JP5724588B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置および照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置および照明装置 Download PDF

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本発明は主に有機エレクトロルミネッセンス素子材料に関し、併せてこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置および照明装置に関する。
従来、発光型の電子ディスプレイデバイスとして、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下、ELDという)がある。ELDの構成要素としては、無機エレクトロルミネッセンス素子や有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)が挙げられる。
無機エレクトロルミネッセンス素子は平面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させるためには交流の高電圧が必要である。
一方、有機EL素子は発光する化合物を含有する発光層を陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・リン光)を利用して発光する素子である。当該有機EL素子は、数V〜数十V程度の電圧で発光が可能であり、さらに自己発光型であるために視野角が広く、視認性が高く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
有機EL素子においては、今後の実用化に向けて、さらに低消費電力で効率よく高輝度に発光する有機EL素子の開発が望まれている。
具体的には、スチルベン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体又はトリススチリルアリーレン誘導体に微量の蛍光体をドープし、発光輝度の向上、素子の長寿命化、また、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これに微量の蛍光体をドープした有機発光層を有する素子、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これにキナクリドン系色素をドープした有機発光層を有する素子等が知られている。
しかしながら、上記のように励起一重項からの発光を用いる場合、一重項励起子と三重項励起子の生成比が1:3であるため発光性励起種の生成確率が25%であり、光の取り出し効率が約20%であるため、外部取り出し量子効率(η)の限界は5%とされている。
一方、励起三重項を使用すると、内部量子効率の上限が100%となるため励起一重項の場合に比べて原理的に発光効率(外部取り出し量子効率)が4倍となり、冷陰極管とほぼ同等の性能が得られる可能性があることから照明用途としても注目されている。
例えば、イリジウム錯体系等重金属錯体、ドーパントとしてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、ドーパントとしてL2Ir(acac)、例えば、(ppy)2Ir(acac)、ドーパントとしてトリス(2−(p−トリル)ピリジン)イリジウム(Ir(ptpy)3),トリス(ベンゾ[h]キノリン)イリジウム(Ir(bzq)3)等を用いた励起三重項の検討が行われている(これらの金属錯体は一般にオルトメタル化イリジウム錯体と呼ばれている)。
いずれの場合も発光素子とした場合の発光輝度や発光効率は、その発光する光がリン光に由来することから、従来の素子に比べ大幅に改良されるものである。
これらりん光発光性ドーパントのホスト化合物として、4,4’−ビス(9−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(m−CP)に代表されるカルバゾール誘導体がよく知られている。
しかしながら、青発光のホスト化合物としては、m−CPやそれらの誘導体が知られているが、効率と寿命を十分満足するに至っていない(例えば、特許文献1、2)。
一方、多環式化合物として、インドロカルバゾール骨格等を持つ化合物が知られている(例えば、特許文献3)。これらを用いることにより、高効率化と耐久性の向上がある程度達成できるものの、さらなる改良が求められていた。
フェノキサジン誘導体を縮環させた化合物(例えば、特許文献4、5)や、P,Siを含む多環式構造を持つ化合物(例えば、特許文献6、7)、フェニルカルバゾール骨格をさらに縮環させた化合物も知られている(例えば、特許文献8、9)。しかしながら、これらの化合物を更に縮環させることで有機EL素子の性能が改良されるという記載はない。
カルバゾールが2つ縮環した構造をもつ化合物も知られているが(例えば、非特許文献1)、これらの化合物を有機EL素子に適用した例は知られていない。
国際公開第03/80760号 国際公開第04/74399号 国際公開第07/063796号 国際公開第07/031165号 国際公開第10/050778号 特表2008−545630号公報 特開2003−243178号公報 米国特許第7,842,405号明細書 国際公開第08/066357号
Journal of the Chemical Society,4492−4494頁(1958年)
以上のとおり、現況においては、いずれの化合物を用いても有機EL素子の本来必要とされる機能を十分に向上させるには至ってはいない。
したがって、本発明の主な目的は、発光効率が高くて発光寿命も長く、駆動電圧が低くてその駆動時の電圧上昇も小さい、という素子自体に本来必要とされる機能を向上させることができる有機エレクトロルミネッセンス素子材料を提供することにあり、併せてこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置および表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によれば、
一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料が提供される。
Figure 0005724588
式(1)中、「X」、「Y」は各々独立にN、P、P=O、P=S、SiArのいずれかを表し、「Z」は単なる結合手またはNAr、O、S、PAr、P(=O)Ar、P(=S)Ar、SiArArのいずれかを表す。
「Ar〜Ar」は芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
「A〜A14」は各々独立にC−Rx1又はNを表し、複数のRx1はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
「Rx1」は各々独立に水素原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシル基、シクロアルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、ウレイド基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキルシリル基又はアリールシリル基、アルキルホスフィノ基又はアリールホスフィノ基、アルキルホスホリル基又はアリールホスホリル基、アルキルチオホスホリル基又はアリールチオホスホリル基から選ばれる何れかの基である。
Figure 0005724588
式(2)中、「X」、「Y」は各々独立に前記一般式(1)におけるX、Yと同義の基を表し、「Z」は前記一般式(1)におけるZと同義の基を表す。
「A15〜A28」は各々独立にC−Rx2又はNを表し、複数のRx2はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
「Rx2」は各々独立に前記一般式(1)におけるRx1と同義の基を表す。
本発明によれば、発光効率が高くて発光寿命も長く、駆動電圧が低くてその駆動時の電圧上昇も小さい、という素子自体に本来必要とされる機能を向上させることができる。
有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。 図1の表示装置の表示部の模式図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《有機EL素子材料(有機エレクトロルミネッセンス素子材料)》
本発明の有機EL素子材料について説明する。
本発明の有機EL素子材料は、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物を含有することを主な特徴とする。
Figure 0005724588
Figure 0005724588
本発明の有機EL素子材料は、好ましくは本発明の有機EL素子の発光層に用いられ、特に好ましくは発光層中のホスト化合物として用いられる。
尚、本発明の有機EL素子の構成層、ホスト化合物等については後に詳細に説明する。
本発明の一般式(1)又は一般式(2)に示す、多環式の縮環構造を持つ化合物を用いることで、高い発光効率と高耐久性(長寿命)を両立することができることがわかった。
カルバゾール骨格を持つ化合物は電子輸送材料やホスト材料として用いられてきたが、その効率および耐久性が課題であった。これらを縮環させ、耐久性の向上を図った多環式化合物はこれまでに多くの化合物が提案されており、これらにより高効率化と耐久性の向上がある程度達成されているものの、実用上は未だ不十分であった。
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、本発明の一般式(1)又は一般式(2)に示す、多環式化合物がさらに縮環した構造を持つ化合物を用いることで、高い発光効率と高耐久性(長寿命)を両立することができることがわかった。
