JP5751535B2 - 金型の洗浄方法、及び、物品の製造方法 - Google Patents

金型の洗浄方法、及び、物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金型の洗浄方法、及び、物品の製造方法に関し、特に、可視光領域の波長以下の周期で形成された複数の凹部からなる微細凹凸構造を表面に有する金型の表面に残留した、アクリル系活性エネルギー線硬化樹脂を少なくとも1種類以上含む硬化樹脂を除去するための金型の洗浄方法、及びこの方法により洗浄された金型を用いた物品の製造方法に関する。
近年、物品の表面に可視光の波長以下の周期の微細凹凸構造形成することにより、反射防止効果、ロータス効果等を発現させることが行われている。特に、略円錐形状の凸部を並べたモスアイ構造と呼ばれる微細凹凸構造を物品表面に形成することにより、微細凹凸構造において空気の屈折率から物品の材料の屈折率へと連続的に屈折率が増大していくため、有効な反射防止の手段となることが知られている。
物品の表面に微細凹凸構造を形成する方法としては、ロール状金型と、ロール状金型の回転に同期してロール状金型の外周面に沿って移動する帯状の基材との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給し、基材越しに活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させ、硬化樹脂層を基材とともにロール状金型から剥離して、連続的に物品を製造する方法が注目されている(特許文献1)。
上記の方法は、具体的には、例えば図1に示す装置を用いて行われる。図1に示すように、この装置は、微細凹凸構造を外周面に有するロール状金型20と、ロール状金型20と対向して配置されたニップローラ26と、ロール状金型20とニップローラのニップ部との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給するための供給装置22と、ロール状金型20の下方に設置された活性エネルギー線照射装置28と、を備えている。
そして、ニップローラ26とロール状金型20の間に透明又は半透明の基材42を供給し、基材42とロール状金型20の間に供給装置22により活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を供給し、活性エネルギー線照射装置28によりロール状金型20と基材42に挟まれた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38に活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を硬化させることにより、ロール状金型20の外周面の微細凹凸構造が転写された硬化樹脂層44を基材42の表面に形成することができる。そして、微細凹凸構造が転写された硬化樹脂層44を表面に有する基材42をロール状金型20から剥離して、微細凹凸構造を表面に有する物品40が連続的に製造される。
このような物品の製造開始時、すなわち、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の供給開始時には、ロール状金型20と基材42との間の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38の層の幅が徐々に増大する。また、製造終了時、金型交換時、又は装置の運転を一時的に停止するような時に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38の供給を停止すると、ロール状金型20の回転(基材の移動)とともに、ロール状金型20と基材42との間に挟まれた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38の量が減少するため、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38の幅も徐々に減少する。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38は、通常、酸素雰囲気下においては硬化が阻害されやすい傾向にあるため、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38の幅方向の端部は、その他の部分と比べて硬化率が低くなる傾向にあり、ロール状金型20の外周面への樹脂残り等の問題が発生しやすい傾向にある。このため、物品の製造開始時や製造終了時等、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の幅を徐々に増大、または減少させながら、活性エネルギー線を照射して硬化樹脂層44を形成すると、ロール状金型20の外周面に半楕円形の連続的に幅が変化するような形状に樹脂が残るなどの表面欠陥が発生することがある(以下、このような幅が連続的に変化するような形状の表面欠陥を「樹脂幅痕」と記す)。
ロール状金型20の外周面に樹脂幅痕が発生すると、次回に同じロール状金型20を用いて物品の製造を再開した際に、樹脂幅痕に対応した形状までもが物品の表面に転写されてしまう。
従来のシートでは、反射防止特性が大きくないため、このような樹脂幅痕が物品表面に転写されても問題となることは少なかった。しかしながら、可視光の波長以下の周期の微細凹凸構造を表面に有する物品は、反射防止性能が非常に優れているため、樹脂幅痕に対応した形状が視認されてしまう場合がある。
このような樹脂幅痕は、硬化不良の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物がロール状金型20の微細凹凸構造の内部に入り込んで発生する。一端、樹脂幅痕が発生しても、直ぐに物品の製造を再開した場合には、樹脂幅痕は、硬化樹脂層44とともにロール状金型20の外周面から剥離されやすいため、物品に転写される樹脂幅痕は徐々に視認されなくなる。しかしながら、物品の製造を中断してしばらく時間を置いた場合や活性エネルギー線を含む光源に曝されると、微細凹凸構造の内部に入り込んだ硬化不良の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を取り除くことが極めて困難となる。
樹脂幅痕を発生させないためには、製造装置を停止させずに連続的に動作させ続ければよいが、保守点検、基材の交換等を行わずに製造装置を連続的に動作させ続けることは現実的に困難である。このため、物品の製造を停止するたびに、樹脂幅痕が発生してしまったロール状金型の樹脂幅痕を除去する必要がある。
このような金型の微細凹凸構造の領域に付着した異物を除去する方法として、例えば、特許文献1には、金型の微細凹凸構造が形成された表面を、基材よりも金型に対して密着性が高い密着性部材に押し付ける方法が開示されている。
また、他の金型の微細凹凸構造の領域に付着した異物を除去する方法として、例えば、特許文献2には、微細凹凸構造を有する金型に対して、メタノール、ベンジルアルコール、ギ酸、ギ酸メチルのような成分の剥離剤を使用して、アクリル系の光硬化樹脂の付着物を取り除く方法が記載されている。
特開2009−266841号公報 特開2011−194848号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法では、基材よりも金型に対して密着性が高い密着性部材を用いるため、密着性部材が金型に付着する(すなわち、密着性部材による樹脂残りが発生する)おそれがある。また、金型への密着性部材の付着(樹脂残り)を抑えるため、密着性部材を接触させる前に、金型の表面を離型剤(外部離型剤)で処理したとしても、ロール状金型の外周面の微細凹凸構造の異物が付着した部分は離型剤で処理することができないという問題がある。また、このような金型には、予め、金型表面に外部離型剤で処理することがあるが、このような外部離型剤が密着性部材によって異物とともに金型から剥離してしまう可能性もある。このように、引用文献1記載の方法では、異物を除去できたとしても、金型への密着性部材の付着、または金型からの外部離型剤の剥離によって、転写された微細凹凸構造に欠陥が発生する場合がある。
