JP5732885B2 - 化合物、樹脂組成物、及び樹脂成形体 - Google Patents

化合物、樹脂組成物、及び樹脂成形体 Download PDF

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Description

本発明は、化合物、樹脂組成物、及び樹脂成形体に関する。
従来、樹脂組成物としては種々のものが提供され、各種用途に使用されている。特に家電製品や自動車の各種部品、筐体等に使用されたり、また事務機器、電子電気機器の筐体などの部品にも熱可塑性樹脂が使用されている。
ここで、リグノフェノール誘導体を含み、自己崩壊性を有するプラスチック成形品が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許3632763号明細書
本発明の課題は、樹脂の難燃性を発現させる新規な化合物を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
下記一般式(1)で表される化合物。
(一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上10以下のアルキレン基、又はアリーレン基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、又はアリール基を表す。l、n及びmは、それぞれ独立に、1以上3以下の自然数を表す。)
請求項2に係る発明は、
樹脂と、請求項1に記載の化合物と、を含む樹脂組成物。
請求項3に係る発明は、
前記樹脂が、脂肪族ポリエステル樹脂である請求項2に記載の樹脂組成物。
請求項4に係る発明は、
前記樹脂が、脂肪族ポリアミド樹脂である請求項2に記載の樹脂組成物。
請求項5に係る発明は、
前記樹脂が、セルロール樹脂である請求項2に記載の樹脂組成物。
請求項6に係る発明は、
請求項2〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂成形体。
請求項1に係る発明によれば、樹脂の難燃性を発現させる新規な化合物を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、難燃性が発現した樹脂組成物を提供できる。
請求項3に係る発明によれば、脂肪族ポリエステル以外の樹脂を適用した場合に比べ、少量の一般式(1)で表される化合物で、難燃性が発現する樹脂組成物を提供できる。
請求項4に係る発明によれば、脂肪族ポリアミド樹脂以外の樹脂を適用した場合に比べ、得られる樹脂成形体の弾性率が向上する樹脂組成物を提供できる。
請求項5に係る発明によれば、セルロール樹脂以外の樹脂を適用した場合に比べ、得られる樹脂成形体の寸法安定性が向上する樹脂組成物を提供できる。
請求項6に係る発明によれば、難燃性が発現した樹脂成形品を提供できる。
本実施形態に係る樹脂成形体を備える電子・電気機器の部品の一例を示す模式図である。 多官能化合物1のIRスペクトルを示す図である。
以下、本発明の化合物、樹脂組成物、及び樹脂成形体の実施形態について説明する。
[化合物]
本実施形態に係る化合物は、下記一般式(1)で表される多官能化合物である。
下記一般式(1)で表される多官能化合物は、樹脂の難燃性を発現させる新規な化合物である。
この理由は定かではないが、一般式(1)で表される多官能化合物は、燃焼により、その分子構造中におけるベンゼン環とカルボキシル(そのエステル)基が作用し、カーボネート樹脂と類似した炭化層を形成するためであると推測している。
以下、下記一般式(1)で表される多官能化合物について詳細に説明する。
一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上10以下のアルキレン基、又はアリーレン基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、又はアリール基を表す。l、n及びmは、それぞれ独立に、1以上3以下の自然数を表す。
一般式(1)中、R及びRが表す炭素数1以上10以下のアルキレン基としては、直鎖状であってもよいし、分鎖状であってもよく、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基(メチルエチレン基)、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、t−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等が挙げられる。
炭素数1以上10以下のアルキレン基としては、望ましくは炭素数1以上6以下のアルキレン基、より望ましくは炭素数1以上4以下のアルキレン基である。
及びRが表すアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
アリーレン基としては、望ましくは炭素数6以上14以下のアリーレン基、より望ましくは炭素数6以上10以下のアリーレン基である。
