JP5734483B1 - 焙煎米飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】焙煎された精白米を原料とする焙煎米飲料であり、かつ製造適性に優れた方法を採用すること。【解決手段】抽出工程として、抽出用の装置に内に供給された抽出溶媒中に、焙煎された精白米を投入し、該米中の該抽出溶媒に可溶性の成分を該抽出溶媒に溶解させ、該抽出溶媒と該米を分離する工程を有する焙煎米飲料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、焙煎米飲料に関する。
穀物を使用した茶として従来から知られている玄米茶は、煎茶や番茶に煎った玄米を加え、熱水で抽出してなるものであり、玄米の含有率は煎茶や番茶の茶葉と玄米の合計に対して50重量%以下のものがほとんどであった。
そして、現在は消費者の嗜好の多様化に伴い、米、大麦、はと麦、そば及びトウモロコシ等の穀類を原料とした穀物茶も飲用されている。このような穀物茶は、穀物原料をそのまま焙煎したり、水に浸漬、蒸煮、焙煎した穀物原料を一種のみ、又は他の穀物や茶葉と混合し熱水で抽出することにより得られている。
またいわゆるお茶を入れる際には、急須や容器内に茶葉を入れ、その後にお湯を入れていたり、まれに先に容器にお湯を入れ、その後に茶葉を入れる方法を採用していた。
このような穀物茶として、特許文献1に記載されたように、精白米の少なくとも一部を黒く焼け焦げた状態にまで加熱し、これを粉末化して得た粉末に、熱湯を注いでコーヒー飲料代用品を得る方法、特許文献2に記載されたように、玄米と白米の粉砕物の混合物を原料として酵素分解液を得る米飲料の製造方法、特許文献3に記載されたように、白米又は玄米と雑穀類を炊くか蒸すか、焙煎するか、または発酵した後、果実、野菜、魚介類、海藻、肉類等の副材料及び水と共に混合粉砕し、これを抽出・濾過してなる混合飲料水は知られている。
また、特許文献4の特に実施例には、焙煎した生玄米及び/又は米麹を抽出用容器内に投入し、その後、水性溶媒を加え、特定の採液率となるように焙煎成分を抽出する製造適性に優れた抽出液の製造方法が記載されている。そして及び精白米を蒸して乾燥した後、焙煎してなる炒り米を使用し、抽出液を製造する際には、製造適性が悪いことが記載されている。
特開2008−271914号公報 特表2000−232870号公報 特開2005−270084号公報 特開2011−177109号公報
上記の公知技術によれば、色がコーヒーに似て、かつ焼け焦げた部分を有することを反映して苦味を有するコーヒー飲料代用品を得るものであるものの、このような飲料はいわゆるお茶とはほど遠く、色と苦味のみをコーヒーに似せた飲料に過ぎず、米の風香味を活かした米茶とはいえない。
また、玄米と白米の粉砕物の混合物を原料として得た酵素分解液は、栄養価が高い飲料を得ることができるとしても、酵素分解物に伴い、米茶としての風香味に欠けるものであった。
白米や玄米と雑穀を焙煎し、これに果実や野菜などの副材料と水を添加して混合粉砕し、これを抽出・濾過してなる混合飲料水は、健康補助飲料とされており、そのために副材料を併用することからみても、副材料の使用量は独特の風味や味覚を呈する程に多量である。そのため、この混合飲料水は、風香味や外観からみて、お茶といえる飲料ではないことは明らかである。
さらに、特許文献4の記載によれば、蒸して焙煎した精白米では米飲料の製造適性が悪いので、原料は、生玄米を焙煎した焙煎玄米、もしくは精白米のデンプンを糖化し、焙煎した米麹とすることが必要とされるが、元々、玄米や米麹は精白米に対しては明らかにその風香味が異なるし、かつ茶飲料の原料由来のデンプン含有量によって、デンプン由来の甘みの感じ方が全く異なるので、抽出により得られる飲料の風香味も全く異なるものとなっていた。
