JP5725155B2 - 射出成形用金型の製造方法、射出成形用金型、射出成形用金型セット、マイクロチップ用基板の製造方法、及びこの金型を用いたマイクロチップ製造方法 - Google Patents

射出成形用金型の製造方法、射出成形用金型、射出成形用金型セット、マイクロチップ用基板の製造方法、及びこの金型を用いたマイクロチップ製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、射出成形用金型の製造方法、射出成形用金型、射出成形用金型セット、マイクロチップ用基板の製造方法、及びこの金型を用いたマイクロチップ製造方法に関する。
微細加工技術を利用して基板部材上に微細な構造や流路や回路を形成し、微小空間で核酸、タンパク質、又は血液などの検体の化学反応や、分離、分析などの検査を行う、マイクロ検査チップ、マイクロ分析チップ、或いはμTAS(Micro Total Analysis Systems)等と称される装置が実用化されている(以下、これらをマイクロチップと称する)。このようなマイクロチップの利点としては、検体や試薬の使用量又は廃液の排出量が軽減されることや、省スペースで持ち運び可能な安価な分析システムを実現できることが挙げられる。近年は特に、廉価で廃棄が比較的容易な樹脂製のマイクロチップの開発が望まれている。
マイクロチップは、少なくとも一方が微細構造を有する2つの基板部材を貼り合わせることにより製造される。基板部材上の微細構造は、流路用の溝や液溜りや基板部材の厚さ方向に貫通する貫通孔として形成される。このようなマイクロチップは、貫通孔から検体や試薬を注入し、流路溝や液溜りで反応させて検査を行うものである。
このような樹脂製マイクロチップの基板部材のうち、貫通孔を含めた微細構造を有する基板部材は、射出成形で作られる。貫通孔を有する製品を射出成形する方法として、特許文献1は、可動金型の入れ子にピンを挿入してこのピンをばねにより固定金型側に付勢し、ピンの尖端を固定金型に密着させて射出成形することによりバリの発生を防止した技術を開示している。他の射出成形方法としては、固定金型と可動金型の両方からピンを挿入し、樹脂を流し込む空間の中央で2本のピンを突き当てる方式もある。
一方、金型の製作方法は種々あるが、マイクロチップのような微細構造を作製するには、高精度の転写性を示す電鋳金型が適している。電鋳金型の製造は、まず母型を製作し、この母型に電鋳加工を施して金属を厚く電着させる。その後、母型から電着した材料を離型し、これを電鋳金型として使用するものである。
また、金型の材料としては、ニッケル、ニッケル合金などが用いられる。例えば、特許文献2は、母型表面にまずニッケル又はコバルトの電気めっき層を形成し、その上にニッケル合金電鋳層を形成した電鋳金型を開示している。さらに特許文献3は、最初に形成したニッケル又はコバルトの電気めっき層を硝酸水溶液で除去する技術を開示している。最初に形成するニッケル又はコバルトの電気めっき層は母型との離型性は良いが硬度は低いため、特許文献2において表面のニッケル又はコバルトの電気めっき層が金型を繰り返し使用で磨耗させるに任せているところ、特許文献3では、表面のニッケル又はコバルトの電気めっき層を除去する処理を施して高硬度のニッケル合金電鋳層を表面に出すものである。
特開2004−114334号公報 特開平6−128788号公報 特開平6−158381号公報
マイクロチップは貫通孔から検体などを導入し微細な流路を通過させて検査を行うものであるから、貫通孔や流路は高精度に作製されなければならない。すなわち、検体などが流れる部分にバリなどの障害物があると、検体などの流速が一定にならなかったり、流れが乱れて反応が不安定になったりし、これらが著しい場合には流路が閉塞されてマイクロチップとして使用できないことになる。
マイクロチップに代表される高精度の微細構造を作製するには、母型の形状を高精度に転写できる電鋳金型が最も適しているが、電鋳金型の材料にも一長一短がある。例えば、純ニッケルや純コバルトなどの金属は母型への密着性が高くて高精度転写ができ、電鋳応力が少ないので母型からの離型性が良い反面、硬度が低いので磨耗しやすい。一方ニッケル合金などは、高硬度であるが、電鋳応力が大きいため電着中に剥離やそりを起こしやすい欠点がある。
一方、射出成形で貫通孔を形成する方法でピンを用いる方法があるが、流路に対応する凸部に隣接して入れ子を作製し下側からピンを挿入する、或いはこの凸部端部にピン尖端が当接するよう上側の金型からピンを立設するやり方では、形成される流路と貫通孔の接続部にバリを生ずることなく位置決めするのが精度的に非常に難しい。
