JP5738571B2 - 負圧ポンプ - Google Patents
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Description
図16は従来の負圧ポンプの断面図であり、負圧ポンプ216では、モータ218でベーン付きロータ219を回すと、ポンプ入口部220が負圧になる。ポンプ入口部220を介して吸引された空気は、ベーン付きロータ219で加圧され、加圧された空気がカバー部221に溜められる。ここに溜められた空気は、排気として矢印(200)のように凹部222、排気穴223を介して、排気口224から大気へ放出される。
雨中走行中にモータ218が停止した場合には、水分がカバー部221内やベーン付きロータ219へ侵入する虞がある。
前記排気口は、排気穴に外から栓部材を圧入することで嵌め、前記排気穴の内周面と前記栓部材の外周面との間に排気通路を形成してなり、
前記排気穴は、直径に比べて深さが小さい穴であり、天井面と、この天井面に形成される凹部と、この凹部から前記排気穴の内周面にかけて延びる1本又は複数本の横溝と、この横溝に連通し前記排気穴の軸方向に沿って前記排気穴の内周面に形成される1本又は複数本の縦溝とを備え、
前記栓部材は、円板部と、この円板部の外周に形成される周壁部とからなるコップ状を呈し、前記円板部が前記天井面に接するまで前記排気穴に圧入され、前記凹部、前記横溝を塞ぐとともに、前記周壁部が前記縦溝を塞ぐことで前記排気通路が形成されていることを特徴とする。
排気口は、排気穴に外から栓部材を圧入することで嵌め、排気穴の内周面と栓部材の外周面との間に排気通路を形成してなり、
排気穴は、直径に比べて深さが小さい穴であり、天井面と、この天井面に形成される凸部とを備え、
栓部材は、円板部と、この円板部の外周に形成される周壁と、この周壁の外周面に、排気穴の軸に沿って形成された1本又は複数本の縦溝とを備え、円板部が凸部に接するまで排気穴に圧入され、円板部と天井面との間の空間と、縦溝とで排気通路が形成されていることを特徴とする。
ポンプ部からの排気は、排気穴に圧入することで嵌めた栓部材に達すると、栓部材を回避するようにして、栓部材の外周面に廻り込み、排気通路を通って大気中へ放出される。このように、排気口付近の排気の経路は、栓部材を回避するために複雑な迷路となる。
この複雑な迷路によって、排気通路の出口から水が万一侵入しても、水が栓部材よりも上流側(ポンプ部側)に逆流することを防止することができる。
この点、本発明では、排気穴に栓部材を圧入して嵌めることで、迷路構造を形成できる。排気穴や栓部材に加工を施すことは容易であるため、簡単に所望の排気通路を形成することができる。すなわち、低コストで所望の構造の排気口を容易に製造することができる。
本発明では、排気穴を鋳造で形成する際に、同時に溝を成形することができる。結果、溝の加工コストを抑えることができる。一方、溝のない栓部材の外周面は平坦でよいので、栓部材の加工コストも抑えることができる。
栓部材側に溝を設けることで、排気穴の形状は簡単になる。排気穴を鋳造形成する鋳型が単純化でき、鋳造コストを抑えることができる。
図1に示されるように、本発明の負圧ポンプ10は、車両に備えられる負圧ブースタ11の負圧室12内を、負圧にする真空ポンプの一種である。
負圧ポンプ10を作動させると、負圧管13、負圧室12内及び変圧室14内が負圧になっている。この状態でブレーキペダル16を踏むと負圧室12と変圧室14とが遮断され、変圧室14に空気が導入され、負圧室12と変圧室14との差圧により、ダイヤフラム17がリターンばね18を圧縮させる側へ変形し、プッシュロッド19を押し出す。結果、小さな踏力で大きな制動力が得られる。負圧ポンプ10は、車両の側のブラケット21にボルト22で固定される。
図2に示されるように、負圧ポンプ10は、吸入ポート24を上部に有するボディ部40と、このボディ部40の一方の側面に複数(この例では2本)のビス26で取付けられ、モータ軸27がインボリュートスプライン軸であるモータ28と、ボディ部40の他方の側面に設けられている複数(この例では4個)の雌ねじ穴31に長いボルト32をねじ込むことで取付けられるポンプ部80と、吸入ポート24にフィルタ部材33を介して接続される接続管60と、ポンプ部80を覆うと共に、ボディ部40の他方の面に設けられている複数(この例では4個)の雌ねじ穴34にビス36をねじ込むことで取付けられるカバー体70とからなる。
図4は、図3及び図2に基づいて組立てられた負圧ポンプ10の要部断面図である。
図4に示されるように、軸穴42に転がり軸受102が設けられており、この軸受102にモータ軸27が支持される。モータ軸27の先端部は、ロータ87のインボリュートスプライン穴86に嵌り、先端が排気プレート101の近傍まで達する。
