JP5742531B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源の発生したトルクを、リダクションギアを介して駆動輪に伝達する車両の制御装置に関する。
一般に車両においては、燃費の向上のため、車両減速時にエンジンへの燃料供給を停止する、いわゆる減速時燃料カットが実施されている。ただし、燃料カットの実施に際しては、それまで存在していたエンジンの発生トルクが急に無くなることから、トルクショックが発生する。そこで従来、特許文献1に記載の車両の制御装置では、予め点火時期を徐々に遅角することでエンジンの発生トルクを制限しておいた上で燃料カットを開始することで、燃料カットの開始時のトルク段差を低減してトルクショックを抑制することがなされている。
特開平10−030477号公報
こうした燃料カットに先立つトルク制限によれば、燃料カット開始時のトルク段差によるショックの発生を抑制することは確かに可能である。しかしながら、そうしたトルク制限を行っても、燃料カット移行時等に発生する、下記の要因によるショックについてまでは、その発生を的確に抑制できないようになっている。
すなわち、減速時燃料カットへの移行時には、ある時点で、エンジンの発生したトルクによって駆動輪が駆動される駆動状態から、駆動輪から入力されたトルクでエンジンが駆動される被駆動状態へと切り換わる。この切り換わりに際して、エンジンの発生トルクと駆動輪からの入力トルクとの間に段差が存在すると、リダクションギアの歯打ちが発生してショックが生じてしまう。その点、燃料カットに先立ってエンジンの発生トルクを単に徐減するだけでは、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のエンジンの発生トルクと駆動輪からの入力トルクとの間のトルク段差を解消しきることはできず、こうしたリダクションギアの歯打ちによるショックを的確には抑制できないようになる。
なお、こうした問題は、減速時燃料カットの移行時以外における駆動状態から被駆動状態への切り換わり時にも同様に発生するものとなっている。また同様のショックは、被駆動状態から駆動状態への切り換わり時にも、やはり発生することがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、駆動源の駆動状態と被駆動状態との切り換わり時のリダクションギアの歯打ちによるショックの発生を的確に抑制することのできる車両の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、駆動源の発生したトルクを、リダクションギアを介して駆動輪に伝達する車両の制御装置としての請求項1に記載の発明は、駆動源の発生したトルクによって駆動輪が駆動される駆動状態から、駆動輪から入力されたトルクで駆動源が駆動される被駆動状態の切り換わりに際して、その切り換わり時の駆動輪からの入力トルクを推定し、その切り換わり時の駆動源の発生トルクをその推定した入力トルクに一致させるフラットトルク作り込み制御を実施するようにしている。
駆動源の発生したトルクや駆動輪から入力されたトルクがそのままリダクションギアに伝達されると考えた場合、駆動状態と被駆動状態との切り換わりに際して、駆動源の発生トルクと駆動輪からの入力トルクとが一致していれば、リダクションギアの駆動源側、駆動輪側のトルクが一致することになる。そのため、駆動状態、被駆動状態の切り換わり時に、そのときの駆動輪からの入力トルクと一致するように駆動源の発生トルクを制御すれば、駆動状態、被駆動状態の切り換わりに際してのリダクションギアの歯打ちを防止することができる。したがって上記構成によれば、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のリダクションギアの歯打ちによるショックの発生を的確に抑制することができる。
なお、駆動状態、被駆動状態の切り換わりは、駆動源の発生トルクが推定された切り換わり時の駆動輪からの入力トルクと一致したタイミングより開始される。したがって、上述のフラットトルク作り込み制御は、請求項2によるように、駆動源の発生トルクが推定した入力トルクとなったときより実施するようにすると良い。
