JP5734101B2 - 牡蠣エキスの製造方法、及び、牡蠣エキス - Google Patents

牡蠣エキスの製造方法、及び、牡蠣エキス Download PDF

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牡蠣に含まれる蛋白質を酵素により分解して牡蠣エキスを製造する牡蠣エキスの製造方法、及びこの製造方法により得られる牡蠣エキスに関する。
牡蠣は、タウリン、アミノ酸、ミネラル類(亜鉛、銅)を豊富に含み、免疫増強、貧血予防、成人病予防等に有益な食材として知られており、従来、健康に有益な効果をもたらすことを期待して、各種の牡蠣エキスの製造が行われている。
このような牡蠣エキスの製造方法の1つとして、牡蠣に蛋白質分解酵素を作用させて牡蠣に含まれる蛋白質を分解して牡蠣エキスを製造する方法がある。このような方法により製造される牡蠣エキスは、牡蠣の蛋白質を分解する際の反応条件(例えば、蛋白質分解酵素の種類、温度条件等)等に応じて、得られる牡蠣エキスに含まれる成分が異なり、その効能も様々である。
例えば、特許文献1に記載の牡蠣エキスの製造方法では、液温が60℃に調整された牡蠣肉の粉砕溶液に、バチルス由来のプロテアーゼを添加して間欠的に2時間攪拌した後、前述のプロテアーゼを再添加して2時間攪拌することにより、牡蠣肉に含まれる蛋白質を分解する。そして、得られた分解液を沸騰水中で間欠的に1時間攪拌して、前述のプロテアーゼを失活させた後、固液分離を行い、固相をフィルタープレスによって圧搾処理し、得られた圧搾液を液相と合わせて清澄液を採取する。そして、清澄液をスプレードライによって粉末化して牡蠣エキスを得る。
この特許文献1に記載の製造方法により製造される牡蠣エキスは、ゲル化ろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量分布において、分子量9300〜40000の領域にピークを有することに特徴があり、この牡蠣エキスに含まれる分子量9300〜40000の成分が、健康に何らかの有益な効果をもたらすことが期待されている。
特開2008−142032号公報
ところで、近年、人口の高齢化や食生活の変化等により、心筋梗塞が急増している。心筋梗塞等の循環器疾病患者の特徴の1つに、血中のレプチン濃度及びインスリン濃度が標準より高いことが挙げられる。このため、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する作用を有する健康食品、又は薬剤等の開発が望まれている。特に、牡蠣エキスのような天然食材から製造されるものは、副作用が少ないことから、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果を有することが期待される。
しかしながら、上記した特許文献1に記載の製造方法により製造される牡蠣エキスは、高分子量(具体的には、分子量10000以上)の蛋白質成分を全成分の30%以上含んでおり、レプチン及びインスリンの分泌を抑制することができるものではなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、レプチン及びインスリンの分泌を抑制することができる牡蠣エキスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを用いて牡蠣肉に含まれる蛋白質の分解処理を特定の温度及びpH条件下で行うこと、蛋白質の分解処理前に牡蠣肉を特定の温度条件下で熱処理すること、さらには、蛋白質の分解処理後のプロテアーゼの失活処理を特定のpH条件下で行うことにより、レプチン及びインスリンの分泌を抑制することができる牡蠣エキスを製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係る牡蠣エキスの製造方法は、以下の動物実験により得られるレプチン抑制率が5〜18%で、インスリン抑制率が15〜52%である牡蠣エキスを製造する方法において、牡蠣肉と水とを混合して粉砕した溶液を90±3℃の温度で熱処理する熱処理工程を行い、この熱処理工程での処理結果物のpHをpH8〜9に調整した後、その処理結果物に、60±3℃の温度条件下で、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを添加して、前記牡蠣肉に含まれる蛋白質を酵素分解させる蛋白質分解工程を行い、この蛋白質分解工程での処理結果物を、pH7±0.3の条件下で熱処理して前記プロテアーゼを失活させる失活工程を行い、この失活工程での処理結果物をエキス分と廃物分とに分離した後、エキス分を濃縮して牡蠣エキスを得る分離濃縮工程を行うことを特徴とする。
