JP5754280B2 - 電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自身の内外を連通する貫通孔を有する電池ケースと、この電池ケース内に収容された電極体とを備え、電池ケースの貫通孔を気密に封止してなる電池、及び、この電池の製造方法に関する。
従来より、電解液を注入するための注液孔などの貫通孔が設けられた電池ケースと、この電池ケース内に収容された電極体とを備え、電池ケースの貫通孔を気密に封止した電池が知られている。そして、この貫通孔を封止する封止構造として、種々の構造を用いた電池が提案されている。例えば特許文献1〜4には、樹脂栓部と金属蓋部とを有する封止部材で貫通孔を封止する形態の密閉型電池が開示されている。ここで、樹脂栓部は、電池ケースの貫通孔に圧入されており、これ自身で貫通孔を気密に封止している。一方、金属蓋部は、樹脂栓部による封止をより確実なものとするため、樹脂栓部を電池外部から覆いつつ、樹脂栓部を押圧した状態で、その周囲を散点状に溶接するなどして、電池ケースに接合されている。
特開2009−87659号公報 特開2008−41548号公報 特開2005−190689号公報 特開2001−313022号公報
特許文献1〜4に記載の密閉型電池では、樹脂栓部自身で貫通孔を密栓している。しかしながら、樹脂栓部は、樹脂でできており経時的に劣化するため、樹脂栓部と貫通孔との間の気密性は経時的に低下する。特に、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車載用の電池は、例えば10年以上の長期間にわたって使用されるため、この経時劣化による気密性の低下が懸念される。
一方、金属蓋部は、電池ケースに溶接などで接合され、樹脂栓部による封止を確実なものとしている。
しかるに、特許文献1などでは、金属蓋部は電池ケースに、気密に溶接してはいないので、樹脂栓部が経時劣化したときには、そのまま気密性が低下することとなる。
そこで、樹脂栓部が経時劣化して気密性が低下しても問題がないように、更に金属蓋部を電池ケースに気密に全周溶接などにより接合しておくことが考えられる。
しかしながら、このようにした電池では、製造直後には樹脂栓部がまだ劣化しておらず、樹脂栓部においても気密性が保たれている。このため、もし、金属蓋部と電池ケースとの接合不良による封止不良が生じていたとしても、金属蓋部と電池ケースの間から漏れ出す気体を検知するなどして、金属蓋部の封止不良を検査することができない。
従って、このような構成の電池では、金属蓋部と電池ケースとの間の気密性を確認できなかった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、電池ケースの貫通孔を封止する封止部材と電池ケースとの間の気密性を適切に検査できる電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
その態様は、金属からなり、自身の内外を貫通する貫通孔を有する電池ケースと、上記電池ケース内に収容された電極体と、金属からなり、上記貫通孔を外部から覆い、上記電池ケースのうち、上記貫通孔の周縁に位置する貫通孔周縁部に固着して、上記貫通孔を気密に封止する外側封止部材と、上記外側封止部材と上記電池ケースの上記貫通孔周縁部との間の封止空間内に配置され、上記貫通孔に外側から嵌め込んで上記貫通孔を密栓可能でゴム状弾性体からなるゴム状栓体を有する内側封止部材と、上記封止空間内に配置され、記憶されていた第1形状に形状回復された形状記憶材からなる回復後解除部材と、を備える電池の製造方法であって、上記第1形状の記憶を保ちつつ、上記第1形状とは異なる第2形状とされ、形状回復温度以上に昇温させて形状回復させると、上記第1形状の上記回復後解除部材となる部材を、回復前解除部材としたとき、上記内側封止部材の上記ゴム状栓体を外側から上記貫通孔に嵌め込んで、上記貫通孔を密栓すると共に、上記第2形状の上記回復前解除部材を上記第1形状に形状回復させる際の変形によって、上記ゴム状栓体を移動させて、上記ゴム状栓体による上記貫通孔の密栓を解除可能に、上記回復前解除部材を配置する仮封止工程と、上記外側封止部材で、上記貫通孔、上記回復前解除部材、及び、上記内側封止部材を外側から覆い、上記外側封止部材を、上記電池ケースの上記貫通孔周縁部に、気密に固着する固着工程と、上記回復前解除部材を昇温させて、上記第1形状に形状回復させることにより、上記ゴム状栓体を移動させて、上記ゴム状栓体による上記貫通孔の密栓を解除する解除工程と、を備える電池の製造方法である。
ところで、外側封止部材を貫通孔周縁部に固着するに先立ち、貫通孔を仮封止しておかないと、電池ケース内に注液した電解液が貫通孔周縁部に付着するなど、貫通孔周縁部に汚れが付着して、外側封止部材の固着が適切に行えないなどの不具合を生じるおそれがある。しかるに、この電池の製造方法では、ゴム状栓体を有する内側封止部材で貫通孔を密栓する仮封止工程と、外側封止部材を貫通孔周縁部に気密に固着する固着工程を備える。これにより、内側封止部材のゴム状栓体による貫通孔の密栓(仮封止)を行った状態で、外側封止部材を電池ケースの貫通孔周縁部に、適切に固着することができる。しかも、その後の解除工程で、内側封止部材のゴム状栓体による貫通孔の密栓を解除するので、貫通孔は、ゴム状栓体では封止されず、外側封止部材のみで気密に封止された状態となる。このため、このようにして製造された電池では、その後(出荷前、あるいは出荷後の適宜のタイミングで)、外側封止部材による貫通孔の気密性を適切に検査できる。