ところで、厳密には、駆動源の発生トルクや駆動輪からの入力トルクはそのままリダクションギアに伝達される訳ではない。そのため、駆動状態と被駆動状態との切り換わり時のリダクションギアの歯打ちによるショックの発生をより確実に抑制するには、リダクションギアのドライブギア、ドリブンギアの歯面速度を一致させる必要がある。その点、駆動源の発生したトルクを、リダクションギアを介して駆動輪に伝達する車両の制御装置としての請求項3に記載の発明では、駆動源の発生したトルクによって駆動輪を駆動する駆動状態と、駆動輪から入力されたトルクで駆動源が駆動される被駆動状態との切り換わりに際して、駆動源側からリダクションギアに伝達されるトルクTinを当該車両の駆動系のリダクションギアの駆動源側のイナーシャーIinで除算した値と、駆動輪からリダクションギアに伝達されるトルクTout を当該車両の駆動系の前記リダクションギアの駆動輪側のイナーシャーIout で除算した値との比がリダクションギアの減速比ρred と一致させるために必要な駆動源の発生トルクを推定し、その切り換わり時の駆動源の発生トルクをその推定した発生トルクに一致させるフラットトルク作り込み制御を実施するようにしている。そのため、こうした請求項3に記載の発明によれば、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のリダクションギアの歯打ちによるショックの発生を的確に抑制することができる。
なお、駆動状態、被駆動状態の切り換わりは、駆動源の発生トルクが推定された発生トルクと一致したタイミングより開始される。したがって、上述のフラットトルク作り込み制御は、請求項4によるように、駆動源の発生トルクが推定した発生トルクとなったときより実施するようにすると良い。
なお、駆動状態から被駆動状態への切り換わりは、例えば車両減速時の燃料カットの実施に先立って発生する。そのため、請求項5によるように、車両減速時の燃料カットの実施に先立っての駆動状態から被駆動状態への切り換わり時に上述のフラットトルク作り込み制御を行えば、そうした車両減速時の燃料カットの実施に先立っての駆動状態と被駆動状態との切り換わりに伴うリダクションギアの歯打ちによるショックを抑制することが可能となる。また請求項6によるように、このときの燃料カットの実施に先立って駆動源の発生トルクを徐減するトルク制限制御を実施するようにすれば、燃料カットの開始に伴うトルクショックについてもその抑制が可能となる。
ちなみに、駆動状態、被駆動状態の切り換わりに際してのリダクションギアの歯打ちによるショックの抑制は、例えば請求項7によるように、その切り換わり時のショックの抑制に必要な駆動源の発生トルクを上式(1)により求めることで的確に行うことが可能である。また無段変速機を採用する車両の場合には、無段変速機に伝達されたトルクの一部が、そのプライマリーシーブ、セカンダリーシーブの変速動作に費やされる。よってそうした車両の場合には、請求項8によるように、駆動状態、被駆動状態の切り換わり時のショックの抑制に必要な駆動源の発生トルクを上式(2)により求めることで、その切り換わりに際してのリダクションギアの歯打ちによるショックを的確に抑制することが可能となる。
本発明の一実施の形態が適用される車両の駆動系の構成を模式的に示す略図。 リダクションギアを中心に簡略化した同駆動系のモデルを示す図。 同実施の形態に採用されるフラットトルク作り込み制御ルーチンの処理手順を示すフローチャート。 同実施の形態の減速時燃料カット移行時の制御態様の一例を示すタイムチャート。
以下、本発明の車両の制御装置を具体化した一実施の形態を、図1〜図4を参照して詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施の形態の適用される車両の駆動系の構成を説明する。同図に示すように、車両の駆動源であるエンジン1には、その補機類として、空調装置のコンプレッサー2、オルタネーター3及びオイルポンプ4が駆動連結されている。またエンジン1は、無段階に変速比を変更する無段変速機8、回転を減速するリダクションギア9、左右輪の差動を許容するディファレンシャル10を介して駆動輪11に接続されている。なお、無段変速機8は、ベルト式の無段変速機として構成されており、プライマリーシーブ5、セカンダリーシーブ6及びそれらに巻き掛けられたベルト7を備えるとともに、両シーブのベルト巻き掛け半径を変更することで、変速比を無段階で変更可能に構成されている。
こうした車両の駆動系において、エンジン1は、コントローラー12により制御されている。コントローラー12は、エンジン制御に係る各種演算処理を実施する中央演算処理装置(CPU)、エンジン制御用のプログラムやデータが記憶された読込専用メモリー(ROM)、CPUの演算結果やセンサーの検出結果等を一時的に記憶するランダムアクセスメモリー(RAM)を備えて構成されている。そして、コントローラー12は、車両各部に設置されたセンサーの検出結果を基に、点火時期制御、燃料噴射制御等のエンジン制御を行っている。
