JP5738144B2 - ウェットティッシュ用不織布 - Google Patents
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Description
不織布の少なくとも一方の面に、同一の方向に延びる多数の第一の畝、第一の溝、第二の畝および第二の溝が形成され、
第一の畝の頂部の高さは第二の畝の頂部の高さよりも高く、
第二の畝の頂部の高さは第二の溝の底部の高さよりも高く、
第二の溝の底部の高さは第一の溝の底部の高さよりも高く、
第一の溝が、隣接する2本の第一の畝の間に位置し、
第一の溝が位置しない隣接する2本の第一の畝の間には複数の第二の畝と第二の溝が位置し、
第一の溝を挟んで隣接する2本の第一の畝の間隔は、第二の溝を挟んで隣接する2本の第二の畝の間隔よりも広いことを特徴とする。
好ましくは、第一の畝および第一の溝が位置する領域の不織布の乾燥状態における見かけ密度が第二の畝および第二の溝が位置する領域の乾燥状態における見かけ密度よりも小さい。
好ましくは、第一の畝の頂部の高さと第二の畝の頂部の高さとの差が0.1mm以上である。
好ましくは、吸収性繊維がセルロースを含む。
好ましくは、不織布は、液含浸時に視覚的に液保持部と非保持部を確認することができる。
好ましくは、不織布を構成する繊維の30%以上が吸収性繊維である。
好ましくは、第一の畝および第一の溝が位置する領域の不織布の乾燥状態における見かけ密度が0.30〜0.10g/cm3であり、第二の畝および第二の溝が位置する領域の不織布の乾燥状態における見かけ密度が0.12〜0.20g/cm3である。
好ましくは、第二の畝と第二の溝を挟んで隣接する2本の第一の畝の間隔が3mm以上である。
好ましくは、不織布を構成する繊維の繊維長が20mm以下である。
好ましくは、第二の畝の頂部の高さと第二の溝の底部の高さとの差が0.05〜0.10mmである。
好ましくは、第二の溝を挟んで隣接する2本の第二の畝の間隔が0.3〜1.0mmである。
好ましくは、第一の畝の頂部の高さと第一の溝の底部の高さとの差が0.15〜0.60mmである。
好ましくは、第二の畝と第二の溝が位置しない隣接する2本の第一の畝の間に、さらに第三の畝が形成され、第三の畝の頂部の高さは第二の畝の頂部の高さよりも高い。
好ましくは、第一の畝と第一の溝が水蒸気を噴射することにより形成されたものであり、第二の畝と第二の溝が水流を噴射することにより形成されたものである。
吸収性繊維を含む繊維と水の混合物を支持体上に供給して、支持体上に水を含むウェブを形成する工程、
ウェブの幅方向に等間隔に並べて配置された水流ノズルからウェブに水流を噴射して、繊維を交絡させる工程、
ウェブの幅方向に、水流ノズルの間隔よりも広い間隔で並べて配置された水蒸気ノズルから、水流を噴射したウェブに、水蒸気を噴射する工程、および
水蒸気を噴射したウェブを乾燥する工程を含む。
本発明の不織布1は、少なくとも一方の面に、同一の方向Yに延びる多数の第一の畝3、第一の溝4、第二の畝5および第二の溝6が形成されている。第一の畝の頂部3Tの高さh3は第二の畝の頂部5Tの高さh5よりも高く、第二の畝の頂部5Tの高さh5は第二の溝の底部6Bの高さh6よりも高く、第二の溝の底部6Bの高さh6は第一の溝の底部4Bの高さh4よりも高い。ここで、高さとは、前記一方の面とは反対の面から、前記一方の面の方向へ垂直な高さをいう。なお、反対の面が畝溝を有する場合は、高さh3、h4、h5、h6は、反対の面の最も突出した畝の頂部からの高さをいう。第一の溝4が、隣接する2本の第一の畝3,3の間に位置する。第一の溝4が位置しない隣接する2本の第一の畝3,3の間には複数の第二の畝5と第二の溝6が位置する。第一の溝4を挟んで隣接する2本の第一の畝3,3の間隔d3は、第二の溝を挟んで隣接する2本の第二の畝の間隔d5よりも広い。
第一の畝および第一の溝が位置する領域R1の不織布の乾燥状態における見かけ密度は、好ましくは0.030〜0.10g/cm3であり、より好ましくは0.04〜0.09g/cm3であり、さらに好ましくは0.05〜0.08g/cm3である。領域R1の見かけ密度が小さすぎると、凸部の繊維本数が少なすぎへたり易くなりやすく、逆に大きすぎると、繊維本数が多すぎ、汚れが入り込み難くなり拭き取り性が悪くなる。