なお、回復前解除部材とゴム状栓体とは、回復前解除部材の第2形状から第1形状への変形により、結果として、ゴム状栓体を移動させて、ゴム状栓体の貫通孔に対する密栓(仮封止)を解除できる相互の関係(機構)を構成していればよい。
従って、両者を、回復前解除部材の変形により、例えば、ゴム状栓体を貫通孔から抜く方向に持ち上げるなど、ゴム状栓体を直接移動させる関係に構成としても良い。この場合に、回復前解除部材とゴム状栓体とを、別体として構成しても良いし、一体として構成しても良い。
逆に、回復前解除部材とゴム状栓体との間に、他の部材を介在させ、回復前解除部材の変形により、他の部材を移動あるいは変形させ、これによりゴム状栓体を間接的に移動させる構成としても良い。この場合において、回復前解除部材と他の部材とゴム状栓体とを、互いに別体としても良いし、回復前解除部材と他の部材とを一体としても良い、あるいは、他の部材とゴム状栓体とを一体としても良いし、さらには、三者を一体としても良い。
ゴム状栓体の材質としては、例えば、ゴム状弾性体であるエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)に熱可塑性樹脂であるポリプロピレン(PP)を混合した樹脂が挙げられる。
回復前解除部材及び回復後解除部材(以下、両者を総合して呼ぶときは、単に「解除部材」とも言う)は、形状回復温度以上とすることで形状回復する形状記憶材からなる。具体的には、例えば、ポリウレタン、ポリノルボルネンなどからなる形状記憶樹脂で構成したものが挙げられる。なお、形状記憶樹脂では、ガラス転移温度が形状回復温度に相当する。解除部材を構成する形状記憶樹脂としては、形状回復温度であるガラス転移温度が、30〜75℃のものを選択するのが好ましい。ガラス転移温度が、常温(20〜25℃)よりも高温であるため、常温では形状回復しない一方、容易にガラス転移温度以上に昇温させて形状回復させうるからである。
その他に、解除部材を構成する形状記憶材としては、例えば、ニッケル・チタン合金、鉄・マンガン・ケイ素合金などの形状記憶合金が挙げられる。なお、形状記憶合金では、変態点が形状回復温度に相当する。形状記憶合金からなる解除部材を用いる場合も、形状記憶樹脂と同様、形状回復温度である変態点が、30〜75℃のものが好ましい。
また、解除部材は、ゴム状栓体等と前述の関係を有するほか、電池ケースの貫通孔周縁部と別体に構成したものも、一体に形成されたものも採用しうる。
外側封止部材を電池ケースの貫通孔周縁部に、気密に固着する手法としては、例えば、溶接、ロウ接(ハンダ付け)、接着剤での接着、巻き締めなどの加締めなどの手法が挙げられる。
また、解除工程において、回復前解除部材を形状回復温度以上に昇温させる手法としては、電池ケース(電池)全体を所定の高温とした恒温槽に投入するなどして、電池ケース及び外側封止部材を含めて、回復前解除部材を形状回復温度以上に昇温させる手法が挙げられる。そのほか、外側封止部材及び電池ケースのうちその付近を、熱板に接触させたり、赤外線ヒータの赤外線を輻射したりして、集中して暖めて、回復前解除部材を形状回復温度以上に昇温させる手法も挙げられる。
更に、上述の電池の製造方法であって、前記解除工程の後に、前記外側封止部材と前記電池ケースの前記貫通孔周縁部との間の気密性を検査する、気密検査工程を備える電池の製造方法とすると良い。
この電池の製造方法では、製造段階において、解除工程の後に、外側封止部材と電池ケースの貫通孔周縁部との間の気密性を検査するので、外側封止部材と電池ケースとの気密性を確認した電池を製造できる。
なお、気密検査工程における検査手法としては、外側封止部材と電池ケースの貫通孔周縁部との間に求める気密性を検査しうる手法を採用すればよい。例えば、電池を真空チャンバ内に置いて、真空チャンバ内を減圧し、外側封止部材の近傍に、水素ガス検知器を設置して、外側封止部材と電池ケースとの封止が不十分な場合に、電池ケースから漏出する水素ガスを検知する手法が挙げられる。
更に、上述の電池の製造方法であって、前記第2形状を有する前記回復前解除部材は、その内径が前記貫通孔よりも径大な筒状であり、前記第1形状を有する前記回復後解除部材は、その内径が上記貫通孔よりも径大な筒状で、その高さが上記第2形状の高さよりも高くされてなり、前記内側封止部材は、前記ゴム状栓体と一体とされた金属板を有し、上記金属板の栓体形成面のうち、周縁部よりも内側の中央部から上記ゴム状栓体が突出する形態とされてなり、前記仮封止工程は、筒状の上記回復前解除部材を、その一方端が前記電池ケースの前記貫通孔周縁部に当接し、かつ、その内側に上記貫通孔が位置する形態に配置し、上記回復前解除部材内及び上記貫通孔内に、上記内側封止部材の上記ゴム状栓体を挿通し、上記貫通孔を密栓すると共に、上記回復前解除部材の他方端に、上記金属板の栓体形成面の上記周縁部を当接させる工程であり、前記解除工程は、上記回復前解除部材を上記第1形状に形状回復させ、上記ゴム状栓体を上記貫通孔から抜去する方向に上記金属板及び上記ゴム状栓体を移動させて、上記ゴム状栓体による上記貫通孔の密栓を解除する工程である電池の製造方法とすると良い。