また本実施の形態では、コントローラー12は、エンジン制御の一環として、車両の減速時にエンジン1の燃料供給を停止する減速時燃料カット制御を行っている。更にコントローラー12は、燃料カット開始時のトルクショックを抑制するため、こうした減速時燃料カットの実施に先立って、エンジン1の点火時期を徐々に遅角して、エンジン1の発生トルクを徐減させるトルク制限制御を実施してもいる。
なお、減速時燃料カットへの移行に際してエンジン1は、自身の発生したトルクで駆動輪11を駆動する駆動状態から、駆動輪11から入力されたトルクで自身が駆動される被駆動状態へと切り換わる。そしてこの駆動状態から被駆動状態への切り換わりに際しては、リダクションギア9の歯打ちによるショックが発生することがある。このショックは、概略的には、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時にエンジン1の発生トルクと駆動輪11からの入力トルクとの間に段差が存在することがその要因となって発生する。したがって、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時にエンジン1の発生トルクを駆動輪11からの入力トルクと一致させれば、そうしたショックの発生を抑制することができる。
より厳密には、エンジン1の発生トルク、駆動輪11からの入力トルクがそのままリダクションギア9に伝達される訳ではないため、上記ショックの発生を抑制するには、より厳密な発生トルクの推定が必要となる。そこで本実施の形態では、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のリダクションギア9の歯打ちによるショックを抑制するために必要なエンジン1の発生トルクを推定し、その切り換わり時のエンジン1の発生トルクをその推定した発生トルクに一致させるようにしている。
次に、こうしたショックの抑制に必要な発生トルクの推定ロジックについて説明する。図2は、車両の駆動系を、リダクションギア9を中心に模式化したモデルを示している。同図のIinは、リダクションギア9のエンジン1側における駆動系のイナーシャーを、Tinは、リダクションギア9のエンジン1側のギア(ドライブギア9A)に入力されるトルクを、αinは、ドライブギア9Aの角加速度を表している。また同図のIout は、リダクションギア9の駆動輪11側における駆動系のイナーシャーを、Tout は、リダクションギア9の駆動輪11側のギア(ドリブンギア9B)に入力されるトルクを、αout は、ドリブンギア9Bの角加速度を表している。こうしたモデルでのねじりの関係式は、下式(3)、(4)の通りとなる。なお、イナーシャーIin、Iout は、リダクションギア9を中心とした等価慣性計算で求めることができる。
Figure 0005742531
ここでトルクTinは、下式(5)にて表される。下式(5)において、TQeng は、エンジン1の発生トルクを、TQacは、コンプレッサー2の駆動トルクを、TQalt は、オルタネーター3の駆動トルクを、TQopは、オイルポンプ4の駆動トルクを、FRcoldは、冷間時におけるフリクショントルクの増加分を示している。またTRQIinは、無段変速機8の変速時のプライマリーシーブ5の変速動作(ベルト巻き掛け半径の変更)に費やされるトルクを、TRQIout は、無段変速機8の変速時のセカンダリーシーブ6の変速動作(ベルト巻き掛け半径の変更)に費やされるトルクをそれぞれ示している。更にKETTは、無段変速機8の伝達効率を、RATIOは、無段変速機8の変速比をそれぞれ示している。なお、KETTは、無段変速機8の伝達効率が一定であれば、定数となるが、その伝達効率が変速比によって変化する場合には、KETTは、変速比に応じた変数となる。
Figure 0005742531
一方、トルクTout は、下式(6)にて表される。下式(6)において、FR/L は、道路負荷(Road Load )を、Fslope は、路面の勾配により駆動輪11が受ける抗力を、Rtireは、駆動輪11の半径を、ρdef は、ディファレンシャル10のギア比をそれぞれ示している。
Figure 0005742531
ここで、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のリダクションギア9の歯打ちを防止するには、リダクションギア9のドライブギア9A及びドリブンギア9Bの歯面速度を等しくする必要がある。リダクションギア9のギア比をρred とすると、このときのドライブギア9A及びドリブンギア9Bの角加速度αin、αout の関係は、下式(7)に示す通りとなり、この関係から下式(8)が得られる。なお、下式(8)は、トルクTout をイナーシャーIout で除算した値と、トルクTinをイナーシャーIinで除算した値との比が、リダクションギア9の減速比ρred と一致することを示している。
