JP5757250B2 - 車両用内装材 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用内装材に関する。
従来、基材、発泡樹脂層、表皮材が一体的に成形された車両用内装材が知られている(下記特許文献1)。特許文献1に記載の車両用内装材は、表皮材を成形した後で表皮材の裏面に発泡性樹脂材料を射出することで発泡樹脂層を成形する構成となっている。また、特許文献1に記載の表皮材は、一対の表皮ピースが縫製されることで構成されている。
特開平04−105910号公報
ところで、基材、発泡樹脂層、表皮材が一体的に成形された車両用内装材の製造方法としては、所定の製品形状に成形された表皮材と基材とを重ね合わせた状態で、両部材の間に生じた空間に発泡性樹脂材料を射出する方法も知られている。これにより、基材と表皮材との間に発泡樹脂層を介在させることができるから、発泡樹脂層の表面に表皮材を貼り付ける作業を削減することができる。
このような製造方法においては、表皮材と基材の間から発泡性樹脂材料が外部に漏れる事態を防ぐ必要がある。このため、表皮材の周端部を車両用内装材の内側に折り返すとともに基材に当接させた状態で発泡性樹脂材料を射出する方法が知られている。これにより、発泡性樹脂材料が発泡した際の内圧によって、表皮材の周端部が基材側に押圧される結果、表皮材の周端部と基材との間に隙間が生じる事態を防止でき、発泡性樹脂材料が外部に漏れる事態を防ぐことができる(いわゆるセルフシール構造)。
ここで、上記特許文献1のような一対の表皮ピースが縫製された表皮材においては、その縫製ラインに沿って、溝部が生じることとなる。これにより、溝部の形成箇所においては、表面の平坦性が確保できないため、表皮材と基材の間に隙間が生じてしまう。その結果、その隙間(つまり溝部内)を通って発泡性樹脂材料が外部に漏れてしまうことが懸念される。このため、一対の表皮ピースが縫製された表皮材においては、上記セルフシール構造を用いた成形方法を適用することができないという問題点があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、互いに縫製された一対の表皮ピースを有する表皮材を用いた場合であっても、基材と表皮材との間に発泡性樹脂材料を射出する方法で成形することが可能な車両用内装材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用内装材は、基材と、前記基材の表面を覆う形で配される発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層を覆う形で配される表皮材とが一体的に成形されてなる車両用内装材であって、前記表皮材は、少なくとも一対の表皮ピースを有し、前記一対の表皮ピースの表面同士を互いに重ね合わせ、それらの端部を揃えた状態で縫い合わせた後、前記一対の表皮ピースを互いに反対方向に開いて広げた形状をなしており、前記一対の表皮ピースの表面の各々によって形成された溝部を有するものとされ、さらに、前記表皮材は、前記発泡樹脂層の表面を覆う表皮材本体部と、前記発泡樹脂層の裏面における周端部を覆う形で前記表皮材本体部に対して折り返された表皮材周端部と、を有し、前記表皮材周端部は、前記基材の前記表面と前記発泡樹脂層の前記周端部に挟まれるとともに、前記基材の前記表面に対して接触されており、前記表皮材周端部には、前記溝部の少なくとも一部が前記基材から遠ざかる方向に凹む形で配されており、前記溝部の内面と前記基材の前記表面の間に形成される隙間を埋める形で、多孔質の軟質材が配されていることに特徴を有する。
本発明の車両用内装材を成形するには、次のようにする。まず、成形型において表皮材を所定の形状に成形した後、表皮材と基材を重ねる形で配置する。この時、表皮材周端部と基材の表面とが接触するようにする。そして、表皮材と基材との間に生じた空間(発泡樹脂層成形空間)に溶融状態の発泡性樹脂材料を射出する。その後、発泡性樹脂材料が発泡、冷却することで発泡樹脂層が成形される結果、基材と、発泡樹脂層と、表皮材とが一体的に成形される。
ここで、発泡樹脂層成形空間内で発泡性樹脂材料が発泡する際には、発泡樹脂層成形空間内の圧力が高くなる。この圧力(発泡圧)により、表皮材周端部が基材の表面に押し付けられる(セルフシール構造)。これにより、表皮材周端部と基材の表面との間に隙間が生じる事態を抑制でき、発泡性樹脂材料が当該隙間から発泡樹脂層成形空間の外部に漏れることがない。