第二の畝および第二の溝が位置する領域R2の不織布の乾燥状態における見かけ密度は、好ましくは0.12〜0.20g/cm3であり、より好ましくは0.13〜0.19g/cm3であり、さらに好ましくは0.14〜0.18g/cm3である。領域R2の見かけ密度が小さすぎると、接触面積が小さくなり拭きあげが荒くなり、仕上げ拭きに適さず、逆に大きすぎると、ペーパーライクになり易く、触感が硬くなり易い。
好ましくは、不織布を構成する繊維の30%以上が吸収性繊維であり、より好ましくは35%以上が吸収性繊維であり、さらに好ましくは40%以上が吸収性繊維である。不織布を構成する繊維のすべてが吸収性繊維であってもよい。
本発明において使用することができる吸収性繊維としては、針葉樹や広葉樹の化学パルプ、半化学パルプおよび機械パルプなどの木材パルプ、これら木材パルプを化学処理したマーセル化パルプおよび架橋パルプ、麻や綿などの非木材系繊維ならびにレーヨン繊維などの再生繊維のようなセルロース系繊維、ポリビニルアルコール繊維などが挙げられる。吸収性繊維は好ましくはセルロースを含む。
吸収性繊維以外の繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維およびポリアミド繊維のような合成繊維などが挙げられる。
吸収性繊維を含む繊維と水の混合物を支持体上に供給して、支持体上に水を含むウェブを形成する工程、
ウェブの幅方向(ウェブの進行方向に垂直な方向)に等間隔に並べて配置された水流ノズルからウェブに水流を噴射して、繊維を交絡させる工程、
ウェブの幅方向に、水流ノズルの間隔よりも広い間隔で並べて配置された水蒸気ノズルから、水流を噴射したウェブに、水蒸気を噴射する工程、および
水蒸気を噴射したウェブを乾燥する工程
を含む方法によって製造することができる。
図3は、本発明の不織布を製造するための不織布製造装置の一例を示す図である。
水流がウェブ30に噴射されるときの水流のエネルギー量は、0.125〜1.324kW/m2であることが好ましい。
水流のエネルギー量は次式から算出される。
水流のエネルギー量(kW/m2)=1.63×噴射圧力(Kg/cm2)×噴射流量(m3/分)/処理時間(m/分)/60
ここで、噴射流量(m3/分)=750×オリフィス開孔総面積(m2)×噴射圧力(Kg/cm2)0.495
水流のエネルギー量が0.125kW/m2よりも小さいと、ウェブ30の強度があまり強くならない場合がある。また、水流のエネルギー量が1.324kW/m2よりも大きいと、ウェブ30が堅くなりすぎてしまい、ウェブ30の嵩が、後述の高圧水蒸気によってあまり高くならない場合がある。
図2に示す態様の不織布は、図2の上部に記載した矢印の位置に水蒸気を噴射したときに得られる。すなわち、第二の畝と第二の溝を挟んで隣接する2本の第一の溝4,4の間隔をp1とし、第三の畝7を挟んで隣接する第一の溝4と第三の溝8の間隔をp2とすると、水蒸気ノズル14の孔ピッチがp1/p2/p2の繰り返しであり、水流ノズルのピッチが、隣接する2つの第二の溝の間隔d6である場合に、図2に示す態様の不織布が得られる。
水蒸気ノズル14の孔ピッチが、図2に示すように、2種類の間隔からなる場合、大きい方の間隔は好ましくは3.0〜8.0mmであり、小さい方の間隔は好ましくは2.0〜2.5mmである。
