図1ないし図5に本発明の一実施形態による食品殺菌装置10の構成が示されている。この殺菌装置10は、最終的に図6に示す無菌パック米飯を製造するために、図7に示す一連の製造工程における加圧蒸気殺菌工程(S3)に用いられるものであるので、装置の説明に先立って、一連の製造工程について説明する。
容器1(図6)に米を定量充填する(図7:S1)。より詳しくは、精米機により精米された米(精白米)が貯蔵庫に貯蔵されており、これを脱気米を用いて常法により洗米・浸漬して10〜30%程度の含水率に調整した上で、容器1に個食分の定量(たとえば150〜200g)を充填する。
容器1は、殺菌装置10による殺菌処理工程(図7:S2)における100℃以上、たとえば130〜150℃程度の高温に晒されても熱軟化・熱変形しない耐熱性と、耐水性と、密封シール工程(図7:S5)後の二次汚染を実質的に防止するための酸素不透過性を兼ね備えたプラスチック材料から、消費者に供給する一食分の米飯を収容するに必要且つ十分な容量を有する食品収容部1aと、その上端から略水平に外方に向けて延出するフランジ1bとを有して略皿状に一体成形されている。この容器1のプラスチック材料には主としてポリプロピレンが用いられるが、必要に応じて、ポリプロピレンにポリ塩化ビニリデンやエチレンビニルアルコール共重合樹脂をラミネートしたもの、ポリエチレンテレフタレート(PET)、表裏ポリプロピレン層の間に圧延アルミ箔などの金属箔を芯層として積層したものなどを使用することができる。
定量の米が充填された容器を高温高圧蒸気で殺菌処理する(S2)。この殺菌処理が後述する殺菌装置10で行われ、これによって容器1と容器1内の米が同時に滅菌される。また、後述するように、高温加圧蒸気が食品収容部1a内の隅々まで満遍なく行き渡って全体にムラなく均一に滅菌され、一般生菌だけでなく耐熱生菌をも実質的に完全に死滅させる。同時に、収容室1a内の米が加熱されることによってアルファ化が促進されるため、その後の炊飯(S4)を短時間で効率的に行うことができる。
数回(たとえば8回)の殺菌処理(S2)を経た後、容器1の食品収容部1a内に定量の炊き水(水または湯)を注水する(S3)。食感と歩留まり向上のために、炊き水には脱気水を用いることが好ましい。炊き水はあらかじめ無菌化処理されたものを用い、また、所定pH値にあらかじめ調整されたものを用いることができる。なお、混ぜご飯や赤飯などのパック製品を製造する場合は、この工程において、またはその前後に付加した別工程において、必要な調味液、着色液、具材などを添加する。
次いで、蒸気炊飯機に投入して常法により蒸気炊飯する(S4)。省スペース化のため、蒸気炊飯機には循環駆動される多列多段式のゴンドラを用いることが好ましい。すなわち、各々が複数(たとえば4〜10個)の米充填容器1,1・・・を収容可能な棚板を複数段(たとえば7段)垂直方向に互いの間に間隔をおいて並行に積層してなる多段ゴンドラを複数基(たとえば8〜70基)用い、これら多段ゴンドラを垂直平面上に周回駆動されるチェーンコンベアに等間隔で接続してなる搬送装置を設置する。複数の米充填容器1を収容する棚板には、米充填容器1の食品収容部1aを嵌合するための開口が容器収容個数分形成されており、該開口の回りの縁面上にフランジ1bを係止することにより米充填容器1を吊り下げ状態で収容する構成を有するものを用いることができる。
このような多列多段式ゴンドラを用いた場合、滅菌済の米と炊き水と(場合によってはさらに調味液など)が充填された米充填容器1は、任意の移載装置により、リターンしてくる空の多段ゴンドラの各段に送り込まれる。そして、全段に米充填容器1を収容したゴンドラは蒸気炊飯機に送り込まれ、その室内を移動する間の所定時間(たとえば15〜40分)で蒸気炊飯される。
蒸気炊飯機の室内を複数のゾーンに分けて、各ゾーンごとに独立して温度制御するようにしても良い。これにより、炊飯工程に応じて最適な蒸気温度を設定することができる。
蒸気炊飯(S4)を完了したゴンドラはチェーンコンベアによって引き上げられ、一段ずつ容器1をコンベア上に送り出す。空になったゴンドラは蒸気炊飯機の入口に向けてリターンして次の容器収容に備える。
蒸煮処理完了後、炊飯された米飯を収容する米充填容器1を順次にシール装置に投入して、あらかじめUV殺菌された蓋材2(図5)を被着して密封シールする(S5)。シール装置は公知のヒートシール装置であって良いが、必要に応じて、シールした蓋材2の不要部分をカットするトリミング手段が付設される。密封シール後の二次汚染を防止するため、蓋材2としては、前述の容器1の材質と同様に酸素不透過性を有するプラスチック材料で成形されたフィルムを用いることが好ましく、ポリエチレンやポリプロピレンを主体とするイージーピール性を有するものが好適に用いられる。また、米充填容器1に窒素ガスなどの不活性ガスをフラッシュ注入して容器1内の空気を追い出して不活性ガス置換した後に密封シールを行うことも、二次汚染による品質劣化を防止するために好ましい方策の一つである。さらに必要な場合には脱酸素材を封入して密封シールする。