一方、シール材47の全周に吸気プレート94の表面が接しており、このシール材47と吸気プレート94で吸気溝46の開口が塞がれ、吸気通路103が形成される。結果、接続管60、吸入ポート24、吸気通路103及び2個の吸気孔(図3、符号92、93)からなる吸気経路が形成される。
第3チャンバー53と排気口130とは、第1排出通路104によって連通される。第1排出通路104は、第3チャンバー53の内壁からモータ28側へ延びる横通路106と、この横通路106の端部から下方に延びて排気口130に開口する縦通路107とからなる。第4チャンバー54と排気口130とは、鉛直方向に延びる第2排出通路108によって連通される。
図5に示されるように、吸入ポート24は、ボディ部40の上面に開口する開口部111と、この開口部111より小さい内径で形成され、開口部111から段差面112を介して下方に延びる吸入通路部113とからなる。
すなわち、シール材68は、接続管60と吸入ポート24とフィルタ部材33とに接しており、接続管60と吸入ポート24との間をシールし且つフィルタ部材33と吸入ポート24との間をシールする。
図6に示されるように、チャンバー51〜54、連通溝55、56は、各々、ポンプ部(図2、符号80)側に開口する。
図7に示されるように、第2・第3チャンバー(図6、符号52、53)、第1・第2連通溝(図6、符号55、56)の各々の開口は、吸気プレート94で全体が塞がれる。
図8は負圧ポンプ10の底面図であり、ボディ部40の固定部41、41にボルト(図1、符号22)がねじ込まれる雌ねじ穴23、23が設けられる。排気口130は、固定部41、41の間(雌ねじ穴23、23の間)に設けられ、負圧ポンプ10における最も低い箇所に位置する。排気口130は、排気穴131に外から栓部材132を嵌め、排気穴131の内周面と栓部材132の外周面との間に複数の排気通路133を形成してなる。
図12に示されるように、モータ(図2、符号28)が作動すると、ポンプ部80の吸引作用により、外気が接続管60内に吸入される。この吸気は、接続部構造110及びフィルタ部材33を通過して吸入ポート24に吸入される(矢印(1))。
図5に示されるように、接続部構造110では、1個のシール材68によって、挿入部121と吸入ポート24との間をシールし且つフィルタ部材33と吸入ポート24との間をシールする。
この点、本実施例では、カバー体の窪んだ部位(図7、符号124、125)で、第1チャンバー51及び第4チャンバー(図7、符号54)の各々の開口の一部を塞ぐようにしたので、専用部品は不要である。結果、製品コストを抑えることができる。
図15は図9の変更例を示す図である。図9との相違点は、栓部材の外周面に縦溝を形成したことにある。その他は図9と同じであるため、図9の符号を流用して詳細な説明を省略する。
さらには、本発明の負圧ポンプは、車両に備えられる負圧ブースタの負圧室内を、負圧にするための車両用の負圧ポンプに好適であるが、用途を格別に限定するものではなく、一般機械用、汎用機械用、一般設備用に適用することは差し支えない。
Claims (2)
- ポンプ部からの排気を排気口を介して外へ排出する負圧ポンプにおいて、
前記排気口は、排気穴に外から栓部材を圧入することで嵌め、前記排気穴の内周面と前記栓部材の外周面との間に排気通路を形成してなり、
前記排気穴は、直径に比べて深さが小さい穴であり、天井面と、この天井面に形成される凹部と、この凹部から前記排気穴の内周面にかけて延びる1本又は複数本の横溝と、この横溝に連通し前記排気穴の軸方向に沿って前記排気穴の内周面に形成される1本又は複数本の縦溝とを備え、
前記栓部材は、円板部と、この円板部の外周に形成される周壁部とからなるコップ状を呈し、前記円板部が前記天井面に接するまで前記排気穴に圧入され、前記凹部、前記横溝を塞ぐとともに、前記周壁部が前記縦溝を塞ぐことで前記排気通路が形成されていることを特徴とする負圧ポンプ。 - ポンプ部からの排気を排気口を介して外へ排出する負圧ポンプにおいて、
前記排気口は、排気穴に外から栓部材を圧入することで嵌め、前記排気穴の内周面と前記栓部材の外周面との間に排気通路を形成してなり、
前記排気穴は、直径に比べて深さが小さい穴であり、天井面と、この天井面に形成される凸部とを備え、
前記栓部材は、円板部と、この円板部の外周に形成される周壁と、この周壁の外周面に、前記排気穴の軸に沿って形成された1本又は複数本の縦溝とを備え、前記円板部が前記凸部に接するまで前記排気穴に圧入され、前記円板部と前記天井面との間の空間と、前記縦溝とで前記排気通路が形成されていることを特徴とする負圧ポンプ。
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Applications Claiming Priority (1)
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