JP5726026B2 - 染毛料組成物 - Google Patents
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また、上記効果を有しながらも、容易に均一な染毛処理が可能で、毛髪の損傷も低減された染毛料組成物を提供することを目的とする。
[1](A)酸性染料および/または天然色素、(B)浸透剤、(C)増粘剤、(D)α化していないデンプンおよび/またはその誘導体ならびに(E)酸を含む染毛料組成物であって、染毛料組成物全体に対して前記(D)成分が0.1〜20重量%の量で含まれていることを特徴とする染毛料組成物。
[3]前記(D)成分を、α化させない状態で製造工程に用いることを特徴とする[1]または[2]に記載の染毛料組成物。
[8]非水溶性鉱物が染毛料組成物全体に対して、0.1重量%未満であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれか一に記載の染毛料組成物。
また、本発明の染毛料組成物を用いると、毛髪を処理する際に、毛髪上での延びが良く、毛髪に良好に絡まり、さらに毛髪に均一に絡められた状態が保持されるので、効率よく、かつ、むらなく染毛を行うことができる。
本発明の染毛料組成物は、(A)酸性染料および/または天然色素、(B)浸透剤、(C)増粘剤、(D)α化していないデンプンおよび/またはその誘導体ならびに(E)酸を含む染毛料組成物であって、染毛料組成物全体に対して前記(D)成分が0.1〜20重量%の量で含まれていることを特徴とする。
(1)成分
(A)酸性染料および/または天然色素
酸性染料および天然色素は、毛髪に付着し、毛髪を染色する。酸性染料の例としては、「医薬品等に使用する事のできるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)に掲示されている法定色素が挙げられる。法定色素としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、褐色201号、黒色401号などが挙げられる。法定色素は1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
浸透剤は、毛髪内部へ酸性染料および天然色素を浸透させる。浸透剤の例としては、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、シンナミルアルコール、フェニルプロパノール、α−メチルベンジルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、p−アニシルアルコール等の芳香族アルコール;エタノール、イソプロパノール等の脂肪族一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の脂肪族多価アルコール;炭酸エチレン、炭酸プロピレン等のアルキレンカーボネート等が挙げられ、芳香族アルコールが好ましい。これらの浸透剤は1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
増粘剤は、染毛料組成物に溶け込んで存在し、毛髪に塗布した染毛料組成物を、一定の時間塗布した状態で保つ際に、染毛料組成物がたれることなく毛髪上にとどまるように、染毛料組成物の粘度を適切にする。なお、(D)α化していないデンプンおよび/またはその誘導体は、染毛料組成物に溶け込むことなく、分散した状態で存在するので、上記(C)増粘剤には含まれない。
(D)α化していないデンプンおよび/またはその誘導体
本明細書において、α化していないデンプンとは、結晶状態にあり、糊化していないデンプンをいい、粉体状のデンプンである。α化していないデンプンおよび/またはその誘導体は、上記増粘剤と組み合わせて用いることで、染毛料組成物の粘度を適度に保ちつつ、毛髪に塗布された染毛料組成物の垂れ落ちを抑制する。
それに対し、α化していないデンプンの代わりに加熱処理を経てα化したデンプンを用いた場合は、α化したデンプンは(C)増粘剤と同様に組成物の粘度を上昇させる。また、毛髪にはじかれやすくなるという問題がある。その結果、α化していないデンプンの代わりにα化したデンプンを含有する染毛料組成物は、毛髪に塗布された染毛料組成物の垂れ落ちを防止する効果および染色力のいずれも十分でないとともに、組成物を毛髪に均一に塗布することも容易でない。
本発明の組成物は、酸を含むことが好ましい。酸は、毛髪を酸性にして毛髪のケラチンタンパクをプラス帯電させ、マイナスの電荷を有する酸性染料と毛髪間にイオン結合を形成することにより、酸性染料の毛髪への付着を増加させる。酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の有機酸および塩酸、リン酸等の無機酸が挙げられる。これらは1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の染毛料組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、水、油性成分、界面活性剤、金属封鎖剤、香料、紫外線吸収剤、糖、ポリペプチドpH調節剤等を含んでいてもよい。
本発明の染毛料組成物は、通常pHが2〜5、好ましくは2.5〜3.5である。このようなpHは、(E)酸およびpH調節剤の使用により調節される。pHが上記範囲にあると、十分な染毛効果が得られる。
本発明の染毛料組成物は、上述した各成分を、公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散および乳化等を必要に応じて選択して行うことによって製造することができる。α化していないデンプンおよび/またはその誘導体は、非加熱で高速攪拌を行いながら組成物に添加し、組成物中に分散させる。α化していないデンプンおよび/またはその誘導体添加後は、組成物に加熱は行わない、または加熱を行ったとしても上記α化していないデンプンおよび/またはその誘導体がα化しない範囲の温度で加熱を行う。
本発明の染毛料組成物は、通常の染毛料組成物と同様の方法で染毛に使用される。すなわち、本発明の染毛料組成物を毛髪に塗布し、α化していないデンプンおよび/またはその誘導体がα化しない限度において任意に加温しながら、適切な時間放置する。その後、毛髪から染毛料組成物を洗い流し、毛髪を乾燥させる。
実施例において、以下の市販品を用いた。