本発明では、一対の表皮ピースを縫製することで表皮材が形成されている。これにより、表皮材における一対の表皮ピースの縫製ラインに沿って、溝部が形成されている。このため、溝部の形成箇所では、表皮材周端部と基材の表面の間に隙間が生じる事態が懸念される。しかしながら、本発明では、溝部の内面と基材の表面の間に形成される隙間を埋める形で、多孔質の軟質材が配されている。
この結果、発泡樹脂層を成形する際において、発泡樹脂層を構成する発泡性樹脂材料は、溝部においては、軟質材によって、外部への流れが遮断され、外部に漏れる事態が抑制される。より正確には、発泡性樹脂材料の一部は、多孔質の軟質材の内部に浸み込み、その内部において流れが停止する。また、軟質材は多孔質であるから、発泡性樹脂材料が発泡する際には、発泡樹脂層成形空間内の空気は、軟質材の内部を通過して外部に出ることができる。これにより、成形後の発泡樹脂層の中にボイド(気泡)が発生する事態を抑制できる。
以上のことから、本発明においては、表皮材が一対の表皮ピースを縫製することで形成されたものを用いて発泡樹脂層を射出成形した場合において、発泡性樹脂材料が外部に漏れる事態を防止できる。言い換えると、本発明の車両用内装材は、基材と表皮材との間に発泡性樹脂材料を射出する方法で成形することができる。
上記構成において、前記軟質材は、前記溝部に嵌合される被嵌合部材と、前記被嵌合部材を覆うとともに、前記溝部の開口を覆う形で配される被覆部材と、を備えるものとすることができる。
本発明では、溝部に被嵌合部材を嵌合させるとともに、溝部の開口を被覆部材で覆う構成としてある。これにより、被嵌合部材によって、表皮材周端部における溝部を塞ぐとともに、被覆部材によって、表皮材周端部の表面の平坦性を確保することができる。この結果、表皮材周端部と基材との間に隙間が生じる事態をより一層確実に抑制できる。
本発明によれば、互いに縫製された一対の表皮ピースを有する表皮材を用いた場合であっても、基材と表皮材との間に発泡性樹脂材料を射出する方法で成形することが可能な車両用内装材を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るグローブボックスを示す斜視図 図1のグローブボックスを示す分解斜視図 表皮材周端部と基材の配置構成を示す斜視図 表皮材周端部を示す斜視図 図4の状態から、溝部に被嵌合部材を嵌合させた状態を示す斜視図 図5の状態から、表皮材周端部に被覆部材を貼り付けた状態を示す斜視図 図1のグローブボックスを製造する成形型を示す断面図(型開き状態) 図1のグローブボックスを製造する成形型を示す断面図(型閉じ状態) 図8の状態から、表皮材と基材の間に発泡性樹脂材料を射出した状態を示す断面図 表皮材周端部付近を拡大して示す断面図(図11のA−A線で切断した図) 表皮材周端部付近を拡大して示す断面図(図6のB−B線で切断した図)
本発明の一実施形態を図1ないし図11によって説明する。図1は、本実施形態の車両用内装材であるグローブボックス10(より正確には、グローブボックスにおける蓋部)を裏側から視た斜視図である。グローブボックス10は、車両においてインストルメントパネル(図示せず)に設けられ、図1に示すように平面視略方形状をなしている。
グローブボックス10は、図2に示すように、基材20と、基材20の表面20Aを覆う形で配される発泡樹脂層30と、発泡樹脂層30を覆う形で配される表皮材40とが一体的に成形されることで構成されている。なお、図2においては、グローブボックス10の一部を断面視にて図示してある。
基材20は、例えば、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料によって形成されている。基材20は、平面視方形状をなし、その周端部(周囲4辺)が、表皮材40から遠ざかる方向に低い段差部21とされる(図2参照)。この段差部21には、表皮材40の周端部(表皮材周端部42、詳しくは後述)が配置される構成となっている(図9参照)。言い換えると、基材20は、その中央部が発泡樹脂層30側に突き出す凸形状をなしている。
発泡樹脂層30は、例えば、発泡ウレタンとされる。発泡樹脂層30は、その中央部が基材20の凸形状に対応して凹む凹部31とされ、その凹部31に基材20の中央部が嵌合される構成となっている。この発泡樹脂層30は、表皮材40と基材20とを重ねた状態で、表皮材40と基材20との間の空間(発泡樹脂層成形空間S1)に発泡性樹脂材料を射出し、発泡させることで形成されたものである(詳しくは後述)。
