<半導体装置の構成及び動作>
図1は半導体装置の構成を示すブロック図である。本構成例の半導体装置1は、図1に示すように、近接センサ2、照度センサ10、データレジスタ20、発振器(OSC)21、タイミングコントローラ22、信号出力回路23、信号入出力回路24、駆動端子T1〜T3、信号出力端子T4、クロック入力端子T5、シリアルデータ入出力端子T6、電源端子T7、接地端子T8及びT9、並びに、テスト端子T10を備える。
駆動端子T1〜T3には、それぞれ赤外LED(Light Emitting Diode)31〜33のカソードが接続される。赤外LED31〜33のアノードは、ともに電源電圧VDD1を受ける。近接センサ2は、制御回路3、パルス発生器4、ドライバ5、赤外光センサ6、増幅器7、A/Dコンバータ8、および線形/対数変換器9を含む。制御回路3は、データレジスタ20に格納された制御信号に従って、近接センサ2全体を制御する。
パルス発生器4は、赤外LED31〜33を駆動するためのパルス信号を発生する。ドライバ5は、駆動端子T1〜T3の各々をハイ・インピーダンス状態に維持し、パルス発生器4によって生成されたパルス信号に応答して駆動端子T1〜T3のうちのいずれかの駆動端子を接地させる。赤外LED31〜33のうちのいずれの1個、2個、または3個の赤外LEDを使用するかを、データレジスタ20に格納する信号によって選択することが可能となっている。また、選択した各赤外LEDに流す電流値、選択した各赤外LEDを発光させる周期は、データレジスタ20に格納する信号によって設定することが可能となっている(図3、図6、図7、図9参照)。
ドライバ5によって駆動端子T1〜T3のうちのいずれかの駆動端子が接地されると、その駆動端子に対応する赤外LEDに電流が流れ、その赤外LEDから赤外光が出射される。赤外LEDから出射された赤外光αは、反射物34で反射されて赤外光センサ6に入射する。赤外光センサ6には太陽からの赤外光も入射する。赤外光センサ6は、例えば、ピーク波長が850nmの光ダイオードで構成される。赤外光センサ6は、入射した赤外光αの光強度に応じたレベルの光電流を発生する。この光電流は、赤外LED31〜33からの赤外光αに基づくパルス成分と、太陽からの赤外光に基づく直流成分とを含む。
増幅器7は、赤外光センサ6で発生した光電流のうちのパルス成分のみを増幅し、赤外光センサ6に入射した赤外光αの光強度に応じたレベルのアナログ電圧を出力する。A/Dコンバータ8は、増幅器7から出力されたアナログ電圧をデジタル信号に変換する。アナログ電圧のレベルとデジタル信号の数値は線形関係にある。線形/対数変換器9は、A/Dコンバータ8で生成されたデジタル信号の数値の対数を求め、求めた対数を示す8ビットのデジタル信号をデータレジスタ20に格納する(図3、図11参照)。
照度センサ10は、可視光センサ11、増幅器12、コンデンサ13、A/Dコンバータ14、および制御回路15を備える。半導体装置1の周辺の可視光源35で発生した可視光βは、可視光センサ11に入射される。可視光源35は、蛍光灯、白熱電球、太陽などである。可視光センサ11は、たとえば、ピーク波長が550nmの光ダイオードで構成される。可視光センサ11は、入射した可視光βの光強度に応じたレベルの光電流を発生する。
増幅器12およびコンデンサ13は、光電流をアナログ電圧に変換する。A/Dコンバータ14は、そのアナログ電圧を16ビットのデジタル信号に変換して制御回路15に与える。制御回路15は、データレジスタ20に格納された制御信号に従って、照度センサ10全体を制御するとともに、A/Dコンバータ14で生成されたデジタル信号をデータレジスタ20に格納する(図3、図4参照)。
発振器21は、データレジスタ20に格納された制御信号に従って、クロック信号を発生する。タイミングコントローラ22は、発振器21からのクロック信号に同期して近接センサ2および照度センサ10の各々の動作タイミングを制御する。
信号出力端子T4は、信号線を介してMCU(Micro Control Unit)36に接続されるとともに、抵抗素子37を介して電源電圧VDD2のラインに接続される。出力回路23は、データレジスタ20に格納されたインタラプト信号INTに従って、信号出力端子T4を接地状態またはフローティング状態にすることにより、インタラプト信号INTをMCU36に与える。インタラプト信号INTは、赤外光センサ6に入射した赤外光αの光強度が所定のしきい値を超えた場合、あるいは可視光センサ11に入射した可視光βの光強度が所定の範囲を超えた場合に活性化される。インタラプト信号INTをどのような場合に活性化させるかは、データレジスタ20に格納する信号によって設定することが可能となっている(図3、図10、図12、図13参照)。
クロック入力端子T5は、信号線を介してMCU36に接続されるとともに、抵抗素子39を介して電源電圧VDD2のラインに接続される。シリアルデータ入出力端子T6は、信号線を介してMCU36に接続されるとともに、抵抗素子38を介して電源電圧VDD2のラインに接続される。MCU36は、クロック入力端子T5を接地状態またはフローティング状態にすることにより、クロック信号SCLを信号入出力回路24を介してデータレジスタ20に与える。また、MCU36は、シリアルデータ入出力端子T6を接地状態またはフローティング状態にすることにより、シリアルデータ信号SDAを信号入出力回路24を介してデータレジスタ20に与える。
データレジスタ20は、MCU36から与えられるクロック信号SCLに同期して動作し、MCU36から与えられるシリアルデータ信号SDAを選択されたアドレスに記憶する。また、データレジスタ20は、MCU36から与えられるクロック信号SCLに同期して動作し、選択されたアドレスから記憶データを読み出し、読み出したデータをシリアルデータ信号SDAとして信号入出力回路24およびシリアルデータ入出力端子T6を介してMCU36に与える。
出力回路23は、データレジスタ20から出力されたインタラプト信号INTを信号出力端子T4を介してMCU36に伝達する。出力回路23は、データレジスタ20から出力されたインタラプト信号INTが「H」レベルの場合は信号出力端子T4をハイ・インピーダンス状態にし、データレジスタ20から出力されたインタラプト信号INTが
「L」レベルの場合は信号出力端子T4を「L」レベルにする。
信号入出力回路24は、MCU36からクロック入力端子T5を介して与えられたクロック信号SCLをデータレジスタ20に伝達するとともに、MCU36からシリアルデータ入出力端子T6を介して与えられたシリアルデータ信号SDAをデータレジスタ20に伝達する。
また、信号入出力回路24は、データレジスタ20から出力されたシリアルデータ信号をシリアルデータ入出力端子T6を介してMCU36に伝達する。信号入出力回路24はデータレジスタ20から出力されたデータ信号が「H」レベルの場合はシリアルデータ入出力端子T6をハイ・インピーダンス状態にし、データレジスタ20から出力されたデータ信号が「L」レベルの場合はシリアルデータ入出力端子T6を「L」レベルにする。パワー・オン・リセット(POR)回路25は、電源電圧VDD3が投入されたことに応じて、データレジスタ20内のデータをリセットする。
電源端子T7には、半導体装置1を駆動するための電源電圧VDD3が印加される。また、電源端子T7には、電源電圧VDD3を安定化させるためのコンデンサ40の一方電極が接続される。コンデンサ40の他方電極は接地される。接地端子T8は、LED31〜33の電流を流出させるための端子であり、接地される。接地端子T9は、半導体装置1の内部回路2〜15,20〜25に接地電圧GNDを与えるための端子である。テスト端子T10は、テストモード時は「H」レベルにされ、通常動作時は図1に示すように接地される。
図2(a)〜(d)は、MCU36とデータレジスタ20の間の通信方式を示す図である。この通信方式では、マスターから複数のスレーブにデータ読出とデータ書込が可能となっている。ここでは、MCU36がマスターであり、データレジスタ20がスレーブである。スレーブは、7ビットのスレーブアドレス(図では、0111000)によって選択される。通常、この7ビットのスレーブアドレスに読出/書込フラグが追加される。シリアルクロック信号SCLはマスターから出力される。スレーブは、このマスターからのシリアルクロック信号SCLに同期して、シリアルデータ信号SDAの入出力を行なう。すなわち、スレーブは、シリアルクロック信号SCLに同期してシリアルデータ信号SDAを取り込み、逆に、シリアルクロック信号SCLに同期してシリアルデータ信号SDAを出力する。
情報の通信は、マスター側からのスタート・コンディションSTで始まり、ストップ・コンディションSPで終了する。スタート・コンディションSTは、シリアルクロック信号SCLが「H」レベルである場合に、シリアルデータ信号SDAが「H」レベルから「L」レベルに変化したときに設定される。ストップ・コンディションSPは、シリアルクロック信号SCLが「H」レベルである場合に、シリアルデータ信号SDAが「L」レベルから「H」レベルに変化したときに設定される。
データビットは、シリアルクロック信号SCLが「H」レベルの間に確定される。シリアルデータ信号SDAのレベルは、シリアルクロック信号SCLが「H」レベルの期間は一定に保持され、シリアルクロック信号SCLが「L」レベルの期間に変更される。データの単位は1バイト(8ビット)であり、上位ビットから順に転送される。1バイト毎に受信側は送信側に信号ACK(1ビットの0)を返す。1バイト受信後に信号NACK(1ビットの1)を返すことも可能である。信号NACKは、スレーブからマスターへのデータ転送において、マスターがデータ転送終了をスレーブに伝える場合に使用される。
一連の通信は、必ずマスターからのスタート・コンディションSTで開始される。スタート・コンディションSTの直後の1バイトは、7ビットのスレーブアドレスと、1ビットの読出/書込フラグである。読出/書込フラグには、マスターからスレーブに転送する場合は0を設定し、スレーブからマスターへ転送する場合は1を設定する。スレーブアドレスを受領したスレーブが、マスターに対して信号ACKを返すことで、マスターおよびスレーブ間の通信が確立される。
スレーブであるデータレジスタ20のアドレスを指定する場合は、図2(a)に示すように、マスターであるMCU36は、スタート・コンディションSTを設定し、7ビットのスレーブアドレスを送信し、読出/書込フラグを0に設定した後、スレーブからの信号ACKに応答して1バイトのレジスタアドレス(図では、100XXXXX)を送信し、スレーブからの信号ACKに応答してストップ・コンディションSPを送信する。なお、図中のXは、0または1である。
スレーブであるデータレジスタ20のアドレスを指定してデータを書き込む場合は、図2(b)に示すように、マスターであるMCU36は、スタート・コンディションSTを設定し、7ビットのスレーブアドレスを送信し、読出/書込フラグを0に設定した後、スレーブからの信号ACKに応答して、1バイトのレジスタアドレス(図では、100XXXXX)を送信し、スレーブからの信号ACKに応答して、1バイト単位でデータを送信して行く。スレーブは1バイトのデータを受け取る毎に信号ACKを返す。データの送信が終了したら、マスターがストップ・コンディションSTを設定し、通信が終了する。
スレーブであるデータレジスタ20のアドレスを指定してデータを読み出す場合は、図2(c)に示すように、マスターであるMCU36は、スタート・コンディションSTを設定し、7ビットのスレーブアドレスを送信し、読出/書込フラグを0に設定した後、スレーブからの信号ACKに応答して、1バイトのレジスタアドレス(図では、100XXXXX)を送信する。
さらにマスターは、スレーブからの信号ACKに応答して再度スタート・コンディションSTを設定し、7ビットのスレーブアドレスを送信し、読出/書込フラグを1に設定する。スレーブは、信号ACKを返した後、マスターに1バイト単位でデータを送信する。マスターは、1バイトのデータを受け取る毎に信号ACKを返す。マスターは、最後のデータを受け取った場合は、信号NACKを返した後にストップ・コンディションSTを設定し、通信を終了する。
スレーブであるデータレジスタ20のアドレスを指定せずにデータを読み出す場合は、図2(d)に示すように、マスターであるMCU36は、スタート・コンディションSTを設定し、7ビットのスレーブアドレスを送信し、読出/書込フラグを1に設定する。スレーブは、信号ACKを返した後、マスターに1バイト単位でデータを送信する。マスターは、1バイトのデータを受け取る毎に信号ACKを返す。マスターは、最後のデータを受け取った場合は、信号NACKを返した後にストップ・コンディションSTを設定し、通信を終了する。
図3は、データレジスタ20の構成を示す図である。図3において、データレジスタ20のアドレス80h〜86h,92h〜99hは、情報の読出および書込(RW)に使用され、アドレス8Ah〜91hは情報の読出(R)に使用される。アドレス80h〜86h,92h〜99h,8Ah〜91hの各々は、レジスタを構成する。アドレスは、16進数(h)で示されている。