そして、本発明は焙煎された精白米を原料とする焙煎米飲料であり、かつ製造適性に優れた方法を採用することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、下記の方法及び焙煎米飲料に到達した。
1.抽出工程として、抽出用の装置に内に供給された抽出溶媒中に、焙煎された精白米を投入し、該米中の該抽出溶媒に可溶性の成分を該抽出溶媒に溶解させ、該抽出溶媒と該米を分離する工程を有する焙煎米飲料の製造方法。
2.タンク内に投入した焙煎された米に抽出溶媒を散布し、同時にタンク下部から該米中の抽出溶媒に可溶性の成分を溶解してなる該抽出溶媒を取り出す1に記載の焙煎米飲料の製造方法。
3.焙煎された米は焙煎前に蒸されたものである1又は2に記載の焙煎米飲料の製造方法。
4.抽出時間が40分間以下である1〜3のいずれかに記載の焙煎米飲料の製造方法。
5.焙煎された米が含有する可溶性固形分の抽出率が4.0重量%以上である1〜4のいずれかに記載の焙煎米飲料の製造方法。
6.抽出溶媒がビタミンCを溶解したものである1〜5のいずれかに記載の焙煎米飲料の製造方法。
7.1〜6のいずれかに記載の米茶飲料の製造方法により得られる焙煎米飲料。
本発明によれば、焙煎された精白米を使用して焙煎米飲料を製造でき、かつ製造適性に優れた方法を採用することができる効果を奏する。
本発明の方法により得られた焙煎米飲料は、原料である焙煎された精白米が有する特有の風香味が抽出されることにより反映された焙煎米飲料であり、玄米や焙煎された玄米に由来する風香味を有する飲料はもちろん、大麦等の米以外の穀物に由来する風香味を有する飲料とは明らかに異なる風香味を有するものである。
(焙煎された精白米)
本発明の焙煎米飲料の製造方法に使用する原料である焙煎された精白米は、一旦、玄米を精米して精白米としたものとする。精白米とすることで、糠や胚芽が取り除かれるため、雑味が少なく、かつすっきりとした抽出液を得ることができる。
この精白米を蒸して精白米中のデンプンをα化させておく。
焙煎工程では水分が少ないためデンプンをα化させることが困難である。そのため、精白米を蒸すことにより精白米内のデンプンをα化することができる。このように精白米を蒸す工程を設けることにより抽出後の抽出溶媒中により多くのデンプン等の可溶性固形分を含有させて、可溶性固形分の抽出率を向上させることができ、かつデンプン由来の甘みを有した嗜好性の高い抽出液を得ることができる。
また、焙煎された精白米に、他の穀物として、大麦(二条大麦、六条大麦、裸麦等)や小麦、はと麦、炒り米、発芽玄米、古代米(黒米、赤米、緑米等)そば、とうもろこし、ごま、粟、稗、黍、キヌア、およびアマランサスからなる群から選択される1種以上、豆類として、大豆、小豆、インゲン、そら豆等、ならびに茶類として、緑茶、煎茶、番茶、ウーロン茶、紅茶等を配合することもできる。
精白米を蒸したあと、一旦乾燥させ、その後精白米を焙煎する。
焙煎条件は任意の条件とすることができ、コーヒー等用の公知の焙煎用装置を使用することができるが、精白米に焦げを発生させないことが必要である。仮に焦げを発生させると、得られる米茶が焦げに起因する苦味を有することになり、また、好ましい色調とならない可能性がある。L値で表される焙煎度は、好ましくは20〜40、より好ましくは28〜38、さらに好ましくは30〜37とするのがよい。本発明においては、異なるL値を有する複数の焙煎穀物を混合して用いてもよく、混合した焙煎穀物のL値の平均値が上記範囲内であればよい。
このような焙煎を行うことにより、抽出溶媒中に適度な苦味、コク、甘み、香気を含有させ、かつ米茶であることを表現できる着色をすることができる。
(抽出工程)
本発明における抽出工程は、公知の抽出用装置を採用して行うことができる。
