JP2004019271A - 制振構造部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】改めて制振装置等を設置しなくても、構造物の揺れを抑えることができる制振構造部材を得る。
【解決手段】地震等の外力によって、支柱14や梁16が水平方向へ変形すると、対角線上にあるフレーム部の連結ピン30、34に相対変位が生じる。この相対変位は、減衰機構13を構成する第1アーム部材28と第2アーム部材32によって増幅されるため、連結シャフト36に連結されたオイルダンパー44が大きく変形して連結シャフト36の相対移動を制限して、構造部材の振動を吸収する。すなわち、柱14や梁16のような構造部材間の相対変位による振動を吸収するのではなく、構造部材自体の変位による振動そのものを吸収することで、地震や風による構造物の振動を効果的に制振することができる。このため、別途、構造物に制振装置を取付けるためのスペースを確保する必要がなくなる。
【選択図】    図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の柱・梁等の構造部材自体が、自ら揺れを抑える機能を備えた制振構造部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
図25に示すように、長さの等しいロッド150を菱形に組み合わせ、ピンジョイント152の間にダンパー154を配置し、ピンジョイント156での変形量を拡大しダンパー154による減衰性を向上させた制振用ダンパー装置158がある(特開平5−231031号公報参照)。
【0003】
また、図26に示すように、建物140と建物144の間に制振装置110を配置し、トグルを構成するリンク部材112によって、相対変位する建物140、144の変形倍率を大きくして、油圧ダンパー142で振動エネルギーを吸収する制振構造も提案されている。
【0004】
しかし、上記技術は、何れも梁と柱、或は建物と建物のように、異なる構造部材間の相対変位を幾何学的に増幅して制振しようとするもので、設置スペースを必要とし、また、構造物が竣工しないと、制振装置を組み付けることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は係る事実を考慮し、構造物を構築する構造部材に減衰機能を持たせることで、改めて制振装置等を設置しなくても、構造物の揺れを抑えることができる制振構造部材を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、縦材と横材を連結して構成され、構造物を構築する構造部材と、前記構造部材の中に配置され、縦材と横材との連結部に回動可能に連結されて、前記連結部間の相対変位を増幅して減衰する減衰手段と、前記構造部材の中に配置され、縦材と横材との連結部に回動可能に連結されて、前記連結部間の相対変位を増幅して剛性を高めるばね効果増幅手段と、を有することを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明では、構造物に作用する地震等の外力によって、構造部材が水平方向又は鉛直方向へ変形すると、これにより、対角線上にある縦材と横材の連結部に相対変位が生じる。この相対変位は、減衰手段によって増幅され減衰される。
【0008】
すなわち、柱や梁のような構造部材間の相対変位による振動を吸収するのではなく、構造部材自体の変位による振動そのものを吸収することで、地震や風による構造物の振動を効果的に制振する。このため、別途、構造物に制振装置を取付けるためのスペースを確保する必要がなくなる。
【0009】
また、連結部間にばね効果増幅手段を設けることで、連結部間の相対変位を増幅して構造部材の剛性を高めることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記減衰手段が、前記縦材と横材との連結部に一端が回動可能に連結された2つの第1アーム部材と、前記連結部の対角線上にある連結部に一端が回動可能に連結された2つの第2アーム部材と、前記第1アーム部材の他端と前記第2アーム部材の他端をそれぞれ回動可能に連結してリンク機構を構成する連結部材と、連結部材に連結され、連結部材同士の相対移動を制限するダンパーと、を有することを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明では、2つの第1アーム部材の一端が縦材と横材との連結部に回動可能に連結され、この連結部の対角線上にある連結部へ2つの第2アーム部材の一端が回動可能に連結されている。そして、第1アームの他端と第2アーム部材の他端がそれぞれ連結部材で回動可能に連結され、リンク機構が構成されている。
【0012】
ここで、地震等によって、対角線上にある縦材と横材との連結部に相対変位が生じると、この連結部を中心に第1アーム部材と第2アーム部材が回動して、第1アーム部材の他端と第2アーム部材の他端を連結する連結部材が大きく変位する。
【0013】