一般式(1)中、R及びRが表す炭素数1以上6以下のアルキル基としては、直鎖状であってもよいし、分鎖状であってもよく、具体的には、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基(メチルエチル基)、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1以上6以下のアルキル基としては、望ましくは炭素数1以上4以下のアルキル基、より望ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基である。
一般式(1)中、R及びRが表すアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アリール基としては、望ましくは炭素数6以上14以下のアリール基、より望ましくは炭素数6以上10以下のアリール基である。
一般式(1)中、各符号が表す基は、置換又は未置換の基が含まれ、これら基に置換し得る置換基としては、例えば、炭素数1以上10以下のアルキル基、アリール基等が挙げられる。
一般式(1)中、l、n及びmは、それぞれ独立に、1以上3以下の自然数を表すが、望ましくは1以上2以下の自然数を表す。
ここで、一般式(1)で表される化合物としては、望ましくは、Rが炭素数1以上6以下のアルキレン基を表し、Rが炭素数1以上6以下のアルキレン基を表し、Rが炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Rが炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、
lが1以上3以下の自然数を表し、nが1以上3以下の自然数を表し、mが1以上3以下の自然数を表す化合物である。
そして、一般式(1)で表される化合物としては、特に、望ましくは、Rがエチレン基またはn−ブチレン基を表し、Rがエチレン基またはn−ブチレン基を表し、Rがメチル基を表し、Rがメチル基を表し、lが1または2を表し、nが1または2を表し、mが1または2を表す化合物である。
以下、一般式(1)で表される化合物の具体例を例示するが、これに限られるわけではない、
以下、一般式(1)で表される化合物の合成方法について説明する。
一般式(1)で表される化合物の合成方法は、木質資源であるグリニンを出発物質として合成(誘導)する方法、その他化学的に合成する方法が挙げられるが、特に、環境負荷及び難燃性発現に有利である観点から、木質資源であるグリニンを出発物質として合成(誘導)する方法が好適である。
木質資源であるリグニンを出発物質として合成(誘導)する方法は、例えば、特開2001−64494号方向に記載される方法が挙げられる。
具体的には、任意の木粉からリグノフェノール誘導体を得てこれをアセトンなどの溶媒に溶解し、得たい構造に応じた構造のジカルボン酸エステルまたはヒドロキシカルボン酸エステルをテトラヒドロフランなどの溶媒に溶解し、テトラブトキシチタン酸などの触媒を加え、2つの溶液を混合、60℃還流下、激しく撹拌させる。溶液を水中に滴下し、得られた沈殿物が所望の化合物である。
一方、その他化学的に合成する方法としては、例えば、上記リグノフェノール誘導体類似構造のフェノール誘導体モノマー(市販のものから選ぶ)を利用し、後は上記と同じ方法で得る方法が挙げられる。
[樹脂組成物]
本実施形態に係る樹脂組成物は、樹脂と、一般式(1)で表される化合物と、を含んで構成され、必要に応じて、難燃剤や、その他の成分等を含んでもよい。
(樹脂)
まず、樹脂について説明する。
樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリーレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリールケトン樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、液晶樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリパラバン酸樹脂、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂、ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
これら樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これらの樹脂の中でも、脂肪族ポリエステル樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、セルロール樹脂であることがよい。
脂肪族ポリエステル樹脂を適用した場合、少量(例えば従来の難燃剤の1/10程度)の一般式(1)で表される化合物で、樹脂組成物に難燃性が発現する。この理由は、定かではないが、一般式(1)で表される化合物が脂肪族ポリエステル樹脂に対して均一に分散され易いためであると推測される。
