JP5721677B2 - 磁束計 - Google Patents

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Description

本発明は、磁束の大きさや変化を計測する磁束計に関する。
磁束の大きさや変化を計測する磁束計として、磁束が通る磁路内にサーチコイルを配置し、磁束の変化に応じてサーチコイルに誘起される誘起電圧を測定し、その誘起電圧を時間積分することによって磁束を計測する磁束計が公知である(例えば特許文献1又は2を参照)。ここでサーチコイルに誘起される誘起電圧を時間積分する回路の一例として、CR積分回路が一般的に広く知られている。またサーチコイルに誘起される誘起電圧を時間積分する回路の他の一例として、電圧を周波数変換するVF変換器とカウンタとを組み合わせた積分回路(以下、「VF積分回路」という。)が広く知られている。
特開2001−116813号公報 特開2002−303659号公報
CR積分回路を用いた磁束計においては、コイルの抵抗によって生じる雑音電圧がコイルに誘起される電圧とともに積分されてしまうためドリフトが生ずる。またコイルの抵抗は温度によって変化する。そのためCR積分回路を用いた磁束計は、磁束の計測精度に温度依存性が生じてしまうことになる。またVF積分回路を用いた磁束計においては、一定の閾値未満の電圧をカットする不感帯を設けて雑音電圧等のノイズ成分を除去するため、磁束が小さくなるに従って、また磁束が変化する速度が低下するに従って、計測誤差が増加してしまうことになる。つまりVF積分回路を用いた磁束計は、磁束の計測精度に速度依存性が生じてしまうことになる。このようなことから従来のCR積分回路を用いた磁束計、VF積分回路を用いた磁束計は、いずれも特に微少な磁束を高精度に計測することが難しいという課題がある。
このような状況に鑑み本発明はなされたものであり、その目的は、特に微少な磁束を高精度に計測することが可能な磁束計を提供することにある。
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、第1サーチコイルが接続される第1サーチコイル接続端子と、前記第1サーチコイルに誘起される電圧を増幅する第1増幅回路と、前記第1増幅回路の出力電圧をデジタル信号に変換する第1A/D変換回路と、前記第1A/D変換回路が出力するデジタル信号を解析して演算処理する演算処理装置と、前記演算処理装置の演算処理結果を表示する表示器と、を備え、前記演算処理装置は、前記第1A/D変換回路が出力するデジタル信号に含まれる前記第1サーチコイルの雑音電圧成分を除去する手段と、前記第1サーチコイルの雑音電圧成分を除去したデジタル信号を時間積分して前記第1サーチコイルが検出する磁束を演算する手段と、を含む、ことを特徴とする磁束計である。
第1サーチコイルに誘起される電圧は、増幅された後、デジタル信号に変換される。それによって第1サーチコイルに誘起される電圧を演算処理装置によって演算処理することが可能になる。そしてデジタル信号に変換された第1サーチコイルの誘起電圧は、演算処理装置において解析され、第1サーチコイルの雑音電圧成分が除去された後、時間積分される。それによって第1サーチコイルが検出する磁束を高精度に計測することができるので、特に微少な磁束を高精度に計測することが可能になる。
これにより本発明の第1の態様によれば、特に微少な磁束を高精度に計測することが可能な磁束計を提供することができるという作用効果が得られる。
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記演算処理装置は、前記第1サーチコイルに電圧が誘起されていない状態で前記第1サーチコイルの雑音電圧を計測し、その計測した雑音電圧に基づいて電圧閾値を設定する手段と、前記第1サーチコイルで磁束を計測するときに、前記電圧閾値に基づいて、前記第1A/D変換回路が出力するデジタル信号に含まれる前記第1サーチコイルの雑音電圧成分を除去する手段と、を含む、ことを特徴とする磁束計である。
このような特徴によれば、第1サーチコイルの雑音電圧成分を高精度に除去することができるので、第1サーチコイルが検出する磁束を高精度に計測することができる。
