JP5743916B2 - 回路基板およびこれを備える電子装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板およびこの回路基板に電子部品を搭載してなる電子装置に関する。
半導体素子、発熱素子、ペルチェ素子等の各種電子部品の搭載に用いられる回路基板は、セラミック焼結体の少なくとも一方の主面に金属配線層を備えてなるものであり、この回路基板における金属配線層上に電極パッド等を介して電子部品を搭載してなる電子装置が各種機器において使用されている。
そして、このような回路基板には、搭載される電子部品の動作時に生じる熱によって、セラミック焼結体から金属配線層の剥離が少ないことが求められていることから、セラミック焼結体と金属配線層との密着強度を向上させるべく金属配線層となるペースト材の構成や金属配線層の形成方法の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、銅導体ペーストを基板上に印刷し、焼成することにより銅膜を形成する厚膜回路基板の製造方法において、セラミックス基板上にガラスフリットを含有する銅導体ペーストを印刷、乾燥して1層目の層を形成し、続いてその上にガラスフリットを含有しない銅導体ペーストを印刷、乾燥してなる層を少なくとも1層形成した後、焼成して厚膜の銅膜を形成することを特徴とする銅導体ペーストを用いた厚膜回路基板の製造方法が提案されている。
特開2003−243804号公報
近年の電子部品の高集積化、電子装置の小型化や薄型化によって、回路基板の体積当たりに加わる熱量が大きくなってきていることから、これまで以上に信頼性の高い回路基板とすべく、電子部品の動作と非動作とを繰り返したときの冷熱サイクルによる剥離を少なくすることが求められている。
本発明は、上記要求を満たすべく案出されたものであり、長期間にわたって使用可能な信頼性の高い回路基板およびこの回路基板に電子部品を搭載してなる電子装置を提供するものである。
本発明の回路基板は、セラミック焼結体の少なくとも一方の主面に金属配線層を備えてなり、該金属配線層はガラス成分を含有し、前記金属配線層の単位面積において、円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の数が、気孔の全数に対し35%以上65%以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の電子装置は、上記構成の本発明の回路基板に電子部品を搭載してなることを特徴とするものである。
本発明の回路基板は、セラミック焼結体の少なくとも一方の主面に金属配線層を備えて
なり、該金属配線層はガラス成分を含有し、前記金属配線層の単位面積において、円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の数が、気孔の全数に対し35%以上65%以下であることにより、高い密着強度を有することとなる。それにより、電子部品の動作と非動作とを繰り返したときの冷熱サイクルによる剥離が少ない、信頼性の高い回路基板とすることができる。
また、本発明の電子装置によれば、上記構成の本発明の回路基板に電子部品を搭載してなることにより、長期間にわたって使用可能な信頼性の高い電子装置とすることができる。
本実施形態の回路基板を備える電子装置の一例を示す断面図である。 本実施形態の回路基板を備える電子装置の他の例を示す断面図である。 回路基板の金属配線層の密着強度の測定方法を示す断面図である。
以下、本実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の回路基板を備える電子装置の一例を示す断面図である。本実施形態の回路基板10は、セラミック焼結体11の少なくとも一方の主面に金属配線層12を備えてなるものであり、本実施形態の電子装置1は、回路基板10上に電子部品13を搭載してなるものである。そして、図1においては、回路基板10は、セラミック焼結体11の一方の主面11aに金属配線層12を備えている例を示し、電子装置1は、金属配線層12上に電極パッド14を介して電子部品13を搭載している例を示している。
そして、本実施形態の回路基板10において、金属配線層12はガラス成分を含有し、金属配線層12の単位面積あたりにおいて、円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の数が、気孔の全数に対し35%以上65%以下であることが重要である。
金属配線層12は、主面11aの単位面積において、円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の数が、気孔の全数に対し35%以上65%以下であることから、金属配線層12に含有されるガラス成分が、セラミック焼結体11と金属配線層12との界面に存在するほか、金属配線層12に存在する円相当径で1.1μm以下の気孔に入り込み、セラミック焼結体11と金属
配線層12との界面に存在するガラス成分と、気孔に入り込んだガラス成分とのアンカー効果によって、高い密着強度を得ることができる。それにより、回路基板10上に搭載した電子部品の動作の繰り返しによる冷熱サイクルによって、セラミック焼結体と金属配線層とが剥離することを少なくでき、信頼性の高い回路基板とすることができる。
ここで、気孔の円相当径の気孔分布の測定については、以下の方法で算出することができる。
例えば、セラミック焼結体11の主面11aに金属配線層12を備えてなる回路基板10を、主面11aに垂直な方向に切断し、クロスセクションポリッシャー(CP)にて研磨した断面を測定面とする。次に、測定面における金属配線層12について、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて2610μmの領域で観察し、単位面積当たりの気孔分布を、画像解析装置を用いて解析して数値化する。具体的には、画像解析のソフトウェアには(株)三谷商事製の型名Win ROOFを用いて各気孔の面積を求め、その面積から各気孔の円相当径を
