JP2005097269A - アンジオテンシン変換酵素阻害活性及び活性酸素除去活性を有する緑豆蛋白分解物含有組成物 - Google Patents

アンジオテンシン変換酵素阻害活性及び活性酸素除去活性を有する緑豆蛋白分解物含有組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】高いアンジオテンシン変換酵素阻害活性(ACE)および活性酸素除去活性(SOD様活性)を有し、安全性の極めて高く、吸収性に優れ、風味良好で無臭であり、呈味性良好で且つ安価に得られる、蛋白分解物を含む組成物およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】緑豆由来の蛋白質をプロテアーゼにより加水分解することで得られる、アンジオテンシン変換酵素阻害活性及び活性酸素除去活性を有する、緑豆蛋白分解物含有組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、高アンジオテンシン変換酵素(以下、ACEという)阻害活性及び活性酸素除去活性を有する、天然由来で安全性の極めて高く、且つ吸収性に優れ、風味が良好で、安価に製造できる緑豆蛋白分解物含有組成物及びその製造方法、並びに本組成物を含有する食品に関するものである。詳しくは、緑豆から澱粉を抽出した後の副産物である緑豆蛋白をプロテアーゼで加水分解し、更に濾過、遠心等の分離工程により不溶物を除いた、優れたACE活性及びSOD様活性を示す、風味も良好な緑豆蛋白分解物含有組成物及びその製造方法、並びに本組成物を含有する食品に関するものである。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)は、主に肺や血管内皮細胞、腎近位尿細管に存在し、アンジオテンシンI(Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu)のC末端からジペプチドのHis−Leuを遊離させ、強力な昇圧作用を有するアンジオテンシンII(Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe)を生成させる酵素である。また、本酵素は生体内降圧物質であるブラジキニンを不活性化する作用があり、血圧の上昇に強く関連する。従ってACE活性を阻害する物質は高血圧症の予防および治療に有効と視されている。
ACE阻害作用を有する物質は大きく2種類、すなわち、合成品又は天然由来品に分類される。例えば、プロリン誘導体であるカプトプリルの合成品およびその類似体は強いアンジオテンシン変換酵素活性を阻害し、血圧降下作用が確認されている(特許文献1参照)。天然由来のものとしては、動物や微生物の蛋白質分解物(特許文献2参照)等が知られており、また特定されたペプチド及びペプチド混合物としては、例えば海苔由来のペプチド混合物(特許文献3参照)、Leu−Lys−Proなるペプチド(特許文献4参照)等が挙げられる。
一方、生体内活性酸素は本来生体を守るために、殺菌および殺腫瘍物質として生成される。しかし選択毒性がないため、正常な細胞にも作用してしまうことがあり、活性酸素の過剰は、生体に対して様々の障害を引き起こすことが知られている。一例として、活性酸素は金属イオンの触媒の存在下にヒドロキシルラジカルを生成するが、ヒドロキシルラジカルは血中LDLの過酸化を引き起こし、更に酸化されたLDLが血管内皮細胞に作用して血栓を形成する。その結果、生活習慣病と言われる高血圧症や、動脈硬化や、糖尿病のような病気になりやすくなる(非特許文献1参照)。
スーパーオキシドジスムターゼ(以下、SODという)は、生体内に広くかつ多量に存在し、生体内における活性酸素除去成分として重要な抗酸化系酵素である。SODは活性酸素の一種であるスーパーオキシドアニオンの不均化反応を触媒し、この反応によって細胞内のスーパーオキシドは10万分の1に低下する(非特許文献2参照)。
体内でSOD様作用を補強できる因子として、SODそのもの又はSOD様物質がある。SODは大量に、安易に入手できないため、SOD様作用を補強する手段のほとんどがSOD様活性物質の摂取である。例えば、ビタミンC、ビタミンEや、カテキン類の摂取が挙げられる。