図9に示す不織布製造装置10においては、水流ノズル12からの高圧水流によって、ウェブ30の上面(以下「B面」という。)に細かいピッチの畝溝が形成されるとともに、水流噴射条件を調整することによって、ウェブ30の反対面(以下「A面」という。)にも細かいピッチの畝溝が形成されるようにする。水流噴射されたウェブは、吸引ピックアップ17によってウェブ搬送コンベア18に転写され、次いで、ウェブ搬送コンベア19に転写され、次に、乾燥ドラム20に転写される。乾燥ドラム20は、たとえば、ヤンキードライヤーであり、水蒸気により加熱されたドラムにウェブ30を付着させて、ウェブ30を乾燥させる。図9に示す不織布製造装置においては、水蒸気噴射工程に入る前に、ウェブ30の水分率を調整することができる。水蒸気噴射工程に入る前のウェブ30の水分率は、好ましくは10〜45%である。ここで、水分率(%)とは、水を含むウェブ30の総質量100gに対して含まれている水のg数である。ウェブ30の水分率が小さすぎると、ウェブ30の繊維間の水素結合力が強くなり、後述の水蒸気によってウェブ30の繊維をほぐすために必要なエネルギーが非常に高くなる。逆に、ウェブ30の水分率が大きすぎると、後述の水蒸気によってウェブ30を所定の水分率以下に乾燥させるために必要なエネルギーが非常に高くなる。
本発明によれば、水流交絡不織布の一部に、高圧水蒸気吹き付け処理を行い、シート嵩の違う凸凹構造を形成することにより、液含浸時において嵩の高い(比容積の小さい)部分に毛細管現象で液が集中する。断面で見ると液の多い部分と少ない部分が連続して存在することにより、拭き取り時に液を出すエリアと液を吸い取るエリアができ、その結果汚れ落ちがよく、かつ水分残りの少ないシートを形成することができる。
図9に示す不織布製造装置10を使用して、次のとおり不織布を製造した。
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)(カナディアン・フリーネス・スタンダード(cfs)700cc)70質量%と、繊度が1.1dtexであり、繊維長が7mmであるレーヨン(ダイワボウレーヨン(株)製コロナ)30質量%とを含む不織布原料を調製した。原料供給ヘッド11を使用してウェブ形成コンベアの支持体(日本フィルコン(株)製OS80)上に不織布原料を供給し、吸引ボックスを使用して不織布原料を脱水してウェブを形成した。ウェブの坪量(乾燥基準)は50g/m2であった。
その後、2台の高圧水流ノズルを使用して高圧水流をウェブに噴射した。このとき、1台あたりの高圧水流ノズルの高圧水流エネルギーは0.142kW/m2であり、2台の高圧水流ノズルを使用して高圧水流をウェブに噴射したので、ウェブに噴射した高圧水流の高圧水流エネルギーは0.284kW/m2であった。高圧水流ノズルの孔径は92μmであり、孔ピッチは0.5mmであり、ウェブの走行速度は70m/分であった。水流噴射によりウェブの水流噴射面にピッチ0.5mmの畝溝構造が形成されるとともに、水流噴射面とは反対面にもピッチ0.5mmの畝溝構造が形成された。
水流噴射されたウェブを、2台のウェブ搬送コンベアおよびヤンキードライヤーを経て、水蒸気噴射工程に送った。
水蒸気噴射工程では、2台の水蒸気ノズルを使用して、ウェブの水流噴射面とは反対面に高圧水蒸気を噴射した。このときの高圧水蒸気の圧力は0.7MPaであり、高圧水蒸気の温度は約175℃であり、水蒸気ノズルの先端とウェブの上面との間の距離は2.0mmであり、水蒸気ノズルの孔径は500μmであり、孔ピッチは4.0mmであり、ウェブの走行速度は70m/分であった。
その後、ウェブは、ヤンキードライヤーを経て、巻取り機に送られ、不織布として巻き取られた。
水蒸気を噴射した後のウェブの水蒸気噴射面の写真(湿潤状態)を図12に示す。
得られた不織布(乾燥状態)の水蒸気噴射面の写真を図13に示す。
また、得られた不織布に、不織布の乾燥質量の3倍の質量の蒸留水を含浸して、ウェットティッシュを作製した。作製したウェットティッシュを用いて人工汚れ拭き取り性試験を行ない、高圧水蒸気噴射面について、汚れ除去率を測定した。測定結果を表1に示す。
水蒸気ノズルピッチを3mmに変更した他は、実施例1と同様の条件にて不織布を製造した。得られた不織布について、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
水蒸気噴射を行わなかった他は、実施例1と同様の条件にて不織布を製造した。得られた不織布について、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