算出して気孔径の分布を求めればよい。
但し、本実施形態においては、金属配線層12に気孔粒径が0.2μm未満の結晶が有して
いる場合もあるが、本実施形態に用いた気孔粒径の測定方法では気孔粒径が0.2μm未満
の結晶を検知できないため割愛している。
なお、金属配線層12に気孔径が0.2μm未満の気孔を有していても、これらの気孔は微
細であり、ガラス成分が侵入しづらいことから、密着強度に影響を与えにくい。
また、この金属配線層12に存在する気孔は、円相当径で最大径が12μm以下であることが好ましい。円相当径で最大径が12μm以下であれば、熱の伝播が遮られることなく高い放熱特性を有し、電子部品13の動作によって生じる熱を素早く放熱することができる。
次に、本実施形態の回路基板10を構成する金属配線層12は、金属としては、例えば、銅、銀またはアルミニウムからなることが好ましく、特に銅からなるときには、銅は熱伝導性が高いため放熱特性を高めることができる。また、銅を主成分とし、ジルコニウム、チタン、モリブデン,スズまたは亜鉛のうち少なくとも1種を副成分として含有してもよい。なお、ここで主成分とは、金属配線層12を構成する全成分100質量%のうち、50質量%
を超える成分のことをいう。
また、本実施形態の回路基板10を構成するセラミック焼結体11は、酸化アルミニウム質焼結体、酸化ジルコニウム質焼結体、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの複合焼結体、窒化珪素質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体またはムライト質焼結体を用いることができる。なお、加工性が比較的容易でありながら機械的強度に優れている観点から、セラミック焼結体11が酸化アルミニウム質焼結体からなることが好ましい。
図2は、本実施形態の回路基板を備える電子装置の他の例を示す断面図である。
本実施形態の回路基板20は、金属配線層12が2層よりなる構成であること以外は、図1で示した回路基板10と同じである。
本実施形態の回路基板20において、金属配線層12を、セラミック焼結体11側の第1の金属配線層12aと、第1の金属配線層12aの上に設けられた第2の金属配線層12bとからなり、第2の金属配線層12bにおけるガラス成分の含有量が、第1の金属配線層12aにおけるガラス成分の含有量よりも少ない構成とすることが好ましい。
金属配線層12を、第1の金属配線層12aと、第1の金属配線層12aよりもガラス成分の含有量が少ない第2の金属配線層12bとで構成するので、第2の金属配線層12bの上にめっきを形成する際に、めっき液に溶出するガラスの量が少なくなり、めっき液のガラスによる汚染を少なくすることができる。それにより、めっきを良好に形成できる。さらに、熱伝導性の低いガラス成分が少ないことから熱伝導性を上げることができるので、熱的信頼性が高くなる。
ここで、第1の金属配線層12aと第2の金属配線層12bとを確認する方法について説明する。例えば、主面11aに垂直な方向に切断し、クロスセクションポリッシャー(CP)にて研磨した断面を測定面とし、表面を炭素などで蒸着後、SEM(走査型電子顕微鏡)を用い倍率1000〜2000倍程度で観察し、セラミック焼結体11と金属配線層12の界面に存在するガラス成分の成分を、EDS(エネルギー分散型X線)分析する。そして、得られた主要な成分の中から、セラミック焼結体11および金属配線層12の主成分以外で最も成分が多かった元素について、EPMAを用いて金属配線層12においてマッピングを行ない、その元素が集中して検出された層の領域を第1の金属配線層12aとすれば良い。なお、後述する第1の金属配線層12aと第2の金属配線層12bとの厚みは、任意の複数箇所、例えば5箇所の厚みを測定して、それらの値の平均値とすればよい。なお、第2の金属配線層12
bの厚みは、金属配線層12の全体の厚みから第1の金属配線層12aの厚みを差し引くことによって算出してもよい。
また、第1の金属配線層12aの単位面積あたりにおける円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の割合が、第2の金属配線層12bの単位面積あたりにおける円相当径で0.2μ
m以上1.1μm以下の気孔の割合よりも高いことが好ましい。第1の金属配線層12aの単
位面積あたりにおける円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の割合が、第2の金属配線層12bの単位面積あたりにおける円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の割合よりも高いと、電子部品13を金属配線層12の上部、すなわち、第2の金属配線層12bの上部に実装する場合には、第2の金属配線層12bにおいて、円相当径で1.1μm以下の気孔が少
ないので電子部品13が発する熱が散乱しにくくなるので、第2の金属配線層12bから第1の金属配線層12aに効率よく熱を伝えることができ、セラミック焼結体11と金属配線層12の界面へ効率よく伝えることができるので、熱的信頼性を高くすることができる。
また、第2の金属配線層12bの平均気孔率が、第1の金属配線層12aの平均気孔率よりも小さいことが好ましい。第2の金属配線層12bの平均気孔率が、第1の金属配線層12aの平均気孔率よりも小さければ、電子部品13を金属配線層12の上部、すなわち、第2の金属配線層12bの上部に実装する場合には、電子部品13が発する熱を、伝熱面積の大きい第2の金属配線層12bから伝熱面積の小さい第1の金属配線層12aに伝導させることができ、セラミック焼結体11と金属配線層12の界面へ効率よく伝えることができるので、熱的信頼性を高くすることができる。
