JP5720296B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に半導体素子を搭載したものをモールド材で封止してなる半導体装置の製造方法に関する。
従来より、この種の半導体装置は、一面側に回路部を有する半導体素子における一面とは反対の他面側を、基板に対向させた状態で、半導体素子を基板上に搭載してなる構造体を、樹脂成形用の金型内に配置した後、モールド材として、絶縁性のフィラーを含有する樹脂を、金型内に充填することにより、半導体素子および基板を樹脂で封止してなる。(たとえば特許文献1参照)
ここで、モールド材には、樹脂の熱膨張係数特性を調整するなどの目的で、セラミック等からなるフィラーが含有されている。また、半導体素子の一面には、精密電源等の回路部が形成されているが、半導体素子を樹脂で封止した後に当該樹脂に含まれるフィラーによる局所応力が半導体素子の回路部内の素子に影響を与え、回路部特性を変動させるおそれがある。
このような問題に対して、従来では、モールド材を構成するエポキシ樹脂とは異なるポリイミド系樹脂等の比較的柔らかい樹脂よりなる保護膜を、半導体素子の一面に付け、この保護膜で回路部を保護することで、半導体素子のうち応力に弱い回路部に加わるフィラーの応力を減らすようにしたものが提案されている(たとえば特許文献2参照)。
特開2005−166898号公報 特開平9−289269号公報
しかしながら、従来では、上記半導体素子の回路部を被覆する保護膜を形成するために、半導体素子の回路部上に保護膜を塗布し、これを硬化させた後に、モールド材による封止すなわちモールド工程を行うことになるため、工程が複雑になる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、応力に弱い回路部を有する半導体素子を基板上に搭載したものを、フィラー入りの樹脂よりなるモールド材で封止するにあたって、簡略化された工程にて、半導体素子の回路部を適切に保護しつつ、フィラー入りの樹脂による半導体素子および基板の封止を行うことを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一面(21)側に回路部(23)を有する半導体素子(20)における一面(21)とは反対の他面(22)側を、基板(10)に対向させた状態で、半導体素子(20)を基板(10)上に搭載してなる構造体(1)を、樹脂成形用の金型(100)内に配置する構造体配置工程の後、
絶縁性のフィラー(31)を含有する樹脂(30)を、金型(100)内に充填することにより、半導体素子(20)および基板(10)を樹脂(30)で封止するモールド工程を行うことにより製造される半導体装置の製造方法において、
構造体配置工程では、樹脂(30)中のフィラー(31)が回路部(23)に侵入することなく且つ樹脂(30)は侵入する大きさの隙間(200)を規定する隙間規定手段(101、300)を、金型(100)内にて回路部(23)を囲むように設けた状態とし、
その後、モールド工程では、隙間規定手段(101、300)を設けた状態にてフィラー(31)を含有する樹脂(30)の金型(100)への充填を行うものであり、
さらに、隙間規定手段は、金型(100)の一部として半導体素子(20)の一面(21)の上方から当該一面(21)と隙間(200)を有して対向する対向部(101)であり、
対向部(101)は、半導体素子(20)の一面(21)に直交方向に移動可能なものであり、
モールド工程では、隙間(200)から回路部(23)に侵入した樹脂(30)にて回路部(23)を被覆した後、対向部(101)を引き上げて、フィラー(31)を含有する樹脂(30)の金型(100)への充填を続け、回路部(23)を被覆する樹脂(30)を、さらにフィラー(31)を含有する樹脂(30)で被覆することを特徴とする。
それによれば、1回のモールド工程により、半導体素子(20)および基板(10)の封止が行えるとともに、半導体素子(20)の中でも応力に弱い回路部(23)上にはフィラー(31)を含まない樹脂(30)が侵入して当該回路部(23)を被覆して保護する。この回路部(23)を被覆する樹脂(30)は、フィラー(31)を含まず且つモールド材としての樹脂材料よりなるものであるから、回路部特性を変動させることなくモールド材としての封止機能を有するものとなる。
よって、本発明によれば、簡略化された工程にて、半導体素子(20)の回路部(23)を適切に保護しつつ、フィラー(31)入りの樹脂(30)による半導体素子(20)および基板(10)の封止を行うことができる。