アドレス80hのレジスタALS_CONTROLには、ALS(Ambient Light Sensor:照度センサ)操作モード制御とSW(ソフトウェア)リセットに関する情報が格納される。アドレス81hのレジスタPS_CONTROLには、PS(Proximity Sensor:近接センサ)操作モード制御に関する情報が格納される。アドレス82hのレジスタI_LEDには、活性化させるべきLEDの選択と、LED31,32の電流の設定に関する情報が格納される。アドレス83hのレジスタI_LED33には、LED33の電流の設定に関する情報が格納される。
アドレス84hのレジスタALS_PS_MEASには、強制(forced)モードトリガに関する情報が格納される。アドレス85hのレジスタPS_MEAS_RATEには、独立(stand alone)モードにおけるPS測定レートに関する情報が格納される。アドレス86hのレジスタALS_MEAS_RATEには、独立モードにおけるALS測定レートに関する情報が格納される。アドレス8AhのレジスタPART_IDには、部品番号と改訂ID(Identification data:識別情報)、具体的には近接センサ2のIDが格納される。アドレス8BhのレジスタMANUFACT_IDには、半導体装置1の製造者のIDが格納される。
アドレス8ChのレジスタALS_DATA_0には、照度センサ10の測定結果の下位バイトが格納される。アドレス8DhのレジスタALS_DATA_1には、照度センサ10の測定結果の上位バイトが格納される。アドレス8EhのレジスタALS_PS_STATUSには、測定データとインタラプト状態に関する情報が格納される。
アドレス8FhのレジスタPS_DATA_LED31には、LED31からの近接データ(LED31からの赤外光の測定データ)が格納される。アドレス90hのレジスタPS_DATA_LED32には、LED32からの近接データ(LED32からの赤外光の測定データ)が格納される。アドレス91hのレジスタPS_DATA_LED33には、LED33からの近接データ(LED33からの赤外光の測定データ)が格納される。
アドレス92hのレジスタINTERRUPTには、インタラプトの設定に関する情報が格納される。アドレス93hのレジスタPS_TH_LED31には、LED31に対するPSインタラプトしきい値が格納される。アドレス94hのレジスタPS_TH_LED32には、LED32に対するPSインタラプトしきい値が格納される。アドレス95hのレジスタPS_TH_LED33には、LED33に対するPSインタラプトしきい値が格納される。
アドレス96hのレジスタALS_TH_UP_0には、ALS上側しきい値の下位バイトが格納される。アドレス97hのレジスタALS_TH_UP_1には、ALS上側しきい値の上位バイトが格納される。アドレス98hのレジスタALS_TH_LOW_0には、ALS下側しきい値の下位バイトが格納される。アドレス99hのレジスタALS_TH_LOW_1には、ALS下側しきい値の上位バイトが格納される。
次に、図3で示した複数のレジスタのうちの主なレジスタについて、より詳細に説明する。図4(a)(b)に示すように、アドレス80hのレジスタALS_CONTROLの上位の5ビットのアドレスADD7〜ADD3はリザーブ(RES)フィールドとして使用され、次の1ビットのアドレスADD2はSWリセットフィールドとして使用され、下位の2ビットADD1,ADD0はALSモードフィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD3の各々には、0を書き込む。アドレスADD2には、初期リセットを開始しない場合は0を書き込み、初期リセットを開始する場合は1を書き込む。アドレスADD1,ADD0には、スタンバイモードを設定する場合は00または01を書き込み、強制モードを設定する場合は10を書き込み、独立モードを設定する場合は11を書き込む。
また図5(a)(b)に示すように、アドレス81hのレジスタPS_CONTROLの上位の6ビットのアドレスADD7〜ADD2はNAフィールドとして使用され、下位の2ビットADD1,ADD0はPSモードフィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD2の各々は、無視される。アドレスADD1,ADD0には、スタンバイモードを設定する場合は00または01を書き込み、強制モードを設定する場合は10を書き込み、独立モードを設定する場合は11を書き込む。
また図6(a)(b)に示すように、アドレス82hのレジスタI_LEDの上位の2ビットのアドレスADD7,ADD6はPS活性化フィールドとして使用され、次の3ビットADD5〜ADD3はLED32の電流フィールドとして使用され、下位の3ビットADD2〜ADD0はLED31の電流フィールドとして使用される。LED31を活性化させるとともにLED32,33を非活性化させる場合は、上位のアドレスADD7,ADD6に00を書き込む。LED31,32を活性化させるとともにLED33を非活性化させる場合は、上位のアドレスADD7,ADD6に01を書き込む。LED31,33を活性化させるとともにLED32を非活性化させる場合は、上位のアドレスADD7,ADD6に10を書き込む。全てのLED31〜33を活性化させる場合は、上位のアドレスADD7,ADD6に11を書き込む。
中間のアドレスADD5〜ADD3には、000〜111のいずれかが書き込まれる。LED32の電流値を5,10,20,50,100,または150mAに設定する場合は、それぞれ000〜101を書き込む。LED32の電流値を200mAに設定する場合は、110および111のうちのいずれか一方を書き込む。したがって、この半導体装置1では、LED32の電流値を5,10,20,50,100,150,200mAのうちの所望の値に設定することが可能となっている。
下位のアドレスADD2〜ADD0には、000〜111のいずれかが書き込まれる。LED31の電流値を5,10,20,50,100,または150mAに設定する場合は、それぞれ000〜101を書き込む。LED31の電流値を200mAに設定する場合は、110および111のうちのいずれか一方を書き込む。したがって、この半導体装置1では、LED31の電流値を5,10,20,50,100,150,200mAのうちの所望の値に設定することが可能となっている。
また、図7(a)(b)に示すように、アドレス83hのレジスタI_LED33の上位の5ビットのアドレスADD7〜ADD3はNA(No Assign)フィールドとして使用され、下位の3ビットADD2〜ADD0はLED33の電流フィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD3の各々は、無視される。アドレスADD2〜ADD0には、000〜111のいずれかが書き込まれる。LED33の電流値を5,10,20,50,100,または,150mAに設定する場合は、それぞれ000〜101を書き込む。LED33の電流値を200mAに設定する場合は、110および111のうちのいずれか一方を書き込む。したがって、この半導体装置1では、LED33の電流値を5,10,20,50,100,150,200mAのうちの所望の値に設定することが可能となっている。
また図8(a)(b)に示すように、アドレス84hのレジスタALS_PS_MEASの上位の6ビットのアドレスADD7〜ADD2はNAフィールドとして使用され、次の1ビットのアドレスADD1はALSトリガフィールドとして使用され、下位の1ビットADD0はPSトリガフィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD2は無視される。アドレスADD1には、新規のALS測定を開始しない場合は0を書き込み、新規のALS測定を開始する場合は1を書き込む。アドレスADD0には、新規のPS測定を開始しない場合は0を書き込み、新規のPS測定を開始する場合は1を書き込む。
また図9(a)(b)に示すように、アドレス85hのレジスタPS_MEAS_RATEの上位の4ビットのアドレスADD7〜ADD4はNAフィールドとして使用され、下位の4ビットADD3〜ADD0はPS測定レートフィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD4の各々は無視される。下位のアドレスADD3〜ADD0には、0000〜1111のいずれかが書き込まれる。PS測定レートを10,20,30,50,70,100,200,500,1000,または,2000msecに設定する場合は、それぞれ0000〜1001を書き込む。1010〜1111のうちのいずれかを書き込んでも2000msecに設定することができる。従って、この半導体装置1では、PS測定レートを10〜2000msecのうちの所望の値に設定することが可能となっている。
また図10(a)(b)に示すように、アドレス8EhのレジスタALS_PS_STATUSのアドレスADD7〜ADD0は、それぞれALSのINT状態フィールド、ALSのデータ状態フィールド、LED33のINT状態フィールド、LED33のデータ状態フィールド、LED32のINT状態フィールド、LED32のデータ状態フィールド、LED31のINT状態フィールド、LED31のデータ状態フィールドとして使用される。
アドレスADD7には、ALS測定において、信号INTを非活性化させる場合は0を書き込み、信号INTを活性化させる場合は1を書き込む。アドレスADD6には、ALS測定において、データが既に読み出された古いデータである場合は0を書き込み、データが未だ読み出されていない新しいデータである場合は1を書き込む。
アドレスADD5には、LED33のPS測定において、信号INTを非活性化させる場合は0を書き込み、信号INTを活性化させる場合は1を書き込む。アドレスADD4には、LED33のPS測定において、データが既に読み出された古いデータである場合は0を書き込み、データが未だ読み出されていない新しいデータである場合は1を書き込む。
アドレスADD3には、LED32のPS測定において、信号INTを非活性化させる場合は0を書き込み、信号INTを活性化させる場合は1を書き込む。アドレスADD2には、LED32のPS測定において、データが既に読み出された古いデータである場合は0を書き込み、データが未だ読み出されていない新しいデータである場合は1を書き込む。
アドレスADD1には、LED31のPS測定において、信号INTを非活性化させる場合は0を書き込み、信号INTを活性化させる場合は1を書き込む。アドレスADD0には、LED31のPS測定において、データが既に読み出された古いデータである場合は0を書き込み、データが未だ読み出されていない新しいデータである場合は1を書き込む。
また図11(a)(b)に示すように、アドレス8FhのレジスタPS_DATA_LED31のアドレスADD7〜ADD0は、LED31のデータフィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD0には、LED31のPS測定データが格納される。
アドレス90hのレジスタPS_DATA_LED32のアドレスADD7〜ADD0は、LED32のデータフィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD0にはLED32のPS測定データが格納される。
アドレス91hのレジスタPS_DATA_LED33のアドレスADD7〜ADD0は、LED33のデータフィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD0にはLED33のPS測定データが格納される。
また図12(a)(b)に示すように、アドレス92hのレジスタINTERRUPTのアドレスADD7,ADD4は、ともにNAフィールドとして使用され、アドレスADD6,ADD5はインタラプト源フィールドとして使用される。また、アドレスADD3は出力モードフィールドとして使用され、アドレスADD2はINT極性フィールドとして使用され、アドレスADD1,ADD0はインタラプトモードフィールドとして使用される。アドレスADD7,ADD4は、無視される。
アドレスADD6,ADD5には、インタラプトがALSによってトリガされる場合には00を書き込み、インタラプトがLED31によってトリガされる場合には01を書き込み、インタラプトがLED32によってトリガされる場合には10を書き込み、インタラプトがLED33によってトリガされる場合には11を書き込む。
アドレスADD3には、レジスタINTERRUPTが読み出されるまで、INTピン(信号出力端子T4)のレベルをラッチする場合は0を書き込み、各測定後にINTピンのレベルを更新する場合は0を書き込む。アドレスADD2には、信号INTの活性化時にINTピンを論理0(「L」レベル)にする場合は0を書き込み、信号INTの活性化時にINTピンを論理1(「H」レベル)にする場合は1を書き込む。
アドレスADD1,ADD0には、INTピンを非活性化状態(ハイ・インピーダンス状態)にする場合は00を書き込み、PS測定がトリガできる場合は01を書き込み、ALS測定がトリガできる場合は10を書き込み、PSおよびALS測定がトリガできる場合は11を書き込む。