表皮材40は、例えば、牛革等の獣皮(本革)で形成されており、図2に示すように、一対の表皮ピース45,46を縫製することで形成されている。なお、表皮材40は、少なくとも2枚以上の表皮ピースを縫製することで形成されるものであればよく、例えば、3枚以上の表皮ピースを縫製してなるものであってもよい。
一対の表皮ピース45,46は、図4に示すように、その表面(意匠面)同士を重ね合わせた後、それらの端部を揃えた状態で縫い糸47によって縫い合わせることで縫製されている。そして、縫い合わされた一対の表皮ピース45,46は、図4に示すように、互いに反対方向に開いて広げられている。
これにより、一対の表皮ピース45,46の両面に囲まれた部分は略V字状をなす溝部50とされる。つまり、この溝部50は、一対の表皮ピース45,46における互いの対向面によって形成され、一対の表皮ピース45,46の縫製ラインに沿って延びるものとされる。
また、図11に示すように、溝部50は、グローブボックス10の内側に凹む形状をなしている。なお、一対の表皮ピース45,46の重ね合わせ部(縫い代部)には、例えば、ホットメルトテープ70が貼着されており、一対の表皮ピース45,46間の縫い糸47による孔を塞ぐ構成となっている。なお、ホットメルトテープ70は、図11のみに図示してあり、図10では図示省略してある。
表皮材40は、図2に示すように、発泡樹脂層30の表面(意匠面側、グローブボックス10における車室内側)を覆う表皮材本体部41と、表皮材本体部41の周端部から延び、発泡樹脂層30の側面を覆う表皮材側面部43と、表皮材側面部43の周端部から延び、発泡樹脂層30の裏面における周端部32を覆う形で表皮材本体部41に対して折り返された表皮材周端部42と、を有している。
言い換えると、表皮材周端部42は、その先端がグローブボックス10の内側に向かう形で折り返されている。表皮材周端部42は、図9に示すように、基材20の表面20A(基材20の周端部、段差部21の底面)と発泡樹脂層30の周端部32に挟まれており、基材20の表面20Aに対して接触されている。
また、表皮材周端部42は、図2に示すように、平面視方形状をなす表皮材40の全周に亘って延びる形で形成されている。これにより、表皮材40は、その周端部の全周に亘って、基材20の周端部と接触する構成となっている。これにより、グローブボックス10の成形時において、表皮材40と基材20の間(発泡樹脂層成形空間S1)に、発泡樹脂層30を構成する発泡性樹脂材料が射出された際には、この発泡性樹脂材料が外部に漏れることがない(詳しくは後述)。
上述した溝部50は、例えば、表皮材本体部41、表皮材周端部42、表皮材側面部43に亘って延びる形で形成されており、発泡樹脂層30側に突き出す形で配される。ここで、表皮材周端部42においては、図3及び図11に示すように、溝部50が基材20から遠ざかる方向に凹む形で配される。このため、溝部50の内面50Aと基材20の表面20A(基材20において表皮材40で覆われる側の面)の間には、隙間が形成される。本実施形態では、図11に示すように、溝部50の内面50A(一対の表皮ピース45,46の各表面の一部)と基材20の表面20Aの間に形成される隙間を埋める形で、シール部材として軟質材52が配されている。
軟質材52は、多孔質のものとされ通気性を有している。軟質材52は、図11に示すように、溝部50に嵌合される被嵌合部材53と、被嵌合部材53を覆う形で配される被覆部材54から構成されている。被嵌合部材53は、例えば、多孔質の軟質樹脂材料(例えばスラブウレタンの発泡体)とされる。被嵌合部材53は、図10に示すように、溝部50の延設方向に沿って長い形状をなしており、自然状態(被覆部材54に覆われる前の状態)では、図5に示すように、直方体形状をなしている。
被覆部材54は、例えば、シート状をなす多孔質の不織布とされる。図11に示すように、被嵌合部材53は、溝部50内においては、被覆部材54に覆われることで、被覆部材54と溝部50の内面によって押し潰された状態で配置されている。これにより、被嵌合部材53は、溝部50内においては、溝部50の形状に倣った断面視略三角形状をなすとともに、溝部50の内面50Aに対して密着されている。
より具体的には、被嵌合部材53における2つの側面53Aが、溝部50の内面50A(一対の表皮ピース45,46の各表面の一部)とそれぞれ隙間なく接触する形で配されている。また、被嵌合部材53の側面53Aは、溝部50の内面50Aに対して、接着剤を介して接着されている。なお、被嵌合部材53における2つの側面53Aのうち、少なくとも一方の面のみが溝部50の内面50Aに対して接着されている構成であってもよい。
