JP5705766B2 - プッシュ・プル型換気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ホルムアルデヒドなどの空気より重い有害ガスを、その発生源の一方から送気を行い、反対側から吸気することにより、一定方向の空気の流れを作り出して開放状態で有害ガスの局所換気(排気)を行うプッシュ・プル型換気装置に関するものである。
従来、病院の病理検査室や解剖室、切出し室などのホルマリン漬けの遺体や病理検体を取り扱う部屋では、ホルマリンが気化して人体に有害なガスであるホルムアルデヒドが発生するため、一般的には、天井内に設置された空調機で外気を所望の湿度・温度に空調したうえ室内に機械的に給気し、天井内に設置された吸引ファン(換気扇)で給気量と同量又はそれ以上の量の汚染された空気を室内から機械的に吸気して外気に放出する第一種換気に属する天井給気天井排気の全排気型(全熱交換型でない)の換気システムにより換気回数が17回/h程度で換気が行なわれていた。
このホルムアルデヒドについては、近年、高濃度環境に長期間曝露されることにより鼻咽頭癌を発生させる危険性があること、及びシックハウス症候群、化学物質過敏症の原因物質であることが知られるに至り、労働安全衛生法施行令が改定されて、ホルムアルデヒドが特化則第2類物質に指定替えされ、作業環境気中の濃度を0.1ppm以下にすることが義務付けられた。
しかし、従来の天井給気天井排気型の換気システムでは、空気より若干比重の大きなホルムアルデヒドを除去しきれず、残留濃度が0.5〜0.8ppm程度認められる状態であった。この問題を解決するためには、解剖台、固定槽や切出し台などのホルムアルデヒドが発生する部位ごとに局所排気装置又は局所換気装置を設けることが考えられる。
例えば、特許文献1には、解剖台1の四周内側に設けた吸気開口に吸込みボックス3の吸気口を臨ませ、前記吸込みボックスの排気側をダクト4を介して集合吸気ボックス5の吸気側に接続し、前記集合吸気ボックスの排気側をフレキシブルダクト7を介して排気ブロワに接続するとともに、解剖台の四周に、被剖検体の鉛直方向寸法最大値の高さを有する弾性変形可能な可撓性材料からなり、術者の肘または腕の部分のみが内側に倒れ込む幅寸法で切り込みが形成されている可撓性ボード又は櫛歯状の可撓性ボードを設けてなる解剖台1のホルムアルデヒドガス局所排気システムが開示されている(特許文献1の図2等参照)。
また、特許文献2には、プッシュフードとして、長方形の開口部をもつと共に中央部に一個のファンをもち、ファンの前面中央部のみに単位孔の面積が100〜1000mmで開孔率が15〜80%の有孔板を両側部が開放状態になるように配し、その後に間隔をあけて長方形の開口部に対応する大きさの整流部材を配し、構造が簡単で長方形の開口面をもつ場合にも1個のファンで一様流を与えることができるプッシュ・プル型換気装置が開示されている(特許文献2の図2等参照)。
しかし、これらの局所排気システムやプッシュ・プル型換気装置では、前述の基準を達成することが難しかった。その要因は、前述の局所排気システムでは、吸引する解剖台上のエリア内で、プッシュ・プル型換気装置では、一定方向の気流が流れる作業エリア内で発生する有害ガスは除去できるが、ホルマリン廃液の移し替え作業や器具を拭き取った後のペーパーの廃棄等の後処理が、前記作業エリア外のオープン環境下で行われているため、このような後処理工程で発生するホルムアルデヒド(有害ガス)を除去できないからであると考えられる。
つまり、前述のプッシュ・プル型換気装置等では、作業は作業エリア内で全て行われることが前提であり、前述の後処理作業のことが考えられておらず、作業エリア外で発生するホルムアルデヒド(有害ガス)を除去できない。そのため、前記基準濃度をクリアできないものと推察される。
特開2006−075592号公報 特開2005−337562号公報
