JP2005315059A - 建築物、建築物用の枠体、建築物の施工方法 - Google Patents

建築物、建築物用の枠体、建築物の施工方法 Download PDF

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Takashi Ueda
隆 植田
Kunihiko Suzuki
邦彦 鈴木
Chikashi Yukimori
史 幸森
Kazuhiro Takeda
一浩 武田
Takahiro Yamasaki
高宏 山▲さき▼
Kana Nakanishi
香菜 中西
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Abstract

【課題】目的・用途に応じた増殖、居室空間の増減、カスタマイズ化や用途転換を自由に追求できる建築物を提供する。
【解決手段】閉ループ状をなし当該閉ループが囲む面と直交する方向に間欠的に配列される枠体1と、隣接する枠体1、1間をそれぞれ接続する連結部材2とを備えるとともに、各枠体1、1間の少なくとも一部に面材3を緊密に介在させることにより自立性のある構造体を構成して、主に枠体1の内側を居室空間として利用することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、屋内外を問わずに利用できて、増殖性やカスタマイズ性に優れ、種々の要求に応じた居室空間を自由に構成できるようにした新規有用な建築物に関するものである。
建築物の最も一般的な在来工法は、土地に定着させた基礎構造物の上に柱や梁、桁、筋交いなどを用いて上部構造物を造り上げる軸組み工法と称されるものである。
一方、壁に依拠して建築物の強度を出すようにした枠組壁工法(いわゆる2×4工法)と称されるものも開発され広範に利用されるようになっている。
しかしながら、何れのものも、敷地を大きく改変するものであり、施工が大掛かりとなる上に、建物を簡単に移設、再利用することはできないため、経済性や資源の有効活用の面からしても決して望ましいものとは言えない。
これに対して、近時、敷地を殆ど改変することなく、簡単な施工で実現でき、移設や再利用も可能な建築物として、例えば非特許文献1に示されるようなエアロハウスと称されるものが新たに提案されている。
[平成16年3月31日検索],インターネット<URL: http://www.aerohouse.net/
ところが、これら従来のものは何れも、増殖性やカスタマイズ性に乏しいものである。
例えば、在来工法は、柱、梁等のジョイントに自由度がなく、柱が居室の中央に位置するため、増築性に乏しく、施工や増築、改築に多大なコストが掛かり、居室空間の増減が困難である上に、汎用的利用やカスタマイズ化、用途転換が殆どできないという難点がある。
また、枠組壁工法(いわゆる2×4工法)は、壁が構造体であるため、居室内に柱を不要として広い居室空間を確保することはできるものの、柱を撤去することができないため、オープンカフェのような骨格を基調とした建築物等は実現できず、このものも汎用性やカスタマイズ性に乏しいものである。
一方、エアロハウスは、対向2面を開口させた6面体を単位ユニットとし、広さや用途に応じてユニットの増設を可能としており、車のオプション感覚でファンクションパーツを自由に増設、変更できるようにしている。しかしながら、このものも、壁を主体にユニットが構成されているため、壁が構造体である点、柱を撤去することができない点で枠組壁工法に準ずるものである。
さらに、何れのものも、建築物それ自体で構造体としての強度を完成し、これに家具等の什器を別途持ち込んで居室空間を構成するものであるため、より効率良く居室空間を形成する手法が望まれる。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、家具の延長線上で汎用性のあるデザインを可能とし、半常設の状態で使用できて、目的・用途に応じた増殖、居室空間の増減、カスタマイズ化や用途転換等を自由に追求できる全く新たな概念に基づく建築物を提供しようとするものである。
本発明は、上記の目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の建築物は、閉ループ状をなし当該閉ループが囲む面と直交する方向に間欠的に配列される枠体と、隣接する枠体間をそれぞれ接続する連結部材とを具備するとともに、各枠体間の少なくとも一部に面材を緊密に介在させることにより自立性のある構造体を構成して、主に枠体の内側を居室空間として利用可能としていることを特徴とする。
このような構成であると、従来の家具の組立て、分解に類する手順で建築物の施工が可能となるだけでなく、一旦組み立てた建築物の撤去、移設等の際にも建築物を簡単に解体することが可能となる。それでいて、枠体の縦枠部は柱として、横枠部は梁や床板として、連結部材は桁として、面材がかかる骨格の補強としてそれぞれ機能させることができるので、筋交い等を入れずとも全体の建築物としての耐用性を十分に発揮させることができる。また、面材により居室空間の形成を同時に行なうことができるので、枠体と面材が強度確保と家具構成の上で相互に機能を補完し合うものであり、また壁を必須要件としないため居室空間を広く開放することも可能となる。しかも、枠体は隣接する枠体との間を個々に連結部材で連結することによって取り付けられるので、枠体の配列個数に応じて建築物の寸法違いに対応することも容易となる。
なお、前記居室空間は主に枠体の内側に形成されるものではあるが、枠体の対向隙間を居室空間として利用する態様や、枠体の外側に面材等を配置して当該面材の内側を居室空間として利用する態様等もとり得る。
部品の標準化と寸法違いに対する自由度を高めるためには、枠体を、基準となる枠材と、基準となるコーナー部材とを組み付けて構成しておくことが望ましい。
一般的な実施の態様としては、枠体を、基準となる枠材4つと、基準となるコーナー部材4つとを正方形状に組み付けているものが挙げられる。勿論、コーナー部材の仕様を変更すれば、簡単に3角形、5角形の枠体等も容易に構成することが可能である。
特に、枠体を構成する各枠材が、同一断面形状を有する押出型材からなるものであれば、枠材を任意の長さに切断することにより種々の設計に柔軟に対応することができ、設計自由度を有効に高めることができる。
枠体の強度確保と居室空間の空間効率の向上とを両立させるためには、枠体を構成する枠材が剛性のある板状のもので、板面を配列方向に対面させて、板面間を居室空間として利用可能としていることが好ましい。
また、枠体を構成する各枠材が、室外側端部に、前記居室空間と他の空間とを仕切り得る仕切用面材の取付に寄与する仕切用面材取付機能部を設け、室外側端部以外の部位に、前記居室空間内に設置される室内用面材の取付に寄与する室内用面材取付機能部を設けたものであれば、枠材自体を利用して仕切用面材や室内用面材を取り付けることができ、好適である。なお、室外側端部とは、各枠材を組み付けた組付状態において室外側に位置する端部を意味し、室内側端部とは、同組付状態において室内側に位置する端部を意味する。
具体的な実施態様としては、枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、この基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものであり、前記梁用枠材の前記仕切用面材取付機能部に、仕切用面材たる屋根材を支持する屋根受け部の高さ位置を変更し得る高さ位置変更部材を取付可能にしているものが挙げられる。このようなものであれば、高さ位置変更部材を利用して屋根受け部の高さ位置を変更することにより屋根材の高さ位置も簡単に変更することができることはもちろんのこと、屋根受け部に所望の勾配を付加することも可能であり、その結果、枠材自体の寸法等を何ら調整することなく屋根材にも所望の勾配を簡単に付加することができる。
加えて、前記屋根受け部と前記屋根材との間に水密部材として機能する乾式のガスケットを介在させていれば、このガスケットにより水密機能を確保することができるとともに、湿式のシーリングと比較して、作業に熟練を要さず、作業容易性を有効に高めることができる。しかも、湿式のシーリングは、液状のシール剤を専用の容器を用いて所定部位に注入して凝固させたものが通例であり、この湿式のリーシングを介して一旦組み立てた部材同士の解体、及び再組立は全く想定されておらず、たとえ解体した場合であっても、シーリング箇所に剥がし痕がる等の不具合が生じるものであるが、乾式のガスケットを適用した場合には、このような不具合が生じることもなく、ガスケットを介して組み立てた部材同士、すなわ屋根受け部部と屋根材との解体及び再組立てを容易に行うことができる。
また、枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、この基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものであり、前記柱用枠材の前記仕切用面材取付機能部と仕切用面材たる外壁材との間に水密部材として機能する乾式のガスケットを介在させるようにすれば、柱用枠材の仕切用面材取付機能部と仕切用面材たる外壁材との解体及び再組立て作業の容易化等、上記と同様の効果を得ることができる。
配線ダクトを利用して配線処理を好適に行い、且つフラットな床面を確保するには、枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、この基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものにおいて、隣接する前記枠体のうち基礎梁用枠材の前記室内側端部間を跨ぐ位置に前記室内用面材たる床材を設け、隣接する前記枠体の柱用枠材の下端部間に前記床材と略面一をなすように前記室内用面材たる配線ダクトを前記室内用面材取付機能部を利用して設ければよい。
配線ダクトの具体的な実施態様としては、両側端部を隣接する枠体の柱用枠材の下端部における前記室内用面材取付機能部にそれぞれ取り付け上方に開口してなるダクト本体と、このダクト本体の開口を蓋封可能な蓋部材とを備えたものが挙げられる。この場合、前記ダクト本体に床下空間に連通する開口部を形成すれば、この開口部を利用して床下空間から配線を立ち上げることができ、実用性に優れたものとなる。