被覆部材54は、図5及び図6に示すように、溝部50の開口を覆う形で一対の表皮ピース45,46の双方に貼り付けられている。具体的には、被覆部材54は、図10に示すように、溝部50の開口を基材20側(図10の上側)から覆う第1被覆部56と、溝部50の開口を発泡樹脂層30側(図10の左側)から覆う第2被覆部58と、を備えている。なお、被覆部材54の端末部分(第1被覆部56及び第2被覆部58以外の部分)は、図10に示すように、表皮材周端部42における裏面(図10における下側の面)に貼り付けられている。
第1被覆部56は、図6及び図11に示すように、その表面が一対の表皮ピース45,46の各表面とほぼ面一をなす形で貼り付けられている。このように、溝部50を第1被覆部56で覆うことで、表皮材40の表面と第1被覆部56の表面の平坦性を維持することができる。この結果、基材20と表皮材40、及び基材20と第1被覆部56との間に隙間が生じる事態をより確実に防止することができる(図11参照)。
第2被覆部58は、溝部50と発泡樹脂層30の間に介在される形で配されている。なお、図11においては、発泡樹脂層30が形成される前の状態の第2被覆部58を2点鎖線で図示してある。
また、図10に示すように、被嵌合部材53の長手方向(図10の左右方向)における長さは、例えば、被嵌合部材53が基材20の周端部に完全に覆われる程度の長さで設定されることが好ましい。これにより、被嵌合部材53が、基材20に隠蔽されることとなり、被嵌合部材53が視認されることを防止できるため、意匠性をより高くすることができる。なお、被嵌合部材53の長さや形状は、適宜変更可能である。
次に、グローブボックス10を製造する成形型60について説明する。本実施形態における成形型60は、図7に示すように、一対の型(上型61及び下型65)と、下型65に対してスライド可能に取り付けられたスライド型68と、を備えている。
下型65における上型61との対向面65Aは、表皮材40を所定の形状に成形する成形面とされる。対向面65Aには、複数の吸引孔66が形成されており、各吸引孔66には、真空ポンプなどの減圧吸引装置(図示せず)が接続されている。
これにより、表皮材40を下型65にセットした状態で、減圧吸引装置を作動させることで、各吸引孔66を介して表皮材40に対して負圧を与えることが可能な構成となっている。これにより、表皮材40を吸引することで、表皮材40を下型65における対向面65Aに密着させることができ、表皮材40を対向面65Aの形状に倣った所定の形状に成形することができる(真空引き)。
上型61における下型65との対向面61Aは、基材20の裏面形状に対応した形状とされる。上型61の内部には、基材20を吸引可能な吸引装置62が設置されている。この吸引装置62は、例えば、ベンチュリー効果によって負圧を発生させる構成のものとされ、吸引装置62を作動させることで、基材20を吸引して対向面61Aに固定することができる。
上型61は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダなど)によって、下型65(固定型)に対して接近又は離間が可能な可動型とされる。上型61を下型65に対して接近させることで型閉じが可能な構成とされ、離間させることで型開きが可能な構成となっている。
スライド型68(入れ子型)は、表皮材40における表皮材周端部42の形状(内側に折り返された形状)を保持するためのもので、スライド型68の先端部が表皮材周端部42の基端側を上方から覆う構成となっている。このスライド型68は、下型65に取り付けられ、下型65に対する上型61の移動方向とは直交する方向にスライド移動可能な構成とされる。
上型61に基材20、下型65に表皮材40をそれぞれ配置した状態で、上型61及び下型65を型閉じすると、図8に示すように、基材20の周端部(段差部21)と、表皮材周端部42とが全周に亘って重なる構成となっている。これにより、表皮材40と基材20との間に閉じた空間(発泡樹脂層成形空間S1)が形成される。この発泡樹脂層成形空間S1には、成形型60に設けられた射出装置(図示せず)から、発泡性樹脂材料を射出することが可能な構成となっている。
次に、成形型60を用いたグローブボックス10の製造方法について説明する。まず、図7に示すように、上型61及び下型65が型開きされた状態で、下型65に軟質材52が貼り付けられた状態の表皮材40を配置し、上型61に基材20を配置する。そして、下型の減圧吸引装置を作動させることで、表皮材40を、表皮材周端部42を有する所定の製品形状(対向面65Aに倣った形状)に成形する(真空成形工程)。
