の内径と中央部の内径に差がある場合であっても、脱型を容易に行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の管状体は、ポリイミド樹脂、熱伝導性無機フィラー、及び、繊維状フィラーを含有するポリイミド樹脂層を少なくとも含む管状体であって、前記ポリイミド樹脂100重量部に対して、前記熱伝導性無機フィラーを30〜150重量部、前記繊維状フィラーを1〜10重量部含有し、前記管状体の端部の内径(R1)及び中央部の内径(R2)のいずれか大きな内径に対する、前記内径(R1)及び内径(R2)の径差の絶対値(ΔR)の割合が、0.01〜0.45%であることを特徴とする。
本発明の管状体は、前記ポリイミド樹脂が、(A)成分と、(B)成分及び/又は(C)成分を含有するブレンド体、及び/又は、共重合体であり、前記(A)成分が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、及び、p−フェニレンジアミン(PDA)から形成されるポリイミド骨格を有する成分であり、前記(B)成分が、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、及び、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)から形成されるポリイミド骨格を有する成分であり、前記(C)成分が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、及び、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)から形成されるポリイミド骨格を有する成分であることが好ましい。
本発明の管状体は、前記繊維状フィラーの平均繊維径が、0.1〜3μmであり、前記繊維状フィラーの平均繊維長が、5〜50μmであることが好ましい。
本発明の管状体は、前記ポリイミド樹脂層が、更に、フッ素樹脂フィラーを含有し、前記ポリイミド樹脂100重量部に対して、前記フッ素樹脂フィラーを2〜15重量部含有し、前記フッ素樹脂フィラーの平均粒子径が、0.1〜15μmであることが好ましい。
本発明の管状体は、前記ポリイミド樹脂層の外面に、フッ素樹脂離型層及び/又はゴム状弾性層を有することが好ましい。
本発明の管状体の製造方法は、前記管状体の製造方法であって、少なくともポリアミド酸とイミド化触媒を含有するポリアミド酸溶液を調製する工程と、前記ポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に展開・加熱して管状体として保持できるまで硬化させた前駆体管状体を得る工程と、前記前駆体管状体を前記円筒状金型から剥離し、前記管状体に支持体を挿入する工程と、前記支持体を挿入後、シンターすることにより前記前駆体管状体をイミド転化して、管状体を得る工程と、を含み、前記ポリアミド酸1molに対して、前記イミド化触媒を0.1〜3mol含有することが好ましい。
本発明の管状体の製造方法は、前記イミド転化後の前記管状体の内径が、前記支持体の外径に対して、1.0013倍以上であることが好ましい。
本発明の管状体の製造方法は、前記イミド化触媒が、イソキノリン、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、及び、N−メチルイミダゾールからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の管状体の構成によれば、前記管状体の端部の内径(R1)及び中央部の内径(R2)のいずれか大きな内径に対する、前記内径(R1)及び内径(R2)の径差の絶対値(ΔR)の割合が、0.01〜0.45%の管状体となり、管状体の端部の内径と中央部の内径に差がある場合であっても、脱型を容易に行うことができ、有用である。
本発明の管状体を得るために使用する支持体(耐熱性芯体:逆クラウン形状)の形状を示す斜視図 本発明の管状体を得るために使用する支持体(耐熱性芯体:クラウン形状)の形状を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の管状体は、ポリイミド樹脂、熱伝導性無機フィラー、及び、繊維状フィラーを含有するポリイミド樹脂層を少なくとも含む管状体であって、前記ポリイミド樹脂100重量部に対して、前記熱伝導性無機フィラーを30〜150重量部、前記繊維状フィラーを1〜10重量部含有し、前記管状体の端部と中央部の径差が、0.01〜0.45%であることを特徴とする。