この連結部材には、それぞれダンパーが連結されており、ダンパーが大きく変形して連結部材の相対移動を制限する。
【0014】
このため、小さな変形×大きな力=大きな変形×小さな力という関係が成立し、連結部材に連結されたダンパーが小さな力によって、構造部材の振動を吸収することで結果として構造物の振動を吸収する。また、対角線上にある縦材と横材との連結部の小さな変位が、大きな変位に増幅されて吸収されるので、中小の地震や風による振動も効果的に吸収することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記連結部材同士又は連結部材と連結部がばね部材で連結されたことを特徴としている。この構成では、連結部材同士又は連結部材と連結部がばね部材で連結されており、第1アーム部材と第2アーム部材の自由な挙動を規制している。このため、強風によって、構造部材が不用意に揺ることが防止される。なお、ばね材としては、圧縮コイルばねや引張コイルばねを用いることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、前記連結部材に質量体が取付けられたことを特徴としている。この構成では、連結部材に質量体が取付けられているため、第1アーム部材と第2アーム部材の振り幅が大きくなり、増幅効果も大きくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、第1形態に係る制振構造部材は、構造物10の屋根12を支える支柱14や梁16として利用されている。
(支柱)
図2及び図3に示すように、支柱14は、4本の鋼製の縦材18を四方へ平行に配置して、鋼製の横材20で連結した長箱形状をしており、主として4本の縦材18の軸力が支柱14の支持力となっている。
【0018】
また、横材20により格子状に区切られた各々のフレーム部の中には、減衰手段としての減衰機構13が構築されている。フレーム部の連結部には、減衰機構13を構成するフランジ22、24、一対のフランジ26が対角線上にそれぞれ設けられている。
【0019】
フランジ22には、鋼製の第1アーム部材28の一端が連結ピン30を介して回転可能に取付けられ、2つの第1アーム部材28が所定の角度を呈している。また、ブランジ22と対角線上にあるフランジ24には、鋼製の第2アーム部材32の一端が連結ピン34を介して回転可能に取付けられ、2つの第2アーム部材32が所定の角度を呈している。
【0020】
第1アーム部材28と第2アーム部材32の他端部は、連結シャフト36でそれぞれ回動可能に連結されている。すなわち、連結シャフト36が互いに接近すると、連結ピン22における2つの第1アーム部材28がなす角度と連結ピン34における2つの第2アーム部材32がなす角度が小さくなり、また、連結シャフト36が互いに離間すると、連結ピン22における2つの第1アーム部材28がなす角度と連結ピン34における2つの第2アーム部材32がなす角度が大きくなる。
【0021】
さらに、向い合う連結シャフト36の中央部及び両端部は3つコイルばね38で連結され、連結シャフト36を互いに接近させる方向へ付勢している。また、連結シャフト36の中央部とフランジ26に設けられた連結ピン40はそれぞれコイルばね42で連結されており、連結シャフト36を互いに離間させる方向へ付勢している。このコイルばね38、42によって、第1アーム部材28と第2アーム部材32との姿勢(菱形形状)は保持され、挙動が抑えられている。
【0022】
さらに、連結シャフト36と連結ピン40との間には、2つのダンパー44が、コイルばね42と平行となるように配置されている。ダンパー44のシリンダー44Aが、連結ピン40に回転可能に連結され、ダンパー44のロッド44Bが連結シャフト36に回転可能に連結されている。
【0023】
なお、図2には、第1アーム部材28、第2アーム部材32、ダンパー44、コイルばね38、42で構成される減衰機構13が、最上部と最下部のフレーム部にしか図示されていないが、全てのフレーム部に配設されている。
(梁)
図1及び図4に示すように、梁16は、鋼製の上弦材46(横材)、下弦材48(横材)、これらを連結する矩形状のフレーム部材50で構成されたボックス構造であり、両端部が支柱14の上部に固定されて、ラーメン構造の一部となっている。
【0024】
この梁16のフレーム部には、支柱14に設けた同一構造の減衰機構13が構築されており、梁16自体が地震等による揺れを抑えることができる。梁16の上には、図1に示すように、屋根12が架橋されており、屋根付きの大空間を構築している。
【0025】
次に、構造物に地震等による外力が作用したとき、本形態に係る制振構造部材(支柱、梁)がどのように機能するかを説明する。
【0026】
地震等によって、図1に示す構造物10が右方向へ水平変形すると、図5に示すように(実際の挙動を強調して描いている)、左側の支柱14は左へ傾き、フレーム部の連結部に設けられた連結ピン30と対角線上にある連結ピン34が相対変位して間隔が広くなる。
【0027】