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、前述した本発明の第1の態様又は第2の態様において、前記第1増幅回路は、前記第1サーチコイルに誘起される電圧を増幅する増幅率が異なる複数の増幅器を含み、前記第1A/D変換回路は、前記複数の増幅器の出力信号をそれぞれデジタル信号に変換する回路を含む、ことを特徴とする磁束計である。
このような特徴によれば、第1サーチコイルが検出する磁束の大きさや変化幅等に応じて適切な増幅率のデジタル信号を選択することができるので、第1サーチコイルが検出する磁束の微少な変化を高精度に計測することができる。
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、前述した本発明の第1〜第3の態様のいずれかにおいて、前記演算処理装置は、前記第1サーチコイルが検出する磁束の周波数を演算する手段を含む、ことを特徴とする磁束計である。
このような特徴によれば、磁束の周波数を高精度に計測することができるので、例えばモータの回転磁束の均一性等を高精度に検査することができる。
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様は、前述した本発明の第1〜第4の態様のいずれかにおいて、前記演算処理装置によって演算処理されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換回路と、前記D/A変換回路が出力するアナログ信号を外部へ出力するアナログ出力端子と、をさらに備える、ことを特徴とする磁束計である。
このような特徴によれば、演算処理装置によって演算処理されたデジタル信号を外部機器で観測したり解析したりすることができる。
<本発明の第6の態様>
本発明の第6の態様は、前述した本発明の第1〜第5の態様のいずれかにおいて、第2サーチコイルが接続される第2サーチコイル接続端子と、前記第2サーチコイルに誘起される電圧を増幅する第2増幅回路と、前記第2増幅回路の出力電圧をデジタル信号に変換する第2A/D変換回路と、をさらに備え、前記演算処理装置は、前記第2A/D変換回路が出力するデジタル信号に含まれる前記第2サーチコイルの雑音電圧成分を除去する手段と、前記第2サーチコイルの雑音電圧成分を除去したデジタル信号を時間積分して前記第2サーチコイルが検出する磁束を演算する手段と、を含む、ことを特徴とする磁束計である。
このような特徴によれば、第1サーチコイルが検出する磁束と第2サーチコイルが検出する磁束とを同時に並行して高精度に計測することができる。
<本発明の第7の態様>
本発明の第7の態様は、前述した本発明の第6の態様において、前記演算処理装置は、前記第1サーチコイルが検出する磁束と前記第2サーチコイルが検出する磁束とを比較する手段を含む、ことを特徴とする磁束計である。
このような特徴によれば、例えば第1サーチコイルが検出する磁束と第2サーチコイルが検出する磁束の大きさや方向を対比したり、両者の差分を求めたりすることができる。
<本発明の第8の態様>
本発明の第8の態様は、前述した本発明の第6の態様又は第7の態様において、前記演算処理装置は、前記第1A/D変換回路及び前記第2A/D変換回路が出力するデジタル信号から磁性材料に作用する磁界の強さと前記磁性材料の磁束密度を求めて、前記磁性材料の磁気ヒステリシス特性を演算する手段を含む、ことを特徴とする磁束計である。
このような特徴によれば、いわゆる単板試験器のBコイルとHコイルを第1サーチコイル接続端子と第2サーチコイル接続端子にそれぞれ接続し、そのBコイルの電圧とHコイルの電圧から磁性材料に作用する磁界の強さと磁性材料の磁束密度を求めることによって、その磁性材料の磁気ヒステリシス特性を高精度に計測することができる。
<本発明の第9の態様>
本発明の第9の態様は、前述した本発明の第1〜第8の態様のいずれかにおいて、磁性材料を励磁する励磁コイルの駆動信号を出力する駆動信号出力回路をさらに備え、前記演算処理装置は、前記励磁コイルの巻数と電流から前記磁性材料に作用する磁界の強さを求め、前記第1サーチコイルの巻数と断面積、及び前記第1サーチコイルが検出する磁束から前記磁性材料の磁束密度を求めて、前記磁性材料の磁気ヒステリシス特性を演算する手段を含む、ことを特徴とする磁束計である。
このような特徴によれば、励磁コイルで磁性材料を励磁して磁束を発生させ、第1サーチコイルでその磁性材料の磁束を計測し、その磁性材料に作用する磁界の強さと磁性材料の磁束密度を求めることによって、その磁性材料の磁気ヒステリシス特性を高精度に計測することができる。
