JP5762188B2 - 簡易建築構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、移動、組み立て、解体の繰り返しが容易で、構造を木造にすることにより、安価で軽量で錆びの問題がなく、意匠性、居住性にも優れ、一般木造建物のように恒久的設置も可能な簡易建築構造体に関する。
移動が容易で、組み立て、解体を繰り返し実施することができる従来の簡易建物としては、金属材を使用したラーメン構造体の壁面、天面にパネルを取り付けることにより構築したものが知られている。このような簡易建物は建設現場などで作業員が居住するための仮設住居として利用されているが、次のような問題点がある。
[1]実用性のみを目的として作られたもので、外観、内装とも美観上貧弱である。[2]パネルから成る壁面、天面、床面では断熱が十分ではなく居住に適さない。[3]構造上大きな窓を設けられず、連装にした場合には室内が暗くなる。
また、このような居住性能の悪さの解消を目指したユニット建物も提案されている。例えば、特許文献1(特開2000−234389「建物ユニット及びユニット建物」)には、窓やドアが付いた部屋を一つのユニットとし、これらを複数組み合わせ、建物を構成する方法が開示されている。ここでは断熱性能は改善されているが、問題点が2点ある。
まず、一部屋を一ユニットとして構造的に成立させているため、部屋(ユニット)の壁は構造壁であり、部屋同士を連結し建物を構成すると、部屋と部屋が出会う内壁は構造壁が2重になる。本来この壁は構造的に一枚で済むか、必要ないものであり構造的な無駄といえる。
次に、日本では「国土交通省令道路運送車両法保安基準第55条」で公道を運行できるものの巾は2.5メートル以下に制限されている。これを超えるものに付いては特例許可を得なければならず、大型クレーン、橋梁、電鉄車両などが認められるものの、一般に建築物は許可しないとされている。
つまり、この条項による制限を受ける結果として、特許文献1において提案されているユニット建築の最大巾は2.5メートル以下になり、部屋の内法は2.4メートル程度に留まる。これを住宅に適用した場合、寝室、浴室には使用できるが、居間使用は無理で、食堂使用でも真中にテーブルを置き両サイドに座ると人が通れない。事務所使用の場合でも家具、事務機器のレイアウトが著しく制限される。仮に2.5メートルを超える巾のものが認められても運行制限が付き、輸送コストが増大する。
また、従来のユニット建物にあっては、長期利用中に増改築が必要となったり、災害や事故によって建物の一部が破損、損耗して改修が必要となった場合に、必要な構造材や接合金物が既に製造中止となっていたり、メーカーが倒産して入手できなくなる虞がある。
このような場合には、構造材や接合金物を特注して製造するか、或いは建物全体を建築し直す必要があり、何れにしても多額の支出を余儀なくされることとなる。また、当該ユニット建物がハイテクノロジーを駆使した構造を有する場合には、専門業者に依頼しない限り増改築、改修は不可能となる。
この様な問題は、ユニット建物に限らず、木造建築物一般に言えることである。
特開2000−234389公報
従来の、移動、組み立て、解体の繰り返し可能なボックス状のユニットの組み合わせ建物は、一般建物に比べ、断熱性能が劣り、窓が小さく採光が十分ではなく、居住性が劣っていた。また、これらの問題点が解消されているタイプのものは部屋の巾が狭く、使用目的に制限があるという問題があった。また美観上も優れているとは言えず使用目的も限られていた。
また、建物を長期利用することを考えた場合に、増改築、改修に際して必要な構造材、接合金物等が入手不能になっていたり、専門業者による対応が必要とされる場合には、工事不能となったり、或いは多額の出費が必要となる、という問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、移動、組み立て、解体の繰り返しが容易で、安価で軽量で錆びの問題がなく、意匠性、居住性にも優れ、一般木造建物のように恒久的設置も可能な簡易建築構造体を提供することを目的としている。
また、専用部品や専門技術を必要としないために非専門の建築業者による低コストな増改築、改修が可能な技術を提供する。
