JP5710468B2 - 高温超電導体層配列 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1つの基板と、少なくとも1つの配向したバッファ層とを備え、高温超電導体(HTSC)層の配向成長を可能にする高温超電導体層配列に関する。
バッファ層は、多くの異なる機能を有している。第一に、バッファ層は、配向を、非常に高度な配向を有する配向基板から、成長するHTSC層にできる限り十分で完全に転移させることを目的としている。この場合、前記基板をできる限り二軸配向させる(すなわち、層に対して垂直方向と層内軸方向とに配向させる)ことを考慮に入れなければならない。高温超電導体の適切な二軸配向は、高臨界電流及び高電流密度の達成に必要とされる。基板の成分や汚れがHTSC層に拡散すると、高温超電導体の臨界電流密度及び/又は絶対臨界電流が低減したり、超電導状態が破壊されることがあるが、バッファ層は、さらに、そのような拡散を防ぐことも目的としている。さらに、バッファ層には、基板と成長する高温超電導体との両方に対して、最大限の接着強度を有するという目的も備えられている。また、バッファ層には、さらに、製造条件と操作条件の両方を考慮した、十分な機械的特性及び温度サイクル特性が必要とされる。さらに、高処理速度において、できる限り簡素で、再現性のある製造を可能にすることも、バッファ層には必要とされる。
これまで、バッファ層材料として、イットリウム安定化酸化ジルコニウム(YSZ)、各種ジルコン酸塩(ジルコニウム酸ガドリニウム、ジルコニウム酸ランタン、及びその類等)、チタン酸塩(チタン酸ストロンチウム等)、単純酸化物(酸化セリウム、酸化マグネシウム及びその類等)など、多くの様々な素材が使用されてきた。今日存在する複雑で厳しい要件プロファイルを満たすため、また特に、高度な配向転移及び効果的な拡散障壁を確実に得るため、バッファ層は、場合によっては5層以上の複数の異なるバッファ材料を含む層の組み合わせから構成される。しかし、多層のバッファ材料を適用することは、加工技術の点で非常に複雑であり、例えば、ストリップの製造に連続工程を用いたとしても、機能的HTSC層配列を作製する工程全体の生産速度を著しく低下させてしまう。しかし、従来の材料から作製された単層バッファ層を使用しても、複雑な要件プロファイルを満たすには至っていない。
さらに、高温超電導体層の品質を、均質性及び配向の点においてさらに向上させる必要性が存在する。例えば、HTSC層の有孔性のため、また異質相の結果としてHTSC材料足りえないHTSC層領域の割合を、可能な限り最少とする必要がある。さらに、望ましい方位に対する蛇行だけでなく、全く異なる結晶方位を有する領域も有する、正しくない配向を有する領域は回避されなければならない。HTSC層の前記のような特性は、その効果を予測することは困難で、時には逆となることもあるが、化学蒸着工程におけるHTSC材料の前駆体の選択、及び、蒸着及びアニール工程のパラメータにより、その特性の一部が影響を受けることがある。また、HTSC材料の多成分系のため、多くの場合、前駆体の分解動力学、及びHTSC材料の結晶化動力学を制御するのは困難である。つまり、工程パラメータを変更することは、多くの場合、望ましいものでない。
これらの要件は、特に、バッファ層及び/又はHTSC層が化学溶液蒸着によって作製されるHTSC層配列により、可能な限り満たされなければならない。バッファ層及びHTSC層を熱的に形成する際の関連工程のため、これら層の作製には特別な要件も課されなければならない。特に、パルスレーザー蒸着(PLD)、熱共蒸着(TCE)、有機金属気相成長(MOCVD)、及びその類などの物理的方法によってこれらの層を作製する場合は、その層形成動力学及び結晶化動力学は、前記要件とは根本的に異なる。
本発明の目的は、高密度で、均質であり、亀裂がなく、最大限滑らかであるHTSC層を有することを特徴とする高温超電導体層配列、もしくは、バッファ層上で成長させることにより前記HTSC層を作製し、それらの層が、好ましくは化学溶液蒸着によって作製されることを特徴とする高温超電導体層配列を提供することにある。本発明の目的は、さらに、前記層配列の製造方法も包含する。
前記目的は、請求項1にかかるHTSC層配列において、前記の配向したバッファ層が、均質な混晶相を形成する追加成分を少なくとも1種含有し、前記追加成分は、第一サブグループから選択される遷移金属であり、及び/又は、1,600℃以下のアニール温度にて、好適には酸化物バッファ材料と少なくとも部分的に溶融するものであり、好適には、前記追加成分は金属もしくは金属酸化物であることを特徴とするHTSC層配列により達成される。前記バッファ層材料とともに均質な混晶相を形成する前記追加成分により、粗さがほとんどなく、気孔がほとんどないもしくは実質的に全く気孔を有さず、且つ、高密度で、実質的に亀裂がなく作製されるバッファ層の作製が可能となることは驚くべきことである。さらに、前記バッファ層は、化学溶液蒸着(CSD)によって作製される。
前記バッファ層材料とともに均質で固い混晶相を形成する前記追加成分により、バッファ層作製時に、少なくとも部分的な溶融が生じる。つまり、続いて行われるアニール処理の際、前記バッファ層材料において、少なくとも部分的な再結晶化が生じ、そこで、少なくとも一部の領域において、中間状態としての液相が形成される。これにより、前記追加成分なしで前記バッファ層材料を用いた場合に比べ、基板配向のバッファ層への転移、そして最終的にはHTSC層への転移がよりはるかに優れたものとなり、さらに、気孔及び微小亀裂が実質的に減少した、もしくは実質的に全く存在しない、従来の層よりはるかに滑らかなバッファ層の作製が可能となる。この点において、前記追加成分は、金属及び/もしくは金属酸化物、及び/又は、少なくとも部分溶融が生じるアニール温度にて金属もしくはその酸化物を放出するそれらの前駆体(水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、アルキルカルボン酸塩、アセチルアセトネート、もしくはその他の適切な金属キレートもしくはその類、及びそれらの混合物)とすることができる。
本発明にかかるバッファ層により、その層上で成長するHTSC層も、同様に非常に均質に(すなわち、気孔や、超電導の導通を妨げるその他領域(例えば、微小亀裂)を実質的に存在させずに)作製することができ、さらに、非常になめらかに作製することもできる。配向転移もまた、改善され得る。特に、従来バッファ層の気孔領域で生じ、異なる結晶方位を有する領域をもたらすようなバッファ層上での成長不良が、劇的に低減することも挙げられる。前記HTSC層は、物理的及び機械的特性、特に、臨界電流密度や絶対臨界電流Iなどの超電導特性が向上しており、その結果、特性が向上したHTSC電子部品の製造も可能となる。