蒸気炊飯機の出口から密封シール装置への容器搬送はコンベアなどによって行われるが、この間に外気に晒されると雑菌が混入して二次汚染を招くおそれがあるので、これを防止するために、この間の領域は、たとえばクラス100〜1000程度のクリーン度を有するクリーンブースないしクリーンルームに収容される。これにより、加圧蒸気殺菌(S3)および蒸気炊飯(S6)による無菌状態が維持されて密封シールされるので、無菌パック製品として提供することが可能となる。クリーンブースの構造は、たとえば、蒸気炊飯機の出口からシール装置の入口までの間をトンネル状のブースとし、クリーンエア発生装置をブース中央上部に取り付けて連続的にクリーンエアを送入する。クリーンブース内を陽圧(たとえば外気圧より0.5〜2mmAq程度高い圧力)に保持して、クリーンエアをブースの上から下へ、中央から外周へと流し、また搬送コンベア上では搬送方向と反対方向に(密封シール装置から蒸気炊飯機に向けて)流すことにより、汚染された外気の侵入を防ぐように構成することが好ましい。
密封シール装置により米充填容器1を密封シールした後、常法により所定時間蒸らしを行って(S6)、炊飯後の上層部と下層部の水分量の均一化を図ると同時にアルファ化の促進を図る。蒸らし処理に先立って、密封シールされた容器1を上下反転させると、上下の水分量の均等化を促進させるのに有効である。
その後、蒸らし処理(S6)に伴う臭いを除去するために、密封シールされた米充填容器1をチラー水などの冷水槽に通過させて常温近く、たとえば40℃程度まで冷却する(S7)。米充填容器1を上下反転させて蒸らし処理を行った場合は、その上下反転状態を元に戻した後に冷却処理を行う。蒸らし処理および冷却処理においては、前述の蒸気炊飯機と同様の多段多列式ゴンドラを採用して処理効率の向上を図ることが好ましい。
冷却後、水分を除去して所定含水率まで乾燥させる処理を行い(S8)、さらに、製造年月日や賞味期限などの印刷、ピンホール検査、ウエイトチェックなどの製品化のために必要な後処理(S9)を経て、所望の無菌パック米飯(図5)が製造される。
このようにして製造された無菌パック米飯は、高圧高温蒸気による殺菌(S2)および蒸気炊飯(S4)によって保存性が高められ、一連の処理工程の間で外気に触れる可能性のある処理領域はクリーンブースで外気から遮断されており、且つ、酸素不透過性の容器1および蓋材2で内容物(米飯3)が外気から遮断されていて二次汚染を防止しているため、実質的な無菌状態が維持され、常温でも長期間(6ヶ月〜1年またはさらにそれ以上)の保存が可能である。したがって、消費者は購入後、電子レンジで1〜3分程度温めれば茹で立てと同様の食味および食感の米飯を手軽に食することができる。また、コンビニなどの販売店にとっては、過剰な仕入れによる廃棄ロスや過小な仕入れによる売上チャンスロスがなくなり、きわめて大きなコストメリットが得られる。
図1ないし図3を参照して、殺菌処理工程(図7:S2)を行うために使用される本発明の一実施形態による食品殺菌装置10について、以下詳述する。この殺菌装置10は、米が定量充填された容器1(蓋材2はまだ被着されていないので上面が開口した状態にある)を処理対象として、高温高圧蒸気により、容器1自体を滅菌処理すると同時に容器1内の米をも殺菌して一般生菌だけでなく耐熱生菌をも実質的に完全に死滅させる。なお、この殺菌装置10は、幅方向中心線X(図1,図2)を中心として左右対称に構成されており、図1および図2にはその半分が図示されている。
この殺菌装置10は、モータなどの駆動手段(図示せず)で所定方向(図1紙面鉛直方向,図2紙面上下方向)に間欠的に駆動されるコンベア(図示せず)によって搬送されるリテーナ11を有する。リテーナ11には複数(図示例では4個)の楕円形開口が幅方向に所定間隔を置いて並設され、各開口にそれぞれ容器1の食品収容部1aが嵌合収容され、フランジ1bが各開口縁に係止された状態(図3)で、容器1が支持される。リテーナ11は本発明の「容器支持手段」の一例である。