また図13(a)(b)に示すように、アドレス93hのレジスタPS_TH_LED31のアドレスADD7〜ADD0は、LED31のしきい値フィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD0には、LED31用のしきい値が格納される。
アドレス94hのレジスタPS_TH_LED32のアドレスADD7〜ADD0は、LED32のしきい値フィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD0には、LED32用のしきい値が格納される。
アドレス95hのレジスタPS_TF_LED33のアドレスADD7〜ADD0は、LED33のしきい値フィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD0には、LED33用のしきい値が格納される。
また図14に示すように、アドレス8FhのレジスタPS_DATA_LED31のアドレスADD7〜ADD0は、LED31のPSデータフィールドとして使用される。アドレスADD7〜ADD0には、LED31のPSデータが格納される。たとえば、アドレスADD7〜ADD0に10000101が書き込まれた場合、光強度は10Aで表わされる。ただし、A=(27+22+20)×0.097=133×0.097である。したがって、光強度は10A≒417(μW/cm2)となる。
図15は、近接センサ2の測定シーケンスを示すタイムチャートである。図15では、全ての赤外LED31〜33が活性化された場合が示されている。赤外LED31〜33は、1回の測定期間内に所定時間ずつ順次発光される。twILEDは、LED電流パルスの持続期間(各赤外LEDの1回の発光時間)を示しており、たとえば300μsecである。twILED2は、累積LED電流パルスの持続期間(赤外LED31の発光開始から赤外LED33の発光停止までの時間)を示しており、たとえば1msecである。tMPSは、近接センサ測定時間を示しており、たとえば10msecである。測定結果は、この期間tMPS内に生成される。PS測定レート(測定周期)は、独立モードでのみ使用され、図9で示したレジスタPS_MEAS_RATE(85h)で決定される。
図5で示したレジスタPS_CONTROL(81h)に測定コマンドがマスタによって書き込まれると、最初のPS測定がトリガされる。赤外LED31〜33の組合せは、図6に示したレジスタI_LED(82h)と図7に示したレジスタI_LED33(83h)によって設定される。赤外LED32のみを非活性化させる場合は、LED31のパルスとLED33のパルスとの間の空き時間は無い。
強制モードでは、PS測定は1回だけ行なわれる。PSトリガビット(84hのADD0)は、PS測定の完了後に1から0に上書きされる。マスターによってPSトリガビットに1が書き込まれると、PS測定が再度開始される。独立モードでは、マスターが他のモードを指示するまでPS測定が継続される。測定インターバルは、図9で示したレジスタPS_MEAS_RATE(85h)により決定される。
図16は、照度センサ10の測定シーケンスを示すタイムチャートである。図16において、tMALSは、照度センサ測定時間を示しており、たとえば100msecである。測定結果は、この期間中に生成される。ALS測定レート(測定周期)は、独立モードでのみ使用され、図3で示したレジスタALS_MEAS_RATE(86h)で決定される。図4で示したレジスタALS_CONTROL(80h)に測定コマンドがマスターによって書き込まれると、最初のALS測定がトリガされる。
強制モードでは、ALS測定は1回だけ行なわれる。ALSトリガビット(80hのADD1)は、ALS測定の完了後に1から0に上書きされる。マスターによってALSトリガビットに1が書き込まれると、ALS測定が再度開始される。独立モードでは、マスターが他のモードを指示するまでALS測定が継続される。測定インターバルは、図3で示したレジスタALS_MEAS_RATE(86h)により決定される。
図17(a)〜(c)は、インタラプト機能を示すタイムチャートである。特に、図17(a)はラッチモード時のインタラプト信号INTを示し、図17(b)は非ラッチモード時のインタラプト信号INTを示し、図17(c)はPS測定値(PS測定データ)を示している。インタラプト源としては、図12(a)(b)で示したように、ALS測定と、3つのLED31〜33のうちのいずれか1つをインタラプト源として選択することが可能となっている。ここでは、インタラプト源として、たとえばLED31が選択されたものとする。
図15で示したように、PS測定値は1測定期間tMPS毎に更新される。LED31〜33用のしきい値VTHは、図13で示したレジスタPS_TH_LED(93h,94h,95h)に格納されている。LED31についてのPS測定値がしきい値VTHを超えると、インタラプト信号INTは非活性化レベル(図では「L」レベル)から活性化レベル(図では「H」レベル)に遷移する。
インタラプト信号INTの出力モードには、図12(a)(b)で示したように、ラッチモードと非ラッチモードがある。ラッチモードでは、図17(a)に示すように、マスターがレジスタINTERRUPTを読み取るまでインタラプト信号INTのレベルがラッチされる。非ラッチモードでは、図17(b)に示すように、各PS測定後にインタラプト信号INTのレベルが更新される。インタラプト源としてLED32または33が選択された場合も同様である。
インタラプト源としてALS測定が選択された場合には、図16で示したように、ALS測定値は1測定期間tMALS毎に更新される。ALS測定用の上側しきい値VTHUは、図3で示したレジスタALS_TH_UP(96h,97h)に格納されている。ALS測定用の下側しきい値VTHLは、図3で示したレジスタALS_TH_LOW(98h,99h)に格納されている。ALS測定値が下側しきい値VTHLと上側しきい値VTHUの間にある場合は、インタラプト信号INTは非活性化レベル(たとえば「L」レベル)にされる。ALS測定値が下側しきい値VTHLよりも低い場合、およびALS測定値が上側しきい値VTHUよりも高い場合は、インタラプト信号INTは活性化レベル(たとえば「H」レベル)にされる。
図18(a)〜(d)は、半導体装置1の外観を示す図である。特に、図18(a)は半導体装置1の上面図であり、同図(b)はその正面図であり、同図(c)はその下面図であり、同図(d)は半導体装置1の上方から見た端子T1〜T10の配置図である。図18(a)〜(d)において、半導体装置1は、プリント配線基板1aを含む。プリント配線基板1aは、たとえば1辺の長さが2.8mmの正方形に形成されている。
プリント配線基板1aの表面には、図1で示した回路2〜15,20〜25が搭載されている。プリント配線基板1aの表面は、透明樹脂1bで封入されている。半導体装置1の高さは、たとえば0.9mmである。プリント配線基板1aの裏面には、端子T1〜T10が設けられている。端子T1〜T10は、プリント配線基板1aの四辺に沿って所定の順序で配置されている。
<携帯電話機への適用>
図19は、半導体装置1の使用方法を例示する図である。図19において、この半導体装置1は、3つの赤外LED31〜33とともに携帯電話機50に搭載される。携帯電話機50は、縦長の長方形状に形成されている。携帯電話機50の中央部にはタッチパネル(タッチパネル機能付き表示装置)51が設けられ、タッチパネル51の上下にそれぞれスピーカ52およびマイク53が設けられている。赤外LED31は携帯電話機50の表面の右上の角に配置され、赤外LED32は赤外LED31から図中のX方向(左方向)に所定距離だけ離れた位置に配置され、赤外LED33は赤外LED31から図中のY方向(下方向)に所定距離だけ離れた位置に配置される。半導体装置1は、赤外LED31に対してX方向に隣接して配置される。
図20は、携帯電話機50に搭載された半導体装置1と赤外LED31とを示す図である。図20において、半導体装置1および赤外LED31は、プリント配線基板54の表面に隣接して配置される。半導体装置1のプリント配線基板1aには、近接センサ2と照度センサ10が搭載されており、プリント配線基板1aの表面は透明樹脂1bで封止されている。プリント配線基板54の上には遮光性のスペーサ55を介して透明板56が配置され、透明板56によって半導体装置1および赤外LED31が保護されている。
赤外LED31から出射された赤外光αは、反射物34で反射して近接センサ2に入射する。近接センサ2は、入射した赤外光αの光強度に応じたレベルのPS測定データをデータレジスタ20に格納する。反射物34は、たとえば、携帯電話機50の使用者の耳や手である。また、可視光源35から出射した可視光βは、照度センサ10に入射する。照度センサ10は、入射した可視光βの照度を示すALS測定データをデータレジスタ20に格納する。
携帯電話機50内には、図21に示すように、MCU36、バックライト57、およびドライバIC58が設けられている。バックライト57は、タッチパネル51に透過光を与える。ドライバIC58は、MCU36からの制御信号に従って、バックライト57を駆動する。MCU36は、タッチパネル51からの信号に従って携帯電話機50全体を制御する。また、MCU36は、半導体装置1からのデータ信号に従って、ドライバIC58およびタッチパネル51を制御する。
すなわち、MCU36は、半導体装置1からのデータ信号(ALS測定データ)によって携帯電話機50が使用されている場所の照度を検出し、検出した照度に応じてバックライト57の明るさを制御する。これにより、タッチパネル51に表示される画像を鮮明に表示することができる。また、消費電力の低減化を図ることができる。
また、MCU36は、携帯電話機50のタッチパネル51が携帯電話機50の使用者の耳に近付いたことを半導体装置1からのデータ信号(PS測定データ)によって検知した場合は、タッチパネル51の機能を停止させる。これにより、携帯電話機50の使用者の耳がタッチパネル51に接触したときの誤動作を防止することができる。
また、MCU36は、赤外LED31〜33の反射光強度を示すPS測定値に基づいて携帯電話機50の使用者のハンドジェスチャーを検出し、検出結果に従ってタッチパネル51に表示される画像のスクロール操作を行なう。すなわち、携帯電話機50の使用者が携帯電話機50の表面上で図19中のX方向に手を移動させた場合、まず、赤外LED31,33が手で覆われ、次に赤外LED32が手で覆われる。この場合は図22(a)に示すように、まず赤外LED31,33の反射光強度が大きくなり、次に赤外LED32の反射光強度が大きくなる。MCU36は、赤外LED31〜33の反射光強度が図22(a)に示すような態様で変化した場合は、使用者の手が横方向に移動したと判断し、たとえば、タッチパネル51の画像を横方向にスクロールする。
また、携帯電話機50の使用者が携帯電話機50の表面上で図19中のY方向に手を移動させた場合、まず赤外LED31,32が手で覆われ、次に赤外LED33が手で覆われる。この場合は図22(b)に示すように、まず赤外LED31,32の反射光強度が大きくなり、次に赤外LED33の反射光強度が大きくなる。MCU36は、赤外LED31〜33の反射光強度が図22(b)に示すような態様で変化した場合は、使用者の手が縦方向に移動したと判断し、たとえば、タッチパネル51の画像を縦方向にスクロールする。
以上のように、この実施の形態によれば、タッチレスで検出された反射物の動きに応じて携帯電話機50を操作することができるので、加速度センサなどを用いた従来構成に比べて、装置の小型化、低価格化、構成の簡単化を図ることができる。また、加速度センサなどを搭載した携帯電話機のように、携帯電話機50自体を動かす必要がないので、携帯電話機50を動かしたときに何かにぶつけて携帯電話機50が壊れることもない。
<動き検出アルゴリズムの詳細>
次に、MCU36における反射物34の動き検出アルゴリズムについて、より詳細な説明を行う。
図23は、MCU36におけるPS測定値の閾値判定動作を説明するためのタイムチャートであって、上から順番に、第1PS測定値PS_DATA_LED31(赤外LED31から反射物34を経て赤外センサ6に至る第1反射光の強度を示す第1反射光強度情報)、第2PS測定値PS_DATA_LED32(赤外LED32から反射物34を経て赤外センサ6に至る第2反射光の強度を示す第2反射光強度情報)、及び、第3PS測定値PS_DATA_LED33(赤外LED33から反射物34を経て赤外センサ6に至る第3反射光の強度を示す第1反射光強度情報)の時間的変化が各々描写されている。
MCU36は、非接触による反射物34の動き検出に際して、第1PS測定値PS_DATA_LED31と第1閾値PS_TH_LED31とを比較し、第1検出開始時刻Tr31、第1検出終了時刻Tf31、及び、第1検出維持時間t31を取得する。また、MCU36は、第2PS測定値PS_DATA_LED32と第2閾値PS_TH_LED32との比較、並びに、第3PS測定値PS_DATA_LED33と第3閾値PS_TH_LED33との比較も行い、第2検出開始時刻Tr32、第2検出終了時刻Tf32、及び、第2検出維持時間t32、並びに、第3検出開始時刻Tr33、第3検出終了時刻Tf33、及び、第3検出維持時間t33を各々取得する。