化学溶液蒸着による前記バッファ層材料塗布の際のバッファ層形成に、多くの複雑な物理化学過程(溶媒の蒸着、バッファ層材料の分解、バッファ層材料の無定形固体相の形成、及びその再結晶化等)が含まれる場合、その結果は驚くべきものであるが、この場合、バッファ層作製工程の複雑な温度制御の点から、前記バッファ層材料の熱的特性の変化も考慮する必要がある。
好適な形態は従属請求項に記載する。
前記基板は、好適には配向しており、特に、二軸配向、すなわち、HTSC材料が成長する層面に対して垂直方向と、層面内方向(例えば、帯状基板の場合はストリップの長手方向)とに配向されている。前記基板は、帯状とすることができるが、例えば、より同寸法の形状など、その他の寸法を有していてもよい。前記バッファ層は、通常、酸化物−セラミックス材もしくは金属酸化物を含む。
前記追加成分は、前記バッファ層材料の固相及び液相が互いに共存するよう、1,600〜500℃、1,400〜600℃、1,250〜700℃、もしくは1,100〜800℃の範囲の温度にて、前記バッファ層材料と一部分のみ溶融する、又は実質的に均一に溶融、もしくは完全に溶融するのが好ましい。これは、前記追加成分が遷移金属及び/又は遷移金属酸化物である場合にも当てはまる。
一般的に、前記追加成分と、前記バッファ層材料中での前記追加成分濃度とは、1,600℃以下、好適には500℃以上でアニール処理を行った場合に、少なくとも部分的に溶融、もしくは完全溶融するように選択される。特に、前記追加成分と、前記バッファ層材料中での前記追加成分濃度とは、1,500℃以下もしくは1,300〜1,400℃以下、好適には1,100〜1,200℃以下もしくは900〜1,000℃以下でアニール処理を行った場合に、少なくとも部分的に溶融、もしくは完全溶融するように選択される。言うまでもないが、前記アニール温度は、前記バッファ層材料が、必要としない成分分解や蒸着にさらされたり、基板が、例えば、好ましくない相の形成や、悪影響をもたらす配向変更等によって損なわれたりすることのないよう選択されるべきである。
前記バッファ層材料中で使用される前記追加成分の濃度は、好適には1,500〜1,600℃以下でのアニール処理の際、また、例えば、800〜900℃以下、600〜700℃以下、400〜500℃以下、200〜300℃以下、又は室温、もしくは約70〜80K以下の低温にまでさらに冷却した際に、例えば相転移等によって非晶相や混合相が形成がされず、前記アニール温度下でも均質な混晶相が長期安定性を有する濃度が用いられる。前記追加成分を含有する均質な固体混晶相は、室温及び/又はHTSC材料の使用温度にて、長期の動力学的安定性を有し、また、前記アニール処理温度(上記参照)からHTSC材料の使用温度の範囲において、好ましくは熱力学的にも安定しており、分離プロセスや相分離、非晶相の析出、もしくはその他の相変化が生じることはない。
さらに、通常、前記追加成分には、HTSC層に拡散して、HTSC層の機械的及び/又は物理的特性における(不利な)変化(特に、臨界電流密度及び/又は絶対臨界電流の低減)を生じさせたりする著しい傾向、もしくはそのようないかなる傾向はない。
均質な混晶相を形成する前記追加成分は、第一のサブグループ金属(例えば、Cu、Ti、V、Cr、Mn)、もしくはAg、もしくはZnの1種以上であることが好ましく、特に好適には、Cu及び/もしくはAg、又は必要に応じてTi、Cr、もしくはZnであり、又は、前記のような金属を少なくとも含有するものが好ましい。必要に応じ、Fe、Ni、及び/又はCoも使用可能であるが、それら化合物の磁気特性のため、好ましいものではない。前記遷移金属は、いずれの場合も、単独、もしくは組み合わせ(例えば、銅及び/又は銀と、その他上記金属の1種以上とを組み合わせ)て使用することができる。前記の代わりもしくはそれに追加して、前記追加成分は、必要に応じて、その他の金属を含有することもできるが、但し、それらの金属は、前記バッファ層材料とともに均質な混晶相を形成し、1,600℃以下もしくは上記温度でのアニール処理の際に少なくとも部分的に溶融し、且つ、低温(特に上記温度)にて、非晶相形成などの相転移もしくはその他の相の析出を生じないものとする。前記その他の金属の例としては、メイングループ金属(アルカリ及び/又はアルカリ土類金属等)、第三、第四、第五、もしくは第六メイングループの金属及び半金属(B、Si、Ge、As、Se、Sb、Te等)の群から選択される1種以上の金属が挙げられる。前記追加成分は、好適には、酸化物の状態で存在し、前記バッファ層材料とともに混合酸化物を形成するが、前駆体により導入することもできる。前記追加成分は、その大部分もしくは全体が、中程度の酸化状態もしくは0を超える低酸化状態で存在することが好ましく、例えば、1、2、3、もしくは4の酸化状態、好適には1〜3の酸化状態、又は、1もしくは2の酸化状態が挙げられるが、その酸化状態は十分に安定してるものとする。特に、銅は、Cu(I)の状態で存在し得る。
前記の少なくとも1種の追加成分、もしくは追加成分の組み合わせは、前記バッファ層の全金属量に対し、40原子%までの濃度とすることができる。もしくは、必要であれば、それより高い濃度とすることができるが、この場合、上記アニール温度未満で好適には安定している前記バッファ層材料とともに、均質な混晶相が形成されるものとする。前記追加成分は、いずれの場合も、前記バッファ層の全金属量に対し、1〜2原子%以上、もしくは3〜5原子%以上の濃度、好適には、7〜10原子%以上の濃度にて存在し得る。前記の少なくとも1種の追加成分、もしくは追加成分の組み合わせの濃度は、前記バッファ層の全金属量に対し、30〜35原子%以下、もしくは、必要であれば、20〜25原子%以下とすることができる。
