JP5742688B2 - 作業車両 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の課題は、作業機昇降レバーの操作性の良い作業車両を提供することである。
請求項1記載の発明は、車輪(2,3)とエンジン(5)を備えた車体(1)と、エンジン(5)の出力を調整するスロットルレバー(11)と、エンジン(5)からの出力に応じて油圧出力を変える油圧式無段変速装置(34)と、該油圧式無段変速装置(34)のトラニオン軸(30)の回動方向と角度を前進方向と後進方向に切り替える前後進レバー(10)と、前記油圧式無段変速装置(34)のトラニオン軸(30)の前進方向又は後進方向回動角度を調整して前進方向又は後進方向の油圧出力を踏み込み量に応じて調整するアクセルペダル(15)と、車体(1)の前方に昇降自在に装着した作業機(80)と、操縦者が着席する操縦席(9)を備えた作業車両において、トラニオン軸(30)の回動角度を調整して最高速を設定する最高速設定ダイヤル(14a)と車速緩慢度応答速度を規制する車速緩慢度応答ダイヤル(14b)とクルーズ走行速度を設定するクルーズ走行スイッチ(14c)を操縦席(9)の隣接位置であって車体(1)の前後方向に一列に配置し、該最高速設定ダイヤル(14a)と車速緩慢度応答ダイヤル(14b)とクルーズ走行スイッチ(14c)の外側には作業機上げ下げ用のポジション用レバー(18)を配置し、前記作業機(80)としてローダ(80)を、ローダアーム(81)を介して昇降自在に装着し、アクセルペダル(15)の踏み込み量を検出するアクセルペダルポテンショ(76)と、トラニオン軸(30)の回動角度を検出するトラニオン軸角度センサ(30a)と、車速を検出する車速センサ(53)と、エンジンストールガード用のスイッチ(75)を設け、前記車速センサ(53)で検出される車速が低下し、且つトラニオン軸角度センサ(30a)の検出値もアクセルペダルポテンショ(76)の検出値に応じた設定値より低下するときは、ローダアーム(81)を上げるように油圧式無段変速装置(34)の油圧回路の油圧ポンプ(66)をパワーアップさせる油圧上昇機能と、該油圧上昇機能によりローダアーム(81)を上昇させた後で車両を後退させる場合は、アクセルペダル(15)の踏み込み量による加速よりも緩やかに加速するようにトラニオン軸(30)の回動を制御する加速機能と、エンジンストールガード用のスイッチ(75)の操作時にエンジン(5)に負荷が掛かるとトラニオン軸(30)の回動角度を小さくして車速を低下させる車速低下機能とを有する制御装置(100)を設けたことを特徴とする作業車両である。
更に、エンジンストール防止用のエンジンストールガードスイッチ(75)で対応していないときでも車速が低下する場合にトラニオン軸角度センサ(30a)の検出値も設定値より低下する場合は、ローダ(80)に負荷が掛かり過ぎており、即ちエンジン(5)に負荷が掛かり過ぎていると判断できる。従って、このような場合は、油圧ポンプ(66)をパワーアップさせると共に、ローダアーム(81)の上昇後に車両を後退させる場合には、トラニオン軸(30)を低速で回動させて緩やかに加速し、負荷を抑制することで対処できる。
また、最高速設定ダイヤル(14a)、車速緩慢度応答ダイヤル(14b)及びクルーズ走行スイッチ(14c)は、操縦者が操作し易いように操縦席(9)の前後方向に一体的に移動可能にすることで、設置位置を調整できる。
作業車両の一例としてトラクタを例に以下説明する。図1に全体側面図、図2に図1のトラクタの平面図(キャビンを除く)を示している。図3は図1のトラクタの変速装置の動力伝動機構線図、図4は本実施例のトラクタの静油圧式無段変速装置の油圧回路図であり、図5は本実施例のトラクタの制御ブロック図である。
なお、本明細書において作業車両の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後ろという。
車体1の中央のハンドルポスト6にはステアリングハンドル7が支持され、その後方には座席9が設けられている。