上記熱伝導性無機フィラーとしては、高い熱伝導機能を有する無機フィラー(粉末)であれば、特に制限は無く、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、シリ力、窒化珪素等があげられる。中でも熱伝導機能が高く、化学的に安全である点から窒化ホウ素が好ましい。
上記熱伝導性無機フィラーの含有量は、ポリイミド樹脂100重量部に対して、30〜150重量部であり、好ましくは50〜120重量部、より好ましくは70〜110重量部である。このような範囲であると、管状体の熱伝導性を高く保つことができるので好適である。なお、上記熱伝導性無機フィラーの含有量が30重量部未満であると、充分な熱伝導性向上効果が得られないため好ましくない。一方、150重量部を超えると、管状体の機械強度が低下して、亀裂や割れが生じ易くなったり、製造工程中に、管状体の形状を保持したまま、金型から剥離することが困難となり、好ましくない。
さらに、上記熱伝導性無機フィラーの一次粒子の平均粒子径は、0.01〜5.0μmの範囲に設定されていることが好ましく、より好ましくは、0.05〜2.0μmの範囲である。このような範囲内であると、粒子の凝集も少なく、均一に分散するため、熱伝導性や強度のバラツキがなくなり、管状体としての強度を保つことができるので好適である。なお、上記平均粒子径が0.01μm未満であると、粒子の凝集により、得られた管状体の内周面および外周面に凹凸が生じやすいため好ましくない。一方、5.0μmを超えると、粒子が大きくなるため、得られた管状体の内周面および外周面に、粒子に起因した凹凸が生じやすいため好ましくない。なお、上記熱伝導性無機フィラーの一次粒子の平均粒子径は、例えば、エタノール等の有機溶剤中に超音波分散した液を試料として、光透過式遠心沈降法を用いた粒度分布測定器によって測定できる。
本発明の管状体には、所定の強度とともに、熱伝導性が求められているが、本発明の管状体におけるポリイミド樹脂の熱伝導率は、0.28W/m・K以上が好ましく、より好ましくは、0.30W/m・K以上である。熱伝導率が0.28W/m・Kより小さいと、発熱体であるヒーターから管状体(ベルト)表面への熱の伝わりが悪く、未融着トナーが、十分溶融されず、定着後トナー部を擦ると、トナーが離脱し、濃淡ムラが発生してしまうため、好ましくない。
上記繊維状フィラーとしては、所定の形状を有するものであれば、特に制限はなく使用できるが、ホウ酸アルミニウム、塩基性硫酸マグネシウム、アルミナ繊維、チタン酸カリウム等があげられる。中でも、製造工程中において、回転成型や回転脱型などの遠心力を用いる工程を有する場合には、密度の高い繊維状フィラーが偏在するおそれがあるため、その恐れが少ないホウ酸アルミニウムを用いることが、好ましい。
上記繊維状フィラーの含有量は、ポリイミド樹脂100重量部に対して、1〜10重量部であり、好ましくは2〜6重量部、より好ましくは3〜5重量部である。前記熱伝導性無機フィラーの含有量が1重量部未満であると、イミド転化後の管状体の内径が、支持体の外径に対して、1.0013倍以上を維持できないため、支持体から脱型できず好ましくなく、一方、10重量部を超えて配合しても、管状体の内径拡大の効果に差はなく、相対的なポリイミド樹脂分の減少による特性の低下が招く恐れがあり、好ましくない。
さらに、上記繊維状フィラーの平均繊維径は、0.1〜3.0μm、平均繊維長が5〜50μmであることが好ましく、より好ましくは、平均繊維径は0.2〜1.5μm、平均繊維長が15〜40μmである。なお、平均繊維長が5μm未満であると、イミド転化後の管状体の内径が、支持体の外径に対して、1.0013倍以上を維持できないため、支持体から脱型できず好ましくなく、逆に、50μmを超えると、管状体成型前のワニスの段階で凝集物などの異物を取り除く工程において、通過できず、あるいは、凝集物を取り除けない原因となるため、好ましくない。
上記フッ素樹脂フィラーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等が挙げられる。なかでも、耐熱性が高いことや動摩擦係数が小さいといった点で、PTFEが好ましい。
上記フッ素樹脂フィラーの含有量は、ポリイミド樹脂100重量部に対して、2〜15重量部が好ましく、より好ましくは、4〜10重量部である。上記フッ素樹脂フィラーの含有量が、2重量部未満であると、摺動性向上の効果が得られず、一方、15重量部を超えると、製造工程な加熱中において、金型から剥離変形して、管状体を得ることができず、好ましくない。
