JP5723557B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、フリップチップ実装体向けのアンダーフィル剤、または非導電性接着剤として用いられる耐湿性に優れるエポキシ樹脂組成物に関し、特に、先供給型液状半導体封止剤に適したエポキシ樹脂組成物に関する。
近年、電子機器のさらなる配線等の高密度化、高周波化に対応可能な半導体チップの実装方式として、フリップチップボンディングが利用されている。一般的に、フリップチップボンディングでは、半導体チップと基板の間隙を、アンダーフィル剤と呼ばれる材料で封止する。
通常、フリップチップボンディングでは、半導体チップと基板をはんだ付け等で接合した後、半導体チップと基板の間隙に、熱硬化性の半導体樹脂封止組成物であるアンダーフィル剤を充填する(以下、「後供給型」という)。しかしながら、近年では、まず、アンダーフィル剤を基板に塗布し、半導体チップを載せた後、アンダーフィル剤の硬化と、半導体チップと基板の接続とを同時に行うことにより、工程の短縮および硬化時間の短縮を可能とし、その結果、低コストかつ低エネルギーで作製できる、先供給型フリップチップボンディングプロセスが注目され、このプロセス向けの封止剤樹脂組成物(以下、「先供給型封止剤」という)への要求が高まっている。なお、後供給型の場合には、アンダーフィル剤の注入時間の短縮を目的として、通常、注入時に基板等の温度を80℃程度に上げるため、この注入温度では硬化しないことが求められ、半導体樹脂封止剤の硬化時間の短縮とはトレードオフが生じている。
先供給型封止剤には、作業性、ハンドリングの容易性、狭ピッチ化への対応から液状である、すなわち室温での粘性が低いこと、先供給型封止剤を塗布した後、半導体チップを載せるまで、先供給型封止剤が塗布後の形状を保持していること、短時間(一例としては5秒以内)での硬化が可能であることが要求され、さらに硬化後には、PCT(Pressure Cooker Test)試験でのエポキシ樹脂組成物と基板の間の剥離を抑制するための耐湿信頼性も求められる。
熱硬化性液状封止樹脂組成物の塗布形状に関しては、1)基板と電気的接合させるためのバンプを有する多数個の半導体素子が形成されたウエハーまたは該基板上にB−ステージ化可能な熱硬化性液状封止樹脂組成物を塗布する工程、2)該熱硬化性液状封止樹脂組成物をB−ステージ化する工程、3)該ウエハーをダイシングし、半導体素子を個片化する工程、4)個片化した半導体素子と基板とを仮接合し同時にB−ステージ化された熱硬化性液状封止樹脂組成物を加熱流動させ冷却する圧着工程、5)バンプを基板に接合する工程からなる半導体素子の組立方法向けの熱硬化性液状樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。しかしながら、上記工程向けの熱硬化性液状樹脂組成物は、先供給型封止剤として使用することができず、先供給型封止剤に適したエポキシ樹脂組成物が求められている。また、上記B−ステージ化を利用する工程は、B−ステージ化したウエハーまたは基板のハンドリングが難しい、工程が煩雑である等の課題があり、低コストかつ低エネルギーの点で、先供給型のプロセスの方が優れている。また、エポキシ樹脂組成物を、配線が形成された基板上に塗布すると、エポキシ樹脂組成物と基板の濡れ性より、エポキシ樹脂組成物と配線の濡れ性の方が良いため、エポキシ樹脂組成物を塗布後、半導体チップを載せる前に、エポキシ樹脂組成物が配線上に染み出す、という問題もある。
特開2002−121358号公報
本発明の目的は、先供給型封止剤を塗布した後、半導体チップを載せるまで、先供給型封止剤が塗布後の形状を保持し、かつ短時間での硬化が可能で、さらに硬化後には、PCT試験での耐湿信頼性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することである。なお、この耐湿信頼性等は、非導電性接着剤として使用するときにも求められる。
本発明は、以下の構成を有することによって上記問題を解決したエポキシ樹脂組成物に関する。
〔1〕(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)形状保持剤、および(E)揺変剤を含むことを特徴とする、エポキシ樹脂組成物。
〔2〕(D)成分が、シロキサン系形状保持剤である、上記〔1〕記載のエポキシ樹脂組成物。
〔3〕(D)成分が、一般式(1):
(式中、mは0〜10、nは1〜10、pは0〜10、qは0〜1である)、または、一般式(2):
(式中、rは1〜10であり、好ましくは2〜10である)で示される、上記〔2〕記載のエポキシ樹脂組成物。
〔4〕(D)成分が、式(3):
で示される、上記〔3〕記載のエポキシ樹脂組成物。
〔5〕(D)成分が、エポキシ樹脂組成物:100質量部に対して、0.05〜1.00質量部である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載のエポキシ樹脂組成物。
