JP5705810B2 - 塔状構造物、及び、塔状構造物の施工方法 - Google Patents

塔状構造物、及び、塔状構造物の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、多脚型の塔状構造物に関する。
塔状構造物としての煙突には、鉄塔支持型煙突と多脚型煙突があり、前者は地震等の水平力に対し鉄塔が抵抗するため、鉄塔への耐震補強など比較的耐震性能を向上させることが容易であるが、後者は筒身自体が水平力に抵抗するため、耐震性能の向上が困難という課題がある。
例えば、特許文献1には、基礎から立設される外筒と、外筒の頂部に揺動可能に吊り下げられる内筒とによって構成される塔状構造物が開示されている。この構造物は、内筒を、互いに並列関係をもって配置されるばねおよび減衰部材を介して外筒によって支持し、ばねおよび減衰部材と内筒の質量とによって構成される振動系を、外筒の固有周期に同調させる。そうすることで特許文献1は、内筒を振動させ、一種の同調型タンパ(TMD:Tuned Mass Damper)として機能させることを目的としている。
また、特許文献2には、多脚型煙突のつなぎ梁にエネルギ吸収体である抵抗板を設置し、地震時には、抵抗板がせん断降伏しその履歴エネルギにより、振動エネルギを吸収することが開示されている。なお、多脚型煙突は、煙突を構成する筒身同士を、その高さ方向に亘ってつなぎ梁で剛結合している。
特開平11-30054号公報 特開平9-13738号公報
特許文献1、特許文献2の提案により相当の振動抑制がなされるが、地震による振動に対してより効果的な対策が望まれている。この対策は、新たに塔状構造物を施工する場合に限らず、耐震性の向上が要求される既設の塔状構造物に対しても有効であることが必要である。後者の場合には、構造物に加える変更が最小限に留まることが望まれるのは当然である。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、新設及び既設の両者において、地震応答の低減を効果的に図ることのできる多脚型の塔状構造物、及び、その施工方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来の一般的な多脚型の塔状構造物の概念に捉われることなく、新たな発想に基づいた塔状構造物を提案する。つまり、本発明の塔状構造物は、筒身とは別の柱状の構造体(以下、芯柱ということがある)を設置し、下部位置から中間位置に亘る剛結合されるつなぎ梁による連結はそのままとする。しかし、中間位置よりも高い領域には剛結合のつなぎ梁を設ける代わりに、筒身と芯柱はピン結合による減衰機構により連結することで、筒身と芯柱の間の相対変位を減衰エネルギに変換して、地震応答レベルの低減を図るものであり、従来の塔状構造物からは想定することができない発想に立脚する。
すなわち本発明の多脚型の塔状構造物(以下、単に塔状構造物ということがある)は、基礎から先端に向けて鉛直方向に立ち上る複数の筒身と、筒身同士を剛結合により連結する第1つなぎ梁と、基礎から立ち上がり、筒身に隣接して設置される柱状構造体と、柱状構造体と筒身をピン結合により連結する減衰機構と、を備えることを前提とする。
本発明の塔状構造物は、筒身及び柱状構造体が、基礎に近い下部位置と、先端に近い側の上部位置と、下部位置と上部位置の間に位置する中間位置と、を有するものとすると、第1つなぎ梁は、下部位置から中間位置にわたる領域Aに設置され、減衰機構は、中間位置から上部位置にわたる領域Bに設置されることを特徴としている。
本発明の塔状構造物において、柱状構造体は、複数の筒身で取り囲まれる領域に設置されることが好ましい。柱状構造体を設置するスペースを確保する必要がないからである。
本発明の塔状構造物において、領域Bに筒身同士をピン結合により連結する第2つなぎ梁を設置できる。
そうすることで、筒身ごとに若干の重量の違いなどのアンバランスがあっても、各々の筒身に生じる若干の振動特性のずれを吸収でき、一体化した形で塔状構造物を挙動させることが可能となる。
本発明の塔状構造物において、柱状構造体に、柱状構造体の振動特性を調整するマスを設置できる。
そうすることで、柱状構造体の振動特性を調整して、減衰機構を設けることによる減衰特性を大きくできる。