また、均一に分散されるのは、一般式(1)で表される化合物が脂肪族ポリエステル樹脂の末端と反応するためであると考えられ、その結果、樹脂組成物に耐加水分解性も発現すると考えられる。
脂肪族ポリアミド樹脂を適用した場合、得られる樹脂成形体の弾性率が向上する。この理由は定かではないが、脂肪族ポリアミド樹脂の末端基と一般式(1)で表される化合物との親和性が高く、一般的に弾性率の低い脂肪族ポリアミド樹脂の分子運動が制限されるためと推測される。
また、脂肪族ポリアミド樹脂の分子運動が制限されすぎると、曲げ破断歪みが小さくなる傾向にあるが、一般式(1)で表される化合物の分子の大きさが相対的に適度であるため、脂肪族ポリアミド樹脂の分子運動及び分子間力が適切に制限され、得られる樹脂成形体の曲げ破断歪みも向上すると考えられる。
そして、分子が拘束されることで、分子運動の温度依存(一般的には高温ほど動きやすくなる)も小さくなると考えられ、その結果、得られる樹脂成形体の耐熱性も発現すると考えられる。
セルロール樹脂を適用した場合、得られる樹脂成形体の寸法安定性が向上する。この理由は定かでないが、吸水性が高く、樹脂成形体にした時に保存時の寸法変化が大きいセルロール樹脂の水酸基及びアルコキシ基の少なくとも一方に、分子の大きさが相対的に適度な一般式(1)で表される化合物が反応することで、吸水性に寄与する水酸基及びアルコキシ基を封鎖するためと推測される。
また、一般式(1)で表される化合物とセルロースの反応性が高く、また一般式(1)で表される化合物がフェニレン環のようなハードセグメントとオレフィン又はエーテルのようなソフトセグメントとが比較的短い周期で存在する化学構造を持つことから、鋼球落下試験に対する強度も向上すると考えられる。
以下、脂肪族ポリエステル樹脂を適用した場合について詳細に説明する。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、ヒドロキシカルボン酸重合体、脂肪族ジオールと脂肪族カルボン酸との重縮合体等が挙げられる。
これら樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これら脂肪族ポリエステル樹脂の中も、ヒドロキシカルボン酸重合体(例えば、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシアジペート、ポリヒドロキシヘキサレート、ポリヒドロキシバリレート、およびそれらの共重合体等)がよく、そして、特に、ヒドロキシカルボン酸重合体中も、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート等)がよい。
脂肪族ポリエステル樹脂は、単一の連続体(例えば、ポリヒドロキシブチレート)でもよいし、例えば、ポリ乳酸のL体とD体のような光学異性体が混在していてもよく、また、それらが共重合していてもよい。
脂肪族ポリエステルの重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、8000以上150000以下がよく、望ましくは20000以上100000以下である。
本重量平均分子量が上記範囲未満であると、脂肪族ポリエステル樹脂と一般式(1)で化合物とが反応して架橋したときに、その架橋密度が向上し難くなる傾向にあり、本重量平均分子量が上記範囲を超えると、脂肪族ポリエステル樹脂と一般式(1)で化合物との架橋反応性が低下してしまう傾向にある。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー装置(島津製作所製Prominence GPC型)を用い、測定カラムにはShim−pack GPC−80Mを使用して測定された値である。以下同様である。
脂肪族ポリエステル樹脂と一般式(1)で表される化合物とは、反応して架橋構造を形成して樹脂組成物(樹脂成形体)中に含まれていてもよいし、未反応で樹脂組成物(樹脂成形体)中に含まれていてもよいが、難燃性向上の観点から、反応して架橋構造を形成して樹脂組成物(樹脂成形体)中に含まれることがよい。
反応して架橋構造を形成する場合、一般式(1)で表される化合物による脂肪族ポリエステル樹脂の末端封鎖度は、0.5以上(望ましくは0.8以上0.95以下)であることがよい。
なお、脂肪族ポリエステル樹脂の末端封鎖度とは、存在する脂肪族ポリエステル末端のうち、(封鎖されている末端数/封鎖されていない末端数)と定義されるものであり、FT−IR(日本分光、FT/IR−6000)により、各末端に対応するピークの強度比を測定し、比較することで求められる。
ここで、一般式(1)で表される化合物の質量(A)と脂肪族ポリエステル樹脂の質量(B)の比率(A)/(B)は、限定されるものではないが、例えば、0.05/100以上1.5/100以下であることがよく、望ましくは0.1/100以上1/100以下である。
