JP5725515B2 - 光塩基発生剤及び当該光塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
橋反応に用いることができ、エポキシ系化合物等に適用した場合には、塩基発生反応が連
鎖的に行われるため反応効率が良好である光塩基発生剤及び当該光塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物を提供することにある。
ら限定されるものではない。
光塩基発生剤の製造(1):
下記式(H−1)に表されるフタルイミド酢酸0.50g(2.4×10−3mol)と、塩基であり式(IV−c)で示した1,5,7−トリアザ−ビシクロ[4.4.0]デシ−5−エン(TBD)を0.34g(2.4×10−3mol)をTHFに入れて混合し、室温で30分間反応させた。反応終了後、溶媒を除去し、下記式(X−1)で表される本発明の塩基発生剤の白色固体を収量0.55g、収率67%で得た。
光塩基発生剤の製造(2):
式(H−1)に表されるフタルイミド酢酸0.14g(0.7×10−3mol)と、塩基であり式(V−e)で示したホスファゼン誘導体であるイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホランを0.12g(0.7×10−3mol)をジエチルエーテルに入れて混合し、室温で30分間反応させた。反応終了後、溶媒を除去し、下記式(X−2)で表される本発明の塩基発生剤の白色固体を収量0.27g、収率98%で得た。
光塩基発生剤の製造(3):
(1)フタルイミド酢酸のニトロ化:
式(H−1)に表されるフタルイミド酢酸5.0g(24×10−3mol)に、発煙硝酸5.1mL、硫酸30.8mLを混合してニトロ化することにより、下記式(H−2)に表されるニトロフタルイミド酢酸を収量3.3g、収率55%で得た。
(1)で得られたニトロフタルイミド酢酸0.55g(2.2×10−3mol)と、塩基であり式(V−e)で示したホスファゼン誘導体であるイミノ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホランを0.36g(2.0×10−3mol)をジエチルエーテルに入れて混合し、室温で30分間反応させた。反応終了後、溶媒を除去し、下記式(X−3)で表される本発明の光塩基発生剤の黄色固体を収量0.82g、収率95%で得た。
溶液中での光分解挙動の確認(UVスペクトル測定):
実施例1ないし実施例3で得られた塩基発生剤について、溶媒としてメタノール(実施例1及び実施例2)及びクロロホルム(実施例3)を用いて、下記の測定法を用いて光分解挙動の確認を行った。
表1に濃度を示した実施例1及び実施例2の塩基発生剤のメタノール溶液、並びに実施例3の塩基発生剤のクロロホルム溶液に波長が254nm(実施例1及び実施例2)、365nm(実施例3)の光を照射し、紫外可視分光光度計(MultiSpec−1500/(株)島津製作所製)を用いてUVスペクトルの経時変化を確認した。結果を図1(実施例1)、図2(実施例2)及び図3(実施例3)に示す。
光照射による塩基発生能の確認:
実施例1ないし実施例3で得られた光塩基発生剤を8.9×10−3mol/Lに調製したメタノール溶液を石英セルに入れ、波長254nm光(実施例1及び実施例2)、365nm(実施例3)を所定量照射して光分解させた後5分間N2バブリングをし、この溶液2mLにあらかじめ5.0×10−5mol/Lに調整しておいたフェノールレッド溶液を1.5mL加えた場合におけるUVスペクトルを測定した。その結果、実施例1ないし実施例3で得られた光塩基発生剤は、露光量が増えるにつれて、424nm付近の吸収が減少し、562nm付近の吸収が増大していることより、塩基発生剤に光照射することにより遊離の塩基が発生していることが確認できた。
PMMA中での光分解挙動の確認:
PMMA(Aldrich製,Mw=996000)0.1gに対して、実施例1で得られた光塩基発生剤0.02g(PMMA100質量部に対して20質量部)を含有させることにより感光性樹脂組成物とした。かかる感光性樹脂組成物を、1.0gのクロロホルムに溶解させて試料溶液とし、この試料溶液を1000rpmで30秒間シリコンウェハ上にスピンコートし、ホットプレート上にて80℃で30秒間プリベイクすることにより、膜を作製した。この膜に254nmの単色光を、露光量を0、100、200、400、800、1600、3200及び6400mJ/cm2として照射し、反応をFT−IRで反応追跡した。
PGMA中での光分解挙動の確認:
式(No.4−12)に表されるエポキシ系化合物であるポリグリシジルメタクリレート(PGMA:MW=16000)0.05gに対して、実施例1で得られた光塩基発生剤を0.00125〜0.005g(PGMA100質量部に対して2.5〜10質量部含有させることにより感光性樹脂組成物とした。同様にして、エポキシ系化合物であるポリグリシジルメタクリレート(PGMA:MW=16000)0.05gに対して、実施例2で得られた光塩基発生剤を0.00125〜0.005g(PGMA100質量部に対して2.5〜10質量部含有させることにより感光性樹脂組成物とした。
感光性樹脂組成物の製造(1):
式(No.5−6)に表されるケイ素系化合物であるポリメタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル(PMAS,MW=14000、MW/Mn=1.67)0.1gに対して、実施例1で得られた光塩基発生剤を下記の含有量で含有させることにより本発明の感光性樹脂組成物を得た。
含有量(g) 質量部
実施例4 0.005 5
実施例5 0.010 10
実施例6 0.020 20
硬化確認(1)(加熱温度依存性の確認):
実施例5(10質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして60℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱温度を80℃、100℃、及びブランクとして室温として実施し、比較・評価した。結果を図6(a)に示す。
硬化試験(2)(加熱時間依存性の確認):
実施例5(10質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして80℃で10分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱時間を20分、30分として実施し、比較・評価した。結果を図6(b)に示す。
硬化試験(3)(添加量依存性の確認)
実施例4(5質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして80℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、実施例5(10質量部)及び実施例6(20質量部)の感光性樹脂組成物に対して実施し、比較・評価した。結果を図6(c)に示す。
感光性樹脂組成物の製造(2):
式(No.5−6)に表されるケイ素系化合物であるポリメタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル(PMAS,MW=14000、MW/Mn=1.67)0.1gに対して、実施例2で得られた光塩基発生剤を下記の含有量で含有させることにより本発明の感光性樹脂組成物を得た。
