JP5717707B2 - 食品処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、食品処理装置に関し、特に、常温保存可能に無菌化された米飯などのパック食品を製造するに際して好適に採用され得る食品処理装置に関する。
特許文献1に記載される無菌パック米飯の製造方法は、容器に定量充填された米に対して密封チャンバーにて高圧高温飽和蒸気を間欠的にフラッシュすることにより滅菌処理する工程を含んでいる。この滅菌処理工程は、たとえば、5〜10秒間の高圧高温飽和蒸気フラッシュを1サイクルとして6〜8回繰り返して行われる。この滅菌処理工程によって、米に付着されている可能性のある一般生菌および耐熱生菌をも死滅させることができると同時に、米が一定程度までアルファ化されるので、その後、炊き水を注水して炊飯する際の炊飯時間を短縮させることができる。炊飯後、クリーンルームないしクリーンブース内で容器に蓋材を被着して密封シールすることにより、無菌状態を保持したパック米飯を製造することができる。
特許文献2に記載される食品殺菌装置は、米などの食品が定量充填された容器を載置支持する載置板と、上下チャンバーと、これら上下チャンバーを互いに離隔した離隔位置と互いに密接してそれらの間に密閉空間を形成する密接位置との間で相対移動させる手段と、上下チャンバーが離隔位置にあるときに前記載置板を上下チャンバーの間に供給する手段と、上下チャンバーが密接位置にあるときにこれらの間に形成される密閉空間に加圧蒸気を導入する手段とを有して構成されている。上下チャンバー間の密閉空間に導入された加圧蒸気は、載置板に支持された各容器の内部に入り込み、内容物である食品を無菌化する。
特許文献1に記載される無菌パック米飯の製造方法において、特許文献2に記載される装置を用いて殺菌を行うことができ、これによって完全無菌化されたパック米飯を製造することが可能となった。このようにして製造された無菌パック米飯は、常温でも長期間の保存が可能であり、消費者は購入後電子レンジで数分程度温めれば炊き立てと同様の食味および食感のご飯を手軽に食することができ、一方、コンビニなどの販売店にとっては過剰な仕入れによる廃棄ロスや過小な仕入れによる売上チャンスロスを無くすことができるものであった。また、このような製造方法は米飯だけでなく、パスタなどの麺類や総菜類などの多用な食品にも適用可能であり、無菌パック食品の市場拡大に大きな展望を与えるものであった。
しかしながら、特許文献2記載の殺菌装置にもなお改良すべき点があった。すなわち、この殺菌装置は、まだ蓋材が被着されていない、したがって容器上面が開放された状態の食品充填容器に対して上方から高温高圧蒸気を導入して殺菌するものであることから、この蒸気フラッシュによって容器内の食品(米)が容器外に飛散したり、飛散した米がフランジに付着することがあった。殺菌処理中に米が容器外に飛散すると所定の内容量を確保することができない。また、飛散した米がフランジに付着すると、その後の蓋材シールが良好に行われなくなって密閉性が低下し、したがって保存性が低下する原因となる。
本出願人は、この問題を解決する新技術を開発し、特許文献3に開示した。特許文献3に開示される殺菌装置によれば、上下チャンバーを密接させた状態で蒸気殺菌を行うときに、引用文献2記載の殺菌装置のように蒸気を上方から容器内の食品に向けて噴出させるのではなく、容器の開放上面を押さえ板で閉止しながら、該押さえ板を貫通して容器内に入り込むノズルを介して食品の内部で蒸気噴出させるので、食品の飛散を防止することができる。また、食品の内部に直接入り込むノズルから蒸気がフラッシュ注入されるので、容器内の食品をムラなく均一に殺菌することができる。
特開平09−172992号公報 特開平10−099061号公報 特開2011−87575号公報
上述したように、特許文献3に開示される装置構成は、蒸気噴出による食品の飛散を防止すると共に食品全体を均一に殺菌する効果を発揮する上ではきわめて有益であることが確認されているが、ノズルを食品中に突き刺して蒸気噴出するので、ノズルの側面に食品(米粒など)が付着することがあった。殺菌効果を万全にするために高温高圧蒸気による蒸気殺菌処理は複数回繰り返して行うことが好ましいが、一回の殺菌処理終了後に上下チャンバーを互いに離隔させたときに、側面に食品が付着した状態でノズルが食品から引き上げられることがあり、この付着した食品が次回以降の殺菌処理においてもノズル側面に付着したままであると、上下チャンバー間の密閉空間内の同じ位置で数十回またはそれ以上の高温蒸気フラッシュを浴びることになり、焼けによる変色が生ずる。この焼けて茶色に変色した食品(米)が何らかの原因(たとえば上下チャンバーを密着または離隔させたときの衝撃など)によってノズルから脱落して容器内に入り込んでしまうと、外観的および生理的に消費者には受け容れられないものとなるため市場に出荷することができなくなり、歩留まりが低下する。このような現象が見られるのはせいぜい数十回の殺菌処理で一回あるかどうかの頻度ではあるが、この問題に対する解決手段を開発することが望まれる。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、特許文献3に記載されるノズル方式の殺菌処理技術の改良技術として、ノズルに食品が付着する問題を根本的に解決する手段を提供することである。