この殺菌装置10は、上下に対向して配置された上チャンバー12と下チャンバー13とを有する。上下チャンバー12,13は、これらが互いに離隔した待機位置(図3)と、これらが互いに密接してこれらの間に実質的に密閉された空間を与える閉止位置(図1)との間で相対移動可能である。この実施形態では、上チャンバー12は固定であり、下チャンバー13が下方に離隔した待機位置(図3)と上チャンバー12に密接する閉止位置(図1)との間で油圧シリンダーなどの駆動手段14を介して昇降可能に構成されている。図1には上下チャンバー12,13が互いに密接してこれらの間に密閉空間15を与える閉止位置にある状態が示されており、この状態において殺菌処理が行われる。密閉空間15は、4個の容器1を支持するリテーナ11を収容するに十分な平面寸法を有すると共に、後述するようにリテーナ11から容器1を持ち上げるための容器底受部材16(この実施例において「容器持ち上げ手段」を構成する)を下チャンバー13の底面13aと容器1との間に配置するスペースを与えている。符号17は密閉空間15を形成・保持するためのパッキンを示す。
上チャンバー12は、蒸気導入口18および蒸気排出口19を有する。スチームジェネレータ(図示せず)で発生させた高温高圧蒸気は蒸気導入口18から密閉空間15に入り込み、この密閉空間15において容器1内の食品(米)を殺菌した後に、蒸気排出口19から排出されて、一回の蒸気殺菌処理を終了する。図4に略示されるように、蒸気導入口18にはスチームジェネレータからの蒸気導入管20が接続され、蒸気排出口19には蒸気排出管21が接続されており、これら蒸気導入管20および蒸気排出管21にそれぞれ設けられる電磁バルブ22,23を開閉することによって、蒸気導入および排出のタイミングを制御している。このような制御手法自体は公知であるので、詳細な説明を省略する。
前述の容器底受部材16は、リテーナ11に支持される容器1の直下において下チャンバー13の底面13a上に載置されている。容器底受部材16としてはステンレス製などの穴あき板(パンチングプレート)を用いることが好ましく、これによって上下チャンバー12,13間の密閉空間15に導入された高温高圧蒸気を容器1の下方に回り込ませて容器底面から加熱殺菌することが可能になる。容器底受部材16は、上下チャンバー12,13が互いに離隔した待機位置(図3)にあるときは、リテーナ11に支持される容器1の下方に待避して干渉しないが、駆動手段14によって下チャンバー13が上昇していく過程でリテーナ11に支持された容器1の底面に当たり、さらに下チャンバー13が上昇することにより容器1をリテーナ11から外して所定高さまで持ち上げる(図1)。この動作については後に詳述する。
ノズルユニット30は、ノズルベース31と、上チャンバー12の下面12aとノズルベース31との間に実質的に密閉された蒸気室32を形成するためにノズルベース31上に設けられるスチームガイド33と、ノズルベース31の下面に固着されるノズルホルダー34と、複数の蒸気ノズル35と、押さえ板36とを有する。ノズルベース31は、上チャンバー12の上隅の内設段部12bの下面にビスなどの固着具(図示せず)で固定されており、したがってノズルユニット30全体が上チャンバー12と一体になっている。ノズルベース31はステンレスなどの金属板であり、上下チャンバー12,13間の密閉空間15と略同一の平面寸法を有する。
スチームガイド33は上チャンバー12の段部12bと略同一の高さ寸法を有する(図1)と共に、この実施例では中心線Xの両側において設けられ、それぞれ2個の容器1の開口部を取り囲む形状(図1)を有し、ノズルベース31が上チャンバー12に取り付けられたときにその上面が上チャンバー12の下面12aに密接することにより、これらの間に実質的に閉じられた空間としての蒸気室32を形成している。蒸気導入口18はスチームガイド33により形成される蒸気室32内で開口しており、蒸気導入口18に導入された高温高圧蒸気は蒸気室32に入り込み、後述の殺菌処理の後、蒸気室32の外側においてノズルベース31に形成された開口39および蒸気排出口19を介して装置外に排出される。
なお、スチームガイド33は上述のように実質的に閉じられた空間としての蒸気室32を規定するが、ノズルベース31上においてスチームガイド33の壁厚を貫通する壁厚貫通穴(図示せず)が数ヶ所に形成されており、この壁厚貫通穴において蒸気室32の内外がノズルベース31上で部分的に連通している。蒸気室25を「実質的に」閉じられた空間」と表現したのはこの意味である。この壁厚貫通穴は、後述するように、蒸気に含まれる熱水を蒸気室32の外に排出する作用を果たす。
押さえ板36は、容器1ごとにそのフランジ1bを覆うに十分な平面寸法を有するステンレスなどの板状体であり、ノズルホルダー34の下方において若干の上下動を許容して取り付けられる。取付の一例として、図示実施例では、複数箇所においてスチームガイド33およびノズルホルダー34に固着したネジ軸67の各々に、下端にストッパー68aを有するガイド支柱68を螺着し、このストッパー68aを押さえ板36の外周端近くにおいて裏面側に形成した凹部36aに嵌合収容させることにより、押さえ板36とノズルホルダー34との間の隙間高さ範囲内において若干の上下動を許容しつつ押さえ板36を吊り下げた状態で取り付ける構成が採用されている。この構成によれば、すべてのガイド支柱68をネジ軸67から取り外すことによって押さえ板36を容易に着脱することができ、メンテナンスや交換に有利である。