少なくとも1種の追加成分でドープされ、均質な混晶相を形成する本発明にかかるバッファ層材料は、希土類元素酸化物(特に、二元、三元、もしくは多元の希土類元素酸化物)、遷移金属酸化物(特に、第二もしくは第三サブグループ、又は必要であれば第一サブグループから選択される)、又は、メイングループ金属酸化物(いずれの場合も、その二元、三元、もしくは多元酸化物を含む)とすることができる。また、前記バッファ層材料は、希土類元素/遷移金属酸化物としてもよく、前記遷移金属は、第一、第二、及び/又は第三サブグループ、好適には第二及び/又は第三サブグループから選択される1種である。本発明で意図する希土類元素には、Sc、Y、La、及びランタニド類(Ln)が含まれる。必要であれば、前記バッファ層材料は、希土類元素、メイングループ金属、もしくは遷移金属の単純酸化物とすることもできる。前記バッファ層材料の例としては、ジルコン酸塩、アルミン酸塩、チタン酸塩、マンガン酸塩、もしくはルテニウム酸塩が挙げられる。また、前記バッファ層材料は、例えば、酸化ジルコニウム、特にイットリウム安定化酸化ジルコニウム(YSZ)、酸化ニッケル、酸化セリウム、酸化マグネシウム、もしくは必要であれば、その他のアルカリ土類金属酸化物としてもよい。
前記追加成分を溶解する前記バッファ層材料は、特に好適には、希土類元素酸化物であり、好適には、二元もしくは多元の希土類元素酸化物であり、一般式RE2+x2+y(式中、−2≦x、y≦2、好適には−1≦x、y≦1であり、好適には、x≦0の場合にy≧0、また、y≦0の場合にx≧0となる)で表される。好適には、いずれの場合も、x=−yである。xとyは互いに独立してそれぞれ0であり得る。x+y=±δの場合、δは0.5〜1以下、好適には0.2〜0.3以下、もしくは0.15〜0.1以下であり得る。δが0未満の場合、カチオン格子は格子欠陥を有し、δが0を超える場合、八面体隙間のような隙間の位置が、さらに占められる可能性がある。特に、δは0であり得る。REは1種以上の希土類元素であり、Mは、1種以上の二価、三価、四価、もしくは五価金属であり、希土類元素も含まれる。zは、特に5〜8の範囲内(例えば、6〜8の範囲内)で変動し得る。特に、一般式RE2+x2+y5〜8(式中、−1≦x、y≦1である)、もしくは、RE2+x2+y7±2z(式中、−1≦x、y≦1、且つ0≦z≦0.5である)であり、特に好適には、一般式RE2+x2+y5〜8(式中、−0.5≦x、y≦0.5)、もしくはRE2+x2+y7±2z(式中、−0.5≦x、y≦0.5、且つ0≦z≦0.5)であり、式中、その他全ての点において、上述の条件が当てはまる。一般的に、zの値は、結果として中性荷電の平衡が成立する値である。すなわち、5≦z≦8、もしくはz=7であり得る。
REは、いずれの場合にも、La、Y、及びLn(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)からなる群から選択される1種以上の金属であり、特に、La及びLnからなる群のみ、もしくはLnからなる群のみから選択される1種以上の金属であり得る。特に、Lnは、いずれの場合にも、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Ybからなる群から選択される1種以上の金属であり得る。これとは独立して、もしくはこれと組み合わせて、Mは、ランタニド類(Ln)を含む遷移金属と、Znを含むメイングループ金属とからなる群から選択される1種以上の金属であり得る。Mは、ランタニド類を含む遷移金属からなる群から選択される1種以上の金属、もしくは希土類元素からなる群から選択される1種以上の金属、もしくはランタン及びランタニド類からなる群から選択される1種以上の金属であり得る。また、Mは、いずれの場合も、第一、第二、及び/又は第三サブグループの遷移金属から選択される1種以上の金属、好適には第二及び/又は第三サブグループから選択される1種以上の金属であり得るが、いずれの場合も、ランタニド類及びアクチニド類は含まれない。必要であれば、Mは、1種以上のランタニド類と、ランタニド類及びアクチニド類以外の1種以上の遷移金属との組み合わせの形態とすることもできる。必要であれば、Mは、いずれの場合も、Sc、La、及びYを含むこともできる。好適には、Mは、三〜五価、特に、三〜四価もしくは四〜五価の金属の1種以上である。Mが複数の金属である場合、それら金属は同一の価数を有することが好ましく、三、四、もしくは五の価数が好ましい。ゆえに、Mは、いずれの場合にも、Sr、Ba、Ga、In、Tl、Sn、Pb、及びBiからなる群、又はAs、Sb、Se、もしくはTeからなる群、又はタンタル、ニオブからなる群から選択される1種以上の金属とすることができる。前記の代わりもしくはそれに追加して、Mは、希土類元素、ハフニウム、ジルコニウム、タンタル、ニオブからなる群から選択される1種以上の金属とすることができる。特に好適には、Mは、セリウム、ハフニウム、もしくはジルコニウムからなる群から選択される1種以上の金属であり、特にセリウムが好ましい。特に、前記の希土類元素(特にセリウムも含む)、ハフニウム、もしくはジルコニウムは、いずれの場合も、下記に述べる通り、希土類元素(特にセリウム)、ハフニウム、及びジルコニウムからなる群から選択される別の金属に部分置換してもよい。必要であれば、希土類元素、及びLn、Hf、もしくはZrなどの同一金属原子を、様々な位置に存在させることもできる。
特に、前記追加成分を溶解する前記バッファ層材料は、2種以上の異なる希土類元素(RE及びRE’)を有することができ、特に、それらは、いずれの場合にも互いに独立して、La、Y、もしくはランタニド(Ln)(例えば、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等;特に、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Yb;具体的には、Ce)とすることができる。特に、REは、いずれの場合にも、La及び/又はYとすることができる。特にREがLaもしくはYである場合には、REとRE’は、いずれの場合も互いに独立し、Ce、Nd、Sm、Eu、Gd、Ybからなる群から選択される。この点において、具体的には、REとRE’はCeである。前記追加成分を溶解する前記バッファ層材料は、一般式RE2+xRE’2+y7±z、RERE’7±z、La2+xRE2+y7±z(式中、REはLaでない)、LaRE7±z(式中、REはLaでない)、La2+xLn2+y7±z、LaLn7±z、もしくはLn2+xLn’2+y7±z、LnLn’7±zを有することができ、いずれの場合も、−2≦x、y≦2、もしくは好適には、−1≦x、y、z≦1であり、Laは、いずれの場合も、部分的もしくは全体的にYに置換することができる。特に好適には、いずれの場合も、−0.5≦x、y≦0.5であり、式中のその他全ての点において、上記条件が当てはまる。いずれの場合も、x≦0の場合y≧0であり、y≦0の場合x≧0であることが好ましい。好適には、いずれの場合も、x=−yである。一般的に、zの値は、結果として中性荷電の平衡が成立する値であり、特に、5≦7±z≦8で、zは0にもなり得る値となる。