そこでこの発明は、前記従来の問題を解決し、作業エリア外で発生して室内の床付近に滞留するホルムアルデヒドなどの空気より比重の大きな有害ガスも除去することができ、且つ、排気量が増加することなく排気ダクトの拡張作業等を必要としないため、どのような場所でも安価に設置可能なプッシュ・プル型換気装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ホルムアルデヒドなどの空気より比重の大きな有害ガスが発生する作業の作業エリアに設置され、前記作業エリア内に一定方向の気流を作り出し、該気流により前記作業で発生する前記有害ガスを除去するプッシュ・プル型換気装置において、少なくとも前記作業エリア上方を覆う装置本体を備え、この装置本体は、前記作業エリア上空に掛け渡された下面の一部が開放された箱状の吹出し部と、前記作業エリア背面に設けられたプルダクトと、を有し、前記吹出し部は、前記作業エリア内に一定方向に気流を吹出す吹出し手段を収容するとともに、前記プルダクトは、前記作業エリアから空気を吸引する吸引手段を収容し、このプルダクトには、前記作業エリア下部の背面に開口する吸引口と、前記吹出し部の背面側の天面に開口する排気口が設けられており、前記吹出し手段で前記吹出し部から下方に向けて前記作業エリアに気流を吹出し、前記吸引手段で前記吸引口を介して前記作業エリア背面から吸引することで、前記作業エリアに下降気流を作り出し、前記排気口から前記有害ガスを排気・除去するプッシュ・プル型換気装置であって、前記装置本体の側面には、前記吹出し部と連通して前記作業エリア下方の床付近まで達するプッシュダクトが、前記作業エリアの両側面を覆うように左右一対設けられるとともに、これら各プッシュダクトの下部に外部吸込み口が設けられ、前記吹出し手段の気流を吹出す力により、前記作業エリア外で発生した前記有害ガスを前記外部吸込み口から吸引して除去することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプッシュ・プル型換気装置において、前記プッシュダクト内には、脱着可能に構成され、前記有害ガスを吸着する活性炭カートリッジが装備されている。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプッシュ・プル型換気装置において、前記吹出し部には、前記吹出し手段で吹出す気流より速い気流を前記作業エリア前面側に吹出すエアーカーテンファンが装備されている。
請求項に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のプッシュ・プル型換気装置において、前記吹出し部の天面には、接続口が開口されているとともに、該接続口を塞ぐプレートが取り付けられており、このプレートを取り外すことで前記接続口を介して前記吹出し部と他の局所排気装置の排気ダクトとが接続可能となっている。
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、ホルムアルデヒドなどの空気より比重の大きな有害ガスが発生する作業の作業エリアに設置され、前記作業エリア内に一定方向の気流を作り出し、該気流により前記作業で発生する前記有害ガスを除去するプッシュ・プル型換気装置において、少なくとも前記作業エリア上方を覆う装置本体を備え、この装置本体は、前記作業エリア上空に掛け渡された下面の一部が開放された箱状の吹出し部と、前記作業エリア背面に設けられたプルダクトと、を有し、前記吹出し部は、前記作業エリア内に一定方向に気流を吹出す吹出し手段を収容するとともに、前記プルダクトは、前記作業エリアから空気を吸引する吸引手段を収容し、このプルダクトには、前記作業エリア下部の背面に開口する吸引口と、前記吹出し部の背面側の天面に開口する排気口が設けられており、前記吹出し手段で前記吹出し部から下方に向けて前記作業エリアに気流を吹出し、前記吸引手段で前記吸引口を介して前記作業エリア背面から吸引することで、前記作業エリアに下降気流を作り出し、前記排気口から前記有害ガスを排気・除去するプッシュ・プル型換気装置であって、前記装置本体の側面には、前記吹出し部と連通して前記作業エリア下方の床付近まで達するプッシュダクトが、前記作業エリアの両側面を覆うように左右一対設けられるとともに、これら各プッシュダクトの下部に外部吸込み口が設けられ、前記吹出し手段の気流を吹出す力により、前記作業エリア外で発生した前記有害ガスを前記外部吸込み口から吸引して除去するので、ホルマリン廃液の移し替え作業や器具を拭き取った後のペーパーの廃棄等の後処理工程において作業エリア外で発生して室内の床付近に滞留するホルムアルデヒドなどの空気より比重の大きな有害ガスも効率よく除去することができる。