なお、第1PS測定値PS_DATA_LED31、第2PS測定値PS_DATA_LED32、及び、第3PS測定値PS_DATA_LED33は、いずれも、半導体装置1からMCU36に入力される。また、第1閾値PS_TH_LED31、第2閾値PS_TH_LED32、及び、第3閾値PS_TH_LED33は、いずれも、MCU36によって設定される。
図24Aは、MCU36によるPS測定値のモニタリング動作を説明するためのフローチャートである。PS測定値のデータ取得が開始されると、ステップS101でのアイドリング状態を経て、ステップS102では、いずれかのPS測定値PS_DATA_LEDx(ただしxは31〜33、以下も同様)が各々に対応する閾値PS_TH_LEDxを上回っているか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、フローがステップS103に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS101に戻されて、以後、ステップS101とステップS102がループされる。
ステップS103では、検出維持時間txのカウントが開始され、フローがステップS104に進められる。
ステップS104では、検出維持時間txが所定の閾値時間tTH1を上回っているか否かの判定が行われる。ここで、ノー判定が下された場合には、反射物34が赤外LED31〜33や半導体装置1の上方を横切った可能性(タッチレスモーション操作が行われた可能性)があると判断されて、フローがステップS105に進められる。一方、イエス判定が下された場合には、反射物34が赤外LED31〜33や半導体装置1の上方で静止されている可能性(クリック操作またはズームイン/ズームアウト操作が行われた可能性)があると判断され、フローがステップS111(クリック処理またはズームイン/ズームアウト処理)に進められる。なお、ステップS107における具体的な処理については、後ほど詳述する。
ステップS105では、ステップS102において閾値を上回っていると判断されたPS測定値として、第1PS測定値PS_DATA_LED31が含まれていたか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、フローがステップS106に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS101に戻されて、アイドリング状態となる。
ステップS106では、ステップS102において閾値を上回っていると判断されたPS測定値として、さらに、第2PS測定値PS_DATA_LED32と第3PS測定値PS_DATA_LED33の少なくとも一方が含まれていたか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合にはフローがステップS107に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS101に戻されて、アイドリング状態となる。
ステップS107では、図19の配置レイアウトに鑑み、タッチレスモーション操作時は、第1反射光と共に、第2反射光及び第3反射光の少なくとも一方が検出されることを前提とした上で、第1反射光と第2反射光との間に生じている強度変化の位相差、ないしは、第1反射光と第3反射光との間に生じている強度変化の位相差を算出し、その算出結果に基づいて、反射物34の動き判定処理が行われる。上記のステップS105及びS106がステップS107に進むための前提条件として設けられているのは、このような理由によるものである。ただし、上記のステップS105及びS106については、ステップS102で閾値を上回っていると判断されたPS測定値として、全てのPS測定値PS_DATA_LEDxが含まれていた場合にのみ、ステップS107へと進めるように、条件を厳しくしてもよい。
ステップS107における具体的な処理については、後ほど詳述するため、ここでは、その概要について述べる。例えば、図19の配置レイアウトにおいて、反射物34が左右方向に動いた場合、赤外LED31から反射物34を経て赤外センサ6に入射される第1反射光の検出タイミング(第1検出開始時間Tr31)と、赤外LED32から反射物34を経て赤外センサ6に入射される第2反射光の検出タイミング(第2検出開始時間Tr32)との間に時間的な差が生じる。従って、この差分値の絶対値及び正負を判別することにより、反射物34が右から左に動いたのか、それとも、左から右に動いたのかを検知することができる。上下方向の判別手法についても、基本的には上記と同様である。
ステップS107による反射物34の動き判定処理が完了すると、ステップS108では、検出維持時間txに基づいて反射物34の移動速度vが算出される。
続くステップS109では、ステップS107で取得された戻り値returnと、ステップS108で算出された移動速度vに基づく画像処理(後述するスクロール処理やページ切替処理)が行われ、その結果がタッチパネル51に出力される。
そして、ステップS110では、上記一連の処理結果が初期化されて、フローが再びステップS101に戻される。
なお、半導体装置1から出力されるPS測定値PS_DATA_LEDxには、種々のノイズ光源(赤外リモコン、白熱灯、強い太陽光など)の影響を受けて、ノイズが重畳するおそれがある(図24Dの上段を参照)。このようなノイズが重畳した場合、MCU36では、PS測定値PS_DATA_LEDxに生じた強度変化がタッチレスモーション操作によるものか、ノイズによるものかを区別することができなくなり、誤検出や誤動作を引き起こすおそれがあった。
そこで、上記の問題を解決するためには、図24AのステップS101に先立って、MCU36側でPS測定値PS_DATA_LEDxにデータ平均化処理(図24Bの太枠で囲んだステップS100を参照)を施して、平均化PS測定値PS_AVR_LEDxを生成し、これを用いて以後の演算処理(特に、図24Bの太枠で囲んだステップS102、ステップS105、及び、ステップS106を参照)を行うことが望ましい。このような構成とすることにより、ノイズの影響を低減して、タッチレスモーション操作の誤検出や誤動作を防止することが可能となる(図24Dの中段及び下段を参照)。なお、ステップS100のデータ平均化処理としては、図24Cで示すように、直近Lサンプル分の移動平均処理を実施すればよい。
図25は、ステップS107における動き判定処理の詳細を示したフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS201において、第1検出開始時刻Tr31、第2検出開始時刻Tr32、及び、第3検出開始時刻Tr33の取得が行われ、続くステップS202において、第1反射光と第2反射光との間に生じている強度変化の位相差Δ12(=Tr31−Tr32)、及び、第1反射光と第3反射光との間に生じている強度変化の位相差Δ13(=Tr31−Tr33)の算出が行われる。
なお、ここでは、第1検出開始時間Tr31、第2検出開始時間Tr32、及び、第3検出開始時間Tr33に基づいて、位相差Δ12及びΔ13を算出する構成を例に挙げたが、構成はこれに限定されるものではなく、第1検出終了時間Tf31、第2検出終了時間Tf32、及び、第3検出終了時間Tf33に基づいて、位相差Δ12’(=Tf31−Tf32)、及び、位相差Δ13’(=Tf31−Tf33)を算出する構成としてもよい。
位相差Δ12及びΔ13の算出が行われた後、ステップS203では、位相差Δ12の絶対値|Δ12|が位相差Δ13の絶対値|Δ13|よりも大きいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第1移動軸(赤外LED31と赤外LED32とを結ぶ方向(図19の配置レイアウトでは左右方向)に伸びている移動軸X)に沿って移動したと判断され、フローがステップS204に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS209に進められる。
ステップS204では、位相差Δ12が0よりも小さいか否か、すなわち、位相差Δ12が負の値であるか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第1方向(赤外LED31から赤外LED32に至る方向(図19の配置レイアウトでは左向き))に移動したと判定され、フローがステップS205に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS206に進められる。
ステップS205では、戻り値returnとして、反射物34が第1方向に移動したことを意味する値「1」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS206では、位相差Δ12が0よりも大きいか否か、つまり、位相差Δ12が正の値であるか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第2方向(赤外LED32から赤外LED31に至る方向(図19の配置レイアウトでは右向き))に移動したと判定され、フローがステップS207に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS208に進められる。
ステップS207では、戻り値returnとして、反射物34が第2方向に移動したことを意味する値「2」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS208では、戻り値returnとして、動き判定処理が正しく行われなかったことを意味する値「0」が出力されて、一連のフローが終了する。
ステップS209では、位相差Δ12の絶対値|Δ12|が位相差Δ13の絶対値|Δ13|よりも小さいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第2移動軸(赤外LED31と赤外LED33とを結ぶ方向(図19の配置レイアウトでは上下方向)に伸びている移動軸Y)に沿って移動したと判断され、フローがステップS210に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS215に進められる。
ステップS210では、位相差Δ13が0よりも小さいか否か、すなわち、位相差Δ13が負の値であるか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第3方向(赤外LED31から赤外LED33に至る方向(図19の配置レイアウトでは下向き))に移動したと判定され、フローがステップS211に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS212に進められる。
ステップS211では、戻り値returnとして、反射物34が第3方向に移動したことを意味する値「3」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS212では、位相差Δ13が0よりも大きいか否か、つまり、位相差Δ13が正の値であるか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第4方向(赤外LED33から赤外LED31に至る方向(図19の配置レイアウトでは上向き))に移動したと判定され、フローがステップS213に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS214に進められる。
ステップS213では、戻り値returnとして、反射物34が第4方向に移動したことを意味する値「4」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS214では、戻り値returnとして、動き判定処理が正しく行われなかったことを意味する値「0」が出力されて、一連のフローが終了する。
ステップS215では、戻り値returnとして、動き判定処理が正しく行われなかったことを意味する値「0」が出力されて、一連のフローが終了する。
図26は、左右モーションに応じた表示処理の一例を示す模式図であり、図27は、上下モーションに応じた表示処理の一例を示す模式図である。このように、タッチレスモーション機能により、地図画像などのスクロール操作や、写真画像などのページ切替操作を非接触で実現することが可能となる。
図28は、ズーム処理への移行動作を説明するためのタイムチャートである。先述のように、非接触による反射物34の動き検出に際して、PS測定値PS_DATA_LEDxの検出維持時間txが所定の閾値時間tTH1を上回っていた場合には、クリック処理またはズームイン/ズームアウト処理への移行が行われる(図24Aまたは図24BのステップS104及びS111を参照)。ここで、クリック処理を実行するのであれば、検出維持時間txが閾値時間tTH1に達した時点で、何らかのアクション動作(画面上に表示されているコマンドボタンの選択など)を行えばよい。一方、ズームイン/ズームアウト処理を実行するのであれば、検出維持時間txが閾値時間tTH1に達して以後、反射物34の動きに応じて変化するPS測定値PS_DATA_LEDxと所定の変換テーブルを逐次比較参照しながら、表示画面のズーム率Zを決定し、これを反映させるように画像処理を行えばよい。