さらに、上記フッ素樹脂フィラーの平均粒子径は、0.1〜15μmの範囲に設定されていることが好ましく、より好ましくは3〜12μmの範囲である。このような範囲内であると、粒子の凝集も少なく、均一に分散するため、熱伝導性や強度のバラツキがなくなり、管状体としての強度を保つことができるので好適である。なお、上記平均粒子径が0.1μm未満であると、粒子の凝集により、得られた管状体の内周面および外周面に凹凸が生じやすいため好ましくない。一方、15μmを超えると、粒子が大きくなるため、得られた管状体の内周面および外周面に、粒子に起因した凹凸が生じやすいため好ましくない。なお、上記フッ素樹脂フィラーの平均粒子径の測定方法は、上記熱伝導性無機フィラーの一次粒子平均粒子径の測定方法に準じる。
本発明の管状体は、前記管状体の端部の内径(R1)及び中央部の内径(R2)のいずれか大きな内径に対する、前記内径(R1)及び内径(R2)の径差の絶対値(ΔR)の割合が、0.01〜0.45%であることを特徴とする。前記管状体は、管状体の両端部が最大径で、管状体両端部から中央部になるにつれて細くなる(小径化した)形状の場合や、管状体の両端部が最小径で、管状体両端部から中央部になるにつれて太くなる(大径化した)場合を有しており、管状体の両端部の内径(R1)と中央部の内径(R2)の径差の絶対値(ΔR)は、好ましくは、0.05〜0.35%の範囲であり、より好ましくは0.1〜0.25%の範囲である。前記径差の絶対値(ΔR)が0.01%未満であると、記録材(転写紙)のシワ発生防止効果が失われることがある。一方、0.45%を越えると製造工程上、支持体からの抜き取りが困難になるため、好ましくない。
本発明の管状体は、ポリイミド樹脂層を含むものであれば、用いるポリイミド樹脂には特に制限はない。ポリイミド樹脂は、ポリアミド酸がイミド転化したものであり、ポリイミド樹脂の前駆体である前記ポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物あるいはその誘導体とジアミンとの略等モルを有機極性溶媒中で反応させて得ることができる。
上記テトラカルボン酸二無水物としては、下記の一般式(I)で表されるものがあげられる。
Figure 2011209578

[式(I)中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族とを組み合わせたもの、またはそれらの置換された基である。]
上記テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等があげられるが、耐熱性や寸法安定性の点から、特に、ピロメリット酸二無水物(PMDA)や、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)が好ましい。
また、このようなテトラカルボン酸二無水物と反応させるジアミンの具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン(PDA)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ−第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビスーp−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロポキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHOCHNH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH)(CHNH等が挙げられるが、耐熱性や寸法安定性の点から、特に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)やp−フェニレンジアミン(PDA)が好ましい。
これらテトラカルボン酸二無水物あるいはその誘導体およびジアミンは、それぞれ1種類以上を適宜に選定し反応させることができる。特に、本発明の管状体においては、前記ポリイミド樹脂が、(A)成分と、(B)成分及び/又は(C)成分を含有するブレンド体、及び/又は、共重合体であり、前記(A)成分が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、及び、p−フェニレンジアミン(PDA)から形成されるポリイミド骨格を有する成分であり、前記(B)成分が、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、及び、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)から形成されるポリイミド骨格を有する成分であり、前記(C)成分が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、及び、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)から形成されるポリイミド骨格を有する成分であることが好ましい。前記(A)成分を含有することにより、剛直骨格をなす成分を有するため、高い剛性を示し、つまりは、優れた弾性率を有するポリイミド樹脂を得ることができる。一方、前記(B)成分及び/又は前記(C)成分を含有するポリイミド樹脂を含有することにより、柔軟骨格をなす成分を有するため、柔軟性が良好なポリイミド樹脂を得ることができる。よって、前記(A)成分を含有するポリイミド樹脂と、前記(B)成分及び/又は前記(C)成分を含有するポリイミド樹脂とを含有することにより、剛性と柔軟性のバランスのとれたポリイミド樹脂層を有する管状体を得ることができ、有効である。