また、第2の金属配線層12bの断面における気孔の面積占有率が、6面積%以上13面積%以下であることが好ましい。第2の金属配線層12bの断面における気孔の面積占有率が、6面積%以上13面積%以下であれば、高い熱伝導性を維持した状態で金属配線層12bの熱膨張を緩和できるので、熱を発する電子部品13を金属配線層12の上部、すなわち、第2の金属配線層12bの上部に実装する場合には、熱膨張係数の小さな電子部品13を実装した場合でも、冷熱サイクルによって金属配線層12と電子部品13とが剥離することが少なくなり、熱的信頼性が高くすることができる。
ここで、気孔の面積占有率、最大径の測定については、気孔の円相当径の気孔分布の測定と同様に行なえばよい。
また、金属配線層12における第1の金属配線層12aの厚みの割合が40%以上60%以下であることが好ましい。金属配線層12における第1の金属配線層12aの厚みの割合が40%以上60%以下であれば、密着強度を高める第1の金属配線層12aと、優れた放熱特性を示す第2の金属配線層12bがそれぞれ適度な厚みを有することから、高い密着強度と熱伝導性とを維持できるので、さらに熱的信頼性が高くすることができる。
以下、本実施形態の回路基板10の製造方法の一例について説明する。
まず、酸化アルミニウム(Al)の粉末と、焼結助剤である酸化珪素(SiO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)等の粉末とを用いて公知の方法により酸化アルミニウム質焼結体を作製する。
次に、金属配線層12を形成する金属ペーストの一例について説明する。まず、銅、銀またはアルミニウムを主成分とする金属粉末と、ガラス粉末と、有機ビヒクルとを準備する。また、必要に応じて金属ペーストには、金属酸化物粉末を加えてもよい。
まず、金属配線層12を形成するための金属ペースト1について説明する。金属粉末とし
ては、平均粒径が1.0μm以上3.5μm以下である第1の金属粉末を65質量%以上75質量%以下、平均粒径が第1の金属粉末より小さいである第2の金属粉末を25質量%以上35質量%以下で混合した金属粉末を用いる。
ここで、第2の金属粉末の平均粒径は、第1の金属粉末の平均粒径の35%以上45%以下であることが好ましい。このような金属粉末を用いることにより、質量比率が高く、平均粒径の大きい第1の金属粉末の粒子同士の隙間に、平均粒径が第1の金属粉末の平均粒径の小さい第2の金属粉末が入ることによって、金属ペーストの焼結性を向上させることができるうえに、また、平均粒径の小さい第2の金属粉末が存在することによって、焼結後の金属配線層12において、円相当径で1.1μm以下の小さな気孔を多く有することができ
る。そして、セラミック焼結体11と金属配線層12との界面に存在するガラスが、円相当径で1.1μm以下の気孔に入り込み、アンカー効果が得られることによって密着強度が向上
する。
特に、第1の金属粉末を68質量%以上72質量%以下、第2の金属粉末を28質量%以上32質量%以下とした金属粉末を用いることが好ましい。このような配合比であるならば、金属配線層12は緻密になるので、ガラスが気孔に入り込んだ際には、より高い密着強度を得ることができる。
また、ガラス粉末は、軟化点が500℃以上700℃以下のものを用いることが好ましく、特に、600℃以上700℃以下のものが好ましい。軟化点が600℃以上700℃以下であるときには、焼成の際にガラスが軟化して動きやすく、セラミック焼結体11と金属配線層12との界面にガラス成分が存在しながら、円相当径で1.1μm以下の気孔に入りやすくなる。
そして、この様なガラスの種類としては、例えば、SiO系、ZnO系、RO−SiO系(R:アルカリ金属元素)、RO−ZnO−SiO系、SiO−B系、SiO−ZnO−B系、RO−SiO−B系、RO−ZnO−SiO−B系、SiO−B−Bi系、SiO−ZnO−B−Bi系、RO−SiO−B−Bi系、RO−SiO−ZnO−B−Bi系などが挙げられる。
また、ガラス粉末の平均粒径は、第1の金属粉末の平均粒径に対して8%以上60%以下であることが好ましい。この様にガラス粉末の平均粒径がこの範囲ならば、焼成の際に、軟化したガラスが動きやすいうえに、金属粉末の隙間に入り込むことができ、ガラス成分が金属配線層12の円相当径で1.1μm以下である気孔に入り込みやすいので、セラミック
焼結体11と金属配線層12との密着強度を向上することができる。
また、ガラス成分は酸化ビスマス(Bi)を含有していることが好ましい。Biを含有することによって、セラミック焼結体と金属配線層との濡れ性が向上する。それにより、金属配線層とセラミック焼結体との密着強度を向上することができる。
また、有機ビヒクルは、有機バインダを有機溶剤に溶解したものであり、例えば、有機バインダと有機溶剤の比率は、有機バインダ1に対し、有機溶剤が2〜6である。そして、有機バインダとしては、例えば、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル類、ニトロセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ブチルセルロース等のセルロース類、ポリオキシメチレン等のポリエーテル類、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリビニル類から選択される1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
また、有機溶剤としては、例えば、カルビトール、カルビトールアセテート、テルピネ
オール、メタクレゾール、ジメチルイミダゾール、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコール、トリエチレングリコール、パラキシレン、乳酸エチル、イソホロンから選択される1種もしくは2種以上を混合して用いることができる。
そして、金属ペーストとなる、金属粉末、ガラス粉末、有機ビヒクルの配合比としては、金属ペースト100質量%のうち、金属粉末を77.0質量%以上87.0質量%以下、ガラス粉
末を0.5質量%以上5質量%以下、有機ビヒクルを10質量%以上20質量%以下の範囲とす