〔6〕さらに、(F)シランカップリング剤および/または(G)エラストマーを含む、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか記載のエポキシ樹脂組成物。
〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれか記載のエポキシ樹脂組成物を含む、先供給型液状半導体封止剤。
〔8〕上記〔7〕記載の先供給型液状半導体封止剤を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する、半導体装置。
本発明〔1〕によれば、エポキシ樹脂組成物を塗布した後、半導体チップを載せるまで、エポキシ樹脂組成物が塗布後の形状を保持し、かつ短時間での硬化が可能で、さらに硬化後には、PCT試験での耐湿信頼性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られる。
本発明〔7〕によれば、低コストで、低エネルギーの先供給型で製造でき、かつPCT試験での耐湿信頼性に優れた半導体装置を得ることができる。
基板の配線上にエポキシ樹脂組成物が染み出している状態を示す写真である。 エポキシ樹脂組成物が正常に塗布された状態を示す写真である。 基板上の塗布幅、配線上の塗布幅を説明する写真である。 エポキシ樹脂組成物を塗布した直後、180秒後、360秒後の基板上の塗布幅の変化を示すグラフである。 エポキシ樹脂組成物を塗布した直後、180秒後、360秒後の配線上の塗布幅の変化を示すグラフである。 エポキシ樹脂組成物を塗布して360秒後の基板(PI)または配線(Cu)とエポキシ樹脂組成物との接触角、と、(D)成分の添加量の関係を示すグラフである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)形状保持剤、および(E)揺変剤を含むことを特徴とする。エポキシ樹脂組成物は、作業性、ハンドリングの容易性、狭ピッチ化対応のため、液状であると好ましい。
(A)成分としては、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂、液状アミノフェノール型エポキシ樹脂、液状水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、液状脂環式エポキシ樹脂、液状アルコールエーテル型エポキシ樹脂、液状環状脂肪族型エポキシ樹脂、および液状フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、および液状アミノフェノール型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂が、硬化性、耐熱性、接着性、耐久性の観点から好ましい。また、エポキシ当量は、粘度調整の観点から、100〜250g/eqが好ましい。市販品としては、新日鐵化学製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名:YDF8170)、新日鐵化学製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名:YDF870GS)、三菱化学製アミノフェノール型エポキシ樹脂(グレード:JER630、JER630LSD)、DIC製ナフタレン型エポキシ樹脂(品名:HP4032D)等が挙げられる。(A)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(B)成分は、酸無水物、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤が挙げられ、良好な反応性(硬化速度)、適度な粘性付与の観点から、酸無水物が好ましい。酸無水物としては、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、アルキル化テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、アルケニル基で置換されたコハク酸無水物、メチルナジック酸無水物、グルタル酸無水物等が挙げられ、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸無水物が好ましい。市販品としては、三菱化学製酸無水物(グレード:YH306、YH307)等が挙げられる。(B)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(C)成分としては、イミダゾール系、第三級アミン系、リン化合物系等が挙げられ、イミダゾール系が好ましい。イミダゾール系としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン(2MZA)等が挙げられる。(C)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(D)成分は、エポキシ樹脂組成物を塗布した後に、エポキシ樹脂組成物に塗布後の形状を保持する効果を付与し、特に、エポキシ樹脂組成物を先供給型封止剤として使用するときには、先供給型封止剤を塗布した後、半導体チップを載せるまで、先供給型封止剤に塗布後の形状を保持する効果を付与する。(D)成分は、シロキサン系形状保持剤が好ましく、シロキサン系形状保持剤としては、ポリエーテル変性シリコーン(例えば、ポリオキシアルキレン・ジメチルシロキサン・コポリマー)、環状シロキサン等が挙げられる。シロキサン系形状保持剤は、一般式(1):