この本発明に係る牡蠣エキスの製造方法によれば、以下の動物実験により得られるレプチン抑制率が5〜18%で、インスリン抑制率が15〜52%である牡蠣エキスを製造することができる。
[動物実験]
5週齢のSD系雄ラット16匹を、群間の平均体重がほぼ同等となるように、8匹ずつ、コントロール群と牡蠣エキス群とに群分けした。コントロール群及び牡蠣エキス群のラットには、肥満を誘導させる高脂肪の飼料として、15%脂肪を添加した混餌飼料を自由摂取させ、毎日の摂取量および体重を測定した。この際、牡蠣エキス群のラットの飼料には、飼料中に牡蠣エキスの蛋白質成分を5%含むように、粉末状の牡蠣エキスを添加した。そして、摂餌4週間後に、コントロール群及び牡蠣エキス群のラットの血液を断頭屠殺により採取した。血液から血清を取り出し、血清中のレプチン量及びインスリン量をELISA法にて測定した。そして、コントロール群のラットのレプチン量から牡蠣エキス群のラットのレプチン量を差し引き、得られた値をコントロール群のラットのレプチン量で除して百分率換算した値をレプチン抑制率(%)とした。また、コントロール群のラットのインスリン量から牡蠣エキス群のラットのインスリン量を差し引き、得られた値をコントロール群のラットのインスリン量で除して百分率換算した値をインスリン抑制率(%)とした。
また、本発明に係る牡蠣エキスは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される分子量分布が分子量10000未満の成分のみを含有することを示すものであることが好ましい。
本発明によれば、レプチン及びインスリンの分泌を抑制することができる牡蠣エキスを製造することができる。
本発明の実施の形態では、牡蠣肉と水とを混合した処理溶液を90±3℃の温度条件下で熱処理し、pHをpH8〜9に調整した後、その処理溶液(本発明でいう処理結果物)に、60±3℃の温度条件下で、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを添加して、牡蠣肉に含まれる蛋白質を分解し、その後、前記プロテアーゼをpH7±0.3の条件下で失活させ、得られた処理結果物をエキス分と廃物分とに分離し、分離したエキス分を濃縮することにより牡蠣エキスを製造する。
以下に、本発明の実施の形態に係る牡蠣エキスの製造方法について、より具体的に説明する。
なお、本実施の形態で使用される牡蠣は、特に限定されず、例えば、真牡蠣、岩牡蠣、イタボガキ、スミノエガキ、ヨーロッパヒラガキ等を好適に使用できる。また、牡蠣の産地も、特に限定されず、例えば、広島産、宮城産、韓国産、アメリカ産、フランス産、オーストラリア産、又はニュージーランド産等の各種牡蠣を使用することができる。
また、本実施の形態では、蛋白質のペプチド結合を加水分解する酵素として、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)由来、バチルス・サブチリス(Bacillus subtillis)由来、バチルス・エスピー(Bacillus sp.)由来、又はバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)由来のプロテアーゼを使用する。このようなプロテアーゼは、精製されたものに限らず、粗酵素の状態であってもよい。
本実施の形態に係る牡蠣エキスの製造方法では、まず、上記した牡蠣の殻の部分を取り除き、得られた牡蠣肉(牡蠣のむき身)を、水とともにミキサーにかけて、粉砕する。この際、牡蠣肉とともにミキサーにかけられる水の量は、特に限定されないが、牡蠣肉100g当たり、90〜110gであることが好ましい。
牡蠣肉を粉砕したら、得られた牡蠣肉と水の混合溶液を90℃の温度で熱処理する(熱処理工程)。この際の温度90℃に対し、±3℃は誤差の範囲内とする。このように、牡蠣肉を90±3℃の温度で熱処理することにより、牡蠣肉が十分に膨潤し、後の蛋白質分解工程で酵素(プロテアーゼ)をより効果的に作用させることができる。具体的には、蛋白質分解工程前に牡蠣肉を熱処理することにより、牡蠣肉が持っている酵素(例えば、消化酵素、生体酵素等)を失活させて余計な蛋白質の分解反応や腐敗を抑えることができる。その上、蛋白質を熱変性させて蛋白質分解工程で添加する酵素(プロテアーゼ)による蛋白質分解の効果を高めることができる。また、牡蠣肉を十分に膨潤させることができれば、熱処理時間は、特に限定されるものではないが、30〜60分であることが好ましい。