また、吹出し手段の気流を吹出す力により有害ガスを吸引しているので、装置全体の排気量が増加することがない。よって、コンクリートの壁を壊して排気ダクトを拡張するような作業が新たに必要となることがなく、既存の排気ダクトを使用可能である。
このため、手術室が隣接しているなどの理由で排気ダクトの拡張作業をすることができないような場所でも安価にプッシュ・プル型換気装置を設置することができる。
さらに、作業エリアの側面をプッシュダクトで覆うため作業性を損なうことなく作業エリアの密封性を高めることができ、発生する有害ガスの除去効率を高めることができる。
また、下降気流を発生させて、有害ガスの発生源である作業者の手元から有害ガスを下方に押し流して背面側で吸引・除去するため、作業者が口から有害ガスを吸引するおそれがさらに低下する。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載のプッシュ・プル型換気装置において、前記プッシュダクト内には、脱着可能に構成され、前記有害ガスを吸着する活性炭カートリッジが装備されているので、前記作用効果に加え、プッシュダクトから吸引された有害ガスが吹出し部から作業エリアに吹出すのを低減することができ、作業者の安全を確保することができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載のプッシュ・プル型換気装置において、前記吹出し部には、前記吹出し手段で吹出す気流より速い気流を前記作業エリア前面側に吹出すエアーカーテンファンが装備されているので、前記作用効果に加え、エアーカーテンで作業エリア前面から作業者側へ漏れる有害ガスを低減することができ、作業者の安全性の確保をより確実にすることができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載のプッシュ・プル型換気装置において、前記吹出し部の天面には、接続口が開口されているとともに、該接続口を塞ぐプレートが取り付けられており、このプレートを取り外すことで前記接続口を介して前記吹出し部と他の局所排気装置の排気ダクトとが接続可能となっているので、前記作用効果に加え、病理検査室などの有害ガスが発生する作業をする部屋において、撮影装置、サンプル棚、容器置場、ダストボックスなどの施設に別の局所排気装置を設けたとしても、その局所排気装置の排気ダクトと本発明のプッシュ・プル型換気装置の吹出し部とを連通させて局所排気装置で吸引した有害ガスを本発明のプッシュ・プル型換気装置で中継する、いわゆる連弾式とすることで、部屋全体の排気量を増やさずに有害ガスが発生する各所から吸引除去することができるため、排気量に比して効率よく有害ガスを除去することができる。このため、高価で騒音が発生する高回転で排気量の大きなファンを設置することや、排気ダクトの拡張作業をすることが必要なくなる。
病理検査室の施設及びその換気システムの概略構成を示す模式図である。 従来のプッシュ・プル型換気装置及び従来のプル型排気装置を天井給気天井排気型の既存の換気システムに接続した場合の概略構成を示す模式図である。 本発明の実施例1に係るプッシュ・プル型換気装置を病理検査室の洗浄槽に設置し、天井給気天井排気型の既存の換気システムに接続した場合を示す模式図である。 本発明の実施例1に係るプッシュ・プル型換気装置の正面図である。 同上のプッシュ・プル型換気装置の右側面図である。 同上のプッシュ・プル型換気装置の平面図である。 同上のプッシュ・プル型換気装置の概略鉛直断面図である。 同上のプッシュ・プル型換気装置の概略水平断面図である。 本発明の実施例2に係るプッシュ・プル型換気装置の平面図である 同上のプッシュ・プル型換気装置を病理検査室の洗浄槽に設置し、天井給気天井排気型の既存の換気システムに接続するとともに、プル型排気装置をプッシュ・プル型換気装置に接続した場合を示す模式図である。