(式中、mは0〜10、nは1〜10、pは0〜10、qは0〜1である)、または、一般式(2):
(式中、rは1〜10であり、好ましくは2〜10である)で示されるものが、より好ましい。また、式(2)で示されるものでは、式(3):
で示されるものが、さらに好ましい。市販品としては、東レ・ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーン(製品名:DOW CORNING(R) 57 ADDITIVE、ジメチル、メチル(ポリエチレンオキサイド アセテート)シロキサン)、東レ・ダウコーニング製オクタメチルシクロテトラシロキサン(製品名:ペインタッド19)等が挙げられる。(D)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
ここで、ポリエーテル変性シリコーン等のシロキサン系材料は、通常、レベリング剤として用いられる。レベリング剤は、一般的に、エポキシ樹脂組成物の表面張力を低下させ、また、基板や基板上の配線(以下、「配線」という)への濡れ性を良くする。本発明の目的の一つは、エポキシ樹脂組成物を配線が形成された基板に塗布した後、半導体チップを載せるまでのエポキシ樹脂組成物の配線への染み出しを抑制すること、すわなち、エポキシ樹脂組成物の塗布後の形状を保持することである。従来の形状保持剤を添加していないエポキシ樹脂組成物は、基板に対してより、配線に対してよく濡れるため、エポキシ樹脂組成物を基板に塗布すると、半導体チップを載せる前に、配線上に染み出してしまっていた。図1に配線上にエポキシ樹脂組成物が染み出している状態を示す写真を、図2に、エポキシ樹脂組成物が正常に塗布された状態を示す写真を示す。なお、図1、図2では、基板にポリイミドを、配線に銅を用いている。
当初、エポキシ樹脂組成物の配線への染み出しを抑制させるためには、レベリング剤として用いられるもののような基板や配線への濡れ性を良くする材料は添加しない方がよい、と思われた。しかし、エポキシ樹脂組成物に、通常、レベリング剤として使用されている材料を、揺変剤と併用することにより、塗布後のエポキシ樹脂組成物の基板・配線への染み出しを抑制し、形状保持剤として使用することが可能となった。原因は、形状保持剤の添加により、エポキシ樹脂組成物の基板(例えば、ポリイミド)に対する濡れ性と、配線(例えば、銅)に対する濡れ性は、ともに良くなるものの、基板への濡れ性の増加分の方が、配線への濡れ性の増加分より大きいため、エポキシ樹脂組成物の基板に対する濡れ性と配線に対する濡れ性が同程度になり、さらに、エポキシ樹脂組成物自体の表面張力を増加させることにより塗布後のエポキシ樹脂組成物の形状保持力が増し、基板・配線への染み出しが抑制することができている、と推測される。なお、揺変剤は、エポキシ樹脂自体の表面張力の増加に寄与している、と推測される。
図3〜5で、エポキシ樹脂組成物の基板、配線への染み出しの様子を説明する。図3において、「1」は基板上の塗布幅、「2」は配線上の塗布幅を示す。図4は、エポキシ樹脂組成物を塗布した直後、180秒後、360秒後の基板上の塗布幅の変化を示すグラフである。左側は、従来技術の(D)成分を含まないもの、右側は、(D)成分として、0.1%の東レ・ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーン(製品名:DOW CORNING(R) 57 ADDITIVE)を含有するものである。(D)成分を添加していない左側では、塗布した後、徐々に塗布幅が増加している。一方、(D)成分を添加した右側では、塗布直後の幅は少し太くなっているが、時間経過による塗布幅の増加はなかった。図5は、エポキシ樹脂組成物を塗布した直後、180秒後、360秒後の配線上の塗布幅の変化を示すグラフである。(D)成分を添加していない左側では、塗布した後、急激に塗布幅が増加している。一方、(D)成分を添加した右側では、塗布直後の幅は太くなっているが、時間経過による塗布幅の増加はかなり抑制されている。また、図6は、エポキシ樹脂組成物を塗布して360秒後の基板(PI:ポリイミド)または配線(Cu:銅)とエポキシ樹脂組成物との接触角、と、(D)成分(東レ・ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーン[製品名:DOW CORNING(R) 57 ADDITIVE])の添加量の関係を示すグラフである。図6から、基板、配線ともに、(D)成分の添加量の増加に伴い、接触角が低くなり、(D)成分として上記を用いた場合には、0.1%添加で基板と配線との接触角が同等になることがわかる。