柱状構造体の振動特性の調整は、領域Aにおいて、筒身と柱状構造体をピン結合により連結するつなぎ材を設置することによっても可能である。
本発明の塔状構造物は、新たに構造物を施工する場合(以下、新設)に限らず、すでに存在する既設の構造物に必要な施工を施すことで得ることもできる。
前者の場合には、施工当初より、第1つなぎ梁は領域Aに設置される一方、減衰機構は領域Bに設置される。後者の場合には、領域Bに第1つなぎ梁が設けられていた既設の構造物から、第1つなぎ梁を取り除いた後に、領域Bに減衰機構を設置すればよい。いずれも、格別困難な作業を伴うことなく、本発明の塔状構造物を得ることができる。
本発明によれば、筒身と芯柱の間の相対変位を減衰エネルギに変換して、地震応答レベルの低減を図ることができる。しかも、この効果は、新設及び既設のいずれであっても、格別困難な作業を伴うことなく奏できる。
第1実施形態による4脚型煙突を示し、(a)は側面図、(b)は(a)のIb−Ib断面図である。 第1実施形態における多脚型煙突の設置変形例を示し、(a)4脚型、(b)及び(c)は3脚型、(d)および(e)は2脚型を示している。 第2実施形態による4脚型煙突を示し、(a),(b)は側面図、(c)は(a)のIIIb−IIIb断面図である。 第2実施形態における多脚型煙突の設置変形例を示し、(a)4脚型、(b)は3脚型、(c)は2脚型を示している。 第3実施形態による多脚型煙突の側面図を示し、(a)は領域Bにつなぎ梁を設けない例を、(b)は領域Bにつなぎ梁を設けた例を示す。 第3実施形態による他の多脚型煙突の側面図を示し、(a),(c)は領域Bにつなぎ梁を設けない例を、(c)は領域Bにつなぎ梁を設けた例を示す。 第4実施形態による4脚型煙突を示し、(a)は側面図、(b)は(a)のVIIb−VIIb断面図である。 第4実施形態における多脚型煙突の設置変形例を示す。
〔第1実施形態〕
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本実施形態は、本発明の塔状構造物を煙突10に適用した例について説明する。
図1に示すように、多脚型の煙突10は、4本の筒身1と、4本の筒身1に取り囲まれる空間に立設される芯柱3と、適宜の位置で筒身1を剛結合するつなぎ梁(第1つなぎ梁)4と、筒身1と芯柱3の間に設けられる減衰機構7と、を備える。詳しくは後述するが、煙突10は、新たに建設される場合(新設)のみならず、既設の煙突の改修工事を行って得られる場合もある。
鋼製の筒身1は、基礎200から鉛直方向に立ち上り、下端から送られる排気ガスを先端から排出する。4本の筒身1は、この例では、各々が正方形の頂点の位置に配置されている。基礎200は、地面、あるいは他の構造物とされる。
芯柱3は、筒身1とは別体の柱状の構造体であり、基礎200から鉛直方向に立ち上る。芯柱3は、筒身1と同様に鋼製であるが、既設の煙突を対象とする場合には、芯柱3を新たに建てるのではなく、既設の柱状の構造体、例えばエレベータシャフトがあるのであれば、それ芯柱3として利用できる。
煙突10は、筒身1と筒身1とがつなぎ梁4により剛結合される領域Aと、筒身1と芯柱3とが減衰機構7により連結される領域Bと、に区分される。領域A,領域Bについては、後述する。
つなぎ梁4は、図1にはトラス構造の例を示しているが、他の形態、例えばI型鋼のように単純形態の部材を用いることもできる。
減衰機構7は、芯柱3と連結される筒身1の間に固有周期に影響を与えないことが必要なので、例えば、オイルタンパが適している。減衰機構7は筒身1と芯柱3の相対的な変位を許容することが前提であり、このことが担保される限り、具体的な減衰機構7の設置方法は問わない。筒身1と減衰機構7の連結部、芯柱3と減衰機構7の連結部は、各筒身1間の熱伸び差の影響を受けないようにピン結合とする。
減衰機構7は、図1(b)に示すように、4本の筒身1の各々と芯柱3の間に2つずつ設けられている。減衰機構7は、各筒身1から隣接する筒身1に向けて延びる連結材2の先端と芯柱3との間を繋いでおり、一つの筒身1と芯柱3の間には直交する向きに2つの減衰機構7が設けられている。そうすることで、水平方向の任意の向きの振動に対応する減衰性能が得られる。
煙突10は、図1(a)に示すように、基礎200に近い側の下部位置αと、先端に近い側の上部位置γと、下部位置αと上部位置γの間に位置する中間位置βとを備え、下部位置αから中間位置βまでの範囲が領域Aをなし、中間位置βを超え上部位置γまでの範囲が領域Bをなしている。
