JP5739735B2 - 合成樹脂製カバーのドレンプラグ取付構造 - Google Patents

合成樹脂製カバーのドレンプラグ取付構造 Download PDF

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Description

この発明は、内燃機関や自動変速機のオイルパン等として好適な合成樹脂製カバーのドレンプラグ取付構造に関する。
例えば内燃機関のオイルパンは、一般には鋼板製のものが多く用いられているが、近年、FRP等の合成樹脂製オイルパンの利用が試みられている。内燃機関のオイルパンには、内部からオイルを排出するために着脱可能なねじ式のドレンプラグが必要であり、特許文献1に、合成樹脂製オイルパンに雌ねじ部を有する金属製のインサート部材を固着し、このインサート部材にオイルパン外側からドレンプラグを螺着する構成が開示されている。
特許文献1では、インサート部材は六角形の鍔部を有する円筒状をなしており、合成樹脂製オイルパン側に形成した六角形の凹部に上記鍔部を嵌合させるとともに、オイルパンを貫通した円筒状部分の先端縁を外側へ拡げることで、オイルパンの底壁に固定した構成となっている。
特開2000−34916号公報
上記のように金属製のインサート部材を合成樹脂製オイルパンに取り付け、このインサート部材にドレンプラグを螺合させる構成においては、内部のオイルに対するシールとして、合成樹脂製オイルパンと金属製インサート部材との間のシールと、インサート部材に螺合するドレンプラグのシールと、の2箇所のシールが必要である。しかし、上記特許文献1においては、インサート部材の先端縁を外側へ拡げることでインサート部材がオイルパンに保持されているに過ぎず、両者間での積極的なシールはなされていない。従って、合成樹脂製オイルパンとインサート部材との熱膨張率の差異などから、オイルパンとインサート部材との間からオイルの滲みや漏れが生じる懸念がある。
また仮に、ドレンプラグがインサート部材の先端縁(外側へ折り曲げられた部分)よりも外周側で合成樹脂製オイルパンに接して該オイルパンとの間をシールするように構成したとすると、合成樹脂材料は金属材料に比して剛性が低いことから、ドレンプラグのシールに必要な十分な軸力を確保できず、やはりオイルの滲みや漏れが生じ易い。
しかも、上記特許文献1の構成では、インサート部材を合成樹脂製オイルパンに固定するために、インサート部材先端縁に対するかしめ工程が必要である。
この発明は、合成樹脂製カバーに金属製ナットが保持され、このナットの雌ねじ部にドレンプラグが螺合してなる合成樹脂製カバーのドレンプラグ取付構造であって、
上記金属製ナットは、雌ねじ部と同心状をなす円筒部と、この円筒部の一端に接続され、かつ該円筒部の外周面から外周側へ張り出した非円形のナット部と、を備え、
上記合成樹脂製カバーには、上記円筒部が微小間隙を介して嵌合する貫通孔と、該カバーの内側面に上記貫通孔の周囲を囲むように設けられて、上記ナット部が微小間隙を介して嵌合するナット嵌合部と、このナット嵌合部の底面に上記貫通孔と同心状に設けられた円筒形の段部と、が形成されており、
上記段部によって上記合成樹脂製カバーと上記金属製ナットとの間に生じる空間内に、上記段部内周面と上記円筒部外周面との間を径方向にシールするOリングが配設され、
上記ドレンプラグは、上記貫通孔の開口縁よりも外周側へ拡がったフランジ面を有するとともに、上記円筒部の先端面と上記フランジ面との間にガスケットを備え、
上記ドレンプラグの締結により上記ガスケットに所定の荷重を与えた状態において、上記フランジ面と上記ナット部との間で上記合成樹脂製カバーを軸方向に圧縮せずに上記金属製ナットが上記Oリングによって自己センタリングするように、各部の軸方向寸法が設定されている、ことを特徴としている。
すなわち、上記構成では、ドレンプラグと金属製ナットとの間は、両者間に介在するガスケットを介して軸方向にシールされる。このガスケットとしては、例えば塑性変形可能な銅などの比較的軟質な金属からなる金属製パッキンが用いられるが、互いに螺合する金属製ドレンプラグと金属製ナットとの間でガスケットが狭圧されるため、一般的な金属製オイルパン等と同様に確実なシール性が得られる。一方、合成樹脂製カバーと金属製ナットとの間は、合成樹脂製カバー側の段部内周面と金属製ナット側の円筒部外周面との間のOリングによって径方向にシールされる。ここで、上記のドレンプラグの締付は、上記Oリングには影響しない。すなわち、ドレンプラグを基準のトルクで締め付けた状態つまりガスケットに所定の荷重を与えた状態においては、ドレンプラグの軸力は合成樹脂製カバーに作用しておらず、金属製ナットはドレンプラグとともに半径方向に移動可能(貫通孔やナット嵌合部に対する微小間隙の範囲内で)である。そのため、Oリングの弾性によって貫通孔に対する自己センタリング作用が得られ、金属製ナットはドレンプラグとともに貫通孔に対し常に同心位置となる。従って、Oリングの全周に亘って良好なシール性が得られ、合成樹脂製カバーと金属製ナットとの間の相対的な熱膨張等があっても、オイルの滲みや漏れが生じることがない。