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る簡易建築構造体は、四本の木製フレーム材の各端部間を直交状態で連結した四辺形の環状フレームユニットと、複数の前記環状フレームユニットをその厚さ方向に所定間隔を隔てて並行に配列した状態で、前記複数の環状フレームユニットの天面、及び対向する両側面の外面、並びに床面の内側面に固定されて前記木製フレーム材間を連結一体化する構造合板と、前記複数の環状フレームユニットの床面上に固定される床板と、を備え、縦方向へ延びる複数の前記木製フレーム材に夫々片持ち梁の一端を固定して水平に張出し、前記各片持ち梁上に床板を固定して高床を形成したことを特徴とする。
請求項2の発明は、縦方向へ延びる前記木製フレーム材間に、該各木製フレーム材と交差する方向へ棚板を掛け渡して収納空間を形成したことを特徴とする。
請求項3の発明は、前記片持ち梁は四角柱状の金属パイプから成り、該金属パイプの開口した一端縁に形成した切欠き部の内側端縁を、前記縦方向へ延びる前記木製フレーム材の側面に所定の上下間隔を隔てて形成した二本の並行なスリット内に挿入することによって、該木製フレーム材に固定されることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記片持ち梁は金属板から成り、該金属板の一端縁に形成した切欠き部の内側端縁を、前記縦方向へ延びる前記木製フレーム材の側面に所定のスリット内に挿入することによって、該木製フレーム材に固定されることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記構造合板の外面に、断熱材層、通気空間、を介して外装材を順次積層したことを特徴とする。

本発明によれば、移動、組み立て、解体の繰り返しが容易で、安価で軽量で錆びの問題がなく、意匠性、居住性にも優れ、一般木造建物のように恒久的設置も可能な簡易建築構造体を提供することができる。
特に、専用部品や専用技術を必要としないために非専門の、大工等の建築業者による低コストな増改築、改修が可能な技術を提供することができる。
本発明の実施の一形態例としての簡易建築構造体のフレーム構造体を示す斜視図である。 簡易建築構造体のフレームに構造合板等を組み付ける手順を説明する斜視図である。 完成品としての簡易建築構造体の一例を示す斜視図である。 (a)及び(b)は仕上げ材を施工した簡易建築構造体の縦断面図、及び内壁の断面斜視図である。 (a)及び(b)は木製フレーム材間の空間を収納空間として利用した場合の構成例を示す正面図、及び平面図であり、(c)は変形例の説明図である。 (a)は片持ち梁状の高床を設置した構成例を示す簡易建築構造体の縦断面図であり、(b)及び(c)は高床の組み立て手順を示す斜視図である。 (a)及び(b)は、片持ち梁を木製フレーム材に設けた二本のスリット内に差込み掛止する場合の構成を示す斜視図、及び横断面図である。 (a)及び(b)は、片持ち梁を木製フレーム材に設けた一本のスリット内に差込み掛止する場合の構成を示す斜視図、及び横断面図である。 (a)乃至(d)は本発明により構築される高床の他の構成例の説明図である。 (a)乃至(f)は、小型ユニット化したフレーム構造体を複数個用いて大型のフレーム構造体を構築する手順を示す説明図である。 (a)(b)及び(c)は本発明の他の実施形態に係る簡易建築構造体の構成要素を示す斜視図、組み立て状態を示す斜視図、及び連結部の構成を示す説明図である。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の実施の一形態例としての簡易建築構造体のフレーム構造体を示す斜視図であり、図2は簡易建築構造体のフレームに構造合板等を組み付ける手順を説明する斜視図であり、図3は完成品としての簡易建築構造体の一例を示す斜視図である。
本発明の簡易建築構造体1は、四本の四角柱状の木製フレーム材4a、4b、4c、4dの各端部間を直交状態で接合金物6により連結した四辺形の環状フレームユニット2と、複数の環状フレームユニット2をその厚さ方向(前後方向)に所定間隔を隔てて並行に配列した状態で、複数の環状フレームユニット2の天面、対向する両側面、及び底面の外面に夫々固定されて木製フレーム材間を連結一体化する複数枚の構造合板(コンパネ)10と、を備える。環状フレームユニット2間は、木材、或いは金属製の連結部材15により連結一体化される。
複数の環状フレームユニット2と、連結部材15は、フレーム構造体20を構成している。