また、ピンを用いる方式では、ピンを対向する金型面に強く押圧することが必要であるが、この押圧により金型表面の突当面が磨耗する材料では1つの金型から多くの成形品を作製できず不経済である。特に、マイクロチップでは貫通孔が高精度に形成されている必要があり、バリ等を生じないようにするためにより強くピンを金型に押付ける必要があり、金型の突当面にかかる負担が大きい。
ピンを用いず金型から貫通孔に対応する棒状部材を立設することも考えられるが、10mm以上の基板部材の厚みをカバーする高さの棒状部材を電鋳で作製することは非常に長時間を要し現実的でない。
以上のように、流路と貫通孔を有するマイクロチップを射出成形で成形するための金型としては、高い転写性と、流路と貫通孔の接続部などにバリを生ずることなく成形できる正確性と、金型の磨耗を最小限に抑える経済性とが要求される。
しかしながら、貫通孔及び流路を備えたマイクロチップ用基板の製造において、上述したような性能を全て満たすような金型はこれまでに提案されていない。また、特許文献1〜3も、貫通孔を有する成形物を得るための金型の一般的な構成や、電鋳金型に関する一般的技術を開示するものにすぎず、これらの課題が解決されたマイクロチップ用基板の成形用金型を提供することを示唆していない。
また、同様の事情が、金型の外形枠部分についても存在する。すなわち、外形枠部分は2つの金型を高い圧力で押圧してバリの発生を防止する、いわゆる押切り構造とされるが、このような外形枠の押切り構造を有する金型においても高い転写性と金型の磨耗を最小限に抑える経済性が求められる。
従って、本発明の目的は、微細構造の高精度の転写性と、バリを生じない正確性と、磨耗が少ない経済性とに優れた射出成形用金型の製造方法、射出成形用金型、射出成形用金型セット、マイクロチップ用基板の製造方法、及びこの金型を用いたマイクロチップ製造方法を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成するため、金型の微細構造形成面に微細構造に対応した微細構造用凸部と、この微細構造用凸部より高く、且つ、成形する基板部材の厚みより低い貫通孔又は外形に対応した貫通孔又は外形用凸部を形成し、貫通孔又は外形用凸部に対向してピン又は外形枠を突当てて射出成形する方式を採用し、金型として、微細構造用凸部を母型への密着性が高く電鋳応力が少ない第1材料で電鋳形成し、貫通孔又は外形用凸部を硬度が高い第2材料で電鋳形成した金型を用いる製造方法とした。具体的には、以下の通りである。
1.微細構造と、貫通孔及び金型の当接面で一方の金型の表面が露出することによって得られる外形のうち少なくとも一方とを有する樹脂成形体を成形するための射出成形用金型の製造方法であって、
前記微細構造に対応する第1凹部と、前記貫通孔及び前記外形のうち少なくとも一方に対応し該第1凹部より深い第2凹部とを有する母型を準備する工程と、
前記母型に第1材料で電鋳する第1電鋳工程と、
前記第1電鋳工程で電鋳した上に、前記第1材料とは異なる第2材料で電鋳する第2電鋳工程と、
前記第2凹部に電着した前記第1材料を除去して前記貫通孔及び前記外形のうち少なくとも一方を形成するための突出部を形成する除去工程と、を有し、
前記第1材料は前記第2材料に比べて電鋳応力が小さく、前記第1材料は前記第2材料に比べて母型への密着性が高く、前記第2材料は前記第1材料に比べて硬度が高い
ことを特徴とする射出成形用金型の製造方法。
2.前記第1材料が、純ニッケル又は純コバルトであることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型の製造方法。
3.前記第2材料が、ニッケル合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形用金型の製造方法。
4.前記第2材料のビッカース硬度が、HV400〜700であることを特徴とする請求項3に記載の射出成形用金型の製造方法。
5.対向金型とともに用いられ、貫通孔及び金型の当接面で一方の金型の表面が露出することによって得られる外形のうち少なくとも一方と微細構造とを有する樹脂成形体を成形するための射出成形用金型であって、
前記微細構造を成形するための第1形状部を有する第1電鋳層と、前記貫通孔及び前記外形のうち少なくとも一方を成形するための第2形状部を有する第2電鋳層と、を備え、
前記第1電鋳層は、前記第2電鋳層よりも対向金型の側に積層されており、
前記第2電鋳層の第2形状部は、対向金型に向かって突出し、少なくとも当該射出成形用金型における対向金型との当接面で露出しており、