また、枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、この基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものであり、前記枠体を構成する梁用枠材の前記室内用面材取付機能部に照明器具やスクリーン等の室内用オプション部材を取り付けるための室内用オプション取付部材を取付可能に構成し、この室内用オプション取付部材の梁用枠材に対する取付高さ位置を調整可能に設定していれば、室内用面材の取付に寄与する室内用面材取付機能部を利用して室内用オプション部材をも取り付けることができ、室内用オプション取付部材を取り付けるために別途専用の部材を設ける態様と比較して部品点数の削減に資する。しかも、室内用オプション取付部材の取付高さ位置を変更可能とすることにより、種々の使用態様にも柔軟に対応することができる。
他方、枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、この基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものにおいて、前記枠体を構成する柱用枠材の前記仕切用面材取付機能部にテントやサイン等の室外用オプション部材を取り付けるための室外用オプション取付部材を取付可能に構成し、この室外用オプション取付部材の柱用枠材に対する取付高さ位置を調整可能に設定していれば、仕切用面材の取付に寄与する仕切用面材取付機能部を利用して室外用オプション部材をも取り付けることができ、室内用オプション取付部材を取り付けるために別途専用の部材を設ける態様と比較して部品点数の削減に資するとともに、従来の建築物の場合に生じていた不具合、すなわち建築物の組み立て完成後にサイン等の室外用オプションを壁等に関連付けて取り付けようとした場合、壁の一部を改修する必要があり経費が嵩むという不具合を生じることなく、後付けでも簡単に室外用オプション部材を取り付けることができる。しかも、室外用オプション取付部材の取付高さ位置を所望の高さ位置に設定することができるため、種々の使用態様にも柔軟に対応することができる。
レイアウト設計等に便ならしめるためには、連結部材に等寸のものを用い、枠体を等ピッチで配列していることが望ましい。
面材を利用して居室空間を作り上げるためには、面材の少なくとも一部が枠体を構成する枠材と協働して家具その他の什器を構成するものが好適である。
面材の取り付けを効率良く行うためには、枠体を構成する枠材に、共通の取付構造を通じて2種以上の面材を取り付け可能としていることが望ましい。
具体的な実施の態様としては、面材として少なくとも棚板及び天板を共通の取付構造を通じて取り付け可能としているものや、面材として少なくとも外壁材及び屋根材を共通の取付構造を通じて取り付け可能としているもの等が挙げられる。
連結部材による連結作業の便と連結による強度向上とを両立させるためには、個々の連結部材が枠体間の間隙に略対応した寸法を有し、連結部材が順次連なって接続されるようにしておくことが好ましい。
連結部材の具体的な実施の態様としては、当該連結部材が、既設の枠体に開口するねじ孔に一端を連結される連結部材本体と、この連結部材本体の他端に螺着されて枠体を当該他端との間に挟持するように締結する繋ぎ材とを具備し、この繋ぎ材は同時に次の連結部材本体の一端を連結するための前記ねじ孔を与えるものが挙げられる。
以上の建築物を構築するために、枠体は、基準となる枠材と、基準となるコーナー部材とを組み付けて内側に居室空間を構成すべく閉ループ状に構成され、少なくともコーナー部材に、当該閉ループが囲む面と直交する方向に連結部材を取り付けるための連結用孔を開口させてなるものが好ましい。
この建築物の好適な施工方法としては、枠体を順次増連するにあたり、各増連作業ごとに、既設の枠体と次に増連する枠体とを連結部材で連結し且つ面材の一部を枠体間に介在させる手順を踏むことが好ましい。
また、この建築物の別の好適な施工方法としては、前記枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、この基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものであり、基礎上に複数の基礎梁用枠材を連結部材を介して順次連結しながら枠体の増連方向に沿って配置し、これら複数の基礎梁用枠材のうち、建築物の一方の側面部に位置する基礎梁用枠材の両端部にそれぞれ柱用枠材を立設し、これら柱用枠材の上端部間に梁用枠材を取り付けることにより、先ず建築物の一方の側面部に位置する枠体を組み立て、次いでこの建築物の一方の側面部に位置する枠体側から増連方向に沿って枠体を順次増連するにあたり、各増連作業ごとに、既設の枠体と次に組み立てた枠体の上端部同士を連結部材で連結させる手順を踏むことが好ましい。このようなものであれば、複数の基礎梁用枠材を連結部材を介して接続することにより、先ず建築物の土台を形成し、その後順次増連方向に沿って枠体を組み立てるようにしているため、予め組み立てた枠体同士を起立させて相互に連結する作業と比較して、作業の効率化を図ることができる。また、予め組み立てた枠体を起立させる作業は、専用の大型機械を必要とし、大掛かりな作業となるが、複数の基礎梁用枠材を順次接続する作業、及び各基礎梁用枠材に柱用枠体・梁用枠材を順次組み付ける作業は、専用の大型機械を必要とせず、人力で行うことが可能であり、作業の簡素化を有効に図ることができる。
本発明は、以上のような構成であるから、家具の延長線上で汎用性のあるデザインを可能とし、半常設の状態で使用できて、高級感やエンターテイメント性など、目的・用途に応じた増殖、居室空間の増減、カスタマイズ化や用途転換等を自由に追求できる全く新たな概念に基づく建築物を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
〈第1実施形態〉
第1実施形態に係る建築物は、図1に示すように、閉ループ状をなし当該閉ループが囲む面と直交する方向に間欠的に配列される枠体1と、隣接する枠体1、1間をそれぞれ接続する連結部材2とを具備するとともに、各枠体1、1間の少なくとも一部に面材3(後述する床材31、棚板32、天板33、内壁材34、外壁材35、屋根材35yなど)を緊密に介在させて自立性のある構造体を構成し、主に枠体1の内側を居室空間として利用可能としたものである。
具体的に説明すると、枠体1は、図2〜図4に示すように、基準となる枠材であるフィン部材11と、基準となるコーナー部材であるジョイント金具12とを組み付けて構成したもので、より具体的には、4つのフィン部材11と4つのジョイント金具12とが集合して、外周が1辺略3800mmの正方形、内周が1辺略3200mmの正方形をなしている。
フィン部材11は、図2及び図3に示すように、長手寸法が略3000mm、幅寸法が略300mm、厚み寸法が略35mmの剛性のある板材からなるもので、このフィン部材11に、長手方向端面に開口する空洞11aを内設するとともに、幅方向端面に長手方向に沿って延びる2本の第1溝部11bを、表面及び裏面に長手方向に沿って3本の第2溝部11cをそれぞれ形成し、このうち第2溝部11cの間欠位置に前記空洞11aに連通するスリット11dを所定ピッチで配列開口させている。
ジョイント金具12は、図2及び図4に示すように、略400mm四方の金具本体12aの直交2辺に差込片12bを設けたもので、これらの差込片12bは対応するフィン部材11の空洞11aに嵌合する寸法関係に設定され、フィン部材11、11同士を直角に接続する役割を果たしている。金具本体12a及び差込片12bには所要箇所に連結用孔12c、12dが厚み方向に貫通しており、このうち金具本体12aに開口する連結用孔12cは次に述べる連結部材2を挿し通し得るように設定され、また差込片12bに開口する連結用孔12dはフィン部材11の空洞11aに差し込んだ状態で当該フィン部材11の対応部位に存する連結用孔(図示省略)に合致するように設定されている。前記ジョイント金具12において、連結用孔12cの周辺に開口している孔は、フィン部材11の対向面間に架け渡す配線用の挿通孔である。
連結部材2は、図5に示すように、連結部材本体21と繋ぎ材22とから構成される。連結部材本体21は、枠体1の配列ピッチに対応した長さを有するパイプ部材21aの一端に雄ねじ部材21bを嵌装し他端に雌ねじ部材21cを嵌装したもので、雄ねじ部材21bの外径は雌ねじ部材21cの内径よりも小径に設定されている。この雌ねじ部材21cの外方端には鍔部21c1が拡開して設けられている。一方、繋ぎ材22は、2つの連結部材本体21、21の一端と他端の間をカップリングする役割をなすもので、一端が前記雌ねじ部材21cに螺合する雄ねじ部22a、他端が前記雄ねじ部材21bを螺合させる雌ねじ部22bをなしている。この繋ぎ材22の他端にも鍔部22b1が拡開して設けてあり、雄ねじ部22aを前記雌ねじ部材21cにねじ込んだ際に、雌ねじ部22bの鍔部22b1と前記雌ねじ部材21cの鍔部21c1との間にフィン部材11を厚み方向に挟み込み得るようにしている。
この建築物の基本となる骨組みの施工には、図1に示すように、ジャッキ41によりレベル調整して基準となる土台42を形成した後、この土台42上に枠体1を順次載置し、枠体1、1間を連結部材2で連結することにより増連していく。ジャッキ41の下には、必要に応じて図6に示すような足場板43が敷設されてもよいし、必要であれば地中に簡単な基礎を設けることを妨げるものではない。この実施形態では、枠体1、1間のピッチが900mmとなるように連結部材2の寸法等が設定されている。但し、ピッチには1200mmのもの等も採用可能であり、或いは異なるピッチを組み合わせて使用することも可能であるため、これらが数値的に限定されるものではない。
しかして、本実施形態はこのような枠体1の連結作業に関連づけて、各枠体1、1間の少なくとも一部に、枠体1を利用して面材3を緊密に介在させるようにしている。
本実施形態における面材3には、図1に基づいて例示したように、床材31、棚板32、天板33、内壁材34、外壁材35、屋根材35yなどが含まれる。
床材31は、図6に示すように、床支持部材31aを介して敷設される。床支持部材31aは、長手寸法がフィン部材11のそれに略対応したもので、当該フィン部材11或いは前記ジョイント金具12の連結用孔12c、12dの一部を利用するなどしてフィン部材11の面に重合させて取り付け、これにより幅方向の一端面を水平に配置して床支持面31bとしている。