木製フレーム材4a、4bはフレーム構造体20の左右の側壁を構成するものであり、同一形状、同一寸法の角材、集成材等を使用することができる。木製フレーム材4c、4dは、フレーム構造体20の天面、及び床面を構成するものであり、同一形状、同一寸法の角材、集成材等を使用することができる。
木製フレーム材4a、4bの全長は、例えば、3m(技術的には6mも可能)、木製フレーム材4c、4dの全長は例えば6mとする。
縦方向へ延びる各木製フレーム材4a、4bは、前後方向厚さTよりも横方向幅Wの方が長く設定されている。例えば、厚さTを12cm、幅Wを24cm程度とする。
また、木製フレーム材間の間隔は、例えば1m程度とする。本例では、7個の環状フレームユニットを1m間隔で配置することにより、フレーム構造体20の奥行き寸法は、6mとなる。
各木製フレーム材4a乃至4dの長手方向両端部間を直交させた状態でL字型ジョイントプレート等の接合金物6により固定することにより、長方形環状の環状フレームユニット2を構築する。
任意の個数の環状フレームユニット2を図示のように所定の間隔を隔てて並行に配置した状態で角隅部間を連結部材15により連結することにより、箱形のフレーム構造体20を構築する。
次いで、図2に示すように、図1のフレーム構造体20の左右両側面の外側と、底面の外側に夫々構造合板10を接着剤、釘等を用いて固定する。構造合板10は、天面、及び両側面を構成する各木製フレーム材4a、4b、4cの外側面、並びに底面を構成する木製フレーム材4dの内側面に固定される。各木製フレーム材4a、4b、4cの内側には板材等を接合しないため、各木製フレーム材4a、4b、4cはフレーム構造体内に露出した状態となる。
なお、構造合板10は、環状フレームユニット2間の全ての空間を塞ぐように組み付ける必要はなく、必要に応じて構造合板を取り付けない部位を設けても良い。
また、床板12は、床面を構成する各木製フレーム材(下地)4dの上面に跨って固定されるため、木製フレーム材4d及び床面側の構造合板10はフレーム構造体内からは視認できない。
符号30は壁仕上げ材、32は屋根仕上げ材、33は床下天井仕上げ材、34は開口部回り仕上げ材であり、夫々左右の側壁、天面、床面、及び前面開口部に固定される。なお、各仕上げ材30、32、33、及び34の内側には断熱材30a、32a、33a、及び34aを配置する。
壁仕上げ材30は外壁となるため、例えば、住宅系であれば板貼り、商業系であれば金属パネルとしてサインを貼るなど、用途目的に応じて選び施工する。
屋根仕上げ材32は屋根となるため、例えば、シート防水、FRP防水、金属防水など、用途目的に応じて選択する。
また、背面開口部は、図示しない背面仕上げ材により閉止したり、開口部回り仕上げ材を固定する等の処理を施す。
構造合板10の内側面と、床板12の上面との間に形成される空間が居住空間となる。
この簡易建築構造体1は、図3に示すように地盤にアンカーで固定したベースユニット36上に設置固定される。
なお、フレーム構造体20の奥行き寸法を、国土交通省令道路運送車両法保安基準第55条」で公道を運行できるものの巾として規定されている2.5メートル以下に設定することにより、車両に積んで運搬することが可能となる。そして、現場で複数個のフレーム構造体20を接続すれば、任意の床面積を備えた建物を構築することができる。
次に、図4(a)及び(b)は仕上げ材を施工した簡易建築構造体の縦断面図、及び内壁の断面斜視図であり、フレーム構造体20と、その外面に固定される壁仕上げ材30、屋根仕上げ材32との間に、夫々断熱材40,通気層42を介在させた構成例を示している。更には床板12と図示しない床面仕上げ材との間にも同様の断熱構造を設ける。
図4(b)に示した木製フレーム材4a、4bは、例えば厚さTが12cm、幅(突出長)Wが24cの縦柱を構成しており、この縦に延びる木製フレーム材間の空間を収納空間として利用することができる。なお、本例に係る木製フレーム材は、薄板を積層した集成材である。
図5(a)及び(b)は木製フレーム材間の空間を収納空間として利用した場合の構成例を示す正面図、及び平面図である。
図示するように縦方向へ延びる木製フレーム材4a間に、この木製フレーム材4aと交差(直交)する方向へ棚板50を掛け渡して収納空間を形成している。収納空間の左右側板として木製フレーム材4aを利用できるため、棚板50さえ取り付ければ収納空間S1を形成できる。
棚板50は、隣接する2つの木製フレーム材4aの対向面に固定、或いは着脱自在に取り付けた支持部材によって着脱自在に支持する。