一つの具体的な態様では、上記の所定の荷重によって上記ガスケットが所定量変形した状態において、上記フランジ面と上記ナット部との間の距離は、上記ナット嵌合部における上記合成樹脂製カバーの肉厚よりも僅かに大きく、軸方向に微小間隙が残存している。
なお、本発明においては、合成樹脂製カバーを軸方向に圧縮しなければ足りるので、上記微小間隔が0、つまり微小間隙が実質的に存在しないものとなっていてもよい。
また、好ましい一つの態様では、上記ナット嵌合部の開口縁に、上記ナット部を抜け止めする係合突起が設けられている。このような構成では、ドレンプラグを取り外した状態においても金属製ナットがナット嵌合部に保持されるので、ドレンプラグの脱着作業がより容易となる。
この発明によれば、金属製ナットは合成樹脂製カバーに完全には固定されていないので、合成樹脂製カバーに対する金属製ナットのかしめ工程等が不要となる。そして、金属製ナットと金属製ドレンプラグとの金属部材同士の締結による軸方向のシールと、ドレンプラグの軸力の影響を受けない自己センタリングされる半径方向のシールとを組み合わせたことで、高いシール性が得られ、内部からのオイルの滲みなどを長期に亘って確実に防止することができる。
この発明をオイルパンのドレンプラグに適用した一実施例の断面図。 オイルパン側の要部を示す斜視図。 金属製ナットをOリングとともに上下反転した状態で示す斜視図。 金属製ナットの変形例を示す斜視図。 金属製ナットを抜け止めする係合突起を備えた第2の実施例の断面図。 この第2の実施例のオイルパン側の要部を示す斜視図。 係合突起を全周に設けた変形例を示すオイルパン側の要部の斜視図。 係合突起の断面形状の一例を示す要部の断面図。 係合突起の断面形状の異なる例を示す要部の断面図。 係合突起の断面形状のさらに異なる例を示す要部の断面図。
以下、この発明を自動車用内燃機関の底部に設けられるオイルパンに適用した一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、合成樹脂製オイルパン1の底部にオイル排出のために着脱可能に装着されるドレンプラグ2の取付構造を示した断面図であって、オイルパン1は、例えばポリアミド系の繊維強化合成樹脂のような強度ならびに剛性の高い樹脂材料にて一体に射出成形されている。
このオイルパン1の底壁の適宜位置、一般には、車載状態で最も低位となる位置に、円形の貫通孔3が開口形成されており、この貫通孔3の周囲を囲むように、オイルパン1の内側面(換言すれば底壁の上面)に、図2にも示すように、六角形の壁部4からなるナット嵌合部5が形成されている。このナット嵌合部5は、その六角形の対向する2辺の間隔が上記貫通孔3の直径よりも大きい。そして、壁部4の内側となるナット嵌合部5の底面5aには、さらに、上記貫通孔3と同心状をなす円筒形の段部7が形成されている。換言すれば、貫通孔3の上端部分の径を拡大することで、底面5aに開口した段部7が形成されている。この段部7は、ナット嵌合部5の底面5aと平行な段部底面7aと、円筒面をなす内周面7bと、を有する。この段部7の直径は、図示例では、ナット嵌合部5の六角形の対向する2辺の間隔よりも僅かに小さくなっているが、2辺の間隔と実質的に等しい直径とすることも可能である。
なお、上記ナット嵌合部5は、オイルパン1の底壁の肉厚が大きい場合には、六角形に窪んだ凹部とすることもでき、あるいは、高さの一部がオイルパン1の底壁に窪んでいて高さの残りの部分が壁部で囲まれた構成とすることもできる。