水蒸気ノズルピッチを2mmに変更した他は、実施例1と同様の条件にて不織布を製造した。水流噴射によってA面に形成された畝溝は水蒸気の噴射により消滅し、得られた不織布のA面には、水蒸気の噴射により形成された第一の畝と第一の溝のみが存在し、水流噴射によって形成された第二の畝と第二の溝は存在しなかった。得られた不織布について、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
水蒸気ノズルピッチを5mm/2mm/5mm/2mmの繰返しに変更した他は、実施例1と同様の条件にて不織布を製造した。得られた不織布の水蒸気噴射面の写真(ロール状に巻き取った状態で撮影したもの)を図14に示す。得られた不織布について、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
乾燥ドラム20で乾燥したウェブを30cm×30cmのサイズにサンプリングし、乾燥ドラム20の出口質量(W1)を測定し、その後サンプル片を105℃の恒温槽に1時間静置し絶乾させたのち質量(D1)を測定する。水蒸気吹付け前ウェブ水分率(%)を下式により算出する。なお、水蒸気噴射前ウェブ水分率は、10個の測定値の平均値である。
水蒸気噴射前ウェブ水分率(%)=(W1−D1)/W1×100
1つのサクションドラム15上で水蒸気ノズル14からウェブに高圧水蒸気を噴射したウェブを30cm×30cmのサイズにサンプリングし、水蒸気ノズル14通過後の質量(W2)を測定し、その後サンプル片を105℃の恒温槽に1時間静置し絶乾させたのち質量(D2)を測定する。水蒸気噴射後ウェブ水分率(%)を下式により算出する。なお、水蒸気噴射後ウェブ水分率は、10個の測定値の平均値である。
水蒸気噴射後ウェブ水分率(%)=(W2−D2)/W2×100
巻き取られたウェブを30cm×30cmのサイズにサンプリングし、巻き取り後の質量(W3)を測定し、その後サンプル片を105℃の恒温槽に1時間静置し絶乾させたのち質量(D3)を測定する。巻き取り時ウェブ水分率(%)を下式により算出する。なお、巻き取り時ウェブ水分率は、N=10での測定値の平均値である。
巻き取り時ウェブ水分率(%)=(W3−D3)/W3×100
不織布目付は、巻き取り時ウェブ水分率を測定した際の絶乾サンプル質量D3(g)を、その面積(0.09m2)で割り算することにより算出した。不織布目付は、10個の測定値の平均値である。
不織布(乾燥品)の試料を、液体窒素に含浸させて凍結させた後、剃刀でカットし、常温に戻した後、電子顕微鏡(たとえば、キーエンス社VE7800)を用いて、50倍の倍率の写真を撮影し、第一の畝の高さh3(乾燥時)および第二の畝の高さh5(乾燥時)を測定した。試料を凍結させる理由は、剃刀によるカット時の圧縮により厚みが変動するのを防ぐためである。
不織布の断面をマイクロスコープ等により、50倍以上に拡大撮影し、領域R1またはR2の厚さ×幅0.5mmの単位面積中の繊維本数を計測し、その結果より繊維重量を算出し、見かけ密度の算出を行った。
見かけ密度差(%)=(ρ2−ρ1)/ρ1×100
ただし、ρ1は領域R1の見かけ密度であり、ρ2は領域R2の見かけ密度である。
製造した不織布から、長手方向がウェブの機械方向である25mm幅の短冊状の試験片と、長手方向がウェブの幅方向である25mm幅の短冊状の試験片とを切り取って、測定用試料を作製した。機械方向および幅方向の測定用試料を、最大荷重容量が50Nであるロードセルを備えた引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフ 型式AGS−1kNG)を使用して、それぞれ3つの測定用試料について、100mmのつかみ間距離、100mm/分の引張速度の条件で引張強度を測定した。機械方向および幅方向の測定用試料のそれぞれ3つの測定用試料の引張強度の平均値を機械方向および幅方向の乾燥引張強度とした。