使用できる装置としては、焙煎された精白米と抽出溶媒が十分に接触でき、多くの可溶性の成分を抽出溶媒に溶解できる構造を供えていればよい。
そのような抽出用装置としては、茶葉等から茶を抽出する際に使用するニーダー抽出機、茶葉等を収納したカゴごと抽出用溶剤に浸漬する抽出タンクを用いた抽出装置、容器内に焙煎された精白米と抽出溶媒を相前後して投入し、可溶性の成分を抽出して容器内の抽出溶媒を回収しながら、該容器内に新たな抽出溶媒を供給する装置を使用することができる。
抽出時には、均一な抽出を行うために、ある程度の撹拌を行ってもよいが、焙煎された精白米を撹拌させすぎると、この精白米が糊状となり、又は撹拌による物理的な衝撃によって、デンプンが過剰に抽出液に溶出して、その結果、抽出溶媒の粘度が高くなるため、フィルターや配管が目詰まりを起こすなどして、抽出液の回収が困難になる可能性がある。そのため、焙煎された精白米を可能な限り撹拌しないほうがよい。併せて、抽出効率を考慮すると、上記の抽出用の各装置の中でも、最初に容器内に焙煎された精白米と抽出溶媒を相前後して投入し、その後、可溶性の成分を抽出して容器内の抽出溶媒を回収しながら、該容器内に新たな抽出溶媒を供給する装置を使用して抽出することが好ましい。
そのような好ましい装置の一例としては、タンク内を上室と下室に分けるようにタンク内下部にフィルターを設けておき、そのフィルターは焙煎された精白米を透過せず、可溶性の成分が溶解された抽出溶媒のみを透過できるものである。そのようなフィルターとして100メッシュより目が粗いものが好ましく、80メッシュよりも目が粗いものがより好ましい。タンクの下室には可溶性の成分が溶解された抽出溶媒を回収するための配管を接続し、タンクの上部には抽出溶媒を供給するための供給管を接続してなる装置である。
そしてその装置には、抽出溶媒の供給と取り出しを制御するための装置、焙煎された精白米を投入するための装置を付属させ、さらに内部の温度を一定に維持するための加熱装置及び/又は冷却装置を付属させることもできる。
そのような装置を用いて焙煎された精白米から可溶性の成分を抽出する方法としては、まず、タンク内に抽出溶媒を供給した後に焙煎された精白米を投入する。抽出工程の初期においてタンク内に該焙煎された精白米の全てが抽出溶媒に速やかに浸漬されるので、焙煎された精白米が、必要以上の時間、抽出溶媒に浸漬されることがなく、過剰にデンプンが溶出しない。なお、抽出溶媒を供給する前に焙煎された精白米をタンク内に投入すると、その後上部から抽出溶媒が供給された際に、焙煎された精白米の上部から下部にかけて抽出溶媒を吸収してしまい、その自重により焙煎された精白米自体がフィルターの目詰まりを起こす可能性が高く、タンク下部から抽出溶媒を取り出すことが困難になりかねない。
予め抽出溶媒の液面がフィルター上の十分な高さになるように、タンク内に抽出溶媒を供給する。その後に原料として投入される焙煎された精白米の量は、フィルター上の焙煎された精白米が過度に厚く堆積される程に投入されると、その後の抽出工程に長時間を要する可能性があり、目詰まりを起こす可能性があるため、円形の抽出機の場合、直径100〜250cmの抽出機を用いるのが良く、焙煎された精白米の厚さは膨潤後で100cm以下とするのが好ましい。なお、フィルターの垂直方法の投影面積は、抽出機内部の底面積とほぼ同じとする。
当初に供給される抽出溶媒は焙煎された精白米を全て浸す量である。抽出溶媒の量が少ないと、抽出工程の最初から焙煎された精白米の全てから可溶性の成分を抽出することができない。当初、抽出溶媒は、タンク内に投入される焙煎された精白米の、溶媒に浸漬することによる体積変化率を考慮して膨潤後でもほぼ全て浸漬される程度を想定し、供給しておくことが好ましい。焙煎された精白米の量に対する抽出溶媒の量が少なすぎると、当初から十分に抽出を行うことができず、逆に抽出溶媒の量が多すぎると、目的とする濃度の焙煎米飲料を得ることが困難になる可能性がある。