これにより、連結ピン30を中心として第1アーム部材28が回動して第1アーム部材28同士がなす角度が小さくなる。また、連結ピン34を中心として第2アーム部材32が回動して第2アーム部材32同士がなす角度が小さくなる。このため、第1アーム部材28と第2アーム部材32とを連結する連結シャフト36の間隔が狭くなる。
【0028】
この連結シャフト36の変位量は、菱形のリンク機構の幾何学的特性により連結ピン30と連結ピン34の相対変位量より増幅されている。このため、連結ピン40に連結されたオイルダンパー42のロッド44Bが伸長し、効率良く熱に変換されて吸収され、連結シャフト36の変位が制限されることで、構造物10の振動が減衰される。
【0029】
なお、効率良くとは、連結ピン30と連結ピン34の相対変位量が小さくても、連結シャフト36が大きく変位しダンパー44の変位量が大きくなるため、振動エネルギーの吸収効率が良いということである。
【0030】
また、梁16の左側の減衰機構13においては、連結ピン30とこの連結ピン30と対角線上に位置する連結ピン34との間隔が広まり、連結ピン30を中心として第1アーム部材28が回動して第1アーム部材28同士がなす角度が大きくなる。また、連結ピン34を中心として第2アーム部材32が回動して第2アーム部材32同士がなす角度が大きくなる。このため、第1アーム部材28と第2アーム部材32とを連結する連結シャフト36の間隔が広くなる。
【0031】
この連結シャフト36の変位量は、連結ピン30、34の相対変位量より増幅されているため、連結ピン40に連結されたオイルダンパー44のロッド44Bが収縮して、振動エネルギーが熱に変換されて吸収される。
【0032】
一方、梁16の右側の減衰機構13においては、連結ピン30とこの連結ピン30と対角線上に位置する連結ピン34との距離が広がり、連結シャフト36が接近し、連結ピン40に連結されたオイルダンパー44のロッド44Bが伸張して、振動エネルギーが熱に変換されて吸収される。
【0033】
さらに、右側の支柱14も変形して、連結シャフト36の間隔を離間させることで、オイルダンパー44により、第1アーム部材28と第2アーム部材32の移動が制限されて、振動エネルギーが吸収される。
【0034】
このように、本発明では、支柱14、梁16の制振構造部材の振動そのものを吸収することで、地震や風による構造物10の振動を効果的に制振する。このため、別途、構造物10に制振装置を取付けるためのスペースを確保する必要がなくなる。
【0035】
なお、本形態では、図3に示すように、ダンパー44とコイルばね42を並列に配置したが、取付スペースを削減するために、図6に示す減衰機構15のように、コイルばね42をダンパー44へ挿通して、コイルばね42とダンパー44を一体化してもよい。
【0036】
また、本形態では、梁の両端部に減衰機構を配置して、揺れ方向に関係なく均等に制振効果を発揮させるようにしたが、全てのフレーム部に減衰機構を配置してもよい。さらに、姿勢保持のための手段してコイルばねを例にとって説明しているが、ばねの形式は特に問わない。
【0037】
また、ダンパーはオイルダンパーに限定されず、摩擦力、エア等を利用した汎用のダンパーを使用することができる。さらに、第2実施形態で図示するが、第1実施形態で説明した連結シャフト36に補助質量体を取付けることにより、第1アーム部材28と第2アーム部材32の振り幅が大きくなり、変位の増幅率をを上げることができる。
【0038】
次に、第2形態に係る制振構造部材を説明する。
【0039】
第2形態以降の実施形態の制振構造部材は、梁を例に採って説明するが、支柱に配設できることは無論である。
【0040】
図7に示すように、制振構造部材としての梁56のフレーム部の連結部からは固定アーム58が対角線上に張り出している。固定アーム58の先端には、T字を描くように架材60が固定されている。架材60の両端部には、第1アーム部材62の一端が回動可能に連結されており、固定アーム58側へ傾倒している。
【0041】
また、第1アーム部材62の他端には、第2アーム部材64の他端が連結シャフト68を介して回転可能に連結されている。そして、第2アーム部材64の一端は、固定アーム58の延長線上にある連結部に連結ピン66で回転可能に連結されている。
【0042】
連結シャフト68同士はコイルばね70で連結されている。また、固定アーム58と交差する対角線上にある連結ピン76と連結シャフト68がコイルばね72で連結されている。また、架材60と連結ピン66とはコイルばね76で連結されている。これにより、第1アーム部材62と第2アーム部材64とが構成する略三角形状の姿勢が保持され挙動が抑えられている。
【0043】
さらに、連結シャフト68と連結ピン76との間には、オイルダンパー74が、コイルばね72と平行となるように配置され、連結シャフト68と連結ピン76に回転可能に連結されている。
【0044】
次に、構造物に地震等による外力が作用したとき、本形態に係る制振構造部材(梁56)がどのように機能するかを説明する。
【0045】