また、上記テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させる際に用いられる有機極性溶媒は、その官能基がテトラカルボン酸二無水物またはジアミンと反応しない双極子を有するものである。そして、系に対して不活性であり、かつ生成物であるポリアミド酸に対して溶媒として作用しなければならない。しかも、反応成分の少なくとも一方、好ましくは両者に対して溶媒として作用しなければならない。上記有機極性溶媒としては、特にN,N−ジアルキルアミド類が有用であり、例えばこれの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等があげられる。これらは蒸発、置換または拡散によりポリアミド酸およびポリアミド酸成形品から容易に除去することができる。
また、上記以外の有機極性溶媒として、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、併せて用いても差し支えない。
さらに、上記有機極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を単独でもしくは併せて混合することもできる。ただし、生成するポリアミド酸の加水分解による低分子量化を防ぐため、水の使用は避けることが好ましい。
本発明の管状体は、熱伝導性無機フィラーおよび繊維状フィラー、更にはフッ素樹脂フィラーを含有する上記ポリアミド酸溶液に、特定量の触媒(イミド化触媒)を添加・混合し、適宜な方式で展開し、その展開層の溶剤を加熱乾燥除去する方法により得られる。この場合、イミド化触媒の添加量としては、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸溶液のポリアミド酸の繰り返し単位1モル当量に対して0.1〜3モル当量が好ましく、より好ましくは0.2〜1モル当量である。触媒の添加量が0.1モル当量未満では触媒の効果が十分ではなく、また、3モル当量を超えて添加しても触媒の効果の向上は見られない。
前記イミド化触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソキノリン、ルチジンなどの第3級アミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5,1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7などの有機塩基が例示される。中でも、沸点が200℃以上で、かつ、酸解離定数(pKa)が、4〜9の3級アミン類の、イミド化触媒が、イソキノリン、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、及び、N−メチルイミダゾールからなる群より選択される少なくとも1種であることが、より好ましい。
上記ポリアミド酸溶液は、上記テトラカルボン酸二無水物(x)とジアミン(y)とを有機極性溶媒中で、0.5〜10時間程度反応させて得ることが好ましい。すなわち、0.5時間未満であると反応が不十分となり、10時間を超えてもそれ以上の効果が得られないからである。また、反応時におけるモノマー濃度〔上記溶媒中における(x)+(y)の濃度〕は種々の要因に応じて設定できるが、通常5〜30重量%である。また、反応温度は80℃以下に設定することが好ましい。
また、このようにして有機極性溶媒中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させると、その反応の進行に伴い溶液の粘度が上昇するが、本発明においては対数粘度(η)が0.5以上となったポリアミド酸溶液を用いることが好ましい。すなわち、対数粘度(η)が0.5以上のポリアミド酸溶液を用いて形成した場合、熱劣化に対する信頼性(耐熱性)が対数粘度0.5未満のものと比較して特に優れているという利点がある。なお、上記対数粘度(η)は毛細管粘度計を用いてポリアミド酸溶液と溶媒の落下時間を各々測定し、下記の数式(1)により算出される値である。
