JP2018047614A - 構造体の製造方法、電鋳金型、および成形型 - Google Patents

構造体の製造方法、電鋳金型、および成形型 Download PDF

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Abstract

【課題】構造精度の高い構造体を作製可能な、構造体の製造方法、電鋳金型、および成形型を提供する。【解決手段】電鋳金型210を含む成形型20の成形空間201に樹脂組成物を導入する工程と、樹脂組成物を固化または硬化させる工程とを含む。そして、電鋳金型210は、本体部211および溝形成用凸部213を備える。溝形成用凸部213は、本体部211の第1面212に設けられている。本体部211と溝形成用凸部213とは一つの金属層である。【選択図】図1

Description

本発明は構造体の製造方法、電鋳金型、および成形型に関する。
近年、マイクロ流路チップの開発が重要となっている。マイクロ流路チップでは少量の液状試料の処理又は分析を可能とするため微細な溝が形成され、流体の流れが制御される。したがって、マイクロ流路チップには高い構造精度が要求される。
特許文献1には、電鋳して作製される射出成形用金型を用いて、マイクロチップ用基板を製造することが記載されている。特許文献1に記載の金型において、微細構造用凸部は転写性の高い第1材料で構成され、対向金型との当接面は硬度の高い第2材料で構成される。
特許第5725155号公報
しかし、マイクロ流路チップのさらなる構造精度向上のためには、金型の変形を抑制したり、耐久性を向上させたりする必要があった。
本発明は、構造精度の高い構造体を作製可能な、構造体の製造方法、電鋳金型、および成形型を提供する。
本発明によれば、
液状試料の処理又は分析に用いられる構造体の製造方法であって、
電鋳金型を含む成形型の成形空間に樹脂組成物を導入する工程と、
前記樹脂組成物を固化または硬化させる工程とを含み、
前記電鋳金型は、
本体部と、
前記本体部の第1面に設けられた溝形成用凸部とを備え、
前記本体部と前記溝形成用凸部とは一つの金属層である構造体の製造方法
が提供される。
本発明によれば、
液状試料の処理又は分析に用いられる構造体の製造用の電鋳金型であって、
本体部と、
前記本体部の第1面に設けられた溝形成用凸部とを備え、
前記本体部と前記溝形成用凸部とは一つの金属層である電鋳金型
が提供される。
本発明によれば、
上記の電鋳金型を含む成形型
が提供される。
本発明によれば、構造精度の高い構造体を作製可能な、構造体の製造方法、電鋳金型、および成形型を提供できる。
実施形態に係る成形型の構成を例示する断面図である。 構造体の構造を例示する斜視図である。 はめ込み部材の構成を例示する断面図である。 はめ込み部材の構成を例示する平面図である。 電鋳金型の構成を例示する断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る成形型20の構成を例示する断面図である。本実施形態に係る構造体の製造方法は、液状試料の処理又は分析に用いられる構造体の製造方法である。本方法は、電鋳金型210を含む成形型20の成形空間201に樹脂組成物を導入する工程と、樹脂組成物を固化または硬化させる工程とを含む。そして、電鋳金型210は、本体部および溝形成用凸部を備える。溝形成用凸部は、本体部の第1面に設けられている。本体部と溝形成用凸部とは一つの金属層である。以下に詳しく説明する。
図2は、構造体10の構造を例示する斜視図である。本実施形態に係る構造体10はたとえばマイクロ流路チップである。以下、構造体10をマイクロ流路チップ10とも呼んで、マイクロ流路チップの例について説明するが、構造体はマイクロ流路チップに限定されない。
マイクロ流路チップ10は、液状試料の処理又は分析に用いられる。ここで液状試料としては、液体であれば特に限定されないが、たとえば汗、血液、浸出液、間質液、尿、組織抽出液、液状試薬等が挙げられる。また、液状試料の処理としては、たとえば液状試料内の特定物質の検出、定量や、液状試料の分離、混合等が挙げられる。
マイクロ流路チップ10は、具体的にはたとえば微細な流路、反応層、電気誘導カラム、膜分離機構などの構造が形成された構造体である。具体的には、マイクロ流路チップ10としては、化学、生化学等に広く利用される微細反応デバイス(マイクロリアクター);集積型DNA分析デバイス、微小電気泳動デバイス、微小クロマトグラフィーデバイス等の微小分析デバイス;質量スペクトルや液体クロマトグラフィーなどの分析試料調整用微小デバイス;抽出、膜分離、透析などの物理化学的処理デバイス等が挙げられる。
このようなチップを用いる利点としては、(1)化学反応や抗原抗体反応で使用するサンプルや試薬の使用量、排気量を低減できること、(2)プロセスに必要な動力の低減ができること、(3)体積に対する表面積の比率が向上することにより、熱移動・物質移動の高速化が実現でき、その結果、反応や分離の精密な制御、高速・高効率化、副反応の抑制ができること、(4)同一基板上で多くのサンプルを同時に取り扱うことができること、(5)サンプリングから検出までを同一基板上で実施できること、(6)省スペースで持ち運び可能な安価なシステムが実現できること等が挙げられる。これらの利点を更に促進すべく、より微細な構造を形成することが求められている。一方、流体の流れや動きは流路構造に強く依存することから、所望の微細構造を高い精度で形成することが重要となっている。