熱処理工程後、上記の通り熱処理された処理溶液に、水を加え、さらに、処理溶液のpHをpH8〜9に調整する。加える水の量は、特に、限定されるものではないが、使用した牡蠣肉100g当たり、150〜200gであることが好ましい。pH調整に使用するpH調整剤は、特に、限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カルシウム等をpH調整剤として好適に使用できる。
次いで、処理溶液を60℃の温度まで冷却する。なお、この際の温度60℃に対し、±3℃は誤差の範囲内とする。
次いで、上記の通り、pH8〜9、液温が60±3℃に設定された処理溶液に、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを添加し、液温60±3℃の状態を維持したままで、処理溶液を攪拌し、牡蠣肉に含まれる蛋白質を酵素分解させる(蛋白質分解工程)。ここで、60±3℃以外の液温にて蛋白質の分解を実施した場合には、後の工程で、レプチン及びインスリンの分泌を抑制することができる牡蠣エキスを得ることができない。また、上記プロテアーゼの添加量は、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する成分が十分に生成される程度に蛋白質を分解することができる量であれば、特に限定されず、例えば、牡蠣肉100gに対して、1.0〜3.0gのプロテアーゼを添加することが好ましい。また、攪拌時間は、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する成分が十分に生成される程度に蛋白質が分解されれば、特に限定されないが、例えば、4〜6時間攪拌することが好ましい。
蛋白質分解工程後、処理溶液のpHをpH7±0.3に調整し、処理溶液を熱処理して上記プロテアーゼを失活させる(失活工程)。この失活工程におけるpHがpH7±0.3以外であると、後の工程で、レプチン及びインスリンの分泌を抑制することができる牡蠣エキスを得ることができない。具体的には、プロテアーゼを失活させるために、処理溶液のpHをpH7±0.3を超えるpHとすると、上記の蛋白質分解工程で生成したレプチン及びインスリンの分泌を抑制することができる成分が破壊されてレプチン及びインスリンの分泌を抑制することができる牡蠣エキスを得ることができないおそれがある。また、pH7±0.3未満の条件下で処理溶液中のプロテアーゼを失活させる場合には、処理溶液のpHをpH7±0.3未満とするために、多量のpH調整剤を処理溶液に添加しなければならず、これにより、処理溶液中におけるレプチン及びインスリンの分泌を抑制することができる成分の含有比率が低下して、レプチン及びインスリンの分泌を抑制することができる牡蠣エキスを得ることができなくなるおそれがある。
また、失活工程で使用するpH調整剤は、特に、限定されるものではないが、例えば、クエン酸、乳酸、酢酸、フマール酸、又はアジピン酸等をpH調整剤として好適に使用できる。また、プロテアーゼを失活させるための熱処理温度及び熱処理時間は、プロテアーゼを確実に失活させることができれば、特に限定されず、例えば、90℃以上、より好ましくは、90〜95℃の温度で、30〜60分間熱処理して、プロテアーゼを失活させることが好ましい。
失活工程後、処理溶液を遠心分離機で、エキス層、脂肪層(本発明でいう廃物分)、及び未分解層(本発明でいう廃物分)に分離し、次いで、エキス層をろ過し、60℃以下で減圧濃縮して、液状の本実施の形態に係る牡蠣エキスを得た(分離濃縮工程)。なお、本明細書では、プロテアーゼによる蛋白質の分解により生成されたペプチドを含む水溶性の成分をエキス分といい、それ以外の成分を廃物分という。
なお、上記した本実施の形態により製造される牡蠣エキスは液状であるが、分離濃縮工程後に、スプレードライにより液状の牡蠣エキスを瞬時に乾燥させると、粉末状の牡蠣エキスが得られる。すなわち、本発明の製造方法により製造される牡蠣エキスは、液状であっても、粉末状であってもよく、特に、その形態は限定されないものとする。
以下、本発明の実施の形態を実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