Figure 2011209578
このようなポリアミド酸溶液は、使用する際に、粘度が高い場合には適当な溶媒で希釈して粘度を低くして用いる。例えば、ポリアミド酸溶液の粘度は、塗布厚み、シリンダーの内径、溶液温度、走行体の形状等に応じて設定されるが、通常、0.01〜1000Pa・s(塗布作業時の温度でB型粘度計にて測定)に設定される。
ポリアミド酸溶液中への熱伝導性無機フィラーや、繊維状フィラー(ウィスカー)、フッ素樹脂フィラーの配合は、例えば、上記ポリアミド酸を調整する際にその溶液にプラネタリミキサーやビーズミルや3本ロール等の適宜な分散機にて前記フィラーを混合分散して、混合させて配合し、それを管状体成型に供する方式などの適宜な方式にて行うことができる。勿論、反応終了後にポリアミド酸溶液中にそれぞれを添加して均一に混合するようにしてもよい。
上記したようにポリイミド樹脂製の管状体は、ポリアミド酸溶液を適宜展開して、管状体に成形することにより得ることができる。管状体の厚さは、ポリイミド樹脂製管状体の使用目的などに応じて適宜決定しうる。一般には強度や柔軟性等の機械特性などの点により、10〜150μmであることが好ましく、より好ましくは、50〜100μmの厚さとされる。
また、本発明の管状体は、前記ポリイミド樹脂層の外面に、フッ素樹脂離型層及び/又はゴム状弾性層を有することが好ましい。前記ポリイミド樹脂層に加えて、前記フッ素樹脂層を設けることにより、管状体(ベルト)の滑性や、管状体表面のトナーとの離型性を向上させることが可能となる。
前記フッ素樹脂離型層の材料としては、分子内にフッ素原子を含むものであればよく、特に限定されるものではない。具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とその変性物、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(TFE/VdF)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(CTFE/VdF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)などが挙げられる。耐摩耗性、トナーとの離型性、耐熱性の点からPTFE、PFA、これら混合系が好ましい。なお、充填剤を添加する場合、その量は0.1〜50重量%が好ましい。0.1重量%末満だと、充填剤の持つ機能が十分発揮されず、50重量%を超えると摺動性、離型性等のフッ素に起因する効果が十分発揮できない。
前記フッ素樹脂離型層の厚みは、用途によって適宜選択することができるが、たとえば、5〜50μmが好ましい。フッ素樹脂離型層の厚みが5μm未満の場合には管状体(ベルト)の滑性や離型効果が十分に得られないおそれがあり、50μmを超える場合には、管状体(ベルト)の曲率半径の拡大とともに管状体(ベルト)に必要な硬度が得られなくなり座屈や破損が生じるおそれがある。
また、管状体(ベルト)の用途によっては、ポリイミド樹脂の諸特性に加え、弾性を必要とすることから、前記ゴム状弾性層を、前記ポリイミド樹脂層と前記フッ素樹脂離型層の間に形成することが好ましい。
前記ゴム状弾性層としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられ、特に好ましくは、シリコーンゴムである。また、前記ゴム状弾性層には、シリカ、ベンガラ等の充填剤を添加することができる。
前記ゴム状弾性層の厚みとしては、用途によって適宜選択できるが、たとえば、100〜500μmが好ましい。ゴム状弾性層の厚みが100μm未満の場合には、弾性効果が十分に得られないおそれがあり、500μmを超える場合には管状体(ベルト)の曲率半径の拡大とともに管状体(ベルト)に必要な硬度が得られなくなり座屈や破損が生じるおそれがある。
本発明の管状体の製造方法としては、一般的なポリイミド樹脂からなる管状体の製造方法により調製することができ、特に限定されないが、例えば、以下に示すように、管状体を製造することができる。
本発明の管状体の製造方法としては、具体的には、(i)少なくともポリアミド酸とイミド化触媒を含有するポリアミド酸溶液を調製する工程と、(ii)前記ポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に展開・加熱して管状体として保持できるまで硬化させた前駆体管状体を得る工程と、(iii)前記前駆体管状体を前記円筒状金型から剥離し、前記管状体に支持体を挿入する工程と、(iv)前記支持体を挿入後、シンターすることにより前記前駆体管状体をイミド転化して、管状体を得る工程と、を含ことが好ましい。更に、前記イミド転化後の前記管状体の内径が、前記支持体の外径に対して、1.0013倍以上であるように調製することが好ましい。以下に更に詳細に説明する。