<本発明の第10の態様>
本発明の第10の態様は、前述した本発明の第1〜第9の態様のいずれかにおいて、外部機器との間でデータ通信を行う通信装置を備える、ことを特徴とする磁束計である。
このような特徴によれば、通信装置を介して接続された外部機器において、演算処理装置によって演算処理されたデジタル信号を解析して演算処理することができる。
本発明によれば、特に微少な磁束を高精度に計測することが可能な磁束計を提供することができる。
本発明に係る磁束計の構成を図示したブロック図。 磁束計を用いて永久磁石の熱減磁特性を計測する実験装置のブロック図。 磁気ヒステリシス特性を励磁電流法により計測する実験装置のブロック図。 磁気ヒステリシス特性を計測する単板試験器の要部を図示した側面図。 磁気ヒステリシス特性を単板試験器により計測する実験装置のブロック図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、本発明は、以下説明する実施例に特に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
<磁束計の構成>
本発明に係る磁束計10の構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る磁束計10の構成を図示したブロック図である。
磁束計10は、増幅回路11、ADC12、FPGA13、演算処理装置14、表示器15、DAC16、コイル駆動回路17、操作パネル18、LANインタフェース19、入力端子T1〜T8及び出力端子T11〜T13を備える。
「第1サーチコイル接続端子」としての入力端子T1及びT2(入力CH1)は、サーチコイルL1の両端が接続される。「第2サーチコイル接続端子」としての入力端子T3及びT4(入力CH2)は、サーチコイルL2の両端が接続される。入力端子T5〜T8は、図示していないサーミスタ等の温度センサが接続される。
「第1増幅回路」及び「第2増幅回路」としての増幅回路11は、サーチコイルL1及びサーチコイルL2に誘起される電圧、並びに温度センサ(図示せず)の出力信号をそれぞれ増幅する回路である。増幅回路11は、オペアンプで構成される第1〜第6差動増幅回路111〜116を含む。
第1差動増幅回路111及び第2差動増幅回路112は、入力端子T1及びT2に入力がそれぞれ接続されており、サーチコイルL1に誘起される電圧を増幅する。第1差動増幅回路111と第2差動増幅回路112は、増幅率が異なる。例えば第1差動増幅回路111の増幅率は1倍であり、第2差動増幅回路112の増幅率は100倍である。第3差動増幅回路113及び第4差動増幅回路114は、入力端子T3及びT4に入力がそれぞれ接続されており、サーチコイルL2に誘起される電圧を増幅する。第3差動増幅回路113と第4差動増幅回路114は、増幅率が異なる。例えば第3差動増幅回路113の増幅率は1倍であり、第4差動増幅回路114の増幅率は100倍である。第5差動増幅回路115は、入力端子T5及びT6に入力が接続されており、入力端子T5及びT6に接続された温度センサの出力信号を増幅する。第6差動増幅回路116は、入力端子T7及びT8に入力が接続されており、入力端子T7及びT8に接続された温度センサの出力信号を増幅する。
尚、増幅回路11の入力側には、高周波ノイズを遮断するローパスフィルタ等のフィルタ回路(図示せず)を設けるのが好ましい。また増幅回路11の入力側には、0調整、オフセット調整等を行うための校正回路(図示せず)を設けるのが好ましい。
「第1A/D変換回路」及び「第2A/D変換回路」としてのADC(analog-to-digital converter)12は、アナログ信号をデジタル信号に変換する回路であり、増幅回路11の出力電圧をデジタル信号に変換する。より具体的にはADC12は、第1〜第6差動増幅回路111〜116の出力電圧をそれぞれデジタル信号に変換する。
FPGA(Field-Programmable Gate Array)13は、プログラマブル・ロジック・デバイスの一種であり、論理構成を任意に設定することが可能な集積回路である。FPGA13は、DPRAM131、PIO132、A/Dコントローラ133、FIFO134及びバスコントローラ135を含む。