なお、基材20は、上型61に配置される前の工程で所定の製品形状に成形されている。また、基材20の表面20Aには、発泡樹脂層30との接着力が高くなるように予め火炎処理などの表面処理が施されていてもよい。
次に、図8に示すように、上型61及び下型65を型閉じする(型閉じ工程)。これにより、表皮材周端部42と基材20の周端部(段差部21)とが接触する。なお、溝部50の形成箇所においては、軟質材52を介して、表皮材周端部42と基材20とが接触する。これにより、表皮材40と基材20との間に閉じた空間である発泡樹脂層成形空間S1が形成される。
次に、図示しない射出装置から、溶融状態とした発泡性樹脂材料(例えば、発泡剤が添加されたウレタン樹脂)を、発泡樹脂層成形空間S1に射出し、充填させる(発泡樹脂層成形工程)。この時、射出された発泡性樹脂材料が発泡樹脂層成形空間S1内で発泡すると、この発泡圧によって、表皮材周端部42が基材20側(図9の上側)に押し付けられる。これにより、表皮材周端部42と基材20の表面20Aとの間に隙間が生じる事態を抑制でき、発泡性樹脂材料が当該隙間から発泡樹脂層成形空間S1の外部に漏れることがない(セルフシール構造)。
その後、射出された発泡性樹脂材料が冷却することで発泡樹脂層30が成形され、表皮材40及び基材20に対して発泡樹脂層30がそれぞれ接合された状態となる。これにより、表皮材40、発泡樹脂層30、基材20が一体化されたグローブボックス10が成形される。発泡樹脂層30の冷却後、上型61及び下型65を型開きするとともに、スライド型68を上型61及び下型65から遠ざかる方向にスライドさせることで、グローブボックス10を取り出すことができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態のグローブボックス10は、基材20と、基材20の表面20Aを覆う形で配される発泡樹脂層30と、発泡樹脂層30を覆う形で配される表皮材40とが一体的に成形されてなるグローブボックス10であって、表皮材40は、少なくとも一対の表皮ピース45,46を有し、一対の表皮ピース45,46の表面同士を互いに重ね合わせ、それらの端部を揃えた状態で縫い合わせた後、一対の表皮ピース45,46を互いに反対方向に開いて広げた形状をなしており、一対の表皮ピース45,46の表面の各々によって形成された溝部50を有するものとされ、さらに、表皮材40は、発泡樹脂層30の表面を覆う表皮材本体部41と、発泡樹脂層30の裏面における周端部32を覆う形で表皮材本体部41に対して折り返された表皮材周端部42と、を有し、表皮材周端部42は、基材20の表面20Aと発泡樹脂層30の周端部32に挟まれるとともに、基材20の表面20Aに対して接触されており、表皮材周端部42には、溝部50の少なくとも一部が基材20から遠ざかる方向に凹む形で配されており、溝部50の内面50Aと基材20の表面20Aの間に形成される隙間を埋める形で、多孔質の軟質材52が配されていることに特徴を有する。
本実施形態では、一対の表皮ピース45,46を縫製することで表皮材40が形成されている。これにより、表皮材40における一対の表皮ピース45,46の縫製ラインに沿って、溝部50が形成されている。このため、溝部50の形成箇所では、表皮材周端部42と基材20の表面20Aの間に隙間が生じる事態が懸念される。しかしながら、本実施形態では、溝部50の内面50Aと基材20の表面20Aの間に形成される隙間を埋める形で、多孔質の軟質材52が配されている。
この結果、発泡樹脂層30を成形する際において、発泡樹脂層30を構成する発泡性樹脂材料が発泡した際には、溝部50においては、軟質材52(被嵌合部材53及び被覆部材54)によって、発泡性樹脂材料の外部への流れ(図10において矢線P1で示す)が遮断され、外部に漏れる事態が抑制される。より正確には、発泡性樹脂材料の一部は、多孔質の軟質材52の内部に浸み込み、その内部において流れが停止する。また、軟質材52は多孔質であるから、発泡性樹脂材料が発泡する際には、発泡樹脂層成形空間S1内の空気は、軟質材52を通過して外部に出ることができる。これにより、成形後の発泡樹脂層30にボイド(気泡)が発生する事態を抑制できる。
以上のことから、本実施形態においては、表皮材40が一対の表皮ピース45,46を縫製することで形成されたものを用いて発泡樹脂層30を射出成形した場合において、発泡性樹脂材料が外部に漏れる事態を防止できる。言い換えると、本実施形態のグローブボックス10は、基材20と表皮材40との間に発泡性樹脂材料を射出し、充填させることで成形することができる。