この電池の製造方法では、筒状の解除部材を貫通孔周縁に配置すればよく、解除部材の配置が簡単である。
また、内側封止部材は、ゴム状栓体と一体とされた金属板を有しており、回復後解除部材が変形すると、金属板を押し上げる。これにより、簡単な構造で、内側封止部材のゴム状栓体による貫通孔の密栓を確実に解除できる。
更に、上述の電池の製造方法であって、前記仮封止工程は、大気圧より低い気圧とした減圧下で、前記内側封止部材の前記ゴム状栓体で前記貫通孔を密栓する工程である電池の製造方法とすると良い。
この電池の製造方法では、仮封止工程において、内側封止部材のゴム状栓体による貫通孔の密栓を減圧下で行う。これにより、電池ケース内の減圧状態をその後も維持することができる。このため、その後のコンディショニング(初期充放電)やその後の使用において電池ケース内にガスが発生しても、電池ケース内の内圧が早期に高くなるのを抑制できる。
更に、上述の電池の製造方法であって、前記貫通孔は、前記電池ケース内に、電解液を注入する注液孔であり、前記仮封止工程は、上記注液孔を通じて、上記電解液を注入する注液工程の後に行う電池の製造方法とすると良い。
この電池の製造方法では、仮封止工程を電解液を注液した後に行うことで、その後の工程で電解液が漏れ出るなどして、貫通孔周縁部に電解液が付着したために、外側封止部材の固着が適切に行えない不具合が生じることを防止することができる。
他の態様は、金属からなり、自身の内外を貫通する貫通孔を有する電池ケースと、上記電池ケース内に収容された電極体と、金属からなり、上記貫通孔を外部から覆い、上記電池ケースのうち、上記貫通孔の周縁に位置する貫通孔周縁部に固着して、上記貫通孔を気密に封止する外側封止部材と、上記外側封止部材と上記電池ケースの上記貫通孔周縁部との間の封止空間内に配置され、上記貫通孔に外側から嵌め込んで上記貫通孔を密栓可能なゴム状弾性体からなるゴム状栓体を有する内側封止部材と、上記封止空間内に配置され、第1形状を有した形状記憶材からなる回復後解除部材と、を備える電池であって、上記内側封止部材の上記ゴム状栓体は、上記貫通孔に外側から嵌め込まれて上記貫通孔を密栓し、上記外側封止部材を固着した後の上記第1形状への形状回復に伴う上記回復後解除部材の変形で、上記貫通孔の密栓を解除されてなる電池である。
この電池では、外側封止部材を固着した後の回復後解除部材の変形により、ゴム状栓体による貫通孔の密栓が解除されている。このため、外側封止部材の固着前に電解液などが、貫通孔周縁部に付着することによる外側封止部材の固着不良が生じにくい。しかも、外側封止部材の固着後に、ゴム状栓体による密栓が解除されているので、この電池は、外側封止部材による封止の気密性の検査を適切に行うことができる。
実施形態1に係るリチウムイオン二次電池を示す縦断面図である。 実施形態1に係り、ゴム状栓体と一体とされた金属板を有する内側封止部材の縦断面図である。 実施形態1に係り、(a)回復前解除部材及び(b)回復後解除部材の縦断面図である。 実施形態1に係り、仮封止工程後の貫通孔の封止状態を示す縦断面図である。 実施形態1に係り、固着工程後の貫通孔の封止状態を示す縦断面図である。 変形形態1に係り、解除工程後の貫通孔の封止状態を示す縦断面図である。 実施形態2に係るハイブリッド自動車を示す説明図である。 実施形態3に係るハンマードリルを示す説明図である。
(実施形態1)
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態1に係るリチウムイオン二次電池(密閉型電池)1(以下、単に電池1とも言う)を示す。また、図4〜図6に、貫通孔12H(注液孔)の封止構造を示す(製造過程における状態を含む)。なお、本明細書では、図1及び図4〜図6における上方を電池1の上側UW、下方を電池1の下側DWとして説明する。
この電池1は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両や、ハンマードリル等の電池使用機器に搭載される角型電池である。この電池1は、直方体形状の電池ケース10、この電池ケース10内に収容された捲回型の電極体20、電池ケース10に支持された正極端子40及び負極端子41等から構成されている(図1参照)。また、電池ケース10内には、非水系の電解液17が保持されている。
このうち電池ケース10は、金属(本実施形態1ではアルミニウム)により構成されている。この電池ケース10は、上側UWのみが開口した直方体箱状のケース本体部材11と、このケース本体部材11の開口11Hを閉塞する形態で溶接された矩形板状のケース蓋部材12とから構成されている。
ケース蓋部材12には、電池ケース10の内圧が所定圧力に達した際に破断する安全弁15が設けられている。また、このケース蓋部材12には、電池ケース10の内外を連通する貫通孔12H(注液孔)が設けられている。この貫通孔12Hは、外側封止部材50で気密に封止されている。
また、ケース蓋部材12には、それぞれ延出端子部材42とボルト43により構成される正極端子40及び負極端子41が、樹脂からなる絶縁部材44を介して固設されている。電池ケース10内において、正極端子40は電極体20の正極板21(その正極集電部21m)に接続され、負極端子41は電極体20の負極板31(その負極集電部31m)に接続されている。