DPRAM(dual port RAM)131は、2つのアクセスポートから同時にアクセス可能なRAMであり、LANインタフェース19との間のデータ入出力を実現する。PIO132(parallel input/output)は、操作パネル18との間でデータのパラレル入出力を実現する。A/Dコントローラ133は、ADC12と演算処理装置14との間のデータ入出力を制御する。FIFO(First-In First Out)134は、ADC12が出力するデジタル信号のデータをバッファリングするメモリである。バスコントローラ135は、バスを介してFPGA13に接続されている演算処理装置14及びDAC16との間のデータ入出力を制御する。
演算処理装置14は、ADC12が出力するデジタル信号を解析して演算処理する装置であり、CPU(central processing unit)141及びDDRSDRAM(Double-Data-Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)142を含む。表示器15は、例えば蛍光表示管や液晶ディスプレイ等であり、演算処理装置14による演算処理の結果を表示する。
「D/A変換回路」としてのDAC(digital-to-analog converter)16は、デジタル信号をアナログ信号に変換する回路であり、演算処理装置14によって演算処理されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。DAC16が出力するアナログ信号は、「アナログ出力端子」としての出力端子T12及びT13へ出力される。「駆動信号出力回路」としてのコイル駆動回路17は、磁性材料を励磁する励磁コイルの駆動信号を出力端子T11へ出力する。操作パネル18は、図示していない複数の押しボタンやLED表示灯を含み、操作者による入力及び操作者に対する表示を行うために設けられている。「通信装置」としてのLANインタフェース19は、演算処理装置14とPC(personal computer)20等の外部機器とを接続する。それによって演算処理装置14により演算処理されたデジタル信号をPC20等の外部機器で観測したり解析したりすることができる。
<演算処理機能>
サーチコイルL1及びサーチコイルL2に誘起される電圧は、それぞれ増幅回路11で増幅された後、デジタル信号に変換され、それによって演算処理装置14による演算処理が可能な状態になる。演算処理装置14による演算処理機能は、CPU141において実行される演算処理プログラムによって実現される。以下、演算処理装置14において実行される演算処理について説明する。
1.計測レンジの切換
演算処理装置14は、例えばサーチコイルL1及びサーチコイルL2に誘起される電圧の大きさに応じて自動的に、あるいは操作パネル18におけるボタン操作に応じて、計測レンジを切り換える。
演算処理装置14は、増幅率が1倍の第1差動増幅回路111の出力信号をデータ処理によって10倍に増幅して、さらに10倍のレンジをソフト的に実現する。また演算処理装置14は、増幅率が100倍の第2差動増幅回路112の出力信号をデータ処理によって10倍に増幅して、さらに1000倍のレンジをソフト的に実現する。それによってサーチコイルL1による磁束の計測は、計測する磁束の大きさや変化幅等に応じて、増幅率1倍、10倍、100倍、1000倍の4つのレンジを切り換えて計測することが可能になる。
同様に演算処理装置14は、増幅率が1倍の第3差動増幅回路113の出力信号をデータ処理によって10倍に増幅して、さらに10倍のレンジをソフト的に実現する。また演算処理装置14は、増幅率が100倍の第4差動増幅回路114の出力信号をデータ処理によって10倍に増幅して、さらに1000倍のレンジをソフト的に実現する。それによってサーチコイルL2による磁束の計測は、計測する磁束の大きさや変化幅等に応じて、増幅率1倍、10倍、100倍、1000倍の4つのレンジを切り換えて計測することが可能になる。
2.磁束の計測
演算処理装置14は、ADC12が出力するデジタル信号に含まれるサーチコイルL1の雑音電圧成分及びサーチコイルL2の雑音電圧成分を除去する。より具体的には、まずサーチコイルL1に電圧が誘起されていない状態でサーチコイルL1の雑音電圧を計測し、その計測した雑音電圧に基づいて電圧閾値を設定する。そしてサーチコイルL1で磁束を計測するときに、その電圧閾値に基づいて、ADC12が出力するデジタル信号に含まれるサーチコイルL1の雑音電圧成分を除去する。また演算処理装置14は、サーチコイルL2についても同様に、サーチコイルL2に電圧が誘起されていない状態でサーチコイルL2の雑音電圧を計測し、その計測した雑音電圧に基づいて電圧閾値を設定する。そしてサーチコイルL2で磁束を計測するときに、その電圧閾値に基づいて、ADC12が出力するデジタル信号に含まれるサーチコイルL2の雑音電圧成分を除去する。