この課題を解決するため、請求項1に係る発明は、食品が充填された上面開口の容器を所定方向に搬送する容器搬送手段と、容器搬送手段により第一の所定位置に搬送された容器内の食品を予備処理する予備処理手段と、予備処理手段による処理を経て容器搬送手段により第一の所定位置からさらに所定方向に搬送された第二の所定位置において容器内の食品を殺菌する殺菌手段とを有し、予備処理手段は、昇降可能に設けられる均し板と、均し板の下面から下方に所定長さ突出する複数のピンを備え、均し板が上方の待機位置から下降したときに均し板の下面が容器内の食品の表面に圧接することにより容器内の食品を表面均しすると共にピンが容器内に入り込んで食品に穴を開けるものであり、殺菌手段は、互いに離隔する離隔位置と互いに密接して内部に密閉空間を形成する閉止位置との間で相対移動可能な上下チャンバーと、上下チャンバーが閉止位置にあるときに上下チャンバー間の密閉空間内において容器内の食品に既に開けられている前記穴に向けて高温高圧蒸気を噴出する複数のノズルを備え、前記予備処理手段に設けられる複数のピンと前記殺菌手段に設けられる複数のノズルとが同一パターンで配置され、第二の所定位置において前記密閉空間内で殺菌手段による殺菌処理が行われるときに各ノズルが容器内の食品に既に開けられている前記穴に対向する直上位置で蒸気を噴出することを特徴とする食品処理装置である。
請求項に係る発明は、請求項記載の食品処理装置において、前記予備処理手段に設けられる複数のピンは、均し板の下面が容器内の食品の表面に圧接する位置まで均し板が下降したときに、その先端が容器底面から3〜5mm離れた位置に到達するように突出長さが設定されることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1または2記載の食品処理装置において、前記予備処理手段に設けられる複数のピンは前記殺菌手段に設けられる複数のノズルより大径に形成されることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1ないしのいずれか記載の食品処理装置において、前記殺菌手段には、さらに、第二の所定位置において前記密閉空間内で殺菌手段による殺菌処理が行われるときに容器の上面開口を閉止する押さえ板が上チャンバーに設けられることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項記載の食品処理装置において、前記殺菌手段には、さらに、第二の所定位置において前記密閉空間内で殺菌手段による殺菌処理が行われるときに容器を容器搬送手段から離して持ち上げる容器持ち上げ手段が設けられ、前記押さえ板は上下チャンバーが離隔位置にあるときは容器の上方に離れて位置すると共にその位置からさらに上方移動可能に上チャンバーに吊下されており、容器持ち上げ手段は、上下チャンバーを相対移動させて密閉空間を形成するときに該密閉空間内において容器を容器搬送手段から離脱させ、該容器のフランジを押さえ板の下面に当接させ、さらに容器と一緒に押さえ板を上昇させることにより容器の上面開口を閉止することを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項記載の食品処理装置において、前記容器持ち上げ手段が、容器の下方において下チャンバーの底面に載置された容器底受部材であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項記載の食品処理装置において、容器の深さに応じて異なる厚さの容器底受部材が交換可能に用いられることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、容器内に充填された食品に対して予備処理手段により穴を開けた後に、その穴に向けてノズルから高温高圧蒸気を噴出するので、ノズルから噴出された蒸気は主として穴の中に入り込み、その周囲から徐々に食品に浸透していく。ノズルから噴出された蒸気の一部は容器内の食品の表面から徐々に下方に入り込み、一部は容器の内面に向けて進む。このようにして、容器内の食品を全般にわたって均一に殺菌すると共に容器をも同時に殺菌し、さらに固まった食品をほぐす効果も得られる。
さらに、殺菌処理において、各ノズルが容器内の食品に既に開けられている前記穴に対向する直上位置で蒸気を噴出するので、各ノズルからの噴出蒸気をよりスムーズに穴の中に入り込ませることができ、容器内の食品を均一に殺菌する効果をより確実に達成することができる。
請求項に係る発明によれば、殺菌処理において、各ノズルからの噴出蒸気が容器の奥底近くまで入り込むので、容器内の食品を均一に殺菌する効果をより確実に達成することができる。
請求項に係る発明によれば、予備処理手段のピンが殺菌手段のノズルより大径に形成されるので、ピンによって容器内の食品に形成される穴もノズルより大径である。したがって、各ノズルからの噴出蒸気をよりスムーズに穴の中に入り込ませることができ、容器内の食品を均一に殺菌する効果をより確実に達成することができる。
請求項に係る発明によれば、容器の開口部が押さえ板で閉止された状態で蒸気が注入されるので、容器内の食品が容器外に飛散したり、飛散した食品がフランジに付着することを防止することができる。したがって、所定の内容量を確保することができると共に、後の蓋材シール被着処理を支障なく行うことができるので密閉性・保存性を低下させることがない。
請求項に係る発明によれば、容器持ち上げ手段との連動により、押さえ板の自重を働かせながら容器開口部を完全に閉止することができるので、上記効果をより確実に達成することができる。
請求項に係る発明によれば、容器持ち上げ手段としての好適な一実施形態が提供される。この実施形態によれば、下チャンバーの底面に容器底受部材を載置するだけで容器持ち上げ手段が形成されるので、比較的装置構成が簡単で比較的低コストで製造可能である。
請求項に係る発明によれば、一つの装置構成で異なる種類(深さ)の容器を処理対象とすることができる効果がある。