広島産真牡蠣の殻の部分を取り除いた牡蠣肉1000gを、水1000gとともにミキサーにかけ、粉砕した。これにより得られた牡蠣肉と水の混合溶液を90℃の温度(以下、前処理温度という。)で30分間熱処理した(熱処理工程)。これにより得られた処理溶液のpH(以下、反応pHという。)を水酸化ナトリウムによりpH8.5に調整した。次いで、処理溶液に水1000gを加え、処理溶液を60℃の温度(以下、反応温度という。)まで冷却した。冷却後、蛋白質分解酵素として、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)由来のプロテアーゼ(商品名:PAL440、製造元:DEERLAND ENZYMES)15gを処理溶液に添加し、上記した反応温度、即ち、60℃の温度を維持した状態で、処理溶液を5時間攪拌して蛋白質を分解させた(蛋白質分解工程)。攪拌後、処理溶液のpHをクエン酸によりpH7.0(以下、失活pHという。)に調整し、処理溶液を攪拌しながら、90℃の温度で30分間熱処理することにより、蛋白質分解酵素を失活させた(失活工程)。次いで、処理溶液を遠心分離機で、エキス層、脂肪層、及び未分解層に分離した。次いで、エキス層をフィルタープレスによりろ過し、得られたろ液を、さらに、フィルタープレスによりろ過してから、60℃以下で減圧濃縮し、液状の実施例1の牡蠣エキスを得た(分離濃縮工程)。また、得られた液状の牡蠣エキスをスプレードライにより乾燥させ、粉末状の牡蠣エキスを得た。
得られた粉末状の牡蠣エキスについて、ゲル浸透ろ過クロマトグラフィーにより分子量分布の測定を行った。測定条件は、以下の通りとした。また、粉末状の牡蠣エキス0.02gに移動相10mlを加えて分散後、室温で一昼夜放置し、0.45μmのメンブランフィルターに通液したものを測定用試料溶液とした。
−測定条件−
測定装置:Shodex GPC−101測定装置(昭和電工製、UV検出器(UV−41)付)
カラム:TSKgelGW2500PW(東ソー製)(φ7.8mm×300mm)
移動相:水/アセトニトリル/TFA=55/45/0.1
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min
検出器:UV検出器
検出波長:210nm
試料濃度:0.02mg/10ml
試料注入量:20μl
標準試料:分子量12500(Cytochrome C)、分子量6512(Aprotinin)、1450(Bacitracin)、分子量1046(Angiotensin II)、分子量451(Gly−Gly−Tyr−Arg)、分子量189(Gly−Gly−Gly)
この分子量分布測定により得られたピークの面積比から、分子量10000以上、分子量3000超〜10000未満、分子量1000超〜3000以下、分子量500超〜1000以下、分子量500以下の各成分の全成分に対する含有比率を算出した。この算出結果を以下に示す。
<分子量分布>
分子量10000以上 : 0.0%
分子量3000超〜10000未満: 1.0%
分子量1000超〜3000以下 :11.0%
分子量500超〜1000以下 :16.0%
分子量500以下 :72.0%
このように、上記した方法により測定される分子量分布は、実施例1の牡蠣エキスが、分子量10000未満の成分のみからなり、他の分子量の成分に比べて、分子量500以下の成分を極めて多く含むものであることを示した。
また、実施例1の牡蠣エキスに含まれる全成分に対するグリコーゲン、タウリン、窒素、アミノ酸(遊離アミノ酸及び加水分解アミノ酸)、亜鉛、カルシウム、カリウム、ナトリウムの各成分の含有比率(%)は次に示す通りであった。なお、本明細書中において、加水分解アミノ酸とは、加水分解により生成するアミノ酸、即ち、ペプチドを構成するアミノ酸のことをいう。この加水分解アミノ酸の含有量は、加水分解後の牡蠣エキスに含まれる遊離アミノ酸の含有量から、加水分解前の牡蠣エキスに含まれる遊離アミノ酸の含有量を差し引くことにより求められる。以下<各成分の含有比率%>に示す遊離アミノ酸の含有比率は、加水分解前の牡蠣エキスに含まれる遊離アミノ酸の含有比率である。
<各成分の含有比率(%)>
グリコーゲン :22.9%
タウリン :2.87%
窒素 :6.4%
遊離アミノ酸 :5.83%
加水分解アミノ酸:30.06%
亜鉛 :0.04%
カルシウム :0.10%
カリウム :1.00%
ナトリウム :2.00%
[実施例2]
蛋白質分解酵素として、バチルス・サブチリス(Bacillus subtillis)由来のプロテアーゼ(商品名:オリエンターゼ22BF、製造元:エイチビィアイ)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2の牡蠣エキスを製造した。
[実施例3]