Figure 0005742531
そして、上式(5)及び(8)から、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のリダクションギア9の歯打ちによるショックを抑制するために必要なエンジン1のトルクTQeng は、下式(9)に示す通りとなる。
Figure 0005742531
続いて、こうした推定ロジックを用いた、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のショックの発生を抑制するための制御の詳細を説明する。この制御は、図3に示すフラットトルク作り込み制御ルーチンの処理を通じて行われる。同ルーチンの処理は、車両走行中、コントローラー12によって、既定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとなっている。
さて本ルーチンが開始されると、まずステップS100において、減速時燃料カットへの移行状態にあるか否かが判定される。ここで、減速時燃料カットへの移行状態になければ(S100:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了され、同移行状態にあれば(S100:YES)、ステップS101の処理に移行される。
処理がステップS101に移行されると、そのステップS101において、燃料カットに先立ってのエンジン1のトルク制限制御が実施される。このトルク制限制御を通じては、エンジン1の点火時期が徐々に遅角され、それによりエンジン1の発生トルクが徐減される。
続くステップS102では、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のショックの発生を抑制するために必要なトルクTQeng の推定が行われる。このトルクTQeng の推定は、上式(9)を用いて行われる。
続いて、ステップS103において、エンジン1が駆動状態から被駆動状態への切り換わり中であるか否かの判定が行われる。この判定は、現状のエンジン1の発生トルクがステップS102で推定されたトルクTQeng まで低下したか否かにより行われる。ここで、駆動状態から被駆動状態への切り換わり中でなければ(S103:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、切り換わり中であれば(S103:YES)、ステップS104の処理に移行される。
処理がステップS104に移行されると、そのステップS104において、推定した、ショックの抑制に必要なトルクTQeng と一致するように、エンジン1の発生トルクが制御される。ここでのエンジン1の発生トルクの制御は、点火時期の調整を通じて行われる。
なお、こうしたエンジン1の発生トルクの制御は、移行区間フラグがオンとなっている間継続される。移行区間フラグは、エンジン1の発生トルクがトルクTQeng となった時点でオンとされ、その後、既定の時間が経過した時点でオフとされる。移行区間フラグがオンとされる期間は、エンジン1の駆動状態から被駆動状態への切り換わりに要する時間に設定されている。なお、ここでは、そうした移行区間フラグのオン期間を、駆動状態から被駆動状態への切り換わりに要する時間のばらつきを考慮して設定するようにしている。
次に、以上のように構成された本実施の形態の作用を説明する。
図4に示すように、車両が減速されて、減速時燃料カットへの移行状態となると、トルク制限制御により点火時期が徐々に遅角されて、エンジン1の発生トルクが徐減される。そして、時刻T1において、エンジン1の発生トルクがトルクTQeng となり、エンジン1の駆動状態から被駆動状態への切り換わりが開始されると、移行区間フラグがオンとされる。
移行区間フラグがオンとされると、点火時期の調整を通じて、ショックの抑制に必要なトルクTQeng と一致するようにエンジン1の発生トルクが制御される。この制御は、エンジン1の駆動状態から被駆動状態への切り換わりが行われている間継続される。こうしてエンジン1の発生トルクがトルクTQeng に制御されると、駆動状態から被駆動状態への切り換わりの間、リダクションギア9のエンジン1側と駆動輪11側とのトルク段差が解消され、リダクションギア9の歯打ちによるショックが有効に抑制される。