つづいて演算処理装置14は、サーチコイルL1の雑音電圧成分を除去したデジタル信号を時間積分してサーチコイルL1が検出する磁束を演算する。同様に演算処理装置14は、サーチコイルL2の雑音電圧成分を除去したデジタル信号を時間積分してサーチコイルL2が検出する磁束を演算する。それによってサーチコイルL1及びサーチコイルL2が検出する磁束を高精度にそれぞれ計測することができるので、特に微少な磁束を高精度に計測することが可能になる。またサーチコイルL1が検出する磁束とサーチコイルL2が検出する磁束とを同時に並行して高精度に計測することができる。
サーチコイルL1が検出する磁束及びサーチコイルL2が検出する磁束は、表示器15にリアルタイムで表示することができる。またサーチコイルL1が検出する磁束は、DAC16でアナログ信号に変換されて出力端子T12へ出力される。同様にサーチコイルL2が検出する磁束は、DAC16でアナログ信号に変換されて出力端子T13へ出力される。
3.磁束の周波数の解析
演算処理装置14は、サーチコイルL1及びサーチコイルL2が検出する磁束の変化のデジタル信号を解析して、その磁束の周波数をそれぞれ演算する。それによって例えばモータの回転磁束の均一性等を高精度に検査することができる。演算した磁束の周波数は、表示器15にリアルタイムで表示することができる。
より具体的には、例えばフレキシブル基板に配線パターンでコイルを構成することによって、厚みが0.5mm未満の極めて薄いサーチコイルL1を製作する。そしてその極めて薄いサーチコイルL1をモータの回転子と固定子との間の狭い隙間に挿入して配置することによって、回転しているモータの磁束を直接計測することができる。
4.磁束のピーク値の計測
演算処理装置14は、サーチコイルL1及びサーチコイルL2が検出する磁束の変化のデジタル信号を解析して、その磁束のピーク値をそれぞれ演算する。それによってサーチコイルL1及びサーチコイルL2が検出する磁束のピーク値を高精度に計測することができる。演算した磁束のピーク値は、表示器15にリアルタイムで表示することができる。
5.磁気モーメントの計測
演算処理装置14は、サーチコイルL1及びサーチコイルL2が検出する磁束の変化のデジタル信号を解析して、その計測した磁束と計測対象の磁石の長さから磁気モーメントを演算する。それによって計測対象の磁石の磁気モーメントを高精度に計測することができる。演算した磁石の磁気モーメントは、表示器15にリアルタイムで表示することができる。
6.磁束の比較
演算処理装置14は、サーチコイルL1及びサーチコイルL2が検出する磁束の変化のデジタル信号を解析して、サーチコイルL1が検出する磁束とサーチコイルL2が検出する磁束とを比較する。それによって例えばサーチコイルL1が検出する磁束とサーチコイルL2が検出する磁束の大きさや方向を対比したり、両者の差分を求めたりすることができる。サーチコイルL1及びサーチコイルL2が検出する磁束の比較結果は、表示器15にリアルタイムで表示することができる。
7.熱減磁の計測
磁束計10を用いた熱減磁の計測について、図2を参照しながら説明する。
図2は、磁束計10を用いて永久磁石31の熱減磁特性を計測する実験装置の構成を図示したブロック図である。
サーチコイルL11、サーチコイルL12及び永久磁石31は、恒温槽21の中に設けられている。サーチコイルL11は、計測対象の永久磁石31により発生する磁束を検出するためのコイルである。永久磁石31は、サーチコイルL11に挿通された状態で静止される。サーチコイルL12は、サーチコイルL11と同じ巻数及び断面積のコイルであり、サーチコイルL11に直列に差動接続されている。サーチコイルL11の巻き始めとサーチコイルL12の巻き始めは、磁束計10の入力端子T1及びT2(入力CH1)にそれぞれ接続されている。