領域Aにおいては、隣接する筒身1同士がつなぎ梁4で連結されている。このように複数の筒身1をつなぎ梁4で連結した構造が多脚型煙突の基本的な構成であるから、領域Aは従来の多脚型煙突と同じ構成、作用・効果を備えているものとみなせる。これに対して、領域Bにおいては、つなぎ梁4が省かれている。したがって、煙突10は、下部位置αと中間位置βにおいてのみつなぎ梁4により筒身1が結合されているため、領域Aにおいては複数の筒身1は一体的に変位するが、領域Bにおいて各筒身1は独立して変位できる。
本実施形態は、新たに煙突10を施工する場合(以下、新設)に限らず、すでに存在する既設の煙突に必要な施工を施すことで煙突10を得ることができる。新設の場合には、図1(a)に示すように、領域Aはつなぎ梁4で筒身1を連結する、領域Bはつなぎ梁4を設けるのではなく、減衰機構7を設けることになる。既設の煙突を対象とする場合には、領域Bに当初は設けられていたつなぎ梁4を撤去した後に、減衰機構7を設置することで、煙突10を得ることができる。
以上説明した煙突10によると、以下の効果を奏する。
煙突10は、領域Bにおいては、筒身1と芯柱3の間に減衰機構7を設けているので、地震による振動を受けると、筒身1と芯柱3の相対変位を減衰エネルギに置換し、煙突10の地震応答を低減させる。
さらにまた、煙突10は従来の多脚型の煙突に芯柱3を加える必要があるが、4本の筒身1の内側に芯柱3を設置すればよいので、芯柱3を新たに設置するエリアを必要としない。
しかも、新設の煙突に限らず、既設の煙突に対してもそれまで設けていたつなぎ梁4を取り除き、その代わりに減衰機構7設置するだけで、本実施形態の煙突10を容易に得ることができる。
なお、減衰機構7の減衰定数、筒身1と芯柱3の振動数などは、耐震上、最適となるように適宜設定されるべきものであり、本発明を限定する要素にはならない。
減衰機構7は、種々の設置形態を採用できる。
例えば、図2(a)に示すように、4脚型煙突に円柱状の芯柱3を用いると、減衰機構7は放射状に配列できる。
また、図2(b),(c)に示すように、本発明を3脚型煙突に適用できる。この場合も芯柱3は3本の筒身1で取り囲まれる領域に配置され、各々の筒身1と芯柱3の間に減衰機構7が2つずつ設けられている。この場合、1つの筒身1と芯柱3の間に設けられる2つの減衰機構7は、直交に近い角度で交差している。
さらに、図2(d),(e)に示すように、本発明を2脚型煙突に適用できる。この場合は、図2(d)に示すように、2本の筒身1の間から外れた位置に2本の芯柱3を設けることができるし、図2(e)に示すように、2本の筒身1に1本の芯柱3を設けることもできる。図2(d)の形態では、連結材2を、2本の筒身1の中心間を結ぶ線上、および、当該中心線を挟む両側に連結材2を設け、これら連結材2と2本の芯柱3の間に減衰機構7で繋ぐ。図に示すように、2本の筒身1の間に設けられる減衰機構7と、当該中心線を挟む両側の連結材2と芯柱3を繋ぐ減衰機構7とは、ほぼ直行するように配置されている。一方、図2(e)の例では、1本の芯柱3とその両側に配置される筒身1との間に4本の減衰機構7が芯柱3を基準にして放射状に配置されている。
オイルダンパ(粘性体)からなる減衰機構7は減衰のみを付加するものであり、固有周期への影響は少ない。これに比べて、アスファルト系材料などに代表される粘弾性体を用いた減衰機構7は、若干の固有周期への影響はあるものの、全体応答として影響しないレベルでの設定をすることにより、本発明に十分に適用可能である。
また、図1には減衰機構7を領域Bの範囲で鉛直方向の複数個所(2カ所)に設けた例を示したが、領域Bの範囲で一箇所だけに減衰機構7を設けることもできる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態は、筒身1ごとに任意の向きに減衰作用が生じるように減衰機構7を例えば直交するように設けている。また、例えば筒身1が4本の例では、筒身1ごとに若干の重量の違いなどのアンバランスがあると、振動モードが相違し、各々の筒身1に個別の振動モードが生ずる可能性もある。そこで、第2実施形態では、上記の課題に対して、各々の筒身1に生じる若干の振動特性のずれを吸収可能な構造を提案する。