また、特許文献2記載の方法によれば樹脂幅痕が発生しても除去が可能であるが、環境負荷の大きな薬品を大量に使用する必要があり、さらに金型の材質によっては、金型表面が浸食されてしまう恐れがある。また、これら剥離剤に浸漬した金型を引き上げる際に乾燥ムラを引き起こすことがあり、このような乾燥ムラは、微細凹凸構造を表面に有する物品の表面にも転写され、特に、可視光の波長以下の周期の微細凹凸構造を表面に有する物品では反射防止性能が非常に優れているために欠陥として視認される。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、エネルギー線硬化樹脂が表面に残留した金型の洗浄方法であって、洗浄後の金型により転写された微細凹凸構造に欠陥が発生することを抑止できる、洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明の金型の洗浄方法は、可視光領域の波長以下の周期で形成された複数の凹部からなる微細凹凸構造を表面に有する金型の表面に残留した、アクリル系活性エネルギー線硬化樹脂を少なくとも1種類以上含む硬化樹脂を除去するための金型の洗浄方法であって、硬化樹脂の膨潤率が3%以上となる溶剤を使用して金型の表面を洗浄する第1洗浄工程と、第1洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、第1洗浄工程で使用した溶剤と相溶し、かつ、20℃における蒸気圧が2〜10kPaの溶剤を使用して前記金型の表面を洗浄する第2洗浄工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明において、好ましくは、第2洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、さらに水を使用して金型表面を洗浄する第3洗浄工程を有する。
また、本発明において、好ましくは、全ての洗浄工程が完了した後、1度以上傾けた状態で乾燥する工程を有する。
本発明の微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法は、上記の金型の洗浄方法により洗浄した金型を使用して、微細凹凸構造を表面に有する物品を製造することを特徴とする。
本発明によれば、エネルギー線硬化樹脂が表面に残留した金型の洗浄方法であって、洗浄後の金型により転写された微細凹凸構造に欠陥が発生することを抑止できる洗浄方法が提供される。
微細凹凸構造を表面に有する物品の製造装置の一例を示す構成図である。 陽極酸化アルミナを表面に有する金型の製造工程を示す断面図である。 微細凹凸構造を表面に有する物品の一例を示す断面図である。 実施例で用いた各溶剤の膨潤率を示すグラフである。
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。また、活性エネルギー線は、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。また、微細凹凸構造は、凸部または凹部の平均間隔が可視光波長以下、つまり400nm以下の構造を意味する。また、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル化合物は、オキシアルキレン基を1つ有するオキシアルキレンアルキルリン酸エステル化合物またはオキシアルキレン基を2つ以上有するポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル化合物を意味する。
本発明の、可視光領域の波長以下の周期で形成された複数の凹部からなる微細凹凸構造を表面に有する金型に残留したアクリル系活性エネルギー線硬化樹脂を除去するための洗浄方法は、少なくとも下記の工程(I)、(II)を含む。
(I)前記活性エネルギー線硬化樹脂の膨潤率が3%以上となる溶剤を使用する第1洗浄工程。
(II)前記第1洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、第1洗浄工程で使用した溶剤と相溶し、かつ20℃の蒸気圧が2〜10kPaの溶剤を使用する第2洗浄工程。
さらに、本発明の微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法は、少なくとも工程(I)、(II)を含む方法で洗浄した金型を使用して、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、金型と基材との間に挟み、硬化させて、微細凹凸構造が転写された硬化樹脂層を基材の表面に形成し、微細凹凸構造を表面に有する物品を得る工程を含む。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<金型の製造方法>
まず、本発明において用いられる、微細凹凸構造を表面に有する金型の製造方法について説明する。金型は、金型基材の表面に微細凹凸構造を形成して製造される。
金型基材の材料としては、金属(表面に酸化皮膜が形成されたものを含む)、石英、ガラス、樹脂、セラミックス等が挙げられる。金型基材の形状としては、ロール状、円管状、平板状、シート状等が挙げられる。金型の製造方法としては、例えば、下記の方法(i−1)または方法(i−2)が挙げられ、大面積化が可能であり、かつ製造が簡便である点から、方法(i−1)が特に好ましい。
(i−1)アルミニウム基材の表面に、複数の細孔(凹部)を有する陽極酸化アルミナを形成する方法。
(i−2)金型基材の表面にリソグラフィ法によって微細凹凸構造を形成する方法。
方法(i−1)としては、下記の工程(a)〜(f)を有する方法が好ましい。
(a)アルミニウム基材を電解液中、定電圧下で陽極酸化してアルミニウム基材の表面に酸化皮膜を形成する工程。
(b)酸化皮膜の少なくとも一部を除去し、アルミニウム基材の表面に陽極酸化の細孔発生点を形成する工程。
(c)アルミニウム基材を電解液中、再度陽極酸化し、細孔発生点に細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)酸化皮膜の一部を除去し、細孔の径を拡大させる工程。
(e)工程(d)の後、電解液中、再度陽極酸化する工程。
(f)工程(d)と工程(e)を繰り返し行い、複数の細孔を有する陽極酸化アルミナがアルミニウム基材の表面に形成された金型を得る工程。
以下、これら工程(a)〜(f)について詳細に説明する。
工程(a): 図2に示すように、アルミニウム基材10を陽極酸化すると、細孔12を有する酸化皮膜14が形成される。アルミニウム基材10の形状としては、ロール状、円管状、平板状、シート状等が挙げられる。
また、アルミニウム基材は、表面状態を平滑化にするために、機械研磨、羽布研磨、化学的研磨、電解研磨処理(エッチング処理)などで研磨されることが好ましい。また、アルミニウム基材は、所定の形状に加工する際に用いた油が付着していることがあるため、陽極酸化の前にあらかじめ脱脂処理されることが好ましい。
アルミニウムの純度は、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化した時に、不純物の偏析により可視光を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
電解液としては、硫酸、シュウ酸、リン酸等が挙げられる。
‐シュウ酸を電解液として用いる場合−
シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて酸化皮膜の表面が粗くなることがある。
化成電圧が30〜60Vの時、平均間隔が100nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向にある。
電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
‐硫酸を電解液として用いる場合−
硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて定電圧を維持できなくなることがある。
化成電圧が25〜30Vの時、平均間隔が63nmの規則性の高い細孔を有する陽極酸化アルミナを得ることができる。化成電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向がある。