本発明による食品処理装置を構成する予備処理ユニットの一実施形態を示す正面視断面図である。 この予備処理ユニットのピン配置状態図である。 本発明による食品処理装置を構成する殺菌ユニットの一実施形態を示す正面視断面図である。 図1A−A断面図である。 この殺菌ユニットにおいて下チャンバーが下方に離れているときの状態を示すA−A断面部分図である。 この殺菌ユニットに採用される蒸気導入/排出および減圧のための配管系統を示す図である。 この殺菌ユニットにおいて大容量の(深い)容器を対象とする場合のA−A断面部分図である。 この食品処理装置を用いて最終的に製品として得られる無菌パック米飯の一部破断正面図である。 この食品処理装置を用いて行う一連の無菌パック米飯製造工程を示すフロー図である。 本発明による食品処理装置を構成する容器搬送ユニットの一実施形態を示す平面図である。
本発明による食品処理装置は、最終的に図8に示す無菌パック米飯(容器1内に米飯3’が収容された長期保存可能な製品)を製造するために、図9に示す一連の製造工程における加圧蒸気殺菌工程(S2)に用いられるものであるので、装置の説明に先立って、一連の製造工程について説明する。
容器1(図8)に米3を定量充填する(図9:S1)。より詳しくは、精米機により精米された米(精白米)が貯蔵庫に貯蔵されており、これを脱気米を用いて常法により洗米・浸漬して10〜30%程度の含水率に調整した上で、容器1に個食分の定量(たとえば150〜200g)を充填する。
容器1は、食品処理装置10による殺菌処理工程(図9:S2)において、100℃以上、たとえば130〜150℃程度の高温に晒されても熱軟化・熱変形しない耐熱性と、耐水性と、密封シール工程(図9:S5)後の二次汚染を実質的に防止するための酸素不透過性を兼ね備えたプラスチック材料から、消費者に供給する一食分の米飯を収容するに必要且つ十分な容量を有する食品収容部1aと、その上端から略水平に外方に向けて延出するフランジ1bとを有して略皿状に一体成形されている。この容器1のプラスチック材料には主としてポリプロピレンが用いられるが、必要に応じて、ポリプロピレンにポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合樹脂をラミネートしたもの、ポリエチレンテレフタレート(PET)、表裏ポリプロピレン層の間に圧延アルミ箔などの金属箔を芯層として積層したものなどを使用することができる。
定量の米3が充填された容器1を高温高圧蒸気で殺菌処理する(S2)。本発明では、この殺菌処理に先立ち、容器搬送ユニット20で搬送される米充填容器1内の米3の表面を平らにする均し処理を行うと同時に、米3内に穴を開ける予備処理を行うものであり、この予備処理が後述する予備処理ユニット30で行われ、その直後に、高温高圧蒸気による殺菌処理が後述する殺菌ユニット40で行われることによって容器1と容器1内の米が同時に滅菌される。この殺菌処理は、米3が定量充填された容器1(蓋材2はまだ被着されていないので上面が開口した状態にある)に対して、高温高圧蒸気をフラッシュ注入するにより、容器1自体を滅菌処理すると同時に容器1内の米をも殺菌して一般生菌だけでなく耐熱生菌をも実質的に完全に死滅させる。後述するように、本発明によれば、高温高圧蒸気が食品収容部1a内の隅々まで満遍なく行き渡って全体にムラなく均一に滅菌することができる。同時に、収容室1a内の米が加熱されることによってアルファ化が促進されるため、その後の炊飯(S4)を短時間で効率的に行うことができる。
数回(たとえば8回)の殺菌処理(S2)を経た後、容器1の食品収容部1a内に定量の炊き水(水または湯)を注水する(S3)。食感と歩留まり向上のために、炊き水には脱気水を用いることが好ましい。炊き水はあらかじめ無菌化処理されたものを用い、また、所定pH値にあらかじめ調整されたものを用いることができる。なお、混ぜご飯や赤飯などのパック製品を製造する場合は、この工程において、またはその前後に付加した別工程において、必要な調味液、着色液、具材などを添加する。
次いで、蒸気炊飯機に投入して常法により蒸気炊飯する(S4)。省スペース化のため、蒸気炊飯機には循環駆動される多列多段式のゴンドラを用いることが好ましい。すなわち、各々が複数(たとえば4〜10個)の米充填容器1,1・・・を収容可能な棚板を複数段(たとえば7段)垂直方向に互いの間に間隔をおいて並行に積層してなる多段ゴンドラを複数基(たとえば8〜70基)用い、これら多段ゴンドラを垂直平面上に周回駆動されるチェーンコンベアに等間隔で接続してなる搬送装置を設置する。複数の米充填容器1を収容する棚板には、米充填容器1の食品収容部1aを嵌合するための開口が容器収容個数分形成されており、該開口の回りの縁面上にフランジ1bを係止することにより米充填容器1を吊り下げ状態で収容する構成を有するものを用いることができる。
このような多列多段式ゴンドラを用いた場合、滅菌済の米と炊き水と(場合によってはさらに調味液など)が充填された米充填容器1は、任意の移載装置により、リターンしてくる空の多段ゴンドラの各段に送り込まれる。そして、全段に米充填容器1を収容したゴンドラは蒸気炊飯機に送り込まれ、その室内を移動する間の所定時間(たとえば15〜40分)で蒸気炊飯される。
蒸気炊飯機の室内を複数のゾーンに分けて、各ゾーンごとに独立して温度制御するようにしても良い。これにより、炊飯工程に応じて最適な蒸気温度を設定することができる。
蒸気炊飯(S4)を完了したゴンドラはチェーンコンベアによって引き上げられ、一段ずつ容器1をコンベア上に送り出す。空になったゴンドラは蒸気炊飯機の入口に向けてリターンして次の容器収容に備える。