押さえ板36には蒸気ノズル35を挿通させるためのノズル挿通孔37が蒸気ノズル35の位置に対応して同数だけ形成されている。ノズル挿通孔37は、蒸気ノズル35の外径より幾分大きい口径を有するものとして形成されており、したがって蒸気ノズル35を挿通させた状態においてもその周囲には蒸気を通過(排出)させるための蒸気通路38が残されている。
複数の蒸気ノズル35はノズルホルダー34と一体に樹脂成形され、ノズルホルダー34を厚さ方向に貫通している。蒸気ノズル35の上端は蒸気室32において所定高さまで突出した位置で開口し、また、押さえ板36のノズル挿通孔37を挿通してその下方にわずかに突出した位置でその下端が開口している。
以上のように構成された殺菌装置10の作用について説明する。上下チャンバー12,13が互いに離隔した待機位置にあるとき(図3)に、コンベア(図示せず)駆動によって、リテーナ11に支持された米充填容器1が上下チャンバー12,13間の所定位置(最初の殺菌処理位置)に送り込まれる。このとき、押さえ板36は、その凹部36の天井面にストッパー68aが係止された吊り下げ状態で保持されており、また、容器1もリテーナ11に吊り下げられた状態で支持されていて、押さえ板36は容器フランジ1bとは離れている。また、リテーナ11に支持されている容器1の底面は、その直下位置において下チャンバー13に載置されている容器底受部材16から離れている。そして、この位置でコンベアを停止させた後、駆動手段14により下チャンバー13を上昇させて上チャンバー12に密接させて、それらの間に密閉空間15を形成する。
下チャンバー13が上チャンバー12と密接して密閉空間15を形成するに至る上昇過程において、まずリテーナ11に支持されている容器1の底面に容器底受部材16が当接し、さらに下チャンバー13が上昇することによって容器1はリテーナ11による係止状態から離れて持ち上げられていく。そして、容器フランジ1bが押さえ板36の下面に当接した後もなお若干上昇することにより、容器フランジ1bによって持ち上げられるようにして押さえ板36が上昇して、図1に示す状態となる。このとき、容器1は、食品収容部1aがリテーナ11の開口に入り込み、底面が容器底受部材16の上に支持され、フランジ1bの上に押さえ板36の自重が作用して密接した状態となっている。また、容器フランジ1bに密接する押さえ板36のノズル挿通孔37を挿通する蒸気ノズル35が容器1の内部に向けて開口している。
この状態で、蒸気導入口18から高温高圧蒸気を導入する。たとえば、145℃の高温高圧蒸気を5.5秒間フラッシュ注入する。蒸気導入口18から導入された蒸気は、上チャンバー下面12aとノズルベース31との間でスチームガイド33に囲まれている蒸気室32を充満した後、該蒸気室32で上端開口している蒸気ノズル35に入り込み、その下端から容器1内の食品に向けて噴射される。これにより、容器1の内面および容器1に充填された食品を殺菌すると共に、固まった食品をほぐす効果も得られる。このとき、容器1の開口部は、フランジ1bに密接する押さえ板36の自重が作用することによって実質的に閉塞されているので、蒸気のノズル噴射によっても食品が容器外に飛散したり、フランジ1bに付着することがない。また、蒸気は、スチームガイド33の外側でノズルベース31に形成された開口39を通って密閉空間15に入り込んで、容器1の外側からも加熱殺菌効果を与える。
また、容器1が押さえ板36と容器底受部材16との間に挟まれた状態で蒸気殺菌が行われるのでその高さ寸法が維持され、また、リテーナ11の開口に嵌まり込んでいるので横方向への膨らみ変更も防止される。したがって、殺菌処理中に高温高圧蒸気が容器1内に注入されたときに容器1が内圧上昇によって膨らんで変形することを防止する。この構成によれば容器1の膨らみが物理的に規制されるので、下記のように蒸気通路38を通って行われる蒸気排出をスムーズに行わせて、過度の内圧上昇を防止することができる。
なお、蒸気ノズル35の上端はノズルベース31上に所定高さまで突出しているので、導入された高温高圧蒸気に含まれる熱水は蒸気ノズル35に入り込むことなく、蒸気室32の内部においてノズルベース31上を流れた後に前述の壁厚貫通穴からスチームガイド33の外に導かれ、さらにノズルベース31の周囲に形成された切欠き81から落下して排出される。