次に、電極体20について説明する。この電極体20は、絶縁フィルムを上側UWのみが開口した袋状に形成した絶縁フィルム包囲体16内に収容され、横倒しにした状態で電池ケース10内に収容されている。この電極体20は、帯状の正極板21と帯状の負極板31とを、帯状のセパレータ34を介して互いに重ねて捲回し、扁平状に圧縮したものである。
正極板21は、芯材として、帯状のアルミニウム箔からなる正極集電箔22を有する。この正極集電箔22の両主面のうち、幅方向の一部でかつ長手方向に延びる領域上には、正極活物質層23が帯状に設けられている。この正極活物質層23は、正極活物質、導電剤及び結着剤から形成されている。また、正極集電箔22のうち、幅方向の片方の端部は、自身の厚み方向に正極活物質層23が存在しない正極集電部21mとなっており、この正極集電部21mは、前述の正極端子40と接続している。
また、負極板31は、芯材として、帯状の銅箔からなる負極集電箔32を有する。この負極集電箔32の両主面のうち、幅方向の一部でかつ長手方向に延びる領域上には、負極活物質層33が帯状に設けられている。この負極活物質層33は、負極活物質、結着剤及び増粘剤から形成されている。また、負極集電箔32のうち、幅方向の片方の端部は、自身の厚み方向に負極活物質層33が存在しない負極集電部31mとなっており、この負極集電部31mは、前述の負極端子41と接続している。
また、セパレータ34は、樹脂、具体的にはポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)からなる多孔質膜であり、帯状をなす。
次に、貫通孔12H(注液孔)の封止構造について説明する。先に説明したように、ケース蓋部材12には、電池ケース10の内外を連通する貫通孔12H(注液孔)が設けられている。そして、この貫通孔12Hは、外側封止部材50で気密に封止されている。
図6に示すように、外側封止部材50は、金属、具体的には、電池ケース10(ケース蓋部材12)と同じ材質のアルミニウムからなり、上底部50aが平坦な円板状とされ、その周囲に連なって下方ほど拡がるテーパ状の側部50bとで、円錐台形の蓋形をなしている。さらに側部50bの下部には、これに円環状に連なって電池ケース10(ケース蓋部材12)に当接する鍔部50cを有している。そして、この外側封止部材50は、電池ケース10(ケース蓋部材12)のうち、貫通孔12Hの周縁に位置する貫通孔周縁部12cに、ケース外側から、その鍔部50cの周囲全体を溶接することにより、溶接部51で固着されて、貫通孔12Hを気密に封止している。
また、この外側封止部材50と電池ケース10(ケース蓋部材12)の貫通孔周縁部12cとの間の封止空間SS内には、内側封止部材60と回復後解除部材70が配置されている。
そのうち、内側封止部材60は、図2に示すように、ゴム状弾性体、具体的には、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)に熱可塑性樹脂であるポリプロピレン(PP)を混合した樹脂からなるゴム状栓体62と、これと一体とされたアルミニウムからなる円形の金属板61を有する。そして、金属板61の栓体形成面61a(図2中、下向きの面)のうち、環状の周縁部61cよりも内側の中央部61bからゴム状栓体62が突出する形態となっている。このゴム状栓体62は、貫通孔12Hよりも外径及び内径が大きくされた環状をなし、電池ケース10(ケース蓋部材12)に当接して圧縮される部位となる環状圧接部62aと、この環状圧接部62aの内側から図中下方に突出した円錐台形状をなし、貫通孔12H内に挿通される部位となる挿入部62bとからなり、これらが一体に繋がったものである。ここで、挿入部62bは、その先端部が、貫通孔12Hの径よりも小さくされる一方、その基端部は、貫通孔12Hの径よりも大きくされている。そして、このゴム状栓体62の挿入部62bを、貫通孔12Hに外側から嵌め込んで貫通孔12H内に圧入し、挿入部62bの側面の一部を貫通孔12Hの内周面に密接させると共に、環状圧接部62aを電池ケース10(ケース蓋部材12)の貫通孔周縁部12cに圧接させることで、貫通孔12Hを密栓可能な形態とされている。
また、回復後解除部材70は、図3に示すように、形状記憶樹脂からなり、記憶されていた第1形状K1に形状回復されたものである。一方、この第1形状K1の記憶を保ちつつ、第1形状K1とは異なる第2形状K2とされ、形状回復温度であるガラス転移温度Tg以上に昇温させて形状回復させると、第1形状K1の回復後解除部材70となる部材を、回復前解除部材80とする。この第2形状K2を有する回復前解除部材80は、筒状で、その内径R2が貫通孔12Hよりも径大で、さらにゴム状栓体62の環状圧接部62aの外径よりも径大とされている(図3(a)参照)。一方の第1形状K1を有する回復後解除部材70も、同じく筒状で、その内径R1が貫通孔12Hよりも径大で、さらにゴム状栓体62の環状圧接部62aの外径よりも径大とされている。但し、その高さH1は、第2形状K2の高さH2よりも高くなっている(図3(b)参照)。
すなわち、回復後解除部材70は、第2形状K2から第1形状K1への形状回復に伴う変形で、その高さがH2からH1へと高くなるものである。