本比率が上記範囲未満で樹脂組成物中に含まれると、難燃性が低下する傾向にあり、本比率が上記範囲を超えて樹脂組成物中に含まれると、流動性、成形性が悪化する傾向にある。
次に、脂肪族ポリアミド樹脂を適用した場合について詳細に説明する。
脂肪族ポリアミド樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリアミド6、ポリアミド6−6、ポリアミド4−6、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド9−10、ポリアミド9−12、ポリアミド9−13、ポリアミド9−14、ポリアミド9−15、ポリアミド6−16、ポリアミド9−36、ポリアミド10−10、ポリアミド10−6、ポリアミド10−12、ポリアミド10−13、ポリアミド10−14、ポリアミド12−10、ポリアミド12−12、ポリアミド12−13、ポリアミド12−14、ポリアミド6−14、ポリアミド6−13、ポリアミド6−15、ポリアミド6−16、ポリアミド6−13等が挙げられる。
これら樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これら脂肪族ポリアミド樹脂の中も、得られる樹脂成形体の弾性率及び曲げ破断歪向上の観点から、ポリアミド11、ポリアミド10−10、ポリアミド10−6がよい。
また、得られる樹脂成形体の耐熱性向上の観点から、脂肪族ポリアミド樹脂は、植物由来の原料から生成されるものであることがよい。
脂肪族ポリアミド樹脂の重量平均分子量は、特に制限はないが、例えば、5000以上200000以下であることがよく、望ましくは10000以上150000以下である。
本重量平均分子量が上記範囲未満であると、得られる樹脂成形体の曲げ破断歪みが低下する傾向にあり、本重量平均分子量が上記範囲を超えると、得られる樹脂成形体の弾性率が低下する傾向にある。
脂肪族ポリアミド樹脂と一般式(1)で表される化合物とは、反応して架橋構造を形成して樹脂組成物(樹脂成形体)中に含まれていてもよいし、未反応で樹脂組成物(樹脂成形体)中に含まれていてもよいが、得られる樹脂成形体の弾性率及び曲げ破断歪み向上の観点から、反応して架橋構造を形成して樹脂組成物(樹脂成形体)中に含まれることがよい。
反応して架橋構造を形成する場合、一般式(1)で表される化合物による脂肪族ポリアミド樹脂の末端封鎖度は、0.5以上(望ましくは0.8以上0.95以下)であることがよい。
なお、脂肪族ポリアミド樹脂の末端封鎖度とは、存在する脂肪族ポリアミド末端のうち、(封鎖されている末端数/封鎖されていない末端数)と定義されるものであり、FT−IR(日本分光、FT/IR−6000)により、各末端に対応するピークの強度比を測定し、比較することで求められる。
ここで、一般式(1)で表される化合物の質量(A)と脂肪族ポリアミド樹脂の質量(B)の比率(A)/(B)は、限定されるものではないが、例えば、0.05/100以上5/100以下であることがよく、望ましくは0.1/100以上3/100以下である。
本比率が上記範囲未満で樹脂組成物中に含まれると、得られる樹脂成形体の弾性率が向上し難くなる傾向にあり、本比率が上記範囲を超えて樹脂組成物中に含まれると、得られる樹脂成形体の曲げ破断歪みが低下する傾向にある。
次に、セルロース樹脂を適用した場合について詳細に説明する。
セルロース樹脂としては、無置換セルロール、ヘミセルロース、置換セルロース(例えばアセチル基、n−プロポキル基、iso−プロポキシル基、n−ブトキシル基、iso−ブトキシル基、tert−ブトキシル基等の置換セルロース)等が挙げられる。
これら樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これらセルロース樹脂の中も、得られる樹脂成形体の寸法安定性向上の観点から、有無置換セルロール、比較的分子量の小さい置換基(例えばアセチル基、炭素数1以上3以下のアルキル基、カルボキシル基等)で置換された置換セルロール(例えばジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(=アセチル−プロピル−セルロース)等)がよい。
セルロース樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、8000以上200000以下がよく、望ましくは15000以上100000以下である。
また、セルロース樹脂の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、4000以上150000以下がよく、望ましくは8000以上100000以下である。
これら平均分子量が上記範囲未満であると、機械強度が低下する傾向にあり、これら平均分子量が上記範囲を超えると、成形性が損なわれる傾向にある。
そして、セルロース樹脂の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、例えば、3以上8以下であることがよく、望ましくは3.5以上5以下である。