所定時間の蒸気フラッシュによる殺菌処理を終えた後、蒸気排出口19からの蒸気排出管21に設けられた電磁バルブ23を開く。容器1内に入り込んだ蒸気は、押さえ板36のノズル挿入孔37の口径と蒸気ノズル35の外径との寸法差によって与えられる蒸気通路38を通って容器1外に排出され、さらに、上下チャンバー12,13間の密閉空間15からノズルベース31の開口39および蒸気排出口19を介して装置10外に排出される。そして、駆動手段14により下チャンバー13を下降させて、図1に示す待機状態に戻す。容器1はリテーナ11に保持された状態となり、コンベアにより次の(2回目の)殺菌処理位置に搬送される。
このようにして、コンベア停止により容器1が殺菌処理位置で停止している間に、型密閉→蒸気フラッシュ→型開放を1サイクルとする殺菌処理が行われ、これを数ヵ所の殺菌処理位置において繰り返して行うものであり、各殺菌処理位置において既述した構成の殺菌処理装置10が用いられる。
この殺菌処理装置10では一食分の米飯を封入するパック米飯を製造する過程で殺菌処理を行うものであるが、一食分と言ってもニーズは様々であり、たとえば100gパック米飯、200gパック米飯、300gパック米飯など数種類のパック米飯を製造する場合がある。このような場合、パック(容器1)の平面寸法を大きく変えずに、深さを変えることで容量の増減に対応させるのが一般的であり、リテーナ11を共用できるので有利である。
図5は、既述した構成の殺菌処理装置10において、これまで対象としてきた容器1よりも容量が大きい(したがって深い)容器1’を殺菌処理対象とする場合の用例を示している。この場合には、容器1を対象とする場合に用いた容器底受部材16に代えて、容器の深さ寸法増大分だけ厚さを小さくした容器底受部材16’を用いる。これにより、既述したと同様にして、下チャンバー13を上チャンバー12に密接させるための上昇移動の過程で、容器底受部材16’によって容器1’をリテーナ11から浮上させ、そのフランジ1bを押さえ板36の下面に当接させ、さらに押さえ板36を浮上させて、押さえ板36の自重によって容器1の開口を閉止する。
なお、この実施例では一つの殺菌装置10で深さの異なる容器1,1’を処理対象とするために厚さの異なる容器底受部材16,16’を「容器持ち上げ手段」として用いているが、単一の深さの容器のみを対象とする場合は、厚さの異なる容器底受部材を使用する必要がない。この場合は、一種類の厚さの容器底受部材を使用すれば良い。
本発明の他実施形態による食品殺菌装置40について、図8〜図11を参照して詳述する。この殺菌装置40も、既述した殺菌装置10と同様に、殺菌処理工程(図7:S2)を行うために使用されるものであって、米が定量充填された上面開口の容器1(この実施例で用いる容器は円形である、図9参照)を処理対象として、高温高圧蒸気により、容器1自体を滅菌処理すると同時に容器1内の米をも殺菌して一般生菌だけでなく耐熱生菌をも実質的に完全に死滅させる。
この殺菌装置40は、モータなどの駆動手段(図示せず)で所定方向(図8および図9紙面鉛直方向、図10紙面上下方向)に間欠的に駆動されるコンベア(図示せず)によって搬送されるリテーナ41を有する。リテーナ41には複数(図示例では5個)の円形開口が形成され、各開口にそれぞれ容器1の食品収容部1aが嵌合収容され、フランジ1bが各開口縁に係止された状態で、容器1が支持される。リテーナ41は容器支持手段の一例である。
この殺菌装置40は、上下に対向して配置された上チャンバー42と下チャンバー43とを有する。上下チャンバー42,43は、これらが互いに離隔した待機位置と、これらが互いに密接してこれらの間に実質的に密閉された空間を与える閉止位置との間で相対移動可能である。この実施形態では、上チャンバー42は固定であり、下チャンバー43が下方に離隔した待機位置と上チャンバー42に密接する閉止位置との間で油圧シリンダーなどの駆動手段44を介して昇降可能に構成されている。図8には上下チャンバー42,43が互いに密接してこれらの間に密閉空間45を与える閉止位置にある状態が示されており、この状態において殺菌処理が行われる。密閉空間45は、5個の容器1を支持するリテーナ41を収容するに十分な平面寸法を有すると共に、後述するようにリテーナ41から容器1を持ち上げる突き上げ板51が昇降するに十分な高さ寸法を有している。符号46は密閉空間45を形成・保持するためのパッキンを示す。
上チャンバー42は、蒸気導入口47および蒸気排出口48を有する。スチームジェネレータ(図示せず)で発生させた高温高圧蒸気は蒸気導入口47から密閉空間45に入り込み、この密閉空間45においてリテーナ41に支持されている容器1内の食品(米)を殺菌した後に、蒸気排出口48から排出されて、一回の蒸気殺菌処理を終了する。実施例1と同様、蒸気導入口47にはスチームジェネレータからの蒸気導入管73が接続され、蒸気排出口48には蒸気排出管74が接続されており、これら蒸気導入管73および蒸気排出管74にそれぞれ設けられる電磁バルブ75,76を開閉することによって、蒸気導入および排出のタイミングを制御している(図12)。