蛋白質分解酵素として、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)由来のプロテアーゼ(商品名:アルカラーゼ、製造元:ノボザイムジャパン)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により実施例3の牡蠣エキスを製造した。
[実施例4]
蛋白質分解酵素として、バチルス・エスピー(Bacillus sp)由来のプロテアーゼ(商品名:ビオプラーゼSP−20FG、製造元:ナガセケムテックス)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により実施例4の牡蠣エキスを製造した。
[実施例5]
蛋白質分解酵素として、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)由来のプロテアーゼ(商品名:ビオプラーゼAP、製造元:ナガセケムテックス)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により実施例5の牡蠣エキスを製造した。
[実施例6]
酵素を加える前に調整する処理溶液のpH(反応pH)をpH8とした以外は、実施例1と同様の方法により実施例6の牡蠣エキスを製造した。
[実施例7]
酵素を加える前に調整する処理溶液のpH(反応pH)をpH9とした以外は、実施例1と同様の方法により実施例7の牡蠣エキスを製造した。
[比較例1〜24]
蛋白質分解酵素として以下表1に示す酵素を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1〜24の各牡蠣エキスを製造した。
Figure 0005734101
[比較例25〜28]
前処理温度を次に示す温度とした以外は、実施例1と同様の方法により、比較例25〜28の各牡蠣エキスを製造した。比較例25では前処理温度を45℃とし、比較例26では前処理温度を60℃とし、比較例27では前処理温度を75℃とし、比較例28では前処理温度を100℃とした。
[比較例29〜32]
酵素を加える前に、処理溶液のpHを次に示す反応pHに調整した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例29〜32の各牡蠣エキスを製造した。比較例29では反応pHをpH4.5とし、比較例30では反応pHをpH6とし、比較例31では反応pHをpH7.5とし、比較例32では反応pHをpH10.5とした。
[比較例33〜36]
酵素を加える前に、処理溶液の温度を次に示す反応温度にまで冷却し、この反応温度を維持した状態で蛋白質の分解を行った以外は、実施例1と同様の方法により、比較例33〜36の各牡蠣エキスを製造した。比較例33では反応温度を40℃とし、比較例34では反応温度を50℃とし、比較例35では反応温度を70℃とし、比較例36では反応温度を80℃とした。
[比較例37]
蛋白質分解工程後に調整する処理溶液のpH(失活pH)をpH9とした以外は、実施例1と同様の方法により、比較例37の牡蠣エキスを製造した。
[動物実験:レプチン抑制率及びインスリン抑制率の測定]
実施例1〜7及び比較例1〜37の牡蠣エキスのそれぞれについて、肥満ラットを用いた動物実験を実施し、牡蠣エキスが血清中のレプチン濃度及びインスリン濃度に及ぼす影響を検討した。動物実験は、次に示す方法にて行った。4週齢のSD系雄ラット(日本クレア(株))16匹を1週間の予備飼育後(即ち、5週齢経過後)、群間の平均体重がほぼ同等となるように、8匹ずつ、コントロール群と牡蠣エキス群とに群分けした。コントロール群及び牡蠣エキス群のラットには、肥満を誘導させる高脂肪の飼料として、15%脂肪(ラードとコーン油)を添加した混餌飼料(AIN−76組成)を自由摂取させ、毎日の摂取量および体重を測定した。この際、牡蠣エキス群のラットの飼料には、飼料中に牡蠣エキスの蛋白質成分を5%含むように、粉末状の牡蠣エキスを添加した。そして、摂餌4週間後に、コントロール群及び牡蠣エキス群のラットの血液を断頭屠殺により採取した。常法に従って、血液から血清を取り出し、血清中のレプチン量及びインスリン量をELISA法にて測定した。そして、コントロール群のラットのレプチン量から牡蠣エキス群のラットのレプチン量を差し引き、得られた値をコントロール群のラットのレプチン量で除して百分率換算した値をレプチン抑制率(%)とした。また、コントロール群のラットのインスリン量から牡蠣エキス群のラットのインスリン量を差し引き、得られた値をコントロール群のラットのインスリン量で除して百分率換算した値をインスリン抑制率(%)とした。なお、ELISA法によるレプチン量の測定には、株式会社森永生化学研究所製「マウスレプチン測定キット」を使用した。また、ELISA法によるインスリン量の測定には、株式会社森永生化学研究所製の「マウスインスリン測定キットハイレンジSpeedy」を使用した。