棚板32は、図7及び図8に示す第1ブラケット51を介して枠体1、1間に配置される。第1ブラケット51は、所定取付姿勢で鉛直に配置される当て板51a及び水平に配置される棚受け51bを一体的に有し、当て板51aの背面に下向き鉤状の係合爪51cを突出させてなるもので、この係合爪51cを前記フィン部材11のスリット11dに係合させ、当て板51aをフィン部材11の表面に沿って配置して、棚板32の側縁を棚受け51bとともに添接支持させるものである。棚板32はボルトを用いて棚受け51bに固定される。
天板33も、上記第1ブラケット51を介して同様に取り付けられる。但し、天板33に、1又は2以上の枠体1を越えて対向する枠体1、1間に配置される寸法のものを使用する際には、天板33の幅方向中間部に位置することとなる枠体1との干渉を避けるべく、天板33の反使用端側に必要に応じて図1に示すように枠体1のフィン部材11を一部収容する凹部33xを設けておくことが望ましい。
内壁材34は、例えば幕板パネル34x、ホワイトボードパネル34y、スリットパネル34z(図14、図15参照)等がこれに相当するもので、図9及び図10に示す第2ブラケット52を介して枠体1、1間に配置される。第2ブラケット52は、所定取付姿勢で鉛直に配置される当て板52a及びこの当て板52aに対して直交配置される固定挟持片52bを具備し、当て板52aに下向き鉤状の係合爪52cを突出させるとともに、前記固定挟持片52bにスペーサ52dを介して可動挟持部材52eを接離可能に螺合させてなるもので、前記係合爪52cを前記フィン部材11のスリット11dに係合させ、内壁材34の孔34aを貫通させた可動挟持部材52eにより、固定挟持片51bとスペーサ52dとの間に内壁材34を挟持するものである。内壁材34の幅寸法は、対向するフィン部材11、11間の内法寸法に略対応しており、当該フィン部材11、11間に密接に配置される。
外壁材35は、例えばガラスパネル35xや目隠しパネル35z、屋根材35y(図1、図11参照)等がこれに相当するもので、同図に示す第3ブラケット53を介して枠体1に支持される。図11において左半部は平断面を、右半部は縦断面をそれぞれ示している。第3ブラケット53は、取付孔53a1、53b1を有する基端片53a及び先端片53bをL字状に連設したもので、このブラケット53の基端片53aをフィン部材11の板面に当接させ、取付孔53a1をフィン部材11の取付孔11e(図3参照)に合致させてボルトv1によりフィン部材11に固定し、先端片53bをフィン部材11の法線方向に延出させて、この先端片53bと平行をなす姿勢で外壁材35であるガラスパネル35xをボルトv2を用いて固定するようにしている。また、このブラケット53の基端片53aをフィン部材11の板面に当接させてボルトv3によりフィン部材11に固定し、先端片53bをフィン部材11の法線方向に延出させて、この先端片11と平行をなす姿勢で外壁材35である屋根材35yをボルトを用いて固定するようにしている。なお、フィン部材11の端面に設けられた溝11bには、ガラスパネル35xや屋根枠35yのコーナー部を緊密に当接させるための保護部材gが装着される。
この実施形態における骨組みの施工時には、枠体1、1間の増連作業ごとに、既設の枠体1と次に増連する枠体1とを連結部材2で連結し且つ少なくとも一部の面材3(例えば棚板32や天板33等)を枠体1、1間に介在させる手順を踏む。すなわち、枠体1の連結強度を確保ながら、増連作業を進めていく。
なお、図1において、枠体1の配列方向の始端と終端には外壁材35の1つである妻板35xが取り付けられるが、これには上記とは異なる第4ブラケット54が用いられる。この第4ブラケット54も、前記フィン部材11の板面に平行に取り付けるために必要な適宜の構造を備えている。
このようにして完成された建築物の外観を図12に例示し、その居室空間の様子を図13〜図16に例示する。
外観において、6面のうちの前面には外壁材35であるガラスパネル35xが配置されて内部を透視可能とされ、側面及び背面は外壁材である目隠しパネル35zによって目隠しされ、上面及び下面にはそれぞれ屋根材35y及び床材31が配置される。この建築物は、屋内でも屋外でも半常設にした状態で使用することが可能である。
居室空間は、枠体1の連結方向に沿って、図14に示すように、平面視右半部がワークスペースWS、左半部がミーティングスペースMSに設定される。ガラスパネル35x側(正面側)の壁面には、図14、図15に示すように、ワークスペースWS側に棚板32や天板33、幕板パネル34x、スリットパネル34z或いはロフト床LFが、またミーティングスペースMS側に透明のホワイトボードパネル34yやロールスクリーンボックスRSBが配置される。一方、ガラスパネル35xと反対側(背面側)の壁面には、図14、図16に示すように、ワークスペースWS側に棚板32や天板33、スリットパネル34z以外にフリップアップ式のキャビネットCB、タスクライト付の棚板32、ロフト床LFが、またミーティングスペースMS側にはカウンターセットCS、カップ用の棚板32、化粧パネルKP、換気用グリルパネルGP等が配置される。図中Drで示されるものは居室空間への出入口となる開閉扉である。
これらの什器は、大半が一対のフィン部材11の対向隙間に密接に介在させて配置されるため、枠材1、1間の補強として機能するとともに、かかる対向隙間を什器その他の居室設備の設置場所として有効利用するものである。よって、居室空間の中央には、椅子Ch、ミーティングテーブルMT、スツールST等を使用するスペースが十分に確保される。
以上のように、本実施形態の建築物は、閉ループ状をなし当該閉ループが囲む面と直交する方向に間欠的に配列される枠体1と、隣接する枠体1、1間をそれぞれ接続する連結部材2とを具備するとともに、各枠体1、1間の少なくとも一部に面材3を緊密に介在させることにより自立性のある構造体を構成して、主に枠体1の内側を居室空間として利用可能としたものである。
このような構成であると、従来の家具の組立て、分解と同じような感覚で建築物の組み立て、解体を行うことができるので、新規施工は勿論のこと、建築物の撤去、移設等も家具の取扱いに準じて極めて簡便に行うことが可能となる。それでいて、枠体1の縦枠部に相当するフィン部材11は柱として、枠体1の横枠部に相当するフィン部材11は梁や床板として、連結部材2は桁として、面材3はかかる骨組みの補強としてそれぞれ機能するので、筋交い等を入れずとも全体の建築物としての耐用性を十分に発揮させることができる。しかも、面材3により居室空間の形成を同時に行なうことができるので、枠体1と面材3が強度確保と家具構成の上で相互に役割を補完し合うとともに、壁を必須要件としないため居室空間を広く開放することが可能となる。その上、枠体1は隣接する枠体1との間を個々に連結部材2で連結することにより取り付けられるので、枠体1の配列個数に応じて建築物の寸法違いに柔軟に対応することが可能となる。すなわち、このような建築物であれば、家具の延長線上で汎用性のあるデザインを可能とし、半常設の状態で使用できて、目的・用途に応じた増殖、居室空間の増減、カスタマイズ化や用途転換等を自由に追求できる全く新たな概念に基づく建築物としての利用が可能となる。
具体的には、枠体1を、基準となる枠材たるフィン部材11と、基準となるコーナー部材たるジョイント金具12とを最小単位とし、これらを組み付けて構成しているため、極力部品の共通化を図って建築物の骨組みを構成することができ、またフィン部材11の寸法を変えるだけで枠体1の大きさを自由に変更する自在性も確保することができる。
とりわけ、この実施形態では枠体1を、4つの基準となるフィン部材11と、4つの基準となるジョイント金具12を正方形状に組み付けて構成しているため、最も汎用的な利用が可能となる。勿論、ジョイント金具12の仕様を変更するだけで、簡単に3角形、5角形の枠体等も自由に構成することが可能になる。
さらに、枠材1が剛性のある板状のものであり、板面を配列方向に対面させて、板面間を居室空間、或いは居室設備の配置空間として利用可能としているため、枠材1を幅広にして強度確保を図っても、居室空間にデッドスペースが生じることを有効に回避することができる。
また、連結部材2に等寸のものを用い、枠体1を等ピッチで配列しており、居室空間がモジュール化されるので、家具その他の什器の取付位置に自在性があり、レイアウトやレイアウト変更、ひいては居室空間を目的・用途に応じたカスタマイズ化や用途転換が容易に行えるものとなる。
そして、枠体1のフィン部材11は棚板32や天板33と係り合うことによって協働して棚やデスクを構成している例などから明らかなように、面材3の少なくとも一部が枠体1の一部と協働して家具その他の什器を構成するため、棚やデスクなどの独立した什器を居室に持ち込む場合に比べて居室空間を無駄なく効率的に利用することができ、コストの削減も見込むことができる。
さらに、枠体1を構成するフィン部材11に、共通の取付構造を通じて2種以上の面材3を取り付け可能としているため、取付金具等を共通化でき、作業の単純化も図ることが可能となる。
具体的には、面材である棚板32や天板33を共通の第1ブラケット51を用いて取り付け、面材である内壁材として幕板パネル34x、ホワイトボードパネル34y、スリットパネル34zを共通の第2ブラケット52を用いて取り付け、さらに面材である外壁材としてガラスパネル35xや目隠しパネル35zを、また屋根材35yを共通の第3ブラケット53を用いて取り付けることを可能としているため、部品点数の削減と作業の一元化を極力図ることが可能となる。
とりわけ、この実施形態のものは、個々の連結部材2が枠体1、1間の間隙に略対応した寸法を有し、連結部材2、2同士が順次連なって接続されるようにしているため、施工が簡単で寸法違いの建築物への対応が容易になるのみならず、連結部材2が全体として連なることによって一層確実な連結状態を実現することができる。
特に、連結部材2の具体的な構造が、既設の枠体1に付帯して繋ぎ材22により与えられる雌ねじ部22bに一端側に設けた雄ねじ部材21bが螺着される連結部材本体21と、この連結部材本体21の他端に設けた雌ねじ部材21cに一端側に設けた雄ねじ部22aが螺着されて枠体1を当該他端との間に挟持する繋ぎ材22とを具備し、この繋ぎ材22が更に次の連結部材本体21の一端側に設けた雄ねじ部材21bを螺着するための前記雌ねじ部22bを与えるものであるため、順次増連する際の作業をこれら2つのパーツを用いて極めて簡便に行うことができる。なお、このようにして連なった連結部材2の端部にはエンドキャップが取り付けられる。