なお、本発明の管状体の製造方法においては、前記イミド転化後の前記管状体の内径が、前記支持体の外径に対して、1.0013倍以上であることが好ましく、1.0014倍以上がより好ましく、1.0015倍以上が特に好ましい。前記イミド転化後の前記管状体の内径が、前記支持体の外径に対して、1.0013倍以上であると、前記支持体から、前記管状体を、前記支持体の形状に影響を受けることなく、管状体を抜き取ることができ、作業性において、有用である。
まず、成形用金型として円筒状金型を準備する。次いで、熱伝導性無機フィラーや、繊維状フィラー(ウィスカー)、フッ素樹脂フィラーを含有するポリアミド酸溶液にイミド化触媒を添加・混合し、これを前記円筒状金型内周面に塗布する。塗布後、塗布皮膜が少なくともそれ自身支持できるまで乾燥・硬化させ、前駆体管状体を調製し、前記前駆体管状体を円筒状金型より剥離する。また、前記前駆体管状体上に、フッ素樹脂離型層及び/又はゴム状弾性層、更にはプライマー層を形成する場合には、上記のようにして得られた前駆体管状体の外周面に、前記プライマーを塗布等し、このプライマー層の外周面にさらに、ゴム状弾性層、フッ素樹脂離型層を形成するための樹脂組成物を含む溶液を塗布等して複数層の管状体の製造を行う。
上記製造方法において、成形金型となる円筒状金型としては、従来から管状体(ベルト)の製造に用いられるものであれば、特に限定されることなく利用できるが、材質としては耐熱性の観点から、金属、ガラス、セラミックス等各種のものが例示される。
熱伝導性無機フィラーや、繊維状フィラー(ウィスカー)、フッ素樹脂フィラーを含有するポリアミド酸溶液の円筒状金型ヘの塗布方法としては、ポリアミド酸溶液中に円筒状金型を浸漬して、内面に塗布膜を形成し、これを円筒状ダイス等で成膜する方法や、円筒状金型内面の片端部にポリアミド酸溶液を供給した後、この円筒状金型と一定のクリアランスを有する走行体(弾丸状、球状)を走行させる方法、円筒状金型を軸周りに回転させ、内面にポリアミド酸溶液を供給し、遠心力により均一な皮膜とする方法等が挙げられる。
上述の走行体を走行させる方法としては、自重走行法(円筒状金型を垂直に立て、走行体をその自重により下方に走行させる方法)の他、圧縮空気やガス爆発力を利用する方法、牽引ワイヤ等により牽引する方法等が挙げられる。
上記ポリアミド酸溶液を金型に塗布した後の加熱温度は、適宜決定し得るが、80〜200℃程度の低温で加熱して溶媒を除去し、次いで250〜400℃程度に昇温してイミド転化を終了するという多段加熱法等を用いることが好ましい。また、低温加熱後に自身支持できる状態になった前駆体管状体を剥離して、プライマー層や、ゴム状弾性層やフッ素樹脂離型層を形成した後、高温加熱を行ってもよい。加熱時の所要時間は、加熱時間に応じて適宜設定されるが、通常、低温加熱およびその後の高温加熱ともに20〜60分程度である。このような多段加熱法を用いれば、イミド転化に伴い発生する閉環水や、溶媒の蒸発に起因する管状体(ベルト)における微小ボイドの発生を防止することができる。
このようにして得た管状体(ベルト)を円筒状金型より剥離する。円筒状金型からポリイミド樹脂製の管状体(ベルト)を剥離する方法としては、例えば円筒状金型端部の周壁面に予め設けられた微小貫通孔に空気を圧送する方法等が挙げられる。なお、管状体(ベルト)を形成する円筒状金型内周面等に予めシリコーン樹脂等による離型処理を施しておけば、管状体(ベルト)の剥離作業性が向上し、好ましい。
本発明の管状体における前記ポリイミド樹脂層に、ゴム状弾性層やフッ素樹脂離型層を形成(積層)する方法としては、スプレーコート、浸漬、ディスペンサー塗布等が挙げられる。また、積層工程は、ポリイミド樹脂層(ベルト)を成形した後、外側にゴム状弾性層、フッ素樹脂離型層を重ねていく工程をとっても良いし、金型内面にフッ素樹脂離型層、ゴム状弾性層、ポリイミド樹脂層の順で積層し、ベルト化した後、金型から取り出す工程をとっても良い。これら工程は管状体(ベルト)の寸法精度、特性、成形コストに応じて自由に選べる。また、フッ素樹脂離型層の積層の際には、ゴム状弾性層との接着力を強化するために中間にプライマー層を施しても良い。更にフッ素樹脂離型層はチューブ状のものをゴム状弾性層上に被せた後、加熱収縮させて積層させても良い。
前記プライマー層に用いられる材料としては、上記ポリイミド樹脂層と、上記ゴム状弾性層や、フッ素樹脂離型層を接着することができる材料であれば、特に制限されることはないが、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ならびにこれらの樹脂を1種以上とフッ素系樹脂との混合物等を挙げることができ、具体的には、PR−990CL(三井デュポン社製)等の従来公知のプライマーを挙げることができる。