本分子量分布が上記範囲未満であると、成形性が損なわれる傾向にあり、本分子量分布が上記範囲を超えると、機械強度が低下する傾向にある。
セルロール樹脂と一般式(1)で表される化合物とは、反応して架橋構造を形成して樹脂組成物(樹脂成形体)中に含まれる。
ここで、一般式(1)で表される化合物の質量(A)とセルロール樹脂の質量(B)の比率(A)/(B)は、限定されるものではないが、例えば、0.5/100以上10/100以下であることがよく、望ましくは1/100以上5/100以下である。
本比率が上記範囲未満で樹脂組成物中に含まれると、得られる樹脂成形体の寸法安定性が向上し難くなる傾向にあり、本比率が上記範囲を超えて樹脂組成物中に含まれると、得られる樹脂成形体の寸法安定性が低下する傾向にある。
なお、本実施形態に係る樹脂組成物中における全ての樹脂の含有量は、例えば、樹脂組成物の全量に対して50質量%以上95質量%以下であることがよい。
(難燃剤)
難燃剤としては、例えば、リン系、シリコーン系、含窒素系、硫酸系、金属水酸化物系等の難燃剤が用いられる。
リン系難燃剤としては、縮合リン酸エステル、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アルミニウム、ピロリン酸メラミン等が挙げられる。
シリコーン系難燃剤としては、ジメチルシロキサン、ナノシリカ、シリコーン変性ポリカーボネート等が挙げられる。
含窒素系難燃剤としては、メラミン化合物、トリアジン化合物等が挙げられる。
、上記硫酸系難燃剤としては、硫酸メラミン、硫酸グアニジン等が挙げられる。
無機水酸化物系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、モンモリロナイト等が挙げられる。
これらの難燃剤の中でも、難燃性向上の観点から、リン系、硫酸系、無機水酸化物系の難燃剤がよく、特に、常温(例えば25℃)で固体状の難燃剤(例えば、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸アルミニウム、ピロリン酸メラミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、モンモリロナイト等)がよい。
なお、難燃剤としては合成したものを用いてもよいし市販品を用いてもよい。
リン系難燃剤の市販品としては、大八化学製のPX−200、PX−202、ブーテンハイム製のTERRAJU C80、クラリアント製のEXOLIT AP422、EXOLIT OP930等が挙げられる。
シリコーン系難燃剤の市販品としては、東レダウシリコーン製のDC4−7081等が挙げられる。
含窒素系難燃剤の市販品としては、ADEKA製のFP2200等が挙げられる。
硫酸系難燃剤の市販品としては、三和ケミカル製のアピノン901、下関三井化学製のピロリンサンメラミン、ADEKA製のFP2100等が挙げられる。
無機水酸化物系難燃剤の市販品としては、堺化学工業製のMGZ3、MGZ300、日本軽金属製B103ST等が挙げられる。
難燃剤の含有量は、例えば、樹脂組成物の全量に対し1質量%以上50質量%以下であることがよく、望ましくは、5質量%以上20質量%以下である。
(その他成分)
その他の成分としては、例えば、相溶化剤、可塑剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、耐加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミナ、ボロンナイトライド等)等が挙げられる。
その他成分の含有量は、例えば、0質量%以上10質量%以下であることがよく、望ましくは0質量%以上5質量%以下である。ここで、「0質量%」とはその他成分を含まないことを意味する。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記各成分の混合物を溶融混練することにより製造される。
ここで、溶融混練の手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、二軸押出し、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
[樹脂成形体]
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を含んで構成されている。
具体的には、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を成形(例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーテイング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などの成形方法)することにより得られる。