以上の建築物を構築するにあたり、予め基準となるフィン部材11と基準となるジョイント金具12とを組み付けて内側に居室空間を構成すべく閉ループ状をなす枠体1を構成しておき、その少なくともジョイント部材12に、当該閉ループが囲む面と直交する方向に連結部材2を取り付けるための連結用孔を開口させておけば、増連時にはこれを順次連結部材2を用いて連結していく作業に専念できるので、作業の一層の効率化を図ることが可能となる。本実施形態は、このような連結部材2を用いた連結作業あるいは解体作業を始めとして、棚板32や天板33の着脱作業、各種面材3の着脱作業をスパナやレンチ等の一般的な工具を用いて行えるようにしているものである。
そして、この建築物の好適な施工方法として、レベル調整した土台42の上に枠体1を順次増連するにあたり、各増連作業ごとに、既設の枠体1と次に増連する枠体1とを連結部材2で連結し且つ面材3の一部を枠体1、1間に介在させる手順を踏むことを通じて、枠体1の補強と居室空間の整備とを同時に進めながら枠体1を順次増連していくことができ、効率良く建築物を完成することが可能となる。勿論、既設の建築床上に建築物を施工する場合等も考えられるため、レベル調整した土台が必ずしも本発明の必須要素となるものではない。
次に本発明の他の実施形態(第2実施形態)について、図面を参照して説明する。
なお、第2実施形態において各部材の符号の頭にローマ字を付しているが、このローマ字は前記第1実施形態において付したローマ字とは無関係である。
〈第2実施形態〉
第2実施形態に係る建築物は、図17に示すように、閉ループ状をなしこの閉ループが囲む面と直交する方向に間欠的に配される枠体Wと、隣接する枠体W、W間をそれぞれ接続する連結部材Rとを具備し、枠体W、W間に包囲され得る空間を居室空間として利用可能としているものである。
各枠体Wは、図18(同図(a)は枠体Wの全体図であり、同図(b)は同図(a)におけるA−A線端面図である)等に示すように、枠材たる複数のフィン部材F1、F2、F3と、これらフィン部材F1、F2、F3の端部同士を接続するコーナー部材C1、C2とを組み付けたものであり、具体的には、水平姿勢で配される基礎梁用フィン部材F1と、この基礎梁用フィン部材F1の両端部にそれぞれ起立姿勢で配される一対の柱用フィン部材F2と、柱用フィン部材F2の上端部間に水平姿勢で配される梁用フィン部材F3と、これら各フィン部材F1、F2、F3の端部同士をそれぞれ接続する第1コーナー部材C1及び第2コーナー部材C2とを備えたものである。
各フィン部材F1、F2、F3は、例えばアルミ押出成形材を所定の寸法に切断することによって長手方向に沿って各部等断面形状をなすようにした長尺のものであり、以下の説明において同一の部位には各フィン部材F1、F2、F3共通の符号を付している。
各フィン部材F1、F2、F3は、長手方向両端部を長手方向に対して略45度に傾斜させてなる傾斜面部FAとし、第1コーナー部材C1及び第2コーナー部材C2を介してフレーム状に組み付けた組付状態において外方側に位置する端部、換言すれば室外側に位置する端部(以下、「室外側端部」とする)に、居室空間を外部空間と仕切り得る例えば屋根材Y等の仕切用面材を取り付けるための仕切用面材取付機能部FBを有し、室外側端部以外の部位に居室空間内に配される例えば棚板T等の室内用面材を取り付けるための室内用面材取付機能部FCを有する。
本実施形態における各フィン部材F1、F2、F3は、仕切用面材取付機能部FBとして、フィン部材Fの室外側端部においてフィン部材Fの厚み方向端面にそれぞれ開口し長手方向に沿って延びるアリ溝状をなす一対の第1溝部FB1を少なくとも備えている。なお「アリ溝」とは、開口縁部における開口寸法を、開口内部における開口寸法よりも小さく設定した溝であることは周知の通りである。また、各フィン部材F1、F2、F3は、他の仕切用面材取付機能部FBとして、フィン部材Fの室外側端面に開口し長手方向に沿って伸びるアリ溝状の第2溝部FB2と、この第2溝部FB2の開口縁部からフィン部材Fの幅方向に沿って突出し長手方向に沿って伸びる一対の突部FB3とを備えている。各突部FB3の先端部は断面視略球状をなし、この突部FB3を利用して後述するガスケットG1、G2等を取付可能に設定している。
各フィン部材F1、F2、F3は、室内用面材取付機能部FCとして、フィン部材Fの長手方向に沿って所定ピッチで形成されフィン部材F1、F2、F3の厚み方向端面にそれぞれ開口する開口孔を少なくとも備えている。本実施形態では、長手方向に沿った開口孔の列を2列設けており、以下の説明において、室外側端部寄りに形成した各開口孔を室外側開口孔FC1とし、室内側端部寄りに形成した各開口孔を室内側開口孔FC2とする。また、室内用面材取付機能部FCとして、各フィン部材F1、F2、F3の室内側端面に開口し長手方向に沿って伸びるアリ溝状の第3溝部FC3を備えている。
各フィン部材F1、F2、F3は、第1コーナー部材C1が挿入可能な長手方向端面に開口する第1空洞部FDと、第2コーナー部材C2が挿入可能な長手方向端面に開口する第2空洞部FEとを有する。第1空洞部FDを室外側端部寄りに形成するとともに、第2空洞部FEを室内側端部寄りに形成し、第1空洞部FDと第2空洞部FEとの間にフィン部材Fの厚み方向端面にそれぞれ開口し長手方向に沿って伸びるアリ溝状をなす一対の配線用溝部FFを形成している。本実施形態では、第2空洞部FEの縦断面形状を第1空洞部FDの縦断面形状よりも大きく設定し、前記室内用面材取付機能部FCとして機能する室外側開口孔FC1を第1空洞部FDに連通させている。また、第2空洞部FEと前記室内用面材取付機能部FCとして機能する第3溝部FC3との間に長手方向端面に開口する第3空洞部FGを形成し、前記室内用面材取付機能部FCとして機能する室内側開口孔FC2を第3空洞部FGに連通させている。
さらに、各フィン部材F1、F2、F3の前記傾斜面部FAに長手方向端面に開口する半円弧状の切欠FA1を形成するとともに、長手方向端部においてフィン部材F1、F2、F3の厚み方向端面にそれぞれ開口し、前記第1空洞部FDに連通する第1貫通孔FH及び前記第2空洞部FEに連通する第2貫通孔FIを形成している。
一方、第1コーナー部材C1は、図19(a)に示すように、例えばスチール素材からなり、直角をなす一対の差込片C11を一体に設けた概略L字形状を有するものであり、各差込片C11をフィン部材F1、F2、F3の第1空洞部FDに嵌合する寸法関係に設定している。各差込片C11には、厚み方向に貫通し且つこれら差込片C11を各フィン部材F1、F2、F3の第1空洞部FDに挿入した状態において各フィン部材F1、F2、F3の第1貫通孔FHと合致し得る第1挿通孔C11aを形成している。
第2コーナー部材C2は、同図(b)に示すように、例えばスチール素材からなり、直角をなす一対の差込片C21を一体に設けた概略L字形状を有するものであり、各差込片C21をフィン部材F1、F2、F3の第2空洞部FEに嵌合する寸法関係に設定している。各差込片C21には、厚み方向に貫通し且つ各差込片C21を各フィン部材F1、F2、F3の第2空洞部FEに挿入した状態において各フィン部材F1、F2、F3の第2貫通孔FIに合致し得る第2挿通孔C21aを形成している。また、第2コーナー部材C2には、各フィン部材F1、F2、F3の傾斜面部FA同士を突き合わせた際に、各フィン部材F1、F2、F3の傾斜面部FAに設けた切欠FA1によって形成される丸孔に合致し得る第3挿通孔C21bを形成している。
以上のような構成を有する各コーナー部材C1、C2を用いて各フィン部材F1、F2、F3の端部同士を接続する方法を、図20に示す基礎梁用フィン部材F1と柱用フィン部材F2との接続方法を例に説明する。先ず、基礎梁用フィン部材F1の第1空洞部FD、第2空洞部FEにそれぞれ第1コーナー部材C1及び第2コーナー部材C2の一方の差込片C11、C21を差し込み、次いで、柱用フィン部材F2の第1空洞部FD及び第2空洞部FEにそれぞれ第1コーナー部材C1及び第2コーナー部材C2の他方の差込片C11、C21を差し込みながら基礎梁フィン部材F1と柱用フィン部材F2の傾斜面FA同士を当接させる。そして、相互に合致する各フィン部材F1、F2の第1貫通孔FHと第1コーナー部材C1の第1挿通孔C11aとに挿入したボルトをナットに螺合するとともに、相互に合致する各フィン部材F1、F2の第2貫通孔FIと第2コーナー部材C2の第2挿通孔C21aとに挿入したボルトをナットに螺合する。以上の手順により、各コーナー部材C1、C2を利用して基礎梁用フィン部材F1と柱用フィン部材F2とを略直角に組み付けることができる。この組付状態において、各フィン部材F1、F2の傾斜面部FAに設けた切欠FA1によって形成される丸孔と、第2コーナー部材C2の第3挿通孔C21bとが合致し、これら丸孔及び第3挿通孔C21bを利用して、枠体W、W間に連結部材Rを介在させるようにしている。
連結部材Rは、図21(同図(a)は分解斜視図であり、同図(b)は連結部材本体1の要部断面図である)等を示すように、連結部材本体R1と、繋ぎ材R2とから構成される。連結部材本体R1は、例えばアルミ押出成形材を枠体Wの配列ピッチに対応させて所定の寸法に切断することによって長手方向に沿って各部等断面形状をなすようにした概略円筒状のものであり、長手方向端面に開口する開口部R11を長手方向に沿って形成し、両端部にスチール素材からなり内部に雌ネジを形成した概略直方体状の雌ネジ部材R12を開口部R11に嵌装したものである。この雌ネジ部材R12は、連結用ボルトR13及びナットR14を介して連結部材本体R1に対する嵌装位置を位置決めしている(同図(b)参照)。繋ぎ材R2は、この雌ネジ部材R12部材に螺合可能な雄ネジ部R21を両端部に設けたものである。
