JP5724990B2 - 電子回路装置 - Google Patents
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Description
図1は、この発明の実施形態による電子回路装置(10)を備える電力変換装置(1)の構成例を示している。電力変換装置(1)は、交流電源(図示を省略)からの入力交流電圧を所定の出力交流電圧に変換してモータ(M)に供給するものであり、電子回路装置(10)の他に、コンバータ部(2)と、電解コンデンサ(3)と、インバータ部(4)と、電流検出回路(5)と、コントローラ(6)とを備えている。この例では、モータ(M)は、三相交流式のモータである。例えば、モータ(M)は、埋込磁石同期モータ(IPM)であり、空気調和機の圧縮機を駆動するために用いられている。
コンバータ部(2)は、入力交流電圧を整流化する。電解コンデンサ(3)は、コンバータ部(2)とインバータ部(4)とを接続する一対の配線(W1,W2)の間に接続され、コンバータ部(2)の出力を平滑化して直流電圧を生成する。インバータ部(4)は、電解コンデンサ(3)によって得られた直流電圧を出力交流電圧(この例では、三相交流電圧)に変換してモータ(M)に供給する。この例では、インバータ部(4)は、6つのスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)と、6つの還流ダイオード(Du,Dv,Dw,Dx,Dy,Dz)とを有している。スイッチング素子(Su,Sv,Sw)とスイッチング素子(Sx,Sy,Sz)との接続点は、モータ(M)の各相のコイル(u相,v相,w相のコイル)にそれぞれ接続されている。還流ダイオード(Du,Dv,Dw,Dx,Dy,Dz)は、それぞれ、スイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)に逆並列に接続されている。
シャント抵抗(13)を含む電子回路装置(10)は、配線(W1)に設けられている。電流検出回路(5)は、シャント抵抗(13)における電位差とシャント抵抗(13)の抵抗値とに基づいて、シャント抵抗(13)に流れる電流の電流値を検出する。なお、シャント抵抗(13)に流れる電流は、モータ(M)に流れる電流に対応している。コントローラ(6)は、電流検出回路(5)によって検出された電流値(すなわち、モータ(M)に流れる電流の電流値)に基づいて、インバータ部(4)のスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)の各々にゲート信号(G)を供給してスイッチング素子(Su,Sv,Sw,Sx,Sy,Sz)のスイッチング動作を制御する。
図2は、電子回路装置(10)の平面構成を示し、図3は、図2のIII-III線における電子回路装置(10)の断面構成を示している。電子回路装置(10)は、絶縁基板(11)と、金属パターン(12a,12b)と、シャント抵抗(13)と、放熱パターン(14)とを備えている。
絶縁基板(11)は、絶縁材料(例えば、セラミックス)で構成されている。また、絶縁基板(11)は、平板状に形成されている。
金属パターン(12a,12b)は、導電性材料(例えば、銅,銅合金,アルミニウム,アルミニウム合金など)によって構成されている。金属パターン(12a)(第1の金属パターン)は、絶縁基板(11)の一方面に形成されている。金属パターン(12b)(第2の金属パターン)は、金属パターン(12a)と所定の間隔を隔てて絶縁基板(11)の一方面に形成されている。この例では、金属パターン(12a)は、図1に示した配線(W1)のうちスイッチング素子(Su,Sv,Sw)に接続された部分(図1のシャント抵抗(13)よりも右側の部分)に相当し、金属パターン(12b)は、図1に示した配線(W1)のうち電解コンデンサ(3)に接続された部分(図1のシャント抵抗(13)よりも左側の部分)に相当する。