また、ステアリングハンドル7の下方には車体1の進行方向を前後方向に切り替える前後進レバー10が設けられている。この前後進レバー10を前側に移動させると車体1は前進し、後方へ移動させると後進する。またハンドルポスト6を挟んで前後進レバー10の反対側にはエンジン回転数を変更するスロットルレバー11が設けられ、またステップフロア13の右コーナー部にはアクセルペダル15と左右のブレーキペダル16,17が配置されている。前後進レバー10の前側には緊急停止スイッチ60を設ける。前記アクセルペダル15は、基本的には路上走行時に使用し、その踏み込み量に応じてエンジン回転数が上昇すると共に、アクセルペダル15の踏み込み量をアクセルペダルポテンショ76(図5)が検出し、このアクセルペダルポテンショ76の検出値に応じて静圧式無段変速装置(HST)34のトラニオン軸30(図5の制御ブロック図にのみ図示)の回動角度を変更させることができる。該トラニオン軸30の回動角度により斜板34d(図4)の傾斜角度を変化させてHSTの出力を無段状に変更させることができる。
また、操縦席9の左側に低速、中速、高速及び中立のいずれかの位置を選択できる副変速レバー21が配置され、その後方に前輪2と後輪3の間に装着しているミッド作業機(モーア等)のPTO軸の入り切りと変速を行うミッドPTO変速レバー23aと、機体後部に装着した作業機(モーア、ロータリ、除雪機等)のPTO軸の入り切りと変速を行うリヤPTO変速レバー23bが設けられている。また、車体1の後方には作業機(図示せず)を連結する前記リンク31が設けられている。
前記HST34から出力された動力は、走行出力軸35から回転軸36に伝達される。変速装置38による変速段は次のように設定される。すなわち副変速高速(3速)は、ギヤ38aからギヤ38bで変速された動力が変速軸43へ伝達される。また、副変速中速(2速)は、ギヤ38cからギヤ38dで変速された動力が変速軸43へ伝達され、副変速低速(1速)は、ギヤ38eからギヤ38fで変速された動力が変速軸43へ伝達される。これら副変速の3段変速は、副変速レバー21を操作してシフタ39が左右にスライドすることで切り替わる。変速軸43の回転がデフ装置46を介して後輪3が副変速中速段の走行速度で駆動される。
また、変速軸43の副変速下手側のギヤ58からPTO軸52のギヤ47、このギヤ47と一体のギヤ59を経由して、前輪出力軸48のギヤ57に伝達され、前輪2が駆動される。
また静油圧式無段変速装置(HST)34はトラニオン軸30(図4,図5)の回動角度、すなわち斜板34dの回動角度によりその回転数が決まり、詳細な説明は省略するが、アクセルペダル15の踏み込み量がアクセルペダルポテンショ76で検出されると、アクセルペダルポテンショ76の検出値に応じてトラニオン軸30の作動量がコントローラ100により自動的に設定され、静油圧式無段変速装置(HST)34の油圧出力回転数がコントローラ100により自動的に適切な値に設定される。
また、緊急停止スイッチ60(図5にのみ図示)を押すと、エンジンが停止して、衝突等の事故を避ける場合に利用される。
さらにこれらのダイヤル14a,14bとスイッチ14cの後ろに副変速レバー21、ミッドPTOレバー23aとリヤPTOレバー23b等を配置する構成としても良い。
またクルーズモニタランプ77aとクルーズ走行スイッチ14cの握り部分を点灯可能な構成にしておき、クルーズ走行スイッチ14cが入りになると、該クルーズ走行スイッチ14cそのものが点灯する構成にしてもよい。
なお、これらのダイヤル14a,14bとスイッチ14cの後ろに主変速レバー20や副変速レバー21、ミッドPTOレバー23aとリヤPTOレバー23b等を配置する構成としても良い。このようなレイアウトにすると、速度の変更と前記ダイヤル14a,14bとスイッチ14cの相互の操作性が従来より向上する。
このような構成により、右利きの操縦者が右腕をあまり動かすことなく、これらのダイヤル14a,14bとスイッチ14cを容易に操作できる。
また前記したようにローダアーム81を上昇させた後でトラクタを後退させる場合には後進時の最高設定速度まで加速を緩やかに行うように変速装置の走行制御を行うことで、燃費の改善が図れる。
また、大きな荷物や土砂をローダ80から放出する時には、バックをするので、このバックの判定があると、エンジン回転数を最大限上げてトラクタの走行速度を速くすることで、作業が速やかに進行する。
また、前記取付プレート85により、ミッドケース84内のオイルがフロントケース83内に入ってくるのを防止でき、HST34が油漬けになるのを防いでいる。
3 後輪 5 エンジン
6 ハンドルポスト 7 ステアリングハンドル
8 燃料タンク 9 操縦席(座席)
10 前後進レバー 11 スロットルレバー
12a,12b レバーガイド 13 ステップフロア
14a 最高速設定ダイヤル 14b 車速緩慢度応答ダイヤル
14c クルーズ走行スイッチ 14x 最高速レバー