る。なお、ガラス粉末が5質量%を超えると、ガラス成分は熱伝導率が低いため、放熱特性が低下する傾向がある。
また、金属ペーストに金属酸化物を含有させるときには、セラミック焼結体11が酸化アルミニウム質焼結体または窒化アルミニウム質焼結体であれば、酸化銅(CuOまたはCuO)であることが好ましい。このように、金属ペーストに金属酸化物である酸化銅を含有しているときには、アルミン酸銅(CuAlまたはCuAlO)が生成されやすくなり、セラミック焼結体11と金属配線層12との密着強度を高くすることができる。
また、セラミック焼結体11が酸化アルミニウム質焼結体であれば、金属ペーストに含有される金属酸化物は酸化アルミニウム(Al)であることが好ましい。これにより、金属配線層12の熱膨張係数を酸化アルミニウム質焼結体の熱膨張係数に近づけることができ、セラミック焼結体11と金属配線層12との熱膨張係数差によって、セラミック焼結体11と金属配線層12とが剥離するおそれを少なくすることができる。
次に、第2の金属配線層12bを形成するための金属ペースト2について説明する。
金属粉末としては、平均粒径が1.0μm以上3.5μm以下である金属粉末のみを用いても良いが、金属ペースト1と同じく、異なる平均粒径を混合した金属粉末を用いても良い。
また、有機ビヒクルおよび有機溶剤は金属ペースト1で用いたものと同じものを使用すれば良い。
そして、金属ペースト2となる、金属粉末、有機ビヒクルの配合比としては、金属ペースト100質量%のうち、金属粉末を80質量%〜90質量%、有機ビヒクルを10質量%以上20
質量%以下の範囲とする。
そして、金属配線層12がガラス成分を含む場合には、公知のスクリーン印刷法を用いて金属ペースト1を印刷し、乾燥,脱脂および非酸化雰囲気で焼成するが、所望の厚さを得るためには、この作業を複数回行なうか、または、印刷,乾燥および脱脂までの工程を複数回行なった後に、一括して焼成しても良い。
また、金属配線層12として、第1の金属配線層12aと第1の金属配線層12aよりガラス成分の含有量が少ない金属配線層12bとで構成する場合には、公知のスクリーン印刷法を用いて金属ペースト1を印刷し、乾燥,脱脂および非酸化雰囲気で焼成し、所望の厚さになるまで作業を繰り返した後、その上に、金属ペースト2を印刷し、乾燥,脱脂および非酸化雰囲気で焼成することによって、金属配線層12を形成するが、金属ペーストを印刷するごとに乾燥および非酸化雰囲気で焼成することが好ましい。
この様に、金属ペーストを印刷するごとに乾燥,脱脂および焼成することによって、第1の金属配線層12aに存在するガラスが第2の金属配線層12bに移動することを妨げることができるので、第1の金属配線層12aの上に、第1の金属配線層よりもガラス成分の含有量が少ない第2の金属配線層12bを形成することができる。それにより、第2の金属配
線層12bの熱伝導率を損なうことを少なくすることができる。
また、以上の様な工程をふむことで、各層を形成する際に金属ペーストに含まれる有機ビヒクルを蒸発し取り除くことができるので、金属配線層12に膨れが生じずに形成することができる上に、有機物が残存しにくいので、放熱特性および導電性を高い状態に維持することができる。
なお、セラミック焼結体11の主面に形成した金属ペーストは、乾燥時間の短縮や金属ペーストの酸化を防ぐ目的で80℃以上150℃以下で乾燥することが好ましい。
また、金属ペーストを構成する金属粉末が銅であるときには、最高温度が850℃以上1050℃以下、保持時間が0.5時間以上3時間以下で焼成すればよい。また、金属ペーストを構成する金属粉末がアルミニウムであるときには、最高温度が500℃以上600℃以下、保持時間が0.5時間以上3時間以下で焼成すればよい。さらに、金属ペーストを構成する金属粉
末が銀であるときには、最高温度が800℃以上1000℃以下、保持時間が0.5時間以上3時間以下で焼成すればよい。なお、この焼成時の雰囲気は、金属ペーストの酸化を抑制すべく非酸化雰囲気で焼成する。そして、以上のような焼成条件で焼成することによって、セラミック焼結体11の主面11aに金属配線層12を備えた回路基板10を得ることができる。
また、金属配線層12における第1の金属配線層12aおよび第2の金属配線層12bの厚さは、金属ペーストを構成する金属粉末、有機ビヒクル、ガラス粉末の構成比によって粘性を変更するか、もしくは、印刷回数を変更することによって、調整をすることができる。
また、金属配線層12の表面に部分的もしくは全面にめっき処理を行なってもよい。このようにめっき処理を行なうことによって、電極パッド14やボンディングワイヤ15などの密着処理がしやすくなり、金属配線層12が酸化腐蝕するのを抑制することができる。めっきの種類としては公知のめっきであればよく、例えば、金めっき、銀めっきまたはニッケル−金めっきなどが挙げられる。
また、金属配線層12の形成において、セラミック焼結体11の主面の例えば全面に第1の領域12aと第2の領域12bとを有する金属配線層12を形成してから、金属配線層12の必要領域にレジスト膜を形成し、塩化第二鉄、塩化第二銅またはアルカリからなるエッチング液等を用いてエッチングし、その後、水酸化ナトリウム水溶液等を用いてレジスト膜を除去することで、必要領域に金属配線層12を形成してもよい。
また、金属配線層12の厚みが20μm以上80μm以下であることが好ましい。金属配線層12の厚みが20μm以上80μm以下であるときには、電子部品13の動作による熱を放熱することができるとともに、セラミック焼結体11との高い密着強度が得られ、エッチングによる金属配線層12の形成において、金属配線層12の間隔を狭くすることができ、狭ピッチ化および細線化を図ることができる。
また、セラミック焼結体11に貫通孔を設けて、貫通孔内に同様の金属ペーストを充填し、この貫通孔を覆うように金属ペーストを塗布して焼成したり、さらに、セラミック焼結体11の他方主面にも金属ペーストを塗布して焼成したりすることによって、放熱特性を向上させることもできる。