電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましい。電解液の温度が30℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
工程(b): 図2に示すように、酸化皮膜14を一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点16にすることで細孔の規則性を向上することができる。工程(b)においては、酸化皮膜14をすべて除去してもよく、酸化皮膜14の一部を除去してもよい。酸化皮膜14をすべて除去することで、細孔の規則性をより向上させることができる。酸化皮膜14の一部を除去する場合、酸化皮膜14の表面近傍の、規則性の低い領域を除去することが好ましい。
酸化皮膜を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜を選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。また、リン酸水溶液を用いて、酸化皮膜を溶解する方法を用いても良い。
工程(c): 図2に示すように、酸化皮膜を除去したアルミニウム基材10を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔12を有する酸化皮膜14が形成される。陽極酸化は、工程(a)と同様な条件で行えばよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
工程(d): 図2に示すように、細孔12の径を拡大させる処理(以下、細孔径拡大処理と記す。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
工程(e): 図2に示すように、再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔12の底部から下に延びる、直径の小さい円柱状の細孔12がさらに形成される。陽極酸化は、工程(a)と同様な条件で行えばよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
工程(f): 図2に示すように、工程(d)の細孔径拡大処理と、工程(e)の陽極酸化を繰り返すと、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔12を有する酸化皮膜14が形成され、アルミニウム基材10の表面に陽極酸化アルミナ(アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト))を有する金型18が得られる。なお、最後は工程(d)で終わることが好ましい。
繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が2回以下では、非連続的に細孔の直径が減少するため、このような細孔を有する陽極酸化アルミナを用いて形成されたモスアイ構造の反射率低減効果は不十分である。
細孔12の形状としては、略円錐形状、角錐形状、円柱形状等が挙げられ、円錐形状、角錐形状等のように、深さ方向と直交する方向の細孔断面積が最表面から深さ方向に連続的に減少する形状が好ましい。
細孔12間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下である。細孔12間の平均間隔は、20nm以上が好ましい。なお、細孔12間の平均間隔は、電子顕微鏡観察によって隣接する細孔12間の間隔(細孔12の中心から隣接する細孔12の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
細孔12の深さは、平均間隔が100nmの場合は、80〜500nmが好ましく、120〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。なお、細孔12の深さは、電子顕微鏡観察によって倍率30000倍で観察したときにおける、細孔12の最底部と、細孔12間に存在する凸部の最頂部との間の距離を測定した値である。
細孔12のアスペクト比(細孔の深さ/細孔間の平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。
次いで、金型の、工程(a)〜(f)により微細凹凸構造が形成された側の表面を外部離型剤で処理する。外部離型剤としては、アルミニウム基材の陽極酸化アルミナと化学結合を形成し得る官能基を有するものが好ましい。なお、厳密には微細凹凸構造を表面に有する金型の、微細凹凸構造の表面を離型剤で処理するものであるが、以降単に「微細凹凸構造を表面に有する金型」や、「金型の表面」を処理する、と記載する場合がある。
外部離型剤としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フッ素化合物等が挙げられ、加水分解性シリル基を有するフッ素化合物が特に好ましい。加水分解性シリル基を有するフッ素化合物の市販品としては、フルオロアルキルシラン、KBM−7803(信越化学工業株式会社製)、MRAF(旭硝子株式会社製)、オプツールHD1100、HD2100シリーズ(株式会社ハーベス製)、オプツールAES4、AES6(ダイキン工業株式会社製)、ノベックEGC−1720(住友スリーエム株式会社製)、FS‐2050シリーズ(株式会社フロロテクノロジー製)等が挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の内部離型剤として利用できるフッ素含有化合物、シリコーン系化合物、リン酸エステル系化合物、長鎖アルキル基を有する化合物、ポリオキシアルキレン基を有する化合物、固形ワックス(ポリエチレンワックス、アミドワックス、ポリテトラフルオロエチレンのパウダ等)等を溶剤で希釈したものも使用できる。
外部離型剤による処理方法としては、下記の方法(ii−1)または方法(ii−2)が挙げられ、金型の微細凹凸構造が形成された側の表面をムラなく外部離型剤で処理できる点から、方法(ii−1)が特に好ましい。
(ii−1)外部離型剤の希釈溶液に金型本体を浸漬する方法。
(ii−2)外部離型剤またはその希釈溶液を、金型の微細凹凸構造が形成された側の表面に塗布する方法。
方法(ii−1)としては、下記の工程(g)〜(l)を有する方法が好ましい。
(g)金型を水洗する工程。
(h)工程(g)の後、金型にエアーを吹き付け、金型の表面に付着した水滴を除去する工程。
(i)加水分解性シリル基を有するフッ素化合物をフッ素系溶媒で希釈した希釈溶液に、金型を浸漬する工程。
(j)浸漬した金型をゆっくりと溶液から引き上げる工程。
(k)必要に応じて、工程(j)よりも後段にて金型を加熱加湿させる工程。
(l)金型本体を乾燥させる工程。
以下、工程(g)〜(l)を詳細に説明する。
工程(g): 金型には、微細凹凸構造を形成する際に用いた薬剤(細孔径拡大処理に用いたリン酸水溶液、リソグラフィ法に用いた剥離液等)、不純物(埃等)等が付着しているため、水洗によってこれを除去する。
工程(h): 金型の表面に水滴が付着していると、工程(i)の希釈溶液が劣化するため、金型にエアーを吹き付け、目に見える水滴はほぼ除去する。
工程(i): 希釈用のフッ素系溶媒としては、ハイドロフルオロポリエーテル、パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、ジクロロペンタフルオロプロパン等が挙げられる。加水分解性シリル基を有するフッ素化合物の濃度は、希釈溶液(100質量%)中、0.01〜0.5質量%が好ましい。浸漬時間は、1〜30分が好ましく、浸漬温度は、0〜50℃が好ましい。
工程(j): 浸漬した金型を溶液から引き上げる際には、電動引き上げ機等を用いて、一定速度で引き上げ、引き上げ時の揺動を抑えることが好ましい。これにより、塗布ムラを少なくできる。引き上げ速度は、1〜10mm/secが好ましい。
工程(k): 工程(j)よりも後段にて、金型を加熱加湿させてもよい。金型を加熱加湿下に放置することによって、フッ素化合物(離型剤)の加水分解性シリル基が加水分解されてシラノール基が生成し、該シラノール基と金型の表面の水酸基との反応が十分に進行し、フッ素化合物の定着性が向上する。加湿方法としては、飽和塩水溶液を用いた飽和塩法、水を加熱して加湿する方法、加熱した水蒸気を金型に直接吹付ける方法等が考えられる。この工程は恒温恒湿器中で行えばよい。加熱温度は、30〜150℃が好ましく、加湿条件は、相対湿度60%以上が好ましい。また、放置時間は、10分〜7日が好ましい。