[蛋白質分解酵素の比較]
異なる蛋白質分解酵素を用いて製造された実施例1〜5及び比較例1〜24の各牡蠣エキスについて、上記動物実験により得られたレプチン抑制率及びインスリン抑制率を表2に示す。
Figure 0005734101
表2に示されるように、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを用いて製造された実施例1〜5の各牡蠣エキスのレプチン抑制率は5.30〜17.70%であった。これに対し、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、及びバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼ以外の酵素を用いて製造された比較例1〜24の各牡蠣エキスのレプチン抑制率は0.00〜2.60%であった。また、実施例1〜5の各牡蠣エキスのインスリン抑制率は16.50〜51.10%であった。これに対し、比較例1〜24の各牡蠣エキスのインスリン抑制率は、0.10〜8.60%であった。
つまりバチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを使用して製造された牡蠣エキスは、他の蛋白質分解酵素を用いて製造された牡蠣エキスと比べて、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果に優れることが認められた。特に、至適pHが9.0〜11.0で、至適温度が60〜70℃のバチルス・リケニホルミス由来のプロテアーゼを使用して製造された実施例1の牡蠣エキスが、レプチン抑制率が15%以上、インスリン抑制率が50%以上と高く、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果に極めて優れることが認められた。
[前処理温度の比較]
異なる前処理温度で製造された実施例1及び比較例25〜28の各牡蠣エキスについて、上記動物実験により得られたレプチン抑制率及びインスリン抑制率を、以下の評価基準により評価した。この結果を表3に示す。
Figure 0005734101
<評価基準>
−レプチン抑制率−
◎:レプチン抑制率が10%以上
○:レプチン抑制率が5%以上10%未満
△:レプチン抑制率が1%以上5%未満
×:レプチン抑制率が1%未満
−インスリン抑制率−
◎:インスリン抑制率が20%以上
○:インスリン抑制率が15%以上20%未満
△:インスリン抑制率が10%以上15%未満
×:インスリン抑制率が10%未満
表3に示されるように、牡蠣肉に含まれる蛋白質を酵素により分解する蛋白質分解工程前に、牡蠣肉を90℃の前処理温度で熱処理して製造した実施例1の牡蠣エキスが、45℃〜75℃、及び100℃の前処理温度で熱処理して製造した比較例25〜28の各牡蠣エキスと比べて、極めて高いレプチン抑制率及びインスリン抑制率を示すことが認められた。つまり、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果に優れた牡蠣エキスを得るためには、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを添加して牡蠣肉に含まれる蛋白質を分解する前に、牡蠣肉を90℃の温度で熱処理する必要があることが認められた。なお、前処理温度90℃に対し±3℃は誤差範囲内であり、この誤差範囲内の前処理温度で牡蠣肉を熱処理して製造された牡蠣エキスは、実施例1の牡蠣エキスと同様に、5%以上のレプチン抑制率と15%以上のインスリン抑制率を示した。
[反応pHの比較]
異なる反応pHで製造された実施例1、6、及び7並びに比較例29〜32の各牡蠣エキスについて、上記動物実験により得られたレプチン抑制率及びインスリン抑制率を、上記の評価基準により評価した。この結果を表4に示す。なお、熱処理工程後、処理溶液のpHを反応pHに調整する前において、処理溶液のpHは5.8〜6.2であった。
Figure 0005734101