図29は、図24Aまたは図24BのステップS111におけるズーム処理の詳細を示したフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS301において、PS測定値PS_DATA_LEDxの取得が行われる。
続くステップS302では、PS測定値PS_DATA_LEDxが閾値PS_TH_LEDxを上回った状態が維持されているか否かの判定が行われる。ここで、PS測定値PS_DATA_LEDxが閾値PS_TH_LEDxを上回った状態が維持されていると判定された場合には、フローがステップS303に進められる。一方、PS測定値PS_DATA_LEDxが閾値PS_TH_LEDxを上回った状態が維持されていないと判定された場合には、フローがステップS305に進められる。ステップS305では、PS測定値PS_DATA_LEDxが閾値PS_TH_LEDxを上回っていない状態が所定時間tTH2だけ継続されたか否かの判定が行われる。ここで、ノー判定が下された場合には、フローがステップS301に戻される。一方、イエス判定が下された場合には、ズーム率操作の受け付けを終えるべく、上記一連のフローが終了される。
なお、複数のPS測定値PS_DATA_LEDxが各々に対応する閾値PS_TH_LEDxを越えている場合には、ステップS302において、PS測定値の合計値や平均値を閾値の合計値や平均値と比較してもよい。すなわち、ズームイン/ズームアウト処理のみを実現したいのであれば、必ずしも赤外LEDを複数設ける必要はない点に留意すべきである。
ステップS303では、PS測定値PS_DATA_LEDxと所定の変換テーブルを比較参照してズーム率Zが決定される。そして、続くステップS304にて、ズーム率Zに基づく画像処理が行われた後、フローがステップS301に戻される。
図30AはステップS303で参照される変換テーブルの一例を示す図である。なお、この変換テーブルは、PS測定値PS_DATA_LEDxが「0d」〜「255d」の値を取り得るのに対して、閾値PS_TH_LEDxが「127d」に設定されていることを前提としており、ズーム率Zを8段階(50%、75%、100%、150%、200%、300%、400%、800%)に可変設定することが可能な内容とされている。
例えば、PS測定値PS_DATA_LEDxの値が「128d」〜「143d」のときにはズーム率Zが「50%」に設定され、PS測定値PS_DATA_LEDxの値が「160d」〜「175d」のときにはズーム率Zが「100%」に設定される。また、PS測定値PS_DATA_LEDxの値が「240d」〜「255d」のときにはズーム率Zが「800%」に設定される。
また、上記の変換テーブルを用いることなく、例えば、下記の演算式によってズーム率Zを逐次算出する構成としてもよい。
Z=(デフォルト倍率)+{(PS_DATA_LEDx)−(ズーム基準値)}×k
図30Bは、ステップS303の別手法を説明するためのテーブルである。ここでは、上記の演算式を用いてズーム率Zを算出するものとし、演算処理の前提条件として、デフォルト倍率は100%、ズーム基準値は90、係数kは3に設定されているものと仮定する。また、ズーム率操作に移行した時点(経過時間0)を基準とし、以降、例えば10ms毎にPS測定値PS_DATA_LEDxが更新されるものとする。
図30Bの例示において、ズーム率操作に移行した時点(経過時間0)のPS測定値PS_DATA_LEDxは80である。従って、ズーム率Zは70%(=100+(80−90)×3)と算出される。10ms経過後に得られたPS測定値PS_DATA_LEDxは82である。従って、ズーム率Zは76%(=100+(82−90)×3)と算出される。以後も同様の演算処理により、ズーム率Zが逐次算出される。
図31は、遠近モーションに応じた表示処理の一例を示す模式図である。このように、タッチレスモーション機能により、地図画像や写真画像などのズームイン/ズームアウト操作を非接触で実現することが可能となる。
なお、図19の配置レイアウトは、赤外LED31と半導体装置1を組み合わせて近接センサを実現した上で、さらに、赤外LED32と赤外LED33をオプション的に配置することにより、上記のタッチレスモーション機能を追加するものであったが、反射物34の動きをさらに詳しく判定するためには、半導体装置1と赤外LED31〜33との配置に工夫を凝らす必要がある。
図32は、半導体装置1と赤外LED31〜33の配置に関する一変形例を示す模式図である。本変形例の配置レイアウトでは、赤外LED31〜33が正三角形τの各頂点位置に設けられており、赤外センサ6を備えた半導体装置1が正三角形τの重心位置に設けられている。このような配置レイアウトを採用することにより、後述する動き検出アルゴリズムにより、反射物34の動きをより詳細に判定することが可能となる。
なお、図32では、3つの赤外LED31〜33を用いる構成を例に挙げたが、構成はこれに限定されるものではなく、4つ以上の頂点を有する正多角形の各頂点に各々発光部を備えた構成としてもよい。
図33は、図32の配置レイアウト採用時におけるステップS107の動き判定処理を示したフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS401において、第1検出開始時刻Tr31、第2検出開始時刻Tr32、及び、第3検出開始時刻Tr33の取得が行われ、続くステップS402において、第1反射光と第2反射光との間に生じている強度変化の位相差Δ12(=Tr31−Tr32)、第1反射光と第3反射光との間に生じている強度変化の位相差Δ13(=Tr31−Tr33)、及び、第2反射光と第3反射光との間に生じている強度変化の位相差Δ23(=Tr32−Tr33)の算出が行われる。
なお、ここでは、第1検出開始時間Tr31、第2検出開始時間Tr32、及び、第3検出開始時間Tr33に基づいて、位相差Δ12、Δ13、及び、Δ23を算出する構成を例に挙げたが、構成はこれに限定されるものではなく、第1検出終了時間Tf31、第2検出終了時間Tf32、及び、第3検出終了時間Tf33に基づいて、位相差Δ12’(=Tf31−Tf32)、位相差Δ13’(=Tf31−Tf33)、及び、位相差Δ23’(=Tf32−Tf33)を算出する構成としてもよい。
位相差Δ12、Δ13、及びΔ23の算出が行われた後、ステップS403では、位相差Δ12の絶対値|Δ12|が位相差Δ13の絶対値|Δ13|よりも大きく、かつ、位相差Δ12の絶対値|Δ12|が位相差Δ23の絶対値|Δ23|よりも大きいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第1移動軸(赤外LED31と赤外LED32とを結ぶ方向(図32の配置レイアウトでは左右方向)に伸びている移動軸)に沿って移動したと判断され、フローがステップS404に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS409に進められる。
ステップS404では、位相差Δ12が0よりも小さいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第1方向(赤外LED31から赤外LED32に至る方向(図32の配置レイアウトでは左向き))に移動したと判定され、フローがステップS405に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS406に進められる。
ステップS405では、戻り値returnとして、反射物34が第1方向に移動したことを意味する値「1」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS406では、位相差Δ12が0よりも大きいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第2方向(赤外LED32から赤外LED31に至る方向(図32の配置レイアウトでは右向き))に移動したと判定され、フローがステップS407に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS408に進められる。
ステップS407では、戻り値returnとして、反射物34が第2方向に移動したことを意味する値「2」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS408では、戻り値returnとして、動き判定処理が正しく行われなかったことを意味する値「0」が出力されて、一連のフローが終了する。
ステップS409では、位相差Δ13の絶対値|Δ13|が位相差Δ12の絶対値|Δ12|よりも大きく、かつ、位相差Δ23の絶対値|Δ23|が位相差Δ12の絶対値|Δ12|よりも大きいか否かの判定が行われる。ここでイエス判定が下された場合には、反射物34が第2移動軸(赤外LED31と赤外LED32を結ぶ線分の中点と、赤外LED33とを結ぶ方向(図32の配置レイアウトでは上下方向)に伸びている移動軸)に沿って移動したと判断され、フローがステップS410に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS415に進められる。
ステップS410では、位相差Δ13が0よりも小さく、かつ、位相差Δ23が0よりも小さいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第3方向(赤外LED31と赤外LED32を結ぶ線分の中点から赤外LED33に至る方向(図32の配置レイアウトでは下向き))に移動したと判定され、フローがステップS411に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS412に進められる。
ステップS411では、戻り値returnとして、反射物34が第3方向に移動したことを意味する値「3」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS412では、位相差Δ13が0よりも大きく、かつ、位相差Δ23が0よりも大きいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第4方向(赤外LED33から赤外LED31と赤外LED32を結ぶ線分の中点に至る方向(図32の配置レイアウトでは上向き))に移動したと判定され、フローがステップS413に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS414に進められる。
ステップS413では、戻り値returnとして、反射物34が第4方向に移動したことを意味する値「4」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS414では、戻り値returnとして、動き判定処理が正しく行われなかったことを意味する値「0」が出力されて、一連のフローが終了する。
ステップS415では、位相差Δ12の絶対値|Δ12|が位相差Δ13の絶対値|Δ13|よりも大きく、かつ、位相差Δ23の絶対値|Δ23|が位相差Δ13の絶対値|Δ13|よりも大きいか否かの判定が行われる。ここでイエス判定が下された場合には、反射物34が第3移動軸(赤外LED31と赤外LED33を結ぶ線分の中点と、赤外LED32とを結ぶ方向(図32の配置レイアウトでは右下がり(左上がり)の斜め方向)に伸びている移動軸)に沿って移動したと判断され、フローがステップS416に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS421に進められる。
ステップS416では、位相差Δ12が0よりも小さく、かつ、位相差Δ23が0よりも小さいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第5方向(赤外LED31と赤外LED33を結ぶ線分の中点から赤外LED32に至る方向(図32の配置レイアウトでは左上向き))に移動したと判定され、フローがステップS417に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS418に進められる。
ステップS417では、戻り値returnとして、反射物34が第5方向に移動したことを意味する値「5」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS418では、位相差Δ12が0よりも大きく、かつ、位相差Δ23が0よりも大きいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第6方向(赤外LED32から赤外LED31と赤外LED33を結ぶ線分の中点に至る方向(図32の配置レイアウトでは右下向き))に移動したと判定され、フローがステップS419に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS420に進められる。