前記第1電鋳層を構成する第1材料は前記第2電鋳層を構成する第2材料に比べて電鋳応力が小さく、前記第1材料は前記第2材料に比べて母型への密着性が高く、前記第2材料は前記第1材料に比べて硬度が高い
ことを特徴とする射出成形用金型。
6.前記第2材料のビッカース硬度が、HV400〜700であることを特徴とする請求項5に記載の射出成形用金型。
7.請求項5又は6に記載の射出成形用金型を第1金型として含み、
該第1金型とともに成形空間を形成しかつ前記第1金型の前記第2形状部に対向する位置に、前記第2形状部に押し当てられるコアピンを挿通するための貫通孔及び前記第2形状部に押し当てられる外形枠のうち少なくとも一方を有する第2金型を含むことを特徴とする射出成形用金型セット。
8.請求項5又は6に記載の射出成形用金型であって、前記貫通孔を形成するための第2形状部を有する金型を第1金型とし、
該第1金型に対向して、コアピンを挿通するためのコアピン用貫通孔を有する第2金型を配置し、
前記第1金型の第2形状部に前記第2金型のコアピン用貫通孔を通してコアピンを突当てて前記第1及び前記第2金型を型締し、
前記第1金型と前記第2金型との間に設けられる成形空間に成形用樹脂を射出してマイクロチップ用基板を製造する
ことを特徴とするマイクロチップ用基板の製造方法。
9.請求項8に記載の製造方法で製造されたマイクロチップ用基板を第1基板とし、該第1基板に第2基板を貼り合わせてマイクロチップを作製することを特徴とするマイクロチップ製造方法。
以上の本発明は、微細構造の高精度の転写性とバリを生じない正確性と磨耗が少ない経済性に優れた、射出成形用金型の製造方法、射出成形用金型、射出成形用金型セット、マイクロチップ用基板の製造方法、及びマイクロチップ製造方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態の金型を用いて製造されるマイクロチップを示す平面図である。 本発明の第1実施形態の金型を用いて製造されるマイクロチップを示す断面図である。 本発明の第1実施形態のマイクロチップの製造方法の工程を示す工程図である。 電鋳金型の製造過程を示す図である。 電鋳金型の製造過程を示す図である。 電鋳金型の製造過程を示す図である。 電鋳金型の製造過程を示す図である。 第1実施形態のマイクロチップ用電鋳金型の斜視図である。 射出成形工程において電鋳金型で型締した状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態の電鋳金型を型締めした状態を示す断面図である。 電鋳金型の製造過程を示す図である。 電鋳金型の製造過程を示す図である。 電鋳金型の製造過程を示す図である。 電鋳金型の製造過程を示す図である。 電鋳金型の製造過程を示す図である。 電鋳金型の製造過程を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態の金型で製造されるマイクロチップを示す図であり、図1Aは平面図、図1BはX−X線断面図である。
本実施形態におけるマイクロチップ1は、2つの樹脂成形体の板材からなる基板部材を接合したものであり、貫通孔2aと流路2bを持っている。貫通孔2aと流路2bを持つ基板を第1基板2、流路を塞ぐ基板を第2基板3と呼ぶ。なお、第2基板3には微細構造を作製しない例であるので、第2基板3は成形体の板状部材でなく樹脂製フィルムでもよい。
第1基板2は、厚さ方向に貫通する4つの貫通孔2aと流路2bとを有している。流路2bは、第2基板3と接合される接合面側に設けられ、図1における上下の貫通孔2aを結ぶ垂直方向(縦方向)の流路と、左右の貫通孔2aを結ぶ水平方向(横方向)の流路とで構成され、両流路は交差している。貫通孔2aは、第1基板2の平面(流路2bの設けられた面とは反対側の面)より突出した突出部2cを有しており、この突出部2cにチューブなどを接続できるようになっている。
貫通孔2aは、流路2bと外部との接続部であり、検体、試薬、ゲル、又は緩衝液(以下、流路に導入される材料を「検体等」と総称する)などの導入、保存、又は排出を行うための孔である。貫通孔2aの形状は、円形状や矩形状の他、様々な形状であっても良い。この貫通孔2aの突出部2cに、分析装置に設けられたチューブやノズルを接続し、そのチューブやノズルを介して、検体等を流路2bに導入し、又は、流路2bから排出する。突出部2cにプライミングポンプ、シリンジポンプなどを接続して検体等の導入、排出を補助してもよい。また、貫通孔2aは、図1では流路2bの端部に設けた例として図示されているが、流路2bの途中に設けることも可能である。