また、請求項1の発明によれば、フィラー(31)を含まない樹脂(30)で回路部(23)を適切に被覆して、その上にフィラー(31)を含有する樹脂(30)を配置して封止することになるが、この場合、回路部(23)の保護膜となる樹脂(30)とその保護膜上を被覆する樹脂(30)とが同一の樹脂材料であるから、従来のように保護膜とモールド材とで異種の樹脂材料を使用する場合に比べて、これら両者の密着性に優れ、剥離防止が可能となる。
さらに、請求項に記載の発明では、請求項に記載の半導体装置の製造方法において、モールド工程では、対向部(101)を、対向部(101)以外の金型(100)の部分よりも高い温度としておき、
この状態で隙間(200)から回路部(23)に侵入した樹脂(30)にて回路部(23)を被覆した後、対向部(101)を引き上げて、フィラー(31)を含有する樹脂(30)の金型(100)への充填を続けることを特徴とする。
それによれば、隙間(200)から回路部(23)に侵入し回路部(23)を被覆する樹脂(30)が、先に半硬化もしくは硬化した後に、その上を、フィラー(31)を含有する樹脂(30)で被覆することになるから、当該回路部(23)を被覆する樹脂(30)にフィラー(31)が侵入して混ざり合ってしまうのを防止しやすくなるため、好ましい。
また、請求項に記載の発明では、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、対向部(101)は、対向部(101)のうちの周辺部(102)が半導体素子(20)の一面(21)と隙間(200)を有して対向する部位であって、この周辺部(102)よりも内側の部位(103)は周辺部(102)よりも凹んだ部位とされているものであることを特徴とする。
それによれば、隙間(200)から侵入して回路部(23)を被覆する樹脂(30)、すなわち保護膜となる樹脂(30)の厚さを確保しやすい。
また、請求項に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法において、隙間規定手段(101、300)により規定される隙間(200)は、フィラー(31)の平均粒径よりも小さいものであることを特徴とする。それによれば、フィラー(31)の侵入防止に好ましい。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(a)は本発明の第1実施形態に係る半導体装置の概略断面図であり、(b)は(a)の上視概略平面図である。 第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。 図2に続く製造方法を示す工程図である。 第1実施形態の対向部の他の例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態の半導体装置の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す図であり、(a)は概略断面図、(b)は(a)の上視概略平面図である。なお、図1(b)に示される平面図中では、モールド材である樹脂30の外形を一点鎖線で示し、この樹脂30を透過してその内部に位置する構成要素を示している。
本実施形態の半導体装置は、大きくは、基板10と、一面21側に回路部23を有し、一面21とは反対の他面22側を基板10に対向させた状態で、基板10上に搭載された半導体素子20と、半導体素子20および基板10を封止するモールド材としての樹脂30と、を備える。
基板10は、たとえばリードフレームのアイランド、ヒートシンク、配線基板などにより構成されている。ここでは、基板10は矩形板状を成している。
半導体素子20は、シリコン半導体などよりなり一般的な半導体プロセスにより形成されるものである。ここでは、半導体素子20は、一方の板面である一面21側に回路部23を有し、他方の板面である他面22側を基板10に対向させた状態で、図示しないダイマウント材などにより基板10上に搭載されて固定されている。
具体的には、半導体素子20は、ICチップや圧力センサ素子などのセンサチップなどであり、その回路部23は、たとえば精密電源、ダイアフラムなどのセンシング部などである。この回路部23は、半導体素子20の中でも応力に弱い部位であり、応力印加により、回路部特性が変動しやすいものである。
また、半導体素子20の外側には、リードフレームのリード部分などとして構成されるリード端子40が設けられている。このリード端子40と半導体素子20および基板10とは、たとえば図示しないワイヤボンディングなどにより接続されており、半導体素子20と外部との電気的なやり取りは、リード端子40を介して行われるようになっている。
そして、モールド材としての樹脂30は、これら半導体素子20および基板10とともに、リード端子40のインナーリードを封止している。このモールド材としての樹脂30は、一般的なモールド材と同様、絶縁性のフィラー31を含有するエポキシ樹脂などよりなる樹脂である。