蒸煮処理完了後、炊飯された米飯を収容する米充填容器1を順次にシール装置に投入して、あらかじめUV殺菌された蓋材2(図5)を被着して密封シールする(S5)。シール装置は公知のヒートシール装置であって良いが、必要に応じて、シールした蓋材2の不要部分をカットするトリミング手段が付設される。密封シール後の二次汚染を防止するため、蓋材2としては、前述の容器1の材質と同様に酸素不透過性を有するプラスチック材料で成形されたフィルムを用いることが好ましく、ポリエチレンやポリプロピレンを主体とするイージーピール性を有するものが好適に用いられる。また、米充填容器1に窒素ガスなどの不活性ガスをフラッシュ注入して容器1内の空気を追い出して不活性ガス置換した後に密封シールを行うことも、二次汚染による品質劣化を防止するために好ましい方策の一つである。さらに必要な場合には脱酸素材を封入して密封シールする。
蒸気炊飯機の出口から密封シール装置への容器搬送はコンベアなどによって行われるが、この間に外気に晒されると雑菌が混入して二次汚染を招くおそれがあるので、これを防止するために、この間の領域は、たとえばクラス100〜1000程度のクリーン度を有するクリーンブースないしクリーンルームに収容される。これにより、加圧蒸気殺菌(S3)および蒸気炊飯(S6)による無菌状態が維持されて密封シールされるので、無菌パック製品として提供することが可能となる。クリーンブースの構造は、たとえば、蒸気炊飯機の出口からシール装置の入口までの間をトンネル状のブースとし、クリーンエア発生装置をブース中央上部に取り付けて連続的にクリーンエアを送入する。クリーンブース内を陽圧(たとえば外気圧より0.5〜2mmAq程度高い圧力)に保持して、クリーンエアをブースの上から下へ、中央から外周へと流し、また搬送コンベア上では搬送方向と反対方向に(密封シール装置から蒸気炊飯機に向けて)流すことにより、汚染された外気の侵入を防ぐように構成することが好ましい。
密封シール装置により米充填容器1を密封シールした後、常法により所定時間蒸らしを行って(S6)、炊飯後の上層部と下層部の水分量の均一化を図ると同時にアルファ化の促進を図る。蒸らし処理に先立って、密封シールされた容器1を上下反転させると、上下の水分量の均等化を促進させるのに有効である。
その後、蒸らし処理(S6)に伴う臭いを除去するために、密封シールされた米充填容器1をチラー水などの冷水槽に通過させて常温近く、たとえば40℃程度まで冷却する(S7)。米充填容器1を上下反転させて蒸らし処理を行った場合は、その上下反転状態を元に戻した後に冷却処理を行う。蒸らし処理および冷却処理においては、前述の蒸気炊飯機と同様の多段多列式ゴンドラを採用して処理効率の向上を図ることが好ましい。
冷却後、水分を除去して所定含水率まで乾燥させる処理を行い(S8)、さらに、製造年月日や賞味期限などの印刷、ピンホール検査、ウエイトチェックなどの製品化のために必要な後処理(S9)を経て、所望の無菌パック米飯(図8)が製造される。
このようにして製造された無菌パック米飯は、高圧高温蒸気による殺菌(S2)および蒸気炊飯(S4)によって保存性が高められ、一連の処理工程の間で外気に触れる可能性のある処理領域はクリーンブースで外気から遮断されており、且つ、酸素不透過性の容器1および蓋材2で内容物(米飯3)が外気から遮断されていて二次汚染を防止しているため、実質的な無菌状態が維持され、常温でも長期間(6ヶ月〜1年またはさらにそれ以上)の保存が可能である。したがって、消費者は購入後、電子レンジで1〜3分程度温めれば茹で立てと同様の食味および食感の米飯を手軽に食することができる。また、コンビニなどの販売店にとっては、過剰な仕入れによる廃棄ロスや過小な仕入れによる売上チャンスロスがなくなり、きわめて大きなコストメリットが得られる。
以下、本発明の一実施形態による食品処理装置10について、図1ないし図9を参照して詳述する。この食品処理装置は、容器搬送ユニット20(本発明の「容器搬送手段」に相当する)と、予備処理ユニット30(本発明の「予備処理ユニット」に相当する)と、殺菌ユニット40(本発明の「殺菌手段」に相当する)とを有して構成される。
容器搬送ユニット20はリテーナ21を有する。リテーナ21は、モータなどの駆動機構(図示せず)で所定方向(図1,図3,図5の紙面鉛直方向)に間欠的に駆動されるコンベア(図示せず)によって搬送される。リテーナ21には複数(図示例では4個)の略楕円形開口22が幅方向に所定間隔を置いて並設され、各開口にそれぞれ容器1の食品収容部1aが嵌合収容され、フランジ1bが各開口縁に係止された状態(図1,図5)で、容器1を支持する。リテーナ21の幅方向両端23,23にはブラケット24を介して遊転ローラ25が軸支され、このローラ25が、容器搬送方向に沿って延長するレール26上を自由に回転することにより、リテーナ21が容器搬送方向に円滑に移動可能とされている。なお、以上に説明した容器搬送ユニット20の詳細構成は図1に示されているが、図3および図5ではリテーナ21のみを示して他の構成要素は図示省略されている。
予備処理ユニット30は、リテーナ21に保持された容器1内の米3を均すと共に、本発明ではより重要な役割として容器1内の米3に穴を開けるものであり、図1に示すように、容器1内に入り込むことができる平面寸法を有する均し板31と、この均し板31の下面32から下方に所定長さ突出する中実のピン33と、均し板31(およびピン33)を待機位置(図1実線)と均し位置(図1仮想線)との間で昇降させるエアシリンダーなどの駆動機構34とを有する。ピン33は容器1内の米3に満遍なく穴を開けるために複数個設けられ、一例として図2に示されるような配置状態で設けられる。均し位置は、図1に仮想線で示すように、均し板31の下面32が容器1内の米3の表面4に密接して軽く圧力をかけられる位置であり、このときにピン33の先端が容器1の底面近くまで(たとえば容器底面から3〜5mm離れた位置まで)入り込むようにピン33の突出長を設定する。この予備処理ユニット30は、幅方向中心線X(図1)を中心として左右対称に構成されており、図1にはその左半分が図示されている。したがって、この予備処理ユニット30は、一度に4個の米充填容器1を処理することができる。