しかしこれらの物質は、安定性や吸収性等の問題で、生体内での活性酸素を除去する作用が充分でないため、より優れたSOD様物質の開発が望まれていた。これまでにSOD様活性を示すペプチド及びペプチド混合物として、小麦グルテンの分解により得られたヘキサペプチド(特許文献5参照)、植物蛋白を酵素分解して得られるペプチド混合物(特許文献6参照)等が報告されている。
こうして、かかるACE酵素阻害物質およびSOD様活性物質は高血圧、動脈硬化、糖尿病などの病気の予防因子として特定保健用食品や健康食品等に利用されてきた。ACE阻害活性およびSOD様活性の両方の機能を発揮するためには、素材の組み合わせや調合で目的を達成させる手段が考えられる。しかし、手間やノウハウの必要性といった点から、多くの素材を調合するよりも、一種類の素材でACE阻害活性およびSOD様活性両方の機能を持たせる、或いは更に多くの機能性を同時に附加した素材が要望されている。
一方、上述の如く、ACE阻害作用による血圧降下作用とSOD様作用による血圧降下作用では、その作用機構が異なるため、この両面から血圧調整を試みることで、より良い効果が期待される。これまで、蛋白分解物やペプチドの血圧降下作用に関する報告は、ACE阻害作用に関するものがほとんどであり、ACE阻害およびSOD様活性による活性酸素抑制の両面から、血圧の調整を試した報告は少ない。両面からの血圧調整を試みた例として、精白ハトムギ粉末酢酸処理物を、プロテアーゼで加水分解し得られる低分子ペプチド含有物の報告(特許文献6参照)があるが、その効果は必ずしも満足できるとは言えない。又、家畜、魚残渣由来のオリゴペプチド(特許文献7参照)、豆類煮汁を植菌、培養して得られる培養物(特許文献8参照)等の報告が有るが、これらの素材の製造においては、脱灰処理や、発酵が必要のため、製造工程が煩雑であるといった欠点がある。また、発酵の臭い、家畜、魚特有の風味上の問題もある。
特開平8−40896 特許第3110075号 特許第3272621号 特許第3040389号 特許第2835504号 特許第3108059号 特開2001−211895 特開2002−121141 カレントテラピー,Vol.16,No.1,105−109頁,1998 今堀和友ら監修,「生化学辞典第3版」,東京化学同人,743頁
本発明は上記課題を解決するものであり、安全性の極めて高く、吸収性に優れ、風味良好で無臭であり、呈味性良好で且つ安価に得られる、蛋白分解物を含む組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の現状に鑑み、鋭意検討の結果、緑豆から得られる緑豆蛋白を原料にし、プロテアーゼで加水分解することにより得られる緑豆蛋白分解物を含む組成物に、優れたACE酵素阻害作用およびSOD様活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1は、緑豆由来の蛋白質をプロテアーゼにより加水分解することで得られる、アンジオテンシン変換酵素阻害活性及び活性酸素除去活性を有する、緑豆蛋白分解物含有組成物に関する。
好ましい実施態様としては、緑豆蛋白分解物である全ペプチド中の分子量が132.1〜576.6のペプチドの割合が10%以上である前記記載の組成物に関する。
本発明の第2は、緑豆由来の蛋白質を、プロテアーゼにより加水分解することを特徴とする、アンジオテンシン変換酵素阻害活性及び活性酸素除去活性を有する緑豆蛋白分解物含有組成物の製造方法に関する。
本発明の第3は、前記いずれかに記載の組成物を含有する食品に関する。
本発明は、ACE阻害活性及びSOD様活性を有すると共に、安全性の極めて高く、吸収性に優れ、風味良好で無臭であり、呈味性良好で且つ安価に得られる、蛋白分解物を含む組成物およびその製造方法を提供することができる。
本発明で用いる緑豆由来の蛋白質を含む原料(以下「原料」と言う)は、緑豆から直接酸、アルカリで抽出する、緑豆絞り汁から水で抽出する、緑豆そのものを潰して得るといった様々な手法により得られる。例えば、ハルサメの製造工場から出た緑豆由来の蛋白質を含む副産物も使用できるがこれに特に限定されない。その形態は、液体、粉体、ペースト等いずれの形態でも使用できる。また緑豆由来の蛋白質以外に、糖類、繊維類、塩分、水分、油脂類等が含まれていても構わない。原料中の蛋白の重量含量(以下、「粗蛋白含量」と言う)について特に限定しないが、効果が得られやすいと言う意味で、15%重量以上含まれることが好ましく、更に好ましくは30%重量以上である。