第2実施形態による煙突20は、図3に示すように、領域Bにもつなぎ梁(第2つなぎ梁)5を設ける。破線で示すつなぎ梁5は、減衰機構7を設けた構面において、隣接する筒身1を繋いでいる。ただし、つなぎ梁5は、筒身1との両端の結合をピン結合(○印で示す。以下、同様)とすることで、筒身1の間で曲げモーメントの伝達が行なわないようにしている。なお、煙突20はつなぎ梁5を設ける点を除いて、煙突20は第1実施形態の煙突10と同じ構成を備えている。したがって、第1実施形態と同じ構成要素には、図3に同じ符号を付すことで、その説明を省略する。
隣接する筒身1をピン結合されたつなぎ梁5で接続することで、図3(c)の横方向に並ぶ筒身1及び縦方向に並ぶ筒身1の間には相対的な変位が生ずることなく、また横方向及び縦方向に変形した際に筒身1の曲げ変形によるモーメントが伝達されない。そうすることで、複数の筒身1間の水平方向の変位挙動を協調させることができる。これにより、各々の筒身1に若干の振動特性のアンバランスがあったとしても、4本の筒身1は一体として挙動することになるので、より効率的な減衰効果を得ることができ、減衰機構7の設置箇所数を低減することが可能となる。例えば、つなぎ梁5を設けることにより図3(c)に示すように減衰機構7を、第1実施形態の煙突10に比べて半減できる。また、このことは、減衰機構7の設置を含めた煙突20の設計自体を簡便にできることを示唆している。
つなぎ梁5は、減衰機構7が設けられている全ての断面に設ける必要はなく、図3(b)に示すように、減衰機構7が設けられている一部の断面だけに設けることができる。この場合、応答低減効果が最適となるように、つなぎ梁5をピン結合する箇所を選択する。
また、つなぎ梁5による筒身1の連結形態は図3(c)に限らず、例えば図4に示す形態を含め、上述した作用・効果が得られる種々の形態を採用できる。なお、つなぎ梁5は、その目的を達成する限り、トラス構造、I型鋼など種々の形態を適用できる。
〔第3実施形態〕
以上説明した実施形態において、減衰機構7を設けたことによる減衰効果を大きくできるように調整できることが望まれる。第3実施形態では、マスを用いてこの要請に応える煙突30を図5に基づいて説明する。なお、減衰効果を大きくできる要素を除いて、煙突30は第1実施形態の煙突10と同じ構成を備えている。したがって、第1実施形態と同じ構成要素には、図5に同じ符号を付すことで、その説明を省略する。
煙突30は、芯柱3の頂部に振動特性調整用の集中マス(付加質量体)8を備える。集中マス8は、芯柱3の振動特性を調整可能とできように、その質量が変更できるように構成されている。したがって、煙突30は、集中マス8の質量を変更するのみで減衰効果が大きくなるよう調整可能となる。つまり、煙突30は、芯柱3の振動特性を調整することにより、筒身1との振動特性の差を適切に設定し、より効率的に地震エネルギを吸収する構造を実現できる。なお、図5(a)は第1実施形態の煙突10に集中マス8を設けた例を示し、図5(b)は第2実施形態の煙突10に集中マス8を設けた例を示している。
芯柱3の振動特性を調整するためのマスを、図5に示すように、芯柱3の頂部に集中して設けるのに代えて、領域Bの範囲に高さ方向に分散した分布マス9として設けることもできる。分布マス9の具体的な例としては、図6(a),(b)に示すように、リング状の部材を芯柱3の外周に固定することが掲げられる。また、図6(c)の例では、芯柱3の外周面に板状の部材を貼り付け、固定することで、芯柱3の板厚を見かけ上増やすことを示している。ただし、これらはあくまで例示である。
分布マス9を設けることで、上述した集中マス8を設けるのと同様に、より効率的に地震エネルギを吸収する構造を実現できることに加えて、以下の効果を奏する。
頂部のみに集中マス8を設ける場合、芯柱3がトップヘビー(top heavy)になるため、芯柱3の断面積を頂部から基礎200にかけて全体的に増加させる必要がある。しかし、分布マス9とすることで、芯柱3の断面積の増加を最低限に抑えることができる。また、マスを分布させるので、振動特性の調整範囲が拡大する。
なお、煙突30が新設の場合には、当然、筒身1側に分布マス9を設置して、振動特性の調整を行ってよいことはいうまでもない。
〔第4実施形態〕
マスを付加するのではなく、芯柱3の支持条件を調整することにより芯柱3の振動特性を調整する手法を第4実施形態として説明する。