上チャンバー42にはさらに減圧手段72が設けられる。減圧手段72は、上下チャンバー42,43を密接させたときに形成される内部密閉空間45を所定時間の間所定の真空度に減圧できるものであれば良いが、図12にその一例が示されている。すなわち、蒸気排出口48からの蒸気排出管74を分岐させて、この分岐管77をバッファータンク78を介して真空ポンプ79に連結し、分岐管77に電磁バルブ80を設けて、蒸気排出弁76と減圧弁80の開閉タイミングを制御することによって、共通の配管系統で蒸気排出と減圧を実行する。
下チャンバー43には容器持ち上げ手段50が設けられている。容器持ち上げ手段50は、下チャンバー43の底板43aの上方に水平に設けられる突き上げ板51と、下チャンバー底板43aの下方に位置する支持板52と、下チャンバー底板43aを上下動自在に挿通して突き上げ板51を支持板52に連結する脚53と、支持板52を昇降させる駆動手段54とを有する。上下チャンバー42,43を密接させたときに形成される内部密閉空間45内において、突き上げ板51は、仮想線で示される待機位置にあるときはリテーナ41に支持された容器1の下方に待避して干渉しないが、駆動手段54によって上昇するとリテーナ41に支持された容器1の底面に当たり、容器1をリテーナ41から外して所定高さまで持ち上げる(図8の状態)。この動作については後に詳述する。なお、上下チャンバー42,43間の密閉空間45に導入された高温高圧蒸気を容器1の下方に回り込ませて容器底面からも加熱殺菌を行うことができるように、突き上げ板51はステンレス製などの穴あき板(パンチングプレート)で形成される。
ノズルユニット60は、ノズルベース61と、上チャンバー42の下面42a(図8)とノズルベース61との間に実質的に密閉された蒸気室62を形成するためにノズルベース61上に設けられるスチームガイド63と、ノズルベース61の下面に固着されるノズルホルダー64と、複数の蒸気ノズル65と、押さえ板66とを有する。ノズルベース61は、上チャンバー42の上隅の内設段部42bの下面にビスなどの固着具(図示せず)で固定されており、したがってノズルユニット60全体が上チャンバー12と一体になっている。ノズルベース61はステンレスなどの金属板であり、上下チャンバー42,43間の密閉空間45と略同一の平面寸法を有する。
スチームガイド63は上チャンバー42の段部42bと略同一の高さ寸法を有する(図8,図9)と共に、5個の容器1の開口部を取り囲む形状(図10)を有し、ノズルベース61が上チャンバー42に取り付けられたときにその上面が上チャンバー42の下面42aに密接することにより、これらの間に実質的に閉じられた空間としての蒸気室62を形成している。蒸気導入口47はスチームガイド63により形成される蒸気室62内で開口するので、蒸気導入口47に導入された高温高圧蒸気は蒸気室62に入り込み、後述の殺菌処理の後、蒸気室62の外側においてノズルベース61に形成された開口49および蒸気排出口48を介して装置外に排出される。
押さえ板66は、容器1ごとにそのフランジ1bを覆うに十分な平面寸法を有するステンレスなどの板状体であり、ノズルホルダー64の下方において若干の上下動を許容して取り付けられる。この実施例で採用されている取付構造は、既述した実施例1で採用されている取付構造と同様であるので、説明を省略する。
押さえ板66には蒸気ノズル65を挿通させるためのノズル挿通孔69が蒸気ノズル65の位置に対応して同数だけ形成されている。ノズル挿通孔69は、蒸気ノズル65の外径より幾分大きい口径を有するものとして形成されており、したがって蒸気ノズル65を挿通させた状態においてもその周囲には蒸気を通過(排出)させるための蒸気通路70が残されている。
複数の蒸気ノズル65はノズルホルダー64と一体に樹脂成形され、ノズルホルダー64を厚さ方向に貫通している。各蒸気ノズル65の上端はノズルベース61を貫通して蒸気室62において所定高さまで突出し、その下方においては押さえ板66のノズル挿通孔69を挿通してさらに下方に突出している。
この殺菌装置40においてノズルユニット60に用いられる蒸気ノズル65は、特に図9に明らかなように、尖った形状の閉塞下端(先端)を有し、下端近くにおいて側面で開口している。したがって、蒸気導入口47から導入された高温高圧蒸気は、蒸気室62から蒸気ノズル45の内部に入り込んだ後、側面の開口から側方に向けて噴出されることになる。また、その下端を含む下方領域の側面にはたとえばリング状やネジ状などの微小凹凸が形成されている。
