JP5631014B2 - まつ毛用化粧料 - Google Patents
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特許文献1には、水性相にフィルム形成性ポリマーおよびワックスを含む化粧料が、塗布性が良く、優れた保持性とかさ高効果示すことが開示されている。
このキャッチ感は、化粧料の粘度を上げることである程度は改善されるものであるが、単に粘度を向上させるために水溶性高分子を多量に含有させた場合には、化粧持ちが悪くなるという問題があった。
本発明は、キャッチ感に優れ、カールアップ力が高く、化粧持ちの良いまつ毛用化粧料を提供することを課題とする。
また、本発明は、植毛部のみかけ最大径が2.5〜6.0mmである塗布具と、上記水中油型まつ毛用化粧料を組み合わせたマスカラ剤キットを提供するものである。
なお、まつ毛用化粧料にプルランを使用し得ることは、特表2000−503038号公報に開示されているが、50種を超える水溶性ポリマーの一種として例示されているのみであり、本発明の効果はおろか、どのような特性を与えるか等の記載、教示、動機付けは一切存しない。
プルランは水溶性高分子でありながら、耐湿性のある強靭なフィルムを形成する特徴を有しているため、水中油型まつ毛用化粧料に配合した場合には、他の水溶性高分子と比較して化粧持ち性能が低下しにくく、且つカール性能向上にも寄与するものと考えられる。
このようなプルランとして、化粧品用プルラン(林原社製)等の市販品を用いることができる。
樹脂エマルジョンを構成する樹脂のガラス転移点は−20℃〜100℃であることが好ましく、−5℃〜70℃であることがより好ましい。樹脂のガラス転移点をこの範囲にすることで、高いカールアップ性とその持続性が得られる。樹脂エマルジョン中の樹脂分は特に制限はないが、20〜60質量%、特に25〜55質量%であることか好ましい。
このような樹脂エマルジョンとして、ヨドゾールGH34F(日本エヌエスシー社製)、ダイトゾール5000AD(大東化成工業社製)、SYNTRAN 5190、同5760、同5760CG(Interpolymer Corporation社製)、ビニゾール2140L(大同化成工業社製)等の市販品を用いることができる。
成分(C)の樹脂エマルジョンは、全組成中に、樹脂分として3〜30質量%含有され、さらに、被膜形成能とクレンジング性の観点から、4〜25質量%であるのが好ましい。
これらは1種又は2種以上を用いることができ、固体脂や粉体等を均一に乳化、又は分散させる点から、全組成中に0.1〜20質量%、特に1〜10質量%含有されるのが好ましい。
界面活性剤としては、乳化を安定的に行えるものであれば特に制限されず、化粧品一般に用いられる、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等を使用することができる。
これらのうち、本発明においては、化粧料を構成する他の物質との安定な配合性が得られる点で、非イオン界面活性剤が好ましい。具体的には、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル共変性シリコーン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの中で、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコールが好ましい。
より具体的には、粘土鉱物としては、例えば、ベントナイト等が挙げられる。多糖類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類;グアガム、ヒドロキシプロピルグアガム、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、カチオン化グアガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、トラガカントガム、ペクチン、グルコマンナン、シゾフィラン等の非セルロース系植物由来多糖類;カラギーナン、アルギン酸、寒天、アガロース等の海藻由来ガム類;キサンタンガム、デキストラン、ジェランガム、カードラン等の微生物由来多糖類;ヒアルロン酸等が挙げられる。水溶性タンパク質としては、例えば、ゼラチン、コラーゲン、エラスチン、ポリアミノ酸等が挙げられる。合成の水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸及びその一部又は全部が中和されている塩、ポリスチレンスルホン酸及びその一部又は全部が中和されている塩、並びにそれらと他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。