射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX70000、東芝機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
この際、シリンダ温度としては、170℃以上280℃以下とすることが望ましく、180℃以上270℃以下とすることがより望ましい。また、金型温度としては、40℃以上110℃以下とすることが望ましく、50℃以上110℃以下とすることがより望ましい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いられる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。
図1は、本実施形態に係る成形体を備える電子・電気機器の部品の一例である画像形成装置を、前側から見た外観斜視図である。
図1の画像形成装置100は、本体装置110の前面にフロントカバー120a,120bを備えている。これらのフロントカバー120a,120bは、操作者が装置内を操作するよう開閉自在となっている。これにより、操作者は、トナーが消耗したときにトナーを補充したり、消耗したプロセスカートリッジを交換したり、装置内で紙詰まりが発生したときに詰まった用紙を取り除いたりする。図1には、フロントカバー120a,120bが開かれた状態の装置が示されている。
本体装置110の上面には、用紙サイズや部数等の画像形成に関わる諸条件が操作者からの操作によって入力される操作パネル130、及び、読み取られる原稿が配置されるコピーガラス132が設けられている。また、本体装置110は、その上部に、コピーガラス132上に原稿を搬送する自動原稿搬送装置134を備えている。更に、本体装置110は、コピーガラス132上に配置された原稿画像を走査して、その原稿画像を表わす画像データを得る画像読取装置を備えている。この画像読取装置によって得られた画像データは、制御部を介して画像形成ユニットに送られる。なお、画像読取装置、及び制御部は、本体装置110の一部を構成する筐体150の内部に収容されている。また、画像形成ユニットは、着脱自在なプロセスカートリッジ142として筐体150に備えられている。プロセスカートリッジ142の着脱は、操作レバー144を回すことによって行われる。
本体装置110の筐体150には、トナー収容部146が取り付けられており、トナー供給口148からトナーが補充される。トナー収容部146に収容されたトナーは現像装置に供給されるようになっている。
一方、本体装置110の下部には、用紙収納カセット140a,140b,140cが備えられている。また、本体装置110には、一対のローラで構成される搬送ローラが装置内に複数個配列されることによって、用紙収納カセットの用紙が上部にある画像形成ユニットまで搬送される搬送経路が形成されている。なお、各用紙収納カセットの用紙は、搬送経路の端部近傍に配置された用紙取出し機構によって1枚ずつ取り出されて、搬送経路へと送り出される。また、本体装置110の側面には、手差しの用紙供給部136が備えられており、ここからも用紙が供給される。
画像形成ユニットによって画像が形成された用紙は、本体装置110の一部を構成する筐体152によって支持された相互に接触する2個の定着ロールの間に順次移送された後、本体装置110の外部に排紙される。本体装置110には、用紙供給部136が設けられている側と反対側に用紙排出部138が複数備えられており、これらの用紙排出部に画像形成後の用紙が排出される。
画像形成装置100において、例えば、フロントカバー120a,120b、プロセスカートリッジ142の外装、筐体150、及び筐体152に、本実施形態に係る樹脂成形体が用いられている。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。尚、以下において「部」は、特に断りのない限り質量基準である。
[化合物1の合成]
(多官能化合物1)
−合成−
ヒノキ製材銘屑を20メッシュの篩にかけ、篩を通過したチップ10質量部をアセトン中に20時間浸した後、80℃で8時間真空乾燥し、脱脂した。脱脂後のチップにp−クレゾール50質量部を加え、室温で4時間撹拌し、次いで78%濃硫酸50質量部を加え、30℃で1時間撹拌した。その後1000質量部の蒸留水を加え撹拌し、上層をデカンテーションで分離除去した。下層をジエチルエーテルに溶解し、アセトンを加え、分液ロートにて、ジエチルエーテル層を抽出し、抽出液を蒸留水に再沈殿した。この沈殿物5質量部に、エチレングリコール1質量部と、酢酸メチル2質量部とテトラブトキシチタン0.01質量部を加え、140℃、真空雰囲気下で6時間撹拌し、多官能化合物1を得た。
以上の処理を経て、多官能化合物1のペレットを得た。
−同定−
得られた多官能化合物1を次のようにして同定した。