特に、前記追加成分を溶解する前記バッファ層材料は、希土類(RE)/遷移金属(TM)酸化物とすることができ、TMは、ランタニド類及びアクチニド類以外の遷移金属である。その例としては、一般式(La、Ln)2+xTM2+y7±2z、(La、Ln)TM7±2z、RE2+xTM2+y7±2z、RETM7±2z、Ln2+xTM2+y7±2z、LnTM7±2z、La2+xTM2+y7±2z、もしくはLaTM7±2z(式中、必要であれば、RE、Ln、及び/又はTMは、いずれの場合も、各群から選択される1種のみの金属とすることができ、また、いずれの場合も、−2≦x、y≦2、もしくは好適には−1≦x、y、z≦1、特に好適には、いずれの場合も、−0.5≦x、y≦0.5である)のものが挙げられる。(La、Ln)は、La及び/又はLnが存在し得ることを意味している。いずれの場合も、x及び/又はy=0であり得、また、互いに独立もし得る。いずれの場合も、x≦0の場合y≧0、y≦0の場合x≧0であることが好ましい。好適には、いずれの場合も、x=−yである。一般的に、zの値は、結果として中性荷電の平衡が成立する値である。いずれの場合も、zは、0≦z≦1、もしくは0≦z≦0.5、又は5≦7±2z≦8となる値をとる。
前記追加成分を含まない前記バッファ層材料は、特に、RE2+xCe2+y7+z、RECe7+z(好適には、RE=La、Nd、Sm、Eu、Gd、Y、及びYb)、(La、Ln)2+xCe2+y7+z、(La、Ln)Ce7+z(好適には、Ln=Nd、Sm、Eu、Gd、及びYb、特にSm、Eu、Gd、Yb)、RE2+xZr2+y7+z、REZr7+z(好適には、RE=La、Nd、Sm、Eu、Gd、Y、及びYb)、もしくは(La、Ln)2+xZr2+y7+z、(La、Ln)Zr7+z(好適には、Ln=Nd、Sm、Eu、Gd、及びYb、特に、Gd、Sm、及び/又はNd)から選択され得る。この場合、Ceは、例えば、Hf、Ti、Zr、Ta、Nb、及び/又はSnに、部分的もしくは全体的に置換することができる。前記バッファ層材料は、また、組成物(Ln’2−xLn’’)M7+Z(式中、Mは、例えば、Zr、Hf、Ti、もしくはSn、特にZrである。)を有する相とすることもできる。前記材料は、いずれの場合も、遷移金属で同様にドープすることができる。一般的に、zの値は、結果として中性荷電の平衡が成立する値であり、特に、5≦7±z≦8であり、zは0にもなり得る値となる。
いずれの場合も、互いに独立し、x及び/又はy=0であり得る。いずれの場合も、−2≦x、y≦2、好適には−1≦x、y、z≦1、特に好適には、いずれの場合も、−0.5≦x、y≦0.5とすることができる。いずれの場合も、x≦0の場合y≧0、y≦0の場合x≧0がであることが好ましい。好適には、いずれの場合も、x=−yである。一般的に、zの値は、結果として中性荷電の平衡が成立する値であり、特に、5≦7±z≦8であり、zは0にもなり得る値である。いずれの場合も、zは、0≦z≦1、もしくは0≦z≦0.5となる値をとる。
前記バッファ層材料は、前記追加成分を有する二元もしくは多元の希土類元素酸化セリウムとすることもでき、例えば、メイングループ金属/希土類元素酸化セリウム、遷移金属/希土類元素酸化セリウム、もしくはそれらの混合形態(例えば、メイングループ金属/遷移金属/希土類元素酸化セリウム等)が挙げられる。
TMは、特に、2種以上の異なる遷移金属が存在する場合は、異なる酸化状態で存在させることもできる。好適には、TMは、いずれの場合も、前記遷移金属のうちの1種のみの金属である。
特に、前記追加成分を含まない前記バッファ層材料は、一般式RE2−xRE’2−yM’7±2z、もしくはLn2−xLn’2−yM’7±2z(式中、0≦x、y、z≦1、特に0≦z≦0.5であり、REとRE’、LnとLn’、及びMとM’は、いずれの場合も、上記群から選択される互いに異なる金属、好適には、いずれの場合も、三価もしくは四価もしくは五価金属である)で表される希土類酸化物とすることができる。特に好適には、いずれの場合も、−0.5≦x、y≦0.5である。一般的に、zの値は、結果として中性荷電の平衡が成立する値であり、特に、5≦7±2z≦8であり、zは0にもなり得る値である。
前記バッファ層材料は、前記追加成分を有する二元もしくは多元の希土類元素酸化セリウムとすることもでき、例えば、メイングループ金属/希土類元素酸化セリウム、遷移金属/希土類元素酸化セリウム、もしくはそれらの混合形態(例えば、メイングループ金属/遷移金属/希土類元素酸化セリウム等)が挙げられる。
通常、前記酸化物は、いずれの場合も、例えば、混合化合物であるという点、あるいは欠陥化合物状態であることから、金属成分及び/又は酸素含有量に対し、化学量論的、もしくは非化学量論的とすることができる。前記希土類元素酸化物は、2種、3種、もしくはそれ以上の異なる希土類元素を含有することができる。遷移金属が含有されている場合は、1種、2種、3種、もしくはそれ以上の異なる遷移金属を存在させることができる。前記遷移金属は、いずれの場合も、同一もしくは異なる酸化状態を有することができる。上記一般式において、いずれの場合も、互いに独立して、x=0及び/又はy=0とすることもできる。通常、上記一般式において、0≦x、y≦0.5、0≦x、y≦0.25、0≦x、y≦0.1、もしくは0≦x、y≦0.05とすることもできる。一般的に、zの値は、結果として中性荷電の平衡が成立する値である。
必要であれば、前記バッファ層材料は、酸化セリウム(CeOもしくはCeO2−z)とすることもできる。この点において、セリウムは、Al、Hf、Ti、Zr、Sn、Ta、Nb、もしくはその他希土類元素、特に、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Y、及びYbで、部分的に置換し、二元酸化物を形成してもよい。