揮発性油剤は、沸点が常圧で300℃以下の油剤を示し、揮発性炭化水素油、揮発性シリコーン油が好ましい。より具体的には、例えば、イソドデカン、水添ポリイソブテン等の揮発性炭化水素油;オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の揮発性シリコーン油が挙げられる。これらのうち、特にイソドデカン、炭素数8〜16を中心とする飽和イソパラフィン系炭化水素油(水添ポリイソブテン)が好ましい。市販品としては、丸善石油化学社製のマルカゾールR、出光興産社製のIPソルベント1620、同2028等を使用することができる。
繊維は、太さが1.0〜25.0T(T:デシテックス。繊維1万mあたりの質量)、長さが0.1〜5mmのものが好ましい。繊維の含有量は十分なロングラッシュ効果が得られる点から、全組成中に0.1〜6質量%であることが好ましい。また、断面形状は丸型と比較して、星型等の異形断面の方が、まつ毛への並びやすさが向上し、よりロングラッシュ効果が高まるので好ましい。
前記各種粉体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塗布部の形状は、真っ直ぐでも、目の形状に合わせるためや、塗りやすさを向上させるために弓型や波型に湾曲していても良い。弓型の曲率は、塗布性を考慮しR50〜100、特にR50〜70が塗りやすさの点で好ましい。
また、塗布具の植毛部の見かけ最大径は、まつ毛の根元から塗布しやすい点や、瞼などのまつ毛以外の場所に化粧料が付かない点から、6.0mm以下、特に5.5mm以下、更に5.0mm以下であることが好ましい。また、塗布具の植毛部の見かけ最大径はまつ毛用化粧料の保持量、まつ毛の捕らえやすさ、まつ毛のさばきやすさの点で、2.5mm以上、特に3.0mm以上であるのが好ましい。最大径6.0mm以下の塗布具を用いることで、まつ毛が塗布具に付着している化粧料に接しやすくなり、化粧料が有しているキャッチ感を発現しやすくなる。更に弓型にすることによりまつ毛への接触面積が向上するため、よりキャッチ効果が向上する。
表1に示す組成の水中油型まつ毛用化粧料を製造し、カールアップ力、キャッチ感及び化粧持ちを評価した。結果を表1に併せて示す。
95℃で撹拌溶融した固体脂及び脂肪酸を、あらかじめ85℃にて均一溶解、分散させておいた水相成分中に添加し、撹拌しつつ45℃まで冷却した後に樹脂エマルジョンを添加し、更に撹拌しつつ25℃まで冷却した後、脱気することにより、水中油型まつ毛用化粧料を得た。
女性モニター20人により、各まつ毛用化粧料を使用したときの、カールアップ力、キャッチ感及び化粧持ちを官能評価した。
各まつ毛用化粧料を塗布直後の状態について、目視評価し、カールアップ力に優れると評価した人数により判定した。
各まつ毛用化粧料を塗布している時の使用感について、官能評価し、キャッチ感に優れると評価した人数により判定した。
各まつ毛用化粧料を塗布し、8時間経過時点の状態について、目視評価し、にじまなさに優れると評価した人数により判定した。
*2:セラリカNODA社製、脱臭精製カルナウバワックスNo.1(融点80〜86℃)。
*3:セラリカNODA社製、ライスワックスF−1(融点75〜80℃)。
*4:ミツバ貿易社製、精製キャンデリラワックスSR−2(融点68〜72℃)。
*5:花王社製、ルナックS−98(融点67〜69℃)。
*6:花王社製、ルナックBA(融点69〜80℃)。
*7:日本エヌエスシー社製、ヨドゾールGH34F(ポリマー固形分42%)。
*8:林原社製、化粧品用プルラン(重量平均分子量20万)。
*9:三栄薬品貿易社製、アラビックコールSS。
*10:ダイセル化学工業社製、HECダイセル SE400。
*11:日本サーファクタント工業社製、ニッコール MYS−40V。
*12:AGCエスアイテック社製、サンスフェア H−51。
Claims (3)
- (A)プルラン3.5〜7質量%、(B)固体脂5〜50質量%、及び(C)樹脂エマルジョンを樹脂分として3〜30質量%含有し、総固形分量が40〜70質量%である水中油型まつ毛用化粧料。
- (A)プルランが、重量平均分子量5万〜400万のものである請求項1記載の水中油型まつ毛用化粧料。
- 植毛部の見かけ最大径が2.5〜6.0mmである塗布具と、請求項1又は2記載の水中油型まつ毛用化粧料を組み合わせたマスカラ剤キット。
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