JP5709520B2 - 疎水基含有共重合体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、疎水基含有共重合体及びその製造方法に関する。
従来、衣料類等に用いられる洗剤には、洗剤の洗浄効果を向上させることを目的として、ゼオライト、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール等の洗剤ビルダー(洗剤助剤)を配合することが行われている。また近年では、上記の各種洗剤ビルダーに加えて、各種アクリル酸系共重合体が洗剤ビルダーとして洗剤組成物に配合されている。
このような技術として、例えば、特許文献1には、(メタ)アクリル酸系単量体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体、(メタ)アクリル酸アルキル系単量体及び/又はビニル芳香族系単量体を用いた(メタ)アクリル酸系共重合体を洗剤用ビルダーや洗剤組成物に使用することが開示されていて、この共重合体が、衣料等の汚れ、特にえりあかや油脂汚れ等の疎水性の汚れを効率よく除去でき、かつ少ない水量で洗濯を行ってもこの汚れを再び洗濯物に付着させない再汚染防止能に優れることが記載されている。
特許文献2には、鎖中及び/又は末端に疎水性部分を有し、イソプレノール、アリルアルコール又はメタリルアルコールに由来する重合性二重結合を有するポリアルキレングリコール系単量体に由来する単量体単位を有し、かつカルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有するポリアルキレングリコール系重合体を洗浄剤ビルダーとして用いることが開示され、この重合体が、界面活性剤の析出を抑制する性能及び/又は汚れの再汚染を抑制する性能(再汚染防止能)を有することが記載されている。
特許文献3には、(メタ)アクリル酸系単量体Aと、ポリアルキレンオキサイドの繰り返し単位が6以上300以下である不飽和ポリアルキレングリコール系単量体Bと、単量体A、Bに共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体Cとを共重合した重合体であって、末端に硫黄酸素酸を持ち、S=(ポリマーに含まれるS量)/(全S量)×100で定義される硫黄元素導入量S値が3以上である重合体組成物を、洗剤用ビルダーや洗剤組成物に用いることが開示されていて、このような共重合体組成物が、液体洗剤との相溶性や分散能に優れ、色相が良いことが記載されている。
特許文献4には、(メタ)アクリル酸系単量体由来の構成単位及び不飽和ポリアルキレングリコール系単量体由来の構成単位に加えて、更に(メタ)アクリル酸アルキル系単量体やビニル芳香族系単量体由来の比較的疎水性を示す構成単位を特定の割合で導入した共重合体を洗剤用ビルダーや洗剤組成物に使用することが開示されていて、このような共重合体が、衣料等の汚れ、特にえりあかや油脂汚れ等の疎水性の汚れを効率よく除去できると同時に、少ない水量で洗濯を行なってもこの汚れを再び洗濯物に付着させず、優れた再汚染防止能を発揮することが記載されている。
特許文献5には、(メタ)アクリル酸系単量体由来の構成単位と、スルホン酸基を有する(メタ)アリルエーテル系単量体由来の構成単位とを含む(メタ)アクリル酸系共重合体が洗剤ビルダー等として用いられることが記載されている。
ところで、洗剤ビルダーに要求される性能としては、洗剤の洗浄力を向上させる性能は勿論のこと、洗浄力の低下につながる界面活性剤の析出を抑制/防止する性能(以下、単に「析出抑制能」とも称する。)もまた、要求されているのが現状である。界面活性剤の析出は、アニオン界面活性剤である、ドデシルベンゼンスルホン酸(塩)のような直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(塩)(LAS)が、水中に存在するカルシウムイオンやマグネシウムイオンと結合することにより生じるため、特に、比較的硬度の高い水を用いて洗浄を行う場合に、この界面活性剤の析出が課題となる(非特許文献1を参照)。このような析出抑制能を向上させる技術に関して、特許文献6には、ポリオキシアルキレン系化合物に対して、アニオン性基または水酸基を有する親水性単量体を含む単量体成分がグラフト重合されてなる炭化水素基含有グラフト重合体が、洗剤ビルダーとして優れた性能を発揮しうることが示されている。
特開2007−231262号公報 国際公開第2007/037469号パンフレット 特開2004−75977号公報 特開2007−231260号公報 特開2002−3535号公報 特開2007−254679号公報
Louis Ho Tan Tai,"Formulating Detergents and Personal Care Products",AOCS Press,pp.53−54(2000)
上述したように、従来、様々な重合体が報告されているにもかかわらず、洗剤用途に用いられた場合に充分な析出抑制能を発現できる重合体が存在しないのが実情である。また、近年の消費者の環境問題への意識の高まりから、消費者が風呂の残り湯を洗濯に使用することにより節水を図る等の新たな洗濯のスタイルが定着しつつある。それに伴い、洗剤ビルダーに対する要求性能も変化しつつある。すなわち、残り湯の使用により、カルシウム成分の濃縮による高硬度条件下で洗濯をしなければならないという課題が生じている。したがって、高硬度の洗濯条件下でも析出等を抑えて効果を発現できるという、いわゆる耐ゲル性が従来より一層高い剤が要求されている。更に、洗剤組成物のコンパクト化の要求から、1成分に複数の要求性能を兼ね備えさせるニーズも高まっている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、界面活性剤の析出を充分に抑制でき、特に洗剤用途に有用な重合体(及び重合体組成物)、並びに、該重合体を効率よく製造できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、析出抑制能を発現できる重合体/共重合体について種々検討したところ、比較的疎水性を示すエーテル結合含有単量体に由来する構成単位とカルボキシル基含有単量体由来の構成単位とを有する共重合体(疎水基含有共重合体)が、界面活性剤の析出を抑制/防止する性能、すなわち析出抑制能に特に優れるものであることを見いだし、高硬度の水や少量の水で洗濯を行う等の厳しい条件下であっても、優れた析出抑制能を発揮でき、良好な洗浄効果を示すことを見いだした。また、ポリアルキレングリコール系単量体に由来する構成単位及び/又はスルホン酸基含有単量体に由来する構成単位を更に含む共重合体とすると、析出抑制能に加えて耐ゲル性にも優れるものとなり、析出抑制能を更に向上できることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。そして、これらの共重合体や該共重合体を含む重合体組成物が洗剤用途に特に優れるものとなることを見いだし、本発明に到達したものである。
なお、本明細書中、単量体とは、不飽和二重結合(炭素炭素二重結合をいう。)を有する化合物を意味する。
すなわち本発明は、下記一般式(1)及び/又は(2):
Figure 0005709520
(式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は単結合を表す。Xは、(O−CH−CH)で表される単位の平均繰り返し数を表し、0〜5の数である。ただし、Rが単結合を表す場合は、Xは1〜5の数である。Rは、炭素数1〜20の有機基を表す。)で表されるエーテル結合含有単量体(A)由来の構造単位(a)と、カルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)とを含み、全ての単量体由来の構造単位100質量%に対し、構造単位(a)が1〜50質量%、構造単位(b)が50〜99質量%である疎水基含有共重合体である。
本発明はまた、疎水基含有共重合体を製造する方法であって、該製造方法は、重合開始剤の存在下、上記一般式(1)及び/又は(2)で表されるエーテル結合含有単量体(A)と、カルボキシル基含有単量体(B)とを含む単量体成分を重合する工程を含み、全単量体成分100質量%に対し、エーテル結合含有単量体(A)の含有量が1〜50質量%、カルボキシル基含有単量体(B)の含有量が50〜99質量%である疎水基含有共重合体の製造方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
〔疎水基含有共重合体〕
本発明の疎水基含有共重合体(以下では、「疎水基含有共重合体(i)」とも称する。)は、上記一般式(1)及び/又は(2)で表されるエーテル結合含有単量体(A)由来の構造単位(a)と、カルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)とを含む共重合体である。上記エーテル結合含有単量体(A)由来の構成単位(a)は、疎水性基(すなわち、一般式(1)及び(2)中、Rで表される部分)を有することに起因して、比較的疎水性を示すことから、該構成単位(a)を有する本発明の疎水基含有共重合体は、界面活性剤との相互作用が向上されて、界面活性剤が析出することを抑制することが可能になる。また、単量体(A)は、水等の親水性溶媒中においても単量体(B)等と共重合が比較的容易であるため、均一に重合でき、よって得られる疎水基含有共重合体の析出抑制能を高めることが可能になる。また、カルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)を有することによって、本発明の疎水基含有共重合体の水溶性が良好になるため、上記構造単位(a)と(b)との相乗効果によって、界面活性剤の析出を抑制する効果がより充分に発揮されることになる。そのため、高硬度の水や少量の水で洗濯を行う等の厳しい条件下であっても優れた析出抑制能を発揮でき、良好な洗浄力を発揮できることから、本発明の疎水基含有共重合体は洗剤ビルダー等として、洗剤用途に特に好適なものとなる。
上記疎水基含有共重合体(i)においては、全ての単量体由来の構造単位100質量%に対し、構造単位(a)が1〜50質量%、構造単位(b)が50〜99質量%であることが適当である。この範囲内にあれば、上記構造単位(a)と(b)とによる相乗効果によって、本発明の作用効果を充分に発揮することが可能となる。
上記構造単位(a)の量(全ての単量体由来の構造単位100質量%に対する割合)として好ましくは1質量%を超える量であり、より好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは2質量%を超える量であり、特に好ましくは3質量%以上であり、最も好ましくは3質量%を超える量である。また、好ましくは50質量%未満、より好ましくは49質量%以下、更に好ましくは49質量%未満、更に好ましくは45質量%以下、更に好ましくは45質量%未満、更に好ましくは40質量%以下、更に好ましくは40質量%未満、更に好ましくは35質量%以下、より更に好ましくは35質量%未満、特に好ましくは30質量%以下、最も好ましくは30質量%未満である。