このような効果が発現されるのは、本発明の有機EL材料が一般式(1)又は一般式(2)に表されるような、より剛直な縮環構造を有しているためである。これにより、電荷に対する安定性が向上し、優れた耐久性をもつ化合物を得ることができた。さらにはNやP等のヘテロ原子を含むことで強い電荷輸送性を示し、低電圧で駆動時の電圧上昇が小さく、更にはより高い発光効率を実現することができた。このようにNやP等のヘテロ原子を含むことで電荷輸送性能を調整することができ、最適な電子や正孔の電荷輸送性を発揮させることができ、正孔輸送材料や電子輸送材料として用いることができた。特に発光層に用いた場合には、効率的に励起子の生成とドーパントへのエネルギー移動が起こるため、効率的に再結合が起こり、有機EL材料の劣化を防ぐことができた。これにより、高効率で低電圧なだけでなく、高耐久性との両立も可能となり、更には駆動時の電圧上昇も小さく抑えることが可能となった。
《一般式(1)で表される化合物》
本発明に係る一般式(1)で表される化合物について説明する。
一般式(1)における「X」、「Y」は各々独立にN、P、P=O、P=S、SiArのいずれかを表し、「Z」は単なる結合手またはNAr、O、S、PAr、P(=O)Ar、P(=S)Ar、SiArArのいずれかを表す。
「Ar〜Ar」は各々独立に芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表し、特に芳香族炭化水素基であることが好ましい形態として挙げられる。
「X」、「Y」の好ましい形態としては、XまたはYのいずれかがNである場合にはより正孔の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましい。またXまたはYのいずれかがP、P=O、P=Sの何れかである場合にはより電子の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましく、さらにはP=O又はP=Sであることが好ましく、特にP=Oであることがより好ましい形態として挙げられる。
一方、XまたはYのいずれかがSiArの場合にはより電荷に対する耐久性が向上するため、特に好ましい形態の1つとして挙げられる。特に、XがN、YがP=Oとなる場合には正孔と電子の両方の電荷輸送性を向上させることができるため好ましく、さらにはXがN、YがSiとなる場合には正孔と電子の両方の電荷輸送性を持ち、かつ耐久性が向上するため、特に好ましい形態として挙げられる。
「Z」の好ましい形態としては、ZがNArである場合にはより正孔の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましく、PAr、P(=O)Ar、P(=S)Arの何れかである場合にはより電子の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましく、その場合には特にP(=O)Arであることがより好ましい形態として挙げられる。
一方、ZがSiArArの場合にはより電荷に対する耐久性が向上するため、好ましい形態の1つとして挙げられる。
さらにZが単なる結合手である場合には、特に強い電荷輸送性を発揮し、かつ耐久性が向上するため、最も好ましい形態として挙げられる。
「A〜A14」は各々独立にC−Rx1又はNを表し、複数のRx1はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
〜A14のいずれか1つ以上がNである場合には、電荷輸送性が向上し低電圧で駆動時の電圧上昇を小さく抑えることができるため好ましく、特にA〜A14のいずれかがNであることが好ましい。更にはA〜A14のいずれかがNであることが好ましく、特にA11〜A14のいずれかがNであることがより好ましい形態として挙げられる。
一方、A〜A14がC−Rx1である場合には、電荷輸送性を持つだけでなく、耐久性をより向上させることができるため、最も好ましい形態の1つとして挙げられる。
一般式(1)における「Rx1」は水素又は置換基を表す。
x1で表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(アリール基ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、複素環基(例えば、エポキシ環、アジリジン環、チイラン環、オキセタン環、アゼチジン環、チエタン環、テトラヒドロフラン環、ジオキソラン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、オキサゾリジン環、テトラヒドロチオフェン環、スルホラン環、チアゾリジン環、ε−カプロラクトン環、ε−カプロラクタム環、ピペリジン環、ヘキサヒドロピリダジン環、ヘキサヒドロピリミジン環、ピペラジン環、モルホリン環、テトラヒドロピラン環、1,3−ジオキサン環、1,4−ジオキサン環、トリオキサン環、テトラヒドロチオピラン環、チオモルホリン環、チオモルホリン−1、1−ジオキシド環、ピラノース環、ジアザビシクロ[2,2,2]−オクタン環等)、芳香族複素環基(ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキルシリル基又はアリールシリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、(t)ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、(t)ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリナフチルシリル基、2−ピリジルシリル基等)、アルキルホスフィノ基又はアリールホスフィノ基(ジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジシクロヘキシルホスフィノ基、メチルフェニルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、ジナフチルホスフィノ基、ジ(2−ピリジル)ホスホスフィノ基)、アルキルホスホリル基又はアリールホスホリル基(ジメチルホスホリル基、ジエチルホスホリル基、ジシクロヘキシルホスホリル基、メチルフェニルホスホリル基、ジフェニルホスホリル基、ジナフチルホスホリル基、ジ(2−ピリジル)ホスホリル基)、アルキルチオホスホリル基又はアリールチオホスホリル基(ジメチルチオホスホリル基、ジエチルチオホスホリル基、ジシクロヘキシルチオホスホリル基、メチルフェニルチオホスホリル基、ジフェニルチオホスホリル基、ジナフチルチオホスホリル基、ジ(2−ピリジル)チオホスホリル基)等が挙げられる。
なおこれらの置換基は、さらに上記の置換基によって置換されていてもよいし、また、それらが互いに縮合してさらに環を形成してもよい。
x1としては、アリールシリル基、アリールホスホリル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、ジアリールアミノ基が好ましい置換基としてあげられ、特に窒素原子を含む置換基であることが好ましい。
窒素原子を含む置換基としては、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基、ジアリールアミノ基等が好ましく、特にカルバゾリル基又はカルボリニル基であることが好ましい。
x1が置換基を表す場合、A〜A14のいずれかがC−Rx1であることが好ましく、中でもA〜A14のいずれかがC−Rx1であることが好ましく、特にA12がC−Rx1であることが好ましい形態としてあげられる。
《一般式(2)で表される化合物》
本発明に係る一般式(2)で表される化合物について説明する。
一般式(2)における「X」、「Y」は各々独立にN、P、P=O、P=S、SiArのいずれかを表し、「Z」は単なる結合手またはNAr10、O、S、PAr11、P(=O)Ar12、P(=S)Ar13、SiAr14Ar15のいずれかを表す。
「Ar〜Ar15」は各々独立に前記一般式(1)におけるAr〜Arと同義の基を表し、特に芳香族炭化水素基であることが好ましい形態として挙げられる。
「X」、「Y」の好ましい形態としては、XまたはYのいずれかがNである場合にはより正孔の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましい。またXまたはYのいずれかがP、P=O、P=Sの何れかである場合にはより電子の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましく、さらにはP=O又はP=Sであることが好ましく、特にP=Oであることがより好ましい形態として挙げられる。
一方、XまたはYのいずれかがSiArの場合にはより電荷に対する耐久性が向上するため、特に好ましい形態の1つとして挙げられる。特に、XがN、YがP=Oとなる場合には正孔と電子の両方の電荷輸送性を向上させることができるため好ましく、さらにはXがN、YがSiとなる場合には正孔と電子の両方の電荷輸送性を持ち、かつ耐久性が向上するため、特に好ましい形態として挙げられる。
「Z」の好ましい形態としては、ZがNAr10である場合にはより正孔の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましく、PAr11、P(=O)Ar12、P(=S)Ar13の何れかである場合にはより電子の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましく、その場合には特にP(=O)Ar12であることがより好ましい形態として挙げられる。
一方、ZがSiAr14Ar15の場合にはより電荷に対する耐久性が向上するため、好ましい形態の1つとして挙げられる。
さらにZが単なる結合手である場合には、特に強い電荷輸送性を発揮し、かつ電荷に対する耐久性が向上するため、最も好ましい形態として挙げられる。
「A15〜A28」は各々独立にC−Rx2又はNを表し、複数のRx2はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
15〜A28いずれか1つ以上がNである場合には電荷輸送性が向上し低電圧で駆動時の電圧上昇を小さく抑えることができるため好ましく、特にA18〜A28のいずれかがNであることが好ましい。更にはA22〜A28のいずれかがNであることが好ましく、特にA25〜A28のいずれかがNであることがより好ましい形態として挙げられる。
一方、A15〜A28がC−Rx2である場合には、電荷輸送性を持つだけでなく、耐久性をより向上させることができるため、最も好ましい形態の1つである。
一般式(2)における「Rx2」は水素又は置換基を表す。
x2で表される置換基としては、一般式(1)におけるRx1で表される置換基と同様な置換基等が挙げられる。