図面を用いて、本発明の実施の形態に係るプッシュ・プル型換気装置について説明する。本発明に係るプッシュ・プル型換気装置は、ホルムアルデヒドなどの空気より比重が大きい有害ガスが発生する作業の作業エリアに設置されるものであり、本実施の形態の説明では、有害ガスが発生する作業として病院における病理検査を例示して説明する。
先ず、図1を用いて、病理検査について簡単に説明すると、解剖室(図示せず)において、亡くなった方の人体から検体として臓器が取り出され、直後にその検体がホルムアルデヒドの水溶液であるホルマリンに浸漬されたうえ、病理検査室(切出し室ともいう。)に回送される。病理検査室に回送された検体は、ホルマリンを細胞内部まで充分に浸透させるため固定槽(図示せず)に入れられ、ホルマリン固定が行なわれる。そして、ホルマリン固定が完了した検体は、洗浄槽S1に運ばれ、そこで、ホルマリンや血液などが綺麗に洗い流されたうえ、病巣の確認等が容易となるように切出し台(図示せず)で薄くスライスされる。スライスされた検体は、撮影装置S2で撮影される。
このように、病理検査の作業では、初期工程であるホルマリン固定、洗浄、切出しの工程において、空気より比重が大きい有害ガスである高濃度のホルムアルデヒドが発生し、作業工程が進むにつれて徐々に発生するホルムアルデヒドの濃度が低下する傾向にある。病理検査を行なう施設としては、前述の固定槽、洗浄槽S1、切出し台、撮影装置S2の他、検体を保管するサンプル棚S3、病理検査の作業に使う容器を保管する容器置場S4、病理検査に使用したナイフ等を拭いたものを捨てるダストボックス(図示せず)などからも低濃度であるがホルムアルデヒドの発生が認められる。また、ホルマリン廃液の移し替え作業や器具を拭き取った後のペーパーの廃棄等の後処理工程においてもホルムアルデヒドが発生する。
次に、図2を用いて、従来のプッシュ・プル型換気装置J1及び局所排気装置であるプル型排気装置J2について簡単に説明する。
一般的に、従来のプッシュ・プル型換気装置J1は、有害ガスであるホルムアルデヒドが高濃度で発生する前述の固定槽、洗浄槽S1、切出し台などの作業エリアに設置され、従来のプル型排気装置J2は、発生するホルムアルデヒドが比較的低濃度である撮影装置S2、サンプル棚S3、容器置場S4、ダストボックス(図示せず)近くの床上に設置される(図1も参照のこと)。プッシュ・プル型換気装置J1の方が、局所排気装置J2と比べて高価であるが、有害ガスの除去効率が高いからである。図示形態は、プッシュ・プル型換気装置J1が、洗浄槽S1の作業エリアである洗浄槽S1の天板の上に設置され、プル型排気装置J2が、サンプル棚S3の近傍の床上に設置される場合を示している。
これらのプッシュ・プル型換気装置J1及びプル型排気装置J2は、いずれも病理検査室の天井内に設置された天井給気天井排気型の通常の換気システムE1に追加して設置されるものであり、この天井給気天井排気型換気システムE1は、天井内に設置された空調機E2と、この空調機E2に接続されて外気と連通する給気ダクトE3と、天井内に設置された排気ファンE4と、この排気ファンE4に接続され外気と連通する排気ダクトE5などから構成され、空調機E2により給気ダクトE3を介して外気を取り込んで、所望の湿度、温度に空調したうえ、天井面に開口する給気口SHから病理検査室の室内に給気し、排気ファンE4によりホルムアルデヒドの吸着手段として設けた活性炭フィルタF1を介して排気ダクトE5を通じて外気へ放出する。
プッシュ・プル型換気装置J1は、その排気口と前述の排気ファンE4とが、活性炭フィルタF1を介して連通するようにダクトD1で接続され、プッシュ機構(吹出し手段)とプル機構(吸引手段)を用いて、上下方向に流れる一様な気流を作り出し、洗浄槽S1の作業エリアで発生したホルムアルデヒドをその気流により排出して活性炭フィルタF1でホルムアルデヒドを吸着・除去し、排気ダクトE5から排気する仕組みとなっている。
プル型排気装置J2は、プル機構(吸引手段)である吸引ファンと、ホルムアルデヒドなどの有害ガスを吸着除去する活性炭カートリッジを有し、その排気口と排気ファンE4とが、活性炭フィルタF1を介して連通するようにダクトD2で接続され、プル機構(吸引手段)を用いて、サンプル棚S3の近傍の床付近に滞留するホルムアルデヒドを吸引して内蔵する活性炭カートリッジ及び/又は活性炭フィルタF1でホルムアルデヒドを吸着・除去し、排気ダクトE5から排気する仕組みとなっている。