梁56へ外力が右方向へ作用すると、図8に示す模式図のように、つか材52が右側へ傾き、架材60と連結ピン66とが相対変位して間隔が狭くなる。これにより、連結ピン66を中心として第2アーム部材64が回動して、第1アーム部材62と第2アーム部材64がなす角度が小さくなり、第1アーム部材62と第2アーム部材64とを連結する連結シャフト68の間隔が狭くなる。
【0046】
この連結シャフト68の変位量は、リンク機構の幾何学的特性により架材60と連結ピン66の相対変位量より増幅されている。このため、連結ピン76に連結されたオイルダンパー74のロッドが伸張して、連結シャフト68の変位を制限することで、構造物10の振動が減衰される。
【0047】
また、梁56が上下に振動すると、図9に示す模式図のように、下方へ揺れたとき、架材60と連結ピン66とが相対変位して間隔が広くなる。このため、第1アーム部材62と第2アーム部材64とを連結する連結シャフト68の間隔が広くなる。この連結シャフト68の変位量は、リンク機構の幾何学的特質により架材60と連結ピン66の相対変位量より増幅されている。このため、連結ピン76に連結されたオイルダンパー74のロッドが収縮し、連結シャフト68の変位が制限されることで、構造物10の上下方向の振動が減衰される。
【0048】
なお、図10に示すように、連結シャフト68に補助質量体78を取付けることで、第1アーム部材62と第2アーム部材64の振りが大きくなり、増幅効果を向上させることができる。
【0049】
次に、第3形態に係る制振構造部材を説明する。
【0050】
図11に示すように、第3形態の梁80では、第2形態の架材60がなく、第1アーム部材82が固定アーム58の先端部へ直接連結され、第2アーム部材64との間に略三角形状のリンク機構を構成している。
【0051】
この構成においても、図12及び図13に示すように、構造物の左右及び上下の振動を減衰することができ、また、図14に示すように、連結シャフト68に補助質量体84を取付けることで、第1アーム部材82と第2アーム部材64の振り幅を大きくすることができる。
【0052】
次に、第4形態に係る制振構造部材を説明する。
【0053】
図15に示すように、第4形態の梁86では、第1形態〜第3形態と同様に連結部の変位を増幅してオイルダンバーを大きく変位させて構造部材の振動を抑える点で同一であるが、オイルダンパー88が第1アーム部材90と第2アーム部材92とで星型に組まれたリンク機構の内側へ配置されている点で異なる。
【0054】
この構成では、第1アーム部材90の一端が、連結ピン94に回動可能に連結され、その他端は連結シャフト96を介して第2アーム部材92の他端に回転可能に連結されている。第2アーム部材92の一端は、連結ピン94の対角線と直交する方向へ配置された支持アーム98の両端部にそれぞれ回転可能に連結されている。
【0055】
この支持アーム98の連結ピン101には、コイルばね100の一端が連結されており、このコイルばね100の他端を連結部に固定することで、支持アーム98がフレーム部内に支持される。連結シャフト96には、たすき掛けとなるように2つのオイルダンパー88が直列に配置され、連結シャフト96の大きな相対変位に対応できるようになっている。
【0056】
この構成においても、図16及び図17に示すように、構造物の左右及び上下の振動を減衰することができ、また、図18に示すように、連結シャフト96に補助質量体102を取付けることで、第1アーム部材90と第2アーム部材92の振り幅を大きくすることができる。
【0057】
さらに、第2アーム部材92の一端は、コイルばね100に支持された支持アーム98に回転可能に連結されているため、どのような角度から地震とによる外力が入力されても、大きな振り幅で連結シャフト96を移動させることができる。
【0058】
また、オイルダンパーを直列に配置することで、設置距離が長い場合にも汎用のオイルダンパーで対応できるため、制作コストを削減できる。
【0059】
さらに、本発明は、建物だけでなく、橋梁等のように常に振動が付加されるような土木構造物にも適用することができる。
【0060】
また、図19に示すように、図1に示したラーメン構造の構造部材の梁16の中央部のフレーム部材50に束材23を取付け、さらに、梁16の両端部に床版27を取付けている。この束材23で補強されたフレーム部材52と、床版27で補強された梁16の両端部には、プレテンション部材29が設けられており、このプレテンション部材29にプレテンション力を発生させることにより、梁16の剛性を高めている。
【0061】
さらに、図1で示した支柱14及び梁16では、フレーム部に一対の減衰機構13を配置したが、図20〜図22に示す第5形態の制振構造部材では、フレーム部の中を斜めに横切るように、1つの減衰機構13を配置した支柱33,梁31とされており、部品点数の削減が図られている。
【0062】
また、梁31は、斜材57及び束材52が配置されたシングルのプラットトラス構造とされており、支柱33の上部に設けられた架台54に両端部が支承されている。なお、架台54は、クロス材53の中央部に固定されている。