上記のようにして、タンク内に抽出溶媒を投入してから焙煎された精白米を投入し、抽出溶媒を供給した後、15分以内、好ましくは10分以内、より好ましくは5分以内、さらに好ましくは1分以内の時間、新たに抽出溶媒を供給することなく保持させる。
この保持した所定の時間を経過させる間、タンク内の抽出溶媒に可溶性の成分を抽出させる。
そして、タンク内上部に設けた供給管から抽出溶媒を供給しながら、タンク内の下室に接続した配管から焙煎された精白米の可溶性の成分が溶解した抽出溶媒を取り出し、この工程においても、供給された抽出溶媒がさらに可溶性の成分を抽出することになる。この抽出溶媒をタンクに供給し、同時にタンクから可溶性の成分を溶解した抽出溶媒を取り出す抽出工程は、40分以内であることが好ましく、より好ましくは30分以内、さらに好ましくは20分以内である。
このとき抽出溶媒の単位時間当たりの供給量と、抽出溶媒の単位時間当たりの取り出し量を調整することにより、予定された抽出工程の終了時点にはタンク内の取り出し可能な抽出溶媒の量をゼロ等とすることもできる。
もちろん抽出工程を通じて、抽出溶媒の供給量と取り出し量を変動させることや、少なくとも一方を一定とすることもできる。この供給量や取り出し量もタンクの大きさや投入された焙煎された精白米の量等により変化させる必要があるが、タンク内に投入された焙煎された精白米10kgあたり、供給量と取り出し量は3〜20リットルが好ましい。
また、抽出工程全般にわたり、抽出温度を一定の温度としても良く、抽出工程中に抽出温度を変動させてもよい。抽出温度としては、70〜99℃が好ましく、より好ましくは80〜85℃である。
また抽出溶媒として水を使用することができる。さらにその水にアスコルビン酸ナトリウム、あるいは飲食品に使用できる添加剤を添加しておくことができる。中でもアスコルビン酸ナトリウムを焙煎された精白米に対して0.1〜1.0重量%添加することもできる。
このような抽出溶媒を使用することに代えて、又は同時に、例えばアスコルビン酸ナトリウムを抽出工程にて使用する場合には、タンク内に投入する焙煎された精白米にアスコルビン酸ナトリウムを予め混合しておいてもよく、又はタンク内に焙煎された精白米とアスコルビン酸ナトリウムを別々に投入してもよい。これらの場合には、タンク内に投入する焙煎された精白米10kg当たり、アスコルビン酸ナトリウムを0.05〜1.0kg使用することができる。アスコルビン酸ナトリウムを添加しても抽出液のpHを下げることがないので好ましい。
アスコルビン酸ナトリウムの酸化防止効果を利用して、抽出工程時での可溶性の成分の酸化を防止することが好ましい。
本発明の方法に続けて、濾過及び/又は遠心分離により固形分と水溶性部分とに分離すると、その後の清澄化処理において濾速が向上し生産効率に優れる点で好ましい。
清澄化処理としては例えば、微細濾過、精密濾過、逆浸透膜濾過、電気透析、生物機能性膜などの膜濾過、或いは珪藻土濾過などの濾過助剤を用いた濾過、或いはこれらのいずれかを二つ以上を組合わせた濾過などを行うことができる。また、その際には、例えば抽出工程で得られた抽出液を5〜40℃程度に冷却し、同時に又はその前後に、必要に応じて、茶抽出液にアスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウムなどを加えて酸性(pH4〜5)に調整し、濾過するのが好ましい。抽出液の冷却或いは酸性調整によって抽出成分の酸化を防ぐことができると共に、オリやクリームダウンの原因成分を沈殿させて効果的に濾別することができる。