中でも、Rx2としては、アリールシリル基、アリールホスホリル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、ジアリールアミノ基が好ましい置換基としてあげられ、特に窒素原子を含む置換基であることが好ましい。
窒素原子を含む置換基としては、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基、ジアリールアミノ基等が好ましいが、特にカルバゾリル基又はカルボリニル基であることが好ましい。
x2が置換基を表す場合、A18〜A28のいずれかがC−Rx2であることが好ましく、中でもA22〜A28のいずれかがC−Rx2であることが好ましく、特にA26がC−Rx2であることが好ましい形態としてあげられる。
上記一般式(1)または一般式(2)の特に好ましい形態は、下記一般式(3)または一般式(4)で表される。
Figure 0005724588
Figure 0005724588
《一般式(3)で表される化合物》
本発明に係る一般式(3)で表される化合物について説明する。
一般式(3)における「X」、「Y」は各々独立にN、P、P=O、P=S、SiArのいずれかを表す。
「Ar」は各々独立に前記一般式(1)におけるAr〜Arと同義の基を表し、特に芳香族炭化水素基であることが好ましい形態として挙げられる。
「X」、「Y」の好ましい形態としては、XまたはYのいずれかがNである場合にはより正孔の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましい。またXまたはYのいずれかがP、P=O、P=Sの何れかである場合にはより電子の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましく、さらにはP=O又はP=Sであることが好ましく、特にP=Oであることがより好ましい形態として挙げられる。
一方、XまたはYのいずれかがSiArの場合にはより電荷に対する耐久性が向上するため、特に好ましい形態の1つとして挙げられる。特に、XがN、YがP=Oとなる場合には正孔と電子の両方の電荷輸送性を向上させることができるため好ましく、さらにはXがN、YがSiとなる場合には正孔と電子の両方の電荷輸送性を持ち、かつ耐久性が向上するため、特に好ましい形態として挙げられる。
「A29〜A42」は各々独立にC−Rx3又はNを表し、複数のRx3はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
29〜A42いずれか1つ以上がNである場合には電荷輸送性が向上し低電圧で駆動時の電圧上昇を小さく抑えることができるため好ましく、特にA33〜A42のいずれかがNであることが好ましい。更にはA37〜A42のいずれかがNであることが好ましく、特にA39〜A42のいずれかがNであることがより好ましい形態として挙げられる。
一方、A29〜A42がC−Rx3である場合には、電荷輸送性を持つだけでなく、耐久性をより向上させることができるため、最も好ましい形態の1つである。
一般式(3)における「RX3」は水素又は置換基を表す。
X3で表される置換基としては、一般式(1)におけるRX1で表される置換基と同様な置換基等が挙げられる。
中でも、RX3としては、アリールシリル基、アリールホスホリル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、ジアリールアミノ基が好ましい置換基としてあげられ、特に窒素原子を含む置換基であることが好ましい。
窒素原子を含む置換基としては、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基、ジアリールアミノ基等が好ましいが、特にカルバゾリル基又はカルボリニル基であることが好ましい。
x3が置換基を表す場合、A33〜A42のいずれかがC−Rx3であることが好ましく、中でもA37〜A42のいずれかがC−Rx3であることが好ましく、特にA40がC−Rx3であることが好ましい形態としてあげられる。
《一般式(4)で表される化合物》
本発明に係る一般式(4)で表される化合物について説明する。
一般式(4)における「X」、「Y」は各々独立にN、P、P=O、P=S、SiAr16のいずれかを表す。
「Ar16」は各々独立に前記一般式(1)におけるAr〜Arと同義の基を表し、特に芳香族炭化水素基であることが好ましい形態として挙げられる。
「X」、「Y」の好ましい形態としては、XまたはYのいずれかがNである場合にはより正孔の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましい。またXまたはYのいずれかがP、P=O、P=Sの何れかである場合にはより電子の電荷輸送性・注入性が向上するため好ましく、さらにはP=O又はP=Sであることが好ましく、特にP=Oであることがより好ましい形態として挙げられる。
一方、XまたはYのいずれかがSiAr16の場合にはより電荷に対する耐久性が向上するため、特に好ましい形態の1つとして挙げられる。特に、XがN、YがP=Oとなる場合には正孔と電子の両方の電荷輸送性を向上させることができるため好ましく、さらにはXがN、YがSiとなる場合には正孔と電子の両方の電荷輸送性を持ち、かつ耐久性が向上するため、特に好ましい形態として挙げられる。
「A29〜A42」は各々独立にC−Rx4又はNを表し、複数のRx4はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
43〜A56いずれか1つ以上がNである場合には電荷輸送性が向上し低電圧で駆動時の電圧上昇を小さく抑えることができるため好ましく、特にA46〜A56のいずれかがNであることが好ましい。更にはA50〜A56のいずれかがNであることが好ましく、特にA53〜A56のいずれかがNであることがより好ましい形態として挙げられる。
一方、A43〜A46がC−Rx4である場合には、電荷輸送性を持つだけでなく、耐久性をより向上させることができるため、最も好ましい形態の1つである。
一般式(4)における「Rx4」は水素又は置換基を表す。
x4で表される置換基としては、一般式(1)におけるRx1で表される置換基と同様な置換基等が挙げられる。
中でも、Rx4としては、アリールシリル基、アリールホスホリル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、ジアリールアミノ基が好ましい置換基としてあげられ、特に窒素原子を含む置換基であることが好ましい。
窒素原子を含む置換基としては、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基、ジアリールアミノ基等が好ましいが、特にカルバゾリル基又はカルボリニル基であることが好ましい。
x3が置換基を表す場合、A46〜A56のいずれかがC−Rx4であることが好ましく、中でもA50〜A56のいずれかがC−Rx4であることが好ましく、特にA54がC−Rx4であることが好ましい形態としてあげられる。
以下に、本発明に係る化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0005724588
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以下、本発明に係る一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の合成の一例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
《合成例;例示化合物2−107の合成》
Figure 0005724588
(1)中間体1の合成
2−アミノビフェニル10.0g(50mmol)、2−ニトロビフェニル8.5g(50mmol)、水酸化カリウム8.4g(150mmol)をトルエン80mlに加え、24時間加熱還流を行った。反応液を室温まで冷却したのち、析出した固体をろ取し、乾燥させた。得られた固体をジクロロメタンで再結晶し、中間体1を黄色固体として3.5g(収率20%)得た。中間体1は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
(2)例示化合物2−107の合成
3.5g(10mmol)の中間体1と10%パラジウム/炭素5gを撹拌し、水素気流下で350℃で6時間加熱した。反応液を室温まで冷却したのち、固体をろ別し、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた固体をキシレンで再結晶し、例示化合物2−107を黄色固体として1.85g(収率56%)得た。構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
《合成例;例示化合物1−106と例示化合物2−107の合成》
Figure 0005724588
(1)中間体2の合成
上記において、中間体2は、例えば、Chem.Ber.,127(1994),1723−1728ページ等に記載の方法を適用することにより合成できる。
(2)中間体3の合成
9.1g(50mmol)の中間体2、1、2−ジブロモベンゼン70g(300mmol)、銅粉5g、炭酸カリウム27.6g(200mmol)を窒素気流下200℃で12時間加熱した。反応液を室温まで冷却したのち、銅をろ別し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体3を16.7g(収率68%)得た。中間体3は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
(3)例示化合物1−106と例示化合物2−107の合成
窒素気流下、16.7g(34mmol)の中間体3、酢酸パラジウム1.5g(6.8mmol)、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート5g(13.6mmol)、炭酸カリウム18.8g(136mmol)、ジメチルアセトアミド170mlを加え、6間加熱環流を行った。反応液を室温まで冷却した後、固体をろ別し、ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、例示化合物1−106を2.9g(収率26%)と、例示化合物2−107を3.8g(収率34%)得た。例示化合物1−106と例示化合物2−107の構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