なお、図中の矢印は、気流の流れを示している。
しかし、このような従来のプッシュ・プル型換気装置J1及びプル型排気装置J2では、背景技術で述べたように、ホルマリン廃液の移し替え作業や器具を拭き取った後のペーパーの廃棄等の後処理工程で発生するホルムアルデヒドを除去できないため、全体として病理検査室のホルムアルデヒド濃度を基準である0.1ppm以下にすることが難しいという問題がある。
次に、図3〜図8を用いて、本発明の実施の形態1に係るプッシュ・プル型換気装置1について説明する。
本発明の実施の形態1に係るプッシュ・プル型換気装置1は、従来のプッシュ・プル型換気装置J1と同様に、ホルムアルデヒドが高濃度で発生する固定槽、洗浄槽S1、切出し台などの作業エリアにおいて、天井給気天井排気型換気システムE1に追加的に設置される(図1、図2も参照のこと)。図示形態は、洗浄槽S1の天板上に本装置1を設置した場合を示している。
なお、図中の符号DPは、病理検査室が周囲より適正圧力だけ負圧となるように調整する圧力調整ダンパーであり、符号VCは、有害ガスが発生する施設の周囲を覆って有害ガスの拡散を防ぐビニールカーテンである(図1も同じ)。
プッシュ・プル型換気装置1は、洗浄槽S1の天板上に作業エリア上方を覆うように掛け渡された装置本体2と、空気を吹き出す吹出し手段である複数の吹出しファン3と、周囲の空気を吸引する吸引手段である左右一対の吸引ファン4,4と、吹出しファン3より速い気流を吹出してエアーカーテンを形成する複数のエアーカーテンファン5と、これらの複数のファンを制御する制御装置や電源調整装置などが収められた制御ボックス6、などから構成されている。
装置本体2は、洗浄槽S1の作業エリア上空に掛け渡された上下方向に扁平な箱状の吹出し部20と、作業エリアの背面側に配設され、作業エリア下端となる洗浄槽S1の天板から吹出し部20の背面側となる装置本体2の上端まで達するプルダクト21と、作業エリアの側面両側に配設され、作業エリア下方となる洗浄槽S1が設置された床付近から吹出し部20の側面と連通する装置本体2の上端まで達する左右一対のプッシュダクト22などから主に構成されている。
この吹出し部20内には、吹出しファン3とエアーカーテンファン5が装備され、これらのファンは、吹出し部20の下端面の開口から鉛直下方に向け気流を吹出すように構成されている。
この吹出しファン3は、一般的な軸流ファンでも構わないが、有害ガスを効率よく排除するには、一様な層状の流れ(ラミナーフロー:laminar flow)を生み出すラミナーファンであることが好ましい。
プルダクト21は、作業エリアの下部の背面側に位置する洗浄槽S1の天板に沿った吸引部23と、作業エリア上方に位置する吹出し部20の背面に沿った排気部24と、これら吸引部23と排気部24の左右両端と連通して鉛直方向に接続する左右一対の鉛直ダクト部25とからなり、吸引部23の作業エリア側の側面には、吸引口23aが設けられ、排気部24の天面には、排気口24aが設けられている。
また、鉛直ダクト部25には、一般的な軸流ファンからなる吸引ファン4,4がそれぞれ装備されおり、プルダクト21は、吸引ファン4を作動させて作業エリア下部の吸引口23aからホルムアルデヒドを含む周囲の空気を吸引して排気口24aから排気する際の通路となっている。
プッシュダクト22は、それぞれ水平方向の幅が薄い縦長な箱状であり、左右対称に配置され、その下部内側の床付近に外部吸込み口22aが設けられており、吹出しファン3の動作により、外部吸込み口22aから床付近に滞留するホルムアルデヒドを含む空気を吸引して吹出し部20へ送風する通路となっている。
また、内部には、ホルムアルデヒドを吸着可能な複数の活性炭カートリッジ22bが脱着自在に装備され、これら活性炭カートリッジ22bにより吹出し部20へ達する前にホルムアルデヒドを吸着して除去できるようになっている。
以上のように構成されたプッシュ・プル型換気装置1によれば、プッシュダクト22に外部吸込み口22aが設けられているので、洗浄工程など病理検査の作業後に行われるホルマリン廃液の移し替え作業や器具を拭き取った後のペーパーの廃棄等の後処理工程において、洗浄槽S1の作業エリア外で発生して室内の床付近に滞留するホルムアルデヒドも外部吸込み口22aから効率よく除去することができる。