殺菌ユニット40は、上下に対向して配置された上チャンバー41と下チャンバー42とを有する。上下チャンバー41,42は、これらが互いに離隔した位置(図5)と、これらが互いに密接してこれらの間に実質的に密閉された空間43を与える位置(図3)との間で相対移動可能である。この実施形態では、上チャンバー41は固定であり、下チャンバー42が下方に離隔した離隔位置(図5)と上チャンバー41に密接する閉止位置(図3)との間で油圧シリンダーなどの駆動機構44を介して昇降可能に構成されている。密閉空間43は、4個の容器1を支持するリテーナ21を収容するに十分な平面寸法を有すると共に、後述するようにリテーナ21から容器1を持ち上げるための容器底受部材45を下チャンバー42の底面46と容器1との間に配置するためのスペースを与えている。符号47は密閉空間43を形成・保持するためのパッキンを示す。この殺菌ユニット40は、前述の予備処理ユニット30と共通の幅方向中心線Xを中心として左右対称に構成されており、図3ないし図5にはその左半分が図示されている。
上チャンバー41は、蒸気導入口48および蒸気排出口49を有する。スチームジェネレータ(図示せず)で発生させた高温高圧蒸気は蒸気導入口48から密閉空間43に入り込み、この密閉空間43において容器1内の米3を殺菌した後に、蒸気排出口49から排出されて、一回の蒸気殺菌処理を終了する。図6に略示されるように、蒸気導入口48にはスチームジェネレータからの蒸気導入管50が接続され、蒸気排出口49には蒸気排出管51が接続されており、これら蒸気導入管50および蒸気排出管51にそれぞれ設けられる電磁バルブ52,53を開閉することによって、蒸気導入および排出のタイミングを制御している。このような制御手法自体は公知であるので、詳細な説明を省略する。
前述の容器底受部材45は、リテーナ21に支持される容器1の直下において下チャンバー42の底面46上に載置される。容器底受部材45としてはステンレス製などの穴あき板(パンチングプレート)を用いることが好ましく、これによって上下チャンバー41,42間の密閉空間43に導入された高温高圧蒸気を容器1の下方に回り込ませて容器底面から加熱殺菌することが可能になる。容器底受部材45は、上下チャンバー41,42が互いに離隔した離隔位置(図5)にあるときは、リテーナ21に支持される容器1の下方に待避して干渉しないが、駆動機構44によって下チャンバー42が上昇していく過程でリテーナ21に支持された容器1の底面に当たり、さらに下チャンバー42が上昇することにより容器1をリテーナ21から外して所定高さまで持ち上げる(図3)。この動作については後に詳述する。
ノズルユニット60は、ノズルベース61と、上チャンバー41とノズルベース61との間に実質的に密閉された蒸気室62を形成するためにノズルベース61上に設けられるスチームガイド63と、ノズルベース61の下面に固着されるノズルホルダー64と、複数のノズル65と、押さえ板66とを有する。ノズルベース61は、上チャンバー41の上隅の内設段部54の下面にビスなどの固着具(図示せず)で固定されており、したがってノズルユニット60全体が上チャンバー41と一体になっている。ノズルベース61はステンレスなどの金属板であり、上下チャンバー41,42間の密閉空間43と略同一の平面寸法を有する。
スチームガイド63は上チャンバー41の段部54と略同一の高さ寸法を有する(図3)と共に、この実施例では中心線Xの両側に設けられ、それぞれ2個の容器1の開口部を取り囲む形状(図4)を有し、ノズルベース61が上チャンバー41に取り付けられたときにその上面が上チャンバー41の下面55に密接することにより、これらの間に実質的に閉じられた空間としての蒸気室62を形成する。蒸気導入口48はスチームガイド63により形成される蒸気室62内で開口しており、蒸気導入口48に導入された高温高圧蒸気は蒸気室62に入り込み、後述の殺菌処理の後、蒸気室62の外側においてノズルベース61に形成されている開口67および蒸気排出口49を介して装置外に排出される。
なお、スチームガイド63は上述のように実質的に閉じられた空間としての蒸気室62を規定するが、ノズルベース61上においてスチームガイド63の壁厚を貫通する壁厚貫通穴(図示せず)が数ヶ所に形成されており、この壁厚貫通穴において蒸気室62の内外がノズルベース61上で部分的に連通している。蒸気室62を「実質的に」閉じられた空間と表現したのはこの意味である。この壁厚貫通穴は、後述するように、蒸気に含まれる熱水を蒸気室62の外に排出する作用を果たすと共に、容器1の外側を加熱殺菌し、併せて、容器1の内外の圧力差をなくす作用を果たす。
押さえ板66は、容器1ごとにそのフランジ1bを覆うに十分な平面寸法を有するステンレスなどの板状体であり、ノズルホルダー64の下方において若干の上下動を許容して取り付けられる。取付の一例として、図示実施例では、複数箇所においてスチームガイド63およびノズルホルダー64に固着したネジ軸68の各々先端に、下端にストッパー69を有するガイド支柱70を螺着し、このストッパー69を押さえ板66の外周端近くに形成した裏面凹部71に嵌合収容させることにより、押さえ板66とノズルホルダー64との間の隙間高さ範囲内において若干の上下動を許容しつつ押さえ板66を吊り下げた状態で取り付ける構成が採用されている。この構成によれば、すべてのガイド支柱70をネジ軸68から取り外すことによって押さえ板66を容易に着脱することができ、メンテナンスや交換に有利である。