(E)成分としては、コロイダルシリカ、疎水性シリカ、微細シリカ、ナノシリカ等のシリカ、ベントナイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が挙げられ、ナノシリカが、塗布後の形状保持性の観点から、好ましい。また、(E)成分は、ボンディング時のエポキシ樹脂組成物の噛み込み防止、耐湿密着性の点から、平均粒径:10〜750nmのナノシリカが、より好ましく、平均粒径:20〜600nmのナノシリカがさらに好ましい。市販品としては、日本アエロジル製疎水性フュームドシリカ(製品名:R805、平均粒径:20nm)、日本触媒製アモルファスシリカ(製品名:シーホスターKE−P10、平均粒径100nm)等が挙げられる。ここで、ナノシリカ粒子の平均粒径は、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計により測定する。(E)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、良好な反応性、信頼性の観点から、(A)成分のエポキシ当量:1に対して、(B)成分の酸無水当量が、好ましくは0.8〜1.1であり、より好ましくは0.804〜1.096である。0.8以上であると、反応性、硬化後のエポキシ樹脂組成物のPCT試験での耐湿信頼性、耐マイグレーション性が良好であり、一方、1.1以下であると、増粘倍率が高くなり過ぎず、ボイドの発生が抑制される。
(A)成分:100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは1.7質量部より多く10.3質量部未満、より好ましくは2.0〜10.0質量部、さらに好ましくは2.3〜9.3質量部含有する。1.7質量部以上であると、反応性が良好であり、10.3質量部以下であると、耐湿信頼性が良好あり、更に増粘倍率が安定である。
エポキシ樹脂組成物:100質量部に対して、(D)成分を、エポキシ樹脂組成物の塗布後の形状保持の観点から、好ましくは0.01〜3.0質量部、より好ましくは0.025〜2質量部、さらに好ましくは0.05〜1.0質量部含有する。
エポキシ樹脂組成物:100質量部に対して、(E)成分を、好ましくは0.1〜3.5質量部、より好ましくは0.25〜3質量部、さらに好ましくは0.5〜2質量部含有する。0.5〜2質量部であると、エポキシ樹脂組成物の塗布後の形状を保持し、配線への染み出しを抑制することができる。
エポキシ樹脂組成物は、さらに、(F)成分を含むことが好ましく、(F)成分としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランが、密着性の観点から好ましい。市販品としては、信越化学工業製KBM403、KBE903、KBE9103等が挙げられる。(F)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂組成物は、さらに、(G)成分を含むことが、エポキシ樹脂組成物の応力緩和の観点から好ましく、(G)成分としては、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴムが挙げられる。(G)成分は、固体のものを使用することができる。形態は特に限定されず、例えば粒子状、粉末状、ペレット状のものを使用することができ、粒子状の場合は、例えば平均粒径が10〜200nm、好ましくは30〜100nm、より好ましくは、50〜80nmである。(G)成分は、常温で液状のものも使用することもでき、例えば、平均分子量が比較的低いポリブタジエン、ブタジエン・アクリロニトリルコポリマー、ポリイソプレン、ポリプロピレンオキシド、ポリジオルガノシロキサンが挙げられる。また、(G)成分は、末端にエポキシ基と反応する基を有するものを使用することができ、これらは固体、液状いずれの形態であってもよい。市販品としては、カネカ製MX137、MX153、MX156、MX157等が挙げられる。(G)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
(A)成分:100質量部に対して、(F)成分を、好ましくは0.1質量部より多く2.3質量部未満、より好ましくは0.2〜2.0質量部、さらに好ましくは0.2〜1.8質量部含有する。0.1質量部以上であると、密着性が向上し、PCT試験での耐湿信頼性がより良好になり、2.3質量部以下であると、エポキシ樹脂組成物の発泡が抑制され、ボンディング性が良好である。