製造した不織布から、長手方向がウェブの機械方向である25mm幅の短冊状の試験片と、長手方向がウェブの幅方向である25mm幅の短冊状の試験片とを切り取って、測定用試料を作製した。機械方向および幅方向の測定用試料を、最大荷重容量が50Nであるロードセルを備えた引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフ 型式AGS−1kNG)を使用して、それぞれ3つの測定用試料について、100mmのつかみ間距離、100mm/分の引張速度の条件で引張伸度を測定した。ここで、引張伸度とは、引張試験機で測定用試料を引っ張ったときの最大の伸び(mm)をつかみ間距離(100mm)で割り算した値である。機械方向および幅方向の測定用試料のそれぞれ3つの測定用試料の引張伸度の平均値を機械方向および幅方向の乾燥引張伸度とした。
製造した不織布から長手方向がウェブの機械方向である25mm幅の短冊状の試験片と、長手方向がウェブの幅方向である25mm幅の短冊状の試験片とを切り取って、測定用試料を作製し、測定用試料の質量の2.5倍の水を測定用試料に含浸させた(含水倍率250%)。そして、機械方向および幅方向の測定用試料を、最大荷重容量が50Nであるロードセルを備えた引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフ 型式AGS−1kNG)を使用して、それぞれ3つの測定用試料について、100mmのつかみ間距離、100mm/分の引張速度の条件で引張強度を測定した。機械方向および幅方向の測定用試料のそれぞれ3つの測定用試料の引張強度の平均値を機械方向および幅方向の湿潤引張強度とした。
製造した不織布から長手方向がウェブの機械方向である25mm幅の短冊状の試験片と、長手方向がウェブの幅方向である25mm幅の短冊状の試験片とを切り取って、測定用試料を作製し、測定用試料の質量の2.5倍の水を測定用試料に含浸させた(含水倍率250%)。そして、機械方向および幅方向の測定用試料を、最大荷重容量が50Nであるロードセルを備えた引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフ 型式AGS−1kNG)を使用して、それぞれ3つの測定用試料について、100mmのつかみ間距離、100mm/分の引張速度の条件で引張伸度を測定した。機械方向および幅方向の測定用試料のそれぞれ3つの測定用試料の引張伸度の平均値を機械方向および幅方向の湿潤引張伸度とした。
模擬汚れとして、カーボンブラック12.6質量%、牛脂極度硬化油20.8質量%、流動パラフィン質量66.6%の配合比率のペーストを調製する。そのペーストとヘキサンを85:15(質量比)の割合で混ぜ合わせる。ヘキサン希釈ペーストをガラス板上に0.05mL滴下する。高温高湿室(20℃、湿度60%)で24時間乾燥後、色味をスキャナーでスキャンする。テスター産業株式会社の摩擦係数測定装置で、150mm/分、加重60gの条件にて拭取り試験(1回)を行う。試験後、色味の変化をスキャナーでスキャンし、スキャンした面積のうち16.9mm×16.9mm面積の色味の変化率を次式により算出し、汚れ除去率とする。
汚れ除去率(%)=(C0−C1)/C0×100
ただし、C0は拭き取り前の色味であり、C1は拭き取り後の色味である。
色味除去率が大きいほど、汚れが除去できていると判断できる。N数=3で測定し、3回の平均値を汚れ除去率とする。
3 第一の畝
4 第一の溝
5 第二の畝
6 第二の溝
10 不織布製造装置
11 原料供給ヘッド
12 水流ノズル
13 吸引ボックス
14 水蒸気ノズル
15 サクションドラム
16 ウェブ形成コンベア
17 吸引ピックアップ
18,19 ウェブ搬送コンベア
20,21 乾燥ドラム
22 巻き取り機
30 ウェブ
31 高圧水流
32 溝
41 支持体
51 高圧水蒸気
52 溝
Claims (16)
- 吸収性繊維を含むウェットティッシュ用不織布であって、
不織布の少なくとも一方の面に、同一の方向に延びる多数の第一の畝、第一の溝、第二の畝および第二の溝が形成され、
第一の畝の頂部の高さは第二の畝の頂部の高さよりも高く、
第二の畝の頂部の高さは第二の溝の底部の高さよりも高く、
第二の溝の底部の高さは第一の溝の底部の高さよりも高く、