前記酸化物の希土類元素は、例えば、第一、第二、及び/又は第三サブグループから選択される遷移金属、特に、第二及び/又は第三サブグループから選択される金属(いずれの場合もランタニド類及びアクチニド類は除く)などの、その他の遷移金属で部分的に置換されていてもよい。この点において、前記希土類元素酸化物の結晶構造における個々の位置は、部分的もしくは全体的に置換されていてもよく、例えば、均質な混晶相を形成してもよい。必要であれば、前記酸化物の希土類元素及び/又は遷移金属は、互いに独立して、メイングループ金属で部分的に置換されていてもよい。前記メイングループ金属としては、アルカリ金属類(Cs、Rb等)、アルカリ土類金属類(Ba、Sr等)、第三メイングループの金属類、もしくは第四もしくは第五メイングループの金属類もしくは半金属類(Sn、Pb、Sb、もしくはZn等)からなる群から選択される1種以上の金属が挙げられる。個々の位置において、置換は完全に行われ、化学量論的修飾、もしくは非化学量論的混晶相の形成が行われる。前記希土類元素及び/又は遷移金属は、いずれの場合も、上記金属類のその他の1種以上で置換されていてもよい。言うまでもないが、前記希土類元素酸化物においては、複数の希土類元素が、いずれの場合も、結晶構造の一つ、複数、もしくは全ての位置に存在し得る。つまり、前記の代わりもしくはそれに追加して、前記遷移金属は、1種以上の遷移金属に同様に部分置換することができる。言うまでもないが、通常、前記一般式で表される希土類元素酸化物における、REもしくはMの2つの位置のうちの1つのみ置換することもできる。
上記の希土類元素酸化物中の希土類元素含有量は、全金属量に対し、5〜10原子%以上、20〜30原子%以上、もしくは40〜50原子%以上であり、必要であれば、60〜70原子%以上とすることができる。上記酸化物中の希土類元素含有量は、いずれの場合も、全金属量に対し、95〜90原子%以下、70〜80原子%以下、もしくは50〜60原子%以下であり、必要であれば、30〜40原子%以下もしくは20〜25原子%以下とすることができる。これらの数値は、最初のバッファ層材料(すなわち、1,600℃以下で部分溶融をする前記追加成分を含まないもの)における値であるが、前記追加成分を含むバッファ層材料において適用することもできる。最初の二元もしくは多元のバッファ層材料は、例えば、1,700〜1,800℃以上、もしくは1,900〜2,000℃以上もの高温において、(部分)溶融することができる。しかしながら、上記の置換もしくはドープ工程は、成長特性、配向転移、接着強度、及び/又は前駆体分解に必要な条件(例えば、必要雰囲気など)を一緒に決定することもできる。
前記バッファ層材料は、通常、酸素量に対して相幅を有することができる。例えば、zは、上記化合物中において、0〜±1、もしくは0〜±0.5の間で変化し得、必要であれば、酸素格子を、半化学量論的(すなわち、zは、0未満であり得るが、好適には−1以上である)にすることもできる。
前記バッファ層材料、特に、前記追加成分を含む前記バッファ層材料は、例えば、NaCl、蛍石、パイロクロア、ペロブスカイト、もしくはGdFeO構造、必要であればその規則超構造(特に、蛍石構造、パイロクロア構造、もしくは必要であればその他の蛍石超構造)とともに、結晶化することができる。言うまでもないが、前記追加成分の量は、層配列の層面における格子定数に対して、前記バッファ層材料の格子定数が、基板及び/又はHTSC材料のものと最適適応するよう選択され得る。前記において、必要であれば超構造が考慮される。例えば、前記バッファ層材料の格子定数は、基板及びHTSC層の格子定数の少なくともおおよそ中間域内とすることができ、例えば、いずれの場合も、層配列の主平面における基板及びHTSC材料の格子定数平均絶対値に対し、±5〜8%以下、2〜3%以下、もしくは0.75〜1%以下の偏差を有するものとすることができる。上記において、超構造の場合は、基板の基本セルに転置され縮小された前記バッファ層材料の格子定数に対して同様のことが適用される。
前記バッファ層は、例えば、前記バッファ層材料や、混相を形成する前記追加成分の量もしくは種類について、各組成が異なる複数の個々の層から構成させることができる。しかし、前記の個々のバッファ層は、例えば、より厚いバッファ層を形成する等の目的がある場合においては、少なくとも実質的には同じ組成を有することも出来る。
前記追加成分を含有する前記混晶相バッファ層は、基板に直接塗布することができる。また、必要であれば、チタン酸塩やジルコン酸塩などの酸化物材料(例えば、チタン酸カルシウム)から構成される「核形成層」を、基板に塗布することもできる。この核形成層は、バッファ層としては機能しないが、実質的に基板表面を調整するためのものである。前記層は、通常、分離した複数の孤立構造から構成されるものであり、適度な拡散障壁を構成しない。
前記の代わりもしくはそれに追加して、多層から構成されるバッファ層中の前記追加成分は、前記バッファ層材料とともに混晶相を形成するものであるが、その前記追加成分は、HTSC層に隣接する層を形成することができる。前記バッファ層のその他の層は、混晶相を形成する追加成分を有さない従来のバッファ層とすることができる。必要であれば、混相を形成する成分を1種以上含む本発明にかかるバッファ材料層を複数用いてもよく、個々の層は、それぞれ、異なる成分、もしくは異なる濃度の成分を有する。多層を含む前記バッファ材料層を形成するため、前記バッファ層材料を、例えば、溶媒ベース溶液の形態で各基板に塗布し、その後、前記溶媒の一部もしくは全部を除去してもよい。必要であれば、これに続き、熱処理を行うことができる。その後、同一もしくは異なる組成を有する追加のバッファ材料層をさらに塗布してもよい。全てのバッファ材料層を形成した後にアニール処理を行い、酸化物−セラミックバッファ材料層を作製することが好ましいが、必要であれば、アニール処理後に、さらなるバッファ材料層を塗布することもできる。前記溶媒は、その一部もしくは全部が除去され、バッファ材料層の塗布に後行われる熱処理の際、前駆体の形態で塗布した前記バッファ材料の部分的もしくは全体的な分解が行われる。
前記バッファ層が多層構造を有する場合、個々の層は、それぞれ、低いアニール温度にて少なくとも部分溶融を生じるように作製、もしくは、バッファ層全体に対する溶融部分の割合(体積部もしくは容量部)が、一定の温度で増加するように作製することができる。この目的のため、例えば、前記バッファ層材料に対する、均質な混晶相を形成する前記追加成分の量を増やすことができ、また、異なる効果を有する成分(例えば、銅の代わりに銀)を用いてもよい。この点において、HTSC層に隣接する個々のバッファ材料層の溶融点(分解溶融点)は、HTSC層からより離れた位置にあるバッファ材料層の溶融点より低くすることができ、ゆえに、同じ温度で形成される溶融相の割合が、より少ないものとなる。この結果、HTSC層に隣接するバッファ材料層は、特になめらかで均質なもの(例えば、特に低空隙率を有するもの)とすることができる。