本図の例に示すマイクロ流路チップ10は、流路122、流入口123、流出口125、および検出部127を備える。流路122の一部は検出部127を兼ねている。なお、検出部127は流路122の他の部分よりも幅が広くなっていても良い。検査対象とする液体試料は流入口123から導入され、流出口125に向けて流路122内を流れる。たとえば流路122の途中に設けられた検出部127には検出対象物質(たとえば特定のタンパク質)に反応して蛍光を発する物質が固定化されており、検出部127を蛍光顕微鏡や光学系検出器で観察することにより、液体内に検出対象物質が含まれるか否かを、判定することができる。マイクロ流路チップ10は本図の構成に限定されず、その目的に応じて様々な構成を取ることができる。また、マイクロ流路チップ10には、さらに動力機構や制御機構が設けられていても良い。また、検出部127における検出方法は、光学的な原理の方法に限らず、機械的、電気的、化学的な原理の方法であり得る。
溝121は、基材12の少なくとも一方の主面に設けられており、基材12の両方の主面に設けられていても良い。本図の例において、流路122は基材12の一方の面に、底面を有する凹部として形成され、流入口123および流出口125は基材12に貫通孔として形成されている。
溝121は、樹脂フィルム14に覆われている。基材12に設けられた溝121は流路用の溝であり、溝121の開口が樹脂フィルム14で覆われて形成された管状構造を流路122と呼ぶ。なお、溝121の開口は、樹脂フィルムに限らず、たとえば板状等の部材で覆われて流路122が形成されていてもよい。
マイクロ流路チップ10は、たとえば1μm以上1mm以下、好ましくは5μm以上800μm以下、より好ましくは5μm以上500μm以下の幅の溝121により形成された流路122を備える。また、マイクロ流路チップ10は、たとえば1μm以上1mm以下、好ましくは5μm以上800μm以下、より好ましくは5μm以上500μm以下の深さの溝121により形成された流路122を備える。流路122の長さはたとえば1mm以上である。幅や深さが上記下限以上であることにより、工業的に効率良くマイクロ流路チップ10を生産できる。本実施形態に係るマイクロ流路チップ10の製造方法によれば、本体部211と溝形成用凸部213とは一つの金属層である電鋳金型210を用いることにより、流路122が微細であっても精度良くマイクロ流路チップ10を製造できる。一方、幅や深さが上記上限以下であることにより、気泡の残留が抑制され、また、流路122を通る流体を制御しやすくなる。
基材12はたとえば基材形成用樹脂組成物を用いて作製することができる。基材形成用樹脂組成物に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、たとえば(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルアセテート、ビニル−アセテート共重合体、スチレン−メチルメタアクリレート共重合体、アクリルニトリル−スチレン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ナイロン、ポリメチルペンテン、シリコン樹脂、アミノ樹脂、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、およびポリイミドの樹脂材料からなる群から選択された1種以上の樹脂が挙げられる。形状精度、成型性向上の観点から、中でも基材形成用樹脂組成物は(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、およびポリオレフィン系樹脂からなる群から選択された1種以上の樹脂を含むことが好ましい。また、基材形成用樹脂組成物は、顔料、染料、酸化防止剤、難燃剤等の添加物をさらに含有しても良い。
樹脂フィルム14に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアセテート、ビニル−アセテート共重合体、スチレン−メチルメタアクリレート共重合体、アクリルニトリル−スチレン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ナイロン、ポリメチルペンテン、シリコン樹脂、アミノ樹脂、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、およびポリイミド等の樹脂材料からなる群から選択された1種以上の樹脂が挙げられる。樹脂フィルム14としては、市販の樹脂フィルムを用いても良いし、樹脂フィルム形成用樹脂組成物をフィルム状に成型して用いても良い。