例えば平屋床面積21.8坪、天井高2.85mの簡易建築構造体において、780mm×240mmの棚板が208枚設置できる。この量は、一般的な6段スチール本箱30個分に当たり、膨大な収納量を確保することができる。
また、隣接する木製フレーム材4aの前面に収納用側板52を突出固定し、収納用側板52間と木製フレーム材4a間に形成される収納空間S2を扉54によって開閉するようにしてもよい。
なお、棚板50は、各木製フレーム材4aの突出長と見合う寸法を有している必要はなく、図5(c)のように木製フレーム材4aを越えて室内側に突出するように構成してもよい。この場合、一枚の棚板を複数の収納空間S1に跨って共用することができ、木製フレーム端部から棚板が突出した面積分だけ物品の収容スペースを大きく確保することができる。或いは、この棚板の張出し部分50aをデスク、テーブル等として活用することもできる。
この場合、棚板50の一端部に木製フレーム材4aを嵌合する切欠き50bを形成し、金具等により木製フレーム材と棚板とを固定する。
この棚板を木製フレーム材の任意の位置に着脱自在に取り付けるように構成してもよい。
このように木製フレーム材間の収納空間S1を利用して棚板等を設置することにより、壁全体を利用した壁面収納を実現できる。これは、家具を必要としない収納構造であり、地震時の揺れによって家具等が転倒、落下、移動したり、損傷することを防止して安全性を高めることができる。
木製フレーム材間の収納空間S1は、棚板を用いずに、床面に設置する冷蔵庫、洗濯機等々の大型電気製品の設置空間としても利用できる。この際、木製フレーム材を利用して大型電気を留め具によって固定し、地震による転倒等を効果的に防止することができる。
或いは、耐震補強するために、隣接する木製フレーム間にX字状に筋交いを固定することも好ましい。筋交いとしては、木製、金属製であってもよいし、筋交いに変えてダンパーを配置してもよい。
次に、図6(a)は片持ち梁状の高床を設置した構成例を示す簡易建築構造体の縦断面図であり、(b)及び(c)は高床の組み立て手順を示す斜視図である。
この実施形態では、縦方向へ延びる複数の木製フレーム材4a(4b)から水平に片持ち梁60を突設し、各片持ち梁上に床板65を固定することにより、高床を構築している。片持ち梁60はその一端面を木製フレーム材4a、4bと当接した状態で金具により補強することにより、木製フレーム材に対して十分な強度で固定することができる。
このように片持ち梁60、及び中間階用の床板65を用いて高床を形成することにより、居住空間を立体的に利用することが可能となる。特に、吹き抜け空間のどこにでも中間階を形成することが可能となり、内部空間を三次元的に利用することができるスケルトン・インフィル住宅の構築が可能となる。しかも、中間階は、取外し、移動、増設が容易である。
なお、対向する木製フレーム材4aと、木製フレーム材4bの同じ高さ位置に夫々片持ち梁構造の床板を固定することにより対向して張出し、各床板の端部間を梁により連結して対向する2つの側壁に跨って延在する床面を形成することもできる。
片持ち梁60は、例えば金属製の中空四角柱(スチール角パイプ)であり、金具、ボルト等を用いて各木製フレーム材に対して取付けが可能であるばかりでなく、図7、図8に示した如き取付け構造によっても十分な支持強度を確保することができる。
即ち、図7(a)及び(b)は、片持ち梁を木製フレーム材に設けた上下二本のスリット内に差込み掛止する場合の構成を示す斜視図、及び横断面図である。
例えば120mm角、或いは150mm角の木製フレーム材4a(4b)の三つの側面に図示の如き二本の並行なスリット(幅5mm、深さ20mm程度)4Sを所定の上下位置関係で形成し、このスリット2Sを利用して片持ち梁60の一端部を差込み固定する例を示している。
薄板材を中空四角柱状に加工した片持ち梁60は、木製フレーム材4aの内側端面の幅を超える横幅を有しており、その開口した先端の上面と下面には夫々矩形の切欠き部61が形成されている。各切欠き部61の内側端縁61aはスリット4S内に差込み可能な肉厚と寸法を有している。
また、片持ち梁60の先端縁の縦寸法は、2つのスリット間の間隔と等しく設定されている。このため、図示のように片持ち梁60の先端を二本のスリット4Sに向けて差し込むことにより、各スリット4S内に切欠き部の内側端縁61aが入り込む。これにより、片持ち梁の重量によって木製フレーム材4aが下方に加圧され、スリットと切欠き部の内側端縁とが強固に圧着固定された状態となる。