その後の時刻T2において、エンジン1の駆動状態から被駆動状態への切り換わりが完了して、移行区間フラグがオフとされると、再びトルク制限制御が実施され、エンジン1の発生トルクが時間の経過と共に徐減される。そしてエンジン1の発生トルクが十分に低減された時点で、減速時燃料カットが開始される。
以上の本実施の形態の車両の制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施の形態では、減速時燃料カットへの移行に際してのエンジン1の駆動状態から被駆動状態への切り換わりに際して、ショックの抑制に必要なエンジン1の発生トルクの推定を行っている。このエンジン1の発生トルクは、トルクTout をイナーシャーIout で除算した値と、トルクTinをイナーシャーIinで除算した値との比をリダクションギア9の減速比ρred と一致させるために必要なエンジン1の発生トルクとして推定されている。そして、その切り換わり時のエンジン1の発生トルクをその推定した発生トルクに一致させるフラットトルク作り込み制御を実施するようにしている。そのため、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のリダクションギア9のエンジン1側、駆動輪11側のトルク段差を解消して、リダクションギア9の歯打ちによるショックの発生を的確に抑制することができる。
(2)本実施の形態では、補機類の駆動トルク、無段変速機8の変速比や伝達効率を考慮して、トルクTQeng の推定を行っている。そのため、補機類の駆動トルクの変化や無段変速機8の変速比や伝達効率の変化に拘わらず、ショックの抑制に必要なトルクTQeng の推定を的確に行うことができる。
(3)本実施の形態では、冷間時のフリクショントルクの増加分を考慮してトルクTQeng の推定を行っている。そのため、暖機状態に応じたフリクショントルクの変化に拘わらず、ショックの抑制に必要なトルクTQeng の推定を的確に行うことができる。
(4)本実施の形態では、無段変速機8の変速動作に費やされるトルクを考慮してトルクTQeng の推定を行っている。そのため、減速時燃料カットへの移行中も変速が行われ、しかも、その変速動作にトルクが消費される無段変速機8を搭載する車両においても、ショックの抑制に必要なトルクTQeng の推定を的確に行うことができる。
(5)本実施の形態では、減速時燃料カットの実施に先立ってエンジン1の発生トルクを徐減するトルク制限制御を実施している。そのため、燃料カットの開始時のトルク段差に起因したショックについてもその抑制が可能となる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、エンジン1の発生トルクがトルクTQeng となったことをもって、エンジン1の駆動状態から被駆動状態への切り換わりのタイミングを確認していたが、その切り換わりのタイミングをそれ以外の方法で確認するようにしても良い。そうした場合であれ、駆動状態から被駆動状態への切り換わりの確認に応じて、トルクTQeng と一致するようにエンジン1の発生トルクを制御すれば、駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のリダクションギア9の歯打ちによるショックの発生を的確に抑制することができる。
・上記実施の形態では、減速時燃料カットの実施に先立ってエンジン1の発生トルクを徐減するためのトルク制限制御を、エンジン1の点火時期を徐々に遅角することで行っていたが、燃料噴射量や吸入空気量等の他のエンジン制御パラメーターの調整により行うようにしても良い。
・上記実施の形態では、減速時燃料カットの実施に先立ってエンジン1の発生トルクを徐減するトルク制限制御を実施している。燃料カットの開始時のトルク段差に起因したショックの抑制が特に必要でない場合には、トルク制限制御を実施せずに、減速時燃料カットを行うようにしても良い。
・上記実施の形態では、トルクTQeng の推定に無段変速機8の変速動作に費やされるトルクを考慮しているが、そうしたトルクの影響を無視できる場合には、そうしたトルクを考慮せずにトルクTQeng の推定を行うようにしても良い。すなわち、上式(9)からTRQIin、TRQIout の項を割愛したものを用いてトルクTQeng の推定を行うようにしても良い。
・上記実施の形態では、トルクTQeng の推定に冷間時のフリクショントルクの増加分を考慮しているが、そうしたフリクショントルクの増加分を無視できる場合、例えば減速時燃料カットが暖機完了後にのみ行われる場合などには、フリクショントルクの増加分を考慮せずにトルクTQeng の推定を行うようにしても良い。すなわち、上式(9)からFRcoldの項を割愛したものを用いてトルクTQeng の推定を行うようにしても良い。