樹脂フィルム14の厚さは50μm以上であることが好ましく、60μm以上であることが、より好ましい。また、樹脂フィルム14の厚さは300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。当該厚みが上記上限以下、下限以上であることにより、作業性がよく、基材12と精度良く接合させることができる。
なお、マイクロ流路チップ10の流路設計は検出対象物、利便性を考慮して適宜設計される。マイクロ流路チップ10は、膜、バルブ、センサー、モーター、ミキサー、ギア、クラッチ、マイクロレンズ、電気回路等を備えたり、複合化のため複数本のマイクロチャネルを同一基板上に備えたりしてもよい。
なお、マイクロ流路チップ10の流路の少なくとも一部に、生理活性物質が固定化されていても良い。生理活性物質としては、核酸、タンパク質、糖鎖、糖タンパク等が挙げられる。検出対象物の特性に応じて、適宜、最適な生理活性物質が選択される。また、同一チャネル上に複数の生理活性物質を固定化しても良く、同じマイクロ流路デバイスに別のマイクロチャネルを作製し、それぞれ異なる生理活性物質を固定しても良い。生理活性物質をマイクロ流路デバイスのマイクロチャネル表面に固定化するためにプラスチック表面に表面改質、たとえば官能基の導入、機能材料の固定化、親水性の付与、および疎水性の付与等を実施しても良い。
図3は、はめ込み部材200の構成を例示する断面図であり、図4は、はめ込み部材200の構成を例示する平面図である。図3は図4のA−A断面に相当する。また、図5は、電鋳金型210の構成を例示する断面図である。図5は、図3と同じ断面に相当する。成形型20は、溝121が設けられた基材12を作製するための型である。図1、および図3〜図5を参照し、成形型20について以下に詳しく説明する。
成形型20は第1金型21および第2金型22を含んで構成される。そして、成形空間201は第1金型21と第2金型22の間に構成される。
成形型20には、樹脂組成物を成形空間201に導入するための導入口205が設けられている。導入口205は、成形型20の外面に設けられており、導入路によって成形空間201に繋がっている。本図では、導入口205が第1金型21に設けられている例を示しているが、導入口205は第2金型22に設けられていても良い。
第1金型21は、はめ込み部材200を含んで構成される。第1金型21において、はめ込み部材200は脱着可能に構成されており、はめ込み部材200を交換することにより様々な形状パターンの基材12を容易に作り分けることができる。はめ込み部材200は第1金型21に対してボルトで固定されている。
はめ込み部材200は、電鋳金型210を含んで構成されている。即ち、成形型20は電鋳金型210を含む。また、本図の例において、はめ込み部材200は、受板203、外周ブロック204、および柱状部材215をさらに含んで構成される。
電鋳金型210は、液状試料の処理又は分析に用いられる構造体10の製造用の電鋳金型210である。そして、上記したように、電鋳金型210は、本体部211および溝形成用凸部213を備える。溝形成用凸部213は本体部211の第1面212に設けられている。そして、本体部211と溝形成用凸部213とは一つの金属層である。なお、本体部211と溝形成用凸部213とは一つの金属層であるとは、本体部211と溝形成用凸部213とが結合しており、本体部211の材料と溝形成用凸部213の材料とが同じであることを示している。ただし、プロセス上不可避に生じる不純物密度の違い等は許容される。
溝形成用凸部213は、基材12の溝121を設けるための凸部である。すなわち、溝形成用凸部213は微細な形状を有している。そして、本体部211は電鋳金型210の本体部であり、本体部211の第1面212に溝形成用凸部213が形成されている。言い換えると、本体部211が溝形成用凸部213を保持している。図5において、本体部211と溝形成用凸部213の境界を破線で示している。第1面212は、成形型20において、成形空間201に露出する面であり、成形空間201に導入された樹脂組成物に接する面である。
溝形成用凸部213の形状は図3から図5の例に限定されず、得たい基材12の形状に合わせて設計される。溝形成用凸部213の幅は流路122の幅に相当し、たとえば1μm以上1mm以下、好ましくは5μm以上800μm以下、より好ましくは5μm以上500μm以下である。また、溝形成用凸部213の高さは流路122の深さに相当し、たとえば1μm以上1mm以下、好ましくは5μm以上800μm以下、より好ましくは5μm以上500μm以下である。
電鋳金型210は母型に対して電鋳で形成される。母型は、例えばCu材、ステンレス材等に基材12の溝121に対応する溝を切削により形成することで得られる。一つの母型を繰り返し用いて複数の電鋳金型を容易に作製できる。電鋳金型210は具体的には、母型に対して所定の厚さの金属層を電鋳で形成し、必要に応じて、研磨や貫通孔形成等の二次加工を行うことで得られる。