工程(l): 金型を乾燥させる工程では、金型を風乾させてもよく、乾燥機等で強制的に加熱乾燥させてもよい。乾燥温度は、30〜150℃が好ましく、乾燥時間は、5〜300分が好ましい。
上記のような外部離型剤で金型の表面を処理した場合、金型の表面が外部離型剤で処理されたことは、金型の表面の水接触角を測定することによって確認できる。外部離型剤で処理された金型の表面の水接触角は、60゜以上が好ましく、90゜以上がより好ましい。水接触角が 60゜以上であれば、金型の表面が外部離型剤で十分に処理され、離型性が良好となる。
金型の微細凹凸構造が形成された側の表面を金型と化学結合を形成し得る外部離型剤で処理することで、金型の微細凹凸構造を物品の表面に転写する場合に、初期の離型性が良好となる。また、繰り返し転写した場合であっても、離型性が低下しにくくなるため、微細凹凸構造を表面に有する物品を生産性よく製造できるようになる。
<物品の製造方法>
次に、微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法について説明する。
微細凹凸構造を表面に有する物品の製造は、例えば、従来技術の欄でも説明した図1に示す製造装置を用いて、下記のように行われる。このような物品の製造装置は、上記の方法により製造されたロール状金型20と、ロール状金型20と対向して配置されたニップローラ26と、ロール状金型20とニップローラ26のニップ部との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を供給するための供給装置22と、ロール状金型20の下方に設置された活性エネルギー線照射装置28と、を備えている。
ニップローラ26は空気圧シリンダ24に接続されており、空気圧シリンダ24を伸長させることにより、ニップローラ26をロール状金型20に向かって進出させることができる。
活性エネルギー線照射装置28としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、フュージョンランプ等が好ましく、この場合の光照射エネルギー量は、100〜10000mJ/cm2が好ましい。
微細凹凸構造を表面に有する物品を製造する際には、微細凹凸構造(図示略)を表面に有するロール状金型20と、ロール状金型20の回転に同期してロール状金型20の表面に沿って移動する帯状のフィルム42(基材フィルム)との間に、供給装置22から硬化性樹脂組成物38を供給する。基材フィルム42は、光透過性フィルムである。材質としては、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン、ガラス等が挙げられる。
ロール状金型20と、空気圧シリンダ24によってニップ圧が調整されたニップローラ26との間で、フィルム42および硬化性樹脂組成物38をニップし、硬化性樹脂組成物38を、フィルム42とロール状金型20との間に均一に行き渡らせると同時に、ロール状金型20の微細凹凸構造の凹部内に充填する。
ロール状金型20の下方に設置された活性エネルギー線照射装置28から、フィルム42を通して硬化性樹脂組成物38に活性エネルギー線を照射し、硬化性樹脂組成物38を硬化させることによって、ロール状金型20の表面の微細凹凸構造が転写された硬化樹脂層44を形成する。
剥離ロール30により、硬化樹脂層44が表面に形成されたフィルム42をロール状金型20から剥離することによって、図3に示すような物品40を連続的に製造する。
上述のような方法において、フィルム42をロール状金型20から剥離する際に、ロール状金型20とアクリル系硬化性樹脂38の間の接着力が、フィルム42とアクリル系硬化性樹脂38の間の接着力より強力な場合、硬化後、アクリル系硬化性樹脂38が局所的にロール状金型20に付着し残留する。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38は、通常、酸素雰囲気下においては硬化が阻害されやすい傾向にあるため、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38の幅方向の端部は、その他の部分と比べて硬化率が低くなる傾向にあり、ロール状金型20の外周面への樹脂残り等の問題が発生しやすい傾向にある。
所望の量の物品40を製造した後、又は装置の運転を一時的に停止する場合には、ロール状金型20と基材42との間に保持された、未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を除去するために、先ず供給装置22による活性エネルギー線硬化性樹脂38の供給をストップし、基材42上に残存する活性エネルギー線硬化性樹脂38が硬化され、ロール状金型20と基材42との間から完全に搬送されてから、活性エネルギー線照射装置28による活性エネルギー線の照射をストップする。
従来技術の欄で説明したように、物品40の製造を開始する時、又は製造を終了する時等、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38の幅を徐々に増大、または減少させながら、活性エネルギー線を照射して硬化樹脂層44を形成すると、ロール状金型の外周面に半楕円形の連続的に幅が変化する樹脂幅痕欠陥が発生することがある。
ロール状金型20の外周面に樹脂幅痕が発生すると、次回に同じロール状金型20を用いて物品の製造を再開した際に、樹脂幅痕に対応した形状までもが物品の表面に転写されてしまう。可視光の波長以下の周期の微細凹凸構造を表面に有する物品は、反射防止性能が非常に優れているため、樹脂幅痕に対応した形状が視認されてしまう場合がある。
本発明者らは鋭意検討した結果、金型の微細凹凸構造に樹脂組成物が残ってしまい、上述のような樹脂幅痕が発生する原因となることを見出した。さらに、微細凹凸構造を表面に有する物品を製造した後に、以下に説明する洗浄方法を実施することで、金型の微細凹凸構造の内部に残った樹脂組成物を簡便に除去できることを見出した。
<金型の洗浄方法>
以下、金型に付着したアクリル系活性エネルギー線硬化樹脂の洗浄方法について説明する。
本発明においては、以下に説明する少なくとも第1洗浄工程および第2洗浄工程を含む洗浄方法を実施することにより、金型の微細凹凸構造の領域に付着した異物や、樹脂幅痕の原因となる微細凹凸構造の内部に入り込んだアクリル系硬化性樹脂を金型から除去する。これにより、金型の表面に硬化樹脂が残留したとしても、金型から樹脂を除去して微細凹凸構造を表面に有する物品を製造することができる。
−第1の洗浄工程−
まず、アクリル系硬化性樹脂が付着した金型に第1洗浄の溶剤を接触させる。第1洗浄の溶剤としては、アクリル系硬化性樹脂の膨潤率が3%以上となる溶剤を使用する。具体的には、第1洗浄の溶剤としては、アセトン、クロロホルム、トルエンなどを用いることができる。また、これらの溶剤を溶媒に溶解したもの、混合したものを用いてもよい。硬化性樹脂の膨潤率が3%以上である溶剤を洗剤として用いることで、微細凹凸構造の内部に固着した硬化性樹脂を取り除くことが可能になる。
従来、硬化性樹脂を微細凹凸構造から取り除く場合には、硬化性樹脂を溶解させるような薬剤を用いることが一般的であった。しかしながら、架橋した硬化性樹脂を溶解させるのは非常に困難であった。また、硬化性樹脂を溶解できるギ酸などの薬剤を用いる場合もあったが、このような薬剤を用いた場合は樹脂組成物だけでなく金型表面が溶解されてしまうといった問題もあった。
これに対して、本発明では、硬化性樹脂を膨潤させることにより微細凹凸構造から硬化性樹脂を浮かせて、後述する第2の洗浄工程により硬化性樹脂と第1洗浄の溶剤とを金型表面から除去する。従って、金型表面に悪影響を及ぼす薬剤を用いることなく、微細凹凸構造内の硬化性樹脂を除去することができる。