次に、上述した各フィン部材F1、F2、F3、各コーナー部材C1、C2及び連結部材Rを用いて、建築物の基本となる骨組みを施工する手順について説明する。図22に示すように、ジャッキベースJによりレベル調整して基準となる基礎を形成した後、この基礎上に、各コーナー部材C1、C2を両端部に取り付けた基礎梁用フィン部材F1を増連方向に沿って所定ピッチで配置しながら、隣接する基礎梁用フィン部材F1、F1を連結部材Rを用いて連結する。具体的には、基礎梁用フィン部材F1を挟んで隣接する連結部材本体R1、R1の各雌ネジ部材R12、R12に、基礎梁用フィン部材F1に固定した第2コーナー部材C2の前記第3挿通孔C21bに挿入した繋ぎ材R2の雄ネジ部R21をそれぞれ螺着させることにより、隣接する基礎梁用フィン部材F1、F1を連結する。なお、増連方向の始端及び終端に配置する基礎梁用フィン部材F1、F1の外側面側に突出する繋ぎ材R2の雄ネジ部R21には、図17及び図22等に示すエンド用雌ネジ部材R3を螺着している。また、基礎梁用フィン部材F1、F1間を順次連結する際は、繋ぎ材R2の雄ネジ部R21と雌ネジ部材R12又はエンド用雌ネジ部材R3との螺合状態に若干のあそびが生じるように仮締めしておき、全ての基礎梁用フィン部材F1を連結部材Rを介して連結した後に、増締めするようにしている。この増締めは、連結部材本体R1にその厚み方向に貫通する貫通孔R15に図示しない増締め用工具を挿入し、この増締め用工具を利用して連結部材本体R1を回動させることにより行う。
このようにして、基礎梁用フィン部材F1を基礎上に所定ピッチで配置した後、所定の作業によりジャッキベースJと基礎梁用フィン部材F1とを連結する。なお、ジャッキベースJの下には、必要に応じて図17及び図22等に示すような足場板J1が敷設されてもよいし、必要であれば地中に簡単な基礎を設けることを妨げるものではない。次いで、増連方向の始端に位置する基礎梁フィン部材Fの両端部に各コーナー部材C1、C2を介して柱用フィン部材F2、F2を立設し、柱用フィン部材F2、F2の上端部間に梁用フィン部材F3を取り付けることにより建築物の妻面の骨格を形成する枠体Wを組み立て、その後増連方向に沿って順次枠体Wを組み立てながら、隣接する枠体W、Wの上端部同士を連結部材Rを用いて連結する。なお、隣接する枠体W、Wの上端部同士を連結する作業は、各基礎梁用フィン部材F1、F1間を順次連結する作業に準じて行うことができる。このような手順を経て図23に示すような建築物の基本となる骨組みを組み立て、各フィン部材F1、F2、F3に設けた仕切用面材取付機能部FB及び室内用面材取付機能部FCを利用して、屋根材Y等の仕切用面材、及び棚板Tや配線ダクトD等の室内用面材を取付可能に構成している。なお、建築物の妻面の骨格を形成する枠体Wに一体に組み付けられる方立てHについは後述する。
本実施形態では、仕切用面材として、図24等に示すような例えばガラスパネルP等の外壁材や屋根材Yを適用している。ガラスパネルP等の外壁材は柱用フィン部材F2の第1溝部FB1に関連付けて取り付けたブラケットBを介して柱用フィン部材F2に支持され、一方、屋根材Yは、梁用フィン部材F3の第1溝部FB1に関連付けて取り付けたブラケットBを介して梁用フィン部材F3に支持される。
ブラケットBは、図25に示すように、それぞれ取付孔B1a、B2aを有する基端片B1及び先端片B2を一体に設けた断面視略L字状のものである。本実施形態においては、基端片B1の2箇所に取付孔B1aを形成し、先端片B2の1箇所に取付孔B2aを形成している。
このようなブラケットBを用いてガラスパネルPを取り付けるには、図26に示すように、ブラケットBの基端片B1の各取付孔B1aと柱用フィン部材F2の第1溝部FB1とが合致するように基端片B1を柱用フィン部材F2の板面に当接させ、基端片B1の各取付孔B1aに、柱用フィン部材F2の前記第1溝部FB1に配され第1溝部FB1から柱用フィン部材F2の厚み方向に突出させた段付ボルトM1をそれぞれ挿入し、この段付ボルトM1に基端片B1側から取付孔B1a及び第1溝部FB1に挿入したT型ナットN1を螺合することにより、基端片B1を柱用フィン部材F2に固定する一方、先端片B2を柱用フィン部材F2の法線方向に延出させて、この先端片B2の取付孔B2aとガラスパネルPに形成した図示しない取付孔とを合致させ、室外側からガラスパネルPの取付孔及び先端片B2の取付孔B2aに挿入したDPG(Dot Point Glazing)用ボルトM2を先端片B2側に配した袋ナットN2に螺合することにより、先端片B2と平行をなす姿勢でガラスパネルPを固定する。以上の手順により、隣接する枠体W、Wの柱用フィン部材F2、F2の室外側端部間にこのガラスパネルPを起立姿勢で取り付けることができる。なお、本実施形態では、予め柱用フィン部材F2の室外側端部に設けた一対の突部FB3にそれぞれ柱用フィン部材F2の長手方向に沿って延びる乾式のガスケットG1を装着し、これらガスケットG1を弾性変形させながらガラスパネルPの裏面側に密着させることにより、良好な水密状態を確保し得るようにしている。また、ブラケットBの先端片B2とガラスパネルPとの間にスペーサA1及び緊密に当接させるためのフィラープレートA2を介在させるとともに、柱用フィン部材F2と基端片B1との間にもフィラープレートA3を介在させている。
なお、外壁材として、アルミ複合パネル等の目隠しパネルを適用してもよい。この目隠しパネルの取付構造は、ガラスパネルPの取付構造と略同様であるため、詳細な説明は省略する。
隣接する枠体W、Wの柱用フィン部材F2、F2の室外側端部間にガラスパネルP等の外壁材を起立姿勢で取り付けた状態において、柱用フィン部材F2の第2溝部FB2が室外側に開口し目地を形成している。この第2溝部FB2を利用して室外に配置されるテントやサイン等の室外用オプション部材を取り付けるための室外用オプション取付部材Eを取付可能に構成している。
室外用オプション取付部材Eは、図27(同図(a)は室外用オプション取付部材Eの分解斜視図であり、同図(b)は室外用オプション取付部材Eの取付構造を示す図であり、同図(c)は同図(b)におけるA矢視図である)に示すように、正面視略平行四辺形状をなし、室外側から第2溝部FB2に挿入可能な縦長姿勢(x)と、縦長姿勢(x)から所定方向に回動し第2溝部FB2内において第2溝部FB2の側壁に当接しそれ以上同一方向への回動が規制され得る傾斜姿勢(y)とを取り得る回転体E1と、回転体E1に支持され室外用オプション部材を保持する室外用オプション保持部E2とから構成している。なお、回転体E1は、同図(b)、(c)において、パターンを付して示す。本実施形態では、室外用オプション保持部E2として、回転体E1に形成した厚み方向に貫通するネジ孔に螺合し且つ先端部を第2溝部FB2から表出し得るように突出させたボルトを適用している。このような室外用オプション取付部材Eの第2溝部FB2への取り付けは、先ず回転体E1のネジ孔に室外用オプション取付部材Eを螺合させた状態で、回転体E1を縦長姿勢(x)にして室外側から第2溝部FB2に挿入し、次いで、室外用オプション取付部材Eを回転させることにより回転体E1が傾斜姿勢(y)を取り第3溝部FC3の側壁に当接させることによって行う。以上の手順によって、回転体E1のそれ以上同一方向への回転動作が規制され、室外用オプション取付部材Eを第2溝部FB2に固定することができる。なお、室外用オプション取付部材Eの先端面にドライバの先端部が係合可能な係合凹部を設け、この係合凹部に先端部を係合させたドライバを回動させることにより、回転体E1と第2溝部FB2の側壁との当接状態をより緊密なものとすることが可能である。このようにして第2溝部FB2に取り付けた室外用オプション取付部材Eの室外用オプション取付部材Eのうち、第3溝部FC3から表出している部位を利用して各種室外用オプション部材を取付可能に設定している。また、柱用フィン部材F2の長手方向に沿って延びる第3溝部FC3に対する室外用オプション取付部材Eの取付高さ位置を選択することにより、室外用オプション取付部材Eの柱用フィン部材F2に対する取付高さ位置を調整することができる。
また、本実施形態では、図17や図24等に示すように、外壁材たるガラスパネルPの高さ寸法を、柱用フィン部材F2の高さ寸法より小さく設定し、隣接する柱用フィン部材F2間にその高さ方向に沿って複数枚のガラスパネルPを取り付けている。この場合、図28に示すように、高さ方向に隣接するガラスパネルP、P間にガラスパネルPの裏面側(室内側)からガラスパネルPの幅方向に沿って延びる乾式のガスケットG2を挿入し、ガラスパネルPの表面側(室外側)から宛がわれる合成樹脂素材からなる当て板V1と、ガスケットG2の裏面側に取り付けられガラスパネルPの幅方向に沿って延びるアルミ素材からなる裏当て材V2とをボルトM3を用いて相互に締め付けることによりガスケットG2を弾性変形させながらガラスパネルP、P間に緊密に圧着させている。これにより、良好な水密性を確保している。なお、一のガスケットG2に対して複数の当て板V1を用い、これら当て板V1を宛がう位置に対応させて、ガスケットG2及び裏当て材V2に所定ピッチで貫通孔G21及びネジ孔V21を形成し、当て板V1に設けた貫通孔V11、及び貫通孔G21に挿入したボルトM3をネジ孔V21に螺合させている。また、目隠しパネルを隣接する柱用フィン部材F2間にその高さ方向に沿って複数枚取り付ける態様を採用した場合も、上記と同様の手順でガスケットG2を高さ方向に隣接する目隠しパネル間に緊密に圧着させればよい。
一方、屋根材Yは、図29に示すように、隣接する枠体W、Wの梁用フィン部材F3、F3の室外側端部間に配されるものであり、本実施形態では、屋根材Yとしてアルミ複合パネルを用いている。このような屋根材YをブラケットBを用いて取り付けるには、ブラケットBの基端片B1を梁用フィン部材F3の板面に当接させ、基端片B1の取付孔B1aを梁用フィン部材F3の第1溝部FB1の開口に合致させて段付ボルトM1により梁用フィン部材F3に固定し、先端片B2を梁用フィン部材F3の法線方向に延出させて、この先端片B2と略平行をなす姿勢で屋根材YをDPG用ボルトM2を用いて固定するようにしている。このように屋根材Yの取付構造はガラスパネルP等の外壁材の取付構造と共通している点が多い。一方、ガラスパネルP等の外壁材の取付構造と異なる点は、梁用フィン部材F3の第2溝部FB2に、屋根材Yを支持し且つ梁用フィン部材F3の長手方向に沿って伸びる屋根受け部Y1の高さ位置を変更し得る高さ位置変更部材Y2を起立姿勢で固定している点である。本実施形態では、高さ位置変更部材Y2としてボルトを採用している。また、屋根受け部Y1は梁用フィン部材F2の室外側端部に当接し支持されている。そして、各梁用フィン部材F3の長手方向、すなわち建築物の奥行き方向(図17に示すA方向)に沿って梁用フィン部材F3の第2溝部FB2に高さ寸法の異なる高さ位置変更部材Y2、Y2'(図30参照)を所定間隔離間させて固定し、これら高さ位置変更部材Y2、Y2'を跨ぐように屋根受け部Y1を取り付けることによって、この屋根受け部Y1に建築物の奥行き方向に沿って傾斜させた勾配を付けることができ、その結果、この屋根受け部Y1に支持される屋根材Yにも建築物の奥行き方向に沿って傾斜させた勾配を付けることが可能となる。