本発明の方法に続けて、必要に応じて希釈したり濃縮したりすることができる。また、飲料用として公知の添加剤、例えば、重曹、アスコルビン酸、酸化防止剤、香料、各種エステル剤、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、重曹等のpH調整剤、難消化デキストリン、品質安定剤などの添加剤を、単独あるいは併用して配合できる。
例えば甘味料としては、砂糖、ぶどう糖、果糖、異性化液糖、エリスリトール、グリチルリチン、ステビア、アスパルテーム、スクラロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖が挙げられる。
加えて、本発明の工程により得られた焙煎された精白米から可溶性の成分が抽出された抽出溶媒に、他の飲料、例えば、緑茶、煎茶、番茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶等、コーヒー、牛乳等を配合して呈味や風味を調整することもできる。
本発明により得られた焙煎米飲料は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする樹脂等の樹脂製成形容器(いわゆるPETボトル等)、金属缶、金属箔やプラスチィックフィルムと複合された紙容器、ビン等の通常の容器に詰めた形態で提供することができる。
また本発明の焙煎米飲料は、例えば、金属缶に充填後、食品衛生法に定められた条件で加熱殺菌が行われる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定の温度まで冷却して容器に充填する等の方法が採用される。
本発明の中でも、可溶性固形分抽出率が12.00以下であると焙煎米飲料の製造適性がさらに良好であり、さらに9.00以下であると製造適性がより良好である。加えて、得られた焙煎米飲料の味覚の点において、焙煎米飲料中の焙煎米由来の可溶性固形分は0.100〜0.250であるとことが好ましく、さらに0.110〜0.180がより好ましい。
(実施例1)
実施例1に用いる原料の焙煎された精白米(以下「焙煎米」という。)のかさ比重を測定したところ、0.385(g/cm)であった。この焙煎米をメスシリンダーに500ml投入し、充分量の85℃の湯に30分間浸漬したところ、焙煎米が吸水し、体積が1500mlとなった。つまり、溶媒に浸漬することによる体積変化率は300%(3倍)であった。
そこで、まず、タンク下部にフィルターを有した直径170cm(底面積22698cm)の円形抽出タンクに85℃の湯を2400L投入した。このとき、湯の液面はフィルターより約75cm高かった。そこに焙煎米220kgとアスコルビン酸ナトリウム2.2kgを投入した。この際、ほとんどの焙煎された精白米は、沈まずに液面付近に浮いている状態であった
その直後、投入した焙煎米の上部より150L/分の流量で抽出溶媒をシャワー状に供給し、ほぼ全ての焙煎米を液面より下部に沈降させた。この状態で保持を行わずに、シャワー開始より1分後に液抜きを開始し、シャワーと液抜きを同時に17分間行った後、シャワーを止めて液抜きを5分間行った(抽出時間23分間)。
回収した抽出液は3960L、抽出液の可溶性固形分の抽出率は6.99%であった。この際、フィルターへの目立った目詰まりはみられず、スムーズに抽出を完了することができた。この結果は、焙煎米の投入前に溶媒をあらかじめ投入しておくことで、すぐに液抜きが開始でき、不要なデンプン質の溶出を抑制したことと、焙煎米とフィルターが溶媒を通して接触しているので、メッシュに不要な荷重がかからず、目詰まりの発生を抑制できたことによるものと考えられる。
得られた抽出液全量について18000L/時間、5400rpmの条件で遠心分離濾過を行い、次いでカートリッジフィルターTCPD−02A(アドバンテック東洋社製)を用いて精密濾過を行った。濾過後抽出液全量に対してビタミンCを3.3kg、重曹を2.75kg添加した後、水を加えて11000Lまでゲージアップし、137.6℃×30秒の条件でUHT殺菌を行い、PETボトルに充填し、焙煎米飲料とした。この焙煎米飲料は、焙煎された精白米の風香味と共に、デンプンの甘味が感じられ非常に嗜好性の高いものであった。