第4実施形態の煙突40は、図7に示すように、領域Aにおいて、つなぎ梁4による筒身1の連結に加えて、芯柱3が筒身1とつなぎ材6により連結される。ただし、筒身1及び芯柱3の各々とつなぎ材6の結合は、ピン結合とする。なお、煙突40は、第3実施形態(図5(b))につなぎ材6を設置したものである。このつなぎ材6は、図7(b)に示すように、芯柱3を中心にして放射状に設けられる。また、図7(b)に示すように、筒身1につなぎ梁4が設置された断面に設けることを原則とするが、それ以外の箇所でも効果が大きいのであれば、そこに設置することは排除するものではない。このように、第3実施形態のようにマスを付加するのに代えて、支持条件を変更することで芯柱3の剛性を変化させることで、振動特性の調整範囲を行なうことができる。さらに、マスを付加するのに加えて、芯柱3の支持条件を変更すれば、振動特性の調整範囲を拡大することが可能となる。
第4実施形態におけるつなぎ材6は、芯柱3の剛性を変化し得るものであればよく、例えば図8(a)に示すようにばね特性を有するつなぎ材6でもよいし、図8(b)に示すようにばね特性に加えて減衰機構を有する(例えば粘弾性体など)つなぎ材6でもよい。この部分の減衰機構による付加減衰でさらに煙突40全体構造としての付加減衰を増加することも可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
例えば、図1に示した下部位置α、中間位置β及び上部位置γはあくまで一例であり、本発明を実際に適用する塔状構造物の仕様、その他の条件に応じて、下部位置α、中間位置β及び上部位置γを適宜設定できる。
10,20,30,40 煙突
1 筒身
2 連結材
3 芯柱
4,5 つなぎ梁
6 つなぎ材
7 減衰機構
8 集中マス
9 分布マス
A 領域
B 領域
α 下部位置
β 中間位置
γ 上部位置

Claims (7)

  1. 基礎から先端に向けて鉛直方向に立ち上る複数の筒身と、
    前記筒身同士を剛結合により連結する第1つなぎ梁と、
    前記基礎から立ち上がり、前記筒身に隣接して設置される柱状構造体と、
    前記柱状構造体と前記筒身をピン結合により連結する減衰機構と、を備え、
    前記筒身及び前記柱状構造体は、前記基礎に近い下部位置と、前記先端に近い側の上部位置と、前記下部位置と前記上部位置の間に位置する中間位置と、を有し、
    前記第1つなぎ梁は、前記下部位置から前記中間位置に亘る領域Aに設置され、
    前記減衰機構は、前記中間位置から前記上部位置に亘る領域Bに設置される、
    ことを特徴とする多脚型の塔状構造物。
  2. 前記柱状構造体は、複数の前記筒身で取り囲まれる領域に設置される、
    請求項1に記載の多脚型の塔状構造物。
  3. 前記領域Bにおいて、
    前記筒身同士をピン結合により連結する第2つなぎ梁が設置される、
    請求項1に記載の多脚型の塔状構造物。
  4. 前記柱状構造体に、前記柱状構造体の振動特性を調整するマスが設置される、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の多脚型の塔状構造物。
  5. 前記領域Aにおいて、
    前記筒身と前記柱状構造体をピン結合により連結するつなぎ材が設置される、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の多脚型の塔状構造物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の多脚型の塔状構造物の施工方法であって、
    施工当初より、
    前記第1つなぎ梁は、前記領域Aに設置され、
    前記減衰機構は、前記領域Bに設置される、
    ことを特徴とする多脚型の塔状構造物の施工方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の塔状構造物の施工方法であって、
    前記領域Bに前記第1つなぎ梁が設けられていた既設の構造物から、前記第1つなぎ梁を取り除いた後に、
    前記領域Bに前記減衰機構を設置する、
    ことを特徴とする多脚型の塔状構造物の施工方法。
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