《合成例;例示化合物1−122と例示化合物2−113の合成》
Figure 0005724588
(1)中間体4の合成
窒素気流下、酢酸パラジウム2.0g(9mmol)、トリブチルホスフィンの50%キシレン溶液15mlを加え、室温で30分間撹拌した。続いて、脱水キシレン300ml、1,2−ジブロモベンゼン42.5g(180mmol)、ベンジルアミン9.6g(90mmol)、ナトリウムt−ブチラート25.9g(270mmol)を加え、7間加熱環流を行った。反応液を室温まで冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体4を24.8g(収率66%)得た。構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
(2)中間体5の合成
窒素気流下、1,2−ジブロモベンゼン24g(100mmol)、マグネシウム2.4g(100mmol)、テトラヒドロフラン200mlを加え、1時間撹拌した。この反応溶液を0℃に冷却した後、トリクロロフェニルシラン21g(100mmol)のテトラヒドロフラン溶液100mlをゆっくりと滴下した。反応液を室温に戻し、撹拌を3時間行った。窒素下で固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物19.9g(収率60%)はこれ以上の精製は行わず、次の反応へと用いた。
(3)中間体6の合成
窒素気流下、24.8gの中間体4(60mmol)のテトラヒドロフラン溶液200mlを0℃に冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mol/L)76mlをゆっくりと滴下し、1時間撹拌を行った。この反応溶液に19.9gの中間体5(60mmol)のテトラヒドロフラン溶液100mlをゆっくりと滴下した。反応液を室温に戻した後、4時間加熱環流を行った。反応液を室温に戻し、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体6を19.0g(収率61%)得た。構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
(4)中間体7の合成
窒素気流下、19.0g(37mmol)の中間体6、酢酸パラジウム0.83g(3.7mmol)、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート2.7g(7.4mmol)、炭酸カリウム10.2g(74mmol)、ジメチルアセトアミド120mlを加え、7時間加熱環流を行った。反応液を室温まで冷却した後、固体をろ別し、ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体7を12.0g(収率75%)得た。中間体7の構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
(5)中間体8の合成
12.0g(27mmol)の中間体7、10%パラジウム/炭素5gにジクロロメタン150ml、酢酸150mlを加え、水素気流下で6時間撹拌した。固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体8を6.8g(収率72%)得た。中間体8の構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
(6)中間体9の合成
6.8g(19mmol)の中間体8、1、2−ジブロモベンゼン26.9g(114mmol)、銅粉1.8g、炭酸カリウム5.2g(38mmol)を窒素気流下200℃で12時間加熱した。反応液を室温まで冷却したのち、銅をろ別し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体9を6.2g(収率65%)得た。中間体9は、核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで構造を確認した。
(7)例示化合物1−122と例示化合物2−113の合成
窒素気流下、6.2g(12mmol)の中間体9、酢酸パラジウム0.27g(1.2mmol)、トリシクロヘキシルホスホニウムテトラフルオロボラート0.88g(2.4mmol)、炭酸カリウム3.3g(24mmol)、ジメチルアセトアミド120mlを加え、7間加熱環流を行った。反応液を室温まで冷却した後、固体をろ別し、ろ液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、例示化合物1−122を1.2g(収率23%)と、例示化合物2−113を1.92g(収率38%)得た。例示化合物1−122と例示化合物2−113の構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
《合成例;例示化合物1−126の合成》
Figure 0005724588
(1)中間体10の合成
1.2g(2.8mmol)の例示化合物1−122のジクロロメタン溶液28mlにN−ブロモスクシンイミド0.50g(2.8mmol)を加え、室温で6時間拡散した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体10を1.0g(収率74%)得た。構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
(2)例示化合物1−126の合成
窒素気流下、酢酸パラジウム90mg(0.40mmol)、トリブチルホスフィンの50%キシレン溶液0.6mlを加え、室温で30分間撹拌した。続いて、脱水キシレン7ml、1.0g(2.0mmol)の中間体10、カルバゾール350mg(2.1mmol)、ナトリウムt−ブチラート0.58g(6.0mmol)を加え、7間加熱環流を行った。反応液を室温まで冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、例示化合物1−126を1.0g(収率88%)得た。構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
《合成例;例示化合物2−74の合成》
Figure 0005724588
(1)中間体11の合成
窒素気流下、2,2’,5−トリブロモビフェニル39g(100mmol)のテトラヒドロフラン溶液330mlを−78℃に冷却した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.65mol/L)122mlをゆっくりと滴下し、1時間撹拌を行った。この反応溶液三塩化リン8.7ml(100mmol)をゆっくりと滴下した。反応液を室温に戻した後、1時間加熱環流を行った。窒素下で固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物15.2g(収率51%)はこれ以上の精製は行わず、次の反応へと用いた。
(2)中間体12の合成
窒素気流下、1,3−ジブロモ−2−ニトロベンゼン14g(51mmol)、マグネシウム1.2g(51mmol)、テトラヒドロフラン100mlを加え、1時間撹拌した。この反応溶液を0℃に冷却した後、15.2g(51mmol)の中間体11のテトラヒドロフラン溶液70mlをゆっくりと滴下した。反応液を室温に戻し、撹拌を3時間行った。反応液に水を加え、固体をろ別し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、11.6g(収率49%)の固体を得た。
上記で得られた固体11.6g(25mmol)の酢酸エチル溶液80mlを0℃に冷却し、35%過酸化水素水溶液10mlをゆっくりと滴下した。反応液を室温に戻し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体12を10.8g(収率90%)得た。構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
(3)中間体13の合成
窒素気流下、酢酸パラジウム0.52g(2.3mmol)、トリブチルホスフィンの50%キシレン溶液4.3mlを加え、室温で30分間撹拌した。続いて、脱水キシレン80ml、10.8g(23mmol)の中間体12、2−ブロモフェニルアニリン5.7g(23mmol)、ナトリウムt−ブチラート6.6g(69mmol)を加え、7時間加熱環流を行った。反応液を室温まで冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体13を4.6g(収率31%)得た。構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
(4)中間体14の合成
4.6g(7.1mmol)の中間体13、10%パラジウム/炭素2gにエタノール75mlを加え、水素気流下で6時間撹拌した。固体をろ別し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体14を3.9g(収率89%)得た。中間体8の構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
(5)例示化合物2−74の合成
窒素気流下、酢酸パラジウム282mg(1.3mmol)、トリブチルホスフィンの50%キシレン溶液6mlを加え、室温で30分間撹拌した。続いて、脱水キシレン63ml、3.9g(6.3mmol)の中間体14、ナトリウムt−ブチラート3.6g(38mmol)を加え、6時間加熱環流を行った。反応液を室温まで冷却した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層は水洗を繰り返し、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、例示化合物2−74を1.46g(収率51%)得た。構造は核磁気共鳴スペクトル、マススペクトルで確認した。
《有機EL素子の構成層》
本発明の有機EL素子の構成層について説明する。
本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