なお、本実施形態では、回復後解除部材70及び回復前解除部材80を形成する形状記憶樹脂として、SMPテクノロジーズ社製のポリウレタン系形状記憶ポリマー「ダイアリィ」MM−4500(ガラス転移温度Tg=30℃)を用いた。
そして、封止空間SS内に配置された内側封止部材60のゴム状栓体62は、後述するように、外側封止部材50を固着する前には、貫通孔12Hに外側から嵌め込まれて貫通孔12Hを密栓していた。しかし、外側封止部材50を固着した後に、回復後解除部材70を第1形状K1へと形状回復させることで、この回復後解除部材70で、内側封止部材60の金属板61及びこれと一体となったゴム状栓体62を押し上げて、ゴム状栓体62による貫通孔12Hの密栓を解除したものとなっている(図6参照)。
このように、この電池1では、外側封止部材50の固着後に、回復後解除部材70により、ゴム状栓体62による貫通孔12Hの密栓が解除されている。このため、貫通孔12Hの気密性は、外側封止部材50のみによって保たれている。
なお、本実施形態では、電池ケース10(ケース蓋部材12)の貫通孔周縁部12cのうち、溶接部51により外側封止部材50が固着された外側部位12c2は、内側封止部材60及び回復後解除部材70が配置された内側部位12c1よりも、貫通孔12Hから見て一回り外側に位置している。そして、貫通孔12H近傍である内側部位12c1は、ケース蓋部材12の厚さが部分的に薄くされて、それよりも外側に位置する外側部位12c2よりも一段低くなっており、両者の間には、段差を有している。これにより、回復後解除部材70及び内側封止部材60を配置しやすくすると共に、外側封止部材50の高さを抑えつつ、外側封止部材50(上底部50a,側面部50b)と内側封止部材60の金属板61との間の距離を稼ぐことができる。但し、電池ケース10(ケース蓋部材12)の貫通孔周縁部12cは、必ずしも、このように段差を有する形態である必要はなく、例えば、平板状の貫通孔周縁部に、単に貫通孔を穿孔した形態でも良い。
次いで、本実施形態1に係る電池1の製造方法について説明する。まず、別途形成した帯状の正極板21及び負極板31を、帯状のセパレータ34を介して互いに重ね、円筒状の巻き芯を用いて捲回する。その後、これを扁平状に圧縮して電極体20を形成する。
一方、安全弁15及び貫通孔12H等を形成したケース蓋部材12と、延出端子部材42及びボルト43とを用意し、射出成形により絶縁部材44を形成して、ケース蓋部材12に正極端子40及び負極端子41を固設しておく。
次に、正極端子40と電極体20の正極集電部21mとを接続(溶接)する。また、負極端子41と電極体20の負極集電部31mとを接続(溶接)する。その後、ケース本体部材11及び絶縁フィルム包囲体16を用意し、ケース本体部材11内に絶縁フィルム包囲体16を介して電極体20を収容すると共に、ケース本体部材11の開口11Hをケース蓋部材12で塞ぐ。そして、レーザ溶接により、ケース本体部材11とケース蓋部材12とを溶接して、電池ケース10を形成する(図1参照)。
また別途、外側封止部材50、内側封止部材60、及び第2形状K2とされた筒状の回復前解除部材80を用意しておく。
次に、前述の電池を、真空チャンバ内に入れて、真空チャンバ内を減圧する。そして、注液工程において、注液用ノズルを貫通孔12H内に挿入して、注液用ノズルから電池ケース10内に電解液17を注液する。
次に、真空チャンバ内の減圧下で、内側封止部材60のゴム状栓体62で貫通孔12Hを仮封止する(図4参照)。この仮封止工程では、まず、筒状の回復前解除部材80を、その一方端81(図4中、下側DWの面)が電池ケース10の貫通孔周縁部12cに当接し、かつ、その内側に貫通孔12Hが位置する形態に配置する。次に、回復前解除部材80内に内側封止部材60のゴム状栓体62を挿通し、さらに、貫通孔12Hにゴム状栓体62の挿入部62bを圧入する。これと共に、環状圧接部62aを貫通孔周縁部12cに圧接させて、貫通孔12Hを密栓する。これと共に、回復前解除部材80の他方端82(図4中、上側UWの面)に、内側封止部材60の金属板61の栓体形成面61a(図4中、下側DWの面)のうち、周縁部61cを当接させる。
これにより、内側封止部材60のゴム状栓体62で、貫通孔12Hが仮封止されると共に、回復前解除部材80の配置が完了する。
その後、真空チャンバ内を大気圧に戻して、真空チャンバからこの電池を取り出す。但し、内側封止部材60のゴム状栓体62で仮封止された電池ケース10内は大気圧よりも減圧された状態を保つ。このため、以下の工程は、電池ケース10内を減圧状態に保ったまま、大気圧下で行うことができる。
続く固着工程では、外側封止部材50で、貫通孔12H、回復前解除部材80、及び、内側封止部材60をケース外側から覆い、レーザ溶接により、外側封止部材50(鍔部50c)を、電池ケース10の貫通孔周縁部12c(外側部位12c2)に当接させ、その周囲全体にわたって溶接して、溶接部51で気密に固着する(図5参照)。