ここでいう粗蛋白含量は、窒素量に換算係数を乗じて算出した。窒素量はセミミクロケルダール法にて測定した。即ち、ケルダールフラスコに試料50mg程度を量りとり、秤量値を記録した。硫酸カリウム10gと硫酸銅1gを混合して分解促進剤とし、その1gをフラスコへ加えた。そこへ濃硫酸5mlを加え一晩放置した。その後、フラスコを徐々に加熱し、液が透明となり、フラスコの内壁に炭化物を認めなくなってから、加熱を止めた。冷却後、蒸留水20mlを加えよく混合後、氷冷し、予め水蒸気を通じて洗った蒸留装置にフラスコを連結した。留液を受ける受器には0.1N硫酸10mlと指示薬(メチルレッドとメチレンブルー試液の混合液)2〜3滴を入れ、蒸留装置の冷却器下端をこの液に浸した。蒸留装置に連結したロートから40%水酸化ナトリウム20mlをフラスコに添加し、水蒸気を通じて6〜7分間蒸留した。冷却器下端を液面から離し、少量の水でその部分を洗い込み、0.1Nの水酸化ナトリウムで滴定した。また、試料を添加せず、同様の方法で測定したものをブランクとした。粗タンパク量は下記の式により算出した。
粗蛋白含量(%(w/w))= {([B]−[A])×F×1.4007×6.25/[C]}×100
上式中「A」は試料を添加した時に滴定に要した0.1N水酸化ナトリウム量(ml)、「B」は対照の滴定に要した0.1N水酸化ナトリウムの量(ml)を表わしている。また、「C」は試料重量(mg)を「F」は滴定に使用した水酸化ナトリウムのファクターを表わしている。「1.4007」は0.1N硫酸1mlに相当する窒素量(mg)に相当し、窒素量からの蛋白量換算係数として「6.25」を使用した。
本発明で用いる緑豆由来の蛋白質を加水分解するにあたり、使用できるプロテアーゼは、蛋白質を加水分解するプロテアーゼ、ペプチダーゼであり、Rhizopus delemar、Rhizopus niveus等のRhizopus属、Aspergillus niger、 Asperigillus oryzae等Aspergillus属、Bacillus subtilis、 Bacillus sp.、サーモライシン等のBacillus属等の微生物由来、ペプシン、パンクレアチン等の動物由来、パパイン、ブロメライン等の植物由来の酵素をいずれも用いることができる。比較的良好な風味を得るため、使用するプロテアーゼは、アスペルギルス由来の酸性プロテアーゼが望ましい。酵素は精製品や粗製品を一種或いは二種以上を併用して利用できるものであり、複数の組み合わせによる使用でも問題ない。加水分解の反応条件(反応温度、pH、時間、酵素使用量)については、使用するプロテアーゼの最適作用条件にあわせた条件設定が一般的であるが、特にこれに拘らない。効率が良いとの観点から、温度は10℃〜80℃、pHは2〜11、反応時間は2〜48時間、使用する酵素量は粗蛋白1gあたり、10〜30,000unitsが好ましい。また反応温度30℃〜60℃、pH3〜8、反応時間4〜20時間、酵素量は粗蛋白1gあたり100〜7000unitsであることが更に好ましい。
プロテアーゼ処理することにより得られた緑豆蛋白分解物である全ペプチド中の分子量が132.1〜576.6のペプチドの割合は、10%以上であることが好ましい。分子量が132.1〜576.6のペプチドの割合が10%未満であると、本組成物を食品に添加する場合に期待する効果(ACE変換酵素の阻害作用及びSOD様活性作用)が得られにくい場合がある。ACE変換酵素の阻害作用及びSOD様活性作用の効果から、40%以上であることが更に好ましい。吸収性に優れる点から、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがなおさらに好ましい。プロテアーゼ処理後、得られた緑豆蛋白分解物から濾過又は遠心分離法で不溶物を除く。得られた上清液は減圧濃縮、凍結乾燥、スプレー乾燥等の方法によって乾燥し、目的物が得られる。本緑豆蛋白分解物の形態は液体、粉末及びペーストの何れでも構わない。
緑豆蛋白分解物である全ペプチド中の分子量が132.1〜576.6のペプチドの割合、及び緑豆蛋白分解物の分子量分布の分析は下記の方法で行った。