また上記構造単位(b)の量(全ての単量体由来の構造単位100質量%に対する割合)として好ましくは50質量%を超える量であり、更に好ましくは55質量%以上であり、更に好ましくは55質量%を超える量であり、更に好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは60質量%を超える量であり、更に好ましくは65質量%以上であり、より更に好ましくは65質量%を超える量であり、特に好ましくは70質量%以上であり、最も好ましくは70質量%を超える量である。また、好ましくは99質量%未満、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは98質量%未満、特に好ましくは97質量%以下、最も好ましくは97質量%未満である。
本発明において、上記カルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)の割合を計算する場合は、対応する酸換算として計算するものとする。例えば、上記構造単位(b)が、アクリル酸ナトリウム由来の構造単位−CH−CH(COONa)−であれば、対応する酸であるアクリル酸由来の構造単位−CH−CH(COOH)−として、質量割合(質量%)の計算をする。
なお、同様に、カルボキシル基含有単量体(B)の質量割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算として計算するものとする。例えば、アクリル酸ナトリウムであれば、対応する酸であるアクリル酸として質量割合(質量%)の計算をする。
またカルボキシル基含有単量体(B)以外の酸基含有単量体由来の構造単位の割合を計算する場合も、対応する酸換算として計算するものとする。同様に、カルボキシル基含有単量体(B)以外の酸基含有単量体の割合(質量%)を計算する場合も、対応する酸換算として計算するものとする。
アミノ基含有単量体由来の構造単位、アミノ基含有単量体についても、それぞれ、対応する未中和アミン由来の構造単位、未中和アミンとして、質量計算するものとする。例えば、ビニルアミン塩酸塩の場合、対応する未中和アミンであるビニルアミンとして質量割合(質量%)を計算する。
上記疎水基含有共重合体(i)は、上述したように、上記構造単位(a)と構造単位(b)とを含むことによって、本発明の作用効果を発揮することができるが、本発明の効果を更に高めるために、上記構造単位(a)及び(b)に加えて、ポリアルキレングリコール系単量体(C)由来の構造単位(c)、及び/又は、スルホン酸基含有単量体(D)由来の構造単位(d)を含んでいてもよい。構造単位(c)及び/又は(d)を含むことによって、上記疎水基含有共重合体がポリアルキレングリコール基やスルホン酸基を有することに起因し、析出抑制能に加えて、優れた分散性及び耐ゲル性を発揮できる。そのため、高硬度下においても良好な析出抑制能及び分散性をより充分に発現でき、残り湯で洗濯する場合等の厳しい洗濯条件下においても良好な析出抑制能を充分に発揮することが可能になる。このように、上記疎水基含有共重合体(i)が、更に、ポリアルキレングリコール系単量体(C)由来の構造単位(c)を含む形態(以下では、このような形態を特に「疎水基含有共重合体(ii)」とも称する。)、及び、上記疎水基含有共重合体(i)が、更に、スルホン酸基含有単量体(D)由来の構造単位(d)を含む形態(以下では、このような形態を特に「疎水基含有共重合体(iii)」とも称する。)は、本発明の特に好適な形態である。
なお、上記疎水基含有共重合体(ii)及び疎水基含有共重合体(iii)が、上記疎水基含有共重合体(i)に含まれる形態であることは、言うまでもない。また、上記疎水基含有共重合体(i)が上記構造単位(a)と(b)とからなる2元系共重合体である形態、すなわち上記構造単位(a)及び(b)の合計量が100質量%となる形態であっても、本発明の作用効果を発揮できることは、後述する実施例からも明らかである。
上記疎水基含有共重合体(i)における各構造単位は、ブロック状又はランダム状のいずれで存在していてもよい。なお、「構造単位」は、「構成単位」とも称す。
以下では、上記一般式(1)及び/又は(2)で表されるエーテル結合含有単量体(A)を「単量体(A)」、カルボキシル基含有単量体(B)を「単量体(B)」、ポリアルキレングリコール系単量体(C)を「単量体(C)」、スルホン酸基含有単量体(D)を「単量体(D)」、その他の単量体(すなわち、これら単量体(A)〜(D)以外の単量体)(E)を「単量体(E)」と、各々称することもある。これら各単量体については、後述する。
上記疎水基含有共重合体(i)のうち、ポリアルキレングリコール系単量体(C)由来の構造単位(c)を更に含む形態、すなわち上記疎水基含有共重合体(ii)においては、全ての単量体由来の構造単位100質量%に対し、構造単位(a)が1〜49質量%、構造単位(b)が50〜98質量%、構造単位(c)が1〜49質量%であることが好適である。この範囲内にあれば、上記疎水基含有共重合体の析出抑制能を更に向上することが可能になる。このように上記疎水基含有共重合体が、更に、ポリアルキレングリコール系単量体(C)由来の構造単位(c)を含み、全ての単量体由来の構造単位100質量%に対し、構造単位(a)が1〜49質量%、構造単位(b)が50〜98質量%、構造単位(c)が1〜49質量%である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。上記構造単位(a)及び(b)の含有量の好ましい範囲は、各々上述した範囲である。また、上記構造単位(c)の含有量としてより好ましくは1質量%を超える量であり、更に好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは2質量%を超える量であり、特に好ましくは3質量%以上であり、最も好ましくは3質量%を超える量である。また、より好ましくは49質量%未満、特に好ましくは47質量%以下、最も好ましくは47質量%未満である。
上記疎水基含有共重合体(i)のうち、スルホン酸基含有単量体(D)由来の構造単位(d)を更に含む形態、すなわち上記疎水基含有共重合体(iii)においては、全ての単量体由来の構造単位100質量%に対し、構造単位(a)が1〜50質量%、構造単位(b)が50〜98質量%、構造単位(d)が1〜49質量%であることが好適である。この範囲内にあれば、上記疎水基含有共重合体の析出抑制能を更に向上することが可能になる。このように上記疎水基含有共重合体が、更に、スルホン酸基含有単量体(D)由来の構造単位(d)を含み、全ての単量体由来の構造単位100質量%に対し、構造単位(a)が1〜50質量%、構造単位(b)が50〜98質量%、構造単位(d)が1〜49質量%であ形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記構造単位(a)及び(b)の含有量の好ましい範囲は、各々上述した範囲である。また、上記構造単位(d)の含有量としてより好ましくは1質量%を超える量であり、更に好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは2質量%を超える量であり、特に好ましくは3質量%以上であり、最も好ましくは3質量%を超える量である。また、より好ましくは49質量%未満、更に好ましくは45質量%以下、更に好ましくは45質量%未満、特に好ましくは40質量%以下、最も好ましくは40質量%未満である。
ここで、上記疎水基含有共重合体(i)が、上記構造単位(c)及び(d)を更に含む場合、すなわち、疎水基含有共重合体(ii)であって、かつ疎水基含有共重合体(iii)である形態もまた、本発明の形態の1つである。この場合、各構造単位の含有量については、構造単位(a)、(b)、(c)及び(d)の含有量が、それぞれ上記好適な範囲となるように考慮して、適宜、設定することが好適である。
上記疎水基含有共重合体(i)はまた、必要に応じて、更に他の単量体(E)由来の構造単位(e)を含むものであってもよい。構造単位(e)の含有量は、全ての単量体由来の構造単位100質量%に対し、0〜10質量%であることが好適である。
上記疎水基含有共重合体(i)は、上述した構造単位を構成する単量体を共重合することによって得ることができるが、各単量体は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。そのため、各構成単位は、1種が単独で存在してもよいし、2種以上の混合形態で存在していてもよい。以下では、まず、これらの単量体について、具体的に説明する。
<エーテル結合含有単量体(A)>
上記エーテル結合含有単量体(A)は、上述した一般式(1)で表される単量体、及び、一般式(2)で表される単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体であり、エーテル結合含有単量体(A)由来の構成単位(a)とは、上記一般式(1)又は(2)において、不飽和二重結合部分(CH=C(R)−)が、単結合となった構造を意味する。このような構成単位(a)は比較的疎水性であることから、該構成単位(a)を有する本発明の疎水基含有共重合体は、界面活性剤との相互作用が向上されて、界面活性剤が析出することを抑制することが可能になる。また、単量体(A)は、水等の親水性溶媒中においても、単量体(B)等と共重合が比較的容易であるため、均一に重合でき、よって、得られる疎水基含有共重合体の析出抑制能を高めることが可能になる。
上記一般式(1)及び(2)において、Rは、CH基、CHCH基又は単結合を表すが、得られる共重合体の析出抑制能の向上効果がより高いことから、RはCHCH基であることが好適である。上記一般式(2)におけるRも、同様の観点から、CHCH基であることが好適である。
また上記一般式(1)及び(2)中、Rは、疎水基(疎水性基とも称す。)であり、炭素数1〜20の有機基を表す。中でも、炭素数4〜18の有機基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜16の有機基である。
上記有機基はまた、炭化水素基であることが好ましく、炭化水素基の中でも、得られる共重合体の析出抑制能の向上効果がより高いことから、アルキル基、アリール基、アルケニル基であることがより好適である。具体的には、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基のアルキル基;ブチレン基、オクチレン基、ノニレン基等のアルケニル基;フェニル基、フェネチル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基等が特に好適である。
上記有機基はまた、ハロゲンによって置換されていてもよいし、ヘテロ原子を含んでいても構わない。また、アミノ基、アミド基、水酸基、アルコキシド基、スルホン酸基、カルボニル基、カルボキシル基等の官能基を含むものであってもよいし、また、エーテル結合、スルフィド結合、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。しかしながら、後述するように、本発明の疎水基含有共重合体がアルカリ条件下においても安定して析出抑制能を発現できるようにするためには、エステル基及びアミド基を含まないことが好適である。