シャント抵抗(13)は、矩形状に形成されている。シャント抵抗(13)の長さ方向において互いに対向する端辺部(301a,301b)(第1および第2の端辺部)は、金属パターン(12a,12b)にそれぞれ接続されている。この例では、シャント抵抗(13)の端辺部(301a,301b)には、電極(310a,310b)がそれぞれ形成されている。そして、シャント抵抗(13)の端辺部(301a,301b)は、電極(310a,310b)を挟んで金属パターン(12a,12b)にそれぞれ接続されている。また、シャント抵抗(13)の端辺部(301a,301b)には、電流検出回路(5)へと延びる検出用配線(15,15)がそれぞれ接続されている。
放熱パターン(14)は、導電性材料によって構成されている。また、放熱パターン(14)は、絶縁基板(11)の他方面に形成されている。なお、放熱パターン(14)には、ヒートシンクが接続されていても良い。
金属パターン(12a)のうち中央領域(R100)よりも外側の周辺領域(R110)には、電流ポイント(100)(第1の電流ポイント)が設けられている。金属パターン(12a)の中央領域(R100)は、シャント抵抗(13)の端辺部(301a)(例えば、電極(310a))からシャント抵抗(13)の長さ方向に延びる帯状の領域である。より具体的には、金属パターン(12a)の中央領域(R100)は、シャント抵抗(13)の角部(302a,302a)からシャント抵抗(13)の長さ方向に延びる一対の補助基準線(L110,L110)に挟まれた領域である。電流ポイント(100)は、電流が流れ出すポイント(電流流出ポイント)および電流が流れ込むポイント(電流流入ポイント)のいずれか一方のポイント(この例では、電流流出ポイント)である。
金属パターン(12b)のうち中央領域(R200)よりも外側の周辺領域(R210)には、電流ポイント(200)(第2の電流ポイント)が設けられている。金属パターン(12b)の中央領域(R200)は、シャント抵抗(13)の端辺部(301b)(例えば、電極(310b))からシャント抵抗(13)の長さ方向に帯状に延びている。より具体的には、金属パターン(12b)の中央領域(R200)は、シャント抵抗(13)の角部(302b,302b)からシャント抵抗(13)の長さ方向に延びる一対の補助基準線(L210,L210)に挟まれた領域である。電流ポイント(200)は、電流流出ポイントおよび電流流入ポイントのいずれか他方(この例では、電流流入ポイント)である。この例では、電流ポイント(200)は、電解コンデンサ(3)と配線(W1)との接続点(Nc)に相当する。
次に、図4を参照して、金属パターン(12a)の内側領域(R101)と外側領域(R102)との境界線(L100)を規定する電流ポイント(100)について説明する。図4のように、電流ポイント(100u,100v)は、金属パターン(12a)の周辺領域(R110)に設けられ、電流ポイント(100w)は、金属パターン(12a)の中央領域(R100)に設けられている。直線(L100u)は、電流ポイント(100u)とシャント抵抗(13)の電流ポイント(100u)に最も近い角部(302a)とを結んでいる。また、直線(L100u)は、金属パターン(12a)の中央領域(R101)(より具体的には、電流ポイント(100u)に近いほうの補助基準線(L110)、この例では、図中の上側の補助基準線(L110))に対して傾斜角度(θu)で傾斜している。直線(L100v)は、電流ポイント(100v)とシャント抵抗(13)の電流ポイント(100v)に最も近い角部(302a)とを結んでいる。また、直線(L100v)は、金属パターン(12a)の中央領域(R101)に対して傾斜角度(θv)で傾斜している。傾斜角度(θu)は、傾斜角度(θv)よりも大きくなっている。