特に、均質な混相を形成する前記追加成分を有する前記バッファ層は、単純、二元、もしくは多元酸化物の希土類酸化物層の上に蒸着させることができる。前記希土類酸化物層の例としては、酸化セリウム層(CeO(式中、Oの位置は半化学量論的とすることもできる))、希土類/希土類酸化物層、もしくは、例えば、ジルコニウム酸ランタン層、ジルコニウム酸希土類層、希土類酸化セリウム層、もしくは遷移金属酸化セリウム層などの希土類/遷移金属層が挙げられるが、前記希土類/遷移金属層は、組成LaZr7+x、REZr7+x、RECe7+x、もしくはTMCe7+x(式中、0≦x≦1)を有し、この点において、その基板層は、均質な混相を形成する追加成分(例えば銅等)を含有しない。ちなみに、これらの層は、本発明にかかるバッファ層に関連して上述もされているように、本願に参照されているものに置換することもできる。
一方、本発明にかかるバッファ層の構成により、前記バッファ層を単なる単層として作製することが可能となる。つまり、化学溶媒蒸着(CSD)の場合、バッファ層材料の溶液を一度塗布すればよく、熱前処理及びアニール後、HTSC層をすぐに塗布することができる。
前記バッファ層材料は、有機金属前駆体(例えば、β−ジケトナート、特に、アセチルアセトネート、アルキルカルボン酸塩、もしくはその類等)の形態で塗布することができる。通常、ケトン(例えば、アセトン、1種以上のアルコール類、1種以上のカルボン酸類等)を含有、もしくはそのようなケトンから構成される適切な溶媒が使用されるが、これに限るものではない。特に、直鎖もしくは分岐鎖をそれぞれ有するC〜C、C〜C、もしくはC〜Cのカルボン酸を使用することができ、特に、プロピオン酸及び/又はピバリン酸を使用することもできる。必要であれば、上記溶媒は、互いに組み合わせて使用することもできる。前記有機溶媒は、実質的には無水性である。
特に好適には、前記バッファ層材料は、炭素原子数1〜10、好適には2〜8、もしくは3〜6のアルキルカルボン酸塩の形態(例えば、プロピオン酸塩やピバリン酸塩の形態等)で用いられる。前記アルキルカルボン酸塩は、通常、直鎖もしくは分岐鎖を有するが、必要であれば、環状鎖を有してもよい。
前記バッファ層材料は、水溶液の形態で塗布することもできる。特に、水溶性塩としての使用に適したものとしては、硝酸塩、カルボン酸塩、特に、酢酸塩、クエン酸塩、もしくは酒石酸塩が挙げられ、これらは、単独もしくは組み合わせて用いることができる。前記水溶液は、pH値4〜8、好適には5〜7もしくは6〜7とすることができる。前記溶液は、熱分解性もしくは熱蒸散性緩衝剤(特に、アンモニアやアンモニア塩等)を用いて緩衝化されていることが好ましい。
前記バッファ層材料を結晶化するためのアニール処理は、少なくともその一部を、還元性雰囲気下(例えば、フォーミングガス、もしくは少なくとも同様の還元能を有するその他の適したガス雰囲気下等)で行うことができる。前記フォーミングガス(N/H)は、0.1〜15%、0.2〜10%、0.5〜5%、もしくは1〜5%のH(例えば約3%H;いずれの場合も容量%)を含むことができる。希土類元素酸化セリウムを含有し、基板に直接塗布される前記バッファ層は、非還元性雰囲気下(例えば、純窒素下もしくはその他の不活性ガス下等)でのアニール処理により作製することもできる。条件によるが、前記は、多層バッファ材料コーティングにおけるその他もしくは全てのバッファ層に適用することもできる。希土類元素酸化セリウムを含有する前記バッファ層が、該バッファ層と基板の間に位置するバッファ材料中間層に塗布される場合、該バッファ層は、還元性雰囲気下(例えばフォーミングガス下等)でのアニール処理により作製することができる。条件によるが、前記は、本発明にかかるその他もしくは全てのバッファ層の作製にも適用してもよい。通常、個々のバッファ層は、非還元性雰囲気下にて作製、HTSC層配列の同じバッファ層構造におけるその他のバッファ層は、還元性雰囲気下にて作製することができる。
前記アニール処理は、前記追加成分を含有する前記バッファ層の空隙率が、25〜30%以下、15〜20%以下、5〜10%以下、特に好適には2〜3%以下、もしくは1%以下となるよう、又は、前記層が少なくとも実質的に気孔を有さないものとなるように行われ得る。
前記アニール処理は、前記追加成分を含有する前記バッファ層の面積1×1μmにおけるRMS粗さ(二乗平均平方根粗さ)が、2.5〜2nm以下、好適には1.6〜1.8nm以下、もしくは1.2〜1.4nm以下、特に好適には1.0〜0.8nm以下となるように行われ得る。
前記バッファ層に塗布される高温超電導体は、希土類元素酸化銅、特に、希土類元素/アルカリ土類金属酸化銅(互いに独立して、前記希土類元素はイットリウムであり、前記アルカリ土類金属はバリウムであり得る)とすることができる。言うまでもないが、特に、前記希土類元素(例えば、イットリウム)、及び/又は前記アルカリ土類金属(例えば、バリウム)は、その他の金属(例えば、その他の希土類元素やアルカリ土類金属等)で部分置換されていてもよい。特に、前記HTSC材料は、Y−Ba−Cu酸化物(YBaCu)もしくはBi−Sr−Ca−Cu酸化物とすることができる。本発明の目的のため、「高温超電導体」という用語は、通常、超電導転移温度が77カルビン以上の超電導体を意味するものと理解されるが、必要であれば、他のセラミック(酸化物)超電導体を、前記バッファ層に塗布することもできる。
前記バッファ層の厚さは、これに限定されることはないが、0.02〜2μm、もしくは通常5μm以下とすることができ、また、必要であれば、0.1〜1μm、0.1〜0.5μm、もしくは0.1〜0.3μmの範囲とすることができる。基板の厚さは、十分な機械的強度があれば、特に制限されず、5〜1,000μm、10〜500μm、25〜250μmの範囲、もしくは50〜100μmの範囲とすることができる。前記バッファ層の成長を促進する材料は、好適には孤立構造を有する基板に塗布することができる。前記HTSC層の厚さは、0.05μm以上、特に0.1〜50μm、もしくは0.25〜10μm、好適には0.5〜5μmの範囲とすることができるが、これらに限定されるものでない。
前記基板は、適した金属もしくは合金とすることができ、例えば、タングステンでドープしたニッケル(例えば、タングステン5〜10原子%を含有するニッケル)のようなニッケルもしくはニッケル合金、ハステロイ、又はその類が挙げられる。しかし、必要であれば、前記基板は、セラミック材とすることもできる。
下記に、本発明の実施形態を記載し、実施例をもとに説明する。