上記一般式(1)及び(2)において、Xは、(O−CH−CH)で表される単位(すなわち、エチレンオキシド単位)の平均繰り返し数を表し、0〜5の数である。なお、上記単量体(A)における、上記式中のRが単結合を表す場合は、Xは1〜5の数である。このようにエチレンオキシド単位の平均繰り返し数Xが5以下であることによって、上記単量体(A)の疎水性が強くなり過ぎず、適度な親水性を有することができるため、水等の親水性溶媒を用いても共重合しやすいという特性を有する。なお、Xが5を超える数であると、上記単量体(A)の親水性が強くなり過ぎて、疎水基であるRで表される基の効果が小さくなるおそれがある。
上記一般式(1)で表される単量体としては、例えば、下記一般式(1−1)〜(1−5)で表される化合物が好適である。このような化合物は、例えば、アリルアルコールやイソプレノール等の不飽和二重結合を有するアルコールに、対応する化合物(すなわち、一般式(1−1)で表される化合物であればハロゲン化アルキル;一般式(1−2)で表される化合物であればエポキシ化合物;一般式(1−3)で表される化合物であればグリシジル化合物;一般式(1−4)で表される化合物であればエステル化合物;一般式(1−5)で表される化合物であればイソシアネート化合物)を反応させることにより製造することが好適である。
Figure 0005709520
上記一般式(1−1)〜(1−5)中、R、R及びXは、各々、上記一般式(1)における各記号と同様である。R11は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基又は炭素数1〜20のアリール基を表す。
上記一般式(2)で表される単量体としては、例えば、下記一般式(2−1)〜(2−2)で表される化合物が好適である。このような化合物は、例えば、アリルグリシジルエーテル等の不飽和二重結合を有するエポキシ化合物に、対応する化合物(すなわち、一般式(2−1)で表される化合物であればアルコール又はアルコールのアルキレンオキシド付加物;一般式(2−2)で表される化合物であればアミン又はアミンのアルキレンオキシド付加物)を反応させることにより製造することが好適である。
Figure 0005709520
上記一般式(2−1)〜(2−2)中、R、R及びXは、各々、上記一般式(2)における各記号と同様である。R11及びR12は、同一若しくは異なって、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基又は炭素数1〜20のアリール基を表す。
上記エーテル結合含有単量体(A)としてはまた、アルカリ条件下においても安定して析出抑制能を発現できるようにする観点からは、エステル基及びアミド基を含有しない形態であることが好適である。
<カルボキシル基含有単量体(B)>
上記カルボキシル基含有単量体(B)は、不飽和二重結合(炭素炭素二重結合)と、カルボキシル基及び/又はカルボン酸塩とを含む単量体である(但し、エーテル基含有単量体(A)、後述するポリアルキレングリコール系単量体(C)及びスルホン酸基含有単量体(D)に該当する単量体は、カルボキシル基含有単量体(B)から除くものとする。)。また、カルボキシル基含有単量体(B)由来の構成単位(b)とは、単量体(B)が有する不飽和二重結合部分(CH=C(R)−)が、単結合となった構造を意味する。このような構造単位(b)を有することによって、本発明の疎水基含有共重合体の水溶性が良好になるため、上記構造単位(a)を有することに起因する界面活性剤の析出を抑制する効果が、より充分に発揮されることになる。したがって、本発明の疎水基含有共重合体を洗剤ビルダー等として特に有用なものとすることが可能になる。
ここで、カルボキシル基及び/又はカルボン酸塩を含むとは、−COOZ(Zは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される基を、1分子中に1個以上有することを意味する。金属原子としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;アルミニウム、鉄等が挙げられる。また、有機アミン基としては、モノエタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基;モノエチルアミン基、ジエチルアミン基、トリエチルアミン基等のアルキルアミン基;エチレンジアミン基、トリエチレンジアミン基等のポリアミン基等が挙げられる。上記カルボン酸塩としては、これらの中でも、得られる共重合体の析出抑制能の向上効果が高いことから、より好ましくはアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であり、更に好ましくはナトリウム塩である。
上記不飽和モノカルボン酸系単量体(B)としては、1分子内に不飽和二重結合と1つのカルボキシル基(又はカルボン酸塩)とを含む不飽和モノカルボン酸系単量体や、1分子内に不飽和二重結合と2つのカルボキシル基(又はカルボン酸塩)とを含む不飽和ジカルボン酸系単量体が好適である。
上記不飽和モノカルボン酸系単量体(B)として具体的には、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、αーヒドロキシアクリル酸、α−ヒドロキシメチルアクリル酸及びその誘導体等の不飽和カルボン酸や、これらの塩等が挙げられる。
上記不飽和ジカルボン酸系単量体として具体的には、例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸、これらの塩、及び、これらの無水物等が挙げられる。また、これら不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのハーフエステル、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22のアミンとのハーフアミド、不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのハーフエステル、マレアミド酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミド等であってもよい。
上記カルボキシル基含有単量体(B)の中でも、共重合体の析出抑制能の向上効果がより高い観点から、アクリル酸、アクリル酸塩、マレイン酸、マレイン酸塩が好適である。中でも、アクリル酸、アクリル酸塩を必須とすることがより好ましい。
<ポリアルキレングリコール系単量体(C)>
上記ポリアルキレングリコール系単量体(C)は、不飽和二重結合(炭素炭素二重結合)と、ポリアルキレングリコール鎖とを含む単量体である(但し、エーテル基含有単量体(A)に該当する単量体は、ポリアルキレングリコール系単量体(C)から除くものとする。)。このような単量体(C)として具体的には、下記一般式(3)及び/又は(4):
Figure 0005709520
(式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基、単結合又はC(=O)基を表す。Xは、(O−CH−CH)で表される単位の平均繰り返し数を表し、6〜200の数を表す。Rは、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表す。)で表される単量体であることが好適である。すなわち、上記ポリアルキレングリコール系単量体(C)は、上記一般式(3)で表される単量体、及び、上記一般式(4)で表される単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体である。ポリアルキレングリコール系単量体(C)由来の構成単位(c)とは、上記一般式(3)又は(4)において、不飽和二重結合部分(CH=C(R)−)が、単結合となった構造を意味する。このような構成単位(c)をも有することによって、析出抑制能に加えて、優れた分散性及び耐ゲル性を発揮できるため、高硬度下においても良好な析出抑制能及び分散性をより充分に発現でき、残り湯で洗濯する場合等の厳しい洗濯条件下においても良好な析出抑制能を充分に発揮することができる。
上記一般式(3)及び(4)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜20の有機基を表すが、好ましくは炭素数1〜20の有機基である。中でも、炭素数4〜18の有機基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜16の有機基である。
上記有機基はまた、炭化水素基であることが好ましく、炭化水素基の中でも、得られる共重合体の析出抑制能の向上効果がより高いことから、アルキル基、アリール基、アルケニル基であることがより好適である。具体的には、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、オクチル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基のアルキル基;ブチレン基、オクチレン基、ノニレン基等のアルケニル基;フェニル基、フェネチル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基等が特に好適である。
上記有機基はまた、ハロゲンによって置換されていてもよいし、ヘテロ原子を含んでいても構わない。また、アミノ基、アミド基、水酸基、アルコキシド基、スルホン酸基、カルボニル基、カルボキシル基等の官能基を含むものであってもよいし、また、エーテル結合、スルフィド結合、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。しかしながら、後述するように、本発明の疎水基含有共重合体がアルカリ条件下においても安定して析出抑制能を発現できるようにするためには、エステル基及びアミド基を含まないことが好適である。
上記一般式(3)及び(4)において、Xは、(O−CH−CH)で表される単位(すなわち、エチレンオキシド単位)の平均繰り返し数を表し、6〜200の数である。このようにエチレンオキシド単位の平均繰り返し数Xが6以上の単量体由来の構造単位を更に含むことによって、分散性が向上され、耐ゲル性に優れた疎水基含有共重合体を得ることができる。また、200を超える数であると、疎水基含有共重合体の粘度が高くなり過ぎるおそれがある。上記Xとして好ましくは7以上であり、より好ましくは8以上である。また、好ましくは150以下であり、より好ましくは100以下である。
上記ポリアルキレングリコール系単量体(C)として具体的には、例えば、3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の水酸基含有不飽和単量体に、エチレンオキサイドを6〜200モル付加させた化合物(3−アリルオキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン等)や、(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステル等が好適である。