また、本実施形態の回路基板10および20は、板状だけでなく、シートを積層することによって内部に流路を形成したセラミック焼結体11を備えても良い。内部に流路を形成することによって、気体および液体からなる冷媒を流すことによって、より熱的信頼性の高い回路基板10および20にすることができる。
また、金属配線層12はセラミック焼結体11の両方の主面に形成してもよく、両方の主面に形成することによって、さらに放熱特性を向上することができる。
そして、上述した製造方法により得られた本実施形態の回路基板10は、セラミック焼結体11と金属配線層12とが強固に密着されているとともに、金属配線層12は、放熱特性に優れているため、電子部品13の動作の繰り返しによって、セラミック焼結体11と金属配線層12とが剥離することが少ない。さらに本実施形態の回路基板20は、回路基板10の特性に加えさらに放熱特性が優れているので電子部品13が故障したり寿命が短くなるおそれを少なくすることができる。
また、本実施形態の回路基板10および20の製造方法は上述した製造方法に限るものではない。
なお、回路基板10および20は、分割溝が形成されたセラミック焼結体11を用いて、上述した方法で本実施形態の回路基板10および20を多数個形成し、その後分割すれば、効率よく作製可能である。
そして、金属配線層12上に、電極パッド14を設け、この電極パッド14上に電子部品13を搭載することにより、本実施形態の電子装置1および2とすることができる。この本実施形態の電子装置1は、本実施形態の回路基板10および20に電子部品13を搭載してなることにより、長期間にわたって使用可能な信頼性の高い電子装置1および2となる。
なお、回路基板10および20上に実装される電子部品13としては、作動時に大きな発熱をする電子部品13が挙げられ、例えば、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT)素子、インテリジェント・パワー・モジュール(IPM)素子、金属酸化膜型電界効果トランジスタ(MOSFET)素子、発光ダイオード(LED)素子、フリーホイーリングダイオード(FWD)素子、ジャイアント・トランジスタ(GTR)素子、ショットキー・バリア・ダイオード(SBD)等の半導体素子、昇華型サーマルプリンタヘッドまたはサーマルインクジェットプリンタヘッド用の発熱素子、ペルチェ素子等を用いることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
金属配線層12における気孔分布の変化によって、回路基板10のセラミック焼結体11と金属配線層12との密着強度,熱伝導率および熱的信頼性がどのように変化するか確認した。
まず、酸化珪素および酸化マグネシウムを焼結助剤とし、酸化アルミニウムの含有量が96質量%の酸化アルミニウム質焼結体を作製した。なお、セラミック焼結体11には、試料を多数個取りできるように、溝加工を施した。
次に、各試料の作製のために使用する金属ペースト1を作製した。金属ペースト1の作製方法は以下の通りである。
まず、第1の金属粉末は平均粒径が2.8μmのものを準備し、第2の金属粉末は平均粒
径が0.7μm以上1.4μm以下の範囲で異なる8種類を準備し、第1の金属粉末を70質量%と第2の金属粉末を30質量%として混合し、銅からなる金属粉末を準備した。そして、金属粉末を82質量%と、Bi−SiO−B系の平均粒径が1.3μmであり、
軟化点が630℃であるガラス粉末を3質量%と、有機ビヒクルを15質量%(有機バインダ
であるアクリル樹脂を3質量%と、有機溶剤であるテルピネオールを12質量%)とを調合し金属ペースト1を8種類作製した。
そして、得られた金属ペーストを用いてセラミック焼結体11の一方の主面にスクリーン印刷を行ない、乾燥,脱脂および焼成を行なうことによって金属配線層12を得た。なお、金属配線層12の厚みは70μmとなるように形成した。また、乾燥は大気雰囲気で100℃の
温度にて乾燥させ、焼成は、酸素濃度を5ppmに調整した窒素雰囲気の中で、焼成温度を940℃、焼成時間を0.8時間で焼成することにより、セラミック焼結体11の一方の主面に金属配線層12を備えた試料No.1〜8の回路基板を得た。
そして、気孔分布を求めるために、セラミック焼結体11の主面11aに金属配線層12を備えてなる回路基板10を、主面11aに垂直な方向に切断し、クロスセクションポリッシャー(CP)としてイオンミリング装置(日本電子株式会社製、型式:SM−09010)にて研
磨した断面を測定面とし、測定面における金属配線層12について、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて2610μmの領域で観察し、単位面積当たりの気孔分布を(株)三谷商事製の型名Win ROOFを用いて解析して数値化した。
次に、金属配線層12の密着強度の測定方法を説明する。
図3は、本実施形態の基体本体の表面へ被着させた金属配線層12に対する密着強度の測定方法を示す断面図である。
まず、密着強度を測定するための準備として、準備した試料No.1〜8の回路基板に金属配線層12をエッチングすることによって2×2mmとなるようにし、その金属配線層12の表面に、Sn−Pb(6:4半田)系で全体に対してAgを2質量%とした半田16を用い、フラックスはタムラ化研株式会社製(商品名:XA−100)を用い、225±5℃の温度で径が0.6mmのめっき導線(銅線にSnめっき)17を金属配線層12に半田付けした
次に、このめっき導線17を7.62mm/分の速度で引っ張り、金属配線層12がセラミック焼結体11から剥離するときの強度を測定してセラミック焼結体11に対する金属配線層12の密着強度とした。この試験装置は、ANZA TECH社製のダイ・シェアリング・テス
タ(型番:520D)を使用した。また、測定数は各試料数10個について測定し、その平均
値を求めた。なお、めっき導線17が金属配線層12から剥離した場合はデータから除外し、金属配線層12がセラミックス焼結体11から剥離したときのデータを金属配線層12の密着強度とした。