このようなフィラー31としては、たとえばシリカ、アルミナ、窒化アルミナなどが挙げられる。また、フィラー31の形状は、たとえば球状、フレーク状などをなすものであり、平均粒径がたとえば数十μm程度のものである。
ここで、モールド材としての樹脂30は、半導体素子20の一面21における回路部23上の所定領域30aを除いて全体にフィラー31が分布しているものである。ここで、回路部23上の所定領域30aとは、回路部23直上の全体ではなく、回路部23から所定の高さまでの一部の領域である。所定の高さとは、半導体素子20を樹脂30で封止した後に当該樹脂30に含まれるフィラー31による局所応力が半導体素子20の回路部23内の素子に影響を与え難く、当該局所応力による回路部特性の変動を抑制可能な距離を有していれば良い。
つまり、この所定領域30a、換言すれば回路部23周りの領域30aはフィラーを含まない樹脂(以下、フィラー不含樹脂という)30aの領域であり、回路部23を被覆して保護する保護膜としてのフィラー不含樹脂30aの領域である。そして、回路部23は、フィラー不含樹脂30aにより被覆され、さらに、その上をモールド材としての樹脂30により封止されている。
次に、この半導体装置の製造方法について、図2、図3を参照して述べる。図2、図3は本製造方法を示す工程図であり、図2(a)、(c)、図3はワークを断面的に示しており、図2(b)は図2(a)中の対向部101の概略平面図である。
まず、図2(a)に示されるように、半導体素子20の他面22側を基板10に対向させた状態で、半導体素子20を基板10上に搭載してなる構造体1を形成する。この構造体1においては、リード端子40と基板10とは、吊りリードなどの連結部やかしめなどにより一体化され、また、リード端子40と基板10とは図示しないボンディングワイヤなどにより接続されている。
そして、図2(a)に示される構造体配置工程では、樹脂成形用の金型100内に構造体1を配置する。この金型100は、鉄系金属などよりなり、基本的には、一般のトランスファーモールド法に用いられる上型と下型とを合致させ、これら上下型の間に、樹脂30が充填されるキャビティを形成するものである。
さらに、本実施形態の金型100には、金型100内にて回路部23を囲むように設けられる隙間規定手段101が備えられている。この隙間規定手段101は、モールド材としての樹脂30中のフィラー31が回路部23に侵入することなく且つ樹脂30は侵入する大きさの隙間200を規定するものである。
ここでは、隙間規定手段は、金型100の一部として半導体素子20の一面21の上方から当該一面21と隙間200を有して対向する対向部101であり、この対向部101は、半導体素子20の一面21に直交方向に移動可能なもの、すなわち当該一面21に向かって引き上げたり、引き下げたりするように移動可能なものである。
具体的には、この対向部101は、鉄系金属などよりなる入れ子のようなものであって、金型100の上型に設けられた穴に摺動可能に挿入されたものであり、電動アクチュエータなどにより、図2中の上下方向に移動可能とされている。
この対向部101における半導体素子20の一面21に対向する部位の平面サイズは、回路部23の平面サイズよりも大きいものとされている。そして、金型100に設置完了された構造体1において、半導体素子20の一面21に対向部101を対向させた状態において、対向部101は、回路部23の外郭全体からはみ出して位置するようになっている。
ここでは、対向部101は、当該対向部101のうちの周辺部102が半導体素子20の一面21と上記隙間200を有して対向する部位であって、この周辺部102よりも内側の部位103は周辺部102よりも凹んだ部位とされているものである。
ここでは、図2(a)、(b)に示されるように、対向部101は、その周辺部102が矩形枠状をなすロの字型のものとされている。この周辺部102の枠幅は薄いほどよく、当該内側の部位103は、たとえば周辺部102よりも10um以上凹んでいればよい。
そして、構造体配置工程では、この隙間規定手段としての対向部101を、金型100内にて回路部23を囲むように設けた状態とする。具体的には、金型100内に構造体1を設置し、その半導体素子20の一面21に向けて対向部101を下降させる。
ここで、対向部101の周辺部102を半導体素子20の一面21に、いったん当てた後、上記隙間200の分だけ、対向部101を上昇させることにより、半導体素子20の一面21と対向部101との間に上記隙間200を規定する。
なお、このとき、金型100および対向部101は鉄系金属などよりなるが、半導体素子20に当てる部位、具体的には周辺部102はポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂でコーティングなどがされていてもよい。これにより、対向部101が半導体素子20に当たるときの半導体素子20のダメージ緩和が可能となる。