温度の変化による内部抵抗の変化によってサーチコイルL11に生ずる磁束の変化は、直列差動接続されたサーチコイルL12に生ずる逆方向の同じ大きさの磁束によって打ち消されることになる。したがって恒温槽21の温度を変化させていくことによって、永久磁石31の熱減磁だけを磁束計10で高精度に計測することができる。そして永久磁石31の熱減磁による磁束の変化は、その磁束の変化の大きさに応じて増幅回路11における増幅率を選択することによって、極めて微少な磁束であっても高精度に計測することができる。熱減磁による磁束の変化は、表示器15にリアルタイムで表示することができる。
8.磁気ヒステリシス特性の計測
磁束計10を用いた励磁電流法による磁気ヒステリシス特性の計測について、図3を参照しながら説明する。
図3は、磁性材料32の磁気ヒステリシス特性を励磁電流法により計測する実験装置の構成を図示したブロック図である。
計測対象となるリング状の磁性材料32の一方側には、磁性材料32により生ずる磁束を検出するサーチコイルL21が巻かれており、他方側には磁性材料32を励磁する励磁コイルL22が巻かれている。サーチコイルL21は、巻数N、断面積Sのコイルであり、磁束計10の入力端子T1及びT2(入力CH1)に接続されている。励磁コイルL22は、巻数nのコイルであり、電源装置22に接続されている。磁束計10は、出力端子T11が電源装置22に接続されており、それによって励磁コイルL22の駆動信号が磁束計10から電源装置22へ出力される。また磁束計10は、PC20に接続されている。
励磁コイルL22の巻数nと電流iから磁性材料32に作用する磁界Hの強さを求める。またサーチコイルL21の巻数Nと断面積S、及び第1サーチコイルL21が検出する磁束φから磁性材料32の磁束密度Bを求める。それによって磁性材料32の磁気ヒステリシス特性を高精度に計測することができる。磁性材料32に作用する磁界Hの強さと磁性材料32の磁束密度Bは、例えば磁束計10の表示器15にリアルタイムで表示させることができる。また例えば磁性材料32に作用する磁界Hの強さと磁性材料32の磁束密度Bの演算データをPC20へ送信し、PC20で実行される画像処理プログラム等によって、PC20のモニタ画面に磁性材料32の磁気ヒステリシス特性曲線を描画することもできる。
次に、磁束計10を用いた単板試験器による磁気ヒステリシス特性の計測について、図4及び図5を参照しながら説明する。
図4は、磁性材料33の磁気ヒステリシス特性を計測する単板試験器の要部を図示した側面図である。図5は、磁性材料33の磁気ヒステリシス特性を単板試験器により計測する実験装置の構成を図示したブロック図である。
単板の磁性材料33は、BコイルL32の中に配置されている。HコイルL31は、磁性材料33に作用する磁界Hを検出するためのコイルであり、磁性材料33の近傍の均一磁界中に配置されている。BコイルL32は、励磁コイルL33の中の磁束分布がほぼ均一な部分に配置されている。
HコイルL31は、磁束計10の入力端子T1及びT2(入力CH1)に接続されている。BコイルL32は、磁束計10の入力端子T3及びT4(入力CH2)に接続されている。励磁コイルL33は、電源装置22に接続されている。磁束計10は、出力端子T11が電源装置22に接続されており、それによって励磁コイルL33の駆動信号が磁束計10から電源装置22へ出力される。また磁束計10は、PC20に接続されている。
HコイルL31の電圧及びBコイルL32の電圧は、それぞれデジタル信号に変換されて演算処理装置14において演算処理される。演算処理装置14は、HコイルL31の電圧及びBコイルL32の電圧から、磁性材料33に作用する磁界Hの強さと磁性材料33の磁束密度Bを演算する。それによって磁性材料33の磁気ヒステリシス特性を高精度に計測することができる。磁性材料33に作用する磁界Hの強さと磁性材料33の磁束密度Bは、例えば磁束計10の表示器15にリアルタイムで表示させることができる。また例えば磁性材料33に作用する磁界Hの強さと磁性材料33の磁束密度Bの演算データをPC20へ送信し、PC20で実行される画像処理プログラム等によって、PC20のモニタ画面に磁性材料33の磁気ヒステリシス特性曲線を描画することもできる。
10 磁束計
11 増幅回路
12 ADC
13 FPGA
14 演算処理装置
15 表示器
16 DAC
17 コイル駆動回路
18 操作パネル
19 LANインタフェース
L1、L2、L11、L12、L21 サーチコイル
T1〜T8 入力端子
T11〜T13 出力端子

Claims (9)