第1洗浄工程の処理方法としては、大気中で、常温ないし加温下で硬化性樹脂が付着した金型表面と第1洗浄の溶剤とを接触させれば良い。アクリル系硬化性樹脂への浸透性および膨潤性は、洗浄時の温度が高いほど良好になるため、加熱することによってアクリル系硬化性樹脂の膨潤を促進させることができ。しかしながら、加熱すると、膨潤を促進する一方で、乾燥時間が短くなるため、乾燥ムラを引き起こさないように注意する必要がある。接触時間は、処理温度、アクリル系硬化性樹脂の厚さ、種類、履歴、硬化方法等により異なるが、通常、1分〜30分程度とすればよい。また、洗浄で使用する溶剤種類や、時間、処理温度、乾燥方法を決定する上では、第3の洗浄工程を経た金型表面のカーボン量や、リン量をSEM−EDS、IR(赤外分光法)、XPS(X線光電子分光法)、ToF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)などにより測定することによって適宜設定することができる。
−第2の洗浄工程−
本発明においては、第1の洗浄工程の後、第1洗浄の溶剤が乾燥する前に、第2洗浄の溶剤と金型とを接触させて第2の洗浄工程を行う。これにより、第1洗浄の溶剤によってアクリル系硬化性樹脂を膨潤させ、第2洗浄の溶剤によって膨潤させたアクリル系硬化性樹脂を洗い落とすことができる。第1洗浄の溶剤は蒸気圧が高く乾燥時間が短いため、乾燥によって膨潤させた硬化性樹脂が再度乾燥付着し、乾燥ムラを引き起こしやすい。例えば、20℃における蒸気圧としては、アセトンが約25kPa、クロロホルムが約21kPaと、非常に蒸気圧が高い場合が多い。そこで、第1洗浄による溶剤が乾燥する前に、第1洗浄溶剤と相溶し、20℃の蒸気圧が2〜10kPa、より好ましくは3〜9kPaの第2洗浄溶剤を使用して洗浄を行う。第2洗浄溶剤の20℃における蒸気圧が10kPa以下と低いため、乾燥するまでの時間が十分あり、乾燥ムラなく金型に付着したアクリル系硬化性樹脂を洗い落とすことが可能である。また、蒸気圧が2以上であるため、口述の乾燥工程の時間を短縮することができる。具体的には、第2洗浄の溶剤として、エタノール(蒸気圧:約5.8kPa)、イソプロピルアルコール(IPA)(蒸気圧:約4.1kPa)、これらの混合液等を用いることができる。
第2洗浄工程で使用する溶剤には、第1洗浄工程と相溶し蒸気圧が2〜10kPaの範囲にあれば純水等が混合されていてもよい。
−第3洗浄工程−
さらに第2洗浄工程終了後、第2洗浄工程の溶剤が乾燥する前に、第3洗浄工程として純水と金型とを接触させることにより、より効果的に樹脂残りを洗い流すことができる。また、純水による第3の洗浄工程の後、第2洗浄工程で使用する溶剤を再度使用すれば、簡易的に乾燥させることができる。また、第3の洗浄工程として界面活性剤等を含有する洗浄剤を使用して金型の洗浄を行っても良く、第3の洗浄工程後に洗浄剤を使用して金型の洗浄を行っても構わない。洗浄剤としては、起泡剤とノニオン系界面活性剤と金属イオン封鎖剤とを含むものを用いることができる。起泡剤としては、アニオン系界面活性剤が好ましく用いられ、例えばアルキルエーテルカルボン酸塩[R−O−(CH2CH2O)CH2COONa](例えば、商品名Akypo RLM 45NV:日光ケミカル株式会社製)を用いることができる。ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル[R−C64−O−(CH2CH2 O)n−H](例えば、商品名NP−10:日光ケミカル株式会社製)を用いることができる。金属イオン封鎖剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸金属塩(例えば、商品名クレワットN2:帝国化学産業株式会社製)を用いることができる。洗浄剤を用いて金型の表面を洗浄した後には、純水等により洗浄剤を金型表面から除去することが好ましい。
−乾燥工程−
金型洗浄後、金型に温風を吹き付ける等により金型を乾燥させる乾燥工程を行う。乾燥工程では、金型を1度以上傾けた状態で乾燥することによって、乾燥ムラを防ぐことが可能となる。
なお、第1洗浄工程で使用する溶剤が、蒸気圧2〜10kPaである場合、第1洗浄工程と第2洗浄工程で使用する溶剤を兼用することができるため、1回の洗浄工程で洗浄を完了することが可能である。
第1洗浄工程および第2洗浄工程での硬化性樹脂に溶剤を接触させる方法については、特に限定はなく、通常、浸漬、塗布、スプレー、シャワー等の方法によって、アクリル系硬化性樹脂に接触させればよい。金型に付着したアクリル系硬化性樹脂に接する時間が長いほど浸透、膨潤が進むため、第1の洗浄工程は時間が長いほど好ましい。金型を溶剤に浸漬すれば、溶剤に長時間接触させることができ、硬化性樹脂を十分膨潤させることができる。さらに、浸漬中に超音波装置等を使用して、揺動させれば、より効果的に金型の微細凹凸構造の領域に付着した異物や、樹脂幅痕の原因となる微細凹凸構造の内部に入り込んだアクリル系硬化性樹脂を金型から除去できる。また、スプレー、シャワー等で実施する場合には、噴きつける圧力によって膨潤した硬化性樹脂を物理的に落とすことができ、かつ洗浄溶剤の使用量を減らすことが可能となる。
このようにして、洗浄が完了した金型は、再び、上述した微細凹凸構造を表面に有する物品の製造に用いられる。
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物>
上記の物品の製造方法において用いられる硬化性樹脂組成物としては、後述する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が挙げられる。
すなわち、硬化性樹脂組成物としては、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物28は、重合性化合物と、重合開始剤と、内部離型剤とを含む組成物である。そのうち少なくとも1種類以上アクリル系硬化性樹脂組成物を含有する。
硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、内部離型剤を含んでいてもよい。内部離型剤を含有していれば、基材フィルムとの密着性の低下が抑えられ、その結果、金型への樹脂残り(離型不良)や物品からの硬化樹脂層の剥がれが抑えられる。金型からの離型性が十分となり、金型への樹脂残り(離型不良)が抑えられ、結果として、金型を洗浄した際に、金型に残留したアクリル系活性エネルギー線硬化樹脂を除去しやすくなる。
組成物の25℃における粘度は、10000mPa・s以下が好ましく、5000mPa・s以下がさらに好ましく、2000mPa・s以下がより好ましい。組成物の25℃における粘度が10000mPa・s以下であれば、微細凹凸構造への組成物の追随性が良好となり、微細凹凸構造を精度よく転写できる。組成物の粘度は、回転式E型粘度計を用い、25℃で測定する。
(重合性化合物)
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能以上のモノマー;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
(重合開始剤)
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電子線硬化反応を利用する場合、重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化反応を利用する場合、熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;前記有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミンを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤の量は、重合性化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。重合開始剤の量が0.1質量部未満では、重合が進行しにくい。重合開始剤の量が10質量部を超えると、硬化膜が着色したり、機械強度が低下したりすることがある。
(内部離型剤)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が内部離型剤を含むことによって、連続転写性を高めることができる。
内部離型剤は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物と、金型表面との離型性を向上するものであり、かつ活性エネルギー線硬化性樹脂組成物との相溶性があれば、特にその組成は制限されない。