押さえ板66にはノズル65を挿通させるためのノズル挿通孔72がノズル65の位置に対応して同数だけ形成されている。ノズル挿通孔72は、ノズル65の外径より幾分大きい口径を有するものとして形成されており、したがってノズル65を挿通させた状態においてもその周囲には蒸気を通過(排出)させるための蒸気通路73が残されている。
複数のノズル65はノズルホルダー64を厚さ方向に貫通している。ノズル65の上端は蒸気室62において所定高さまで突出した位置で開口し、また、押さえ板66のノズル挿通孔72を挿通してその下方に所定長さ突出した位置でその下端が開口している。ノズル65の配置は予備処理ユニット30のピン33の配置(図2)と同じであり、ノズル65の外径は予備処理ユニット30のピン33より若干(1〜2mm程度)小さくしてある。
以上のように構成された食品処理装置10の作用について説明する。米3が定量充填された容器1が容器搬送ユニット20のリテーナ21に保持された状態で予備処理ユニット30の直下位置に到達すると、該位置で所定時間停止し、その間に予備処理ユニット30による均しおよび穴あけの処理が行われる。すなわち、駆動機構34により均し板31が待機位置(図1実線)から均し位置(図1仮想線)まで下降し、その下面32が容器1内の米3の表面4に密接して軽く圧力をかけることにより米3の表面4の凹凸を無くして均すと共に、この下降によってピン33が容器1内の米3に突き刺さって米3に穴5を開ける。ピン33の先端は容器1の底近くにまで達するので、容器1内の米3の表面4から容器1の底近くにまで達する深さの穴5が、ピン33の配置(図2)と同じ配置で形成される。
予備処理ユニット30による上記処理が完了した後、再びコンベア(図示せず)を駆動して、米充填容器1を容器搬送ユニット20のリテーナ21に保持された状態で搬送し、殺菌ユニット40の直下位置に到達すると、該位置で所定時間停止し、その間に殺菌ユニット40による殺菌処理が行われる。既述したように、殺菌効果を高めるためには数回(たとえば8回)の殺菌処理を繰り返して行うことが好ましいので、図3および図4に示されるような殺菌ユニット40を容器搬送方向に数個連設し、各殺菌ユニット40の直下位置で殺菌処理を行う。米充填容器1が各殺菌位置に送り込まれるとき、上下チャンバー41,42は互いに離隔した離隔位置(図5)にある。また、このとき、押さえ板66はその裏面凹部71の天井面にストッパー69が係止された吊り下げ状態で保持されており、容器1もそのフランジ1bがリテーナ21に吊り下げられた状態で支持されていて、押さえ板66は容器フランジ1bとは離れている。また、リテーナ21に支持されている容器1の底面は、その直下位置において下チャンバー42に載置されている容器底受部材45から離れている。そして、この位置でコンベアを停止させた後、駆動機構44により下チャンバー42を上昇させて上チャンバー41に密接させ、それらの間に密閉空間43を形成する。
下チャンバー42が上チャンバー41と密接して密閉空間43を形成するに至る上昇過程において、まずリテーナ21に支持されている容器1の底面に容器底受部材45が当接し、さらに下チャンバー42が上昇することによって容器1はリテーナ21による係止状態から離れて持ち上げられていく。そして、容器フランジ1bが押さえ板66の下面に当接した後もなお若干上昇することにより、容器フランジ1bによって持ち上げられるようにして押さえ板66が上昇し、密閉空間43が形成されるときには図3に示す状態が得られる。このとき、容器1は、食品収容部1aがリテーナ21の開口22に入り込み、底面が容器底受部材45の上に支持され、フランジ1bの上に押さえ板66の自重が作用して密接した状態となっている。また、容器フランジ1bに密接する押さえ板66のノズル挿通孔72を挿通して更に下方に延長しているノズル65は、予備処理ユニット30のピン33によって容器1内の米3に開けられた穴5の直上位置で該穴5に対向している。ノズル54の先端は容器1内に入り込んでいても良いが、容器1内の米3の表面4には達しておらず、したがって穴5の中には入り込まない位置に止まっている。
この状態で、蒸気導入口48から高温高圧蒸気を導入する。たとえば、145℃の高温高圧蒸気を5.5秒間フラッシュ注入する。蒸気導入口48から導入された蒸気は、上チャンバー41の下面55とノズルベース61との間でスチームガイド63に囲まれている蒸気室62を充満した後、該蒸気室62で上端開口しているノズル65に入り込み、その下端から容器1内に噴射される。予備処理ユニット30におけるピン33の配置(図2)と殺菌ユニット40におけるノズル65の配置は同一であるから、ノズル65の下端から噴射された高温高圧蒸気は主としてその直下にある穴5の中に入り込み、穴5から容器1内の米の中に徐々に入り込んでいく。また、一部は容器1内の米3の表面4から徐々に下方に入り込み、一部は容器1の内面に向けて進む。このようにして、容器1に充填された食品3を全般にわたって満遍なく均一に殺菌すると共に容器1自体をも殺菌し、併せて固まった食品3をほぐす効果も得られる。このとき、容器1の開口部は、フランジ1bに密接する押さえ板66の自重が作用することによって実質的に閉塞されているので、ノズル65からの蒸気噴射によっても食品が容器外に飛散したり、フランジ1bに付着することがない。また、噴射された蒸気は、スチームガイド63の外側でノズルベース61に形成された開口67を通って密閉空間43に入り込んで、容器1の外側からも加熱殺菌効果を与える。
また、容器1が押さえ板66と容器底受部材45との間に挟まれた状態で蒸気殺菌が行われるのでその高さ寸法が維持され、また、リテーナ21の開口22に嵌み込まれているので横方向への膨らみ変更も防止される。したがって、殺菌処理中に高温高圧蒸気が容器1内に注入されたときに容器1が内圧上昇によって膨らんで変形することを防止する。この構成によれば容器1の膨らみが物理的に規制されるので、下記のように蒸気通路73を通って行われる蒸気排出をスムーズに行わせて、過度の内圧上昇を防止することができる。