次に、図5を参照して、電子回路装置(10)に発生する電流について説明する。この電子回路装置(10)では、金属パターン(12a)の内側領域(R101)におけるビア形成密度が金属パターン(12a)の外側領域(R102)におけるビア形成密度よりも高くなるように、金属パターン(12a)の内側領域(R101)にビア(110,…,110)が形成されているので、金属パターン(12a)の内側領域(R101)のインピーダンスを外側領域(R102)のインピーダンスよりも低くすることができる。これにより、電流ポイント(100)から流れ出した電流が内側領域(R101)に流れ込みやすくなるので、電流ポイント(100)から内側領域(R101)を経由してシャント抵抗(13)に流れ込む電流成分(I101)を増加させることができ、その結果、電流ポイント(100)から外側領域(R102)を経由してシャント抵抗(13)に流れ込む電流成分(I102)を減少させることができる。電流成分(I101)は、シャント抵抗(13)に対してシャント抵抗(13)の長さ方向に流れ込みやすい電流成分であり、電流成分(I102)は、シャント抵抗(13)に対してシャント抵抗(13)の幅方向に流れ込みやすい電流成分である。より具体的には、電流成分(I101)は、シャント抵抗(13)への流入方向を示す電流ベクトル(電流流入ベクトル)のうちシャント抵抗(13)の長さ方向のベクトル成分(長さ方向成分)がシャント抵抗の幅方向のベクトル成分(幅方向成分)よりも大きくなっている電流成分であると云え、電流成分(I102)は、電流流入ベクトルのうち幅方向成分が長さ方向成分よりも大きくなっている電流成分であると云える。
以上のように、金属パターン(12a)の内側領域(R101)におけるビア形成密度が金属パターン(12a)の外側領域(R102)におけるビア形成密度よりも高くなるように、金属パターン(12a)の内側領域(R101)にビア(110,…,110)を形成することにより、金属パターン(12a)の内側領域(R101)のインピーダンスを外側領域(R102)のインピーダンスよりも低くすることができるので、電流ポイント(100)から外側領域(R102)を経由してシャント抵抗(13)に流れ込む電流成分(I102)(すなわち、シャント抵抗(13)の幅方向に流れ込みやすい電流成分)を減少させることができる。これにより、シャント抵抗(13)内においてシャント抵抗(13)の幅方向に流れる電流成分を減少させることができるので、シャント抵抗(13)の幅方向の電位差を低減することができる。したがって、シャント抵抗(13)を用いた電流値検出の誤差を低減することができる。
図6のように、金属パターン(12a)の一方の周辺領域(R110)に電流ポイント(100u)が設けられているだけでなく、金属パターン(12a)の他方の周辺領域(R110)にも電流ポイント(100w)が設けられていても良い。この場合、電流ポイント(100u)だけでなく電流ポイント(100w)も、金属パターン(12a)の内側領域(R101)と外側領域(R102)との境界線(L100)を規定する電流ポイント(100)として選定されることになる。すなわち、金属パターン(12a)の2つの周辺領域(R110,R110)に2つの境界線(L100,L100)がそれぞれ設けられることになる。
なお、以上の説明では、金属パターン(12a,12b)の両方において内側領域(R101,R201)のビア形成密度が外側領域(R102,R202)のビア形成密度よりも高くなるようにビア(110,210)が形成されている場合を例に挙げて説明したが、金属パターン(12a,12b)のうち少なくとも一方において内側領域のビア形成密度が外側領域のビア形成密度よりも高くなるようにビアが形成されていれば、金属パターン(12a,12b)のいずれにもビアが形成されていない場合よりも、シャント抵抗(13)の幅方向の電位差を低減するとともに放熱性を向上させることが可能である。
2 コンバータ部
3 電解コンデンサ
4 インバータ部
5 電流検出回路
6 コントローラ
10 電子回路装置
11 絶縁基板
12a,12b 金属パターン
13 シャント抵抗
14 放熱パターン
100,200 電流ポイント
110,210 ビア
301a,301b 端辺部
302a,302b 角部
310a,310b 電極
R100,R200 中央領域
R101,R201 内側領域
R102,R202 外側領域
L100,L200 境界線
L101,L102 基準線
L201,L202 基準線
Claims (3)
- 所定の間隔を隔てて絶縁基板(11)の一方面に形成された第1および第2の金属パターン(12a,12b)と、