次の解除工程では、この電池1を45℃に設定した恒温槽に投入する。これにより、回復前解除部材80を、ガラス転移温度Tg=30℃を十分に超える温度まで昇温させて、第2形状K2から第1形状K1に形状回復(変形)させる。すると、回復後解除部材70は、内側封止部材60の金属板61を押し上げて、これと一体となったゴム状栓体62をも押し上げる。そして、ゴム状栓体62の挿入部62bを貫通孔12Hから抜去し、密栓を解除する。これにより、貫通孔12Hの気密性は、外側封止部材50のみによって、保たれた状態となる(図6参照)。その後、電池1を恒温槽から取り出す。
なお、本実施形態では、ガラス転移温度が、Tg=30℃の形状記憶樹脂からなる解除部材を用いたので、常温(20〜25℃)では形状回復しない一方、昇温に用いる恒温槽の設定温度を比較的低くできる。これにより、容易にガラス転移温度Tg以上に昇温させて、解除部材を形状回復させることができる。
次に、コンディショニング工程(初期充放電工程)において、この電池1の初期充放電を行う。その際、電池ケース10内には、水素などのガスが発生する。
更に、本実施形態1では、気密検査工程において、外側封止部材50と電池ケース10の貫通孔周縁部12cとの間の気密性を検査する。具体的には、この電池1を真空チャンバ内に置いて、真空チャンバ内を減圧する。そして、外側封止部材50の近傍に、水素ガス検知器を設置して、水素ガスを検知する。
前述のように、電池ケース10内には、初期充放電の際に発生した水素ガスが存在するので、外側封止部材50と電池ケース10の貫通孔周縁部12cとの間に封止不良が生じている場合には、外側封止部材50の外に水素ガスが漏れ出る。従って、水素ガス検知器により水素ガスが検知出来れば、外側封止部材50に封止不良が生じていることが判るので、このような封止不良箇所のある電池を排除できる。かくして、電池1が完成する。
以上で説明したように、本実施形態1に係る電池1の製造方法では、仮封止工程と、固着工程と、解除工程とを備える。
仮封止工程では、内側封止部材60のゴム状栓体62を外側から貫通孔12Hに嵌め込んで、貫通孔12Hを密栓する。これと共に、第2形状K2の回復前解除部材80を第1形状K1に形状回復させる際の変形によって、ゴム状栓体62を移動させて、ゴム状栓体62による貫通孔12Hの密栓を解除可能に、回復前解除部材80を配置する。
固着工程では、外側封止部材50で、貫通孔12H、回復前解除部材80、及び、内側封止部材60を外側から覆い、外側封止部材50を、電池ケース10の貫通孔周縁部12cに、気密に固着する。
解除工程では、回復前解除部材80を昇温させて、第1形状K1に形状回復させると共に、内側封止部材60ゴム状栓体62を移動させて、ゴム状栓体62による貫通孔12Hの密栓を解除する。
外側封止部材50を貫通孔周縁部12cに固着するに先立ち、貫通孔12Hを仮封止しておかないと、電池ケース10内に注液した電解液17が貫通孔周縁部12cに付着するなど、貫通孔周縁部12cに汚れが付着して、外側封止部材50の固着が適切に行えないなどの不具合を生じるおそれがある。しかるに、この電池1の製造方法では、仮封止工程と、固着工程と、解除工程を備える。これにより、内側封止部材60のゴム状栓体62による貫通孔12Hの密栓(仮封止)を行った状態で、外側封止部材50を電池ケース10の貫通孔周縁部12cに、適切に固着することができる。しかも、その後の解除工程で、内側封止部材60のゴム状栓体62による貫通孔12Hの密栓を解除するので、貫通孔12Hは、ゴム状栓体62では封止されず、外側封止部材50のみで気密に封止された状態となる。このため、このようにして製造された電池1では、その後の出荷前のタイミングで、外側封止部材50による貫通孔12Hの気密性を適切に検査できる。
更に、この電池1の製造方法では、製造段階において、解除工程の後に、外側封止部材50と電池ケース10の貫通孔周縁部12cとの間の気密性を検査するので、外側封止部材50と電池ケース10との気密性を確認した電池1を製造できる。
更に、この電池1の製造方法では、筒状の解除部材(回復前解除部材80及び回復後解除部材70)を貫通孔周縁12cに配置すればよく、解除部材の配置が簡単である。
また、内側封止部材60は、ゴム状栓体62と一体とされた金属板61を有しており、回復後解除部材70が変形すると、金属板61を押し上げる。これにより、簡単な構造で、内側封止部材60のゴム状栓体62による貫通孔12Hの密栓を確実に解除できる。
更に、この電池1の製造方法では、仮封止工程において、内側封止部材60のゴム状栓体62による貫通孔12Hの密栓を減圧下で行う。これにより、電池ケース10内の減圧状態をその後も維持することができる。このため、コンディショニング(初期充放電)やその後の使用において電池ケース10内にガスが発生しても、電池ケース10内の内圧が早期に高くなるのを抑制できる。
更に、この電池1の製造方法では、仮封止工程を電解液17を注液した後に行うことで、その後の工程で電解液17が漏れ出るなどして、貫通孔周縁部12cに電解液17が付着したために、外側封止部材50の固着が適切に行えない不具合が生じることを防止することができる。
また、この電池1では、外側封止部材50を固着した後の回復後解除部材70の変形により、ゴム状栓体62による貫通孔12Hの密栓が解除されている。このため、外側封止部材50の固着前に電解液17などが、貫通孔周縁部12cに付着することによる外側封止部材50の固着不良が生じにくい。しかも、外側封止部材50の固着後に、ゴム状栓体62による密栓が解除されているので、この電池1は、外側封止部材50による封止の気密性の検査を適切に行うことができる。