そして、外部吸込み口22aから周囲の空気を吸引する吸引力は、吹出し手段である吹出しファン3の気流を吹出す力により発生するプッシュダクト22内の負圧を利用しているので、プッシュ・プル型換気装置1全体の排気量が増加することがない。よって、コンクリートの壁を壊して排気ダクトを拡張するような作業が新たに必要となることがなく、既存の排気ダクトに接続するだけで、ホルムアルデヒドを基準以下にすることができる。このため、手術室が隣接しているなどの理由で排気ダクトの拡張作業をすることができないような場所でも安価にプッシュ・プル型換気装置1を設置することができる。
また、作業エリア前面は開放状態のまま、上方は吹出し部20や排気部24で覆い、側面はプッシュダクト22で覆うため作業性を損なうことなく作業エリアの密封性を高めることができ、発生するホルムアルデヒドの除去効率を高めることができる。
そのうえ、作業エリアの上空に掛け渡された吹出し部20から吹出しファン3で下方に向けて気流を吹出し、作業エリアの下部の背面側に位置する洗浄槽S1の天板に沿った吸引部23から吸引ファン4で空気より重いホルムアルデヒドを吸引し、上から下へ流れる一様な下降気流を発生させて、その下降気流でホルムアルデヒドの発生源である作業者の手元から下方に押し流して作業エリア下部の背面側から吸引・除去するため、作業者が口鼻からホルムアルデヒドを吸引するおそれが低下する。
以上の構成に加え、プッシュダクト22には活性炭カートリッジ22bが装備されているので、気流が吹出し部20に達する前に活性炭カートリッジ22bでホルムアルデヒドを吸着除去できるため、プッシュダクト22から吸引されたホルムアルデヒドが吹出し部20から作業エリアに吹出すのを低減することができ、作業者の安全を確保することができる。
吹出し部20には、作業エリアの前面側の境界付近に吹出しファン3より速い気流を吹出すエアーカーテンファン5が装備されているので、作業エリアの前面側の境界にエアーカーテンファン5が作り出す速い気流がエアーカーテンとなり、作業エリア内部で発生したホルムアルデヒドが作業エリア前面から漏れ出すことを低減することができ、作業者の安全性の確保をより確実にすることができる。
次に、図9、図10を用いて、本発明の実施の形態2に係るプッシュ・プル型換気装置1’について説明する。実施の形態2に係るプッシュ・プル型換気装置1’と前述の実施の形態1に係るプッシュ・プル型換気装置1とが、相違する点は、他の局所排気装置が接続可能となっている点だけであるので、その点を主に説明して他の構成は同一構成には同一符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、プッシュ・プル型換気装置1’の吹出し部20の天面には、プッシュ・プル型換気装置1と同一構成に加え、他の局所排気装置の排気ダクトが接続可能な複数の接続口20aが開口しており、接続しない場合は、これらを塞ぐ矩形のプレートP1で密封されている。
接続口20aの個数は、接続が予定されている局所排気装置の数によるが、吹出しファン3で発生させる負圧を利用して他の局所排気装置からの排気を中継する関係上、図示するように、通常2個程度設けられる。
また、接続する局所排気装置としては、前述のプル型排気装置J2が挙げられるが、吸引ファンなどの有害ガスを含む空気を吸引する吸引手段や活性炭カートリッジなどの有害ガスの吸着除去手段を備え、有害ガスを吸引除去可能な局所排気装置であれば、適用することができる。
このようなプッシュ・プル型換気装置1’によれば、図10に示すように、病理検査室などの有害ガスが発生する作業を行う部屋において、撮影装置S2、サンプル棚S3、容器置場S4、ダストボックスなどの施設にプル型排気装置J2などの別の局所排気装置を設けた場合、その排気ダクトD2とプッシュ・プル型換気装置1’の吹出し部20とをプレートP1を取り外すだけで簡単に接続でき、プル型排気装置J2で吸引した有害ガスをプッシュ・プル型換気装置1’で中継する、いわゆる連弾式とすることが極めて容易である。即ち、部屋全体の排気量を増やさずに有害ガスが発生する各所から吸引・除去することができ、排気量に比して効率よく有害ガスを除去することができる。このため、高価で騒音が発生する高回転で排気量の大きなファンを設置することや、排気ダクト(E5)などの拡張作業をする必要がなくなり、どのような場所でも安価にプッシュ・プル型換気装置1’を設置して有害ガスの除去が可能となる。