基材12を形成するための金型を電鋳ではなく削り出しで作製しようとする場合、反転構造の型とするために、金型には溝121に対応する凸部を切削で形成する必要があり、すなわち、溝121に対応する部分以外を削って除去する必要がある。それに対し、本実施形態の電鋳金型210のように、電鋳で金型を形成することにより、容易に金型を準備でき、金型製造時の材料ロスも少ない。また、母型作製のための切削では溝121に対応する溝を掘ればよいため、流路122の曲がり角の内側や流路122の交差部の角に丸みがつかず、鋭い角を出すことが出来る。
くわえて、本実施形態では本体部211と溝形成用凸部213とが一つの金属層であることにより、電鋳金型210が変形しにくく、また、電鋳金型210の耐久性が高くなる。たとえば、本体部211が反ったり撓んだりして溝形成用凸部213が変形するようなことが起こりにくい。特にマイクロ流路チップ10の製造に用いる金型では、たとえば複雑で微細な溝形成用凸部213を有し、高い寸法精度で基材12を作製する必要があるため、本体部211と溝形成用凸部213の一体性を高めたり、本体部211の反りやたわみを防いだりして、変形しにくく、耐久性が高い金型とすることが重要である。したがって、本実施形態に係る電鋳金型210を用いることが特に有効である。
電鋳金型210の形状は特に限定されないが、第1面212に垂直な方向の最大厚みが3mm以上であることが好ましく、5.5mm以上であることがより好ましい。そうすれば、電鋳金型210の電鋳金型の耐久性およびハンドリング性の向上や、変形防止が図れる。なお、電鋳金型210の最大厚みとは、溝形成用凸部213と本体部211とを合わせた最大厚みをいう。一方、電鋳金型210の第1面212に垂直な方向の最大厚みはたとえば10mm以下である。
本体部211および溝形成用凸部213を構成する金属層は特に限定されないが、ニッケルおよびニッケル合金のうち少なくともいずれかを含むことが好ましい。そうすれば、剛性が高く、電鋳金型210の耐久性およびハンドリング性の向上や、変形防止が図れる。また、電鋳で厚い金属層を形成しやすい。
また、電鋳金型210の本体部211には貫通孔214が設けられており、成形型20において貫通孔214には柱状部材215が挿入されている。こうすることで、基材12に貫通孔を設けることができる。貫通孔214に対し柱状部材215はほぼ隙間無く嵌め込まれる。柱状部材215はたとえば頭216を有するピンである。柱状部材215は、基材12の貫通孔に相当する位置において、成形空間201内に突き出るように配置されている。成形型20において、柱状部材215の成形空間201側の先端は、第1面212に対向する第2金型22の面に突き当てられている。第2金型22の材料はたとえばHPM38、STAVAX等の焼き入れ焼き戻し鋼である。柱状部材215はプリハードン鋼等である。柱状部材215の材料は電鋳金型210の材料とは独立に選択することができ、強度の高い材料を選ぶことができる。したがって、第2金型22の面に突き当てられた場合にも柱状部材215の摩耗や変形を少なくすることができる。
電鋳金型210の第1面212に垂直な方向から見て、電鋳金型210の外周は外周ブロック204で囲われている。ただし、電鋳金型210の外周のうち一部は外周ブロック204で囲われていなくても良い。外周ブロック204を用いることで、はめ込み部材200の寸法を電鋳金型210の寸法にかかわらず調整でき、第1金型21に嵌め込むことができる。外周ブロック204の材料はたとえばHPM38、STAVAX等の焼き入れ焼き戻し鋼である。
電鋳金型210および外周ブロック204は、受板203に対してボルト202で固定されている。受板203の材料はたとえばHPM38、STAVAX等の焼き入れ焼き戻し鋼である。受板203は、電鋳金型210の第1面212とは反対側の面に対向している。受板203には、柱状部材215の頭216を収容する凹部206が設けられている。すなわち頭216は凹部206の底部に接触する。たとえば凹部206の深さは頭216の厚さとほぼ同じである。その場合、頭216が電鋳金型210と受板203との間に挟まれることにより、頭216が電鋳金型210に対して押しつけられ、柱状部材215が電鋳金型210に対して固定される。ただし、凹部206の深さは頭216の厚さより大きくても良い。その場合、柱状部材215の成形空間201側の先端が第2金型22に押しつけられ、頭216が凹部206の底部に押しつけられることにより、成形型20に対して柱状部材215が固定される。
また、柱状部材215は、成形型20においてたとえば溝形成用凸部213に接している。そうすることで、基材12において流路122に接続された貫通孔を設けることができ、たとえば流入口123や流出口125として利用できる。
マイクロ流路チップ10の製造方法を以下に説明する。本方法は、一方の表面に溝121が形成された基材12を準備する工程と、基材12の溝121を覆うように基材12の表面に樹脂フィルム14を接合する工程とを含む。
基材12を準備する工程は、上記した電鋳金型210を含む成形型20の成形空間201に樹脂組成物を導入する工程と、樹脂組成物を固化または硬化させる工程とを含む。