全てのコーティングを、統合された乾燥部を有する連続ストリップ塗布システムにおいて、ディップ塗布法で塗布した。しかし、例えば、インクジェットやスクリーン印刷などの印刷法、キャピラリーやスロットノズルを介して塗布する吹き付け塗布法、もしくはバッチ式塗布法など、その他の液体塗布方法も使用することができる。全実施形態における塗布速度は、幅1cmのストリップにつき、10m/時である。全実施例で使用する基板ストリップは、タングステン5原子%を含有する、厚さ80μmの二軸回転配向Niストリップである。各コーティング溶液を10ml調製した。
層厚さは、エリプソメータ測定(omt、VisuEL3.6.2.)により測定した。微小亀裂は、光学顕微鏡(Zeiss Axiotech)、もしくは走査型電子顕微鏡(JEOL 6400F)にて暗視野検査を行い評価した。空隙率は、TEM測定(横断面)及びエリプソメータ測定(omt、VisuEL3.6.2.)により分析した。粗さは、k=0.06N/mの標準Siプローブを用いたAFM(Veeco CP−II)において、面積1×1μmに対して測定した。この点において、前記面積の周囲長は、前記バッファ層材料の粒径よりはるかに大きく、また、金属基板の粒径よりはるかに小さい。これにより、前記バッファ層材料の複数のセラミック粒が、1つの基板粒子内において確実に測定される。
全結果は、表1にまとめる。
実施例1:酸化セリウム
無水プロピオン酸セリウムをプロピオン酸に溶解し、0.2モル溶液を得る。
セリウムに対しプロピオン酸銅5、10、15、20、及び25原子%を前記溶液に添加し、次いで、全金属イオン濃度が0.2モルとなるまで再度プロピオン酸で希釈し、一連の5種類のコーティング溶液(1a〜1e)を調製する。比較試料として、銅フリー溶液(1f)を調製する。
本方法の概要に従い、既にジルコニウム酸ランタンの層を備えた基板ストリップに、前記溶液を塗布する。空気中乾燥を120℃にて10分間以内行い、アニール処理を、還元状態下(より具体的には、N中H3%のフォーミングガス下)、1,000℃にて30分間以内行う。
実施例2:酸化セリウム
酢酸セリウムをプロピオン酸に溶解し、0.2モル溶液を得る。セリウムに対し酢酸銅10原子%を前記溶液に添加し、次いで、全金属イオン濃度が0.2モルとなるまで再度プロピオン酸で希釈し、コーティング溶液を調製する。
本方法の概要に従い、既にジルコニウム酸ランタンの二重の層を備えた基板ストリップに、前記溶液を塗布する。空気中乾燥を120℃にて10分間以内行い、アニール処理を、フォーミングガス(N中H1%)下、1,100℃にて30分間以内行う。
実施例3:酸化セリウムガドリニウム
酢酸セリウムと酢酸ガドリニウム(割合4:1)とをプロピオン酸で希釈し、全金属イオン濃度が0.2モルの溶液を得る。セリウム及びガドリニウムの合計量に対し酢酸銅15原子%を前記溶液に添加し、次いで、全金属イオン濃度が0.2モルとなるまで再度プロピオン酸で希釈し、コーティング溶液を調製する。
本方法の概要に従い、既にジルコニウム酸ランタンの二重の層を備えた基板ストリップに、前記溶液を塗布する。空気中乾燥を150℃にて10分間以内行い、アニール処理をフォーミングガス(N中H5%)下、1,000℃にて30分間以内行う。
実施例4:酸化セリウム
セリウムアセチルアセトネートをプロピオン酸に溶解し、0.2モル溶液を得る。セリウムに対し酢酸銀10原子%を前記溶液に添加し、次いで、全金属イオン濃度が0.2モルとなるまで再度プロピオン酸で希釈し、コーティング溶液を調製する。
本方法の概要に従い、既にジルコニウム酸ランタンの二重の層を備えた基板ストリップに、前記溶液を塗布する。空気中乾燥を100℃にて10分間以内行い、アニール処理を、フォーミングガス(N中H3%)下、900℃にて20分間以内行う。
実施例5a:酸化セリウム
硝酸セリウムと硝酸銅(割合9:1)とを、全金属イオン:クエン酸=1:3の割合でクエン酸に溶解する。アンモニアと水とを添加して、pH6の0.2モル溶液を調製する。
本方法の概要に従い、既にジルコニウム酸ランタンの二重の層を備えた基板ストリップに、前記溶液を塗布する。空気中乾燥を200℃にて30分間内行い、アニール処理を、フォーミングガス(N中H5%)下、900℃にて30分間以内行う。
実施例5b:酸化セリウム(5aに対する比較例)
硝酸セリウムとクエン酸とを水に溶解し、セリウムイオン濃度が0.2モルの溶液を得る。前記溶液中、クエン酸に対する金属イオンの割合は、1:6である。アンモニウムと水とを添加し、pH6.4の溶液を調製する。
本方法の概要に従い、既にジルコニウム酸ランタンで二度コーティングした基板ストリップに、前記溶液を塗布する。真空乾燥を40℃にて180分間行い、アニール処理を、窒素(99.999%)雰囲気下、950℃にて20分間以内行う。
実施例6:ジルコニウム酸ランタン
プロピオン酸ランタン、プロピオン酸ジルコニウム、及びプロピオン酸銅を、モル比9:9:1にて、プロピオン酸に溶解し、ランタン濃度が0.4モルの溶液を得る。
本方法の概要に従い、金属基板ストリップに前記溶液を塗布する。空気中乾燥を120℃にて10分間内行い、アニール処理を、フォーミングガス(N中H5%)下、1,000℃にて20分間内行う。
実施例7:セリウム酸ランタン
プロピオン酸ランタン、プロピオン酸セリウム、及びプロピオン酸銅を、モル比9:9:1にて、プロピオン酸に溶解し、ランタン濃度が0.4モルの溶液を得る。
本方法の概要に従い、金属基板ストリップに、前記溶液を直接塗布する。空気中乾燥を、120℃にて10分間内行い、アニール処理を、フォーミングガス(N中H5%)下、950℃にて20分間内行う。
Figure 0005710468

Claims (28)

  1. 少なくとも1つの基板と、酸化物材料から作られた少なくとも1つの配向したバッファ層とを含み、高温超電導体(HTSC)層の配向成長を可能にする高温超電導体層配置であり、前記バッファ層は、均質な混晶相を形成する追加成分を少なくとも1種含有し、当該追加成分はTi、V、Cr、Mn、Ag、B、Si、Ge、As、Se、Sb、Te、これらの酸化物、及びそれらの組み合わせから選択され、前記追加成分を溶解する前記バッファ層材料が、二元もしくは多元希土類酸化物であり、前記二元もしくは多元希土類酸化物の金属成分の一部もしくは全部が希土類元素であり、且つ2種以上の異なる希土類元素が含有されることを特徴とする層配置。
  2. 請求項1にかかる層配置において、前記追加成分のうちの遷移金属が銀であることを特徴とする層配置。
  3. 請求項1もしくは2にかかる層配置において、前記追加成分が、前記バッファ層の全金属量に対し40原子%までの濃度にて存在することを特徴とする層配置。