また、隣接する枠体W、Wの梁用フィン部材F3、F3の一方の梁用フィン部材F3に高さ位置変更部材Y2を取り付けるとともに、他方の梁用フィン部材F3に高さ位置変更部材Y2と高さ寸法の異なる前記高さ位置変更部材Y2'を取り付け、これら高さ位置変更部材Y2、Y2'間に屋根受け部Y1を取り付けることによって、この屋根受け部Y1に建築物の幅方向(図17に示すB方向)に沿って傾斜させた勾配を付けることができ、その結果、この屋根受け部Y1に支持される屋根材Yにも建築物の幅方向に沿って傾斜させた勾配を付けることが可能となる。さらに、高さ位置変更部材Y2、Y2'の取付如何によって、例えば、建築物の奥行き方向中央部又は幅方向中央部を頂点とし、この頂点からそれぞれ建築部の奥行き方向(前後方向)又は幅方向(左右方向)に沿って漸次低くなるように傾斜させた屋根受け部Y1及び屋根材Yとすることも可能である。なおこの場合、所望の傾斜角度を実現し得るように屋根受け部Y1及び屋根材Yの個数を適宜増減すればよい。このように、梁用フィン部材F3(より具体的には第2溝部FB2)に対する高さ位置変更部材Y2、Y2'の取付位置を適宜選択することにより、屋根受け部Y1及び屋根材Yを、建築物の奥行き方向又は幅方向に沿って所望の角度で傾斜させることができ、排水の便を図ることができる。なお、図30に示すように、屋根受け部Y1が梁用フィン部材F3の室外側端部から離間する場合には、屋根受け部Y1を支持する支持部材として高さ位置変更部材Y2にナットY3を螺着している。、また、高さ位置変更部材Y2、Y2'の高さ寸法に対応させて、ブラケットBの先端片B2の寸法を適宜変更している。なお、屋根材Yと屋根受け部Y1との間に樋状をなす乾式のガスケットG3を介在させ、このガスケットG3を水密部材として機能させている。また、このガスケットG3の上方を被覆し且つ屋根材Yの端部同士を跨ぐ位置に笠木Y4を取り付け、この笠木Y4によって、ガスケットG3の太陽光等による劣化損傷を防止するとともに、ガスケットG3よりも優先して止水し得るように設定している。また、ブラケットBの先端片B2と屋根材Yとの間にスペーサA1及び緊密に当接させるためのフィラープレートA2を介在させるとともに、梁用フィン部材F3と基端片B1との間にもフィラープレートA3をそれぞれを介在させている点は前記ガラスパネルPの取付構造と同様である。
次に室内用面材たる棚板T及び配線ダクトDについて説明する。
棚板Tは、図31(同図(a)は所定部位における断面図であり、同図(b)は同図(a)のA矢視図である)に図示するように、柱用フィン部材F2の室内側端部及び室内側端部に長手方向に沿って所定ピッチで設けられ室内用面材取付機能部FCとして機能する室内側開口孔FC2及び室外側開口孔FC1を利用して取付可能なものである。本実施形態では、この棚板Tを、各開口孔FC2、FC1に嵌挿し得るダボT1と、ダボT1に支持される棚板本体T2とから構成している。このような棚板Tの柱用フィン部材F2への取り付けは、隣接する枠体W、Wのうち、対面する各柱用フィン部材F2、F2にそれぞれ形成した複数の室内側開口孔FC2及び複数の室外側開口孔FC1から選択した同じ高さ位置にある室内側開口孔FC2及び室外側開口孔FC1にそれぞれダボT1を嵌挿し、このダボT1によって棚板本体T2の四隅近傍部位を支持させることにより行う。なお、本実施形態では、棚板本体T2の下面側に、ダボT1が嵌り込むスリットT2aを設け、良好な取付状態を確保し得るようにしている。
配線ダクトDは、図32及び図33(同図(a)は配線ダクトの全体斜視図であり、同図(b)は同図(a)のA−A線断面図である)に示すように、棚板Tと同様に柱用フィン部材F2の室内側開口孔FC2及び室外側開口孔FC1を利用して隣接する枠体W、Wの柱用フィン部材F2、F2の下端部側に取付可能なものである。この配線ダクトDは、その両側端部を隣接する枠体W、Wの柱用フィン部材F2、F2の下端部側に位置する室内側開口孔FC2及び室外側開口孔FC1に取り付けられ上方に開口してなるダクト本体D1D1と、このダクト本体D1の開口を蓋封可能な蓋部材D2とを備えたものである。
ダクト本体D1は、配線類を載置し得るダクトベースD11と、ダクトベースD11の両側端部に起立姿勢で配する側壁部D12とを溶着等により一体的に設けたものである。ダクトベースD11は、床下空間に連通する開口部D11aを形成しているとともに、中央部に長手方向に沿って他の部位より***させた***部D11bを設けている。各側壁部D12は、柱用フィン部材F2の室内側開口孔FC2と室外側開口孔FC1との離間距離に対応させて所定2箇所に取付孔D12aを設けている。
蓋部材D2は、蓋本体D21と、蓋本体D21の裏面側から下方に突出するように設けた補強部D22とを備えている。蓋本体D21は、全体として側断面視略下向きコ字状をなすように両縁部をそれぞれ折り曲げてなり、一方の縁部に弾性を有するエッジ部材D23を取付可能にしている。エッジ部材D23は、弾性を有する素材からなり、蓋本体D21の一方の縁部が嵌合し得る溝D23aを長手方向に沿って設けたものである。蓋本体D21は、長手方向端面に開口する配線用切欠D21aと、長手方向に沿って所定ピッチで設けた配線用貫通孔D21bとを有する。この配線用切欠D21a及び配線用貫通孔D21bを利用してケーブル等の配線をダクト本体D1から立上可能に設定している。また、蓋本体D21の一方の縁部には、蓋部材D2をダクト本体D1から取り外す際に指が引掛可能な取外用孔D21cを形成している。補強部D22は、蓋本体D21の裏面側にスポット溶接等により一体的に設けられ、本実施形態では、計4つの補強部D22を蓋本体D21の長手方向に沿って所定距離離間させて設け、各補強部D22間に前記配線用貫通孔D21bが位置するように設定している。
このような構成をなす配線ダクトDを隣接する柱用フィン部材F2、F2の下端部間に取り付けるには、先ず、ダクト本体D1の側壁部D12に形成した各取付孔D12aを各柱用フィン部材F2、F2の下端部に位置する室内側開口孔FC2、室外側開口孔FC1にそれぞれ合致させ、図示しないボルトを用いて固定する。この状態において、前記ダクト本体D1の***部D11bの下方に隣接する枠体W、Wの下端部間を接続する連結部材Rが位置し、ダクト本体D1と連結部材Rとの干渉を回避している。そして、一方の縁部にエッジ部材D23を取り付けた蓋部材D2をダクト本体D1に載置することによりダクト本体D1の開口を蓋封する。この際、ダクト本体D1の***部D11bと蓋部材D2の補強部D22とが当接するとともに、エッジ部材D23が隣接する枠体Wの柱用フィン部材F2の室外側端部間に取り付けられるガラスパネルP又は目隠しパネルの裏面に緊密に当接し得るように設定している。そして、蓋部材D2に形成した配線用切欠D21a及び配線用貫通孔D22bから立ち上げた配線を、柱用フィン部材F2に形成した前記配線用溝FFを利用してさらに立ち上げることも可能であり、実用性に優れたものとなる。本実施形態では、この配線ダクトDは、隣接する枠体Wのうち基礎梁用フィン部材F1の室内側端部間を跨ぐ位置に設けた室内用面材たる床材S(図17等参照)と略面一をなすように設定している。なお、床材Sは、その両側端部を、基礎梁用フィン部材F1の室内側端部に関連付けて設けた図示しない所定のブラケットを介して基礎梁用フィン部材F1に取り付けられる。
一方、梁用フィン部材F3に設けた前記室内用面材取付機能部FCのうち、梁用フィン部材F3の室内側端部に長手方向に沿って所定ピッチで設けた前記室内側開口孔FC2に照明器具やディスプレイ等の室内用オプション部材を取り付けるための室内用オプション取付部材Qを取付可能に構成している。この室内用オプション取付部材Qは、図34に示すように、梁用フィン部材F3を室内端部側から厚み方向に挟み得る縦断面視上向きコ字状をなす本体部Q1と、本体部Q1を梁用フィン部材F3に固定する固定具Q2と、本体部Q1に支持され室内用オプション部材を吊下姿勢で保持する室内用オプション保持部Q3とから構成される。本体部Q1は、一対の起立片Q11と、これら起立片Q11の下端部同士を連結する連結片Q12とを一体に有するものであり、各起立片Q11にそれぞれ高さ方向に沿って所定距離離間させた第1貫通孔Q11a及び第2貫通孔Q11bを形成するとともに、連結片Q12の中央部に第3貫通孔Q12aを形成している。固定具Q2は、外周にネジ部を設け第1貫通孔Q11a又は第2貫通孔Q11bに挿入可能な固定具本体Q21と、固定具本体Q21の両端部にそれぞれ螺着可能な一対のナット部材Q22から構成している。室内用オプション保持部Q3は、本体部Q1の連結片Q12に形成した第3貫通孔Q12aに挿入可能なボルトであり、本体部Q1の上方から第3貫通孔Q12aに挿入しネジ部を連結片Q12よりも下方に突出させた状態で本体部Q1に支持される。このような構成をなす室内用オプション取付部材Qの梁用フィン部材F3への取り付けは、室内用オプション保持部Q3を第3貫通孔Q12aに挿入して本体部Q1に支持させ、この本体部Q1の起立片Q11に形成した第1貫通孔Q11a又は第2貫通孔Q11bと、複数の室内側開口孔FC2から選択した室内側開口孔FC2とを合致させ、これら第1貫通孔Q11a又は第2貫通孔Q11bと室内側開口孔FC2とに挿入した固定具本体Q21の両端部にナット部Q22を螺着することにより行う。この場合、室内用オプション取付部材Qの梁用フィン材F3に対する取付高さ位置を、第1貫通孔Q11aと室内側開口孔FC2とを合致させた第1取付高さ位置(図34(b)参照)と、第2貫通孔Q11bと室内側開口孔FC2とを合致させた第2取付高さ位置(図34(c)参照)とから選択することが可能であり、本実施形態では、第1取付高さ位置を選択した場合に、梁用フィン部材F3の室内側端部と固定具本体Q21との間に形成されるスペースにライティングダクトRDを設けている。なお、ライティングダクトRDは周知のものを採用しているため、詳細な説明は省略する。そして、室内用オプション取付部材Qの室内用オプション保持部Q3又はライティングダクトRDを利用して照明器具やスクリーン、各種ボード等の室内用オプション部材を取付可能に設定している。
なお、本実施形態に係る建築物は、前述したように、枠体Wのうち、建築物の妻面の骨格を形成する枠体Wに方立てHを設けている。この方立てHは、図17、図23及び図35等に示すように、各フィン部材F1、F2、F3の厚み寸法よりも大きい突出寸法を有する方立て本体H1と、この方立て本体H1の一端部に着脱可能に取り付けられる方立て補助部H2とを備えたものである。