ステップS419では、戻り値returnとして、反射物34が第6方向に移動したことを意味する値「6」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS420では、戻り値returnとして、動き判定処理が正しく行われなかったことを意味する値「0」が出力されて、一連のフローが終了する。
ステップS421では、位相差Δ12の絶対値|Δ12|が位相差Δ23の絶対値|Δ23|よりも大きく、かつ、位相差Δ13の絶対値|Δ13|が位相差Δ23の絶対値|Δ23|よりも大きいか否かの判定が行われる。ここでイエス判定が下された場合には、反射物34が第4移動軸(赤外LED32と赤外LED33を結ぶ線分の中点と、赤外LED31とを結ぶ方向(図32の配置レイアウトでは右上がり(左下がり)の斜め方向)に伸びている移動軸)に沿って移動したと判断され、フローがステップS422に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS427に進められる。
ステップS422では、位相差Δ12が0よりも小さく、かつ、位相差Δ13が0よりも小さいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第7方向(赤外LED31から赤外LED32と赤外LED33を結ぶ線分の中点に至る方向(図32の配置レイアウトでは左下向き))に移動したと判定され、フローがステップS423に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS424に進められる。
ステップS423では、戻り値returnとして、反射物34が第7方向に移動したことを意味する値「7」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS424では、位相差Δ12が0よりも大きく、かつ、位相差Δ13が0よりも大きいか否かの判定が行われる。ここで、イエス判定が下された場合には、反射物34が第8方向(赤外LED32と赤外LED33を結ぶ線分の中点から赤外LED31に至る方向(図32の配置レイアウトでは右上向き))に移動したと判定され、フローがステップS425に進められる。一方、ノー判定が下された場合には、フローがステップS426に進められる。
ステップS425では、戻り値returnとして、反射物34が第8方向に移動したことを意味する値「8」が出力され、一連のフローが終了する。
ステップS426では、戻り値returnとして、動き判定処理が正しく行われなかったことを意味する値「0」が出力されて、一連のフローが終了する。
ステップS427では、戻り値returnとして、動き判定処理が正しく行われなかったことを意味する値「0」が出力されて、一連のフローが終了する。
また、図32の配置レイアウトを採用すれば、上記で説明したアルゴリズムとは別に、第1PS測定値PS_DATA_LED31と第2PS測定値PS_DATA_LED32との比(=PS_DATA_LED32/PS_DATA_LED31)、及び、第1PS測定値PS_DATA_LED31と第3PS測定値PS_DATA_LED33との比(=PS_DATA_LED33/PS_DATA_LED31)を各々算出することにより、カーソル操作も可能となる(図34及び図35を参照)。
図36は、図32の配置レイアウトを採用した動き検出装置の一適用例を示す模式図である。このように、動き検出装置は、パーソナルコンピュータを始めとして様々な電子機器の非接触型ユーザインタフェイスとして利用することが可能である。
以上で説明したように、MCU36は、互いに異なる位置に設けられた赤外LED31〜33から順次出射され、反射物34を経て一の赤外センサ6に至る各反射光の強度を示す第1PS測定値PS_DATA_LED31、第2PS測定値PS_DATA_LED32、及び、第3PS測定値PS_DATA_LED33を受け取って、各反射光の相互間に生じている強度変化の位相差(Δ12、Δ13、及び、Δ23)を各々算出し、その算出結果に基づいて反射物34の動きを判定する構成とされている(例えば、図25及び図33を参照)。
特に、MCU36は、第1反射光と第2反射光との間に生じている強度変化の位相差Δ12、第1反射光と第3反射光との間に生じている強度変化の位相差Δ13、及び、第2反射光と第3反射光との間に生じている強度変化の位相差Δ23のうち、少なくとも2つの位相差について各々の絶対値を取得し、その大小関係に基づいて反射物34の移動軸を決定する構成とされている(例えば、図25のステップS203及びS209、並びに、図33のステップS403、S409、S415、及び、S421を参照)。
また、MCU36は、各々の絶対値が比較された2つの位相差のうち、より絶対値が大きいと判定された方の位相差の正負に基づいて前記移動軸上における反射物34の移動方向を決定する構成とされている(例えば、図25のステップS204、S206、S210、及び、S212、並びに、図33のステップS404、S406、S410、S412、S416、S418、S422、及び、S424を参照)。
このような構成から成るMCU36、並びに、これを用いた動き検出装置及び電子機器であれば、赤外LEDを複数個配置するという簡易なシステム変更のみで、反射物の近接のみならず、反射物がどの方向に通過したのかを判定することが可能となる。
従って、例えば、上記の動き判定結果に基づいて画像処理を行うことにより、非接触による画像操作機能(タッチレスモーション機能)を実現することが可能となる。この技術は、携帯電話機やデジタルカメラなどへの搭載に適した新UI(ユーザインタフェイス)となり得るほか、接触操作を嫌う場面、例えば、病院の診察受付機を操作する場面や、調理中などの手が汚れている状態で電子ブックのページ切替操作を行う場面などで大きな効果を発揮することができる。また、公共施設などにおいて、不特定多数の人間が接する機器(自動販売機など)を非接触で操作することができるようになるので、感染症予防にも役立つと考えられる。
なお、上記の動き検出処理を実現する演算アルゴリズムについては、専用のハードウェアを用いて実現してもよいし、汎用マイコンなどに所定のプログラムを読み込ませて実行させることにより、ソフトウェア的に実現してもよい。
<タスクライトへの適用>
図37は、照明機器の一構造例を示す外形図である。図37に示したように、本構成例の照明機器100は、筐体110と、アーム120と、台座130と、を有するタスクライトである。
筐体110は、構造的に見ると、光源保持部111と、操作部112と、アーム取付部113と、を有し、その一端がアーム120によって支持されている。光源保持部111は、その下面側に複数の光源114を一列に保持している。なお、光源114としては、LEDを好適に用いることができる。操作部112は、その下面側にタッチレスセンサ115を保持している。タッチレスセンサ115は、物体(ユーザの手や指など)の近接及び動きを非接触で検出するための一構成要素である。なお、タッチレスセンサ115としては、先述の半導体装置1(外付けされる赤外センサ31〜33を含む)を好適に用いることができるので、その構成や動作に関する重複した説明は割愛する。このように、光源114としてLEDを用いると共に、ユーザ操作の検知手段としてタッチレスセンサ115を用いた構成であれば、筐体110を極めて薄く(10〜15mm程度の厚さに)成形することが可能となる。アーム取付部113は、筐体110の端部に設けられており、これにアーム120の一端が取り付けられる。
アーム120は、筐体110と台座130との間を繋ぐ支持部材であり、任意に屈曲が可能な構造とされている。台座130は、デスクやテーブル上に据え置かれて、筐体110及びアーム120を支持する。
なお、上記構造の照明機器100において、タッチレスセンサ115は、アーム120が取り付けられるアーム取付部113の近傍に設置することが望ましい。このような構成とすることにより、万一、操作時に手や指がタッチレスセンサ115に触れたとしても、筐体110に無理な力が掛かりにくいので、筐体110の破損や変形を未然に防止することが可能となる。
図38は、照明機器100の一構成例(特に、タッチレスセンサ115の周辺構成)を示すブロック図である。図38に示したように、本構成例の照明機器100は、光源114と、物体の近接及び動きを非接触で検出するためのタッチレスセンサ115と、タッチレスセンサ115の出力に基づいて光源114の駆動制御を行う制御部116(先述のMCU36に相当)と、を有する。
複数設けられた光源114は、それぞれ、発光色の異なる複数のLED素子(図38では、赤色LED114R、緑色LED114G、及び、青色LED114Bの3種類)を備えており、制御部116は、各色毎のLED素子を個別に駆動制御する。このような構成とすることにより、制御部116は、光源114の点消灯制御や調光制御(光量制御)だけでなく、光源114の調色制御(色温度制御)を行うことが可能となる。
図39は、タッチレスによる点消灯制御の一例を示す模式図である。図39に示したように、制御部116は、ユーザの手や指が操作部112(タッチレスセンサ115)に近接された状態で、所定時間にわたって静止されたときに、光源14の点消灯制御を行う。例えば、光源114が消灯されているときに、ユーザの手や指が操作部112(タッチレスセンサ115)に近接された状態で、所定時間にわたって静止されたときには、光源114が点灯され、逆に、光源114が点灯されているときに、ユーザの手や指が操作部112(タッチレスセンサ115)に近接された状態で、所定時間にわたって静止されたときには、光源114が消灯される。
図40は、タッチレスによる調光制御の一例を示す模式図である。図40に示したように、制御部116は、ユーザの手や指が操作部112(タッチレスセンサ115)に近接された状態で、所定方向(図40では、左右方向)に動かされたときに、その方向に応じた光源114の調光制御を行う。例えば、ユーザの手や指が操作部112(タッチレスセンサ115)に近接された状態で、第1方向(図40では、右から左)へ動かされたときには、光源114の光量がアップされ、逆に、第2方向(図40では、左から右)へ動かされたときには、光源114の光量がダウンされる。
なお、光量アップを指示するための第1方向と、光量ダウンを指示するための第2方向とは、互いに逆方向に設定しておくことが望ましい。このような設定を行うことにより、ユーザは、光量のアップ/ダウンに際して、自身の手や指を動かすべき方向を直感的に理解することが可能となる。
また、上記の調光制御については、手や指の動きが検知される毎に一段階ずつ光源114の光量を変化させる構成としてもよいし、或いは、手や指の動きが検知されたことをトリガとして、光源114の光量を継続的にアップまたはダウンさせていき、手や指が一旦操作部112(タッチレスセンサ115)から離された後、再び操作部112(タッチレスセンサ115)に近接されたことをトリガとして、光源114の光量変化を停止させる構成としてもよい。後者の構成を採用する場合、手や指がいずれの方向に動かされたかに応じて、光源114の光量を継続的にアップさせるかダウンさせるかを決定すればよい。
図41は、タッチレスによる調色制御の一例を示す模式図である。図41に示したように、制御部116は、ユーザの手や指が操作部112(タッチレスセンサ115)に近接された状態で、所定方向(図41では、前後方向)に動かされたときに、その方向に応じた光源114の調色制御を行う。例えば、ユーザの手や指が操作部112(タッチレスセンサ115)に近接された状態で、第3方向(図41では、奥から手前)へ動かされたときには、光源114の色温度がアップされ、逆に、第4方向(図41では、手前から奥)へ動かされたときには、光源114の色温度がダウンされる。
なお、色温度アップを指示するための第3方向と、色温度ダウンを指示するための第4方向とは、互いに逆方向に設定しておくことが望ましい。このような設定を行うことにより、ユーザは、色温度のアップ/ダウンに際して、自身の手や指を動かすべき方向を直感的に理解することが可能となる。
また、調光制御(光量アップ/ダウン)を指示するための第1方向及び第2方向と、調色制御(色温度アップ/ダウン)を指示するための第3方向及び第4方向とは、互いに直交関係に設定しておくことが望ましい。このような設定を行うことにより、ユーザは調光制御と調色制御とを明確に区別して実施することが可能となる。
また、上記の調色制御についても、先述の調光制御と同様、手や指の動きが検知される毎に一段階ずつ光源114の色温度を変化させる構成としてもよいし、或いは、手や指の動きが検知されたことをトリガとして、光源114の色温度を継続的にアップまたはダウンさせていき、手や指が一旦操作部112(タッチレスセンサ115)から離された後、再び操作部112(タッチレスセンサ115)に近接されたことをトリガとして、光源114の色温度変化を停止させる構成としてもよい。後者の構成を採用する場合、手や指がいずれの方向に動かされたかに応じて、光源114の色温度を継続的にアップさせるかダウンさせるかを決定すればよい。