コメ粉:(ファインスノウ:上越スターチ株式会社)
馬鈴薯デンプン粉: (日本薬局方バレイショデンプンST-P:日澱化学株式会社)
小麦粉:(ハート(薄力粉):日本製粉株式会社)
コーンスターチ粉:(Naviance Maize:アクゾノーベル株式会社)
タルク:(タルクMMR:浅田製粉株式会社)
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー:(SEPINOV EMT 10:SEPPIC社)
カルボキシビニルポリマー:(カーボポール934:Lubrizol社)
ヒドロキシエチルセルロース:(ヒドロキシエチルセルロース SE-600:ダイセル化学株式会社)
染毛料組成物は、以下のものを用いた。
実施例および比較例は、表1に示す各成分を室温で混合して染毛料組成物を製造した。表1における成分Aは、表2〜表11に示す成分を、該表に示す各濃度で用いた。コメ粉、馬鈴薯デンプン粉、小麦粉、コーンスターチ粉およびタルクは、その他の成分を高速で攪拌している中に添加し、分散させた。得られた組成物について以下の各評価を行った。
以下の評価の中で、「放置後の垂れ落ちの少なさ」および「染色力」のいずれもが○以上の評価であるものを実施例とした。
表1に示す各染毛料組成物を被試験者の毛髪に塗布後、45℃で15分間加温放置した後25℃で5分間放置する。放置後の染毛料組成物の毛髪上の状態を目視にて観察し、塗布直後の状態と比較して以下の基準で評価した。
◎ :毛髪上の組成物は、塗布直後の状態からごくわずかな移動はあるが、塗布直後の状態からほとんど変わらない。
○ :毛髪上の組成物は、塗布直後の状態から移動は見られるが、染毛処理に問題はない程度である。
△ :毛髪上の組成物は、塗布直後の状態から移動が認められ、頭皮への付着に注意を要した。
× :毛髪上の組成物は、頭皮に垂れ落ちることがある。
5分間25℃の水に浸漬させ、タオルドライしたビューラックス製の12cm、1gの毛束(BM−W)に、表1に示す各染毛料組成物0.8gを塗布しラップで包んだ。毛束をラップに包んだ状態で45℃で15分間加温放置した後、さらに25℃で5分間放置した。その後、毛束を流水で洗い流し乾燥させ、目視にて毛束染まりの評価を行った。
◎ :毛髪は良く染まっている。
○ :毛髪の色はやや薄く感じるが、十分染まっている。
△ :毛髪の色は薄い状態であり、白茶けている。
× :毛髪の色はかなり薄い状態であり、染まっているとは言い難い。
5分間25℃の水に浸漬させ、タオルドライしたビューラックス製の12cm、1gの毛束(BM−W)に、表1に示す各染毛料組成物0.8gを塗布し、毛束への組成物の付着性を観察し評価した。
◎ :染毛料組成物は、毛髪となじみがよく均一に塗布しやすい。
○ :染毛料組成物は、問題なく毛髪に均一に塗布できる。
△ :染毛料組成物は、塗布ムラを生じやすい。
× :染毛料組成物は、毛髪に塗布しづらく、均一に塗るのが難しい。
5分間25℃の水に浸漬させ、タオルドライしたビューラックス製の12cm、1gの毛束(BM−W)に、表1に示す各染毛料組成物0.8gを塗布しラップで包んだ。毛束をラップに包んだ状態で45℃で15分間加温放置した後、さらに25℃で5分間放置する。その後、毛束を流水で洗い流し乾燥させ、目視にて毛束染まりの均一性について評価を行った。
◎ :毛髪は問題なく均一に染まる。
○ :染毛料組成物を毛髪に丁寧に塗布すれば、毛髪は問題ない程度に均一に染まる。
△ :毛髪は均一に染まり上がりにくい。
× :毛髪は均一に染まり上がらない。
15分間25℃の水に浸漬させ、タオルドライしたビューラックス製の30cm、10gの毛束(BS-B3A)に、表1に示す各染毛料組成物10gを塗布しラップで包んだ。毛束をラップに包んだ状態で45℃で15分間加温放置後、さらに25℃で5分間放置する。その後毛束を流水で洗い流し、市販のシャンプー(CSモイストシャンプー(株式会社アリミノ製))で洗浄・水洗した後、市販のトリートメント(CSモイストトリートメント(株式会社アリミノ製))を塗布してから水洗した。毛束をドライヤーで乾燥後、毛髪の指通りを以下のように官能評価した。
◎ :毛髪は指通りが良い。
○ :毛髪はパサツキがなく指通りは悪くない。
△ :毛髪はパサツキがあり、指通りが悪い。
× :毛髪はごわつきがひどく、指通りが非常に悪い。
Claims (8)
- (A)酸性染料および/または天然色素、(B)浸透剤、(C)増粘剤、(D)α化していないデンプンおよび/またはその誘導体ならびに(E)酸を含む染毛料組成物であって、染毛料組成物全体に対して前記(D)成分が0.1〜20重量%の量で含まれていることを特徴とする染毛料組成物。
- 前記(D)成分が、粉体の状態で染毛料組成物中に分散していることを特徴とする請求項1に記載の染毛料組成物。
- 前記(D)成分を、α化させない状態で製造工程に用いることを特徴とする請求項1または2に記載の染毛料組成物。
- 染毛料組成物全体に対して、前記(A)成分を0.01〜10重量%、前記(B)成分を1〜20重量%、前記(C)成分を0.1〜20重量%、および前記(E)成分を0.05〜10重量%の量で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の染毛料組成物。
- 前記(D)成分が、コメ、イモ類、麦類、トウモロコシからなる群から選ばれる少なくとも1種から得られるデンプンまたはその誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の染毛料組成物。
- 前記(C)成分が、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ポリアクリルアミド、カルボキシビニルポリマーおよびヒドロキシエチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の染毛料組成物。
- さらに融点が50℃以上の油剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の染毛料組成物。
- 非水溶性鉱物が染毛料組成物全体に対して、0.1重量%未満であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の染毛料組成物。
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