15 アクセルペダル 16,17 ブレーキペダル
18 作業機上げ下げ用のポジション用レバー
20 主変速レバー 21 副変速レバー
22 ボンネット 23a ミッドPTO変速レバー
23b リヤPTO変速レバー
24 四輪駆動レバー(4WDレバー)
30 トラニオン軸 30a トラニオン軸角度センサ
31 リンク 33 HST入力軸
34 静油圧式無段変速装置(HST)
34a 油圧ポンプ 34b 油圧モータ
34c 油圧閉回路 34d 斜板
35 走行出力軸 36 回転軸
37 伝動軸 38 噛合式変速装置
38a〜38f 副変速ギヤ 39 副変速クラッチ
41 ギヤ 42 高速段ギヤ
43 変速軸 45 ギヤ
46 デフ装置 47 ギヤ
48 前輪出力軸(4WD軸) 49 デフ装置
51 ポンプ出力軸 52 PTO軸
53 回転速度センサ(車速センサ) 54 PTO油圧クラッチ
55 リヤPTO軸 56 ミッドPTO軸
57〜59 ギヤ 60 緊急停止スイッチ
62 緊急停止レバー 63 切替弁
65 比例弁 66 油圧ポンプ
75 エンジンストールガードスイッチ
76 アクセルペダルポテンショ 77 操作パネル
77a クルーズモニタランプ 78 最高速レバー
78a グリップ 80 ローダ
81 ローダアーム 82 負荷検出センサ
83 フロントケース 84 ミッドケース
85 取付プレート
87 HSTチャージ用トロコイドポンプ
100 コントローラ
Claims (2)
- 車輪(2,3)とエンジン(5)を備えた車体(1)と、エンジン(5)の出力を調整するスロットルレバー(11)と、エンジン(5)からの出力に応じて油圧出力を変える油圧式無段変速装置(34)と、該油圧式無段変速装置(34)のトラニオン軸(30)の回動方向と角度を前進方向と後進方向に切り替える前後進レバー(10)と、前記油圧式無段変速装置(34)のトラニオン軸(30)の前進方向又は後進方向回動角度を調整して前進方向又は後進方向の油圧出力を踏み込み量に応じて調整するアクセルペダル(15)と、車体(1)の前方に昇降自在に装着した作業機(80)と、操縦者が着席する操縦席(9)を備えた作業車両において、
トラニオン軸(30)の回動角度を調整して最高速を設定する最高速設定ダイヤル(14a)と車速緩慢度応答速度を規制する車速緩慢度応答ダイヤル(14b)とクルーズ走行速度を設定するクルーズ走行スイッチ(14c)を操縦席(9)の隣接位置であって車体(1)の前後方向に一列に配置し、該最高速設定ダイヤル(14a)と車速緩慢度応答ダイヤル(14b)とクルーズ走行スイッチ(14c)の外側には作業機上げ下げ用のポジション用レバー(18)を配置し、
前記作業機(80)としてローダ(80)を、ローダアーム(81)を介して昇降自在に装着し、
アクセルペダル(15)の踏み込み量を検出するアクセルペダルポテンショ(76)と、トラニオン軸(30)の回動角度を検出するトラニオン軸角度センサ(30a)と、車速を検出する車速センサ(53)と、エンジンストールガード用のスイッチ(75)を設け、
前記車速センサ(53)で検出される車速が低下し、且つトラニオン軸角度センサ(30a)の検出値もアクセルペダルポテンショ(76)の検出値に応じた設定値より低下するときは、ローダアーム(81)を上げるように油圧式無段変速装置(34)の油圧回路の油圧ポンプ(66)をパワーアップさせる油圧上昇機能と、該油圧上昇機能によりローダアーム(81)を上昇させた後で車両を後退させる場合は、アクセルペダル(15)の踏み込み量による加速よりも緩やかに加速するようにトラニオン軸(30)の回動を制御する加速機能と、エンジンストールガード用のスイッチ(75)の操作時にエンジン(5)に負荷が掛かるとトラニオン軸(30)の回動角度を小さくして車速を低下させる車速低下機能とを有する制御装置(100)を設けたことを特徴とする作業車両。 - 操縦席(9)の隣接位置に設けた各種操作レバー用のレバーガイド(12a)上に最高速設定ダイヤル(14a)、車速緩慢度応答ダイヤル(14b)及びクルーズ走行スイッチ(14c)を車体(1)の前側から後側に順に一列に配置し、前記2つのダイヤル(14a,14b)と1つのスイッチ(14c)を、レバーガイド(12a)とは別に、操縦席(9)の前後方向に一体的に移動可能に配置したことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
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