上記ポリアルキレングリコール系単量体(C)としてはまた、得られる疎水基含有共重合体の性能の経時安定性が高いことから、アリロキシ基、メタアリロキシ基、ビニロキシ基、イソプレノキシ基(CHC(CH)CHCHO−基)を有するポリアルキレングリコール系単量体であることが好適である。中でも、得られる重合体の性能が最も良好であることから、イソプレノキシ基(CHC(CH)CHCHO−基)を有するポリアルキレングリコール系単量体であることが最も好ましい。すなわち、上記構造単位(c)としては、イソプレノキシ基(CHC(CH)CHCHO−基)を有するポリアルキレングリコール系単量体由来の構造であることが最も好ましい。
<スルホン酸基含有単量体(D)>
上記スルホン酸基含有単量体(D)は、不飽和二重結合(炭素炭素二重結合)と、スルホン酸基及び/又はスルホン酸塩とを含む単量体である(但し、エーテル基含有単量体(A)、ポリアルキレングリコール系単量体(C)に該当する単量体は、スルホン酸基含有単量体(D)から除くものとする。)。スルホン酸基含有単量体(D)由来の構成単位(d)とは、スルホン酸基含有単量体が有する不飽和二重結合部分が単結合となった構造を意味する。このような構成単位(d)をも有することによって、析出抑制能に加えて、優れた分散性及び耐ゲル性を発揮できるため、高硬度下においても良好な析出抑制能及び分散性をより充分に発現でき、残り湯で洗濯する場合等の厳しい洗濯条件下においても良好な析出抑制能を充分に発揮することができる。
ここで、スルホン酸基及び/又はスルホン酸塩を含むとは、−SOZ(Zは、水素原子、金属原子、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。)で表される基を、1分子中に1個以上有することを意味する。金属原子及び有機アミン基については、上述したとおりである。上記スルホン酸塩としては、これらの中でも、得られる共重合体の析出抑制能の向上効果が高いことから、より好ましくはアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であり、更に好ましくはナトリウム塩である。
上記スルホン酸基含有単量体(D)として具体的には、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロパンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−3−メタアリルオキシプロパンスルホン酸ナトリウム、イソプレンスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3ブテンスルホン酸等、及び、これらの塩が挙げられる。これらの中でも、得られる重合体の性能の経時安定性が高いことから、エステル基、アミド基を含有していないスルホン酸基含有単量体が好ましく、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタアリルオキシプロパンスルホン酸、イソプレンスルホン酸及びこれらの塩等が好適である。より好ましくは、得られる重合体の性能が最も良好であることから、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロパンスルホン酸及びその塩である。すなわち、上記スルホン酸基含有単量体(D)由来の構造単位(d)は、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロパンスルホン酸又はその塩に由来する構造であることが特に好ましい。
<その他の単量体(E)>
本発明の疎水基含有共重合体はまた、その他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していても構わない。他の単量体(E)としては、疎水基含有共重合体を構成する単量体成分の一部又は全部と、共重合可能なものであれば特に限定されず、所望の効果によって適宜選択される。具体的には、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド系単量体;ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシネオペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル系単量体、スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体、イソブチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
本発明の疎水基含有共重合体の重量平均分子量としては、適宜設定でき、特に限定されないが、例えば、2000〜200000であることが好適である。この範囲内にあれば、析出抑制能が向上する傾向にある。なお、200000を超えると、粘度が高くなり過ぎて、分散性を充分に発揮することができず、析出抑制能を更に高めることができないおそれがある。より好ましくは3000以上、更に好ましくは4000以上であり、また、より好ましくは60000以下、更に好ましくは30000以下、特に好ましくは20000以下である。
なお、本明細書中、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定値であり、後述する測定条件にて測定することができる。
〔疎水基含有共重合体組成物〕
上記疎水基含有共重合体を含む疎水基含有共重合体組成物(以下、単に「重合体組成物」とも称す。)もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。このような重合体組成物は、本発明の疎水基含有共重合体を必須として含有し、疎水基含有共重合体以外の成分は任意であるが、該重合体組成物が、疎水基含有共重合体の製造方法によって得られる生成物である場合には、通常は、その他に、重合開始剤残渣、残存モノマー、重合時の副生成物、水分から選ばれる1以上を含有する。
上記重合体組成物として好ましくは、上記疎水基含有共重合体を30〜80質量%含有し、かつ、水を20〜70質量%含有する形態である。
〔疎水基含有共重合体の製造方法〕
本発明の疎水基含有共重合体の製造方法は、重合開始剤の存在下、上記一般式(1)及び/又は(2)で表されるエーテル結合含有単量体(A)と、カルボキシル基含有単量体(B)とを含む単量体成分を重合する工程(以下、「重合工程」とも称す。)を含むものである。すなわち本発明の疎水基含有共重合体(i)は、単量体(A)及び(B)を必須とする単量体成分を重合(共重合)することにより得ることができる。
上記単量体成分は、必要に応じて、更に他の単量体を含んでもよい。例えば、上記単量体成分が更に上記ポリアルキレングリコール系単量体(C)を含む場合には、上記疎水基含有共重合体(i)のうち上記(ii)の共重合体を得ることができ、また、上記単量体成分が更に上記スルホン酸基含有単量体(D)を含む場合には、上記疎水基含有共重合体(i)のうち上記(iii)の共重合体を得ることができる。
上記重合工程は、重合開始剤の存在下で単量体成分を共重合することになるが、疎水基含有共重合体を構成する構成単位が上述した範囲内となるように、単量体成分に含まれる単量体の種類や使用量を適宜設定することになる。つまり、上記疎水基含有共重合体を構成する構造単位の含有量が上述した範囲となるように、単量体成分に含まれる単量体の種類や使用量を適宜設定することが好ましい。したがって、全単量体成分100質量%に対し、単量体(A)の含有量が1〜50質量%、単量体(B)の含有量が50〜99質量%となるように設定することが適当である。
上記単量体(A)の量(全単量体成分100質量%に対する割合)として好ましくは1質量%を超える量であり、より好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは2質量%を超える量であり、特に好ましくは3質量%以上であり、最も好ましくは3質量%を超える量である。また、好ましくは50質量%未満、より好ましくは49質量%以下、更に好ましくは49質量%未満、更に好ましくは45質量%以下、更に好ましくは45質量%未満、更に好ましくは40質量%以下、更に好ましくは40質量%未満、更に好ましくは35質量%以下、より更に好ましくは35質量%未満、特に好ましくは30質量%以下、最も好ましくは30質量%未満である。
上記単量体(B)の量(全単量体成分100質量%に対する割合)として好ましくは50質量%を超える量であり、更に好ましくは55質量%以上であり、更に好ましくは55質量%を超える量であり、更に好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは60質量%を超える量であり、更に好ましくは65質量%以上であり、より更に好ましくは65質量%を超える量であり、特に好ましくは70質量%以上であり、最も好ましくは70質量%を超える量である。また、好ましくは99質量%未満、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは98質量%未満、特に好ましくは97質量%以下、最も好ましくは97質量%未満である。
また上記単量体成分が上記ポリアルキレングリコール系単量体(C)を更に含む場合には、全単量体成分100質量%に対し、単量体(A)の含有量が1〜49質量%、単量体(B)の含有量が50〜98質量%、単量体(C)の含有量が1〜49質量%であることが好適である。この範囲内にあれば、上記疎水基含有共重合体の析出抑制能を更に向上することが可能になる。このように、上記単量体成分が、更に、ポリアルキレングリコール系単量体(C)を含み、全単量体成分100質量%に対し、エーテル結合含有単量体(A)の含有量が1〜49質量%、カルボキシル基含有単量体(B)の含有量が50〜98質量%、ポリアルキレングリコール系単量体(C)の含有量が1〜49質量%である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記単量体(A)及び(B)の含有割合の好ましい範囲は、各々上述した範囲である。また、上記単量体(C)の含有量としてより好ましくは1質量%を超える量であり、更に好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは2質量%を超える量であり、特に好ましくは3質量%以上であり、最も好ましくは3質量%を超える量である。また、より好ましくは49質量%未満、特に好ましくは47質量%以下、最も好ましくは47質量%未満である。
また上記単量体成分が上記スルホン酸基含有単量体(D)を更に含む場合には、全単量体成分100質量%に対し、単量体(A)の含有量が1〜49質量%、単量体(B)の含有量が50〜98質量%、単量体(D)の含有量が1〜49質量%であることが好適である。この範囲内にあれば、上記疎水基含有共重合体の析出抑制能を更に向上することが可能になる。このように上記単量体成分が、更に、スルホン酸基含有単量体(D)を含み、全単量体成分100質量%に対し、エーテル結合含有単量体(A)の含有量が1〜49質量%、カルボキシル基含有単量体(B)の含有量が50〜98質量%、スルホン酸基含有単量体(D)の含有量が1〜49質量%である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記単量体(A)及び(B)の含有割合の好ましい範囲は、各々上述した範囲である。また、上記単量体(D)の含有量としてより好ましくは1質量%を超える量であり、更に好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは2質量%を超える量であり、特に好ましくは3質量%以上であり、最も好ましくは3質量%を超える量である。また、より好ましくは49質量%未満、更に好ましくは45質量%以下、更に好ましくは45質量%未満、特に好ましくは40質量%以下、最も好ましくは40質量%未満である。