第1基板2と第2基板3を構成する樹脂材料としては、成形性(転写性、離型性)が良いこと、透明性が高いこと、紫外線や可視光に対する自己蛍光性が低いことなどが条件として挙げられる。例えば、第1基板2と第2基板3には熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリエチレン、ポリジメチルシロキサン、環状ポリオレフィンなどを用いることが好ましい。特に好ましいのは、ポリメタクリル酸メチル、環状ポリオレフィンを用いることである。なお、第1基板2と第2基板3とで、同じ材料を用いても良いし、異なる材料を用いても良い。
マイクロチップ1の外形形状は、ハンドリング、分析しやすい形状であれば良く、正方形や長方形などの形状が好ましい。1例として、10mm角〜200mm角の大きさであっても良い。
また、第1基板2と第2基板3の厚みは、板状部材の場合、夫々0.5mm〜10mm程度であり、フィルム状部材の場合は0.01mm〜0.5mm程度である。勿論、両者の厚みは同じでも異なっていても良い。
流路2bの形状は、分析試料、試薬の使用量を少なくできること、成形金型の作製精度、転写性、離型性などを考慮して、幅、深さともに、1μm〜1000μmの範囲内の値であることが好ましいが、特に10μm〜200μm程度が好適である。流路2bの幅と深さは、マイクロチップ1の用途によって決めれば良い。また、流路2bの断面の形状は矩形状でも良いし、曲面状(少なくとも一部が曲線で画成される形状)でも良い。
次に、マイクロチップを製造する製造方法の一実施形態について説明する。この製造方法は、図2に示す通り、概略、以下の(S1)〜(S5)の工程を備えている。
(S1)基板の母型を準備する(母型準備工程)
(S2)母型を用いて基板の金型を作製する(金型作製工程)
(S2−1)第1材料で電鋳する(第1電鋳工程)
(S2−2)第2材料で電鋳する(第2電鋳工程)
(S2−3)母型と電鋳金型を離型する(母型離型工程)
(S2−4)貫通孔対応部分の第1材料を除去する(除去工程)
(S3)基板を射出成形する(射出成形工程)
(S4)表面改質処理を行う(表面改質工程)
(S5)2枚の基板を接合する(基板接合工程)
以下にこれらの工程を順に説明する。
[S1:母型準備工程]
本実施形態では、母型を作製して準備する。なお、既に作製された母型が存在する場合には、改めて母型を作製する必要はなく、作製済みの母型を準備すればよい。母型の材料は、工具鋼などの金属からなる導電性材料やプラスチックなどの非導電性材料を用いることができる。導電性材料の場合、表面にニッケル・リンめっきを施し、このニッケル・リンめっきの表面に微細加工機で流路などの微細構造を切削して作製する。非導電性材料の場合は、微細構造をフォトリソグラフィで作製し、表面にニッケル等の無電解めっきを行うなどして導電性を付与する。出来上がった母型は純水洗浄などで付着物を除去し、必要に応じて離型性を高めるためにプラズマ照射処理などを施す。
[S2:金型作製工程]
金型作製工程は、母型を第1材料で電鋳する第1電鋳工程S2−1と、その表面にさらに第2材料で電鋳する第2電鋳工程S2−2と、母型と電鋳金型を離型する母型離型工程S2−3と、貫通孔2aに対応する凸型部上の第1材料を除去する除去工程S2−4とを行う。また、必要に応じて出来上がった電鋳金型の裏面にバックアップ材を設けて強度補強しても良い。
第1材料としては、高い転写性を示す純ニッケルや純コバルトを用いる。純ニッケルや純コバルトは電鋳応力が小さいので母型になじみ、その形状を正確に転写することができる。
第2材料は、ニッケル合金やコバルト合金などの、第1材料よりも硬度の高い合金を用いる。具体的には、ニッケル・リン合金、ニッケル・タングステン合金、ニッケル・コバルト合金、ニッケル・鉄合金、ニッケル・クロム合金、コバルト・リン合金、コバルト・タングステン合金、コバルト・鉄合金、コバルト・クロム合金などを用いる。例えば、純ニッケルの硬度がビッカース硬度HV200〜250であるのに対して、ニッケル合金はビッカース硬度HV400〜700の高い硬度を示す。第2材料は、第1材料に比べて電鋳応力が大きく母型に直接電鋳しようとすると、剥離やそりを起こす恐れがあるが、第1材料でまず母型を電鋳しその上に第2材料を電鋳することで両者の接着性が向上し、第2材料も良好に形成(電鋳)できる。また、第2材料部に押圧されるコアピン材料の硬度は、ビッカース硬度HV600〜800程度であるので、ニッケル合金を適宜選択することで、電鋳部材の摩耗を抑制することが出来る。