【0063】
このように、本発明の制振構造部材は、構造形式に関わらず利用することができる。
【0064】
また、図23に示すように、第6形態に係る制振構造部材の支柱143では、縦材18と横材20で構成されたフレーム部の連結部に、ブレス材149が連結されており、支柱143の剛性が向上されている。さらに、図24に示すように、第7形態に係る制振構造部材の支柱145には、縦材18と横材20で構成されたフレーム部の外面部に対向するように減衰機構13が取付けられている。また、支柱145の中央部には、鋼管又はコンクリート製の補助柱147が立設されている。この補助柱147は、屋根12を支え、支柱145に作用する荷重を軽減させている。
【0065】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、構造物に改めて制振装置等を設置しなくても、構造部材として構造物の揺れを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1形態に係る制振構造部材で構築された屋根付き大空間の構造物を示した斜視図である。
【図2】第1形態に係る制振構造部材としての支柱を示す斜視図である。
【図3】第1形態に係る制振構造部材の減衰機構を示す平面図である。
【図4】第1形態に係る制振構造部材である支柱、梁の平常時の状態を示す正面図である。
【図5】第1形態に係る制振構造部材である支柱、梁の地震時の状態を示す正面図である。
【図6】他の制振構造部材の減衰機構を示す平面図である。
【図7】第2形態に係る制振構造部材の梁を示す正面図である。
【図8】第2形態に係る制振構造部材の梁が横揺れしている状態を示す模式図である。
【図9】第2形態に係る制振構造部材の梁が縦揺れしている状態を示す模式図である。
【図10】第2形態に係る制振構造部材の梁に補助質量体を取付けた状態を示す正面図である。
【図11】第3形態に係る制振構造部材の梁を示す正面図である。
【図12】第3形態に係る制振構造部材の梁が横揺れしている状態を示す模式図である。
【図13】第3形態に係る制振構造部材の梁が縦揺れしている状態を示す模式図である。
【図14】第3形態に係る制振構造部材の梁に補助質量体を取付けた状態を示す正面図である。
【図15】第4形態に係る制振構造部材の梁を示す正面図である。
【図16】第4形態に係る制振構造部材の梁が横揺れしている状態を示す模式図である。
【図17】第4形態に係る制振構造部材の梁が縦揺れしている状態を示す模式図である。
【図18】第4形態に係る制振構造部材の梁に補助質量体を取付けた状態を示す正面図である。
【図19】第1形態に係る制振構造部材の変形例を示した斜視図である。
【図20】第5形態に係る制振構造部材で構築された屋根付き大空間の構造物を示した斜視図である。
【図21】第5形態に係る制振構造部材としての支柱を示す斜視図である。
【図22】第5形態に係る制振構造部材の減衰機構を示す平面図である。
【図23】第6形態に係る制振構造部材としての支柱を示す斜視図である。
【図24】第7形態に係る制振構造部材としての支柱を示す斜視図である。
【図25】従来の制振用ダンパーの取付状態を示す正面図である。
【図26】制振装置が建物間に取付けられた例を示す正面図である。
【符号の説明】
13  減衰機構(減衰手段)
14  支柱(構造部材)
16  梁(構造部材)
28  第1アーム部材
32  第2アーム部材
36  連結シャフト(連結部材)
38  コイルばね(ばね部材)
42  コイルばね(ばね部材)
44  オイルダンパー(ダンパー)
78  補助質量体(質量体)

Claims (4)

  1. 縦材と横材を連結して構成され、構造物を構築する構造部材と、
    前記構造部材の中に配置され、縦材と横材との連結部に回動可能に連結されて、前記連結部間の相対変位を増幅して減衰する減衰手段と、
    前記構造部材の中に配置され、縦材と横材との連結部に回動可能に連結されて、前記連結部間の相対変位を増幅して剛性を高めるばね効果増幅手段と、
    を有することを特徴とする制振構造部材。
  2. 前記減衰手段が、
    前記縦材と横材との連結部に一端が回動可能に連結された2つの第1アーム部材と、前記連結部の対角線上にある連結部に一端が回動可能に連結された2つの第2アーム部材と、前記第1アーム部材の他端と前記第2アーム部材の他端をそれぞれ回動可能に連結してリンク機構を構成する連結部材と、前記連結部材に連結され、連結部材同士の相対移動を制限するダンパーと、を有することを特徴とする請求項1に記載の制振構造部材。
  3. 前記連結部材同士又は連結部材と連結部がばね部材で連結されたことを特徴とする請求項2に記載の制振構造部材。
  4. 前記連結部材に質量体が取付けられたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の制振構造部材。
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