本発明では、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物は、有機EL素子の各層いずれに含有されても良いが、中でも正孔輸送層、発光層、電子輸送層のいずれか1つ以上の層に含有されることが好ましく、発光層又は電子輸送層に含有されることがより好ましい。
更には、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物は、発光層に含有されることがより好ましく、特に発光層中のホスト化合物として含有されることがもっとも好ましい。
本発明の有機EL素子においては、青色発光層の発光極大波長は430〜480nmにあるものが好ましく、緑色発光層は発光極大波長が510〜550nm、赤色発光層は発光極大波長が600〜640nmの範囲にある単色発光層であることが好ましく、これらを用いた表示装置であることが好ましい。
また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよい。さらに、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。本発明の有機EL素子としては白色発光であることが好ましく、これらを用いた照明装置であることが好ましい。
本発明の有機EL素子を構成する各層について説明する。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、電子輸送層は単層又は複数層設けることができる。
単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有するものであり、その材料としては本発明に係る電子輸送材料を用いることにより本発明の効果を奏することができるが、その他に、本発明に係る電子輸送材料の効果を損なわない範囲において、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して併用することもでき、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、挙げることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を挙げることもできる。
また8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、挙げることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、挙げることができる。また、ジスチリルピラジン誘導体も、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も挙げることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。
電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。
電子輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層として用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
このようなn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《発光層》
発光層は、電極又は電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧を印加するのを防止し、かつ、駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、2nm〜5μmの範囲に調整されるのが好ましく、2nm〜200nmの範囲に調整されるのがさらに好ましく、10nm〜80nmの範囲に調整されるのが特に好ましい。
発光層の作製には、後述するホスト化合物や発光ドーパントを、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。
本発明の有機EL素子の発光層は、発光ホスト化合物と、発光ドーパント(リン光ドーパント(リン光発光性ドーパントともいう)や蛍光ドーパント等)の少なくとも1種類とを、含有することが好ましい。
(1)ホスト化合物(発光ホスト等ともいう)
本発明に用いられる発光ホスト化合物としては、構造的には特に制限はないが、代表的にはカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族ボラン誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するもの、又は、カルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも1つの炭素原子が窒素原子で置換されているものを表す。)等が挙げられる。
本発明においてホスト化合物は、発光層に含有される化合物の内でその層中での質量比が20%以上でかつ室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が0.1未満の化合物と定義される。
ホスト化合物はリン光量子収率が好ましくは0.01未満である。
ホスト化合物は、発光層に含有される化合物の中で、その層中での質量比が20%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、上記のホスト化合物を単独で用いてもよく、又は複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。
また、前記の一般式(1)で表される部分構造を含む化合物、また後述する発光ドーパントを複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
また、本発明に用いられる発光ホストとしては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でも良い。
併用してもよい公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ発光の長波長化を防ぎ、なお且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等
(2)発光ドーパント
発光ドーパントについて説明する。
発光ドーパントとしては、リン光ドーパント(リン光発光体、リン光性化合物、リン光発光性化合物等ともいう)、蛍光ドーパント(蛍光性化合物ともいう)を用いることができる。
より発光効率の高い有機EL素子を得る観点からは、本発明の有機EL素子の発光層や発光ユニットに使用される発光ドーパント(単に、発光材料ということもある)としては、前記の一般式(1)で表される部分構造を含む化合物をリン光ドーパントとして含有するのが好ましい。
(2.1)リン光ドーパント
本発明に係るリン光ドーパントについて説明する。
本発明に係るリン光ドーパントは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。
溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に係るリン光ドーパントは、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
リン光ドーパントの発光原理としては2種挙げられる。
その1つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光ドーパントに移動させることでリン光ドーパントからの発光を得るというエネルギー移動型であり、もう1つはリン光ドーパントがキャリアトラップとなり、リン光ドーパント上でキャリアの再結合が起こりリン光ドーパントからの発光が得られるというキャリアトラップ型である。
いずれの発光原理の場合においても、リン光ドーパントの励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件となる。
本発明に係るリン光ドーパントは、リン光発光性の金属錯体であり、好ましくは元素周期表で8族〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、又は白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明においては、有機EL素子の発光層に使用される公知のリン光ドーパントを用いることができる。
以下に、リン光ドーパントとして用いられる公知の化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻、1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
Figure 0005724588
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(2.2)蛍光ドーパント(蛍光性化合物ともいう)
蛍光ドーパント(蛍光性化合物)としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
次に、本発明の有機EL素子の構成層として用いられる、注入層、阻止層、電子輸送層等について説明する。
《注入層:電子注入層、正孔注入層》
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層又は正孔輸送層との間、及び陰極と発光層又は電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係わる正孔阻止層として用いることができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
正孔阻止層には、前述のホスト化合物として挙げたカルバゾール誘導体、またカルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体を含有することが好ましい。
また、本発明においては、複数の発光色の異なる複数の発光層を有する場合、その発光極大波長が最も短波にある発光層が、全発光層中、最も陽極に近いことが好ましいが、このような場合、該最短波層と該層の次に陽極に近い発光層との間に正孔阻止層を追加して設けることが好ましい。さらには、該位置に設けられる正孔阻止層に含有される化合物の50質量%以上が、前記最短波発光層のホスト化合物に対しそのイオン化ポテンシャルが0.3eV以上大きいことが好ましい。