さらに、ノズル65は、その下端が穴5の中には入り込まない位置で穴5に向けて蒸気を噴出するので、ノズル65に米3が付着しない。したがって、特許文献3の従来技術において散見される不具合、すなわち、ノズル側面に付着した食品が繰り返し同じ位置で高温蒸気フラッシュを浴びることにより焼けて変色し、これがノズルから脱落して容器内に入り込むことで製品価値が大きく低下するという問題に対して、根本的な解決手段を与えることができる。
なお、ノズル65の上端はノズルベース61上に所定高さまで突出しているので、導入された高温高圧蒸気に含まれる熱水はノズル65に入り込むことなく、蒸気室62の内部においてノズルベース61上を流れた後に前述の壁厚貫通穴からスチームガイド63の外に導かれ、さらにノズルベース61の周縁部に形成された複数の切欠き74から落下して排出される。
所定時間の蒸気フラッシュによる殺菌処理を終えた後、蒸気排出口49からの蒸気排出管51に設けられた電磁バルブ53を開く。容器1内に入り込んだ蒸気は、押さえ板66のノズル挿入孔72の口径とノズル65の外径との寸法差によって与えられる蒸気通路73を通って容器1外に排出され、さらに、上下チャンバー41,42間の密閉空間43からノズルベース61の開口67および蒸気排出口49を介して殺菌ユニット40外に排出される。そして、駆動機構44により下チャンバー42を下降させて、図5に示す離隔状態に戻す。容器1はリテーナ21に保持された状態となり、コンベアにより次の(2回目の)殺菌処理位置に搬送される。
このようにして、コンベア停止により容器1が殺菌処理位置で停止している間に、型密閉→蒸気フラッシュ→型開放を1サイクルとする殺菌処理が行われ、これを数ヵ所の殺菌処理位置において繰り返して行うものであり、各殺菌処理位置において既述した構成の殺菌ユニット40が用いられる。
この殺菌ユニット40では一食分の米飯を封入するパック米飯を製造する過程で殺菌処理を行うものであるが、一食分と言ってもニーズは様々であり、たとえば100gパック米飯、200gパック米飯、300gパック米飯など数種類のパック米飯を製造する場合がある。このような場合、容器1の平面寸法を大きく変えずに、深さを変えることで容量の増減に対応させるのが一般的であり、リテーナ21を共用できるので有利である。
図7は、既述した構成の殺菌ユニット40において、これまで対象としてきた容器1よりも容量が大きい(したがって深い)容器1’を殺菌処理対象とする場合の用例を示している。この場合には、容器1を対象とする場合に用いた容器底受部材45に代えて、容器の深さ寸法増大分だけ厚さを小さくした容器底受部材45’を用いる。これにより、既述したと同様にして、下チャンバー42を上チャンバー41に密接させるための上昇移動の過程で、容器底受部材45’によって容器1’をリテーナ21から浮上させ、そのフランジ1bを押さえ板66の下面に当接させ、さらに押さえ板66を浮上させて、押さえ板66の自重によって容器1’の開口を閉止することができる。このように、一つの殺菌ユニット40において厚さの異なる複数の容器底受部材45,45’を用意しておいて、容器1,1’の深さに応じたものを選択して用いることにより、深さの異なる容器に対応させることができる。もちろん、単一の深さの容器のみを対象とする場合は、その容器深さに応じた厚さを有する一つの容器底受部材を使用すれば良い。
この実施形態による食品処理装置10による効果を確認するために、図8の容器1に浸漬米3を充填して予備処理ユニット30による予備処理を行った後に殺菌ユニット40による殺菌処理を行ったときのF値を測定した。米は平成22年度埼玉県産「彩のかがやき」(登録商標)を使用し、これを洗米した後、埼玉県羽生市の水道水に1時間浸漬し、よく水切りして、酸素バリア性を有するポリプロピレン製の容器(「ラミコン」登録商標)1に充填した。この容器は炊飯後の出来上がり状態で300gの米を収容するものであり、歩留まりを230%に設定して、浸漬米165gを容器1に充填した。充填した米は生米の状態で130.5gであり、浸漬率126.4%であった。これを予備処理ユニット30に投入して容器1内の米3にピン33で穴5を開けた後、殺菌ユニット40に投入し、145℃の蒸気を蒸気導入口48から5.5秒間導入してノズル65から穴5に向けて噴射する蒸気殺菌処理を8回繰り返して行った。同一条件で51回の試験を行って、雰囲気最終F値および底面部最終F値を測定した。結果を表1に示す。
この表に示すように、既述食品処理装置10を使用して予備処理として容器1内の米3に穴5を開けた後に該穴に対して高温高圧蒸気をノズル65から注入して殺菌を行うと、全体雰囲気の最終F値が平均76.9(最大91.2)、底面部における最終F値が60.2ときわめて高い数値が安定して取れており、しかも底面部最終F値が雰囲気最終F値とそれほど大きく変わらないことから、容器1内の米3が満遍なく均一に殺菌されていることが確認できた。表1に併せて示されている従来技術(特許文献3、すなわち容器内の米に穴を開ける予備処理を行わず、ノズルを直に米の中に挿入して蒸気噴出することにより殺菌処理を行う場合)による数値(特許文献3の表1から転記)と対比すれば、あらかじめ開けておいた穴の中に蒸気を注入する本発明方式による効果がきわめて顕著であることが明らかである。これは、あらかじめ複数の穴を開けておくことにより蒸気が穴の中に入り込みやすくなり、且つ、穴に入り込んだ蒸気(熱)が容器の表面近くから底面近くまでのあらゆる深さ地点において穴から米の中に浸透していくため、より高い殺菌効果を均一に与えることに寄与しているものと考えられる。