・上記実施の形態では、エンジン1の補機類として、コンプレッサー2、オルタネーター3及びオイルポンプ4が設けられた場合を説明した。補機類の数や種類が異なる場合にも、それら補機類の駆動トルクを考慮してトルクTQeng の推定を行えば、補機類の駆動トルクの変化や無段変速機8の変速比や伝達効率の変化に拘わらず、ショックの抑制に必要なトルクTQeng の推定を的確に行うことができる。
・上記実施の形態では、無段変速機8としてベルト式の無段変速機を採用した場合を説明したが、ベルト式以外の無段変速機を採用するようにしても良い。その場合にも、無段変速機8の変速動作に費やされるトルクやその変速比や伝達効率を考慮して推定を行えば、的確なトルクTQeng の推定を行うことができる。
・上記実施の形態では、無段変速機8を採用する場合を説明したが、有段変速機を採用する車両にも本発明は適用可能である。
・上記実施の形態では、減速時燃料カットへの移行に伴う駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のエンジン1の発生トルクをトルクTQeng に一致させるようにしていた。もっとも、減速時燃料カットへの移行時以外の状況における駆動状態から被駆動状態への切り換わり時にも、同様のリダクションギア9の歯打ちによるショックが発生することがあり、その切り換わり時のエンジン1の発生トルクをトルクTQeng に一致させるようにすれば、そうした場合のショックについても的確に抑制することができる。
・上記実施の形態では、エンジン1の駆動状態から被駆動状態への切り換わり時のショックを抑制する場合について説明したが、被駆動状態から駆動状態への切り換わり時にも、同様のリダクションギア9の歯打ちによるショックが発生することがある。そうしたショックについても、その切り換わり時のエンジン1の発生トルクをトルクTQeng に一致させるようにすることで抑制が可能となる。例えば燃料カットからの復帰時におけるエンジン1の被駆動状態から駆動状態への切り換わり時にも、トルクTQeng に一致するようにエンジン1の発生トルクを制御すれば、その切り換わりに伴うリダクションギア9の歯打ちによるショックを的確に抑制することができるようになる。
・上記実施の形態では、フラットトルク作り込み制御での駆動状態と被駆動状態との切り換わり時のエンジン1の発生トルクの制御を点火時期の調整により行うようにしていたが、その発生トルクの制御を、燃料噴射量や吸入空気量等の他のエンジン制御パラメーターの調整により行うようにしても良い。
・上記実施の形態では、駆動源としてエンジン1を搭載する車両に本発明の制御装置を適用した場合を説明したが、モーターを駆動源として備えるハイブリッド車両や電気車両にも本発明は適用することができる。そうした車両においても、駆動源の発生したトルクによって駆動輪11を駆動する駆動状態と、駆動輪11から入力されたトルクで駆動源が駆動される被駆動状態との切り換わり時には、リダクションギア9の歯打ちによるショックが発生することがある。そうした場合にも、その切り換わり時に駆動輪11、駆動源からリダクションギア9にそれぞれ伝達されるトルクを一致させるために必要な駆動源の発生トルクを推定し、その切り換わり時の駆動源の発生トルクをその推定した発生トルクに一致させるフラットトルク作り込み制御を実施すれば、そうしたショックを的確に抑制することができる。
・上記実施の形態では、駆動状態と被駆動状態との切り換わり時に駆動輪11、駆動源からリダクションギア9にそれぞれ伝達されるトルクを一致させるために必要な駆動源の発生トルクを推定し、その切り換わり時の駆動源の発生トルクをその推定した発生トルクに一致させるようにしていた。もっとも、駆動源の発生トルク、駆動輪11からの入力トルクがそのままリダクションギア9に伝達されると見做せる場合には、次のようにフラットトルク作り込み制御を実施することで、その切り換わり時のリダクションギア9の歯打ちによるショックを抑制することが可能である。すなわち、こうした場合には、駆動状態と被駆動状態との切り換わり時の駆動輪11からの入力トルクを推定するとともに、その切り換わり時の駆動源の発生トルクをその推定した入力トルクに一致させるようにフラットトルク作り込み制御を実施する。なお、こうした場合には、駆動源の発生トルクが推定した入力トルクとなったことで、駆動状態、被駆動状態の切り換わりの開始を確認することができる。そのため、駆動源の発生トルクが推定した入力トルクとなったときよりフラットトルク作り込み制御を実施するようにすることができる。