  4. 請求項3にかかる層配置において、前記追加成分が、前記バッファ層の全金属量に対し2〜30原子%の濃度にて存在することを特徴とする層配置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにかかる層配置において、前記追加成分を含有する前記バッファ層材料が、1,250℃以下のアニール温度にて、少なくとも部分溶融することを特徴とする層配置。
  6. 請求項1または2にかかる層配置において、前記追加成分を溶解する前記バッファ層材料が、一般式RE2+x2+y(式中、−2≦x、y≦2、REは1種以上の希土類元素であり、Mは、1種以上の二価、三価、四価、もしくは五価金属(希土類元素を含む)である。)を有する希土類元素酸化物であることを特徴とする層配置。
  7. 請求項6にかかる層配置において、Mが、希土類元素、ハフニウム、ジルコニウムからなる群から選択される1種以上の金属であることを特徴とする層配置。
  8. 請求項6もしくは7にかかる層配置において、RE及び/又はMが、互いに独立して、遷移金属及び/又はメイングループ金属に部分置換される、もしくは、Mが遷移金属、メイングループ金属、もしくはそれらの組み合わせで構成されることを特徴とする層配置。
  9. 請求項1〜8のいずれかにかかる層配置において、前記追加成分を含有する前記バッファ層の空隙率が、25%以下であることを特徴とする層配置。
  10. 請求項1〜9のいずれかにかかる層配置において、前記追加成分を含有する前記バッファ層のRMS粗さが、1.8nm以下であることを特徴とする層配置。
  11. 請求項1〜10のいずれかにかかる層配置において、前記バッファ層が多層であり、且つ、前記追加成分を含有する前記の混晶相バッファ層が、前記基板上に位置することを特徴とする層配置。
  12. 請求項1〜11のいずれかにかかる層配置において、前記バッファ層が多層であり、且つ、前記追加成分を含有する前記の混晶相バッファ層が、前記高温超電導体層に隣接する層を形成することを特徴とする層配置。
  13. 請求項1〜12のいずれかにかかる層配置において、前記基板と前記HTSC層の間に位置する前記バッファ層が、均質な混晶相を形成する追加成分の層のみを有することを特徴とする層配置。
  14. 請求項1〜13のいずれかにかかる層配置において、前記バッファ層が、単層構造のみからなることを特徴とする層配置。
  15. 高温超電導体の配向成長を可能にする配向したバッファ層が、基板に塗布されている高温超電導体層配置の製造方法であり、該方法は、均質な混合晶を形成するTi、V、Cr、Mn、Cu、Ag、B、Si、Ge、As、Se、Sb、Te、これらの酸化物、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の追加成分を、前記バッファ層に導入するものであり、前記バッファ層材料と前記追加成分を共に又は別々に、有機溶媒または水の溶液の形態で基板に塗布するものであり、前記追加成分を溶解する前記バッファ層材料は、二元もしくは多元希土類酸化物であり、前記二元もしくは多元希土類酸化物の金属成分の一部もしくは全部が希土類元素であり、且つ2種以上の異なる希土類元素を含有することを特徴とする方法。
  16. 請求項15にかかる方法において、前記追加成分として銅及び/又は銀が使用される段階を含むことを特徴とする方法。
  17. 請求項15または16に係る方法において、前記少なくとも1種の追加成分が、前記バッファ層の全金属量に対し40原子%までの濃度にて添加される段階を含むことを特徴とする方法。
  18. 請求項15〜17のいずれかに係る方法において、前記少なくとも1種の追加成分は、結果として得られる前記バッファ層材料が1,600℃以下のアニール温度にて少なくとも部分溶解するよう添加される段階を含むことを特徴とする方法。
  19. 請求項18にかかる方法において、前記アニール温度が1,250℃以下である方法。
  20. 請求項15〜19のいずれかにかかる方法において、前記追加成分を溶解する前記バッファ層材料として、一般式RE2−x2−y7±2z(式中、0≦x、y、z≦1、REは2種以上の希土類元素であり、Mは、1種以上の二価、三価、四価、もしくは五価金属(希土類元素を含む)である。)を有する希土類元素酸化物を使用する段階を含むことを特徴とする方法。
  21. 請求項15〜20のいずれかにかかる方法において、前記バッファ層が多層として塗布される段階と、前記追加成分を含有する前記の混晶相バッファ層が、前記基板上に形成される段階、及び/又は、前記高温超電導体層に隣接する層として形成される段階とを含むことを特徴とする方法。
  22. 請求項15〜21のいずれかにかかる方法において、前記バッファ層を、均質な混晶相を形成する追加成分を有する単層のみ、もしくは多層により形成する段階を含むことを特徴とする方法。
  23. 請求項15〜22のいずれかにかかる方法において、前記追加成分及び前記バッファ層材料、及び/又はその各前駆体が、化学溶液によって、共にもしくは個別に、基板上に被着される段階と、被覆された基板にアニール処理を行い、前記追加成分を含有する均質な混晶相が形成される段階とを含むことを特徴とする方法。
  24. 請求項15〜23のいずれかにかかる方法において、前記バッファ層材料及び/又は前記追加成分の金属成分(前駆体を含む)が、アルキルカルボン酸塩、アセチルアセトネート、もしくは、有機溶媒中のキレート形成複合体として、前記基板もしくは存在するバッファ層に、少なくとも部分的、もしくは全体的に塗布される段階を含むことを特徴とする方法。
  25. 請求項15〜24のいずれかにかかる方法において、前記バッファ層材料及び/又は前記追加成分の金属成分(各前駆体を含む)が、水溶液中の水溶性化合物の形態にて、前記基板もしくは存在するバッファ材料層に塗布される段階を含むことを特徴とする方法。
  26. 請求項15〜25のいずれかにかかる方法において、前記追加成分を含有する前記バッファ層の作製におけるアニール処理の少なくとも一部が、還元雰囲気下で行われることを特徴とする方法。
  27. 請求項15〜26のいずれかにかかる方法において、前記追加成分を含有する前記バッファ層の作製におけるアニール処理が、前記バッファ層の空隙率が25%以下となるように行われることを特徴とする方法。
  28. 請求項15〜27のいずれかにかかる方法において、前記追加成分を含有する前記バッファ層の作製におけるアニール処理が、前記バッファ層のRMS粗さが1.8nm以下となるように行われることを特徴とする方法。



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