上記の貫通孔3およびナット嵌合部5には、金属製ナット11がOリング12とともに配置される。金属製ナット11は、図3にも示すように、中心に雌ねじ部13が貫通形成されているとともに、この雌ねじ部13と同心状をなす円筒部14を有し、かつこの円筒部14の一端に、六角形のナット部15が設けられている。円筒部14とナット部15との間の段差面15a(換言すればナット部15の一方の端面)は、雌ねじ部13の中心線に直交する平面をなす。このナット11をオイルパン1に組み付けた組付状態では、上記円筒部14は、オイルパン1側の貫通孔3に嵌合するが、上記貫通孔3の径は上記円筒部14の径よりも僅かに大きく、従って、径方向に微小間隙d1を残した状態で両者は嵌合する。同様に、上記ナット部15は、オイルパン1側のナット嵌合部5に嵌合するが、ナット嵌合部5の径方向の寸法はナット部15の径方向の寸法よりも僅かに大きく、従って、径方向に微小間隙d2を残した状態で両者は嵌合する。つまり、ナット11は貫通孔3やナット嵌合部5に対し密に嵌合せず、径方向に微小量変位し得る状態で嵌合する。なお、2箇所の微小間隙d1,d2は、互いに等しくてもよく、多少異なる大きさであってもよい。
また、上記ナット11がナット嵌合部5に嵌合した状態では、上記段差面15aが上記段部7を覆う形となり、これによって、円環状に連続した空間つまりOリング収容部16がオイルパン1とナット11との間に形成される。このOリング収容部16は、断面矩形をなし、段部7の段部底面7aおよび内周面7bと、ナット11の段差面15aと、円筒部14の外周面14aと、の4つの面に囲まれている。このOリング収容部16内に収容されるOリング12は、シリコーンゴム等からなる一般的なOリングであり、組付状態では、上記段部7の内周面7bと上記円筒部14の外周面14aとの間に圧縮状態で挟み込まれている。つまり、このOリング12は、上記段部7の内周面7bと上記円筒部14の外周面14aとの間を径方向にシールしている。
上記ナット11に組み合わされる金属製のドレンプラグ2は、上記雌ねじ部13に螺合する雄ねじ部21を有するとともに、六角形の頭部22を有し、かつこの頭部22の基部に円形に拡がったフランジ部23を有している。このフランジ部23の端面つまりフランジ面23aは、上記貫通孔3の径よりも大径であり、貫通孔3の開口縁よりも外周側へ拡がっている。そして、このドレンプラグ2は、雄ねじ部21の外周に円環状のガスケット25を装着した状態で上記ナット11に締結される。上記ガスケット25としては、例えば塑性変形可能な銅などの比較的軟質な金属からなる平坦な金属製パッキンが用いられるが、非金属のガスケットなど他の形式のガスケットを用いることも勿論可能である。ここで、このガスケット25は、金属製ナット11の円筒部14の端面14bに対応した外径を有しており、互いに剛性の高い金属製ナット11の円筒部14端面14bと金属製ドレンプラグ2のフランジ面23aとの間で狭圧される。換言すれば、ガスケット25は、貫通孔3の径よりも小さく、貫通孔3よりも外側の樹脂材料面つまりオイルパン1外側面1aにははみ出ないように構成されている。
一方、軸方向の各部の寸法関係としては、仮にナット11の段差面15aがナット嵌合部5の底面5aに接しているときに、円筒部14の端面14bは、貫通孔3の下端付近に位置し、ガスケット25の軸方向の厚みを加えると、該ガスケット25の下面が貫通孔3から下方へ僅かに突出した位置となる。より詳しくは、ドレンプラグ2を基準の締付トルクでもってナット11に対し締結し、ガスケット25に所定の荷重を与えた状態(つまりガスケット25が軸方向に所定量変形した状態)において、ナット11の段差面15aとドレンプラグ2のフランジ面23aとの間の距離が、ナット嵌合部5におけるオイルパン1の肉厚つまりナット嵌合部5底面5aとオイルパン1外側面1aとの間の距離を下回ることがなく、従ってオイルパン1の底壁が圧縮荷重を受けることがないように、円筒部14の軸方向長さやガスケット25の寸法が設定されている。
図示例では、各部の公差を考慮して、ガスケット25に所定の荷重を与えた状態(つまりガスケット25が軸方向に所定量変形した状態)において、ナット11の段差面15aとドレンプラグ2のフランジ面23aとの間の距離が、ナット嵌合部5におけるオイルパン1の肉厚つまりナット嵌合部5底面5aとオイルパン1外側面1aとの間の距離よりも僅かに大きくなるように各部の寸法が設定されており、ナット11の段差面15aとナット嵌合部5の底面5aとの間、あるいは、オイルパン1外側面1aとドレンプラグ2のフランジ面23aとの間に、軸方向の微小間隙が残存している。実際の締結作業においては、Oリング12がナット11とオイルパン1との間に存在し、初期状態ではナット部15がナット嵌合部5底面5aから僅かに浮き上がった状態となっているため、ドレンプラグ2を締め付けていくと、そのフランジ面23aがオイルパン1外側面1aに先に当接し、最終的に、ナット11の段差面15aとナット嵌合部5底面5aとの間に微小間隙d3が残存する。なお、この微小間隙d3は、極小さいため、図1では描かれていない。