<オフィス照明への適用>
図42は、オフィス照明への適用例を示す模式図である。図42に示したように、一列に並べて配置されているデスクA〜D上に、直線状の照明機器100を設ける場合には、デスクA〜Dに対応する形で、照明機器100の筐体110を4つの区画110A〜110Dに区分し、それぞれにタッチレスセンサ115A〜115Dを設けることで、各区画毎に、点消灯制御、調光制御、及び、調色制御を個別に行い得るオフィス照明システムを構築することが望ましい。このような構成とすることにより、デスクA〜D毎の在席状況やユーザの嗜好に応じて、任意に照明機器100の駆動制御を行うことが可能となる。
なお、図37で示したアーム付きのタスクライトと異なり、天井や吊り戸棚の下面に、筐体110が据え付けられた照明機器100であれば、タッチレスセンサ115をアーム取付部113の近傍に設置する必要はなくなるので、例えば、図43に示すように、一列に並ぶ複数の光源114を2ブロックに分割しておき、その中間位置にタッチレスセンサ115を設けることも可能となる。
<天井照明への適用>
図44は、天井照明への適用例を示す模式図である。図44に示すように、照明機器100を天井照明として用いる場合、タッチレスセンサ115を筐体110から分離して、ユーザの手の届く範囲(壁面など)に取り付けることが望ましい。このような構成とすることにより、先に説明した通り、天井に据え付けられた照明機器100についても、タッチレスで駆動制御を行うことが可能となる。なお、壁面に設けられたタッチレスセンサ115から筐体110に設けられた制御部116(図44では不図示)への信号伝達経路としては、有線/無線のいずれも用いても構わない。
<タッチレスセンシング手法>
なお、上記では、タッチレスセンサ115として、先述の半導体装置1(外付けされる赤外センサ31〜33を含む)を用いた構成を例に挙げて説明を行ったが、タッチレスセンシングの手法については、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、イメージセンサを用いて画像認識処理を行う構成を採用しても構わない。
<LED照明システム>
図45、図46、および図53は、LED照明システムの一例を示している。本実施形態のLED照明システムXCは、複数のLED照明装置XB、カメラユニット270、および顔認識制御手段207を備えている。なお、図45および図46においては、理解の便宜上、顔認識制御手段207を省略している。LED照明システムXCは、たとえば、図45および図46に示すように、複数の書庫Acや閲覧机XDが配置された図書館において、閲覧者Vwが閲覧机XDにて書籍を閲覧するのに適した明るさを提供する。本実施形態においては、LED照明システムXCは、閲覧机XDの天板XDaを照らす機能と、閲覧机XD直上の天井Wを照らす機能とを備えている。図45に示すように、LED照明システムXCには、3つのLED照明装置XBと3つのカメラユニット270が備えられている。各LED照明装置XBと各カメラユニット270とは互いに対をなしている。
図47に示すように、LED照明装置XBは、複数のLEDユニットXA1,XA2および支持カバー201を備えている。LED照明装置XBは、たとえば図45および図46に示すように、閲覧机XDの上部に配置されており、天井Wと閲覧机XDの天面XDaとを照らすように構成されている。
支持カバー201は、全体として細長筒状とされており、図45および図46に示すように、x方向が長手方向となる姿勢で、閲覧机XDの上部に対して取り付けられている。図47および図48に示すように、支持カバー201は、1対の円弧部211および1対の中板部212を備えている。1対の円弧部211は、同一円の一部ずつに相当し、互いにy方向において離間している。円弧部211は、LEDユニットXA1からの光が意図しない方向に漏れることを防止するとともに、LED照明装置XBの外観をスマートな印象を抱かせるものとすることが期待されている。各中板部212は、各円弧部211から上記同一円の中心に向かってy方向に延びている。中板部212は、LEDユニットXA1,XA2を支持する部分である。
LEDユニットXA1,XA2は、ともに同一の構成とされており、図49に示すように、基板202、複数のLEDモジュール203、支持部材204、カバー205、第1および第2の電源部206A,206Bを備えている。さらに、LED照明装置XBに備えられた複数のLEDユニットXA1,XA2のうちの一つは、無線子機部281(図53を参照)を備えている。LEDユニットXA1,XA2は、x方向に延びる細長状であり、LED照明装置XBの発光機能を果たすユニットである。本実施形態においては、LEDユニットXA1,XA2は、x方向寸法が1227mm、y方向寸法が33mm、z方向寸法が30mmとされている。LED照明装置XBにおいては、図47および図48に示すように、z方向上側に複数のLEDユニットXA2が互いに平行に2列に配置されて、z方向下側に複数のLEDユニットXA1が1列に配置されている。上側の2列のLEDユニットXA2は、図45および図46における天井Wを照らし、下側の1列のLEDユニットXA1は、閲覧机XDの天面XDaを照らす。
基板202は、図49および図50に示すように、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする帯状であり、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる。本実施形態においては、基板202は、x方向寸法が204mm、y方向寸法が30mmとされており、1つのLEDユニットXA1,XA2に6枚の基板202が設けられている。1枚の基板202には、288個のLEDモジュール203が搭載されている。これらのLEDモジュール203に対して後述する給電を行うために、基板202は、積層基板とされている。図50に示すように、隣り合う基板202同士は、そのx方向端面同士がほとんど隙間を生じさせない程度に近接して配置されている。隣り合う基板202に形成された配線パターン(図示略)同士は、配線221によって互いに接続されている。
複数のLEDモジュール203は、LEDユニットXA1,XA2の光源となるモジュールであり、図50に示すように基板202上に2列に配置されている。本実施形態においては、複数のLEDモジュール203は、LEDモジュール203AとLEDモジュール203Bとによって構成されている。LEDモジュール203A,203Bは、発する光の波長が互いに異なっており、たとえばLEDモジュール203Aは、色温度5,000K程度のいわゆる昼白色を発し、LEDモジュール203Bは、色温度3,000K程度のいわゆる電球色を発する。図50の左側の部分拡大図に示すように、LEDモジュール203AとLEDモジュール203Bとは、x方向において交互に配置されている。さらに、たとえば図50の右側の部分拡大図に示された部分においては、図中左側の基板202の右端にはLEDモジュール203Bが搭載されており、図中右側の基板202の左端には、LEDモジュール203Aが搭載されている。これにより、LEDユニットXA1全体において、LEDモジュール203A,203Bがx方向において交互に配置されている。LEDユニットXA1には、LEDモジュール203AとLEDモジュール203Bとが432個ずつ搭載されており、合計で864個のLEDモジュール203が用いられている。LEDモジュール203A,203Bは、平面視寸法が4.0mm×2.0mm程度である。なお、このような構成と異なり、単一の波長の光を発するLEDモジュール203のみを備える構成としてもよい。
図51に示すように、LEDモジュール203A,203Bは、1対のリード231、LEDチップ232、封止樹脂233、およびリフレクタ234を備えている。1対のリード231は、たとえばCu合金からなり、その一方にLEDチップ232が搭載されている。リード231のうちLEDチップ232が搭載された面と反対側の面は、LEDモジュール203を面実装するために用いられる実装端子231aとされている。LEDチップ232は、LEDモジュール203の光源であり、たとえば青色光を発光可能とされている。封止樹脂233は、LEDチップ232を保護するためのものである。封止樹脂233は、LEDチップ232からの光によって励起されることにより黄色光を発する蛍光物質を含む透光樹脂を用いて形成されている。LEDモジュール203AとLEDモジュール203Bとでは、封止樹脂233の構成が異なる。この相違によって、LEDモジュール203Aからは昼白色が、LEDモジュール203Bからは電球色が、それぞれ発せられる。上記蛍光物質としては、黄色光を発するものに代えて、赤色光を発するものと緑色光を発するものとを混合して用いてもよい。リフレクタ234はたとえば白色樹脂からなり、LEDチップ232から側方に発された光を上方に反射するためのものである。
図49に示すように、支持部材204は、たとえばアルミ製であり、底部241、2つの側板部242、および2つの押さえ板246を有する断面コの字状である。底部241の外側には、基板202が取り付けられている。本実施形態においては、底部241と基板202とは、y方向寸法がほぼ同じとされている。2つの側板部242には、係止溝243,244が形成されている。係止溝243,244はx方向に延びており、y方向内方に窪んでいる。2つの押さえ板246は、側板部242の下端に取り付けられている。
カバー205は、図47に示すようにx方向に延びる断面円弧状の帯状であり、LEDモジュール203からの光を拡散しつつ透過するたとえば乳白色の樹脂からなる。図49に示すように、カバー205の両端縁には、係止片251,252が形成されている。係止片251,252は、いずれもx方向に延びており、y方向内方に向かって突出している。係止片251は、係止溝243と係合しており、係止片252は、係止溝244と係合している。
電源部206A,206Bは、ケース261、電源基板262および複数の電子部品263からなり、支持部材204に収容されている。ケース261は断面コの字状であり、たとえば金属製である。ケース261には、電源基板262が取り付けられている。図52に示すように、電源基板262は、長矩形状であり、複数の電子部品263が実装されている。複数の電子部品263は、例えば、コンデンサ263a、ダイオード263b、回路保護素子263c、ドライバIC263d、コイル263e、抵抗器263f、たとえばパワーMOSFETからなるトランジスタ263gなどである。電源部206A,206Bからは、図示しないコネクタが延びている。図49に示すように電源部206A,206Bは、それぞれのケース261が押さえ板246によって押さえられることによって支持部材204に対して固定されている。押さえ板246とケース261とは、たとえば図示しないボルトによって結合されている。
本実施形態においては、1つのLEDユニットXA1,XA2に2つずつの電源部206A,206Bが設けられている。各電源部206Aは、216個ずつのLEDモジュール203Aに対して電源供給を行い、各電源部206Bは、216個ずつのLEDモジュール203Bに対して電源供給を行う。各LEDモジュール203には、たとえば最大で電圧が3V程度、電流が20mA程度の直流電力が供給される。
無線子機部281は、たとえばIEEE802.15.4規格にしたがった物理層を有する無線通信デバイスである。本実施形態においては、無線子機部281は、直方体のケースに電子部品および基板などの構成要素(図示略)が内蔵された形態とされており、たとえばLEDユニットXA1,XA2の支持部材204およびカバー205に対してx方向において隣接する位置に配置されている。
図53に示すように、LED照明システムXCは、無線親機部282をさらに備えている。無線親機部282は、たとえばIEEE802.15.4規格にしたがった物理層を有する無線通信デバイスであり、無線子機部281との間で無線通信が可能に構成されている。無線親機部282は、データ入力手段としてのパーソナルコンピュータPCと接続可能である。パーソナルコンピュータPCからは、たとえば、1年間におけるLED照明装置XBの明るさおよび色合いを日時ごとに区別して入力される。無線親機部282は、内蔵したメモリ(図示略)にそのデータを記憶する。
無線親機部282からは、日時ごとの明るさおよび色合いにもとづいて、各LED照明装置XBに対して発光量指示無線信号を送信する。各LED照明装置XBの無線子機部281は、上記発光量指示無線信号を受信すると、電源部206A,206Bに対して発光量指示信号を送る。この発光量指示信号は、例えば電圧が5Vのパルス波形信号であり、電源部206A,206Bによって発光されるLEDモジュール203A,203Bそれぞれの発光時間率を指示するものである。これにより、LEDモジュール203A,203Bに対して、上記発光量指示無線信号にしたがっていわゆるPWM制御がなされる。