図3A〜図3Dは、金型作製工程で電鋳金型13を製造する過程を示す図である。図3Aは、母型10を示す図であり、貫通孔2aに対応する後述の突出部13a(図4参照)を形成するための凹部(第2凹部)10aと、流路2bに対応する凹部(第1凹部)10bとを有する。凹部10aは凹部10bよりも深くなっている。
次に図3Bの第1電鋳工程で、前記凹部10a、10bに第1材料を電鋳し、第1電鋳層11を形成する。第1電鋳層11は、凹部10aの底に電着した電鋳層11aと凹部10bに電着した電鋳層11bとからなる。電鋳層11bは、流路2bを成形するための形状部分(第1形状部)となっている。図示しないが凹部10aの内側面にも薄く第1材料が電着している。しかしこの部分に電着した第1材料は後述するように悪影響を与えない。電鋳は、少なくとも流路2bに対応する凹部10bが埋まるだけの時間実施する。
続く図3Cの第2電鋳工程では、第1電鋳層11の上に第2材料で第2電鋳層12を形成する。これにより、第1電鋳層11は第2電鋳層12よりも対向金型(後述の可動金型14)の側に積層された状態となり、第2電鋳層12は、貫通孔2aを成形するための形状部分(第2形状部)を有することとなる。電鋳時間は、少なくとも凹部10aが埋まるだけの時間である。そして、図3Dに示すように、母型10を取り外し、電鋳金型13とする。厚みを必要とする場合や製造に要する時間を短くしたい場合には、図3Dに示すように電鋳金型13の裏面にバックアップ層17を設けて良い。バックアップ層17は、電鋳材よりも硬度が高く、高い強度を持つ板状のものであることが望ましいが、特に材質に限定はなく各種のものを用いることができる。バックアップ層17と電鋳材料(電鋳金型13)との接合は、接着、溶着、溶接、電着、ボルト固定など各種の方法を用いることができる。
最後に、貫通孔2aに対応する部分の第1材料11aを除去する。除去するに際して、貫通孔2aに対応する部分以外の部分をマスキングしてから切削機械で第1材料を除去し、第2材料を露出させる。これにより、第2電鋳層12のうち、貫通孔2aを成形するための形状部分は対向金型に向かって突出し、少なくとも当該電鋳金型13における対向金型との当接面で露出することとなる。ここで、凹部10aの内側面にも第1材料が電鋳されるが、第2材料がその中(内側)に電着し、全体として高硬度の突出部となるので、特に問題にはならない。
このようにして作製された電鋳金型13を図4に示す。図4の流路2bに対応する突出部13bは第1材料で構成され、貫通孔2aに対応する突出部13aは高硬度の第2材料で構成されている。
[S3:射出成形工程]
射出成形工程は、上記金型作製工程で作製した電鋳金型13を用いて、型締工程、射出工程、冷却工程、型開工程、取出しを経て第1基板2を作製する工程である。射出成形工程の型締工程が終わった時点での金型セットの断面状態を図5に示す。なお、図5において、金型13は突出部13a、13bも含めて一体のものとして簡略的に図示してある。
図5において、固定金型13が上記金型作製工程で作製した電鋳金型13であり、貫通孔2aに対応する、第2材料が表面に露出する突出部13aと、流路部分に対応する、第1材料で作られた突出部13bと、を有する。固定金型13に所定距離をおいて対向配置される可動金型14は、コアピン15を挿入する穴(コアピン用貫通孔)16を有し、固定金型13との間に、第1基板の平面部分を形成するための空間部G1と、貫通孔2aの突出部2cを形成するための凹状空間部G2とを形成するようになっている。コアピン15としては、高硬度の工具鋼など各種の材質ものを用いることができ、例えば、モリブデン系高速度工具鋼にJISで分類される材質のもの、具体的にはJIS記号でSKH−51、SKH−55等の材質からなるものを用いることができる。SKH−51は、焼き戻し後でHV800程度の硬度を有する。
コアピン15は、第2材料で作製された突出部13aと丁度突当たるよう位置決めされ、図示しない付勢部材で押圧される。このように、固定金型13、可動金型14、コアピン15によって、マイクロチップ用基板の射出成形用金型セットが構成される。これらを組み立てて固定金型13及び可動金型14を型締し、第1基板2を構成する樹脂を射出注入し、固定金型13及び可動金型14の間に設けられる成形空間に充填し、冷却後、型を開けて取り出す。これにより第1基板2が作製される。なお、第2基板3は、第1基板2と同様にして射出成形で作製してもよいし、延伸などの方法で作製してもよい。市販の樹脂製板材やフィルムを用いてもよい。
[S4:表面改質工程]