このように、上記構成では、金属製ドレンプラグ2と金属製ナット11との間は、円筒部14端面14bとフランジ面23aとの間で狭圧されるガスケット25によって軸方向にシールされる。金属製のドレンプラグ2とナット11はいずれも剛性が高いので、シールに必要な軸力を確実に与えることができ、一般的な金属製オイルパンにおけるドレンプラグと全く同等に確実なシール性が得られる。
一方、合成樹脂製のオイルパン1と金属製ナット11との間は、上述したように、Oリング収容部16内に収容されたOリング12によって径方向にシールされる。ここで、上記のドレンプラグ2の締付は、上記Oリング12には影響しない。つまり、ドレンプラグ2を基準の締付トルクでもって締め付けた状態において、上述したようにドレンプラグ2の軸力が合成樹脂製オイルパン1に作用していない。そのため、締付状態にあっても、金属製ナット11はドレンプラグ2とともに、上記の微小間隙d1,d2の範囲内で半径方向に移動可能であり、従って、Oリング12の弾性によって金属製ナット11の自己センタリングがなされる。つまり、金属製ナット11はドレンプラグ2とともに段部7の内周面7b(ひいては貫通孔3)に対し常に同心位置となり、段部7の内周面7bと円筒部14の外周面14aとの間の半径方向の間隔が全周に亘って常に一定となる。従って、Oリング12の全周に亘って良好なシール性が得られ、例えば合成樹脂製オイルパン1と金属製ナット11との間の相対的な熱膨張等があっても、オイルの滲みや漏れが生じることがない。
なお、仮に、ドレンプラグ2の軸力が貫通孔3周囲のオイルパン1底壁に作用したとすると、ナット11が貫通孔3中心に対し偏心した位置で固定されてしまい、Oリング12のシール性が周方向の一部で相対的に低下するとともに、オイルパン1の底壁の経時的な塑性変形(所謂へたり)によるドレンプラグ2の軸力低下が生じ、好ましくない。
上記実施例においては、金属製ナット11のナット部15として六角形のものを示したが、このナット部15は、ナット11をオイルパン1に対し回転しないように保持できる形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、図4は、四角形のナット部15の例を示しているが、その他、スプライン状の凹凸形状等とすることもできる。また、図1の例では、ナット嵌合部5の深さ(壁部4の高さ)がナット部15の高さと等しいが、本発明は、必ずしもこれに限定されず、回転しないように保持できるのであれば、ナット嵌合部5の深さは任意である。例えば、ナット嵌合部5をさらに深く形成し、ドレンプラグ2を取り外した際にナット11がナット嵌合部5から飛び出してしまわないようにすることもできる。
次に、図5,図6は、ドレンプラグ2の脱着の際の作業性を考慮して、金属製ナット11をナット嵌合部5内に抜け止めするようにした第2の実施例を示している。すなわち、六角形のナット嵌合部5を構成する壁部4が、ナット部15の上端を越える高さに延長されているとともに、この壁部4の上端縁に、内側へ向かって突出する係合突起31が設けられている。
この係合突起31は、図6に示すように、六角形をなす壁部4の対向する2辺に沿って設けられており、ナット11をナット嵌合部5内に圧入することで、合成樹脂材料の弾性変形によって対向する係合突起31が互いに拡開し、ナット11を挿入することができる。そして、所定位置に挿入された状態では、ナット部15の上端縁に係合突起31が係合し、抜け止め保持される。
上記係合突起31は、六角形をなす壁部4の各辺の一部分のみに設けるようにしてもよく、あるいは逆に、六角形をなす壁部4の全周に亘って設けることもできる。図7は、6辺の全てに係合突起31を設けた実施例を示しており、さらにこの実施例では、壁部4を各辺毎に分断するように壁部4の上部に軸方向に沿ったスリット32がそれぞれ設けられている。従って、係合突起31を上端に備えた各辺の壁部4が個々に拡開変形する構成となり、6辺の全てに係合突起31を備えていても、ナット部15の圧入が比較的容易である。
図8は、係合突起31の断面形状の一例を示しており、この例では、ナット11の圧入時に係合突起31が容易に拡開するように、先端内側に案内面となるテーパ面33を有しているとともに、L字形に屈曲する係合面34が壁部4に対し90°折れ曲がった水平面(ナット嵌合部5底面5aと平行な面)をなし、該係合面34がナット部15の端面に係合する。従って、基本的に、金属製ナット11を一旦組み付けた後は、該ナット11を取り外すことができない構成となっている。