(実施形態2)
次いで、第2の実施の形態について説明する。本実施形態2に係るハイブリッド自動車(車両)700(以下、単に自動車700とも言う)は、実施形態1に係る電池1を搭載し、この電池1に蓄えた電気エネルギーを、駆動源の駆動エネルギーの全部または一部として使用するものである(図7参照)。
この自動車700は、電池1を複数組み合わせた組電池710を搭載し、エンジン740、フロントモータ720及びリアモータ730を併用して駆動するハイブリッド自動車である。具体的には、この自動車700は、その車体790に、エンジン740と、フロントモータ720及びリアモータ730と、組電池710(電池1)と、ケーブル750と、インバータ760とを搭載する。そして、この自動車700は、組電池710(電池1)に蓄えられた電気エネルギを用いて、フロントモータ720及びリアモータ730を駆動できるように構成されている。
前述したように、電池1は、外側封止部材50による封止の気密性の検査を容易に行うことができるので、この検査を行った電池1を搭載することで、自動車700の信頼性を高くできる。
(実施形態3)
次いで、第3の実施の形態について説明する。本実施形態3のハンマードリル800は、実施形態1に係る電池1を搭載した電池使用機器である(図8参照)。このハンマードリル800は、本体820の底部821に、電池1を含むバッテリパック810(電池1)が収容されており、このバッテリパック810を、ドリルを駆動するためのエネルギー源として利用している。
前述したように、電池1は、外側封止部材50による封止の気密性の検査を容易に行うことができるので、この検査を行った電池1を搭載することで、ハンマードリル800の信頼性を高くできる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態1〜3に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態1では、電池ケースの内外を連通する貫通孔12Hを、電解液17を注入するための注液孔として利用した例を示したが、これに限られない。貫通孔としては、例えば、製造途中(初期充放電など)で発生した電池ケース内のガスを放出するための通気孔などが挙げられる。また、実施形態1では、貫通孔12Hを、電池ケース10のうちケース蓋部材12に設けたが、貫通孔の形成位置はこれに限られない。貫通孔は、例えば、ケース本体部材11の側面や底面に設けてもよい。
また、実施形態1では、解除部材(回復前解除部材80及び回復後解除部材70)を筒状として、内側封止部材60の金属板61を下から押し上げると共に、これと一体となったゴム状栓体62を貫通孔12Hから抜去する形態とした。しかし、解除部材の形態はこれに限られない。
例えば、筒状に一体とされたものではなく、貫通孔周縁部12c上に配置された複数の解除部材で、内側封止部材60の金属板61を下から押し上げる形態としても良い。また、金属板61を下から押し上げるのではなく、解除部材を外側封止部材50(上底部50a)と一体とし、高さ方法に収縮させて、これに係合する内側封止部材60の金属板61及びゴム状栓体62を引き上げる構造としても良い。さらに、金属板を有しない内側封止部材を用い、ゴム状栓体62と解除部材とを一体として、外側封止部材50と一体とした解除部材でゴム状栓体62を直接引き上げる構造としても良い。
また、解除部材を構成する形状記憶材として、形状記憶樹脂に代えて、形状記憶合金の解除部材を用いても良い。
また、実施形態2では、本発明に係る電池1を搭載する車両として、ハイブリッド自動車700を例示したが、これに限られない。本発明に係る電池を搭載する車両としては、例えば、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド鉄道車両、フォークリフト、電気車いす、電動アシスト自転車、電動スクータなどが挙げられる。
また、実施形態3では、本発明に係る電池1を搭載する電池使用機器として、ハンマードリル800を例示したが、これに限られない。本発明に係る電池を搭載する電池使用機器としては、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電池駆動の電動工具、無停電電源装置など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。
1 リチウムイオン二次電池(密閉型電池)
10 電池ケース
11 ケース本体部材
12 ケース蓋部材
12H 貫通孔(注液孔)
12c 貫通孔周縁部
15 安全弁
17 電解液
20 電極体
40 正極端子
41 負極端子
50 外側封止部材
51 溶接部
SS 封止空間
60 内側封止部材
61 金属板
61a (金属板の)栓体形成面
61b (金属板の栓体形成面の)中央部
61c (金属板の栓体形成面の)周縁部
62 ゴム状栓体
70 回復後解除部材
K1 第1形状
R1 (回復後解除部材(第1形状)の)内径
H1 (回復後解除部材(第1形状)の)高さ
80 回復前解除部材
K2 第2形状
R2 (回復前解除部材(第2形状)の)内径
H2 (回復前解除部材(第2形状)の)高さ
Tg 形状回復温度(形状記憶樹脂のガラス転移温度、形状記憶合金の変態点)