IRスペクトルを測定。スペクトルの1(1098cm−1付近)、2(1595cm−1付近)に基本骨格リグノクレゾールに特徴的なピークが観察され、リグノクレゾール骨格の存在が確認された。また3(1750cm−1付近)の強いピークなどから末端にエステル化カルボニル構造が、4(2980cm−1付近)と3000cm−1以上のピーク強度から末端ヒドロキシルエチル構造が確認でき、多官能化合物1であることが確認された。
以上により、得られた化合物が多官能化合物1であることが同定された。
なお、図2に、多官能化合物1のIRスペクトルを示す。
(多官能化合物21)
−合成−
市販のジフェニルエテン(和光純薬社製)10質量部にフェノール7質量部、エチレングリコール3質量部とテトラヒドロフラン100質量部を加え、40℃で撹拌し、均一溶液を得る。これにアゾイソブチロニトリル0.05質量部を加え、100℃にて30時間還流撹拌する。得られた溶液を蒸留水中に再沈殿し、濾過、沈殿物を得る。この沈殿物5質量部にエチレングリコール1質量部と、酢酸メチル2質量部とテトラブトキシチタン0.01質量部を加え、140℃、真空雰囲気下で6時間撹拌し、多官能化合物21を得た。
以上の処理を経て、多官能化合物21のペレットを得た。
[実施例A1〜A21、比較例A1]
表1に従って、各多官能化合物(一般式(1)で表される化合物)を単動プレスにてプレスし、UL−94に準じたUL試験片(厚さ2mm)形状に切り出し、試験片を作製した。
また、比較化合物1(比較例A1)として、特許3632763号に記載の方法で得たリグノフェノール誘導体についても、同様にして試験片を作製した。
そして、得られた試験片にUL−94Vテストの方法で接炎し、第一接炎での燃焼時間で化合物の難燃機能を評価した。その結果を表1に示す。
[実施例B]
(実施例B1〜B29、比較例B1〜B7)
表2〜表3に示す組成を、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)にてシリンダ温度180℃以上200℃以下で混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
なお、表2〜表3中、比較化合物1は、特許3632763号に記載の方法で得たリグノフェノール誘導体である。
得られたペレットを射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)にてシリンダ温度180℃以上200℃以下、金型温度30℃で、ISO多目的ダンベル試験片(ISO527引張試験、ISO178曲げ試験に対応、試験部厚さ4mm、幅10mm)と、UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ:0.8mm、1.6mm)を成形した。
(評価)
得られたペレット、及び試験片に対して以下の評価試験を行った。結果を表4〜表5に示す。
−末端封鎖度−
ペレット中の脂肪族ポリエステル樹脂の末端封鎖度をFT−IR(日本分光、FT/IR−6000)にて評価した。
−難燃性−
Vテスト用UL試験片を用い、UL−94の方法でUL−Vテストを実施した。尚評価基準は、難燃性が高い方から順にV0、V1、V2であり、V2より劣る場合、即ち試験片が延焼してしまった場合をV−Notと示した。
−耐加水分解性−
ISO多目的ダンベル試験片を、65℃/85%RHの環境下に2000hr放置した前後でIS178曲げ試験を実施し、曲げ破断歪を測定(東洋精機、インストロンSV−50)し、これを耐加水分解性として評価した。2000hr放置した後に曲げ破断歪の低下が抑えられている場合、耐加水分解性を有することを示す。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、難燃性、耐加水分解性について良好な結果が得られたことがわかる。
[実施例C]
(実施例C1〜C33、比較例C1〜C5)
表6〜表7に示す組成を、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)にてシリンダ温度180℃以上200℃以下で混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
なお、表6〜表7中、比較化合物1は、特許3632763号に記載の方法で得たリグノフェノール誘導体である。
得られたペレットを射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)にてシリンダ温度180℃以上200℃以下、金型温度30℃で、ISO多目的ダンベル試験片(ISO527引張試験、ISO178曲げ試験に対応、試験部厚さ4mm、幅10mm)と、UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ:0.8mm、1.6mm)を成形した。
(評価)
得られたペレット、及び試験片に対して以下の評価試験を行った。結果を表8〜表9に示す。
−末端封鎖度−
ペレット中の脂肪族ポリエステル樹脂の末端封鎖度をFT−IR(日本分光、FT/IR−6000)にて評価した。
−曲げ弾性率、曲げ破断歪み−