前記プライマー層の厚みは、その用途あるいは装置の設計により適宜選択されるが、通常、プライマー層は0.1〜2μmである。
得られた管状体(ベルト)の外周面にプライマー層を設ける方法としては、プライマー溶液等を塗布することにより得られ、例えばロールコート、刷毛塗り、スプレーコート等の方法が挙げられる。
このようにして得られた管状体は、端部と中央部の内径差が、実質的にはない。よって、下記変形加工により所望の内径差を有する管状体を形成する。
変形加工は、得られた前記管状体(又は前駆体管状体)内部に、図1または図2に示す支持体(耐熱性芯体)を挿入し、加熱、シンター(焼成)することにより行うことができる。この際に用いる支持体の材質は、特に限定されないが、管状体(変形管状体)を形成後に、前記支持体を抜き取り易くするために、線熱膨張係数が2×10-5cm/cm/℃以上のものが好ましく、例えば、アルミニウム、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂のような材質からなる支持体が好ましい。上記変形加工において、加熱、シンター(焼成)する際の処理条件は、通常、管状体(ベルト)を形成する材質のガラス転移温度以上、熱分解温度以下とすることが好ましい。熱処理後、室温まで冷却し、支持体から取り出すことにより、所望の内径差を有する管状体を得ることができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、本発明は、かかる実施例等により何ら制限されることはない。
<実施例1>
N−メチル−2−ピロリドン1079gに、熱伝導性フィラーとして、窒化ホウ素(三井化学社製、平均粒子径1μm)153gと、繊維状フィラーとして、ホウ酸アルミニウムウィスカー(四国化成工業製、平均繊維径0.7μm、平均繊維長30μm)4.6gを攪拌・分散させた。
上記分散液に、p−フェニレンジアミン24.6gと、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル30.4g、さらに、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物111.7gを溶解(固形分濃度20wt%)し、窒素雰囲気中において室温で攪拌しながら反応させて、100Pa・sのポリアミド酸溶液を得た。
上記ポリアミド酸溶液に、フッ素樹脂フィラー(喜多村社製、平均粒子径10μm、PTFE粒子)を、ろ過工程でメッシュ径を♯800を使用し、前記ろ過後のフッ素樹脂フィラー9.2gを攪拌・分散し、ここに、イミド化触媒として、イミダゾールをポリアミド酸1molに対して0.5mol相当分添加し、均一になるまで攪拌し、ワニスを調製した。上記配合内容は、ポリイミド樹脂100重量部に対して、熱伝導性フィラーが100重量部、繊維状フィラーが3重量部、フッ素樹脂フィラーが6重量部に相当する。
内径30.5mmの円筒状金型の内面に上記ワニス(ポリアミド酸溶液)を塗布後、弾丸状走行体を自重により落下させた後、塗膜中の気泡を除く脱泡を行い、均一な塗膜面を得た。次いで前記金型を150℃から200℃まで段階的に加熱して溶媒を除去後、室温で金型から剥離し、80μmの前駆体管状体を得た。
上記前駆体管状体上に、スプレーにより、プライマー(三井・デュポン・フロロケミカル社製)をコートし、その上にフッ素樹脂(PFA)ディスパージョン(三井・デュポン・フロロケミカル社製、固形分濃度35%)をコート、60℃で加熱した。
このようにして得られた前駆体管状体を、支持体(両端部の外径が29.8mm、中央部の外径が29.75mmの逆クラウン形状を有する)の外側に挿入して、400℃で20分間、シンター(焼成)を行い、閉環水の除去、イミド転化完結反応を行い、10μmのフッ素樹脂離型層を有する管状体を作製した。
得られた管状体は、支持体より、容易に脱型可能であった。なお、管状体の内径は、両端部の外径と同位置において、29.85mm、中央部の外径と同位置において、29.8mmであった。なお、ΔRは、0.17%であった。
<比較例1>
ポリアミド溶液中に繊維状フィラーを添加していないこと以外は実施例1と同様の方法で管状体を成形したところ、管状体は支持体より脱型することができず、管状体を得ることができなかった。なお、ΔRは、測定できなかった。
<比較例2>
繊維状フィラーとして、アルミナウィスカー(平均繊維径0.5μm、平均繊維長60μm、ニチビ社製)を使用し、ろ過工程でメッシュ径を♯50に下げてろ過した以外は、実施例1と同様の方法で管状体を成形したところ、管状体には、凝集物の異物突起があり、良好な管状体ではなかった。