方立て本体H1は、例えばアルミ押出成形材を所定の寸法に切断することによって長手方向に沿って各部等断面形状をなすようにしたものであり、一方の端部に方立て補助部H2を取り付けるための取付部H11と、取付部H11から他方の端部側に所定距離離間した位置において方立て本体H1の厚み方向端面にそれぞれ開口し長手方向に沿って延びるアリ溝状をなす一対の溝部H12とを備えている。本実施形態では、方立て本体H1の長手寸法を、枠体Wを構成する基礎梁用フィン部材F1の室内側端部と基礎梁用フィン部材F1の室内側端部間の寸法に対応させている。
方立て補助部H2は、例えばアルミ押出成形材を所定の寸法に切断することによって長手方向に沿って各部等断面形状をなすようにしたものであり、幅方向一端端部に方立て本体H1の取付部H11に係合可能な係合溝H21を設け、他端部に幅方向端面に開口し長手方向に沿って延びる凹部H22及びこの凹部H22の開口縁部から方立て補助部H2の幅方向に突出する一対の突部H23とを設けている。本実施形態では、方立て補助部H2の長手寸法を、基礎梁用フィン部材F1の室外側端部と基礎梁用フィン部材F1の室外側端部間の寸法に対応させている。
このような構成をなす方立てHは、方立て本体H1を室内側に突出させてなる第1設置態様と、方立て補助部H2を取り外した方立て本体H1を室外側に突出させてなる第2設置態様とを選択して設置可能に構成されている。第1設置態様を採用する場合、図35に示すように、方立て本体H1の取付部H11に方立て補助部H2の係合溝H21を係合させることにより一体的に組み付けてなる複数の方立てHを、方立て補助部H2が室外側に位置するように基礎梁用フィン部材F1に関連付けて所定間隔で載置し、隣接する方立てH、H間に妻面を形成するガラスパネルP等の外壁材を取り付けている。そして、このガラスパネルP等の外壁材の方立てHへの取り付けは、前記ブラケットBを用いて行うことができる。具体的には、方立て本体H1の各溝部H12にそれぞれ段付ボルトM1を装入しておき、この段付ボルトM1にブラケットBの基端片B1側から取付孔B1a及び溝部H12に挿入したT型ナットN1を螺合するとともに、先端片B2を方立てHの法線方向に延出させて、室外側からガラスパネルP等の外壁材に形成した図示しない取付孔及び先端片B2の取付孔B2aに挿入したDPG用ボルトM2を先端片B2側に配した袋ナットN2に螺合することによりガラスパネルP等の外壁材をブラケットBを用いて固定し、隣接する方立てH、Hの室外側端部間にガラスパネルP等の外壁材を起立姿勢で設置している。なお、本実施形態では、予め方立て補助部H2に設けた一対の突部FB3にそれぞれ乾式のガスケットG1を装着し、これらガスケットG1を弾性変形させながらガラスパネルP等の外壁材の裏面側に密着させることにより、ガスケットG1を水密部材として機能させている点も前述した柱用フィン部材F2とガラスパネルPとの取付構造と同様である。また、方立て本体H1の下端部において、基礎梁用フィン部材F1に水平片LB1を固定したL型ブラケットLBの起立片LB2を方立て本体H1の溝部H12に嵌入し、ボルトM4を用いてL型ブラケットLBの起立片LB2と方立て本体H1とを連結することにより、方立て本体H1を基礎梁用フィン部材F1に固定するとともに、方立て本体H1の上端部においても、これと同様の取付構造により方立て本体H1を梁用フィン部材F3に固定する。なお、図示しないものの、前記第2取付態様を採用した場合においても、上記取付構造により方立て本体H1の上端部及び下端部をそれぞれ基礎梁用フィン部材F1、梁用フィン部材F3にそれぞれ固定している。
この方立てHの設置は、前述した基礎上に複数の基礎梁用フィン部材F1を連結部材Rを介して連結し、増連方向の始端に設置した基礎梁用フィン部材F1の両端部に柱用フィン部材F2を取り付けた後に行う。その際、例えば支保工により各方立てHを支持するようにすれば、作業中に方立てHが不意に倒れることを防止することができる。そして、各方立てHを基礎梁用フィン部材F1に関連付けて設置した後に、柱用フィン部材F2、F2の上端部間に梁用フィン部材F3を取り付けることによって、増連方向の始端に位置する枠体W、すなわち建築物の妻面の骨格となる枠体Wを組み立てることができる。増連方向の終端に位置する枠体Wの組立作業もこれに準じて行う。なお、前記支保工は全ての枠体Wを組み付けた後に撤去すればよい。
以上のように、本実施形態に係る建築物は、前記第1実施形態に係る建築物と同様に、家具の延長線上で汎用性のあるデザインを可能とし、目的・用途に応じた増殖、居室空間の増減、カスタマイズ化や用途転換等を自由に追求できる全く新たな概念に基づく建築物としての利用が可能であり、さらに、下記に示す構造を有していることにより、格段優れた効果を奏するものである。
具体的には、枠体Wを構成する各フィン部材F1、F2、F3が、同一断面形状を有する押出型材からなるものであるため、各フィン部材F1、F2、F3を任意の長さで切断することによって例えば2階建てに相当する枠体Wも簡単に構成することができ、設計自由度を有効に高めることができる。
また、枠体Wを構成する各フィン部材F1、F2、F3が、室外側端部に、ガラスパネルPや屋根材Y等の仕切用面材の取付に寄与する仕切用面材取付機能部FB(第1溝部FB1、第2溝部FB2、突部FB3)を設け、室外側端部以外の部位に、棚板Tや配線ダクトD等の室内用面材の取付に寄与する室内用面材取付機能部FC(室外側開口孔FC1、室内側開口孔FC2、第3溝部FC3)を設けたものであるため、フィン部材F1、F2、F3自体を利用して仕切用面材や室内用面材を取り付けることが可能となり、このフィン部材F1、F2、F3に広い汎用性を付与することができる。
梁用フィン部材F3の仕切用面材取付機能部FBとして機能する第2溝部FB2に、屋根材Yを支持する屋根受け部Y1の高さ位置を変更し得る高さ位置変更部材Y2を取付可能にしているため、屋根受け部Y1に所望の勾配を付加することが可能であり、その結果、梁用フィン部材F3自体の寸法等を何ら変更・調整することなく屋根材Yにも所望の勾配を簡単に付加することができる。
さらに、屋根受け部Y1と屋根材Yとの間に水密部材として機能する乾式のガスケットGを介在させているため、このガスケットGにより十分な水密機能を確保することができるとともに、湿式のシール作業と比較して、作業に熟練を要さず、作業容易性を有効に高めることができる。
また、柱用フィン部材F2の仕切用面材取付機能部FBとして機能する一対の突部FB3とガラスパネルP等の外壁材との間に水密部材として機能する乾式のガスケットGを介在させるようにすれば、上記と同様に、良好な水密機能の確保及び作業容易性の向上に資する。
隣接する枠体W、Wのうち基礎梁用フィン部材F1、F1の室内側端部間に室内用面材たる床材Sを設け、隣接する枠体Wの柱用フィン部材F2の下端部間に床材Sと略面一をなすように室内用面材たる配線ダクトDを柱用フィン部材F2の室内用面材取付機能部FCとして機能する室内側開口部D11a及び室外側開口部D11aを利用して設けているため、配線ダクトDを取り付けるための別途専用の構成を各フィン部材F1、F2、F3に付与することなく、配線ダクトDを柱用フィン部材F2に固定することができ、この配線ダクトDを利用して配線処理を効率よく行うことができるとともに、フラットな床面を確保することが可能である。
特に、配線ダクトDが、両側端部を隣接する枠体Wの柱用フィン部材F2の下端部に位置する室内側開口部D11a及び室外側開口部D11aにそれぞれ取り付け上方に開口してなるダクト本体D1と、このダクト本体D1の開口を蓋封可能な蓋部材D2とを備えたものであり、前記ダクト本体D1に床下空間に連通する開口部D11aを形成しているため、この開口部D11aを利用して床下空間から配線を立ち上げることができ、実用性に優れたものとなる。
また、梁用フィン部材F3の前記室内用面材取付機能部FCとして機能する室内側開口孔FC2及び室外側開口孔FC1に照明器具やスクリーン等の室内用オプション部材を取り付けるための室内用オプション取付部材Qを取付可能に構成し、この室内用オプション取付部材Qの梁用フィン部材F3に対する取付高さ位置を調整可能に設定しているため、棚板T等の取付に寄与する室内用面材取付機能部FCを利用して室内用オプション部材をも取り付けることができ、室内用オプション取付部材Qを取り付けるために別途専用の部材を設ける態様と比較して部品点数の削減に資する。しかも、室内用オプション取付部材Qの取付高さ位置を変更可能にすることにより、種々の使用態様にも柔軟に対応することができ、使い勝手に優れたものとなる。
また、柱用フィン部材F2の前記仕切用面材取付機能部FBとして機能する第2溝部FB2にテントやサイン等の室外用オプション部材を取り付けるための室外用オプション取付部材Eを取付可能に構成しているので、建築物の組立作業完了後であっても随時室外用オプション部材を柱用フィン部材F2に関連付けて取り付けることができる。しかも、この室外用オプション取付部材Eの柱用フィン部材F2に対する取付高さ位置を調整可能に設定しているため、目的・用途に合わせて室外用オプション部材の取付高さ位置を適宜変更することができ、室内用オプション取付部材Qと同様に、種々の使用態様に柔軟に対応することが可能である。
また、この建築物の好適な施工方法として、基礎上に複数の基礎梁用フィン部材F1を連結部材Rを介して順次連結しながら枠体Wの増連方向に沿って配置し、これら複数の基礎梁用フィン部材F1のうち、建築物の一方の側面部に位置する基礎梁用フィン部材F1の両端部にそれぞれ柱用フィン部材F2、F2を立設し、これら柱用フィン部材F2、F2の上端部間に梁用フィン部材F3を取り付けることにより、先ず建築物の一方の側面部に位置する枠体Wを組み立て、次いでこの建築物の一方の側面部に位置する枠体W側から増連方向に沿って枠体Wを順次増連するにあたり、各増連作業ごとに、既設の枠体Wと次に組み立てた枠体Wの上端部同士を連結部材Rで連結させる手順を踏むことを通じて、予め組み立てた枠体W同士を起立させて相互に連結する作業と比較して、作業の効率性及び安全性をより一層高めることができる。
なお、各部の具体的構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、各枠材は同一断面形状を有する押出型材からなるものであるが、各枠材として所定寸法に切断した後に、個別に必要な機能を付与するために適宜加工を施すことを妨げるものではない。