内部離型剤としては、例えば、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物、フッ素含有化合物、シリコーン系化合物、長鎖アルキル基を有する化合物、ポリアルキレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー(テフロンは登録商標)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物を主成分とするものが好ましい。
内部離型剤として金型離型剤と同じ(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物を含むことによって、その硬化物である硬化樹脂層と金型との離型性が特に良好となる。また、離型時の負荷が極めて低いため、微細凹凸構造の破損が少なく、その結果、金型の微細凹凸構造を効率よく、かつ精度よく転写できる。
(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物としては、離型性の点から、下記式(1)で表わされる化合物が好ましい。
(HO)3−n(O=)P[−O−(R2O)m−R1]n ・・・(1)
R1は、アルキル基であり、R2は、アルキレン基であり、mは1〜20の整数であり、nは1〜3の整数である。
R1としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数3〜18のアルキル基がより好ましい。
R2としては、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜3のアルキレン基がより好ましい。
mは、1〜10の整数が好ましい。
(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物は、モノエステル体(n=1)、ジエステル体(n=2)、トリエステル体(n=3)のいずれであってもよい。また、ジエステル体またはトリエステル体の場合、1分子中の複数の(ポリ)オキシアルキレンアルキル基はそれぞれ異なっていてもよい。
(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の市販品としては、例えば、下記のものが挙げられる。
城北化学工業株式会社製:JP−506H(n≒1〜2,m≒1,R1=ブチル,R2=エチレン)、アクセル社製:モールドウイズINT−1856(構造非公開)、日光ケミカルズ株式会社製:TDP−10(n≒3,m≒10,R1=C12〜15,R2=エチレン)、TDP−8(n≒3,m≒8,R1=C12〜15,R2=エチレン)、TDP−6(n≒3,m≒6,R1=C12〜15,R2=エチレン)、TDP−2(n≒3,m≒2,R1=C12〜15,R2=エチレン)、DDP−10(n≒2,m≒10,R1=C12〜15,R2=エチレン)、DDP−8(n≒2,m≒8,R1=C12〜15,R2=エチレン)、DDP−6(n≒2,m≒6,R1=C12〜15,R2=エチレン)、DDP−4(n≒2,m≒4,R1=C12〜15,R2=エチレン)、DDP−2(n≒2,m≒2,R1=C12〜15,R2=エチレン)、TLP−4(n≒3,m≒4,R1=ラウリル,R2=エチレン)、TCP−5(n≒3,m≒5,R1=セチル,R2=エチレン)、DLP−10(n≒3,m≒10,R1=ラウリル,R2=エチレン)。
(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の量は、重合性化合物の100質量%に対して、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましく、0.05〜0.1質量%がさらに好ましい。(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の量が1質量%以下であれば、硬化樹脂層の性能の低下が抑えられる。また、基材との密着性の低下が抑えられ、その結果、金型への樹脂残り(離型不良)や物品からの硬化樹脂層の剥がれが抑えられる。(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物の量が0.01質量%以上であれば、金型からの離型性が十分となり、金型への樹脂残り(離型不良)が抑えられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、離型性をさらに向上する目的で、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物以外の離型性を向上させる成分を含んでいてもよい。該成分としては、例えば、フッ素含有化合物、シリコーン系化合物、リン酸エステル系化合物、長鎖アルキル基を有する化合物、固形ワックス(ポリアルキレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー(テフロンは登録商標)等)等を含む化合物、等が挙げられる。
(他の成分)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物、帯電防止剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤、微粒子、少量の溶媒を含んでいてもよい。
非反応性のポリマーとしては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
<物品>
以下、上記の物品の製造方法により製造された物品について説明する。図3は、微細凹凸構造を表面に有する物品40の一例を示す断面図である。
フィルム42は、光透過性フィルムである。フィルムの材料としては、ポリカーボネート、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、脂環式ポリオレフィン等が挙げられる。
硬化樹脂層44は、アクリル系硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜であり、表面に微細凹凸構造を有する。
陽極酸化アルミナの金型を用いた場合の物品40の表面の微細凹凸構造は、陽極酸化アルミナの表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものであり、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる複数の凸部46を有する。微細凹凸構造としては、略円錐形状、角錐形状等の突起(凸部)が複数並んだ、いわゆるモスアイ構造が好ましい。突起間の間隔が可視光の波長以下であるモスアイ構造は、空気の屈折率から材料の屈折率へと連続的に屈折率が増大していくことで有効な反射防止の手段となる。
凸部間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下である。陽極酸化アルミナの金型を用いて凸部を形成した場合、凸部間の平均間隔は100から200nm程度となることから、250nm以下が特に好ましい。凸部間の平均間隔は、凸部の形成のしやすさの点から、20nm以上が好ましい。なお、凸部間の平均間隔は、電子顕微鏡観察によって隣接する凸部間の間隔(凸部の中心から隣接する凸部の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部の高さは、平均間隔が100nmの場合は、80〜500nmが好ましく、120〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。凸部の高さが80nm以上であれば、反射率が十分低くなり、かつ反射率の波長依存性が少ない。凸部の高さが500nm以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。なお、凸部の高さは、電子顕微鏡によって倍率30000倍で観察したときにおける、凸部の最頂部と、凸部間に存在する凹部の最底部との間の距離を測定した値である。
凸部のアスペクト比(凸部の高さ/凸部間の平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。凸部のアスペクト比が1.0以上であれば、反射率が十分に低くなる。凸部のアスペクト比が5.0以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。