得られた管状体は、支持体(逆クラウン形状)より、脱型可能であったが、異物突起により、管状体の内径は、計測困難であったが、管状体の内径は、中央部の外径と同位置において、29.8mm以上であると推測されるほど大きく変化していた。なお、ΔRは測定できなかった。
本発明は、熱伝導性無機フィラーや繊維状フィラーを所定量含有するポリイミド樹脂層を少なくとも含む管状体とし、前記管状体の端部の内径と、中央部の内径の径差を、所定の割合に調製することにより、管状体の端部の内径と中央部の内径に差がある場合であっても、支持体から、管状体を、容易に脱型でき、作業性という点において優れた管状体を得られることを確認できた。
1 支持体(焼成型)
2a 端部
2b 中央部

Claims (8)

  1. ポリイミド樹脂、熱伝導性無機フィラー、及び、繊維状フィラーを含有するポリイミド樹脂層を少なくとも含む管状体であって、
    前記ポリイミド樹脂100重量部に対して、前記熱伝導性無機フィラーを30〜150重量部、前記繊維状フィラーを1〜10重量部含有し、
    前記管状体の端部の内径(R1)及び中央部の内径(R2)のいずれか大きな内径に対する、前記内径(R1)及び内径(R2)の径差の絶対値(ΔR)の割合が、0.01〜0.45%であることを特徴とする管状体。
  2. 前記ポリイミド樹脂が、
    (A)成分と、(B)成分及び/又は(C)成分を含有するブレンド体、及び/又は、共重合体であり、
    前記(A)成分が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、及び、p−フェニレンジアミン(PDA)から形成されるポリイミド骨格を有する成分であり、
    前記(B)成分が、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、及び、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)から形成されるポリイミド骨格を有する成分であり、
    前記(C)成分が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、及び、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)から形成されるポリイミド骨格を有する成分であることを特徴とする請求項1記載の管状体。
  3. 前記繊維状フィラーの平均繊維径が、0.1〜3μmであり、
    前記繊維状フィラーの平均繊維長が、5〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の管状体。
  4. 前記ポリイミド樹脂層が、更に、フッ素樹脂フィラーを含有し、
    前記ポリイミド樹脂100重量部に対して、前記フッ素樹脂フィラーを2〜15重量部含有し、
    前記フッ素樹脂フィラーの平均粒子径が、0.1〜15μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の管状体。
  5. 前記ポリイミド樹脂層の外面に、フッ素樹脂離型層及び/又はゴム状弾性層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の管状体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の管状体の製造方法であって、
    少なくともポリアミド酸とイミド化触媒を含有するポリアミド酸溶液を調製する工程と、
    前記ポリアミド酸溶液を円筒状金型内面に展開・加熱して管状体として保持できるまで硬化させた前駆体管状体を得る工程と、
    前記前駆体管状体を前記円筒状金型から剥離し、前記管状体に支持体を挿入する工程と、
    前記支持体を挿入後、シンターすることにより前記前駆体管状体をイミド転化して、管状体を得る工程と、を含み、
    前記ポリアミド酸1molに対して、前記イミド化触媒を0.1〜3mol含有することを特徴とする管状体の製造方法。
  7. 前記イミド転化後の前記管状体の内径が、前記支持体の外径に対して、1.0013倍以上であることを特徴とする請求項6記載の管状体の製造方法。
  8. 前記イミド化触媒が、イソキノリン、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、及び、N−メチルイミダゾールからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項6又は7記載の管状体の製造方法。

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