仕切用面材取付機能部及び室内用面材取付機能部は、各面材の取付に寄与するものであればよく、その形状及び構造を適宜変更してもよい。
また、屋根受け部の高さ位置を変更し得る高さ位置変更部材としてアジャスタ機能を有する部材を用いても構わない。
また、各枠材に対する仕切用面材や室内用面材の取付構造を共通のブラケットを用いて取り付けているが、仕切用面材取付機能部及び室内用面材取付機能部に関連付けて仕切用面材や室内用面材を取付可能であればそれぞれ異なるブラケットを用いて取り付ける態様を採用してもよく、ブラケットを枠材に固定する態様も種々の態様を採用して構わない。
本発明の第1実施形態に係る建築物の分解斜視図 同実施形態の建築物を構成する枠体を示す図。 同枠体を構成するフィン部材を示す図。 同枠体を構成するジョイント金具を示す図。 同実施形態における枠体連結用の連結部材を示す図。 同実施形態における床材の取付構造を示す図。 同実施形態における棚や天板の取付構造を示す図。 同実施形態における棚や天板の取付構造を示す図。 同実施形態における棚や天板の取り付けに用いる第1ブラケットを示す図。 同実施形態における内壁材の取付構造を示す図。 同実施形態における内壁材の取り付けに用いる第2ブラケットを示す図。 同実施形態における外壁材や屋根材の取付構造を示す図。 同実施形態において完成された建築物を示す斜視図。 同建築物の居室空間を示す見取図。 同平面図。 図14におけるA矢視図。 図14におけるB矢視図。 本発明の第2実施形態に係る組立途中の建築物を模式的に示す全体概略図。 同実施形態における枠体及びフィン部材を示す図。 同実施形態における各コーナー部材の全体斜視図。 図18(a)の要部拡大図。 同実施形態における連結部材を示す図。 同実施形態に係る基礎梁用フィン部材を連結した状態の建築物を模式的に示す全体概略図。 同実施形態に係る骨組みを組み立てた建築物を模式的に示す図。 同実施形態において完成された建築物を模式的に示す全体概略図。 同実施形態におけるブラケットの全体斜視図。 同実施形態おける外壁材(ガラスパネル)の取付構造を示す図。 同実施形態における室外用オプション取付部材を示す図。 同実施形態における外壁材間にガスケットを圧着した状態を示す図。 同実施形態における屋根材の取付構造を示す図。 同実施形態における屋根材の取付構造を示す図。 同実施形態における棚板を模式的に示す図。 同実施形態における配線ダクトの分解斜視図。 同実施形態における配線ダクトの組付状態を示す図。 同実施形態における室内用オプション部材を模式的に示す図。 同実施形態における方立ての取付構造を示す図。
符号の説明
(第1実施形態)
1…枠体
2…連結部材
3…面材
11…枠材(フィン部材)
12…コーナー部材(ジョイント金具)
(第2実施形態)
C1…第1コーナー部材
C2…第2コーナー部材
D…配線ダクト
D1…ダクト本体
D11a…開口部
D2…蓋部材
E…室外用オプション取付部材
P…ガラスパネル
Q…室内用オプション取付部材
R…連結部材
S…床材
T…棚板
Y…屋根材
Y1…屋根受け部
Y2、Y2'…高さ位置変更部材
F1…基礎梁用枠材(基礎梁用フィン部材)
F2…柱用枠材(柱用フィン部材)
F3…梁用枠材(梁用フィン部材)
FB(FB1、FB2、FB3)…仕切用面材取付機能部(第1溝部、第2溝部、突部)
FC(FC1、FC2、FC3)…室内用面材取付機能部(室外側開口孔、室内側開口孔、第3溝部)
W…枠体

Claims (20)

  1. 閉ループ状をなし当該閉ループが囲む面と直交する方向に間欠的に配列される枠体と、隣接する枠体間をそれぞれ接続する連結部材とを具備するとともに、各枠体間の少なくとも一部に面材を緊密に介在させることにより自立性のある構造体を構成して、主に枠体の内側を居室空間として利用可能としていることを特徴とする建築物。
  2. 枠体を構成する各枠材が、同一断面形状を有する押出型材からなる請求項1記載の建築物。
  3. 枠体を構成する枠材は、剛性のある板状のもので、板面を配列方向に対面させて、板面間を居室空間として利用可能としている請求項1又は2記載の建築物。
  4. 枠体を構成する各枠材が、室外側端部に、前記居室空間と他の空間とを仕切り得る仕切用面材の取付に寄与する仕切用面材取付機能部を設け、室外側端部以外の部位に、前記居室空間内に設置される室内用面材の取付に寄与する室内用面材取付機能部を設けたものである請求項1、2又は3記載の建築物。
  5. 枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、当該基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものであり、前記梁用枠材の前記仕切用面材取付機能部に、仕切用面材たる屋根材を支持する屋根受け部の高さ位置を変更し得る高さ位置変更部材を取付可能にしている請求項4記載の建築物。
  6. 前記屋根受け部と前記屋根材との間に水密部材として機能する乾式のガスケットを介在させている請求項5記載の建築物。
  7. 枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、当該基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものであり、前記柱用枠材の前記仕切用面材取付機能部と仕切用面材たる外壁材との間に水密部材として機能する乾式のガスケットを介在させている請求項4記載の建築物。
  8. 枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、当該基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものであり、隣接する前記枠体のうち基礎梁用枠材の前記室内側端部間を跨ぐ位置に前記室内用面材たる床材を設け、隣接する前記枠体の柱用枠材の下端部間に前記床材と略面一をなすように前記室内用面材たる配線ダクトを前記室内用面材取付機能部を利用して設けている請求項4記載の建築物。
  9. 枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、当該基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものであり、前記枠体を構成する梁用枠材の前記室内用面材取付機能部に照明器具やスクリーン等の室内用オプション部材を取り付けるための室内用オプション取付部材を取付可能に構成し、当該室内用オプション取付部材の梁用枠材に対する取付高さ位置を調整可能に設定している請求項4記載の建築物。
  10. 枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、当該基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものであり、前記枠体を構成する柱用枠材の前記仕切用面材取付機能部にサインやテント等の室外用オプション部材を取り付けるための室外用オプション取付部材を取付可能に構成し、当該室外用オプション取付部材の柱用枠材に対する取付高さ位置を調整可能に設定している請求項4記載の建築物。
  11. 連結部材に等寸のものを用い、枠体を等ピッチで配列している請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の建築物。
  12. 面材の少なくとも一部が枠体を構成する枠材と協働して家具その他の什器を構成している請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の建築物。
  13. 枠体を構成する枠材に、共通の取付構造を通じて2種以上の面材を取り付け可能としている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の建築物。
  14. 共通の取付構造を通じて取り付けられる面材に、少なくとも棚板及び天板を含む請求項13記載の建築物。
  15. 共通の取付構造を通じて取り付けられる面材に、少なくとも外壁材及び屋根材を含む請求項13記載の建築物。
  16. 個々の連結部材が枠体間の間隙に略対応した寸法を有し、連結部材が順次連なって接続される請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15記載の建築物。
  17. 連結部材は、既設の枠体に開口するねじ孔に一端を連結される連結部材本体と、この連結部材本体の他端に螺着されて枠体を当該他端との間に挟持するように締結する繋ぎ材とを具備し、この繋ぎ材は同時に次の連結部材本体の一端を連結するための前記ねじ孔を与える請求項16記載の建築物。
  18. 基準となる枠材と、基準となるコーナー部材とを組み付けて内側に居室空間を構成すべく閉ループ状に構成され、少なくともコーナー部材に、当該閉ループが囲む面と直交する方向に連結部材を取り付けるための連結用孔を開口させてなることを特徴とする建築物用の枠体。
  19. 請求項1〜17の何れかに記載の建築物を施工するための方法であって、
    枠体を順次増連するにあたり、各増連作業ごとに、既設の枠体と次に増連する枠体とを連結部材で連結し且つ枠体間に面材の一部を介在させる手順を踏むことを特徴とする建築物の施工方法。
  20. 前記枠体が、水平姿勢で配される基礎梁用枠材と、当該基礎梁用枠材の両端部に立設される一対の柱用枠材と、これら柱用枠材の上端部間に水平姿勢で配される梁用枠材とを備えたものである請求項1〜17の何れかに記載の建築物を施工するための方法であって、
    基礎上に複数の基礎梁用枠材を連結部材を介して順次連結しながら枠体の増連方向に沿って配置し、これら複数の基礎梁用枠材のうち、建築物の一方の側面部に位置する基礎梁用枠材の両端部にそれぞれ柱用枠材を立設し、これら柱用枠材の上端部間に梁用枠材を取り付けることにより、先ず建築物の一方の側面部に位置する枠体を組み立て、次いで当該枠体側から増連方向に沿って枠体を順次増連するにあたり、各増連作業ごとに、既設の枠体と次に組み立てた枠体の上端部同士を連結部材で連結させる手順を踏むことを特徴とする建築物の施工方法。
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