ここで、上記隙間200は、モールド材としての樹脂30中のフィラー31が回路部23に侵入することなく且つ樹脂30は侵入する大きさであるが、フィラー31の平均粒径(たとえば数十μm)以下に設定する。
なお、隙間200は、フィラー31の平均粒径より大きくても、フィラー31はベア状態ではなく樹脂30に包み込まれた状態であるから、当該隙間200がフィラー31の平均粒径より多少大きくても実質的には入り込まないものとなりやすい。
その後、図2(c)、図3に示されるモールド工程では、この対向部101を設けた状態にて、フィラー31を含有するモールド材としての樹脂30を、金型100内に充填することにより、半導体素子20および基板10を当該樹脂30で封止する。
このモールド工程において、モールド材としての樹脂30を注入するゲートの位置は金型100のどの位置でもよい。図2(c)に示されるように、当該樹脂30が注入され、対向部101に達すると樹脂30中のフィラー31はその隙間200に入らずに、フィラー31を含まない樹脂30のみが隙間200から回路部23上に注入される。
そして、隙間200から回路部23に侵入した樹脂30にて回路部23を被覆した後、図3に示されるように、対向部101を引き上げて、フィラー31を含有する樹脂30の金型100への充填を続け、回路部23を被覆する樹脂30(上記フィラー不含樹脂30aに相当)を、さらにフィラー31を含有するモールド材としての樹脂30で被覆する。
ここで、図3では、引き上げられた対向部101の周辺部102および内側の部位103ともに、キャビティ内面と同一平面に位置するが、これは、内側の部位103と周辺部102とを別体に摺動可能なものとして構成することにより、容易に実現できる。なお、対向部101としては、内側の部位103と周辺部102とが一体であってもよく、この場合には、図3の状態において、内側の部位103が周辺部102よりも凹んだままであってもよい。
本実施形態においても、一般のモールド工程と同様に、金型100は、樹脂30の硬化温度以上とされているので、樹脂30の充填完了後、樹脂30全体の硬化が進行する。そして、この硬化完了すなわちモールド工程の完了に伴い、上記図1に示される本実施形態の半導体装置ができあがる。
ところで、本実施形態によれば、1回のモールド工程により、半導体素子20および基板10の封止が行えるとともに、半導体素子20の中でも応力に弱い回路部23上にはフィラー31を含まない樹脂30(上記フィラー不含樹脂30aに相当)が侵入して当該回路部23を被覆して保護する。
この回路部23を被覆する樹脂30は、フィラー31を含まず且つモールド材としての樹脂材料よりなるものであるから、回路部特性を変動させることなくモールド材としての封止機能を有するものとなる。
よって、本実施形態によれば、従来のように、回路部の保護膜を形成する塗布などの工程を別途行うことなく、簡略化された工程にて、半導体素子20の回路部23を適切に保護しつつ、フィラー31入りの樹脂30による半導体素子20および基板10の封止を行うことができる。
また、上記製造方法では、隙間200から侵入した樹脂30にて回路部23を被覆した後、対向部101を引き上げて、回路部23を被覆する樹脂30を、さらにフィラー31を含有する樹脂30で被覆している。
この場合、回路部23の保護膜となる樹脂30とその保護膜上を被覆する樹脂30とが同一の樹脂材料であるから、従来のように保護膜とモールド材とで異種の樹脂材料を使用する場合に比べて、これら両者の密着性に優れ、剥離防止が可能となる。
また、上記製造方法において、モールド工程では、対向部101を、対向部101以外の金型100の部分よりも高い温度としておき、この状態で隙間200から回路部23に侵入した樹脂30にて回路部23を被覆した後、対向部101を引き上げて、フィラー31を含有する樹脂30の金型100への充填を続けるようにしてもよい。
それによれば、隙間200から回路部23に侵入し回路部23を被覆する樹脂30が、先に半硬化もしくは硬化した後に、その上を、フィラー31を含有する樹脂30で被覆することになるから、当該回路部23を被覆する樹脂30にフィラー31が侵入して混ざり合ってしまうのを防止しやすくなる。
ここで、金型100は通常のものと同様に、通電式のヒータなどにより加熱されて所定温度とされるものであるが、ここでは、たとえば対向部101をそれ以外の金型100の部分とは別の通電ヒータを有するものとし、対向部101をそれ以外に比べて大電流で加熱してやればよい。
たとえば、一般のモールド工程と同様、金型100は樹脂30の硬化温度(たとえばエポキシ樹脂なら150℃程度)以上の温度(たとえば180℃程度)とするが、さらに対向部101は、プラス10℃(たとえば190℃程度)とする。