図9は、係合突起31の変形例を示しており、この例では、係合突起31は、壁部4の内側へ向かって断面略半円形に膨出している。つまり円弧形をなす入口側案内面35と同じく円弧形をなす係合面36とが連続しており、ナット11の圧入時には上記入口側案内面35の作用によって壁部4が外側へ拡開し、かつ圧入後は上記係合面36がナット部15の端縁に係合する。この係合面36は、上記のように円弧形をなすので、ナット11を組付位置から逆に上方へ押圧すれば、係合突起31が拡開し、ナット11を取り外すことが可能である。特に、この実施例では、ナット部15の端縁に比較的大きな面取りからなるテーパ面15bが設けられており、このテーパ面15bに上記係合突起31(係合面36)が係合する。従って、より円滑にナット11の取り出しが可能である。
図10は、係合突起31のさらに他の変形例を示している。この例では、ナット11の圧入時に係合突起31が容易に拡開するように、先端内側に案内面となるテーパ面37を有しているとともに、ナット部15の端縁と係合する係合面38が逆向きのテーパ面となっている。また、ナット部15の端縁には、面取り状のテーパ面15bが形成されている。従って、図9の実施例と同様に、比較的容易にナット11の取り出しが可能である。
上記のように、ナット嵌合部5に係合突起31を設けて金属製ナット11を保持するようにした構成によれば、ドレンプラグ2の脱着作業の際に、金属製ナット11が不用意にナット嵌合部5から離れてしまうようなことが回避され、その作業性が向上する。しかも、ナット11の組付の際に金属部品を折り曲げるかしめ工程などは不要であり、ナット11を押し込むだけでオイルパン1に取り付けることができる。なお、このように係合突起31によって抜け止めする場合でも、シールについては前述した実施例と全く同様の作用効果が得られる。
以上、この発明を内燃機関のオイルパンに適用した実施例を詳細に説明したが、この発明の合成樹脂製カバーは、オイルパンに限定されず、ドレンプラグが必要な種々のカバー類に広く適用することが可能である。
1…合成樹脂製オイルパン
2…ドレンプラグ
3…貫通孔
5…ナット嵌合部
7…段部
11…金属製ナット
12…Oリング
14…円筒部
15…ナット部
16…Oリング収容部
25…ガスケット
31…係合突起

Claims (3)

  1. 合成樹脂製カバーに金属製ナットが保持され、このナットの雌ねじ部にドレンプラグが螺合してなる合成樹脂製カバーのドレンプラグ取付構造であって、
    上記金属製ナットは、雌ねじ部と同心状をなす円筒部と、この円筒部の一端に接続され、かつ該円筒部の外周面から外周側へ張り出した非円形のナット部と、を備え、
    上記合成樹脂製カバーには、上記円筒部が微小間隙を介して嵌合する貫通孔と、該カバーの内側面に上記貫通孔の周囲を囲むように設けられて、上記ナット部が微小間隙を介して嵌合するナット嵌合部と、このナット嵌合部の底面に上記貫通孔と同心状に設けられた円筒形の段部と、が形成されており、
    上記段部によって上記合成樹脂製カバーと上記金属製ナットとの間に生じる空間内に、上記段部内周面と上記円筒部外周面との間を径方向にシールするOリングが配設され、
    上記ドレンプラグは、上記貫通孔の開口縁よりも外周側へ拡がったフランジ面を有するとともに、上記円筒部の先端面と上記フランジ面との間にガスケットを備え、
    上記ドレンプラグの締結により上記ガスケットに所定の荷重を与えた状態において、上記フランジ面と上記ナット部との間で上記合成樹脂製カバーを軸方向に圧縮せずに上記金属製ナットが上記Oリングによって自己センタリングするように、各部の軸方向寸法が設定されている、ことを特徴とする合成樹脂製カバーのドレンプラグ取付構造。
  2. 上記の所定の荷重によって上記ガスケットが所定量変形した状態において、上記フランジ面と上記ナット部との間の距離は、上記ナット嵌合部における上記合成樹脂製カバーの肉厚よりも僅かに大きく、軸方向に微小間隙が残存していることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製カバーのドレンプラグ取付構造。
  3. 上記ナット嵌合部の開口縁に、上記ナット部を抜け止めする係合突起が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の合成樹脂製カバーのドレンプラグ取付構造。
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