また、熱伝導率の測定方法は、各試料からセラミック焼結体11と金属配線層12とが密着した直径が10mmの試験片を切り出し、アルキメデス法で密度を求めた後、JIS R1611−2010に準拠したレーザーフラッシュ法によって求めた。
また、ヒートサイクル試験として、冷熱衝撃試験装置を用いて各試料の環境温度を、室温(25℃)から−45℃に降温して15分保持してから、昇温して125℃で15分保持した後、
室温まで降温するというサイクルを1サイクルとしたヒートサイクル試験を行なった。なお、各試料の試料数は40個とし、1500サイクル〜3500サイクルの間で50サイクル毎に各試料につき一つずつ取出し、セラミック焼結体11と金属配線層12との界面の観察を行ない、剥離が確認されたときのサイクル回数を表1に示した。剥離の確認は、SEMを用いて1000倍の倍率で観察して行なった。
以上の算出値、測定値等の結果を表1に示す。
Figure 0005743916
表1に示すように、金属配線層12の単位面積あたりにおいて、円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の数が、気孔の全数に対し35%未満である試料No.1は、ガラス成分によるアンカー効果が少なかったために密着強度が42N/2×2mm、熱伝導率が70W/m・Kであり、サイクル回数は1650回数と少なかった。また、金属配線層12の単位面積あたりにおいて、円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の数が、気孔の全数に対し65%を超える試料No.8は、平均粒径の小さい気孔にガラス成分が多く入り込みセラミック焼結体11と金属配線層12との界面に存在するガラス成分が減少するために、熱伝導率が83W/m・Kと高いものの、密着強度が、43N/2×2mmと低く、サイクル回数は1700回数と少なかった。これらに対し、金属配線層12の単位面積あたりにおいて、円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の数が、気孔の全数に対し35%以上65%以下である試料No.2〜7は、密着強度が49N/2×2mm以上61N/2×2mm以下、熱伝導率が72W/m・K以上81W/m・K以下であり、サイクル回数が1800回以上と多く、放熱特性が高く、信頼性が高い回路基板であることがわかった。特に、金属配線層12の単位面積あたりにおいて、円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の数が、気孔の全数に対し45%以上60%以下である試料No.4〜6は、密着強度が57N/2×2mm以上かつ熱伝導率が78W/m・K以上であり、サイクル回数が1950回以上と多く、金属配線層12の密着強度および放熱特性が高く、より信頼性が高い回路基板であることがわかった。
次に、第1の金属配線層12aと第2の金属配線層12bとを作製し、各層の厚みが異なることによって密着強度,熱伝導率,サイクル回数およびめっきの量産性がどのように変化するか確認を行なった。
セラミック焼結体11については、実施例1と同じものを準備した。また、第1の金属配線層12aを形成するための金属ペースト1は、実施例1の試料No.4を作製するのに用いた金属ペーストと同じものを使用した。
そして、第2の金属配線層12bを形成するための金属ペースト2は、金属ペースト1と同じ金属粉末を使用し、金属粉末を85質量%と、有機ビヒクルを15質量%(有機バインダであるアクリル樹脂を3質量%と、有機溶剤であるテルピネオールを12質量%)とを調合した金属ペースト2と、金属ペースト1と同じ金属粉末とガラス粉末を使用し、金属粉末を81.0質量%と、ガラス粉末を4.0質量%と、有機ビヒクルを15質量%(有機バインダで
あるアクリル樹脂を3質量%と、有機溶剤であるテルピネオールを12質量%)とを調合した金属ペースト2’を作製した。
そして、得られた金属ペースト1,2および2’を用いてセラミック焼結体11の一方の主面にスクリーン印刷を行ない、乾燥,脱脂および焼成を行なうことによって、第1の金
属配線層12aおよび第2の金属配線層12bが表2の示す厚みになるように調整した金属配線層12を得た。なお、試料No.9〜14の第2の金属配線層12bは金属ペースト2で作製しており、試料No.15の第2の金属配線層12bは金属ペースト2’で作製した。また、金属配線層12の厚みは70μmとなるように形成した。また、乾燥条件および焼成条件は実施例1と同じである。この工程によって、セラミック焼結体11の一方の主面に金属配線層12を備えた試料No.9〜15の回路基板20を得た。
なお、試料No.16は、実施例1の試料No.6と同じ工程で作製された回路基板10であり、第2の金属配線層12bは存在しない。
また、第1の金属配線層12aと第2の金属配線層12bとのガラス成分の量はEDS分析によって確認して、試料No.9〜14においては、第1の金属配線12aより第2の金属配線層12bの方がガラス成分の量が少なく、試料No.15においては、第1の金属配線12aより第2の金属配線層12bの方が、ガラス成分の量が多いことは確認済みである。
そして、実施例1と同様の方法により、密着強度,熱伝導率およびサイクル回数を測定した。
また、第1の金属配線層12aと第2の金属配線層12bとを確認する方法について説明する。主面11aに垂直な方向に切断し、クロスセクションポリッシャー(CP)としてイオンミリング装置(日本電子株式会社製、型式:SM−09010)にて研磨した断面を測定面
とし、表面を炭素などで蒸着後、SEM(走査型電子顕微鏡)を用い倍率1000〜2000倍程度で観察し、セラミック焼結体11と金属配線層12の界面に存在するガラス成分の成分を、EDS分析した。その結果、得られた主要な成分の中から、セラミック焼結体11および金属配線層12の主成分以外で最も成分が多かった元素は珪素(Si)であったので、EPMAを用いてマッピングを行ない、珪素が集中して検出された層の領域を第1の金属配線層12aとした。そして、第1の金属配線層12aの厚みを測定し、第2の金属配線層12bの厚みは、金属配線層12の厚みから第1の金属配線層12aの厚みを差し引くことにより算出し、この作業を5箇所で行ない、その平均値を表2に示した。