このように本実施形態では、片持ち梁を四角柱状の金属パイプから構成し、該金属パイプの一端縁に形成した切欠き部の内側端縁を、縦方向へ延びる木製フレーム材4aの側面に所定の上下間隔を隔てて形成した二本の並行なスリット4S内に挿入することによって、木製フレーム材に固定するようにした。このため、簡単な加工工程、組み付け工程によって強固、且つ低コストな片持ち梁構造を実現することができる。
次に、図8(a)及び(b)は、片持ち梁を木製フレーム材に設けた一本のスリット内に差込み掛止する場合の構成を示す斜視図、及び横断面図である。
この実施形態では、木製フレーム材の三つの側面に一本のスリット4Sを設けると共に、片持ち梁60を一枚の金属板材にて構成し、片持ち梁の先端に設けた切欠き62の内側端縁62aをスリット内に差し込むことにより、片持ち梁を木製フレーム材に固定している。
なお、片持ち梁60は、スチール角パイプである必要はなく、金属製、木製の角材であってもよい。
図9(a)乃至(d)は本発明により構築される高床の他の構成例の説明図である。
次に、図10(a)乃至(f)は、小型ユニット化したフレーム構造体を複数個用いて大型のフレーム構造体を構築する手順を示す説明図である。
図10(a)は地盤に基礎となる2つの基礎部材70を打設した状態を示しており、(b)において2つの基礎部材70間に二本の金属製柱脚72を平行に差し渡して固定する。各柱脚72の両端部には夫々T字状に支持部材74が固定されている。
(c)においては、各支持部材74上に二本ずつ底部木製フレーム材4dを固定し、各木製フレーム材4dの両端部に対して縦の木製フレーム材4a、4bの下部を固定する。更に木製フレーム材4a、4bの上端部間には上部の木製フレーム材4cを水平に差し渡して端部間を固定する。本例では、プレカット工場において、各木製フレーム材4c、4dの端部に予めドリフトピンによってジョイントプレート5が固定されている。このため、各木製フレーム材間の接合作業が効率化する。
(d)はフレーム構造体20の組み上げが完了した状態を示しており、各環状フレームユニット2間は、角隅部間を連結部材15により連結固定する。
(e)は(d)に示したフレーム構造体20を平行に配置して連結部材16により連結固定して大型のフレーム構造体20Aを構築した状態を示している。
(f)は、このフレーム構造体20Aの外面に構造合板10を固定した状態を示している。この構造合板の表面上に断熱材、通気空間、仕上げ材が順次形成される。
以上の構成を備えた本発明の簡易建築構造体は、移動、組み立て、解体の繰り返しが容易で、安価で軽量で錆びの問題がなく、意匠性、居住性にも優れ、一般木造建物のように恒久的設置も可能である。
特に、専用部品や専用技術を必要としないために非専門の建築業者による低コストな増改築、改修が可能である。
即ち、本発明はモノコック構造のフレーム構造体20を備えているため、構成がシンプルで組立が容易であり、ユニット単位での運搬が可能である。特に、構造がシンプルなため、施工性がよく、短い工期で、低コストで建てることができる。
また、本発明の簡易建築構造体は、その一部又は全部を工場で組みたてた状態で自動車によってどこにでも運搬可能であり、しかも現場において非専門家によって組み立てることが可能である。
このため、震災地等におけるリサイクル仮設住宅、プレハブ住宅、セカンドハウスとしては勿論、長期居住を目的とした一般住宅としても十分に活用することができる。特に、居住空間は約6m幅の無柱の内部空間となり、最大限に有効活用することができる。
特に、解体することにより各構成要素を再利用することができるため、廃材の増加による環境負荷の増大をなくすることができる。即ち、建物自体を他の場所に移設して使う場合、移設時に再利用できる部材が一部であっても、再利用の促進によって産業廃棄物を減らすことができ、自動車の中古市場と同様の木造建物の中古市場を発達させることが可能となる。
この簡易建築構造体を長期間住居として利用する過程で修理、改装が必要となったとしても、木材、金具等市販の材料、部品等を用いて対応できるため、修理、改装不能となることがない。特に、主たる木材部分、即ち木製フレーム材は、二種類しかないため、新たに製造、加工することが容易であり、入手が容易である。
また、この簡易建築構造体を積み上げることにより、二階建て、三階建ての建物を構築することができる。