ISO多目的ダンベル試験片を用い、ISO178曲げ試験に準拠して、測定装置(東洋精機社製、インストロンSV−50)にて、曲げ弾性率、曲げ破断歪みを測定した。
−荷重たわみ温度(HDT)−
ISO多目的ダンベル試験片を用い、ISO178曲げ試験に準拠して、HDT測定装置(東洋精機社製、HDT−3)を用にて、1.8MPaの荷重における荷重たわみ温度を測定した。
−難燃性−
Vテスト用UL試験片を用い、UL−94の方法でUL−Vテストを実施した。尚評価基準は、難燃性が高い方から順にV0、V1、V2であり、V2より劣る場合、即ち試験片が延焼してしまった場合をV−Notと示した。
[実施例D]
(実施例D1〜D31、比較例D1〜D9)
表10〜表11に示す組成を、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)にてシリンダ温度180℃以上200℃以下で混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
なお、表10〜表11中、比較化合物1は、特許3632763号に記載の方法で得たリグノフェノール誘導体である。
得られたペレットを射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)にてシリンダ温度180℃以上200℃以下、金型温度30℃で、平版試験片(50mm×50mm、厚み2mm)と、UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ:0.8mm、1.6mm)を成形した。
(評価)
得られたペレット、及び試験片に対して以下の評価試験を行った。結果を表12〜表13に示す。
−分子量分布−
ペレットの分子量分布を、GPC(東ソー社製、HLC−9320GPC)にて測定した。
−寸法変化率−
平版試験片を60℃/85%RH条件下で500hr放置し、放置前後の寸法変化率を評価した。
なお、寸法変化率は、放置前後の平板の縦方向、横方向に四辺部分を測定した差分により算出した。
−鋼球落下強度−
平版試験片を自作の鋼球落下試験装置に装着し、50cm径、重さ500gの鋼球を落下させ、平版試験片に割れが生じた高さを測定した。
−難燃性−
Vテスト用UL試験片を用い、UL−94の方法でUL−Vテストを実施した。尚評価基準は、難燃性が高い方から順にV0、V1、V2であり、V2より劣る場合、即ち試験片が延焼してしまった場合をV−Notと示した。
上記結果から、本実施例は、比較例に比べ、寸法変化率、鋼球落下強度、難燃性について良好な結果が得られたことがわかる。
ここで、各表中の材料種の詳細につき示す。
−脂肪族ポリエステル樹脂−
・ポリ乳酸:「テラマックTE2000」ユニチカ社製
・ポリヒドロキシアルカノエート:「バイオポール」日本モンサント社製
−脂肪族ポリアミド樹脂−
・ポリアミド11:「BMNO」アルケマ社製
・ポリアミド10−10:「ザイテルRS10−10」デユポン社製
・ポリアミド6−10:「ザイテルRS6−10」デユポン社製
・ポリアミド12:「UBESTA」UMG社製
−セルロース樹脂−
・ジアセチルセルロース:ダイセル化学工業社製
・カルボキシメチルセルロース:ダイセル化学工業社製
・セルロースアセテートプロピオネート:イーストマンコダック社製
・無置換セルロース:ダイセル化学工業社製
−触媒−
・テトラブトキシチタン:和光純薬社製
・酢酸マンガン:和光純薬社製
−難燃剤−
・リン系難燃剤:「PX200」大八化学社製
・硫酸系難燃剤:「アピノン901」三和ケミカル社製
・金属水酸化物難燃剤:「エコーマグPZ−1」タテホ化学工業社製
100 画像形成装置
110 本体装置
120a、120b フロントカバー
136 用紙供給部
138 用紙排出部
142 プロセスカートリッジ
150、152 筐体

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。

    (一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上10以下のアルキレン基、又はアリーレン基を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、又はアリール基を表す。l、n及びmは、それぞれ独立に、1以上3以下の自然数を表す。)
  2. 樹脂と、請求項1に記載の化合物と、を含む樹脂組成物。
  3. 前記樹脂が、脂肪族ポリエステル樹脂である請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記樹脂が、脂肪族ポリアミド樹脂である請求項2に記載の樹脂組成物。
  5. 前記樹脂が、セルロール樹脂である請求項2に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む樹脂成形体。
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