具体的にはまず、基材12を準備する工程では、成形型20の成形空間201に基材形成用樹脂組成物を射出成形等の方法で充填する。そして、冷却または加熱硬化等を行って、基材形成用樹脂組成物を固化または硬化させる。その後、固化、または硬化した基材形成用樹脂組成物を成形型20から脱型する。また、必要に応じて不要部分が除去されたり、さらに加熱処理が行われたりしても良い。こうして、溝121が形成された基材12を作製することができる。また、基材12には溝121に加えて、流入口123および流出口125を成す貫通孔が形成される。
次いで、接合する工程では、基材12の溝121を覆うように基材12の表面に樹脂フィルム14を接合し、マイクロ流路チップ10を得る。具体的には、基材12の、溝121を設けた面に樹脂フィルム14を配置して得た積層体を、ヒーターを用いて加熱圧着処理する。また、基材12と樹脂フィルム14とは接着層等により接合されても良い。
なお、基材12を準備する工程の後、接合する工程の前に基材12に対し表面処理を施しても良い。この場合、表面処理は、基材12の、溝121が形成された表面に対し施される。表面処理としては、たとえばプラズマ処理、コロナ放電処理、親水性ポリマーによる表面コート処理が挙げられる。親水性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール(PEG)、エバール(EVOH)、ポバール(PVOH)、またはホスホリルコリン基を有するポリマーを成分とするもの等が挙げられる。これらの表面処理を行うことで、流路122の内壁を親水化し、流れを良くすることができる。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態によれば、電鋳金型210の本体部211と溝形成用凸部213の一体性が高いとともに、本体部211の反りやたわみを防ぐことができる。したがって、電鋳金型210が変形しにくく、また、電鋳金型210の耐久性が高いので、高い寸法精度で微細な構造を有するマイクロ流路チップ10を作製できる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 マイクロ流路チップ(構造体)
12 基材
14 樹脂フィルム
20 成形型
21 第1金型
22 第2金型
121 溝
122 流路
123 流入口
125 流出口
127 検出部
200 はめ込み部材
201 成形空間
202 ボルト
203 受板
204 外周ブロック
205 導入口
210 電鋳金型
211 本体部
213 溝形成用凸部
214 貫通孔
215 柱状部材

Claims (11)

  1. 液状試料の処理又は分析に用いられる構造体の製造方法であって、
    電鋳金型を含む成形型の成形空間に樹脂組成物を導入する工程と、
    前記樹脂組成物を固化または硬化させる工程とを含み、
    前記電鋳金型は、
    本体部と、
    前記本体部の第1面に設けられた溝形成用凸部とを備え、
    前記本体部と前記溝形成用凸部とは一つの金属層である構造体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の構造体の製造方法において、
    前記電鋳金型の最大厚みが5.5mm以上である構造体の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の構造体の製造方法において、
    前記本体部には貫通孔が設けられており、
    前記成形型において前記貫通孔には柱状部材が挿入されている構造体の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の構造体の製造方法において、
    前記金属層はニッケルおよびニッケル合金のうち少なくともいずれかを含む構造体の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の構造体の製造方法において、
    当該構造体は、マイクロ流路チップである構造体の製造方法。
  6. 液状試料の処理又は分析に用いられる構造体の製造用の電鋳金型であって、
    本体部と、
    前記本体部の第1面に設けられた溝形成用凸部とを備え、
    前記本体部と前記溝形成用凸部とは一つの金属層である電鋳金型。
  7. 請求項6に記載の電鋳金型において、
    最大厚みが5.5mm以上である電鋳金型。
  8. 請求項6または7に記載の電鋳金型において、
    前記金属層はニッケルおよびニッケル合金のうち少なくともいずれかを含む電鋳金型。
  9. 請求項6から8のいずれか一項に記載の電鋳金型において、
    前記構造体は、マイクロ流路チップである電鋳金型。
  10. 請求項6から9のいずれか一項に記載の電鋳金型を含む成形型。
  11. 請求項10に記載の成形型において、
    前記本体部には貫通孔が設けられており、
    前記貫通孔には柱状部材が挿入されている成形型。
JP2016184475A 2016-09-21 2016-09-21 構造体の製造方法、電鋳金型、および成形型 Pending JP2018047614A (ja)

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