凸部の形状は、高さ方向と直交する方向の凸部断面積が最表面から深さ方向に連続的に増加する形状、すなわち、凸部の高さ方向の断面形状が、三角形、台形、釣鐘型等の形状が好ましい。
硬化樹脂層44の屈折率とフィルム42の屈折率との差は、0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下が特に好ましい。屈折率差が0.2以下であれば、硬化樹脂層44とフィルム42との界面における反射が抑えられる。
微細凹凸構造を表面に有する場合、その表面が疎水性の材料から形成されていればロータス効果により超撥水性が得られ、その表面が親水性の材料から形成されていれば超親水性が得られることが知られている。
硬化樹脂層44の材料が疎水性の場合の微細凹凸構造の表面の水接触角は、90゜以上が好ましく、110゜以上がより好ましく、120゜以上が特に好ましい。水接触角が90゜以上であれば、水汚れが付着しにくくなるため、十分な防汚性が発揮される。
また、水が付着しにくいため、着氷防止を期待できる。
硬化樹脂層44の材料が親水性の場合の微細凹凸構造の表面の水接触角は、25゜以下が好ましく、23゜以下がより好ましく、21゜以下が特に好ましい。水接触角が25゜以下であれば、表面に付着した汚れが水で洗い流され、また油汚れが付着しにくくなるため、十分な防汚性が発揮される。該水接触角は、硬化樹脂層44の吸水による微細凹凸構造の変形、それに伴う反射率の上昇を抑える点から、3゜以上が好ましい。
物品40の用途としては、反射防止物品、防曇性物品、防汚性物品、撥水性物品、より具体的には、ディスプレー用反射防止、自動車メーターカバー、自動車ミラー、自動車窓、有機または無機エレクトロルミネッセンスの光取り出し効率向上部材、太陽電池部材等が挙げられる。
(作用効果)
以上説明したように、本発明によれば、硬化樹脂の膨潤率が3%以上となる溶剤を使用する第1洗浄工程と、前記第1洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、第1洗浄工程で使用した溶剤と相溶し、かつ20℃の蒸気圧が2〜10kPaの溶剤を使用する第2洗浄工程とを行うことにより、金型の表面に硬化樹脂が残留したとしても、金型から樹脂を除去して微細凹凸構造を表面に有する物品を製造することができる。
さらに、第2洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、水を使用して洗浄する第3洗浄工程を行うことによって、より確実に金型に残留したアクリル系活性エネルギー線硬化樹脂を除去することができる。また、金型洗浄後、1度以上傾けた状態で乾燥する乾燥工程を有することによって、乾燥ムラを防ぐことが可能となる。
洗浄後の金型を用いて微細凹凸構造を表面に有する物品の製造を再開する場合であっても、樹脂幅痕が物品の表面に転写されることを抑制することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(陽極酸化アルミナの細孔)
陽極酸化アルミナの一部を削り、断面にプラチナを1分間蒸着し、電界放出形走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−7400F)を用いて、加速電圧3.00kVの条件にて、断面を観察し、細孔の間隔、細孔の深さを測定した。
(アクリル系硬化性樹脂A)
以下に示す割合で各成分を混合し、アクリル系硬化性樹脂A(硬化性樹脂組成物)を調製した。
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、カヤラッドDPHA) 25質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬社製、PET−3) 25質量部
・EO変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、カヤラッドDPEA−12) 25質量部
・ポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成社製、アロニックスM260) 25質量部
・(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル化合物(日光ケミカルズ社製、NIKKOL TDP−2)の0.1質量部
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン社製、イルガキュア184)の1質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製、イルガキュア819)の0.5質量部。
(アクリル系硬化性樹脂板の作製)
純度99.99%の5cm角アルミニウム板の上に1mm厚のシリコンゴム製スペーサーを乗せ、アクリル系硬化性樹脂組成物Aを表面に垂らし、ガラス板(松浪硝子社製、S9112)で押し広げながら被覆した。ガラス板側から無電極UVランプ(フュージョンUVシステムズ社製、ライトハンマー6)を用いて200mJ/cm2のエネルギーで紫外線を照射して硬化させ、ガラス板とアルミニウム板を剥離することにより、1mm厚のアクリル系硬化性樹脂を得た。その樹脂板を5mm角にカットすることで、浸漬実験用サンプルに供した。
(膨潤率の測定)
5mm角の樹脂板を各種溶剤に24時間浸漬させ、浸漬前後の重量を測定することにより、膨潤率を算出した。樹脂重量は電子天秤(METTLER社製、型式:AE200)で測定した。なお、本実施例で用いた各溶剤の膨潤率を図4に示す。
(外観評価)
外観評価は、LEDライト(朝日電機社製、DOP−XRE301)を使用し、暗室で目視確認することにより行った。金型については、洗浄工程終了後、全域にわたって異物、樹脂幅痕、乾燥ムラの有無を評価した。フィルムについては、洗浄工程終了後に再度賦形した連続品の200m地点の1m、バッチ品3回目のものを目視確認し、樹脂幅痕の有無を評価した。
以下、実施例1〜4及び比較例1〜3について説明する。下記表1は、実施例1〜4及び比較例1〜3の金型種類、アクリル系硬化性樹脂、及び洗浄方法の条件を示す。
また、下記表2は、実施例1〜4及び比較例1〜3の評価結果を示す。
なお、表中の○、△、×は下記の意味を表している。
○:欠陥が観察されなかった。
△:欠陥がわずかに観察された。
×:欠陥がはっきり観察された。
以下、実施例1〜4及び比較例1〜3について詳細に説明する。
〔実施例1〕
(工程(I))
ロール状のアルミニウム基材(純度:99.99%)を用意し、以下の工程(a)〜(g)によりロール状金型aを製造した。
工程(a):該アルミニウム基材について、0.3Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で6時間陽極酸化を行った。
工程(b):酸化皮膜が形成されたアルミニウム板を、6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に6時間浸漬して、酸化皮膜を除去した。
工程(c):該アルミニウム基材について、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で20秒間陽極酸化を行った。
工程(d):酸化皮膜が形成されたアルミニウム基材を、32℃の5質量%リン酸水溶液に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を行った。
工程(e):前記工程(c)および工程(d)を合計で4回繰り返し、最後に工程(d)を行い、平均間隔:100nm、深さ:220nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成されたロール状金型を得た。
工程(f):金型を、TDP−8(日光ケミカルズ社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬した。
工程(g):金型を一晩風乾して、離型剤で処理されたロール状金型aを得た。