以上のように、本発明の実施の形態に係るプッシュ・プル型換気装置1,1’が設置される部屋として病理検査室を例に挙げ説明したが、本発明のプッシュ・プル型換気装置が適用可能な部屋は、病理検査室に限られず、解剖室、切出し室(病理検査室の別称)などのホルマリン漬けの遺体や病理検体を取り扱うことでホルムアルデヒドが発生する部屋に加え、ホルムアルデヒド以外の空気より重い人体に有害なガスが発生する作業を伴う作業エリアには、本発明のプッシュ・プル型換気装置を適用可能である。
また、本発明の実施の形態に係るプッシュ・プル型換気装置1,1’として図面で示した各構成部材の形状や構造等も、あくまでも好ましい一例を示すものであり、特許請求の範囲内で適宜設計変更が可能であることは云うまでもない。特に、有害ガスの吸着除去手段として活性炭フィルタや活性炭カートリッジを例に挙げたが、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)などの既知の他の吸着除去手段も適用可能である。
1,1’ プッシュ・プル型換気装置
2 装置本体
20 吹出し部
20a 接続口
21 プルダクト
23a 吸引口
24a 排気口
22 プッシュダクト
22a 外部吸込み口
22b 活性炭カートリッジ
3 吹出しファン(吹出し手段)
4 吸引ファン(吸引手段)
5 エアーカーテンファン

Claims (4)

  1. ホルムアルデヒドなどの空気より比重の大きな有害ガスが発生する作業の作業エリアに設置され、前記作業エリア内に一定方向の気流を作り出し、該気流により前記作業で発生する前記有害ガスを除去するプッシュ・プル型換気装置において、
    少なくとも前記作業エリア上方を覆う装置本体を備え、この装置本体は、前記作業エリア上空に掛け渡された下面の一部が開放された箱状の吹出し部と、前記作業エリア背面に設けられたプルダクトと、を有し、前記吹出し部は、前記作業エリア内に一定方向に気流を吹出す吹出し手段を収容するとともに、前記プルダクトは、前記作業エリアから空気を吸引する吸引手段を収容し、このプルダクトには、前記作業エリア下部の背面に開口する吸引口と、前記吹出し部の背面側の天面に開口する排気口が設けられており、
    前記吹出し手段で前記吹出し部から下方に向けて前記作業エリアに気流を吹出し、前記吸引手段で前記吸引口を介して前記作業エリア背面から吸引することで、前記作業エリアに下降気流を作り出し、前記排気口から前記有害ガスを排気・除去するプッシュ・プル型換気装置であって、
    前記装置本体の側面には、前記吹出し部と連通して前記作業エリア下方の床付近まで達するプッシュダクトが、前記作業エリアの両側面を覆うように左右一対設けられるとともに、これら各プッシュダクトの下部に外部吸込み口が設けられ、前記吹出し手段の気流を吹出す力により、前記作業エリア外で発生した前記有害ガスを前記外部吸込み口から吸引して除去することを特徴とするプッシュ・プル型換気装置。
  2. 前記プッシュダクト内には、脱着可能に構成され、前記有害ガスを吸着する活性炭カートリッジが装備されている請求項1に記載のプッシュ・プル型換気装置。
  3. 前記吹出し部には、前記吹出し手段で吹出す気流より速い気流を前記作業エリア前面側に吹出すエアーカーテンファンが装備されている請求項1又は2に記載のプッシュ・プル型換気装置。
  4. 前記吹出し部の天面には、接続口が開口されているとともに、該接続口を塞ぐプレートが取り付けられており、このプレートを取り外すことで前記接続口を介して前記吹出し部と他の局所排気装置の排気ダクトとが接続可能となっている請求項1ないし3のいずれかに記載のプッシュ・プル型換気装置。
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