長さ方向において互いに対向する第1および第2の端辺部(301a,301b)が上記第1および第2の金属パターン(12a,12b)にそれぞれ接続された矩形状のシャント抵抗(13)と、
導電性材料によって構成されて上記絶縁基板(11)の他方面に形成された放熱パターン(14)とを備え、
上記第1の金属パターン(12a)のうち上記シャント抵抗(13)の第1の端辺部(301a)から該シャント抵抗(13)の長さ方向に延びる帯状の中央領域(R100)よりも外側の周辺領域(R110)には、電流が流れ出す電流流出ポイントおよび電流が流れ込む電流流入ポイントのいずれか一方である第1の電流ポイント(100)が設けられ、
上記第1の金属パターン(12a)のうち上記第1の電流ポイント(100)と上記シャント抵抗(13)の該第1の電流ポイント(100)に最も近い第1の角部(302a)とを結ぶ第1の境界線(L100)と該シャント抵抗(13)の第1の端辺部(301a)とを二辺とする平行四辺形状の内側領域(R101)には、上記絶縁基板(11)を貫通して該第1の金属パターン(12a)と上記放熱パターン(14)とを接続するビア(110)が形成され、
上記第1の金属パターン(12a)の内側領域(R101)におけるビア形成密度は、該第1の金属パターン(12a)のうち上記シャント抵抗(13)の第1の角部(302a)から該シャント抵抗(13)の幅方向に延びる第1の基準線(L101)と上記第1の電流ポイント(100)から該シャント抵抗(13)の長さ方向に延びる第2の基準線(L102)と上記第1の境界線(L100)とに囲まれた三角形状の外側領域(R102)におけるビア形成密度よりも高くなっている
ことを特徴とする電子回路装置。 - 請求項1において、
上記第1の金属パターン(12a)には、それぞれが上記電流流出ポイントおよび上記電流流入ポイントのいずれか一方である複数の電流ポイント(100u,100v,100w)が設けられ、
上記第1の電流ポイント(100)は、上記第1の金属パターン(12a)に設けられた上記複数の電流ポイント(100u,100v,100w)のうち該金属パターン(12a)の周辺領域(R110)に設けられた2以上の電流ポイント(100u,100v)の中で、該2以上の電流ポイント(100u,100v)と上記シャント抵抗(13)の該2以上の電流ポイント(100u,100v)に最も近い角部(302a)とをそれぞれ結ぶ2以上の直線(L100u,L100v)のうち該第1の金属パターン(12a)の中央領域(R100)に対する傾斜角度が最も大きい直線(L100u)に対応する電流ポイント(100u)である
ことを特徴とする電子回路装置。 - 請求項1または2において、
上記第2の金属パターン(12b)のうち上記シャント抵抗(13)の第2の端辺部(301b)から該シャント抵抗(13)の長さ方向に延びる帯状の中央領域(R200)よりも外側の周辺領域(R210)には、上記電流流出ポイントおよび上記電流流入ポイントのいずれか他方である第2の電流ポイント(200)が設けられ、
上記第2の金属パターン(12b)のうち上記第2の電流ポイント(200)と上記シャント抵抗(13)の該第2の電流ポイント(200)に最も近い第2の角部(302b)とを結ぶ第2の境界線(L200)と該シャント抵抗(13)の第2の端辺部(301b)とを二辺とする平行四辺形状の内側領域(R201)には、上記絶縁基板(11)を貫通して該第2の金属パターン(12b)と上記放熱パターン(14)とを接続するビア(210)が形成され、
上記第2の金属パターン(12b)の内側領域(R201)におけるビア形成密度は、該第2の金属パターン(12b)のうち上記シャント抵抗(13)の第2の角部(302b)から該シャント抵抗(13)の幅方向に延びる第3の基準線(L201)と上記第2の電流ポイント(200)から該シャント抵抗(13)の長さ方向に延びる第4の基準線(L202)と上記第2の境界線(L200)とに囲まれた三角形状の外側領域(R202)におけるビア形成密度よりも高くなっている
ことを特徴とする電子回路装置。
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