  1. 第1サーチコイルが接続される第1サーチコイル接続端子と、
    前記第1サーチコイルに誘起される電圧を増幅する第1増幅回路と、
    前記第1増幅回路の出力電圧をデジタル信号に変換する第1A/D変換回路と、
    前記第1A/D変換回路が出力するデジタル信号を解析して演算処理する演算処理装置と、
    前記演算処理装置の演算処理結果を表示する表示器と、を備え、
    前記演算処理装置は、前記第1サーチコイルに電圧が誘起されていない状態で前記第1サーチコイルの雑音電圧を計測し、その計測した雑音電圧に基づいて第1電圧閾値を設定する手段と、
    前記第1サーチコイルで磁束を計測するときに、前記第1電圧閾値に基づいて、前記第1A/D変換回路が出力するデジタル信号に含まれる前記第1サーチコイルの雑音電圧成分を除去する手段と、
    前記第1サーチコイルの雑音電圧成分を除去したデジタル信号を時間積分して前記第1サーチコイルが検出する磁束を演算する手段と、を含む、ことを特徴とする磁束計。
  2. 請求項1に記載の磁束計において、前記第1増幅回路は、前記第1サーチコイルに誘起される電圧を増幅する増幅率が異なる複数の増幅器を含み、
    前記第1A/D変換回路は、前記複数の増幅器の出力信号をそれぞれデジタル信号に変換する回路を含む、ことを特徴とする磁束計。
  3. 請求項1又は2に記載の磁束計において、前記演算処理装置は、前記第1サーチコイルが検出する磁束の周波数を演算する手段を含む、ことを特徴とする磁束計。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の磁束計において、前記演算処理装置によって演算処理されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換回路と、
    前記D/A変換回路が出力するアナログ信号を外部へ出力するアナログ出力端子と、をさらに備える、ことを特徴とする磁束計。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の磁束計において、第2サーチコイルが接続される第2サーチコイル接続端子と、
    前記第2サーチコイルに誘起される電圧を増幅する第2増幅回路と、
    前記第2増幅回路の出力電圧をデジタル信号に変換する第2A/D変換回路と、をさらに備え、
    前記演算処理装置は、前記第2サーチコイルに電圧が誘起されていない状態で前記第2サーチコイルの雑音電圧を計測し、その計測した雑音電圧に基づいて第2電圧閾値を設定する手段と、
    前記第2サーチコイルで磁束を計測するときに、前記第2電圧閾値に基づいて、前記第2A/D変換回路が出力するデジタル信号に含まれる前記第2サーチコイルの雑音電圧成分を除去する手段と、
    前記第2サーチコイルの雑音電圧成分を除去したデジタル信号を時間積分して前記第2サーチコイルが検出する磁束を演算する手段と、を含む、ことを特徴とする磁束計。
  6. 請求項に記載の磁束計において、前記演算処理装置は、前記第1サーチコイルが検出する磁束と前記第2サーチコイルが検出する磁束とを比較する手段を含む、ことを特徴とする磁束計。
  7. 請求項5又は6に記載の磁束計において、前記演算処理装置は、前記第1A/D変換回路及び前記第2A/D変換回路が出力するデジタル信号から磁性材料に作用する磁界の強さと前記磁性材料の磁束密度を求めて、前記磁性材料の磁気ヒステリシス特性を演算する手段を含む、ことを特徴とする磁束計。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の磁束計において、磁性材料を励磁する励磁コイルの駆動信号を出力する駆動信号出力回路をさらに備え、
    前記演算処理装置は、前記励磁コイルの巻数と電流から前記磁性材料に作用する磁界の強さを求め、前記第1サーチコイルの巻数と断面積、及び前記第1サーチコイルが検出する磁束から前記磁性材料の磁束密度を求めて、前記磁性材料の磁気ヒステリシス特性を演算する手段を含む、ことを特徴とする磁束計。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の磁束計において、外部機器との間でデータ通信を行う通信装置をさらに備える、ことを特徴とする磁束計。
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