また上記単量体成分が他の単量体(E)を更に含む場合には、全単量体成分100質量%に対して、0〜10質量%とすることが好適である。
上記重合工程における重合方法(共重合方法)としては、例えば、溶液重合やバルク重合、懸濁重合、乳化重合等の通常用いられる方法で行うことができ、特に限定されるものではないが、溶液重合方法が好適である。この際、使用できる溶媒としては、後述するように、溶媒総量100質量%中に水を50質量%以上含む混合溶媒、又は、水単独溶媒が好ましいが、水単独溶媒を用いる方が、脱溶剤工程を省略できる点で好適である。
なお、上記重合方法は、回分式でも連続式でも行うことができる。
上記重合工程において、重合開始剤としては公知のものを使用することができ、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノパレリン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が好適である。中でも、過酸化水素及び過硫酸塩が好ましく、過硫酸塩が最も好ましい。
なお、上記重合開始剤は、単独で使用されてよいし、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記重合開始剤の使用量としては、上記単量体成分の共重合を開始できる量であれば特に制限されないが、単量体成分の総量(全単量体成分)1モルに対して、10g以下であることが好ましく、より好ましくは1〜5gである。
上記製造方法ではまた、重合開始剤に加えて、連鎖移動剤の存在下で重合(共重合)を行うことが好適である。連鎖移動剤を使用すると、製造される疎水基含有共重合体が必要以上に高分子量化することが抑制され、低分子量の疎水基含有共重合体を効率よく製造することができるという利点がある。使用可能な連鎖移動剤としては、分子量の調節ができる化合物であれば特に制限されず、公知の連鎖移動剤が使用できる。具体的には、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン際、3−メルカプトプロピオン際、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ブチルチオグリコレート等の、チオール系連鎖移動剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモトリクロロエタン等の、ハロゲン化物;イソプロパノール、グリセリン等の、第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びその塩(亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)等の、低級酸化物及びその塩等が挙げられ、単独で使用されてもよいし、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記連鎖移動剤の中でも、亜硫酸や亜硫酸塩を用いることが好適である。すなわち、連鎖移動剤として、亜硫酸及び/又は亜硫酸塩(以下、「亜硫酸(塩)」と称す。)を少なくとも用いることが好適である。これにより、得られる疎水基含有共重合体の主鎖末端に定量的にスルホン酸基を導入することができ、耐ゲル性を向上することが可能となる。なお、スルホン酸基を定量的に導入できるということは、亜硫酸塩が連鎖移動剤等として非常に良好に機能していることを示しており、これにより、重合反応系に過剰な連鎖移動剤等を添加する必要がなくなり、共重合体の製造コストの上昇を低減するとともに、製造効率が向上され、しかも不純物を充分に低減することが可能となる。また、重合反応系に亜硫酸塩を加えることによって、得られる共重合体が必要以上に高分子量化することが抑制されることとなる。
上記亜硫酸(塩)としては、亜硫酸若しくは亜硫酸水素、又は、これらの塩をいい、亜硫酸/亜硫酸水素が塩である形態が好適である。亜硫酸/亜硫酸水素が塩である場合、上記した例に加えて、金属原子、アンモニウム又は有機アンモニウムの塩が好適である。上記金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の一価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の二価の金属原子;アルミニウム、鉄等の三価の金属原子等の塩が好ましい。また、有機アンモニウム(有機アミン)としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンや、トリエチルアミン等が好適である。更に、アンモニウムであってもよい。ゆえに、本発明で好ましく使用される亜硫酸塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム等が挙げられ、亜硫酸水素ナトリウムが特に好適である。
なお、上記亜硫酸(塩)は、単独で使用されてもよいし、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記製造方法において、連鎖移動剤の添加量は、使用される単量体成分が良好に重合する量であれば制限されないが、好ましくは、全単量体成分1モルに対して、1〜20gであり、より好ましくは2〜15gである。1g未満であると、分子量の制御が充分にできないおそれがあり、逆に20gを超えると、不純物をより充分に抑制できず、重合体純分が充分とはならないおそれがある。特に亜硫酸塩を使用する場合には、余剰の亜硫酸塩が反応系中で分解され、亜硫酸ガスが発生するおそれがある。しかも、経済的にも不利となるおそれもある。
上記製造方法ではまた、反応促進剤を併用することが好適であり、反応促進剤としては、重金属イオンを用いることが好ましい。なお、反応促進剤として使用される重金属イオンとは、比重が4g/cm以上の金属を意味する。重金属イオンとしては、例えば、鉄、コバルト、マンガン、クロム、モリブデン、タングステン、銅、銀、金、鉛、白金、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等が好ましく、これらの重金属は1種又は2種以上を用いることができる。中でも、鉄が好ましい。
上記重金属イオンのイオン価は特に限定されるものではなく、例えば、重金属として鉄が用いられる場合、開始剤における鉄イオンとしては、Fe2+であっても、Fe3+であってよく、これらが組み合わされていてもよい。
上記重金属イオンは、イオンの形態として含まれるものであれば特に限定されないが、重金属化合物を溶解してなる溶液を用いる方法を用いると、取り扱い性に優れるため好適である。その際に用いる重金属化合物は、開始剤に含有することを所望する重金属イオンを含むものであればよく、用いる開始剤に応じて決定することができる。
上記重金属イオンとして鉄を用いる場合、モール塩(Fe(NH(SO・6HO)、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の重金属化合物等を用いることが好ましい。また、重金属イオンとしてマンガンを用いる場合、塩化マンガン等を好適に用いることができる。これらの重金属化合物を用いる場合においては、いずれも水溶性の化合物であるため、水溶液の形態として用いることができ、取り扱い性に優れることになる。
なお、上記重金属化合物を溶解してなる溶液の溶媒としては、水に限定されるものではなく、本発明の疎水基含有共重合体の製造において、重合反応を妨げるものでなく、かつ、重金属化合物を溶解するものであればよい。
上記重金属イオンを使用する場合の重金属イオン量としては、上記重合工程における触媒量含まれていることが好ましい。ここでいう触媒量とは、触媒として、最終目的物に取り込まれるものでなく作用するものであり、具体的には100ppm以下である。好ましくは10ppm以下であり、より好ましくは5ppm以下である。
上記重金属イオンの含有量はまた、重合反応完結時における重合反応液の全質量に対して0.1〜10ppmであることが好ましい。0.1ppm未満であると、重金属イオンによる効果が充分に発現しないおそれがあり、10ppmを超えると、得られる疎水基含有共重合体の色調に悪影響を与えるおそれがある。また、重金属イオンの含有量が多いと、生成物である疎水基含有共重合体を洗剤ビルダーとして用いる場合に、洗剤用ビルダーの汚れの原因となるおそれもある。
なお、「重合反応完結時」とは、重合反応液中において重合反応が実質的に完了し、所望する重合体が得られた時点を意味する。例えば、重合反応液中において重合された重合体がアルカリ成分で中和される場合には、中和した後の重合反応液の全質量を基準に、重金属イオンの含有量を算出する。2種以上の重金属イオンが含まれる場合には、重金属イオンの総量が上述の範囲であればよい。
上記重合工程ではまた、溶媒を使用することが好ましい。溶媒としては特に限定されず、公知のものが使用でき、例えば、水の他、有機溶剤として、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;グリセリン;ポリエチレングリコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の芳香族又は脂肪族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類;ジメチルホルムアルデヒド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が好適に使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、単量体成分及び得られる共重合体の溶解性の点から、水及び炭素数1〜4の低級アルコールからなる群より選択される1種又は2種以上の溶媒を用いることが好ましい。
上記溶媒としてはまた、使用する溶媒の総量100質量%中、50質量%以上が水であることが特に好適である。これによって、重合に使用される有機溶剤の量を抑制できるため、重合終了後の有機溶剤の留去が容易であるという利点がある。また、重合に使用される単量体の溶媒への溶解性向上という観点から、必要に応じて、上述した有機溶媒(有機溶剤)を添加してもよい。この場合においても、全混合溶媒中の水の含量は50質量%以上であることが好適である。使用する溶媒の総量100質量%中の水の含有量として特に好ましくは、80質量%以上であり、最も好ましくは、100質量%(すなわち、水単独溶媒を使用すること)である。
上記溶媒の使用量としては、単量体成分の総量(全単量体成分)100質量部に対して40〜200質量部とすることが好ましい。40質量部未満であると、得られる共重合体の分子量が高くなるおそれがあり、200質量部を超えると、得られる共重合体の濃度が低くなり、溶媒除去が必要となるおそれがある。より好ましくは45質量部以上、更に好ましくは50質量部以上であり、また、より好ましくは180質量部以下、更に好ましくは150質量部以下である。