(実施例2)
実施例1にて使用したタンクと同じタンクに85℃の湯を2400L投入した。このとき、湯の液面はフィルターより約75cm高いものであった。そこに実施例1で用いた焙煎米と同様の焙煎米を220kgとアスコルビン酸ナトリウム2.2kgを投入した。この際、沈まずに液面付近に浮いているものもみられた。
その直後、投入した焙煎米の上部より150L/分の流量でシャワー開始し、ほぼ全ての焙煎米を液面より下部に沈降させた。この状態で保持を行わずに、シャワー開始より1分後に液抜きを開始し、シャワーと液抜きを同時に20分間行った後、シャワーを止めて液抜きを4分間行った(抽出時間25分間)。
回収した抽出液は4130L、抽出液の可溶性固形分の抽出率は7.20%であった。この際、フィルターへの目立った目詰まりはみられず、スムーズに抽出を完了することができた。この結果は、焙煎米の投入前に溶媒をあらかじめ投入しておくことで、すぐに液抜きが開始でき、不要なデンプン質の溶出を抑制したことと、焙煎米とフィルターが溶媒を通して接触しているので、メッシュに不要な荷重がかからず、目詰まりの発生を抑制できたことによるものと考えられる。
得られた抽出液全量について18000L/時間、5400rpmの条件で遠心分離濾過を行い、次いでカートリッジフィルターTCPD−02A(アドバンテック東洋社製)を用いて精密濾過を行った。濾過後抽出液全量に対してビタミンC3.3kg、重曹2.75kgを添加した後、水を加えて11000Lまでゲージアップし、137.6℃×30秒の条件でUHT殺菌を行い、PETボトルに充填し、焙煎米飲料とした。この焙煎米飲料は、焙煎された精白米の風香味と共に、デンプンの甘味が感じられ非常に嗜好性の高いものであった。
(実施例3)
各種L値にて示される焙煎度を有する各種焙煎米を準備した。下部にフィルターを有した直径9.7cmの円形タンク(底面積73.9cm)に85℃の湯を2750g投入した。この際、湯の液面はフィルターより約35cm高かった。フィルター上の湯の中に焙煎米を250gとアスコルビン酸ナトリウム2.0gを投入した。その後、投入した焙煎米の上部より136mL/分の流量で1分間のシャワーを行った。この状態で保持を行わずに、シャワー流量を調節し、シャワーと液抜きを同時に行った後、シャワーを止めて液抜きを5分間行い、表1に記載の12〜30分の抽出時間で抽出を行った。この際、試料1〜7についてフィルターへの目立った目詰まりはみられず、スムーズに抽出を完了することができた。なお、抽出時間は、シャワーの開始から液抜きの完了までの時間である。
製造適性については、以下の基準に従って評価した。
◎:目詰まりはほとんどみられず、製造適性は良好である。
○:目詰まりが若干みられるものの、製造に支障は無い。
各抽出液全量について、カートリッジフィルター(5μm)にて濾過を行い、濾過後抽出液全量に対してビタミンC3.0g、重曹2.5gを添加した後、水を加えて10Lまでゲージアップし、137.6℃×30秒の条件でUHT殺菌を行い、PETボトルに充填し、試料1〜5とした。また、訓練された評価パネラー5名の協議によって、以下の基準に従って味覚評価を行った。
◎:焙煎された精白米の風香味と共に、適度なデンプンの甘みが感じられて非常に良い。
○:焙煎された精白米の風香味と共に、デンプンの甘みがかすか感じられて良い。
△:焙煎された精白米の風香味と共に、デンプンの甘みをあまり感じず良くはなく普通であった。
ここでいう可溶性固形分抽出率は、浴比×抽出液の可溶性固形分(%)[(抽出に用いた溶媒の重量(g)/抽出に用いた焙煎された精白米の重量(g))×抽出液の可溶性固形分(%)]で算出される。