イオン化ポテンシャルは化合物のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、例えば下記に示すような方法により求めることができる。
(1)米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian98(Gaussian98、Revision A.11.4,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,2002.)を用い、キーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いて構造最適化を行うことにより算出した値(eV単位換算値)の小数点第2位を四捨五入した値としてイオン化ポテンシャルを求めることができる。この計算値が有効な背景には、この手法で求めた計算値と実験値の相関が高いためである。
(2)イオン化ポテンシャルは光電子分光法で直接測定する方法により求めることもできる。例えば、理研計器社製の低エネルギー電子分光装置「Model AC−1」を用いて、あるいは紫外光電子分光として知られている方法を好適に用いることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。
本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては、好ましくは3〜100nmであり、さらに好ましくは5〜30nmである。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。
正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、所謂p型正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることからこれらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。
正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。
この正孔輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報の各公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。
このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。
この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。
さらに膜厚は材料にもよるが、通常は、10〜1000nmの範囲であり、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《支持基板》
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。
支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、10−3cm/(m・24h・atm)以下、(1atmは、1.01325×10Paである)水蒸気透過度が10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましく、前記の水蒸気透過度が10−5g/(m・24h)以下であることがさらに好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
不透明な支持基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は、1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を、蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
《封止》
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されておればよく、凹板状でも平板状でもよい。また透明性、電気絶縁性は特に問わない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板(フィルム)、金属板(フィルム)等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属又は合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。さらには、ポリマーフィルムは、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3cm/(m・24h・atm)以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が1×10−3g/(m・24h)以下のものであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。
さらに該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また真空とすることも可能である。
また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。
これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《光取り出し》
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4,774,435号明細書)、基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)、素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号公報)、基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号公報)、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号公報)、基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)等がある。
本発明においては、これらの方法を本発明の有機EL素子と組み合わせて用いることができるが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、あるいは基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることができる。
本発明はこれらの手段を組み合わせることにより、さらに高輝度あるいは耐久性に優れた素子を得ることができる。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚みで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど外部への取り出し効率が高くなる。
低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマー等が挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。また、さらに1.35以下であることが好ましい。
また、低屈折率媒質の厚みは媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは低屈折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
全反射を起こす界面もしくはいずれかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は回折格子が1次の回折や2次の回折といった所謂ブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることができる性質を利用して、発光層から発生した光のうち層間での全反射等により外に出ることができない光を、いずれかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。
導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述の通り、いずれかの層間もしくは媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。
このとき、回折格子の周期は媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度が好ましい。
回折格子の配列は正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状等、2次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
《集光シート》
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10μm〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば、液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。このようなシートとして、例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)等を用いることができる。プリズムシートの形状としては、例えば、基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。
また、発光素子からの光放射角を制御するために、光拡散板・フィルムを集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)等を用いることができる。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法を説明する。
まず、適当な支持基板上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ陽極を作製する。
次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層の有機化合物薄膜を形成させる。