なお、溶媒は、重合初期に一部又は全量を反応容器内に仕込んでおけばよいが、溶媒の一部を重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよいし、単量体成分や開始剤等を予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合反応中に反応系内に添加(滴下)してもよい。
このように、本発明の製造方法として特に好ましい形態としては、上記重合工程が、重合開始剤、連鎖移動剤及び溶媒の存在下で行われるものであって、かつ溶媒の総量100質量%に対して水が50質量%以上である形態である。最も好ましくは、上記重合工程が、重合開始剤、連鎖移動剤、反応促進剤及び溶媒の存在下で行われる形態である。
なお、重合開始剤、連鎖移動剤及び反応促進剤を併用する場合、これらの総量は、単量体成分の総量(全単量体成分)1モルに対して、2〜20gであることが好ましい。このような範囲とすることで、本発明の疎水基含有共重合体を効率よく生産することができ、また、疎水基含有共重合体の分子量分布を所望のものとすることができる。より好ましくは4〜18gであり、更に好ましくは6〜15gである。
ここで、上記重合開始剤と連鎖移動剤との好適な組み合わせとしては、過硫酸塩と亜硫酸塩とをそれぞれ1種以上用いることが最も好ましい。この場合、過硫酸塩と亜硫酸塩との混合比は、特に制限されないが、過硫酸塩1質量部に対して、亜硫酸塩0.5〜5質量部を用いることが好ましい。0.5質量部未満であると、低分子量化する際に重合開始剤総量が増加するおそれがあり、逆に5質量部を超えると、副反応が増加し、それによる不純物が増加するおそれがある。より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、また、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。
また上記重合開始剤と連鎖移動剤との好適な組み合わせ、重合開始剤と反応促進剤との好適な組み合わせ、及び、重合開始剤と連鎖移動剤と反応促進剤との好適な組み合わせとしては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)/過酸化水素(H)、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)/過硫酸ナトリウム(NaPS)、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)/Fe、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)/過酸化水素(H)/Fe、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)/過硫酸ナトリウム(NaPS)/Fe、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)/過硫酸ナトリウム(NaPS)/過酸化水素(H)、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)/酸素/Fe等が挙げられる。より好ましくは、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)/過硫酸ナトリウム(NaPS)、亜硫酸水素ナトリウム(SBS)/過硫酸ナトリウム(NaPS)/Feであり、最も好ましくは亜硫酸水素ナトリウム(SBS)/過硫酸ナトリウム(NaPS)/Feである。
上記重合開始剤及び連鎖移動剤の反応容器への添加方法としては、滴下、分割投入等の連続投入方法を適用することができる。また、連鎖移動剤を単独で反応容器へ導入してもよいし、単量体成分を構成する各単量体や溶媒等と予め混同しておいてもよい。
上記重合(共重合)方法において、単量体成分や重合開始剤等の反応容器への添加方法としては、反応容器に単量体成分の全てを仕込み、重合開始剤を反応容器内に添加することによって共重合を行う方法;反応容器に単量体成分の一部を仕込み、重合開始剤と残りの単量体成分を反応容器内に連続して又は段階的に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法;反応容器に重合溶媒を仕込み、単量体成分及び重合開始剤の全量を添加する方法;単量体成分のうちの一種の単量体(例えば、単量体(B))の一部を反応容器に仕込み、重合開始剤及び残りの単量体成分(例えば、単量体(B)の残りと、単量体(A)並びに必要であれば単量体(C)、(D)及び/又は(E))を反応容器内に(好ましくは連続して)添加することによって共重合を行う方法等が好適である。このような方法の中でも、得られる共重合体の分子量分布を狭く(シャープに)することができ、洗剤ビルダーとして用いる場合の分散性を向上することができうることから、重合開始剤及び単量体成分を反応容器に逐次滴下する方法で共重合を行うことが好ましい。
上記重合工程において、温度や圧力、時間等の重合条件としては、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤等により適宜定められるが、重合温度としては、通常、0℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。より好ましくは40℃以上、更に好ましくは60℃以上、特に好ましくは80℃以上である。また、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは110℃以下である。特に、亜硫酸(塩)を用いる場合には、共重合温度は、通常、60℃〜95℃、好ましくは70℃〜95℃、更に好ましくは80℃〜95℃である。この際、60℃未満では、亜硫酸(塩)由来の不純物が多量に生成するおそれがある。逆に、95℃を越えると、有毒な亜硫酸ガスが放出されるおそれがある。
上記重合温度はまた、重合反応において、常にほぼ一定に保持する必要はなく、例えば、室温から重合を開始し、適当な昇温時間又は昇温速度で設定温度まで昇温し、その後、設定温度を保持するようにしてもよいし、単量体成分や開始剤等の滴下方法に応じて、重合反応中に経時的に温度変動(昇温又は降温)させてもよい。
上記重合時間としては、30〜300分であることが好ましい。より好ましくは60〜240分、更に好ましくは120〜180分である。
上記重合工程における反応系内の圧力としては、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下の何れであってもよいが、得られる共重合体の分子量の点で、常圧下、又は、反応系内を密閉し、加圧下で行うのが好ましい。また、加圧装置や減圧装置、耐圧性の反応容器や配管等の設備の点で、常圧(大気圧)下で行うのが好ましい。反応系内の雰囲気としては、空気雰囲気でもよいが、不活性雰囲気とするのが好ましく、例えば、重合開始前に系内を窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。
上記重合工程において、重合中のpHは、酸性が好ましい。特に、重合開始剤として過硫酸塩と重亜硫酸塩とを併用する場合は、酸性条件下で行うことが好ましい。酸性条件下で行うことによって、重合反応系の水溶液の粘度の上昇を抑制し、共重合体を良好に製造することができる。また、高濃度の条件下で重合反応を進行させることができるため、製造効率を大幅に上昇することができ、最終固形分濃度が40質量%以上の高濃度重合とすることができ、含まれる残存モノマーの総濃度が15000ppm以下のものを得ることができる。更に、エーテル結合含有単量体(A)の重合性を向上することができる。
上記酸性条件としては、重合中の反応溶液の25℃でのpHが1〜6であることが好ましい。より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。上記重合工程により得られる重合体(共重合体)は、そのままでも洗剤組成物(洗剤ビルダー)の主成分等として用いることができるが、必要に応じて、更にアルカリ性物質で中和して用いてもよい。アルカリ性物質としては、一価金属及び二価金属の水酸化物、塩化物及び炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アンモニウム(有機アミン)等を用いることが好ましい。
また重合を行う際の中和率は、重合開始剤によって適宜変更できる。例えば、過硫酸塩と重亜硫酸塩とを併用する場合は、上記単量体が塩を形成し得るものである場合、カルボキシル基含有単量体(B)の中和率を0〜60モル%として単量体成分の共重合を行うことが好ましい。単量体(B)の中和率は、単量体(B)の全モル数を100モル%としたときに、塩を形成している単量体のモル%で表されることになる。単量体(B)の中和率が60モル%を超えると、共重合工程における重合率が上がらず、得られる共重合体の分子量が低下したり、製造効率が低下したりするおそれがある。より好ましくは50モル%以下、更に好ましくは40モル%以下、特に好ましくは30モル%以下、より特に好ましくは20モル%以下、最も好ましくは10モル%以下である。
上記単量体(B)の中和率を0〜60モル%として共重合を行う方法としては、例えば、単量体(B)が不飽和カルボン酸系単量体である場合、全て酸型である不飽和カルボン酸系単量体を中和せずに共重合に付することにより行う方法や、不飽和カルボン酸系単量体をアルカリ性物質を用いてナトリウム塩やアンモニウム塩等の塩の形態に中和するときに中和率を0〜60モル%としたものを共重合に付することにより行う方法等が好適である。
〔疎水基含有共重合体の用途〕
本発明の疎水基含有共重合体(又はそれを含む重合体組成物)としては、析出抑制能に優れ、界面活性剤の析出を充分に抑制できるため、例えば、水処理剤、繊維処理剤、分散剤、洗剤ビルダー(又は洗剤組成物)、スケール防止剤(スケール抑制剤)、金属イオン封止剤、増粘剤、各種バインダー、乳化剤、スキンケア剤、ヘアケア剤等の用途に好適に用いることができる。なお、洗剤ビルダーとしては、衣料用、食器用、住居用、毛髪用、身体用、歯磨き用、及び自動車用等、様々な用途の洗剤に添加されて使用することができる。
以下では、水処理剤、繊維処理剤、無機顔料分散剤及び洗剤組成物の用途を例に挙げ、これらの用途に本発明の疎水基含有共重合体を用いた場合について、説明する。
<水処理剤>
上記疎水基含有共重合体(又は重合体組成物)は、水処理剤に用いることができる。すなわち、上記疎水基含有共重合体を含む水処理剤は、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤を用いてもよい。
上記水処理剤は、冷却水循環系、ボイラー水循環系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜等でのスケール防止に有用である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでもよい。