既述したように、本発明では、容器1をリテーナ41に係止した状態でコンベア搬送する過程の数箇所(たとえば4〜8箇所)を殺菌処理位置として、これらの殺菌処理位置に各々図8〜図11に示すような殺菌装置40を設置して、型密閉→蒸気フラッシュ(5〜10秒間程度)→型開放を1サイクルとする殺菌処理を数回繰り返し行うことを想定しているが、最初の殺菌処理位置に設置する殺菌装置40では図9に示すような形状の蒸気ノズル65を用い、2回目以降の殺菌処理位置に設置される殺菌装置40ではこれに代えて実施例1で使用したような一般的な形状(上下端が開口しているもの)の蒸気ノズルを用いることが好ましい。
定量充填工程(図7:S2)を経て最初の殺菌処理位置に搬送されてくる容器1には、米が固まった状態で充填されていることが多い。このため、最初の殺菌処理位置に設置される殺菌装置40においては、図9に示すような形状の蒸気ノズル65を用いることにより、固まった状態の米であっても奥深くまで挿入しやすくなる。また、このときに用いる蒸気ノズルの先端が開口していると、蒸気ノズルを挿入したときに先端の開口に米が入り込んで目詰まりを生じてしまうことがある。したがって、蒸気ノズル65の開口は先端ではなく側面に形成して、この目詰まりの問題を解消している。側面の開口から蒸気噴射することは、併せて、固まった状態の米をほぐす効果もある。
一方、2回目以降の殺菌処理位置に設置される殺菌装置40では、既に最初の殺菌処理位置において蒸気ノズル65が挿入されたことによってノズルの挿入路が形成されているので、ノズル挿入は比較的容易であるし、目詰まりを起こすこともない。したがって、実施例1で使用したような一般的形状の蒸気ノズル35を用い、先端開口から蒸気を容器底面に向けて噴出させることによって容器内の隅々まで蒸気を行き渡らせる。
以上のように構成された殺菌装置40の作用について説明する。上下チャンバー42,43が互いに離隔した待機位置にあるときに、コンベア(図示せず)が駆動されて、リテーナ41に支持された米充填容器1が上下チャンバー42,43間の所定位置(最初の殺菌処理位置)に送り込まれ、コンベア停止後、駆動手段44により下チャンバー43を上昇させて上チャンバー42に密着させ、それらの間に密閉空間45を形成する。
このとき、突き上げ板51は待機位置(図8仮想線)に止まっており、リテーナ41に支持されている各容器1の底面より下方に離れた位置にある。この状態が図11に示されている。既述したように、容器1は、リテーナ41の開口に食品収容部1aが嵌合収容され、フランジ1bが各開口縁に係止された状態で支持されている。このとき、押さえ板66は、その凹部66aの天井面にストッパー68aを係止した吊り下げ状態で保持されており、図9の位置より若干下方に移動しているが、容器1がリテーナ41に保持された位置にあるので、容器1のフランジ1bとは離れている。また、上チャンバー42に固定されたノズルユニット60の蒸気ノズル65は容器1の奥深くまで入り込んでいない。
次いで、減圧手段72により密閉空間45内を減圧する。この減圧処理は必ずしも必須ではないが、後述するように、この時点で減圧することにより殺菌効果が向上することが実証されている(詳細は後述)ので、減圧処理を行うことが好ましい。減圧手段72の構成例については図12を参照して既述した通りであり、たとえば、1回の殺菌処理のサイクルタイムを10秒として、そのうちの0.3秒間だけ電磁バルブ80を開いてチャンバー内部密閉空間45からバッファータンク78に真空引きを行う。残りの9.7秒間は真空ポンプ79でバッファータンク78を真空にしているので、バッファータンク78内の真空度が十分に高められた状態で一気に密閉空間45内を真空引きするので、短時間であっても十分な効果が得られる。
次いで、図11の位置で待機している突き上げ板51を駆動手段54により上昇させる。これにより、リテーナ41に保持されていた容器1が突き上げ板51によって押し上げられ、フランジ1bが押さえ板66に当接した後にさらに突き上げ板51が上昇することによって押さえ板66が容器1と共に押し上げられて、図9の状態となる。このとき、容器1は、食品収容部1aがリテーナ41の開口に入り込み、底面が突き上げ板51の上に支持され、フランジ1bの上に押さえ板66の自重が作用して密接した状態となっている。また、容器1が上チャンバー42に近接移動したことにより、上チャンバー42に固定されたノズルユニット60の蒸気ノズル65が容器1の食品収容部1aの奥深くまで入り込み、充填されている食品に挿入されてその先端65aが容器1の底面近くまで達する。既述したように、このときに用いられる蒸気ノズル65は尖った閉塞先端を有するので、固まった状態の食品であってもスムーズに挿入され、目詰まりを起こすこともない。