また、対向部101の熱の逃げを抑制するために、対向部101と、対向部101が挿入される金型100部分の上記穴との間に断熱性部材を介在させてもよい。たとえば、ポリイミドなどの耐熱性樹脂よりなる膜を、対向部101の外面または当該穴の内面に設けてやればよい。
なお、もちろん、樹脂30の粘性などの条件により、上記したフィラー31の混ざり合いが発生しにくいような場合には、対向部101とそれ以外の金型100の部分とを同一温度としてもよい。
また、上述したが、対向部101は、隙間200を規定する周辺部102と、その内側の凹んだ部位103とを有するので、隙間200から侵入して回路部23を被覆する樹脂30、すなわち保護膜となる上記フィラー不含樹脂30aの厚さ確保が容易となる。
なお、図2では、対向部101は、その周辺部102が矩形枠状をなすロの字型の対向部とされていたが、図4(a)に示されるように、周辺部102が円形枠状をなすもの、いわゆるドーナツ状の対向部101であってもよい。また、図4(b)に示されるように、周辺部も内側の部位も一体の平坦面をなす対向部101でもよい。いずれにせよ、対向部101は、上記隙間200の規定が行えるものであって、その内周に回路部23が入る平面サイズのものであればよい。
また、上記製造方法とは異なり、隙間200から回路部23に侵入した樹脂30にて回路部23を被覆した後、対向部101を引き上げずに、そのままフィラー31を含有する樹脂30の金型100への充填を続け、樹脂30の充填および硬化を完了してもよい。
この場合、完成した半導体装置においては、樹脂30において対向部101の形状に凹んだ凹部が形成されるが、その凹部の底においては、フィラー不含樹脂30aによる回路部23の保護および封止がなされており、問題は無い。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程図であり、(a)、(c)はワークを断面的に示しており、(b)は(a)中の半導体素子20の一面21の概略平面図である。本実施形態は、上記第1実施形態の製造方法に比べて、隙間規定手段300を予め構造体1の半導体素子20側に設けたことが相違するものであり、ここでは、その相違点を中心に述べることとする。
図5(a)に示されるように、本実施形態では、モールド材としての樹脂30中のフィラー31が回路部23に侵入することなく且つ樹脂30は侵入する大きさの隙間200を規定する隙間規定手段300を、構造体1における半導体素子20の一面21にて回路部23を囲むように設けている。
ここでは、隙間規定手段300は、図5(b)に示されるように、回路部23を覆うように半導体素子20の一面21に固定され、網目状をなすとともに当該網目の開口部が隙間200を構成する網目部材300である。なお、図5(b)では、回路部23の表面に識別のため点ハッチングを施してある。
具体的には、網目部材は、半導体素子20の一面21に網目状に接続された複数本のボンディングワイヤ300よりなる。これらボンディングワイヤ300は、通常の金やアルミのワイヤボンディングなどにより容易に形成できる。
そして、本実施形態の製造方法では、予め網目部材300が形成された構造体1を、金型100に設置する。この場合の金型100は、上記対向部101を持たない一般的なものでよい。
本実施形態の構造体配置工程では、このように金型100に構造体1を設置するだけで、隙間規定手段である網目部材300を、金型100内にて回路部23を囲むように設けた状態とすることができる。
その後、図5(c)に示されるように、本実施形態のモールド工程では、この網目部材300を設けた状態にてフィラー31を含有する樹脂30の金型100への充填を行い、半導体素子20および基板10を樹脂30で封止する。このとき、網目部材300の開口部200すなわち隙間200からは、回路部23にフィラー31は侵入せず、樹脂30のみが侵入する。
そのため、本実施形態においても、回路部23はフィラー不含樹脂で被覆され、その上が更にフィラー31入り樹脂30で封止された構成となる。そして、本製造方法においても、樹脂30の充填および硬化の完了すなわちモールド工程の完了に伴い、半導体装置ができあがる。
このように、本実施形態の製造方法によれば、予め半導体素子20側に隙間規定手段としての網目部材300を設け、その後は通常の金型100を用いた樹脂封止を行えばよいから、金型100を変更することなく一般的なモールド工程に適用できるという利点がある。
また、網目部材300をボンディングワイヤ300で形成することで、半導体素子20に対して通常行われるワイヤボンディングにより、隙間規定手段としての網目部材300を形成できるから、工程の簡略化などが期待される。なお、本実施形態の網目部材としては、ボンディングワイヤ300以外にも、たとえば茶漉しのような金網を、半導体素子20の一面21に接着したものとしてもよい。