<繊維処理剤>
上記疎水基含有共重合体(又は重合体組成物)は、繊維処理剤に用いることができる。すなわち、上記疎水基含有共重合体を含む繊維処理剤は、本発明の好適な実施形態の1つである。この場合、繊維処理剤は、染色剤、過酸化物及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、上記疎水基含有共重合体を含むことが好適である。
上記繊維処理剤における上記疎水基含有共重合体の含有量は、繊維処理剤の全量100質量%に対し、1〜100重量%とすることが好ましい。より好ましくは5〜100重量%である。また、性能や効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
以下に、より実施形態に近い、繊維処理剤の配合例を示す。この繊維処理剤は、繊維処理における精錬、染色、漂白、ソーピングの工程で使用することができる。染色剤、過酸化物及び界面活性剤としては繊維処理剤に通常使用されるものが挙げられる。
本発明の疎水基含有共重合体と、染色剤、過酸化物及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つとの配合比率は、例えば、繊維の白色度、色むら、染色けんろう度の向上のためには、繊維処理剤純分換算で、本発明の疎水基含有共重合体1重量部に対して、染色剤、過酸化物及び界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つの総量を0.1〜100重量部とすることが好ましく、このような割合で配合した組成物を繊維処理剤として用いることが好適である。
上記繊維処理剤を使用できる繊維としては、任意の適切な繊維を採用し得る。例えば、木綿、麻等のセルロース系繊維、ナイロン、ポリエステル等の化学繊維、羊毛、絹糸等の動物性繊維、人絹等の半合成繊維及びこれらの織物及び混紡品が挙げられる。
上記繊維処理剤を精錬工程に適用する場合は、本発明の疎水基含有共重合体と、アルカリ剤及び界面活性剤とを配合することが好ましい。漂白工程に適用する場合では、本発明の疎水基含有共重合体と、過酸化物と、アルカリ性漂白剤の分解抑制剤としての珪酸ナトリウム等の珪酸系薬剤とを配合することが好ましい。
<無機顔料分散剤>
上記疎水基含有共重合体(又は重合体組成物)は、無機顔料分散剤に用いることができる。すなわち、上記疎水基含有共重合体を含む無機顔料分散剤は、本発明の好適な実施形態の1つである。無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸及びその塩、ホスホン酸及びその塩、ポリビニルアルコールを用いてもよい。
上記無機顔料分散剤における、本発明の疎水基含有共重合体の含有量は、無機顔料分散剤の全量100質量%に対し、5〜100質量%とすることが好ましい。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
上記無機顔料分散剤は、紙コーティングに用いられる重質又は軽質炭酸カルシウム、クレイの無機顔料の分散剤として良好な性能を発揮することができる。例えば、無機顔料分散剤を無機顔料に少量添加して水中に分散することにより、低粘度でしかも高流動性を有し、かつ、それらの性能の経日安定性が良好な、高濃度炭酸カルシウムスラリーのような高濃度無機顔料スラリーを製造することができる。
上記無機顔料分散剤を無機顔料の分散剤として用いる場合、該無機顔料分散剤の使用量は、無機顔料100重量部に対して、0.05〜2.0重量部が好ましい。無機顔料分散剤の使用量が上記範囲内にあることによって、充分な分散効果を得ることが可能となり、添加量に見合った効果を得ることが可能となり、経済的にも有利となり得る。
<洗剤組成物>
上記疎水基含有共重合体(又は重合体組成物)は、洗剤組成物(洗浄剤組成物ともいう。)に用いることができる。すなわち、上記疎水基含有共重合体を含む洗剤組成物は、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記洗剤組成物における、本発明の疎水基含有共重合体の含有量は特に制限されないが、優れたビルダー性能を発揮し得るという観点からは、洗剤組成物の全量100質量%に対して、0.1〜15質量%とすることが好ましい。より好ましくは0.3〜10質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%である。
洗剤用途で用いられる洗剤組成物には、通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。これらの界面活性剤や添加剤の具体的な形態は特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。
上記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上である。2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量は、界面活性剤の全量100質量%に対して50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸又はエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステル又はその塩、アルケニルリン酸エステル又はその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量100質量%に対して10〜60質量%であり、好ましくは15〜50質量%、より好ましくは20〜45質量%、特に好ましくは25〜40質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、充分な洗浄力を発揮できなくなるおそれがあり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下するおそれがある。
上記添加剤としては、例えば、他の洗剤ビルダー(例えば、アルカリビルダー、キレートビルダー、多糖類のカルボキシル誘導体等の汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤)、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等の汚れ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒等が好適である。また、粉末洗剤組成物の場合にはゼオライトを配合することが好ましい。
上記アルカリビルダーとしては、珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩等が好適である。
上記キレートビルダーとしては、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、ボウ硝、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、クエン酸塩、(メタ)アクリル酸の共重合体塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、フマル酸塩、ゼオライト、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、STPP(トリポリリン酸ナトリウム)、クエン酸等が好適である。また、本発明における共重合体以外のその他の水溶性ポリカルボン酸系ポリマーを用いてもよい。
上記多糖類のカルボキシル誘導体としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が好適である。
なお、上記他の洗剤ビルダーに用いられる対塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニウム、アミン等が挙げられる。
上記酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等が好適である。中でも、アルカリ洗浄液中で活性が高いプロテアーゼ、アルカリリパーゼ及びアルカリセルラーゼが好ましい。酵素の添加量は、洗浄剤組成物100質量%に対して5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、洗浄力の向上が見られなくなり、経済性が低下するおそれがある。
上記添加剤の合計の配合割合は、洗浄剤組成物100質量%に対して0.1〜50質量%が好ましい。0.1質量%未満であると、より充分な洗剤性能を発揮できなくなるおそれがあり、50質量%を超えると、経済性が低下するおそれがある。より好ましくは0.2〜40質量%、更に好ましくは0.3〜35質量%、特に好ましくは0.4〜30質量%、最も好ましくは0.5〜20質量%以下である。
なお、上記洗剤組成物の概念には、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤等の特定の用途にのみ用いられる洗剤も含まれる。
上記洗剤組成物は、本発明の疎水基含有共重合体を含むことによって、析出抑制能に優れ、更に、長期間保存した場合の性能低下や低温で保持した場合の不純物析出等が生じにくい極めて高品質剤性能で安定性に優れた洗剤となる。
このような洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。液体洗剤組成物である場合、液体洗剤組成物に含まれる水分量は、通常、液体洗剤組成物の全量100質量%に対して0.1〜75質量%であることが好ましい。より好ましくは0.2〜70質量%、更に好ましくは0.5〜65質量%、より更に好ましくは0.7〜60質量%、特に好ましくは1〜55質量%、最も好ましくは1.5〜50質量%である。
上記洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、該洗剤組成物は、カオリン濁度が200mg/L以下であることが好ましい。より好ましくは150mg/L以下、更に好ましくは120mg/L以下、特に好ましくは100mg/L以下、最も好ましくは50mg/L以下である。
なお、カオリン濁度は、以下のようにして測定することができる。
<カオリン濁度の測定方法>
厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTubidity(カオリン濁度:mg/L)を測定する。
本発明の疎水基含有共重合体は、上述のような構成であり、界面活性剤の析出を充分に抑制/防止する性能に優れることから、洗剤組成物等の用途に用いると、界面活性剤の析出が効果的に抑制される。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
なお、実施例及び比較例において、共重合体の重量平均分子量及び数平均分子量、重合体組成物の固形分(質量%)並びに析出抑制能は、下記方法に従って求めた。
<重量平均分子量及び数平均分子量の測定条件>
装置:日立社製 L−7000シリーズ
検出器:RI
カラム:昭和電工社製 SHODEX Asahipak GF−310−HQ, GF−710−HQ, GF−1G 7B
カラム温度:40℃
流速:0.5ml/min.