(A)成分:100質量部に対して、(G)成分を、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部、さらに好ましくは15〜30質量部含有する。5質量部以上であると、エポキシ樹脂組成物の応力を緩和し、50質量部以下であると耐湿信頼性が低下しない。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、更に必要に応じ、カーボンブラックなどの顔料、染料、消泡剤、酸化防止剤、フィラー、応力緩和剤、その他の添加剤等を配合することができる。特に、カーボンブラックは、隠蔽性の観点から添加されることが好ましい。なお、ボイド抑制の観点から、有機溶媒、特に低沸点の有機溶媒は含有させないことが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、(A)成分〜(E)成分およびその他の添加剤等を同時にまたは別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶融、混合、分散させることにより得ることができる。これらの混合、撹拌、分散等の装置としては、特に限定されるものではないが、撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル等を使用することができる。また、これら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、温度:25℃での粘度が1〜200Pa・sであると、ボイド抑制の観点から好ましい。ここで、粘度は、Brookfield社製粘度計(型番:DV−1)で測定する。また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、揺変指数が1〜3であると好ましく、1〜2であるとさらに好ましい。ここで、揺変指数とは、エポキシ樹脂組成物の流れ易さを表す特性値であり、Brookfield社製粘度計(型番:DV−1)を用いて、毎分5回転の条件で求められた測定値を、毎分50回転の条件で求められた測定値で除した比率、すなわち、(毎分5回転での粘度)/(毎分50回転での粘度)で定義されるものである。エポキシ樹脂組成物の揺変指数が1〜3であると、基板に塗布してからボンディングまでの間でボイドを抑制ことができ、かつ基板の所定の位置に留めることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ディスペンサー、印刷等で基板の所望の位置に形成・塗布される。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化は、180〜250℃で、1〜10秒間行うことが好ましく、特に5秒以内で硬化させると、エポキシ封止剤として用いるときの生産性向上の観点から好ましい。
塗布後のエポキシ樹脂組成物の広がり性の評価は、以下のように行う。線幅が8μmで、30μmピッチの銅配線が配列されているポリイミド基板に、エポキシ樹脂組成物:2mgをディスペンサーで塗布する。ニードルは25Gを使用する。塗布後のペーストの幅を、塗布直後と6分後とで比較する。エポキシ樹脂組成物の塗布から半導体チップ実装までの工程において、塗布形状が広がりすぎるとフィレット形成が不均一となったり、塗布領域をはみ出したりなどの不具合が発生する。そのため、塗布形状の幅は2mm以下を維持していることが好ましい。したがって、広がり性の評価は、塗布幅が2mm以下を「○」とし、2mmより広がったときは「×」とする。
硬化後のエポキシ樹脂組成物のPCT剥離試験は、以下のように行う。基板として、38μm厚のポリイミドフィルム上に、錫メッキされた8μmの銅配線が形成されており、チップ搭載部分以外の銅配線上にはソルダーレジストでコーティングされている2層フレキシブル銅張積層板を用意する。この基板のインナーリード幅は10μm、インナーリード数は1160本、インナーリード間の最少ピッチは25μmである。半導体チップとして、サイズが1.6×15.1mm、高さが0.55mmのAuメッキバンプTEG(Test Element Group)を用意する。この半導体チップのバンプ径は16μm×90μm高さ、バンプの数は766個である。次に、基板のインナーリード上に、エポキシ樹脂組成物:5mgをディスペンスした後、半導体チップをエポキシ樹脂組成物の上に載せ、200℃×10秒で半導体チップをボンディングする。さらに、150℃×2時間の硬化を行なった試験片を、PCT試験装置(121±2℃、2気圧、湿度:100%)に載置する。PCT試験装置に載置してから、試験片の剥離が発生するまでの時間を測定し、PCT剥離試験の結果とする。この試験によって剥離が発生するまでの時間が長いほど耐湿信頼性に優れていると判断することができる。本試験の判定基準として放置時間が50時間で剥離が発生しない場合を「○」、50時間未満で剥離が発生する場合を「×」とする。