これら各層の形成方法としては、前記の如く蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、本発明においてはウェットプロセスが好ましく、中でも、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等の塗布法による成膜が好ましい。
本発明に係る有機EL材料を溶解又は分散する液媒体としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有機溶媒を用いることができる。また分散方法としては、超音波、高剪断力分散やメディア分散等の分散方法により分散することができる。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは、50nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
《用途》
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。
発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の有機EL素子においては、必要に応じ成膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。
パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよいし、電極と発光層をパターニングしてもよいし、素子全層をパターニングしてもよく、素子の作製においては、従来公知の方法を用いることができる。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
また、本発明の有機EL素子が白色素子の場合には、白色とは、2度視野角正面輝度を上記方法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.1の領域内にあることを言う。
本発明を具体的な実施態様を示しさらに説明するが、無論、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではない。
《有機EL素子1−1の作製》
有機EL素子を以下のように作製した。
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行なった。
その後、この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPDを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにCBPを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにリン光性化合物Ir(ppy)を100mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにバソキュプロイン(BCP)を200mg入れ、さらに別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlqを200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
Figure 0005724588
その後、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/secで透明支持基板に蒸着し、膜厚25nmの正孔輸送層を設けた。
さらに、CBPとリン光性化合物Ir(ppy)の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/sec、0.012nm/secで前記正孔輸送層上に共蒸着して膜厚35nmの発光層を設けた。
さらに、BCPの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/secで前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止の役割も兼ねた電子輸送層を設けた。
その上に、さらに、Alqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/secで前記電子輸送層の上に蒸着してさらに膜厚40nmの電子注入層を設けた。
なお、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層の形成時(蒸着時)の基板温度は室温とした。
引き続き、フッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、「有機EL素子1−1」を作製した。
《有機EL素子1−2〜1−34の作製》
有機EL素子1−1の作製において、表1に記載のよう発光層のCBPを表1に示す化合物に置き換えた。
それ以外は同様にして、「有機EL素子1−2〜1−34」を作製した。
なお、比較化合物1〜5として下記のものを用いた。
Figure 0005724588
《有機EL素子の評価》
以下のようにして有機EL素子の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
(1)発光効率
有機EL素子1−1は、初期駆動電圧3Vで電流が流れ始め、発光層のドーパントであるリン光性化合物からの緑色の発光を示した。
当該有機EL素子1−1を含む各有機EL素子について、23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で10V直流電圧を印加した時の発光効率(lm/W)を測定した。発光効率の測定結果は有機EL素子1−1を100とした時の相対値で表した。
(2)耐久性
各有機EL素子について、2.5mA/cmの一定電流で駆動したときに初期輝度が元の半分に低下するのに要した時間(半減寿命時間)を測定し、これを指標として耐久性を評価した。
半減寿命時間は有機EL素子1−1を100とした時の相対値で表した。
(3)駆動電圧
各有機EL素子を、室温下(約23〜25℃)において、2.5mA/cmの定電流条件で駆動させ、その時の電圧を測定した。
各有機EL素子の測定結果を、下記に示すように、有機EL素子1−1(比較)を100として各々相対値で示した。
駆動電圧=(各素子の初期駆動電圧/有機EL素子1−1の初期駆動電圧)×100
なお、相対値が小さいほど比較例(有機EL素子1−1)に対して駆動電圧が小さいことを示す。
(4)駆動電圧の経時変化
各有機EL素子を、室温下において、2.5mA/cmの定電流条件で連続点灯させ、初期輝度の70%の輝度となった時の駆動電圧を測定した。
各有機EL素子の測定結果を、下記に示すように、有機EL素子1−1(比較)が100となるように各々相対値で示した。
駆動電圧変化1=有機EL素子1−1の輝度70%時の駆動電圧/有機EL素子1−1の初期駆動電圧
各素子の駆動電圧変化=各素子の輝度70%時の駆動電圧/各素子の初期駆動電圧
駆動電圧変化(τ1/7)=各素子の駆動電圧変化/駆動電圧変化1×100
Figure 0005724588
(5)まとめ
表1に示すとおり、有機EL素子1−1〜1−6と有機EL素子1−7〜1−34とを比較すると、有機EL素子1−7〜1−34は、発光効率に優れ、耐久性が高く長寿命化が達成され、更には駆動電圧やその経時変化率が低下していることがわかる。
以上から、一般式(1)または一般式(2)の化合物をホスト化合物として使用することは、発光効率の向上や発光寿命の長寿化、駆動電圧の低下、駆動時の電圧上昇の抑制を実現するうえで、有用であることがわかる。
また、有機EL素子材料をより好ましい様態(例えば、好ましい置換基、該置換基の数等)とすれば、より高い効率と寿命を両立させられることが分かる。
実施例1の有機EL素子1−1のリン光性化合物Ir(ppy)をIr−15に、CBPを表2に示す化合物に置き換えた。
それ以外は全く同じ方法で「有機EL素子2−1〜2−34」を作製した。
青色の発光を示すこれらの素子について、実施例1と同様の方法で発光効率、耐久性、駆動電圧およびその経時変化率を測定した。得られた結果を表2に示す。
Figure 0005724588
表2に示すとおり、リン光性化合物の種類を変更し発光色を変えても、実施例1と同様の結果が得られ、特に発光寿命が顕著に向上していた。
実施例1の有機EL素子1−1の正孔輸送層および電子輸送層を表3に示す化合物に置き換えた。
それ以外は全く同じ方法で「有機EL素子3−1〜3−25」を作製した。
緑色の発光を示すこれらの素子について、実施例1と同様の方法で発光効率、耐久性、駆動電圧およびその経時変化率を測定した。得られた結果を表3に示す。
Figure 0005724588
表3に示すとおり、正孔輸送層や電子輸送層に対し一般式(1)または一般式(2)の化合物を含有させても、発光効率の向上や発光寿命の長寿化、駆動電圧の低下、駆動時の電圧上昇の抑制を実現可能であることがわかる。
実施例1で作製した有機EL素子1−7(緑色発光有機EL素子)と、実施例2で作製した有機EL素子2−7(青色発光有機EL素子)と、有機EL素子1−7においてリン光性化合物Ir(ppy)をIr‐9に置き換えた以外は有機EL素子1−1と同様にして作製した有機EL素子4−7(赤色発光有機EL素子)とを、同一基板上に並列配置し、図1に示すアクティブマトリクス方式フルカラー表示装置1を作製した。
図2には作製したフルカラー表示装置1の表示部Aの模式図のみを示した。
図2に示すとおり、表示部Aは、同一基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と、並置した複数の画素3(発光色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素等)とを有している。配線部の走査線5及び複数のデータ線6はそれぞれ導電材料から構成されている。走査線5とデータ線6は格子状に直交しており、直交する位置で画素3に接続している(詳細は図示せず)。
複数の画素3は、それぞれの発光色に対応した有機EL素子、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタと駆動トランジスタそれぞれが設けられたアクティブマトリクス方式で駆動される。走査線5から走査信号が印加されると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光するようになっている。このように、各赤、緑、青の画素3を適宜、並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