この突き上げ板51を上昇させる工程とほぼ同時または図9の状態が得られた後に、蒸気導入口47に高温高圧蒸気を導入する。たとえば、145℃の高温高圧蒸気を5.5秒間フラッシュ注入する。蒸気導入口47から導入された蒸気は、上チャンバー下面42aとノズルベース61との間の蒸気室62を充満した後、該蒸気室62で上端開口している蒸気ノズル65に入り込み、その下端近くの側面開口65bから容器1内の食品に向けて噴射される。これにより、容器1の内面および容器1に充填された食品を殺菌すると共に、固まった食品をほぐす効果も得られる。このとき、容器1の開口部は、フランジ1bに密接する押さえ板66の自重が作用することによって実質的に閉塞されているので、蒸気のノズル噴射によっても食品が容器外に飛散したり、フランジ1bに付着することがない。また、蒸気は、スチームガイド63の外側でノズルベース61に形成された開口49を通って密閉空間45に入り込み、容器1の外側からも加熱殺菌効果を与える。
所定時間の蒸気フラッシュによる殺菌処理を終えた後、蒸気排出口48からの蒸気排出管74に設けられた電磁バルブ76を開く。これにより、容器1内に入り込んだ蒸気は、押さえ板66のノズル挿入孔69の口径と蒸気ノズル65の外径との寸法差によって与えられる蒸気通路70を通って容器1外に排出され、さらに、上下チャンバー42,43間の密閉空間45からノズルベース61の開口49および上チャンバー42の蒸気排出口48を介して装置40外に排出される。そして、駆動手段44により下チャンバー43を下降させると共に、駆動手段54により突き上げ板51を下降させて、図11に示す待機状態に戻す。容器1はリテーナ41に保持された状態となり、コンベアにより次の(2回目の)殺菌処理位置に搬送される。
このようにして、コンベア停止により容器1が殺菌処理位置で停止している間に、型密閉→蒸気フラッシュ→型開放を1サイクルとする殺菌処理が行われ、これを数ヵ所の殺菌処理位置において繰り返して行うものであり、各殺菌処理位置において図8〜図10に示すような殺菌処理装置40が用いられるのであるが、既述したように、2回目以降の殺菌処理位置に設置される殺菌処理装置40においては蒸気ノズル65に代えて一般的形状の蒸気ノズルを用いることができる。
この殺菌処理装置40では一食分の米飯を封入するパック米飯を製造する過程で殺菌処理を行うものであるが、一食分と言ってもニーズは様々であり、たとえば100gパック米飯、200gパック米飯、300gパック米飯など数種類のパック米飯を製造する場合がある。このような場合、パック(容器1)の平面寸法を大きく変えずに、深さを変えることで容量の増減に対応させるのが一般的である。
図13は、既述した構成の殺菌処理装置40において、これまで対象としてきた容器1よりも容量が大きい(したがって深い)容器1’を殺菌処理対象とする場合の用例を示している。この場合も、突き上げ板51を所定の高さ(容器1を対象とする場合(図9)と同じ高さ)まで上昇させることによって容器1’をリテーナ41から浮上させ、蒸気ノズル65(または71)を容器1’の奥底近くの所定位置まで挿入させて蒸気殺菌を行うが、容器1’の深さが大きいので、容器1の場合に使用した押さえ板66を用いると、突き上げ板51を所定高さまで上昇させたときに押さえ板66がノズルホルダー64と干渉してしまうことがある。これを回避するため、図13に示す例では、より薄い押さえ板66’を用いてノズルホルダー64との干渉を回避している。押さえ板66,66’はガイド支柱68のストッパー68aに吊り下げられた状態で取り付けられているので、ガイド支柱68をネジ軸67から取り外し、あるいはネジ軸67をノズルホルダー64から取り外すことによって、簡単に着脱可能・交換可能である。
押さえ板66はその自重で容器1,1’の開口部を閉止して蒸気ノズル噴射による食品の飛散を防止する役割を果たすが、図13のように薄い押さえ板66’では蒸気圧に負けて浮き上がってしまい、飛散防止効果が損なわれる場合もあり得る。このような場合には、必要に応じて、押さえ板66’の上にリング状の重り板(図示せず)を載せて荷重を増大させることができる。また、薄い押さえ板66’でも実際上十分な飛散防止効果を期待できる場合は、浅い容器1を殺菌対象とする場合にも同じ押さえ板66’を使うようにすれば、深さの異なる数種の容器について同じ押さえ板66’を使用することができ、着脱・交換の手間を省くことができる。
以上に本発明の実施形態について添付図面を参照して詳述したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定された発明の範囲内において様々な態様を取り得ることは言うまでもない。