そして、めっきの量産性を評価するために、Niめっき液を用いた溶出試験を行なった。まず、各試料に予めPdめっきを施し、カルボン酸塩、リン酸塩および硫酸ニッケルを主成分とする公知の配合比であるNiめっきの新液を用いて、試験温度を84℃、めっき時間を15分として、その際のNiめっきの厚みを測定した。このときのめっき厚みを煮出前めっき厚みとする。
次に同じ工程で作製された各試料にPdめっきを施さず、Niめっきの新液中に温度を84℃、時間を8時間で放置した煮出し液を作製した。その後、前記、煮出し液中に同じ工程で作製された各試料にPdめっきを施し、試験温度を84℃、めっき時間を15分として、その際のNiめっきの厚みを測定した。このときのめっき厚みを煮出後めっき厚みとする。そして、その煮出前めっき厚みと煮出後めっき厚みとの差を評価した。
つまり、煮出前めっき厚みが3.0μmで、煮出後めっき厚みが2.4μmならば、煮出前めっき厚みと煮出後めっき厚みとのめっき析出速度差は−20%である。この析出速度差がマイナス側に大きくなればめっきの乗りが悪くなったことを意味する。
以上の算出値、測定値等の結果を表2に示す。
Figure 0005743916
表2に示すように、金属配線層12が第1の金属配線層12aのみで構成された試料No.16と第1の金属配線層より第2の金属配線層の方がガラス成分の多い試料No.15は、ガラス成分がめっき液に溶出してしまい煮出前めっき厚みと煮出後めっき厚みとのめっき析出速度差はそれぞれ−75.0%および−85.0%であるのに対し、金属配線層12が第1の金属配線層12aと第1の金属配線層12aよりもガラス成分の少ない第2の金属配線層12bとで構成された試料No.9〜14は、煮出前めっき厚みと煮出後めっき厚みとのめっき析出速度差は−10.8%以上であり、金属配線層のめっき厚みの差が少ないことからめっきの量産性に優れていることがわかる。特に、第2の金属配線層の厚みが40%以上である試料No.9〜13は、煮出前めっき厚みと煮出後めっき厚みとのめっき析出速度差は0.0%であり
、めっきの量産性により優れていることがわかる。
また、金属配線層12における第1の金属配線層12aの厚みの割合が、40%未満である試料No.9は、熱伝導率が117W/m・Kと高いものの、密着強度が39N/2×2mm
と低く、サイクル回数は2400回と少なかった。そして、金属配線層12における第1の金属配線層12aの厚みの割合が、60%を超える試料No.14は、密着強度が60N/2×2mmと高いものの、熱伝導率が98W/m・Kと低く、サイクル回数は2400回と少なかった。これらに対し、金属配線層12における第1の金属配線層12aの厚みの割合が、40%以上60%以下である試料No.10〜13は、密着強度が45N/2×2mm以上かつ熱伝導率が101W/m・K以上であり、サイクル回数は2500回数以上であった。特に、金属配線層12に
おける第1の金属配線層12aの厚みの割合が、50%以上55%以下である試料No.11および12は、密着強度が52N/2×2mm以上かつ熱伝導率が104W/m・K以上であり、
サイクル回数は2550回以上であり、より放熱特性が高く、より信頼性が高い回路基板であることがわかった。
次に、第1の金属配線層12aと第2の金属配線層12bとを作製し、金属配線層12の断面において、第1の金属配線層12aと第2の金属配線層12bの気孔分布が異なることによって密着強度,熱伝導率およびサイクル回数がどのように変化するか確認を行なった。
セラミック焼結体11については、実施例1および2と同じものを準備した。また、第1の金属配線層12aを形成するための金属ペースト1は、実施例1の試料No.6を使用するのに用いた金属ペーストと同じものを使用した。
そして、第2の金属配線層12bを形成するための金属ペースト2は2種類準備した。一つは、実施例2の試料No.12を作製するために使用した金属ペースト2である。そして、もう一つは、金属ペースト2と同じ有機ビヒクル、第1の金属粉末および第2の金属粉末を使用するが、その金属粉末の混合比が金属粉末:第2の金属粉末=80質量%:20質量%となるようにし、金属粉末を85質量%と、有機ビヒクルを15質量%(有機バインダであるアクリル樹脂を3質量%と、有機溶剤であるテルピネオールを12質量%)とを調合した金属ペースト2”を準備した。
そして、実施例2の試料No.12と同じ製造工程で作製した試料No.17の回路基板20と、金属ペースト2の代わりに金属ペースト2”を使用した以外は実施例2の試料No.12と同じ製造工程で作製した試料No.18の回路基板20を得た。
そして、実施例1と同様の方法により、気孔の分布、密着強度,熱伝導率およびサイクル回数を測定した。
以上の算出値、測定値等の結果を表3に示す。
Figure 0005743916
表3に示すように、気孔の分布については、試料No.17は、第1の金属配線層12aの単位面積あたりにおける円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の割合が60%、第2の金属配線層12bの単位面積あたりにおける円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の割合が65%であった。また、試料No.18は、第1の金属配線層12aの単位面積あたりにおける円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の割合が60%、第2の金属配線層12bの単位面積あたりにおける円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の割合が55%であった。