1…エンジン(駆動源)、2…コンプレッサー(補機類)、3…オルタネーター(補機類)、4…オイルポンプ(補機類)、5…プライマリーシーブ、6…セカンダリーシーブ、7…ベルト、8…無段変速機(変速機)、9…リダクションギア、9A…ドライブギア、9B…ドリブンギア、10…ディファレンシャル、11…駆動輪、12…コントローラー。

Claims (8)

  1. 駆動源の発生したトルクを、リダクションギアを介して駆動輪に伝達する車両の制御装置において、
    前記駆動源の発生したトルクによって前記駆動輪を駆動する駆動状態から、前記駆動輪から入力されたトルクで前記駆動源が駆動される被駆動状態の切り換わりに際して、その切り換わり時の前記駆動輪からの入力トルクを推定し、前記切り換わり時の前記駆動源の発生トルクをその推定した入力トルクに一致させるフラットトルク作り込み制御を実施する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記フラットトルク作り込み制御は、前記駆動源の発生トルクが前記推定した入力トルクとなったときより実施される
    請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 駆動源の発生したトルクを、リダクションギアを介して駆動輪に伝達する車両の制御装置において、
    前記駆動源の発生したトルクによって前記駆動輪を駆動する駆動状態と、前記駆動輪から入力されたトルクで前記駆動源が駆動される被駆動状態との切り換わりに際して、前記駆動源側から前記リダクションギアに伝達されるトルクTinを当該車両の駆動系の前記リダクションギアの駆動源側のイナーシャーIinで除算した値と、前記駆動輪から前記リダクションギアに伝達されるトルクTout を当該車両の駆動系の前記リダクションギアの駆動輪側のイナーシャーIout で除算した値との比を前記リダクションギアの減速比ρred と一致させるために必要な前記駆動源の発生トルクを推定し、前記切り換わり時の前記駆動源の発生トルクをその推定した発生トルクに一致させるフラットトルク作り込み制御を実施する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 前記フラットトルク作り込み制御は、前記駆動源の発生トルクが前記推定した発生トルクとなったときより実施される
    請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記フラットトルク作り込み制御は、車両減速時の燃料カットの実施に先立っての前記駆動状態から前記被駆動状態への切り換わり時に行われる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
  6. 前記燃料カットの実施に先立って前記駆動源の発生トルクを徐減するトルク制限制御を実施する
    請求項5に記載の車両の制御装置。
  7. 前記駆動源の補機類の駆動トルクをTQaux 、当該車両の駆動系における前記リダクションギアの駆動源側のイナーシャーをIin、駆動輪側からリダクションギアに伝達されるトルクをTout 、同駆動輪側のイナーシャーをIout 、前記リダクションギアの減速比をρred 、変速機の伝達効率をKETT、同変速機の変速比をRATIOとしたとき、前記切り換わり時の前記駆動源の発生トルクTQeng は、下式(1)により求められる
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
    Figure 0005742531
  8. 前記駆動源の補機類の駆動トルクをTQaux 、当該車両の駆動系における前記リダクションギアの駆動源側のイナーシャーをIin、駆動輪側からリダクションギアに伝達されるトルクをTout 、同駆動輪側のイナーシャーをIout 、前記リダクションギアの減速比をρred 、無段変速機の伝達効率をKETT、同無段変速機の変速比をRATIO、同無段変速機のプライマリーシーブの変速動作に費やされるトルクをTRQIin、同無段変速機のセカンダリーシーブの変速動作に費やされるトルクをTRQIout としたとき、前記切り換わり時の前記駆動源の発生トルクTQeng は、下式(2)により求められる
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
    Figure 0005742531
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