たとえば、あるLED照明装置XBに昼白色を発光させたいときには、LEDモジュール203Aの発光時間率を100%とする発光量指示信号を電源部206Aに送信し、LEDモジュール203Bの発光時間率を0%とする発光量指示信号を電源部206Bに送信する。一方、あるLED照明装置XBに電球色を発光させたいときには、LEDモジュール203Aの発光時間率を0%とする発光量指示信号を電源部206Aに送信し、LEDモジュール203Bの発光時間率を100%とする発光量指示信号を電源部206Bに送信する。このようなPWM制御により、LED照明装置xB(LEDユニットXA1,XA2)が発する光の色合いを昼白色から電球色の間で自在に調整可能である。なお、本実施形態においては、上記発光量指示無線信号による照度の調整及び点灯/消灯制御は、LEDユニットXA2に対してのみなされる。LEDユニットXA1に対する点灯/消灯制御は、後述するように、顔認識制御手段207による制御が優先される。
本実施形態では、1つのLED照明装置XBに1つの無線子機部281が設けられている。これは、1つのLED照明装置XBに備えられた複数のLEDユニットXA1,XA2は、同じ色合い、同じ照度で光らせるということを意味する。これとは異なり、1つのLED照明装置XBに複数の無線子機部281を設けることにより、LEDユニットXA1とLEDユニットXA2との色調を互いに異ならせることが可能である。また、無線子機部281および無線親機部282による無線通信に代えて、有線通信によってLED照明装置XBの色調を調整する構成としてもよい。さらに、色調を調整する機能を備えない構成としてもよい。
図45および図46に示すように、カメラユニット270は、閲覧机XDに取り付けられており、特定撮影領域Saを撮影する。本実施形態においては、カメラユニット270は、天板XDaのy方向奥方に設置されており、特定撮影領域Saが閲覧机XDに腰かけた閲覧者Vwの顔Fcを適切に捉えることが可能なように斜め上方を向く姿勢とさえている。図53に示すように、カメラユニット270は、顔認識制御手段207に接続されており、撮影によって得られた画像データが顔認識制御手段207に送られる。
顔認識制御手段207は、画像処理部271および制御部272を備えている。画像処理部271は、カメラユニット270から送られてきた画像データに対して、顔認識処理を行う。顔認識処理の概要の一例を挙げると、カラーあるいは白黒の階調を有する画像データに対して二値化処理を行う。次いで、二値化されたデータに対して輪郭抽出処理を行う。そして、蓄えられている形状データベースと照合することにより、顔Fcに含まれる目を抽出する。得られた目の形、大きさ、および2つの目の並び方などから、画像に顔Fcが含まれているか、その顔Fcがカメラユニット270に対して正対しているかを判断する。ただし、上述した顔認識処理はあくまで一例であり、様々な態様の顔認識処理を採用することができる。
制御部272は、画像処理部271の処理結果に基づいて、LED照明装置XBのLEDユニットXA1の点灯状態を制御する機能を果たすものであり、たとえばCPU、メモリ、インターフェースを備えている。図53は、1つずつのカメラユニット270、顔認識制御手段207、によって1つのLEDユニットXA1が制御される構成を説明の便宜として示している。図45および図46に示した構成は、3つのLEDユニットXA1を含んでおり、各々のLEDユニットXA1が図53に示した構成と同様に、個別のカメラユニット270の画像に基づいて個別の顔認識制御手段207によって点灯制御される。図54〜図61を参照しつつ、制御部272によるLEDユニットXA1の点灯状態制御の一例を以下に説明する。制御部272は、画像Imgに閲覧者Vwの顔Fcが正対している状態で写っているか否かによって、LEDユニットXA1の点灯状態を制御する。具体的には、閲覧者Vwの顔Fcが正対している場合にLEDユニットXA1を点灯させ、閲覧者Vwの顔Fcが正対していない場合にはLEDユニットXA1を消灯させる。
図54は、閲覧者Vwが、書庫Acと閲覧机XDとの間を歩行している状態を示している。この場合、カメラユニット270の画像Imgには、閲覧者Vwを側方から見た姿が写る。この画像Imgを画像処理部271によって画像処理すると、閲覧者Vwの顔Fcはカメラユニット270に正対しているとは判断されない。したがって、LEDユニットXA1は、消灯される。
図55は、閲覧者Vwが閲覧机XDの方を向いて立っている状態を示している。この場合、画像Imgには、閲覧者Vwの上半身が写る。この画像Imgを画像処理部271によって画像処理すると、閲覧者Vwの顔Fcが正対していると判断される。したがって、LEDユニットXA1が点灯される。
図56は閲覧者Vwが書庫Acの方を向いて立っている状態を示している。この場合、カメラユニット270の画像Imgには、閲覧者Vwを背後から見た姿が写る。この画像Imgを画像処理部271によって画像処理すると、閲覧者Vwの顔Fcはカメラユニット270に正対しているとは判断されない。したがって、LEDユニットXA1は、消灯される。なお、たとえば図55に示す状態から図56に示す状態になった場合、LEDユニットXA1は、点灯状態から消灯状態とされる。画像処理部271によって顔Fcが正対していないと判断した時からLEDユニットXA1を消灯するまでに一定時間を経過させる消灯タイマー機能を、制御部272に備えてもよい。
図57は、閲覧者Vwが閲覧机XDに着座して書籍を閲覧している状態を示している。この場合、画像Imgには、閲覧者Vwの顔Fcが比較的大きく写る。この画像Imgを画像処理部271によって画像処理すると、閲覧者Vwの顔Fcが正対していると判断される。したがって、LEDユニットXA1が点灯される。
図58は、閲覧者Vwが閲覧机XDから若干離れた位置に着座している状態を示している。たとえば閲覧者Vwが比較的リラックスした姿勢で書籍を閲覧する場合などが、この状態に相当する。この場合、画像Imgには、閲覧者Vwの顔Fcが比較的小さく写る。この画像Imgを画像処理部271によって画像処理すると、閲覧者Vwの顔Fcが正対していると判断される。したがって、LEDユニットXA1が点灯される。
図59は閲覧者Vwが書庫Acの方を向いて座っている状態を示している。この場合、カメラユニット270の画像Imgには、閲覧者Vwの後頭部が写る。この画像Imgを画像処理部271によって画像処理すると、閲覧者Vwの顔はカメラユニット270に正対しているとは判断されない。したがって、LEDユニットXA1は、消灯される。上述したように、制御部272に消灯タイマー機能を発揮させることにより、消灯までに一定時間を経過させてもよい。
図60は、閲覧者Vwが存在しない状態を示している。この場合、カメラユニット270の画像Imgには、閲覧者Vwはまったく写らない。この画像Imgを画像処理部271によって画像処理しても、閲覧者Vwの顔Fcはカメラユニット270に正対しているとは判断されない。したがって、LEDユニットXA1は、消灯される。
図61は閲覧机XDの天板XDaに荷物Lgが置かれた状態を示している。この場合、カメラユニット270の画像Imgには、荷物Lgのみが写り、閲覧者Vwは写らない。この画像Imgを画像処理部271によって画像処理しても、閲覧者Vwの顔Fcはカメラユニット70に正対しているとは判断されない。したがって、LEDユニットXA1は消灯される。
次に、LED照明システムXCの作用について説明する。
本実施形態によれば、閲覧机XDの天板XDaを照らすLEDユニットXA1を、閲覧者Vwが明るさを必要とするときに適切に点灯させることが可能であり、閲覧者Vwが明るさを必要としないときに消灯することが可能である。このため、閲覧者Vwが快適に閲覧できる環境を提供しつつ、無駄な電力を消費しないことにより省電力を促進することができる。特に、複数の閲覧机XDが並べられている場合、閲覧者Vwが正対している閲覧机XDの隣の閲覧机XDを照らすためのLEDユニットXA1が不当に点灯してしまうことを適切に回避可能である。
たとえば、比較例として、体温などを検出する焦電センサ、反射型の赤外線センサ、遮断型の赤外線センサ、超音波距離センサによる点灯および消灯制御機能を備えたLED照明システムを挙げる。これらのセンサを用いた場合、図54、図56、図59など、閲覧者Vwが閲覧机XDの方を向いていない場合であっても、LEDユニットXA1が不当に点灯してしまう。また、閲覧者Vwが正対している閲覧机XDの隣の閲覧机XDなど、閲覧者Vwが正対していない閲覧机XDの天板XDaが無駄に照らされてしまうおそれがある。さらに、反射型の赤外線センサ、遮断型の赤外線センサ、超音波距離センサによる点灯および消灯制御機能を備えた構成の場合、図61に示すように荷物Lgなどの単なる物体が特定撮影領域Saに存在した場合でさえ、LEDユニットXA1を点灯させてしまうという不具合がある。本実施形態のLED照明システムXCによれば、これらの構成に生じうる不具合を解消することができる。
LEDモジュール203A,203Bを発光時間率によって制御することにより、LEDユニットXA1,XA2から発する光の色合いを、昼白色から電球色の間で任意に設定することが可能である。また、同様に、LEDユニットXA2の輝度を、0から最大光量までの間で任意に設定可能である。これにより、設置場所や日時によって求められる色合いおよび輝度の光によって天井Wを照らすことができる。
昼白色のLEDモジュール203Aと電球色のLEDモジュール203Bとが、x方向において交互に配置されていることにより、LEDモジュール203A,203Bそれぞれから発せられた光の混色を促進可能である。これにより、LEDユニットXA1,XA2(LED照明装置XB)を見る者が、電球色の色合いで光る部分と昼白色の色合いで光部分とを別々に認識してしまうことを抑制可能であり、カバー205を透して均一に発光しているような外観を実現することができる。
比較的熱伝導率が高いアルミからなる支持部材204に基板202を取り付けていることにより、LEDモジュール203A,203Bからの熱を、基板202を介して支持部材204へと良好に伝達することが可能である。支持部材204は、断面コの字状であることにより、その表面積が比較的大である。これは、放熱効率を高めるのに有利である。放熱効率の向上により、LEDモジュール203A,203Bの劣化を抑制することができる。
LEDユニットXA1,XA2は、全体として細長状のシンプルな形状であるにもかかわらず、光源であるLEDモジュール203A,203B、給電手段である電源部206A,206Bなどが内蔵されている。このため、支持カバー201に対して、上向きや下向き、2列、1列など、比較的多彩な姿勢でLEDユニットXA1,XA2を搭載することが可能である。これにより、LED照明装置XBは、天井Wと事務机XDの天面XDaとを照らすことが可能であり、しかも全体として煩雑な形状とはなっておらず、すっきりとした外観を呈している。
無線子機部281および無線親機部282を備えた構成によれば、たとえば有線を用いた照明システムと比較して、配線の煩わしさがない、LED照明装置XBの設置場所の制約が少ないなどの利点がある。
ただし、LED照明システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。LED照明システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
<動き検出と顔検出との組み合わせ>
図62は、動き検出と顔検出との組み合わせ例を示す模式図であり、動き検出機能を実現するためのタッチレスセンサ115を備えたオフィス照明システム(図42を参照)をベースとして、さらに顔検出機能を実現するためのカメラユニット117を付加した構成である。なお、図62では、タッチレスセンサ115とカメラユニット117を異なる位置に設けた構成が描写されているが、両者の位置については同一であっても構わない。
図62に示したように、一列に並べて配置されているデスクA〜D上に、直線状の照明機器100を設ける場合には、デスクA〜Dに対応する形で、照明機器100の筐体110を4つの区画110A〜110Dに区分し、それぞれにタッチレスセンサ115A〜115Dとカメラユニット117A〜117Dを設けることで、各区画毎に、点消灯制御、調光制御、及び、調色制御を個別に行い得るオフィス照明システムを構築することが望ましい。このような構成とすることにより、デスクA〜D毎の在席状況やユーザの嗜好に応じて、任意に照明機器100の駆動制御を行うことが可能となる。
例えば、区画110A〜110D毎の点消灯制御については、カメラユニット117A〜117Dを用いた顔検出(ユーザが正対しているか否か)に応じて実行する一方、区画110A〜110D毎の調光制御や調色制御については、タッチレスセンサ115A〜115Dを用いた動き検出(ユーザが所定動作を行ったか否か)に応じて実行する、といった利用形態が考えられる。
また、ユーザがデスクA〜Dに正対している場合でも、デスクA〜D上に荷物が置かれているなどして、カメラユニット117A〜117Dでユーザの顔を撮影できない場合もあり得る。その場合には、タッチレスセンサ115A〜115Dを用いた動き検出に応じて、区画110A〜110D毎の点消灯制御を行うことも可能である。
<その他の変形例>
本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。