含有量(g) 質量部
実施例7 0.005 5
実施例8 0.010 10
実施例9 0.020 20
硬化確認(4)(加熱温度依存性の確認):
実施例8(10質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして60℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱温度を80℃、100℃、及びブランクとして室温として実施し、比較・評価した。結果を図7(a)に示す。
硬化試験(5)(加熱時間依存性の確認):
実施例8(10質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして80℃で10分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱時間を20分、30分として実施し、比較・評価した。結果を図7(b)に示す。
硬化試験(6)(添加量依存性の確認)
実施例7(5質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして80℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、実施例8(10質量部)及び実施例9(20質量部)の感光性樹脂組成物に対して実施し、比較・評価した。結果を図7(c)に示す。
感光性樹脂組成物の製造(3)
式(No.4−14)で表されるエポキシ系化合物(JER828/三菱化学(株)製)(ジグリシジルエーテル(ビスフェノールA型)、エポキシ当量:185g/eq)0.1g、チオール化合物であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT(登録商標)PE−1/昭和電工(株)製)0.06g(エポキシ系化合物100質量部に対して60質量部)に、実施例1で得られた光塩基発生剤を下記の含有量で含有させることにより本発明の感光性樹脂組成物を得た。
含有量(g) 質量部
実施例10 0.010 10
実施例11 0.020 20
実施例12 0.050 50
硬化確認(7)(加熱温度依存性の確認):
実施例11(20質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして60℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱温度を80℃、100℃、及びブランクとして室温として実施し、比較・評価した。結果を図8(a)に示す。
硬化試験(8)(加熱時間依存性の確認):
実施例11(20質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして80℃で10分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱時間を20分、30分として実施し、比較・評価した。結果を図8(b)に示す。
硬化試験(9)(添加量依存性の確認)
実施例10(10質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして80℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、実施例11(20質量部)及び実施例12(50質量部)の感光性樹脂組成物に対して実施し、比較・評価した。結果を図8(c)に示す。
感光性樹脂組成物の製造(3)
式(No.4−14)で表されるエポキシ系化合物(JER828/三菱化学(株)製)(ジグリシジルエーテル(ビスフェノールA型)、エポキシ当量:185g/eq)0.1g、チオール化合物であるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT(登録商標)PE−1/昭和電工(株)製)0.06g(エポキシ系化合物100質量部に対して60質量部)に、実施例2で得られた光塩基発生剤を下記の含有量で含有させることにより本発明の感光性樹脂組成物を得た。
含有量(g) 質量部
実施例13 0.010 10
実施例14 0.020 20
実施例15 0.050 50
硬化確認(10)(加熱温度依存性の確認):
実施例14(20質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして60℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱温度を 80℃、100℃、及びブランクとして室温として実施し、比較・評価した。結果を図9(a)に示す。
硬化試験(11)(加熱時間依存性の確認):
実施例14(20質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして80℃で10分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、ポストベイクの加熱時間を20分、30分として実施し、比較・評価した。結果を図9(b)に示す。
硬化試験(12)(添加量依存性の確認)
実施例13(10質量部)で得られた感光性樹脂組成物を1.0gのクロロホルム(CHCl3)に溶解させて試料溶液とした。この試料溶液をガラス基板上にバーコートして製膜し、80℃で30秒間加熱してプリベイクし、厚さ5.0μmの塗膜を調製した。この塗膜に254nmの単色光を、露光量を0(ブランク)、100、500、1000及び2000mJ/cm2として、ポストベイクとして80℃で20分間加熱後の塗膜の硬度をJIS K5600−5−4に準拠して鉛筆硬度測定を行った。そして、同様な操作を、実施例14(20質量部)及び実施例15(50質量部)の感光性樹脂組成物に対して実施し、比較・評価した。結果を図9(c)に示す。
性樹脂材料として有利に使用することができる。
Claims (5)
- 下記式(X)で表されることを特徴とする光塩基発生剤。
- 前記塩基類B + が下記式(I)、式(II)、式(IV)、式(V)及び式(V−d)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の光塩基発生剤。
ヘテロ原子を含んでもよい。)、またはフェニル基、を示す。)
(アルキル基は環状構造でもよい。)を示し、R 1 〜R 5 はそれぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。)
- 前記請求項1または請求項2に記載の光塩基発生剤と、塩基反応性化合物とを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 前記塩基反応性化合物がエポキシ系化合物、ケイ素系化合物及びオキセタン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに、チオール化合物を含むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
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