表4に示されるように、反応pHをpH8〜9として製造した実施例1、6、及び7の各牡蠣エキスが、反応pHをpH8よりも低いpH4.5〜7.5として製造した比較例29〜31の各牡蠣エキス、及び、反応pHをpH9よりも高いpH10.5として製造した比較例32の牡蠣エキスと比べてレプチン抑制率及びインスリン抑制率が高いことが認められた。特に、反応pHをpH8.5として製造した実施例1の牡蠣エキスのレプチン抑制率及びインスリン抑制率が極めて高いことが認められた。つまり、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果に優れた牡蠣エキスを得るためには、処理溶液のpHをpH8〜9として、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼによる蛋白質の分解を実施する必要があることが認められた。
[反応温度の比較]
異なる反応温度で製造された実施例1、比較例33〜36の各牡蠣エキスについて、上記動物実験により得られたレプチン抑制率及びインスリン抑制率を、上記の評価基準により評価した。この結果を表5に示す。
Figure 0005734101
表5に示されるように、反応温度を60℃として製造した実施例1の牡蠣エキスが、反応温度を60℃よりも低い40〜50℃として製造した比較例33〜34の各牡蠣エキス、及び60℃よりも高い70〜80℃として製造した比較例35〜36の各牡蠣エキスと比べて、レプチン抑制率及びインスリン抑制率が高いことが認められた。つまり、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果に優れた牡蠣エキスを得るためには、反応温度を60℃として、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼによる蛋白質の分解を実施する必要があることが認められた。なお、反応温度60℃に対し±3℃は誤差範囲内であり、この誤差範囲内の反応温度で蛋白質を分解して製造した牡蠣エキスは、実施例1の牡蠣エキスと同様に、5%以上のレプチン抑制率と15%以上のインスリン抑制率を示した。
[失活pHの比較]
異なる失活pHで製造された実施例1と比較例37の各牡蠣エキスについて、上記動物実験により得られたレプチン抑制率及びインスリン抑制率を、上記の評価基準により評価した。この結果を表6に示す。
Figure 0005734101
表6に示されるように、失活pHをpH7として製造した実施例1の牡蠣エキスが、失活pHをpH9として製造した比較例37の牡蠣エキスと比べて、レプチン抑制率及びインスリン抑制率が高いことが認められた。つまり、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果に優れた牡蠣エキスを得るためには、蛋白質分解工程後、処理溶液のpHをpH7として、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを失活させる必要があることが認められた。なお、失活pH7に対し±0.3は誤差範囲内であり、この誤差範囲内の失活pHでプロテアーゼを失活させて製造した牡蠣エキスは、実施例1の牡蠣エキスと同様に、5%以上のレプチン抑制率と15%以上のインスリン抑制率を示した。
以上の通り、本発明の実施の形態に係る実施例1〜7の各牡蠣エキス、即ち、牡蠣肉と水とを混合した処理溶液を90±3℃の温度条件下で熱処理した後、その処理溶液(本発明でいう処理結果物)に、pH8〜9及び60±3℃の条件下で、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを添加して、牡蠣肉に含まれる蛋白質を分解し、その後、前記プロテアーゼをpH7±0.3の条件下で失活させ、得られた処理結果物をエキス分と廃物分とに分離し、分離したエキス分を濃縮することにより製造された牡蠣エキスは、他の方法により製造された比較例1〜37の各牡蠣エキスと比べて、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果に優れるものであることが認められた。
このようなレプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果は、90±3℃の温度条件下で熱処理された牡蠣肉と水の混合溶液に、60±3℃、pH8〜9の条件下で、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを作用させることにより生成される分子量10000未満の成分、特に、分子量500以下のペプチド成分により発揮されるものと推測される。また、このような蛋白質の分解により得られたレプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果を発揮するペプチド成分は、pH7±0.3よりもアルカリ側で酵素の失活処理が実施されると、構造変化等の理由により、レプチン及びインスリンの分泌を抑制する効果を示さなくなると推測される。