試料No.17は、密着強度55N/2×2mm、熱伝導率が104W/m・Kであり、サ
イクル回数は1950回であるのに対し、試料No.18は、密着強度55N/2×2mm、熱伝導率が104W/m・Kであり、サイクル回数は2100回であることから、熱の伝導が効率
よく行なわれたので、サイクル回数が向上し、熱的信頼性が向上したと考えられる。
次に、第1の金属配線層12aと第2の金属配線層12bとを作製し、金属配線層12の断面において、第2の金属配線層12bの気孔の面積占有率が異なることによって密着強度,熱伝導率およびサイクル回数がどのように変化するか確認を行なった。
セラミック焼結体11については、実施例1および2と同じものを準備した。
また、第1の金属配線層12aを形成するための金属ペースト1は、実施例2の試料No.10を使用するのに用いた金属ペーストと同じものを使用した。また、第2の金属配線層12bを形成するための金属ペースト2は、第1の金属粉末は平均粒径が2.8μmのものを
準備、第2の金属粉末は平均粒径が0.8μm以上1.4μm以下の範囲で異なる7種類を準備し、第1の金属粉末を70質量%と第2の金属粉末を30質量%として混合し、銅からなる金属粉末を準備し、金属粉末を85質量%と、有機ビヒクルを15質量%(有機バインダであるアクリル樹脂を3質量%と、有機溶剤であるテルピネオールを12質量%)とを調合し金属ペースト2を作製した。
そして、得られた金属ペースト1および2を用いてセラミック焼結体11の一方の主面にスクリーン印刷を行ない、乾燥,脱脂および焼成を行なうことによって、第1の金属配線層12aの厚みが55%、第2の金属配線層12bの厚みが45%になるように調整した金属配線層12を得た。なお、金属配線層12の厚みは70μmとなるように形成した。また、乾燥条件
および焼成条件は実施例1と同じである。この工程によって、セラミック焼結体11の一方の主面に金属配線層12を備えた試料No.19〜25の回路基板20を得た。なお、試料No.17に用いた第2の金属粉末は平均粒径が0.8μmであり以後0.1μmずつ大きくなっている。
そして、実施例1と同様の方法により、密着強度、熱伝導率およびサイクル回数を測定した。
なお、試料No.21は実施例2の試料No.12と同じ製造方法で作製された。
気孔の平均気孔率の測定については、気孔の円相当径の気孔分布の測定と同様のソフトを用いて行なった。
以上の算出値、測定値等の結果を表3に示す。
Figure 0005743916
表4に示すように、第2の金属配線層12aの断面における気孔の面積占有率が、6.0面
積%未満である試料No.24は、熱伝導率が120W/m・Kと高いものの、密着強度が50
N/2×2mmと低く、サイクル回数は2250回と少なかった。そして、第2の金属配線層12aの断面における気孔の面積占有率が、13.0面積%を超える試料No.19は、密着強度が55N/2×2mmと高いものの、熱伝導率が96W/m・Kと低く、サイクル回数は2200回と少なかった。これらに対し、第2の金属配線層12aの断面における気孔の面積占有率が、6.0面積%以上13.0面積%以下である試料No.20〜23は、密着強度が51N/2
×2mm以上かつ熱伝導率が100W/m・K以上であり、サイクル回数は2350回以上で
あった。特に、第2の金属配線層12aの断面における気孔の面積占有率が、7.3面積%以
上10.1面積%以下である試料No.21および22は、密着強度が52N/2×2mmかつ熱伝導率が108W/m・K以上であり、サイクル回数は2550回以上であり、より放熱特性が
高く、より信頼性が高い回路基板であることがわかった。
また、第2の金属配線層12bの断面における気孔の面積占有率が、第1の金属配線層12aの断面における気孔の面積占有率よりも小さい試料No.25は、第2の金属配線層12bの断面における気孔の面積占有率が、第1の金属配線層12aの断面における気孔の面積占有率よりも大きい試料No.24と比較して、密着強度および熱伝導率がほとんど変わらないものの、サイクル回数が試料No.24の方が多く、より熱的信頼性が高くなることがわかる。
1:電子装置
10:回路基板
11:セラミック焼結体
11a:主面
12:金属配線層
12a:第1の金属配線層
12b:第2の金属配線層
13:電子部品
14:電極パッド
15:ボンディングワイヤ

Claims (5)

  1. セラミック焼結体の少なくとも一方の主面に金属配線層を備えてなり、該金属配線層はガラス成分を含有し、前記金属配線層の単位面積あたりにおいて、円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の数が、気孔の全数に対し35%以上65%以下であることを特徴とする回路基板。
  2. 前記金属配線層が、前記セラミック焼結体側の第1の金属配線層と該第1の金属配線層上に設けられた第2の金属配線層とを備え、該第2の金属配線層におけるガラス成分の含有量が、前記第1の金属配線層におけるガラス成分の含有量よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 前記第1の金属配線層の単位面積あたりにおける円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の割合が、前記第2の金属配線層の単位面積あたりにおける円相当径で0.2μm以上1.1μm以下の気孔の割合よりも高いことを特徴とする請求項2に記載の回路基板。
  4. 前記金属配線層における前記第1の金属配線層の厚みの割合が40%以上60%以下であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の回路基板。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の回路基板に電子部品を実装してなることを特徴とする電子装置。
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