81 (回復前解除部材の)一方端
82 (回復前解除部材の)他方端

Claims (6)

  1. 金属からなり、自身の内外を貫通する貫通孔を有する電池ケースと、
    上記電池ケース内に収容された電極体と、
    金属からなり、上記貫通孔を外部から覆い、上記電池ケースのうち、上記貫通孔の周縁に位置する貫通孔周縁部に固着して、上記貫通孔を気密に封止する外側封止部材と、
    上記外側封止部材と上記電池ケースの上記貫通孔周縁部との間の封止空間内に配置され、上記貫通孔に外側から嵌め込んで上記貫通孔を密栓可能でゴム状弾性体からなるゴム状栓体を有する内側封止部材と、
    上記封止空間内に配置され、記憶されていた第1形状に形状回復された形状記憶材からなる回復後解除部材と、を備える
    電池の製造方法であって、
    上記第1形状の記憶を保ちつつ、上記第1形状とは異なる第2形状とされ、形状回復温度以上に昇温させて形状回復させると、上記第1形状の上記回復後解除部材となる部材を、回復前解除部材としたとき、
    上記内側封止部材の上記ゴム状栓体を外側から上記貫通孔に嵌め込んで、上記貫通孔を密栓すると共に、上記第2形状の上記回復前解除部材を上記第1形状に形状回復させる際の変形によって、上記ゴム状栓体を移動させて、上記ゴム状栓体による上記貫通孔の密栓を解除可能に、上記回復前解除部材を配置する仮封止工程と、
    上記外側封止部材で、上記貫通孔、上記回復前解除部材、及び、上記内側封止部材を外側から覆い、上記外側封止部材を、上記電池ケースの上記貫通孔周縁部に、気密に固着する固着工程と、
    上記回復前解除部材を昇温させて、上記第1形状に形状回復させることにより、上記ゴム状栓体を移動させて、上記ゴム状栓体による上記貫通孔の密栓を解除する解除工程と、を備える
    電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電池の製造方法であって、
    前記解除工程の後に、前記外側封止部材と前記電池ケースの前記貫通孔周縁部との間の気密性を検査する、気密検査工程を備える
    電池の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電池の製造方法であって、
    前記第2形状を有する前記回復前解除部材は、
    その内径が前記貫通孔よりも径大な筒状であり、
    前記第1形状を有する前記回復後解除部材は、
    その内径が上記貫通孔よりも径大な筒状で、その高さが上記第2形状の高さよりも高くされてなり、
    前記内側封止部材は、前記ゴム状栓体と一体とされた金属板を有し、上記金属板の栓体形成面のうち、周縁部よりも内側の中央部から上記ゴム状栓体が突出する形態とされてなり、
    前記仮封止工程は、
    筒状の上記回復前解除部材を、その一方端が前記電池ケースの前記貫通孔周縁部に当接し、かつ、その内側に上記貫通孔が位置する形態に配置し、
    上記回復前解除部材内及び上記貫通孔内に、上記内側封止部材の上記ゴム状栓体を挿通し、上記貫通孔を密栓すると共に、
    上記回復前解除部材の他方端に、上記金属板の栓体形成面の上記周縁部を当接させる工程であり、
    前記解除工程は、
    上記回復前解除部材を上記第1形状に形状回復させ、上記ゴム状栓体を上記貫通孔から抜去する方向に上記金属板及び上記ゴム状栓体を移動させて、上記ゴム状栓体による上記貫通孔の密栓を解除する工程である
    電池の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池の製造方法であって、
    前記仮封止工程は、
    大気圧より低い気圧とした減圧下で、前記内側封止部材の前記ゴム状栓体で前記貫通孔を密栓する工程である
    電池の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電池の製造方法であって、
    前記貫通孔は、
    前記電池ケース内に、電解液を注入する注液孔であり、
    前記仮封止工程は、
    上記注液孔を通じて、上記電解液を注入する注液工程の後に行う
    電池の製造方法。
  6. 金属からなり、自身の内外を貫通する貫通孔を有する電池ケースと、
    上記電池ケース内に収容された電極体と、
    金属からなり、上記貫通孔を外部から覆い、上記電池ケースのうち、上記貫通孔の周縁に位置する貫通孔周縁部に固着して、上記貫通孔を気密に封止する外側封止部材と、
    上記外側封止部材と上記電池ケースの上記貫通孔周縁部との間の封止空間内に配置され、上記貫通孔に外側から嵌め込んで上記貫通孔を密栓可能なゴム状弾性体からなるゴム状栓体を有する内側封止部材と、
    上記封止空間内に配置され、第1形状を有した形状記憶材からなる回復後解除部材と、
    を備える
    電池であって、
    上記内側封止部材の上記ゴム状栓体は、
    上記貫通孔に外側から嵌め込まれて上記貫通孔を密栓し、上記外側封止部材を固着した後の上記第1形状への形状回復に伴う上記回復後解除部材の変形で、上記貫通孔の密栓を解除されてなる
    電池。
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