分子量分布の測定はゲル濾過カラムであるSuperdex
Peptide HR10/30(ファルマシア社製)」を用いた高速液体クロマトグラフィーにより測定した。移動相として0.1%トリフルオロ酢酸を含む30%アセトニトリル水溶液を用い、流速を0.3ml/分とし、検出は220nmにおける紫外線吸収により室温(25℃)で80分間行った。分子量分布は日立製作所社製のデータ処理装置(D‐2500 Chromat-Integrator)を用いて積分チャートで示した。分子量は、分子量既知のオリゴペプチド「Ala‐Pro=186.2」、「Substance P=1347.7」を用いて標準線を作成して求めた。上記積分チャートから分子量が132.1〜576.6のペプチドの面積を求め、全体のペプチドの面積の合計に対する割合を求めた。
緑豆蛋白分解物のACE阻害活性の測定は下記の方法を用いた。
5mMになるようにヒプリルヒスチジルロイシン(Bz‐Gly‐His‐Leu)を0.1Mホウ酸緩衝液(pH8.3、0.3M塩化ナトリウムを含む)に溶解し、基質溶液とした。基質溶液0.2mlに試料溶液40μl(0.1Mホウ酸緩衝液に溶解、pH8.3)を加え、37℃で10分間保温した後、ACE、70mU/ml(牛肺由来)を40μl添加し、さらに37℃で30分間反応させた。1Mの塩酸0.25mlを加え、反応を停止し、酢酸エチル1.7mlを加え密栓をして20秒間激しく攪拌、反応により生成したヒプリル酸の抽出を行った。その後1500gで10分間遠心し、酢酸エチル層1.4mlを採取し、酢酸エチルを蒸発させた。そこへ蒸留水1mlを加えよく攪拌し、15分間放置後、再度攪拌して溶解させた。抽出されたヒプリル酸の228nmにおける吸収を測定した。対照には試料溶液の代わりに上記ホウ酸緩衝液を用いた。また、それぞれについて酵素溶液のかわりに蒸留水を添加したものをブランクとした。これらの228nmにおける吸光度より、ACE阻害率を求めた。ACE阻害率が50%になる時の試料粗蛋白質としての濃度をIC50(μg/ml)とした。ACE阻害率は下記の計算式により算出した。
阻害率(%)={ 1‐(A‐B)/(C‐D) }×100
上式中「A」は試料溶液を添加した時の吸光度を「B」はそのブランクの吸光度を表し、「C」は対照の吸光度、「D」はそのブランクの吸光度を表した。
緑豆蛋白分解物のSOD様活性は下記の方法で測定した。
3mMキサンチン溶液(pH10.2、0.05M炭酸ナトリウム緩衝液含む)、3mM EDTA、0.15%BSA各0.1mlと試料溶液(pH10.2、0.05M炭酸緩衝液を含む)2.5mlを混合し、25℃で5分間保温した。そこへ、キサンチンオキシダーゼ(バターミルク由来0.4units/ml)0.1ml及び0.75mMニトロブルーテトラゾリウムクロリド0.1mlを添加し、25℃で20分間反応させた。6mM塩化第二銅0.1mlを加えて560nmにおける吸光度を測定した。試料の代わりに0.05M炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.2)を添加したものを対照とし、それぞれについて酵素の代わりに蒸留水を添加したものをブランクとした。スーパーオキシドアニオン消去率が50%になる時の試料粗蛋白質としての濃度をIC50(μg/ml)とした。スーパーオキシドアニオン消去率は下記の式を用いて算出した。
消去率(%)={ 1‐(A‐B)/(C‐D) }×100
上式中「A」は試料溶液を添加した時の吸光度を「B」はそのブランクの吸光度を表し、「C」は対照の吸光度、「D」はそのブランクの吸光度を表している。
本発明の緑豆蛋白分解物組成物には、上記緑豆蛋白分解物以外に蛋白質、繊維(植物繊維を含む)、澱粉、糖、脂質、ミネラル、ビタミン等を添加することができる。この場合組成物中の緑豆蛋白分解物の割合は、5〜99重量%であることが好ましい。
本発明の緑豆蛋白分解物組成物を含有する食品としては、おかゆ、パン、厚あげ等の穀物、豆類加工品、ソーセージ、ハム等の畜産加工品、カマボコ、ちくわ等の水産加工品、ヨーグルト、豆乳等の乳製品、プリン、茶碗蒸し等の卵加工品、ビスケット、せんべい等の菓子類、冷凍コロッケ、冷凍エビフライ等の調理加工食品、ジュース、ココア粉等の飲料、カップ麺調味料、醤油、たれ等の調味料が挙げられる。これらの商品は通常の食品はもちろんのこと、健康飲食品、特定保健用食品の形態を取っていても構わないし、液状、固体状、ブロック状、粉末状、半流動状等いかなる状態の物も含まれる。