以上に本発明の実施形態について添付図面を参照して詳述したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定された発明の範囲内において様々な態様を取り得ることは言うまでもない。たとえば、予備処理ユニット30のピン33はすべて同じ長さとして図示されているが、これは一例にすぎず、長さの異なるピン33を設けても良い。たとえば、底面の中央が若干盛り上がった形状の容器1の場合は、容器中央に入り込むピン33より周縁部に入り込むピン33を若干長くして、容器1の全般にわたってピン33の先端が底面近くまで入り込むようにし、これにより容器1の深さが異なる位置においても一様に底面近くまで入り込む深さの穴5を形成するようにしても良い。
なお、既述実施形態による殺菌ユニット40では、ノズル65からの蒸気噴出による食品(米3)の飛散を防止するためにノズルユニット60に押さえ板66が設けられているが、蒸気殺菌処理を受けることによって容器1内の米3は蒸気によって水分量が増大し、蒸気噴出を受けても徐々に飛散しにくいものとなる。したがって、複数回繰り返し行われる蒸気殺菌処理のうちの最初の数回の蒸気殺菌処理については既述実施形態と同様に押さえ板66を有する殺菌ユニット40を用い、その後の後半の蒸気殺菌処理については押さえ板66を割愛した構成の殺菌ユニット40を用いるようにしても良い。
1,1’ 容器
1a 食品収容部
1b フランジ
2 蓋材
3 米(食品)
3’ 炊飯後の米
4 米の表面
10 食品処理装置
20 容器搬送ユニット(容器搬送手段)
21 リテーナ
22 開口
23 リテーナの幅方向両端
24 ブラケット
25 遊転ローラ
26 レール
30 予備処理ユニット(予備処理手段)
31 均し板
32 均し板の下面
33 ピン
40 殺菌ユニット(殺菌手段)
41 上チャンバー
42 下チャンバー
43 密閉空間
44 駆動機構
45,45’ 容器底受部材(容器持ち上げ手段)
46 下チャンバーの底面
47 パッキン
48 蒸気導入口
49 蒸気排出口
50 蒸気導入管
51 蒸気排出管
52 蒸気導入用の電磁バルブ
53 蒸気排出用の電磁バルブ
54 上チャンバー上隅の内設段部
55 上チャンバーの下面
60 ノズルユニット
61 ノズルベース
62 蒸気室
63 スチームガイド
64 ノズルホルダー
65 ノズル
66 押さえ板
67 開口
68 ネジ軸
69 ガイド支柱
70 ストッパー
71 凹部
72 ノズル挿通孔
73 蒸気通路
74 ノズルベース周縁部の切欠き

Claims (7)

  1. 食品が充填された上面開口の容器を所定方向に搬送する容器搬送手段と、容器搬送手段により第一の所定位置に搬送された容器内の食品を予備処理する予備処理手段と、予備処理手段による処理を経て容器搬送手段により第一の所定位置からさらに所定方向に搬送された第二の所定位置において容器内の食品を殺菌する殺菌手段とを有し、予備処理手段は、昇降可能に設けられる均し板と、均し板の下面から下方に所定長さ突出する複数のピンを備え、均し板が上方の待機位置から下降したときに均し板の下面が容器内の食品の表面に圧接することにより容器内の食品を表面均しすると共にピンが容器内に入り込んで食品に穴を開けるものであり、殺菌手段は、互いに離隔する離隔位置と互いに密接して内部に密閉空間を形成する閉止位置との間で相対移動可能な上下チャンバーと、上下チャンバーが閉止位置にあるときに上下チャンバー間の密閉空間内において容器内の食品に既に開けられている前記穴に向けて高温高圧蒸気を噴出する複数のノズルを備え、前記予備処理手段に設けられる複数のピンと前記殺菌手段に設けられる複数のノズルとが同一パターンで配置され、第二の所定位置において前記密閉空間内で殺菌手段による殺菌処理が行われるときに各ノズルが容器内の食品に既に開けられている前記穴に対向する直上位置で蒸気を噴出することを特徴とする食品処理装置。
  2. 前記予備処理手段に設けられる複数のピンは、均し板の下面が容器内の食品の表面に圧接する位置まで均し板が下降したときに、その先端が容器底面から3〜5mm離れた位置に到達するように突出長さが設定されることを特徴とする、請求項記載の食品処理装置。
  3. 前記予備処理手段に設けられる複数のピンは前記殺菌手段に設けられる複数のノズルより若干大径に形成されることを特徴とする、請求項1または2記載の食品処理装置。
  4. 前記殺菌手段には、さらに、第二の所定位置において前記密閉空間内で殺菌手段による殺菌処理が行われるときに容器の上面開口を閉止する押さえ板が上チャンバーに設けられることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか記載の食品処理装置。
  5. 前記殺菌手段には、さらに、第二の所定位置において前記密閉空間内で殺菌手段による殺菌処理が行われるときに容器を容器搬送手段から離して持ち上げる容器持ち上げ手段が設けられ、前記押さえ板は上下チャンバーが離隔位置にあるときは容器の上方に離れて位置すると共にその位置からさらに上方移動可能に上チャンバーに吊下されており、容器持ち上げ手段は、上下チャンバーを相対移動させて密閉空間を形成するときに該密閉空間内において容器を容器搬送手段から離脱させ、該容器のフランジを押さえ板の下面に当接させ、さらに容器と一緒に押さえ板を上昇させることにより容器の上面開口を閉止することを特徴とする、請求項記載の食品処理装置
  6. 前記容器持ち上げ手段が、容器の下方において下チャンバーの底面に載置された容器底受部材であることを特徴とする、請求項記載の食品処理装置。
  7. 容器の深さに応じて異なる厚さの容器底受部材が交換可能に用いられることを特徴とする、請求項記載の食品処理装置。
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