2枚の基板ができると、その接合面に表面改質処理を施す。表面改質処理は、必ずしも必要ではないが、後の接合工程で、接合をより強固にすることができる。特に極性の小さなポリエチレンやポリプロピレンなどは接着力が弱いので、表面改質処理は有効である。
表面改質処理は、エキシマ光照射、プラズマ放電、コロナ放電などのエネルギー線照射処理で行うことができる。このようなエネルギー線照射により基板表面を活性化して接着性を向上させるものである。
[S5:基板接合工程]
基板接合工程は、2枚の基板を接合する工程である。接合方法としては、熱接合、レーザー接合、超音波接合、接着剤による接合、有機溶剤による接合などがある。
熱接合、レーザー接合、超音波接合は、いずれも加熱により樹脂を溶融し、冷却して固化させるもので、樹脂材料が熱可塑性樹脂の場合に適用できる。
熱接合は、熱プレス機を用いて、加熱された熱板によって第1基板2と第2基板3とを挟み、熱板によって圧力を加えて所定時間保持することで、両者を接合する。熱プレス機に代えて熱ロール機を用いることもできる。
レーザー接合は、レーザー光により加熱を行うものであり、レーザー光を接合面に集光させレーザースキャニングを行う。レーザー光が集光して接合面の樹脂材料を溶融させ、2つの基板を接合させる。なお、樹脂材料の中にはもともとレーザー光を吸収する成分を含むものがあり、一方の樹脂が使用するレーザーの波長に相当する光を吸収する特性を持つ場合は自ずと接合面で発熱するため、接合面への集光は必須ではない。また、レーザー光吸収成分を含まない樹脂材料の場合は、基板部材の少なくとも一方にレーザー光を吸収する光吸収色素を分散させるか、2枚の樹脂基板の接合する部分(電極近傍以外)に光吸収剤を塗布するかの方法でレーザー光による加熱を行ってもよい。レーザー強度は、例えば0.1W〜20W程度の強度である。
超音波接合は、微細な超音波振動と加圧によって接合面に強力な摩擦熱を発生させ、樹脂を溶融し接合させるものである。超音波接合では、ピエゾ圧電素子からなる振動子を高速振動させ、その振動エネルギーを、ホーンと呼ばれる共鳴体を介して、重ねあわされた第1、第2基板2,3に加圧とともに加えることで接合面に摩擦熱を生じさせ、接合面を極短時間で溶着する。例えば、超音波の周波数は、10kHz〜50kHz程度でよく、溶着時間は1秒以下で行える。
接着剤による接合、有機溶剤による接合は、接着剤や有機溶剤を2つの基板に塗布して接着する工程である。使用する接着剤や有機溶剤は、基板材料の種類に応じて適したものを選ぶ。接着剤、有機溶剤による接合は、上記の熱接合が使えない熱硬化性樹脂などを用いる際に有効である。
図6は、外形の押切り構造について本発明を適用した第2実施形態の金型を型締めした状態を示す断面図である。この図6において、固定金型23が上記金型作製工程に準じて作製した電鋳金型23であり、樹脂成形体(図示せず)としての基板の外形に対応する、第2材料が表面に露出する突出部(押し切り構造)23aと、基板の一方の面(例えば他の基板との接合面)側に設けられる凸部に対応する、第1材料で作られた窪み部23cと、当該一方の面の微細構造部分に対応する、第1材料で作られた突出部23bと、を有する。固定金型23に所定距離をおいて対向配置される可動金型24は、突出部23aに押し当てられる外形枠24aを有し、固定金型23との間に、基板を形成するための空間部G3を形成するようになっている。なお、図では金型23は突出部23a、23bも含めて一体のものとして簡略的に図示してある。この第2の実施形態の金型も上述した製造方法に準じて製造されるものであり、外形枠が強く押付けられる部分は硬度が高い第2材料で形成されている。
図7A〜図7Fは、上記金型作製工程に準じた電鋳金型23の製造過程を示す図である。図7Aは、母型90を示す図であり、基板の外形に対応するための突出部23aを形成する凹部(第2凹部)90aと、基板の一方の面(例えば他の基板との接合面)側に設けられる凸部に対応する窪み部23cを形成するための凸部90cと、流路などの微細構造部分に対応する突出部23bを形成するための凹部(第1凹部)90bとを有する。凹部90aは凹部90bよりも深くなっている。
次に図7Bの第1電鋳工程で、母型90内に第1材料を電鋳し、第1電鋳層81を形成する。第1電鋳層81は、凹部90aの底に電着した電鋳層81aと、凹部90bに電着した電鋳層81bと、凸部90cに電着した電鋳層81cとからなる。電鋳層81bは、基板の微細構造部分を成形するための形状部分(第1形状部)となっている。図示しないが凹部90aの内側面にも第1材料が電着している。しかしこの部分に電着した第1材料は後述するように悪影響を与えない。電鋳は、少なくとも微細構造部分に対応する凹部90bが埋まるだけの時間実施する。