第一の溝が、隣接する2本の第一の畝の間に位置し、
第一の溝が位置しない隣接する2本の第一の畝の間には複数の第二の畝と第二の溝が位置し、
第一の溝を挟んで隣接する2本の第一の畝の間隔は、第二の溝を挟んで隣接する2本の第二の畝の間隔よりも広いことを特徴とする不織布。 - 第一の畝および第一の溝が位置する領域の不織布の乾燥状態における見かけ密度が第二の畝および第二の溝が位置する領域の乾燥状態における見かけ密度よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の不織布。
- 第一の畝の頂部の高さと第二の畝の頂部の高さとの差が0.1mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の不織布。
- 吸収性繊維がセルロースを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布。
- 液含浸時に視覚的に液保持部と非保持部を確認することができることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布。
- 不織布を構成する繊維の30%以上が吸収性繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の不織布。
- 第一の畝および第一の溝が位置する領域の不織布の乾燥状態における見かけ密度が0.030〜0.10g/cm3であり、第二の畝および第二の溝が位置する領域の不織布の乾燥状態における見かけ密度が0.12〜0.20g/cm3であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の不織布。
- 第二の畝と第二の溝を挟んで隣接する2本の第一の畝の間隔が3mm以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の不織布。
- 不織布を構成する繊維の繊維長が20mm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の不織布。
- 第二の畝の頂部の高さと第二の溝の底部の高さとの差が0.05〜0.10mmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の不織布。
- 第二の溝を挟んで隣接する2本の第二の畝の間隔が0.3〜1.0mmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の不織布。
- 第一の畝の頂部の高さと第一の溝の底部の高さとの差が0.15〜0.60mmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の不織布。
- 第二の畝と第二の溝が位置しない隣接する2本の第一の畝の間に、さらに第三の畝が形成され、第三の畝の頂部の高さは第二の畝の頂部の高さよりも高いことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の不織布。
- 第一の畝と第一の溝が水蒸気を噴射することにより形成されたものであり、第二の畝と第二の溝が水流を噴射することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の不織布。
- 請求項1に記載のウェットティッシュ用不織布を製造する方法であって、
吸収性繊維を含む繊維と水の混合物を支持体上に供給して、支持体上に水を含むウェブを形成する工程、
ウェブの幅方向に等間隔に並べて配置された水流ノズルからウェブに水流を噴射して、繊維を交絡させる工程、
ウェブの幅方向に、水流ノズルの間隔よりも広い間隔で並べて配置された水蒸気ノズルから、水流を噴射したウェブに、水蒸気を噴射する工程、および
水蒸気を噴射したウェブを乾燥する工程を含む方法。 - 請求項1〜14のいずれか1項に記載の不織布に液体を含浸させてなるウェットティッシュ。
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