なお、本発明の緑豆蛋白分解物は、SOD様活性以外の活性酸素除去作用として、DPPHラジカル消去活性及び、皮膚繊維芽細胞(正常ヒト成人由来)におけるグルタチオン産生促進作用を有することを確認している。
以下に本発明の実施例を説明する。
製造例1
はるさめ製造工程で得られる副産物である、緑豆蛋白排出液乾燥物をミルで粉砕し、粗蛋白含量が6重量%となるように水道水を加え、分散させた。これを塩酸でpH3に調整したあと、酸性プロテアーゼ(商品名:デナプシン、ナガセケムテックス社)を粗蛋白1g当たり5,000units加え、攪拌しながら40℃で16時間反応させた。反応後、80℃〜85℃で20分間加熱し、酵素を失活させた。酵素反応液を遠心して、上澄液を凍結乾燥し、緑豆蛋白分解物の試料(試料1)を得た。上記記載の方法により測定した試料1の分子量分布を図1に示す。なお本試料1中の分子量が132.1〜576.6のペプチドの割合は59.7%であった。
実施例1
製造例1で得られた試料1のACE活性阻害率を上記記載の方法により測定したところ、IC50=35μg/mlの高い阻害活性を示した。また製造例1で得られた試料1のSOD様活性を上記記載の方法により測定したところ、IC50=0.3mg/mlと優れたSOD様活性があることが判明した。
製造例2
製造例1と同様にして得られた緑豆蛋白分散液を水酸化ナトリウムでpH7に調整後、アルカリプロテアーゼ(商品名:ビオプラーゼSP-15FG、ナガセケムテックス社)を粗蛋白1g当たり1万units添加し、緩やかに攪拌しながら40℃で16時間反応させた。80〜85℃で20分間加熱し、酵素を失活させた。酵素反応液を遠心して、上澄を凍結乾燥し、緑豆蛋白分解物の試料(試料2)を得た。上記記載の方法により測定した試料2の分子量分布を図2に示す。本試料2中の分子量が132.1〜576.6のペプチドの割合は、61.1%であった。
実施例2
製造例2で得られた試料2は、試料1と同様に高いACE活性阻害活性(IC50=38μg/ml)を示した。また製造例2で得られた試料2は、試料1と同様に優れたSOD様活性(IC50=0.35mg/ml)を示した。
実施例3
実施例1及び2より得られた緑豆蛋白分解物10gを100mlの水に溶かして、水溶液を得た。これらの溶液に対して、10人のパネラーによる官能評価(風味評価)を行った。評価方法は項目毎に採点をし、最終評価は10人の採点の平均値で示した。項目及び採点基準を以下に示す。
におい:無臭―5、僅か−4、やや強い−3、強い−2、非常に強い−1。
色相:良い−5、悪くない−4、気にしない−3、気にする−2、非常に気にする−1。
風味:美味い−5、まま美味い−4、一般−3、良くない−2、悪い−1。
後味:美味い−5、まま美味い−4、一般−3、良くない−2、悪い−1。
苦味:ない−5、余り感じない−4、少し感じる−3、苦い−2、非常に苦い−1。
試料1及び2の風味評価結果を表1に示す。
Figure 2005097269
表1より本発明の緑豆蛋白分解物含有組成物は無臭の上、風味も優れることが分かった。
本発明の活用例としては、通常の食品のみならず、健康飲食品、特定保健用食品等が挙げられる。
試料1の分子量分布を示す図 試料2の分子量分布を示す図

Claims (4)

  1. 緑豆由来の蛋白質をプロテアーゼにより加水分解することで得られる、アンジオテンシン変換酵素阻害活性及び活性酸素除去活性を有する、緑豆蛋白分解物含有組成物。
  2. 緑豆蛋白分解物の全ペプチド中の、分子量が132.1〜576.6のペプチドの割合が10%以上である請求項1記載の組成物。
  3. 緑豆由来の蛋白質を、プロテアーゼにより加水分解することを特徴とする、アンジオテンシン変換酵素阻害活性及び活性酸素除去活性を有する緑豆蛋白分解物含有組成物の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の組成物を含有する食品。
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