ここで、図6は、上記製造方法により完成した本実施形態の半導体装置の概略断面構成を示す図である。本半導体装置においては、樹脂30中に網目部材300が残って封止されていること以外は、上記図1の半導体装置と同様である。
本半導体装置においても、樹脂30は、半導体素子20の一面21における回路部23上の所定領域30a(フィラー不含樹脂30aに相当)を除いて全体にフィラー31が分布しているものである。
ここで、網目部材300は、フィラー31の平均粒径よりも小さな隙間としての開口部200を有する網目状をなすことが望ましい。そして、この網目部材300は、半導体素子20の一面21上にて、回路部23とは離れる方向に凸となる形状、具体的には略ドーム状なしており、回路部23を覆うように設けられている。
そして、網目部材300の内部が、樹脂30の回路部23上の所定領域30aすなわちフィラー不含樹脂30aとされており、網目部材300の外側はフィラー31入り樹脂30とされている。つまり、樹脂30の所定領域30aは、この網目部材300によって区画されている。
1 構造体
10 基板
20 半導体素子
21 半導体素子の一面
22 半導体素子の他面
23 回路部
30 樹脂
30a フィラー不含樹脂に相当する所定領域
31 フィラー
100 金型
101 隙間規定手段としての対向部
102 対向部の周辺部
103 対向部における周辺部の内側の部位
300 隙間規定手段としての網目部材

Claims (4)

  1. 一面(21)側に回路部(23)を有する半導体素子(20)における前記一面(21)とは反対の他面(22)側を、基板(10)に対向させた状態で、前記半導体素子(20)を前記基板(10)上に搭載してなる構造体(1)を、樹脂成形用の金型(100)内に配置する構造体配置工程の後、
    絶縁性のフィラー(31)を含有する樹脂(30)を、前記金型(100)内に充填することにより、前記半導体素子(20)および前記基板(10)を前記樹脂(30)で封止するモールド工程を行うことにより製造される半導体装置の製造方法において、
    前記構造体配置工程では、前記樹脂(30)中の前記フィラー(31)が前記回路部(23)に侵入することなく且つ前記樹脂(30)は侵入する大きさの隙間(200)を規定する隙間規定手段(101、300)を、前記金型(100)内にて前記回路部(23)を囲むように設けた状態とし、
    その後、前記モールド工程では、前記隙間規定手段(101、300)を設けた状態にて前記フィラー(31)を含有する前記樹脂(30)の前記金型(100)への充填を行うものであり、
    さらに、前記隙間規定手段は、前記金型(100)の一部として前記半導体素子(20)の前記一面(21)の上方から当該一面(21)と前記隙間(200)を有して対向する対向部(101)であり、
    前記対向部(101)は、前記半導体素子(20)の前記一面(21)に直交方向に移動可能なものであり、
    前記モールド工程では、前記隙間(200)から前記回路部(23)に侵入した前記樹脂(30)にて前記回路部(23)を被覆した後、前記対向部(101)を引き上げて、前記フィラー(31)を含有する前記樹脂(30)の前記金型(100)への充填を続け、前記回路部(23)を被覆する前記樹脂(30)を、さらに前記フィラー(31)を含有する前記樹脂(30)で被覆することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記モールド工程では、前記対向部(101)を、前記対向部(101)以外の前記金型(100)の部分よりも高い温度としておき、
    この状態で前記隙間(200)から前記回路部(23)に侵入した前記樹脂(30)にて前記回路部(23)を被覆した後、前記対向部(101)を引き上げて、前記フィラー(31)を含有する前記樹脂(30)の前記金型(100)への充填を続けることを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記対向部(101)は、前記対向部(101)のうちの周辺部(102)が前記半導体素子(20)の前記一面(21)と前記隙間(200)を有して対向する部位であって、この周辺部(102)よりも内側の部位(103)は前記周辺部(102)よりも凹んだ部位とされているものであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記隙間規定手段(101、300)により規定される前記隙間(200)は、前記フィラー(31)の平均粒径よりも小さいものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
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