なお、「蛋白質」及び「ペプチド」との用語は、共に、複数のアミノ酸が結合した構造を有する物質の総称であるが、本明細書中では、牡蠣肉に含まれている複数のアミノ酸が結合した構造を有する物質を「蛋白質」といい、この蛋白質を酵素により分解する工程を経て得られる牡蠣エキスに含まれている複数のアミノ酸が結合した構造を有する物質を「ペプチド」いうものとする。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。

Claims (3)

  1. 以下の動物実験により得られるレプチン抑制率が5〜18%で、インスリン抑制率が15〜52%である牡蠣エキスを製造する方法において、
    牡蠣肉と水とを混合して粉砕した溶液を90±3℃の温度で熱処理する熱処理工程を行い
    この熱処理工程での処理結果物のpHをpH8〜9に調整した後、その処理結果物に、60±3℃の温度条件下で、バチルス・リケニホルミス由来、バチルス・サブチリス由来、バチルス・エスピー由来、又はバチルス・クラウシイ由来のプロテアーゼを添加して、前記牡蠣肉に含まれる蛋白質を酵素分解させる蛋白質分解工程を行い
    この蛋白質分解工程での処理結果物を、pH7±0.3の条件下で熱処理して前記プロテアーゼを失活させる失活工程を行い
    この失活工程での処理結果物をエキス分と廃物分とに分離した後、エキス分を濃縮して牡蠣エキスを得る分離濃縮工程を行う
    ことを特徴とする牡蠣エキスの製造方法。
    [動物実験]
    5週齢のSD系雄ラット16匹を、群間の平均体重がほぼ同等となるように、8匹ずつ、コントロール群と牡蠣エキス群とに群分けした。コントロール群及び牡蠣エキス群のラットには、肥満を誘導させる高脂肪の飼料として、15%脂肪を添加した混餌飼料を自由摂取させ、毎日の摂取量および体重を測定した。この際、牡蠣エキス群のラットの飼料には、飼料中に牡蠣エキスの蛋白質成分を5%含むように、粉末状の牡蠣エキスを添加した。そして、摂餌4週間後に、コントロール群及び牡蠣エキス群のラットの血液を断頭屠殺により採取した。血液から血清を取り出し、血清中のレプチン量及びインスリン量をELISA法にて測定した。そして、コントロール群のラットのレプチン量から牡蠣エキス群のラットのレプチン量を差し引き、得られた値をコントロール群のラットのレプチン量で除して百分率換算した値をレプチン抑制率(%)とした。また、コントロール群のラットのインスリン量から牡蠣エキス群のラットのインスリン量を差し引き、得られた値をコントロール群のラットのインスリン量で除して百分率換算した値をインスリン抑制率(%)とした。
  2. 請求項1に記載の牡蠣エキスの製造方法により得られる牡蠣エキスであって、
    以下の動物実験により得られるレプチン抑制率が5〜18%で、インスリン抑制率が15〜52%であることを特徴とする牡蠣エキス。
    [動物実験]
    5週齢のSD系雄ラット16匹を、群間の平均体重がほぼ同等となるように、8匹ずつ、コントロール群と牡蠣エキス群とに群分けした。コントロール群及び牡蠣エキス群のラットには、肥満を誘導させる高脂肪の飼料として、15%脂肪を添加した混餌飼料を自由摂取させ、毎日の摂取量および体重を測定した。この際、牡蠣エキス群のラットの飼料には、飼料中に牡蠣エキスの蛋白質成分を5%含むように、粉末状の牡蠣エキスを添加した。そして、摂餌4週間後に、コントロール群及び牡蠣エキス群のラットの血液を断頭屠殺により採取した。血液から血清を取り出し、血清中のレプチン量及びインスリン量をELISA法にて測定した。そして、コントロール群のラットのレプチン量から牡蠣エキス群のラットのレプチン量を差し引き、得られた値をコントロール群のラットのレプチン量で除して百分率換算した値をレプチン抑制率(%)とした。また、コントロール群のラットのインスリン量から牡蠣エキス群のラットのインスリン量を差し引き、得られた値をコントロール群のラットのインスリン量で除して百分率換算した値をインスリン抑制率(%)とした。
  3. 請求項2に牡蠣エキスであって、
    ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される分子量分布が、分子量10000未満の成分のみを含有することを示す牡蠣エキス。
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