また、最近、震災等の災害によってインフラ設備が破壊された場合に対処するために、インフラに依存しないで生活できる技術(INFRA−FREE LIFE)の研究が進んでいるが、電気、水道、ガス等のインフラから切り離した生活をする場合にはソーラーパネル、風力発電、燃料電池、雨水利用のための浄化槽、バイオトイレ等の循環型設備を利用することとなる。本発明の簡易建築構造体は、このようなインフラフリーの居住環境を構築するのに好適である。
次に、図11(a)(b)及び(c)は本発明の他の実施形態に係る簡易建築構造体の構成要素を示す斜視図、組み立て状態を示す斜視図、及び連結部の構成を示す説明図である。
この簡易建築構造体80は、四本の四角柱状の木製フレーム材84a、84b、84c、84dの各端部間を直交状態で固定具を用いない「相欠き方式」によって連結した四辺形の環状フレームユニット82と、複数の環状フレームユニット82をその厚さ方向(前後方向)に密着させて並行に配列した状態で、接着剤により固着一体化した構成を備える。各環状フレームユニット82間は、必要に応じて金属製のロッド(ボルト)86によって位置合わせした上で連結される。
図11(c)に示すように、各木製フレーム材の端部の対向する2つの面には夫々同一形状の凹所85が形成されており、各木製フレーム材の凹所85同士を嵌合させた上で、木製フレーム材84a、84b、84c、84dの対向面同士を接着固定する。
この簡易建築構造体80は、ログハウスと同様に木材を組み合わせて形成されており、これ自体を居住用の建造物として利用することができる。
この簡易建築構造物80の利点は、素人であっても容易に組み立てることが可能な点にある。各資材を現場に運搬し、現場にて組み立てて設置することができる。
必要に応じて、断熱材、外装材等を取り付けることにより居住環境を向上することができる。
なお、この実施形態に係る相欠き構造は、図1の実施形態の木製フレーム材の端部同士を固定する際にも流用することができる。
1…簡易建築構造体、2…環状フレームユニット、4a…木製フレーム材、4b…木製フレーム材、4c…木製フレーム材、4d…底部木製フレーム材、5…ジョイントプレート、6…接合金物、10…構造合板、12…床板、15…連結部材、16…連結部材、20…フレーム構造体、20A…フレーム構造体、36…ベースユニット、40…断熱材、42…通気層、50…棚板、52…収納用側板、53…金具、54…扉、60…梁、65…床板、66…金具、70…基礎部材、72…金属製柱脚、74…支持部材、80…構造体、82…環状フレームユニット、84a、84b、84c、84d…木製フレーム材、86…ロッド

Claims (5)

  1. 四本の木製フレーム材の各端部間を直交状態で連結した四辺形の環状フレームユニットと、複数の前記環状フレームユニットをその厚さ方向に所定間隔を隔てて並行に配列した状態で、前記複数の環状フレームユニットの天面、及び対向する両側面の外面、並びに床面の内側面に固定されて前記木製フレーム材間を連結一体化する構造合板と、前記複数の環状フレームユニットの床面上に固定される床板と、を備え、
    縦方向へ延びる複数の前記木製フレーム材に夫々片持ち梁の一端を固定して水平に張出し、前記各片持ち梁上に床板を固定して高床を形成したことを特徴とする簡易建築構造体。
  2. 縦方向へ延びる前記木製フレーム材間に、該各木製フレーム材と交差する方向へ棚板を掛け渡して収納空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載の簡易建築構造体。
  3. 前記片持ち梁は四角柱状の金属パイプから成り、該金属パイプの開口した一端縁に形成した切欠き部の内側端縁を、前記縦方向へ延びる前記木製フレーム材の側面に所定の上下間隔を隔てて形成した二本の並行なスリット内に挿入することによって、該木製フレーム材に固定されることを特徴とする請求項に記載の簡易建築構造体。
  4. 前記片持ち梁は金属板から成り、該金属板の一端縁に形成した切欠き部の内側端縁を、前記縦方向へ延びる前記木製フレーム材の側面に所定のスリット内に挿入することによって、該木製フレーム材に固定されることを特徴とする請求項に記載の簡易建築構造体。
  5. 前記構造合板の外面に、断熱材層、通気空間、を介して外装材を順次積層したことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の簡易建築構造体。
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