このように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物を塗布した後、半導体チップを載せるまで、エポキシ樹脂組成物が塗布後の形状を保持し、かつ短時間での硬化が可能で、さらに硬化後には、PCT試験での耐湿信頼性に優れる。このため、低コストで、低エネルギーの先供給型で製造でき、かつPCT試験耐性に優れた半導体装置を得ることができる。
本発明について、実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、部、%はことわりのない限り、質量部、質量%を示す。
〔実施例6〜10、比較例1、2、参考例1〜13
表1、表2に示す配合で、エポキシ樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」という)を調整した。作製したエポキシ樹脂組成物は、すべて液状であった。
〔塗布後のエポキシ樹脂組成物の広がり性の評価〕
塗布後のエポキシ樹脂組成物の広がり性の評価は、以下のように行った。線幅が8μmで、30μmピッチの銅配線が配列されているポリイミド基板に、エポキシ樹脂組成物:2mgをディスペンサーで塗布した。ニードルは25Gを使用した。塗布後のペーストの幅を、塗布直後と6分後とで比較した。塗布幅をCCDカメラで測定し、塗布幅が2mm以下を「○」とし、2mmより広がったときは「×」とした。表1、表2に、結果を示す。
〔耐湿密着性試験〕
硬化後のエポキシ樹脂組成物のPCT剥離試験は、以下のように行った。基板として、38μm厚のポリイミドフィルム上に、錫メッキされた8μmの銅配線が形成されており、チップ搭載部分以外の銅配線上にはソルダーレジストでコーティングされている2層フレキシブル銅張積層板を用意した。この基板のインナーリード幅は10μm、インナーリード数は1160本、インナーリード間の最少ピッチは25μmであった。半導体チップとして、サイズが1.6×15.1mm、高さが0.55mmのAuメッキバンプTEG(Test Element Group)を用意した。この半導体チップのバンプ径は16μm×90μm高さ、バンプの数は766個であった。次に、基板のインナーリード上に、エポキシ樹脂組成物:5mgをディスペンスした後、半導体チップをエポキシ樹脂組成物の上に載せ、200℃×10秒で半導体チップをボンディングした。さらに、150℃×2時間の硬化を行なった試験片を、PCT試験装置(121±2℃、2気圧、湿度:100%)に載置した。PCT試験装置に載置してから、試験片の剥離が発生するまでの時間を測定し、放置時間が50時間で剥離が発生しなかった場合を「○」、50時間未満で剥離が発生した場合を「×」とした。表1、表2に、耐湿密着性試験の結果を示す。なお、作製したすべてのエポキシ樹脂組成物は、上記の200℃×10秒で硬化した。
表1、表2からわかるように、実施例〜10の全てで、広がり性、耐湿密着性の結果が優れていた。特に、(D)成分が0.1質量部である実施例7で、最も広がりが少なかった。これに対して、(D)成分を含まない比較例1、2では、広がりが大きかった。また、参考例1〜8より、(D)成分、(E)成分ともに、添加量が多すぎない方が好ましいことがわかった。なお、(E)成分の種類が異なる参考例2と参考例4、参考例6と参考例8の比較から、(E)成分としては、平均粒径の小さい(E)成分(1)の方が広がりを抑制できることがわかった。
上記のように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物を塗布した後、半導体チップを載せるまで、エポキシ樹脂組成物が塗布後の形状を保持し、かつ短時間での硬化が可能で、さらに硬化後には、PCT試験での耐湿信頼性に優れており、特に、先供給型フリップチップボンディングプロセス向けに大変有用である。

Claims (3)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)式(3):
    で示される形状保持剤、および(E)揺変剤を含み、
    (A)成分、(B)成分および(C)成分の合計:275質量部に対して、(D)成分を0.01〜質量部と、(E)成分を0.1〜質量部とを含むことを特徴とする、アンダーフィル剤を基板に塗布し、半導体チップを載せた後、アンダーフィル剤の硬化と、半導体チップと基板の接続とを同時に行う先供給型液状半導体封止剤用エポキシ樹脂組成物。
  2. さらに、(F)シランカップリング剤および/または(G)エラストマーを含む、請求項1記載の先供給型液状半導体封止剤用エポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載の先供給型液状半導体封止剤用エポキシ樹脂組成物を用いて封止されたフリップチップ型半導体素子を有する、半導体装置。
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