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=3/1(質量比)
<析出抑制能(LAS−Ca塩析出抑制能)の測定方法>
(1)グリシン9.3793g、塩化ナトリウム9.6452g、水酸化ナトリウム5.1975gに純水を加えて1000.0gとし、グリシン緩衝液を作製した。
(2)15%(w/w)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)水溶液1.50g、硫酸ナトリウム0.80g、(1)で調製したグリシン緩衝液11.25gに純水を加えて、500.0gとした。
(3)0.1%(w/w)サンプル重合体水溶液を調製した。
(4)1M塩化カルシウム2水和物水溶液を調製した。
(5)100mLビーカーに(3)で調製した0.1%サンプル重合体水溶液1.80g、純水8.20g、(2)を80.00g加えて、試験液とした。
(6)試験液に、(4)で調製した1M塩化カルシウム2水和物水溶液を滴下、攪拌し、濁度変化を測定した。測定には、平沼産業製自動滴定装置(本体:COM−550、光度速度ユニット;M−500)を用いた。濁度変化は、波長650nmにおける透過率変化で測定した。
(7)1M塩化カルシウム2水和物水溶液の添加量が0.270mlの時点における透過率の値を析出抑制能とした。なお、値が高いほど、析出抑制能に優れることを意味する。
<重合体組成物の固形分測定方法>
窒素雰囲気下、130℃に加熱したオーブンで重合体組成物(重合体組成物1.0g+水3.0g)を1時間放置して乾燥処理した。乾燥前後の重量変化から、固形分(%)と、揮発成分(%)を算出した。
合成例1(単量体1)
攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、ニューコール2305(株式会社日本乳化剤製;C12−13アルコールのエチレンオキサイド5モル付加物)81.2gと、水酸化カリウム(以下、「KOH」とも称する。)16.8gを仕込み、窒素吹き込み、攪拌しながら、120℃まで昇温し、この状態を1時間維持することにより、反応系の脱水を行った。次に、還流冷却器を取り付け、60℃まで降温し、塩化メタリル(以下、「MLC」とも称する。)27.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。ここに純水200.0gを加え、1時間反応させた後、硫酸で中性とした。室温まで冷却後、この水溶液を500mlの分液ロートへ移し、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体1を得た。
合成例2(単量体2)
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、n−ブチルアルコール370.0gと、KOH 4.27gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温した。次に、アリルグリシジルエーテル(以下、「AGE」とも称する。)57.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。室温まで冷却後、硫酸で中性としてから、この溶液を1000mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。ここに純水200.0gを加え、この水溶液を500mlの分液ロートへ移し、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体2を得た。
合成例3(単量体3)
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、メタリルアルコールのエチレンオキサイド1モル付加物(以下、「MLA1」とも称する。)34.8gと、KOH 1.8gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温した。次に、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(以下、「EHGE」とも称する。)55.8gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。ここに、純水200.0gを加え、1時間反応させた後、硫酸で中性とした。室温まで冷却後、この水溶液を500mlの分液ロートへ移し、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体3を得た。
合成例4(単量体4)
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量500mLのガラス製セパラブルフラスコに、MLA1 46.4gと、KOH 2.0gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温した。次に、n−ブチルグリシジルエーテル(以下、「BGE」とも称する。)52.0gを30分かけて添加し、その後、5時間反応させた。ここに純水200.0gを加え、1時間反応させた後、硫酸で中性とした。室温まで冷却後、この水溶液を500mlの分液ロートへ移し、分層するまで静置し、下層を取り除いた。残った上層を300mlのナスフラスコへ移し、ロータリーエバポレーターで脱溶媒した。析出してきた塩を濾過により取り除き、単量体4を得た。
合成例5(単量体5)
ニューコール2305(81.2g)に代えて、ニューコール2303(株式会社日本乳化剤製;C12−13アルコールのエチレンオキサイド3モル付加物)63.6gを用いた他は、合成例1と同様にして単量体5を得た。
合成例6(単量体6)
ニューコール2305(81.2g)に代えて、ニューコール1004(株式会社日本乳化剤製;2−エチルヘキシルアルコールのエチレンオキサイド4モル付加物)61.2gを用いた他は、合成例1と同様にして単量体6を得た。
実施例1−1
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水73.0g、及び、モール塩0.0127gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、90℃に保持された重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、「80%AA」とも称する。)237.5g、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、「48%NaOH」とも称する。)11.0g、単量体1 10.0g、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、「15%NaPS」とも称する。)53.2g、及び35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、「35%SBS」とも称する。)30.4gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AA及び48%NaOHについては180分間、単量体1については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を90℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH186.9gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、固形分濃度44.8%、重量平均分子量8500の重合体1−1の水溶液(本発明の重合体組成物1)を得た。
実施例1−2〜1−8、比較例1−1〜1−2
実施例1−1において、仕込み組成、重合温度、更に添加した原料及びその滴下時間、熟成時間及びその温度、並びに、中和反応に使用した材料等を、表1のように変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、重合体組成物1−2〜1−8及び比較重合体組成物1−1〜1−2を得た。これら重合体組成物の固形分濃度及び重量平均分子量を表1に示す。
実施例2−1
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水60.0g、及びモール塩0.0115gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、90℃に保持された重合反応系中に、80%AA 200.0g、48%NaOH 9.3g、イソプレノールのエチレンオキサイド10モル付加物(以下、「IPN10」とも称する。)30.0g、単量体1 10.0g、15%NaPS 46.0g、及び、35%SBS 39.4gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AA及び48%NaOHについては180分間、IPN10及び単量体1については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を90℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH157.4gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、固形分濃度47.8%、重量平均分子量9300の重合体2−1の水溶液(本発明の重合体組成物2−1)を得た。
実施例2−2〜2−8、比較例2−1〜2−2
実施例2−1において、仕込み組成、重合温度、更に添加した原料及びその滴下時間、熟成時間及びその温度、並びに、中和反応に使用した材料等を、表2のように変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、重合体組成物2−2〜2−8及び比較重合体組成物2−1〜2−2を得た。これら重合体組成物の固形分濃度及び重量平均分子量を表2に示す。
実施例3−1
還流冷却器、攪拌機(パドル翼)を備えた容量1000mLのガラス製セパラブルフラスコに、純水55.0g、及びモール塩0.0122gを仕込み、攪拌しながら、90℃まで昇温して重合反応系とした。次に、攪拌下、90℃に保持された重合反応系中に、80%AA 200.0g、48%NaOH 9.3g、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムの40%水溶液(以下、「40%HAPS」とも称する。)75.0g、単量体1 10.0g、15%NaPS 47.6g、及び、35%SBS 34.0gを、それぞれ別々のノズルより滴下した。各溶液の滴下時間は、80%AA及び48%NaOHについては180分間、40%HAPS及び単量体1については120分間、15%NaPSについては190分間、35%SBSについては175分間とした。また、各溶液の滴下速度は一定とし、各溶液の滴下は連続的に行った。
80%AAの滴下終了後、更に30分間、上記反応溶液を90℃に保持(熟成)して重合を終了した。重合終了後、重合反応液を攪拌、放冷しながら、48%NaOH148.1gを徐々に滴下し、重合反応液を中和した。
このようにして、固形分濃度44.9%、重量平均分子量12000の重合体3−1の水溶液(重合体組成物3−1)を得た。
実施例3−2〜3−8、比較例3−1〜3−2
実施例3−1において、仕込み組成、重合温度、更に添加した原料及びその滴下時間、熟成時間及びその温度、並びに、中和反応に使用した材料等を、表3のように変更したこと以外は、実施例3−1と同様にして、重合体組成物3−2〜3−8及び比較重合体組成物3−1〜3−2を得た。これら重合体組成物の固形分濃度及び重量平均分子量を表3に示す。
Figure 0005709520
Figure 0005709520
Figure 0005709520
<析出抑制能の評価試験>
実施例及び比較例で得た重合体組成物について、析出抑制能を評価した。結果を表4〜6に示す。なお、表4〜6において、「疎水基の炭素数」とは、エーテル結合含有単量体(A)が有する疎水基(上記一般式(1)及び(2)中のRで表される基)の炭素数を意味する。また、構造単位の比率は、全単量体成分100質量%に対する単量体の質量割合(質量%)として算出した。
Figure 0005709520
Figure 0005709520
Figure 0005709520
表4〜6から明らかなように、本発明の疎水基含有共重合体は、疎水性単量体としてのエーテル結合単量体(A)を有していない比較重合体を含む比較重合体組成物に比べて、有意に優れた析出抑制能を有している。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)及び/又は(2):
    Figure 0005709520
    (式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は単結合を表す。Xは、(O−CH−CH)で表される単位の平均繰り返し数を表し、0〜5の数である。ただし、Rが単結合を表す場合は、Xは1〜5の数である。Rは、炭素数1〜20の有機基を表す。)で表されるエーテル結合含有単量体(A)由来の構造単位(a)と、カルボキシル基含有単量体(B)由来の構造単位(b)と、ポリアルキレングリコール系単量体(C)由来の構造単位(c)とを含み、全ての単量体由来の構造単位100質量%に対し、構造単位(a)が1〜49質量%、構造単位(b)が50〜98質量%、構造単位(c)が1〜49質量%であることを特徴とする疎水基含有共重合体。
  2. 疎水基含有共重合体を製造する方法であって、
    該製造方法は、重合開始剤の存在下、下記一般式(1)及び/又は(2):
    Figure 0005709520
    (式中、Rは、水素原子又はCH基を表す。Rは、CH基、CHCH基又は単結合を表す。Xは、(O−CH−CH)で表される単位の平均繰り返し数を表し、0〜5の数である。ただし、Rが単結合を表す場合は、Xは1〜5の数である。Rは、炭素数1〜20の有機基を表す。)で表されるエーテル結合含有単量体(A)と、カルボキシル基含有単量体(B)と、ポリアルキレングリコール系単量体(C)とを含む単量体成分を重合する工程を含み、全単量体成分100質量%に対し、エーテル結合含有単量体(A)の含有量が1〜49質量%、カルボキシル基含有単量体(B)の含有量が50〜98質量%、ポリアルキレングリコール系単量体(C)の含有量が1〜49質量%であることを特徴とする疎水基含有共重合体の製造方法。
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