従来、表皮材が本革の場合には、発泡樹脂層を成形した後、その表面に対して、手作業で表皮材を貼り付けていた。このような貼り付け作業は、発泡樹脂層の表面形状(立体形状)に合わせて、表皮材に皺などが生じないように留意して行う必要があり、作業者の熟練を要する難易度の高い作業であった。この点、本実施形態の構成とすれば、本革のような、一対の表皮ピース45,46を縫製することで形成された表皮材40を用いた場合においても、表皮材40を手作業で貼り付ける必要がなく、生産性をより高くすることができる。
また、軟質材52は、溝部50に嵌合される被嵌合部材53と、被嵌合部材53を覆うとともに、溝部50の開口を覆う形で配される被覆部材54と、から構成されている。
本実施形態では、溝部50に被嵌合部材53を嵌合させるとともに、溝部50の開口を被覆部材54で覆う構成としてある。これにより、被嵌合部材53によって、表皮材周端部42における溝部50を塞ぐとともに、被覆部材54によって、表皮材周端部42の表面の平坦性を確保することができる。この結果、表皮材周端部42と基材20との間に隙間が生じる事態をより一層確実に抑制できる。
また、本実施形態では、表皮材周端部42をグローブボックス10の内側に折り返す構成としてある。このため、表皮材40の端末処理(例えば、余剰部分の切断処理など)が不要となり、生産性をより高くすることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、車両用内装材としてグローブボックス10を例示したが、これに限定されない。車両用内装材としては、基材、発泡樹脂層、表皮材を備えたものであればよく、その形状や用途は適宜変更可能である。例えば、車両用内装材として、センターコンソールの蓋部材などを例示することができる。
(2)基材20、発泡樹脂層30、表皮材40の材質は、上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。
(3)一対の表皮ピース45,46の縫製箇所、すなわち、表皮材40における溝部50の形成箇所は適宜変更可能である。例えば、表皮材40の角部に溝部(図2の2点鎖線で示し、符号150を付す)が形成されていてもよい。
(4)上記実施形態では、軟質材52が、被嵌合部材53と被覆部材54から構成されているものを例示したが、これに限定されない。例えば、軟質材52として、被嵌合部材53のみを備えるものであってもよい。しかしながら、被嵌合部材53と被覆部材54の双方を備えることで、より確実に発泡性樹脂材料を遮断することができる。
10…グローブボックス(車両用内装材)、20…基材、20A…基材の表面、30…発泡樹脂層、32…発泡樹脂層の裏面における周端部、40…表皮材、41…表皮材本体部、42…表皮材周端部、45,46…一対の表皮ピース、50…溝部、50A…溝部の内面(一対の表皮ピースの表面の一部)、52…軟質材、53…被嵌合部材、54…被覆部材

Claims (2)

  1. 基材と、前記基材の表面を覆う形で配される発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層を覆う形で配される表皮材と、が一体的に成形されてなる車両用内装材であって、
    前記表皮材は、少なくとも一対の表皮ピースを有し、前記一対の表皮ピースの表面同士を互いに重ね合わせ、それらの端部を揃えた状態で縫い合わせた後、前記一対の表皮ピースを互いに反対方向に開いて広げた形状をなしており、前記一対の表皮ピースの表面の各々によって形成された溝部を有するものとされ、
    さらに、前記表皮材は、前記発泡樹脂層の表面を覆う表皮材本体部と、前記発泡樹脂層の裏面における周端部を覆う形で前記表皮材本体部に対して折り返された表皮材周端部と、を有し、
    前記表皮材周端部は、前記基材の前記表面と前記発泡樹脂層の前記周端部に挟まれるとともに、前記基材の前記表面に対して接触されており、
    前記表皮材周端部には、前記溝部の少なくとも一部が前記基材から遠ざかる方向に凹む形で配されており、前記溝部の内面と前記基材の前記表面の間に形成される隙間を埋める形で、多孔質の軟質材が配されていることを特徴とする車両用内装材。
  2. 前記軟質材は、
    前記溝部に嵌合される被嵌合部材と、
    前記被嵌合部材を覆うとともに、前記溝部の開口を覆う形で配される被覆部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装材。
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