実際に、有機EL素子1−7、有機EL素子2−7および有機EL素子4−7を使用して作製したフルカラー表示装置1を駆動させると、低電圧で輝度が高く耐久性が良好で、鮮明なフルカラー動画表示が得られた。
以上の実施例4によれば、緑色発光源となるイリジウム錯体(Ir(ppy))を含有する有機EL素子1−7と、青色発光源となるイリジウム錯体(Ir−15)を含有する有機EL素子2−7と、赤色発光源となるイリジウム錯体(Ir−9)を含有する有機EL素子とを、画素3として並列配置すればフルカラーの表示装置を構成しうることがわかる。
なお、赤色発光有機EL素子4−7と、緑色発光有機EL素子としての有機EL素子1−8〜1−34と、青色発光有機EL素子としての有機EL素子2−8〜2−34とを、ランダムに組み合わせても、フルカラー表示が可能であった。
また、赤色発光有機EL素子として、有機EL素子1−8〜1−34のリン光性化合物Ir(ppy)をIr‐9に置き換えた有機EL素子4−8〜4−34は何れも、発光輝度、発光効率、駆動電圧およびその経時変化率に優れた赤色有機EL素子であった。
実施例5では、白色発光型の有機EL素子を作製し、当該有機EL素子を照明装置として適用しうるか否かを確認した。
はじめに、陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
その後、この透明支持基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコート法により製膜した後、200℃にて1時間乾燥し、膜厚30nmの正孔輸送層を設けた。
その後、この基板を窒素雰囲気下に移し、正孔輸送層上に、例示化合物2−123(60mg)と、リン光性化合物としてのIr(ppy)(1.2mg)、Ir−15(12.0mg)、Ir−9(1.2mg)とを、トルエン6mlに溶解した溶液を用い、1000rpm、30秒の条件下、スピンコート法により製膜した。真空中150℃で1時間加熱を行い、発光層を形成した。
さらに、BCP(20mg)をシクロヘキサン6mlに溶解した溶液を用い、1000rpm、30秒の条件下、スピンコート法により製膜した。真空中80℃で1時間加熱を行い、第1電子輸送層を形成した。
続いて、この基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、モリブデン製抵抗加熱ボートにAlqを200mg入れ、真空蒸着装置に取り付けた。真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、Alqの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記第1電子輸送層の上に蒸着して、さらに膜厚40nmの第2電子輸送層を設けた。
なお、第2電子輸送層の形成時(蒸着時)の基板温度は室温とした。
引き続き、フッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、白色発光有機EL素子を作製した。
この白色発光有機EL素子に通電したところ、ほぼ白色の光が得られ、当該有機EL素子を照明装置として使用できることが分かった。
以上の実施例5によれば、緑色、青色および赤色発光源となるイリジウム錯体(Ir(ppy)、Ir−15、Ir−9)を含有する有機EL素子を用いれば、照明装置を構成しうることがわかる。
もちろん、緑色発光源となるイリジウム錯体(Ir(ppy))を含有する有機EL素子と、青色発光源となるイリジウム錯体(Ir−15)を含有する有機EL素子と、赤色発光源となるイリジウム錯体(Ir−9)を含有する有機EL素子とを、積層配置しても白色発光を得られ、これを照明装置として構成することもできる。
なお、発光層を構成する例示化合物2−123を、他の化合物に置き換えても同様に白色の発光が得られることが分かった。
1 フルカラー表示装置
3 画素
5 走査線
6 データ線
A 表示部
B 制御部

Claims (10)

  1. 一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
    Figure 0005724588

    式(1)中、「X」、「Y」は各々独立にN、P、P=O、P=S、SiArのいずれかを表し、「Z」は単なる結合手またはNAr、O、S、PAr、P(=O)Ar、P(=S)Ar、SiArArのいずれかを表す。
    「Ar〜Ar」は芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
    「A〜A14」は各々独立にC−Rx1又はNを表し、複数のRx1はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
    「Rx1」は各々独立に水素原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシル基、シクロアルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、ウレイド基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキルシリル基又はアリールシリル基、アルキルホスフィノ基又はアリールホスフィノ基、アルキルホスホリル基又はアリールホスホリル基、アルキルチオホスホリル基又はアリールチオホスホリル基から選ばれる何れかの基である。
    Figure 0005724588

    式(2)中、「X」、「Y」は各々独立に前記一般式(1)におけるX、Yと同義の基を表し、「Z」は前記一般式(1)におけるZと同義の基を表す。
    「A15〜A28」は各々独立にC−Rx2又はNを表し、複数のRx2はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
    「Rx2」は各々独立に前記一般式(1)におけるRx1と同義の基を表す。
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料において、
    前記一般式(1)のZまたは一般式(2)のZが単なる結合手であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
  3. 陽極と、
    陰極と、
    発光層を含む少なくとも1層の有機層であって前記陽極と前記陰極とに挟まれた前記有機層と、
    を備える有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記有機層の少なくとも1層が、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0005724588

    式(1)中、「X」、「Y」は各々独立にN、P、P=O、P=S、SiArのいずれかを表し、「Z」は単なる結合手またはNAr、O、S、PAr、P(=O)Ar、P(=S)Ar、SiArArのいずれかを表す。
    「Ar〜Ar」は芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。
    「A〜A14」は各々独立にC−Rx1又はNを表し、複数のRx1はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
    「Rx1」は各々独立に水素原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、複素環基、芳香族複素環基、ハロゲン原子、アルコキシル基、シクロアルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、ウレイド基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキルシリル基又はアリールシリル基、アルキルホスフィノ基又はアリールホスフィノ基、アルキルホスホリル基又はアリールホスホリル基、アルキルチオホスホリル基又はアリールチオホスホリル基から選ばれる何れかの基である。
    Figure 0005724588

    式(2)中、「X」、「Y」は各々独立に前記一般式(1)におけるX、Yと同義の基を表し、「Z」は前記一般式(1)におけるZと同義の基を表す。
    「A15〜A28」は各々独立にC−Rx2又はNを表し、複数のRx2はそれぞれ同じであっても異なっていても良い。
    「Rx2」は各々独立に前記一般式(1)におけるRx1と同義の基を表す。
  4. 請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(1)のZまたは一般式(2)のZが単なる結合手であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項3または4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記発光層が前記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記発光層がリン光発光性の金属錯体を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記リン光発光性の金属錯体がイリジウム錯体であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 請求項3〜7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記有機層がウェットプロセスで作製されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 請求項3〜8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
  10. 請求項3〜8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有することを特徴とする照明装置。
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