続いて、図1に示す装置を用いて微細凹凸構造を表面に有する物品の製造を行った。製造にはロール状金型a及びアクリル系硬化性樹脂Aを用いた。帯状のフィルム42を、ロール状金型20の回転に同期させてロール状金型20の表面に沿って移動させつつ、ロール状金型20とフィルム42との間に、タンク22からアクリル系硬化性樹脂38を供給した。フィルム42側から、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を、アクリル系硬化性樹脂38に照射し、アクリル系硬化性樹脂38を硬化させることによって、フィルム42の表面に硬化樹脂層44を形成した。200m分のフィルム42の表面に硬化樹脂層44を形成した後、供給装置22からの硬化性樹脂38の供給を停止し、その後紫外線の照射を停止した。その後、ロール状金型aの表面を観察すると、樹脂幅痕が形成されていることが確認された。
樹脂幅痕が形成されたロール金型を使用して、室温23℃で、工程(II)〜(V)を行い金型の洗浄を実施した。ロール状金型20としては、ロール状金型aを用いた。
(工程(II))
第1洗浄工程の溶剤としてアセトンを使用し、かけ流しで4L分を万遍なく金型にかけ流した。
(工程(III))
工程(II)の溶剤が乾燥する前に、第2洗浄工程の溶剤であるエタノール4L分を万遍なく金型aにかけ流した。
(工程(IV))
ロール状金型aを3度傾けた状態で、40℃の温風を吹き付けることにより、ロール状金型aを乾燥させた。
工程(II)〜(IV)を実施したロール状金型の表面を目視で観察したところ、樹脂残り、異物、乾燥ムラはなかった。
(工程(V))
ロール状金型を、TDP−8(日光ケミカルズ社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾することにより、再度ロール状金型に離型処理を施した。
続いて、図2に示す装置を用いて微細凹凸構造を表面に有する物品の2度目の製造を行った。製造には1回目の製造と同様にロール状金型a及びアクリル系硬化性樹脂Aを用いた。
帯状のフィルム42を、ロール状金型20の回転に同期させてロール状金型20の表面に沿って移動させつつ、ロール状金型20とフィルム42との間に、タンク22からアクリル系硬化性樹脂38を供給した。フィルム42側から、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を、アクリル系硬化性樹脂38に照射し、アクリル系硬化性樹脂38を硬化させることによって、微細凹凸構造を表面に有する物品を製造した。
物品の表面を目視で観察し、物品の表面には樹脂幅痕に対応した形状が転写されていないことを確認した。
〔実施例2〕
(工程(I))
金型は、5cm角のアルミニウム基材を用意し、ロール状金型aと同様の方法で表面に微細凹凸構造を形成し、5cm角金型bを製造した。バッチでの転写は、5cm角金型bにアクリル系硬化性樹脂Aを滴下し、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、A−4300)を被せた後、フィルム側から、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を、硬化性樹脂Aに照射し、硬化性樹脂Aを硬化させることによって、フィルムの表面に硬化樹脂層を形成した。金型の表面を観察すると、樹脂幅痕が形成されていることが確認された。
次いで、樹脂幅痕が形成された5cm角金型bを使用して、室温23℃で工程(II)〜(V)を行った。
(工程(II))
溶剤としてクロロホルムを使用し、5cm角金型全体を10分間浸漬させた。
(工程(III))
工程(II)の金型を取り出し、溶剤が乾燥する前にイソプロプルアルコールに金型を5分間浸漬させた。
(工程(IV))
工程(III)の金型を取り出し、溶剤が乾燥する前に純水を1分間金型にかけ流した。
(工程(V))
工程(IV)に続き、45度傾けた状態でエアブローすることにより、金型を乾燥させた。
工程(II)〜(V)を実施した5cm角金型bの表面を目視で観察したところ、樹脂残り、異物、乾燥ムラはなかった。
(工程(VI))
前記5cm角金型bを、TDP−8(日光ケミカルズ社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬し、一晩風乾することにより、再度5cm角金型に離型処理を施した。
続いて、バッチでの転写を前記同様に実施し、微細凹凸構造を表面に有する物品の製造を行った。製造には1回目の製造と同様に5cm角金型b及びアクリル系硬化性樹脂Aを用いた。バッチでの転写は、5cm角金型bにアクリル系硬化性樹脂Aを滴下し、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、A−4300)を被せた後、フィルム側から、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を、硬化性樹脂Aに照射し、硬化性樹脂Aを硬化させることによって、微細凹凸構造を表面に有する物品を製造した。
物品の表面を目視で観察し、物品の表面には樹脂幅痕に対応した形状が転写されていないことを確認した。
〔実施例3〕
硬化性樹脂および洗浄工程で使用する溶剤を表1のものに変更した以外は、実施例2と同様の方法で工程(II)〜(VI)を実施した。
工程(V)実施後の金型表面を目視で観察したところ、樹脂幅痕、異物、乾燥ムラはなかった。
さらに、工程(VI)で製造した物品の表面を目視観察し、物品の表面には樹脂幅痕に対応した形状が転写されていないことを確認した。
〔実施例4〕
硬化性樹脂および洗浄工程で使用する溶剤を表1のものに変更した以外は、実施例2と同様の方法で工程(II)〜(VI)を実施した。
工程(V)実施後の金型表面を目視で観察したところ、異物、乾燥ムラはなく、樹脂幅痕は僅かに視認される程度であった。
さらに、工程(VI)で製造した物品の表面を目視観察し、物品の表面には樹脂幅痕に対応した形状が僅かに視認される程度であることを確認した。
〔比較例1〕
硬化性樹脂および洗浄工程、乾燥方法を表1のものに変更した以外は、実施例1と同様の方法で工程(II)〜(V)を実施した。
工程(IV)実施後のロール状金型の表面を目視で観察したところ、僅かに樹脂幅痕が視認され、乾燥ムラがあった。
さらに、工程(V)で製造した物品の表面を目視観察したところ、物品の表面には樹脂幅痕に対応した形状が僅かに視認された。
〔比較例2〕
硬化性樹脂および洗浄工程、乾燥方法を表1のものに変更した以外は、実施例2と同様の方法で工程(II)〜(VI)を実施した。
工程(V)実施後の金型表面を目視で観察したところ、樹脂幅痕があり、乾燥ムラがあった。
さらに、工程(VI)で製造した物品の表面を目視観察したところ、物品の表面には乾燥ムラ、樹脂幅痕に対応した形状が転写されていた。
〔比較例3〕
硬化性樹脂および洗浄工程、乾燥方法を表1のものに変更した以外は、実施例2と同様の方法で工程(II)〜(VI)を実施した。
工程(V)実施後の金型表面を目視で観察したところ、僅かに樹脂幅痕が視認され、乾燥ムラがあった。
さらに、工程(VI)で製造した物品の表面を目視観察したところ、物品の表面には樹脂幅痕に対応した形状が僅かに視認された。
10 アルミニウム基材
12 細孔
14 酸化皮膜
16 細孔発生点
18 金型
20 ロール状金型
22 供給装置
24 空気圧シリンダ
26 ニップローラ
28 活性エネルギー線照射装置
38 硬化性樹脂組成物
40 物品
42 基材フィルム
44 硬化樹脂層

Claims (2)

  1. 可視光領域の波長以下の周期で形成された複数の凹部からなる微細凹凸構造を表面に有する金型の表面に残留した、アクリル系活性エネルギー線硬化樹脂を少なくとも1種類以上含む硬化樹脂を除去するための前記金型の洗浄方法において、
    前記硬化樹脂の膨潤率が3%以上となる溶剤を使用して前記金型の表面を洗浄する第1洗浄工程と、
    前記第1洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、第1洗浄工程で使用した溶剤と相溶し、かつ、20℃における蒸気圧が3〜10kPaの溶剤を使用して前記金型の表面を洗浄する第2洗浄工程と、を有し、
    前記第2の洗浄工程で用いる溶剤は、前記第1の洗浄工程で用いる溶剤よりも蒸気圧が低いことを特徴とする金型の洗浄方法。
  2. 前記第2洗浄工程を経た金型が乾燥する前に、さらに水を使用して前記金型表面を洗浄する第3洗浄工程を有することを特徴とする請求項1記載の金型の洗浄方法。
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