続く図7Cの第2電鋳工程では、第1電鋳層81の上に第2材料で第2電鋳層82を形成する。これにより、第1電鋳層81は第2電鋳層82よりも対向金型の側に積層された状態となり、第2電鋳層82は、基板の外形を成形するための形状部分(第2形状部)を有することとなる。電鋳時間は、少なくとも凹部90aが埋まるだけの時間である。そして、図7D,図7Eに示すように、電鋳金型23(第2電鋳層82)の裏面に必要に応じてバックアップ層17を設けた後、母型90を取り外す。
最後に、図7Fに示すように、基板の外形に対応する部分の第1材料81aを除去することにより(図中の破線参照)、電鋳金型23を得る(図7Fの破線内が図6の電鋳金型23に相当する)。第1材料81aを除去するに際しては、外形に対応する部分以外の部分をマスキングしてから切削機械で第1材料を除去し、第2材料を露出させる。これにより、第2電鋳層82のうち、基板の外形を成形するための形状部分は対向金型に向かって突出し、少なくとも当該電鋳金型23における対向金型との当接面で露出することとなる。ここで、凹部90aの内側面にも第1材料が電鋳されるが、第2材料がその中(内側)に電着し、全体として高硬度の突出部となるので、特に問題にはならない。
次に、上述した実施形態の具体的な実施例について説明する。
本実施例においては、図4に示すように4つの貫通孔用突起部とそれらを連結する2本の交差する流路用突起部とが形成された構成を持つ電鋳金型を以下の手順で作製した。まず、各貫通孔突起部と流路用突起部に対応する凹部を有する母型を用意した。母型としては、STAVAXの表面にニッケル・リンめっきを施したものを用いた。母型の凹部は加工具を用いて精密加工することにより形成し、流路(図1の符号2bに相当)の対応部分は幅30μm、深さ30μm、貫通孔(図1の符号2aに相当)の対応部分は内径2mm、深さ100μmとした。この母型に対してスルファミン酸ニッケル浴で第1材料としての純ニッケルを30μmの厚さに電鋳した。次に、同様にスルファミン酸ニッケル浴で第2材料としてのニッケル・コバルト合金(ニッケルとコバルトの質量比75:25)を100μmの厚さに電鋳した。このように第1材料、第2材料で作製した電鋳金型を母型から取り外し、裏面にエポキシ樹脂によるバックアップ層(図3Dの符号17に相当)を形成した。そして、電鋳金型の貫通孔対応部分以外の部分をマスキングしてから切削機械で第1材料を除去し、貫通孔対応部分の先端に第2材料を露出させた。
このようにして作製した電鋳金型と、この電鋳金型に対向するプリハードン系プラスチック金型鋼(大同特殊鋼社製NAK55)からなる第2金型(可動金型)と、電鋳金型の貫通孔用突出部(図4の符号13aに相当)に対向する位置に設けられた第2金型の穴(図5の符号16に相当)に挿入されるモリブデン系高速度工具鋼SKH−51からなるコアピンとを用いて、2本の交差する流路用溝と4つの貫通孔とを備えるマイクロチップ用の第1基板を射出成形で製作した。第1基板の材料には透明樹脂材料のポリメチルメタクリレート(アクリル系樹脂、旭化成製、デルペット70NH)を使用した。また、第1基板は、外形寸法が幅30mm×幅20mm×厚さ1mmの板状であり、流路は幅30μm、深さ30μmであり、貫通孔は内径2mmとした。
上記第1基板に貼り合わせるための第2基板として、ポリメチルメタクリレート(アクリル系樹脂、旭化成製、デルペット70NH)製の、外形寸法が幅30mm×幅20mm×厚さ1mmの板状部材を用意した。
作製した第1基板と第2基板とを接合するため両者を重ね、その状態で、熱プレス機を用いて、プレス温度82℃に加熱された熱板によって第1基板と第2基板とを挟み、3.72MPaの圧力を加えて、30秒間保持することで、第1基板と第2基板とを接合して、マイクロチップを作製した。
作製したマイクロチップの流路や貫通孔部分を顕微鏡で観察したが、障害となるバリは発生していなかった。また、色つきの試薬を貫通孔から導入し、液の不整流などがないか観察したが、液は良好に均一に流れた。
上記の電鋳金型で、第1基板を1万個作製して1000個毎にマイクロチップのバリ発生を目視で確認するとともに、液の不整流の有無を確認したが、1万個までではその発生は確認されず、高精度のマイクロチップを製造することができた。
なお、明細書、請求の範囲、図面および要約を含む2011年3月17日に出願された日本語特許出願No.2011−58650号の全ての開示は、そのまま本出願の一部に組み込まれる。