焙煎米由来の可溶性固形分(%)とは、焙煎米飲料における焙煎米由来のみの可溶性固形分を指し、抽出液の可溶性固形分の測定値を基に、抽出液の希釈倍率を考慮して算出する。また下記の焙煎米飲料の全可溶性固形分から、焙煎米由来の可溶性成分以外の成分を除いた固形分でもある。
また、焙煎米飲料の全可溶性固形分(%)とは、アスコルビン酸ナトリウム、ビタミンC、重曹などの添加物を含んだ焙煎米飲料の全可溶性固形分の比率を指す。
なお、これら可溶性固形分の測定には、RX−5000(ATAGO社製)を用いた。
下記表1の結果によると、本発明の方法に沿って、製造が支障なく行われ、得られた各焙煎米飲料は、何れも味覚評価が良好であった。中でも、可溶性固形分抽出率が9.00以下である試料1〜4の方法によると、焙煎米飲料の製造適性が良好であった。加えて、可溶性固形分抽出率が4.00〜12.00であり、又は焙煎米飲料中の焙煎米由来の可溶性固形分が0.100〜0.250の範囲であると、得られた焙煎米飲料の味覚は良好であった。特に可溶性固形分抽出率が4.40〜7.20、又は焙煎米飲料中の焙煎米由来の可溶性固形分が0.110〜0.180の範囲であると、得られた焙煎米飲料の味覚は非常に良好であった。
(比較例)(特許文献4に記載の方法を採用)
実施例1にて使用したタンクと同じタンクに焙煎米230kgとアスコルビン酸ナトリウム2.2kgを投入した。その後、投入した焙煎米の上部より95L/分の流量で85℃の湯840kgを投入した。この状態で2分間保持し、95L/分の流量で85℃の湯2750kgを投入しながらタンク下部より液抜きを行ったが、目詰まりが発生し、液抜きが困難となったため、試験を中断した。つまり、特許文献4に記載の結果と同様、本方法は製造適性が悪いことがわかった。
このような結果となった原因として、抽出溶媒が無い状態で焙煎米を投入したため、シャワー開始から液抜きが開始できるまでの時間が長くかかってしまい、焙煎米が必要以上に溶媒に接触しデンプン質が溶出しやすい状態となったことと、溶媒が無い状態で焙煎米とメッシュが直接接触し、さらに上部からのシャワーにより吸水した焙煎米の自重によってメッシュに焙煎米が入り込み、目詰まりが発生しやすくなったことが原因と考えられた。
比較例による方法と比較して本発明の方法によれば、焙煎された精白米が一度に全て抽出溶媒に接触して、抽出が開始されるので、上記比較例における支障はみられず抽出を円滑に行え、製造適性及び味覚に優れることがわかる。

Claims (5)

  1. 抽出工程として、タンク内に供給された抽出溶媒中に、精白米以外の穀類、豆類または茶類を含有しない、蒸された後に焙煎された精白米を投入し、該精白米に抽出溶媒を散布して、精白米中の可溶性の成分を該抽出溶媒に溶解させ、同時に前記タンク下部から該精白米中の可溶性の成分を溶解してなる該抽出溶媒を取り出すことにより、該抽出溶媒と該精白米を分離する工程を有する焙煎米飲料の製造方法。
  2. 該精白米に対する抽出溶媒の散布を開始し、同時に前記タンク下部から該精白米中の可溶性の成分を溶解してなる該抽出溶媒を取り出し、該タンクからの液抜きが完了するまでの時間である抽出時間が40分間以下である請求項に記載の焙煎米飲料の製造方法。
  3. 蒸された後に焙煎された精白米が含有する可溶性固形分の抽出率が4.0重量%以上である請求項1又は2に記載の焙煎米飲料の製造方法。
  4. 抽出溶媒がビタミンCを溶解したものである請求項1〜のいずれかに記載の焙煎米飲料の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の焙煎米飲料の製造方法により得られる焙煎米飲料。
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