以上のように、本発明は、微細構造の高精度の転写性と、バリを生じない正確性と、磨耗が少ない経済性とに優れた射出成形用金型の製造方法、射出成形用金型、射出成形用金型セット、マイクロチップ用基板の製造方法、及びこの金型を用いたマイクロチップ製造方法に適している。
1 マイクロチップ
2 第1基板
2a 貫通孔
2b 流路
2c 突起部
3 第2基板
10 母型
10a、10b 凹部
11 第1電鋳層
12 第2電鋳層
13、23 電鋳金型、固定金型
13a、13b、23a、23b 突出部
14、24 可動金型
15 コアピン

Claims (9)

  1. 微細構造と、貫通孔及び金型の当接面で一方の金型の表面が露出することによって得られる外形のうち少なくとも一方とを有する樹脂成形体を成形するための射出成形用金型の製造方法であって、
    前記微細構造に対応する第1凹部と、前記貫通孔及び前記外形のうち少なくとも一方に対応し該第1凹部より深い第2凹部とを有する母型を準備する工程と、
    前記母型に第1材料で電鋳する第1電鋳工程と、
    前記第1電鋳工程で電鋳した上に、前記第1材料とは異なる第2材料で電鋳する第2電鋳工程と、
    前記第2凹部に電着した前記第1材料を除去して前記貫通孔及び前記外形のうち少なくとも一方を形成するための突出部を形成する除去工程と、を有し、
    前記第1材料は前記第2材料に比べて電鋳応力が小さく、前記第1材料は前記第2材料に比べて母型への密着性が高く、前記第2材料は前記第1材料に比べて硬度が高い
    ことを特徴とする射出成形用金型の製造方法。
  2. 前記第1材料が、純ニッケル又は純コバルトであることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型の製造方法。
  3. 前記第2材料が、ニッケル合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形用金型の製造方法。
  4. 前記第2材料のビッカース硬度が、HV400〜700であることを特徴とする請求項3に記載の射出成形用金型の製造方法。
  5. 対向金型とともに用いられ、貫通孔及び金型の当接面で一方の金型の表面が露出することによって得られる外形のうち少なくとも一方と微細構造とを有する樹脂成形体を成形するための射出成形用金型であって、
    前記微細構造を成形するための第1形状部を有する第1電鋳層と、前記貫通孔及び前記外形のうち少なくとも一方を成形するための第2形状部を有する第2電鋳層と、を備え、
    前記第1電鋳層は、前記第2電鋳層よりも対向金型の側に積層されており、
    前記第2電鋳層の第2形状部は、対向金型に向かって突出し、少なくとも当該射出成形用金型における対向金型との当接面で露出しており、
    前記第1電鋳層を構成する第1材料は前記第2電鋳層を構成する第2材料に比べて電鋳応力が小さく、前記第1材料は前記第2材料に比べて母型への密着性が高く、前記第2材料は前記第1材料に比べて硬度が高い
    ことを特徴とする射出成形用金型。
  6. 前記第2材料のビッカース硬度が、HV400〜700であることを特徴とする請求項5に記載の射出成形用金型。
  7. 請求項5又は6に記載の射出成形用金型を第1金型として含み、
    該第1金型とともに成形空間を形成しかつ前記第1金型の前記第2形状部に対向する位置に、前記第2形状部に押し当てられるコアピンを挿通するための貫通孔及び前記第2形状部に押し当てられる外形枠のうち少なくとも一方を有する第2金型を含むことを特徴とする射出成形用金型セット。
  8. 請求項5又は6に記載の射出成形用金型であって、前記貫通孔を形成するための第2形状部を有する金型を第1金型とし、
    該第1金型に対向して、コアピンを挿通するためのコアピン用貫通孔を有する第2金型を配置し、
    前記第1金型の第2形状部に前記第2金型のコアピン用貫通孔を通してコアピンを突当てて前記第1及び前記第2金型を型締し、
    前記第1金型と前記第2金型との間に設けられる成形空間に成形用樹脂を射出してマイクロチップ用基板を製造する
    ことを特徴とするマイクロチップ用基板の製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法で製造されたマイクロチップ用基板を第1基板とし、該第1基板に第2基板を貼り合わせてマイクロチップを作製することを特徴とするマイクロチップ製造方法。
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